説明

ディスク装置

【課題】ディスク検出用の操作ピンの動作範囲をプリント基板に支障をきたさない位置とすることで、プリント基板の有効面積を確保することができるディスク装置を提供すること。
【解決手段】ベース本体10と蓋体とからシャーシ外装を構成し、ベース本体10のリア面側にはディスクの挿入によって移動するレバー110を設け、トラバース30とは重ならない位置で、プリント基板14を覆う位置にリアベース13を設け、レバーの下面に操作ピン114を設け、プリント基板14上のリア側近傍にディスク挿入検出スイッチ115を配置し、操作ピン114の動作範囲を、レバー100の回動支点111よりもリア面側の位置としたことを特徴とするディスク装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CDやDVDなどのディスク状の記録媒体への記録、または再生を行うディスク装置に関し、特に外部からディスクを直接挿入し、または直接排出できる、いわゆるスロットイン方式のディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のディスク装置は、トレイまたはターンテーブル上にディスクを載置し、このトレイやターンテーブルを装置本体内に装着するローディング方式が多く採用されている。
しかし、このようなローディング方式では、トレイやターンテーブルが必要な分、ディスク装置本体を薄型化するには限度がある。
一方、スロットイン方式のディスク装置としては、ディスク面に搬送ローラを当接させてディスクを引き込む方式が提案されている(例えば特許文献1)。
また、薄型化と小型化を図ることができるスロットイン方式のディスク装置として、ディスク挿入口側にトラバースを、コネクタ側にプリント基板をそれぞれ配置し、スピンドルモータがベース本体の中央部に位置し、ピックアップの往復動範囲がスピンドルモータよりもディスク挿入口側に位置し、ピックアップの往復移動方向がディスクの挿入方向と異なるようにトラバースを配設して動作させ、スピンドルモータをベース本体側または蓋体側に近接させる装置がある。
【特許文献1】特開平7−220353号公報
【特許文献2】特開2002−352498号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、例えば特許文献1で提案されているようなスロットイン方式では、ディスク直径より長い搬送ローラを用いるために、装置幅を広くしなければならず、さらにこの搬送ローラによって厚みも増してしまう。
従って、このようなスロットイン方式のディスク装置では、ディスク装置本体の薄型化や小型化を図ることは困難である。
一方、特許文献2における装置では、薄型化と小型化を図ることができるが、更に薄型化と小型化を図るためには、プリント基板を小さくする必要がある。
【0004】
そこで本発明は、ディスク検出用の操作ピンの動作範囲をプリント基板に支障をきたさない位置とすることで、プリント基板の有効面積を確保することができるディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明のディスク装置は、ベース本体と蓋体とからシャーシ外装を構成し、前記シャーシ外装のフロント面にディスクを直接挿入するディスク挿入口を形成するとともに前記シャーシ外装のリア面にコネクタを配設し、前記ディスク挿入口側にトラバースを、前記コネクタ側にプリント基板をそれぞれ配置し、スピンドルモータとピックアップと前記ピックアップを移動させる駆動手段とを前記トラバースによって保持し、前記スピンドルモータを前記ベース本体の中央部に配置し、前記ベース本体のリア面側にはディスクの挿入によって移動するレバーを設け、前記トラバースとは重ならない位置で、前記プリント基板を覆う位置にリアベースを設け、前記レバーの下面に操作ピンを設け、前記プリント基板上のリア側近傍にディスク挿入検出スイッチを配置したディスク装置であって、前記操作ピンの動作範囲を、前記レバーの回動支点よりもリア面側の位置としたことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のディスク装置において、前記操作ピンの動作範囲を、前記プリント基板のリア面側端部としたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載のディスク装置において、前記操作ピンの動作範囲が前記リア面にほぼ平行となるように、前記操作ピンを配置したことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項2又は請求項3に記載のディスク装置において、前記プリント基板上の前記操作ピンの動作範囲またはそれよりも広い範囲に、前記操作ピンの動作用孔を設けたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1に記載のディスク装置において、前記ディスク挿入検出スイッチを、スイッチレバーがリア面側に配置されるように設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、プリント基板の有効面積を確保することができ、装置本体の薄型化と小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第1の実施の形態によるディスク装置は、操作ピンの動作範囲を、レバーの回動支点よりもリア面側の位置としたものである。本実施の形態によれば、プリント基板をリア面側に近接させて配置することができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるディスク装置において、操作ピンの動作範囲を、プリント基板のリア面側端部としたものである。本実施の形態によれば、プリント基板をリア面側に近接させることができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態によるディスク装置において、操作ピンの動作範囲を、リア面にほぼ平行となるように配置したものである。本実施の形態によれば、プリント基板をリア面側に近接させることができる。
本発明の第4の実施の形態は、第2又は第3の実施の形態によるディスク装置において、プリント基板上の操作ピンの動作範囲またはそれよりも広い範囲に、操作ピンの動作用孔を設けたものである。本実施の形態によれば、プリント基板に設ける動作用孔は、プリント基板の長手方向となるために、プリント基板上の配線の制約を少なくできる。
本発明の第5の実施の形態は、第1の実施の形態によるディスク装置において、ディスク挿入検出スイッチを、スイッチレバーがリア面側に配置されるように設けたものである。本実施の形態によれば、スイッチレバーをリア面側に配置することで、操作ピンをリア面側に近接させることができる。
【実施例】
【0008】
以下本発明の一実施例によるディスク装置について説明する。
図1は本実施例によるディスク装置のベース本体の要部平面図、図2はディスクが挿入されていない状態を示す同ディスク装置の要部拡大平面図、図3はディスクが挿入されたことを検出する状態を示す同ディスク装置の要部拡大平面図、図4は他の実施例によるディスクが挿入されていない状態を示す同ディスク装置の要部拡大平面図、図5はディスクが挿入されたことを検出する状態を示す同ディスク装置の要部拡大平面図である。
本実施例によるディスク装置は、ベース本体と蓋体とからシャーシ外装が構成され、このシャーシ外装のフロント面にベゼルが装着される。また本実施例によるディスク装置は、図3に示すベゼルに設けたディスク挿入口からディスクを直接挿入するスロットイン方式のディスク装置である。
【0009】
図1に示すように、ディスクへの記録再生機能やディスクのローディング機能を行う各部品は、ベース本体10に装着される。
ベース本体10には、深底部210と浅底部310が形成され、浅底部310によってフロント面からリア面に至るウイング部が形成されている。
ベース本体10のフロント側にはディスクを直接挿入するディスク挿入口11を形成し、ベース本体10のリア面の端部にはコネクタ12を配設している。ベース本体10のディスク挿入口11側にはトラバース30が配置され、ベース本体10のコネクタ12側にはリアベース13が配置されている。トラバース30とリアベース13とは互いが重ならないように配置されている。リアベース13のベース本体10面側にはプリント基板14が設けられている。
【0010】
トラバース30は、スピンドルモータ31とピックアップ32とピックアップ32を移動させる駆動手段33とを保持している。スピンドルモータ31はトラバース30の一端側に設けられ、ピックアップ32はトラバース30の一端側から他端側までを移動可能に設けられている。またピックアップ32は停止時にはトラバース30の他端側に配置される。駆動手段33は、駆動モータと、ピックアップ32を摺動させる一対のレールと、駆動モータの駆動をピックアップ32に伝達する歯車機構とを有し、一対のレールはトラバース30の一端側と他端側とを連接するように両側部に配置されている。駆動モータはディスク挿入口11側のレールの外方に、駆動軸がレールと平行になるように配置されている。歯車機構は、この駆動モータとディスク挿入口11側のレールとの間の空間に配置されている。
【0011】
トラバース30には、スピンドルモータ31がベース本体10の中央部に位置し、またピックアップ32の往復動範囲がスピンドルモータ31よりもディスク挿入口11側に位置し、またピックアップ32の往復移動方向がディスクの挿入方向と異なるように配設されている。ここで、ピックアップ32の往復移動方向とディスクの挿入方向とは、40〜45度の角度としている。
トラバース30は、一対のインシュレータ34A、34Bによってベース本体10に支持されている。
一対のインシュレータ34A、34Bは、スピンドルモータ31の位置よりもピックアップ32の静止位置側に配設し、ピックアップ32の静止位置よりもディスク挿入口11側の位置に配設することが好ましい。本実施例では、インシュレータ34Aはディスク挿入口11の内側近傍の一端側に、インシュレータ34Bはディスク挿入口11の内側近傍の中央部に設けている。インシュレータ34A、34Bは、弾性材料からなるダンパー機構を備えている。インシュレータ34A、34Bは、このダンパー機構によって、トラバース30がベース本体10から離間する方向に変位することができる。
【0012】
トラバース30のベース本体10側の面には、リブ35を設けている。このリブ35は、ディスク挿入口11と反対のレールの外方であって、ピックアップ32の静止位置側に設けている。またこのリブ35は、トラバース30をベース本体10側に近接させた時に、ベース本体10に当接することで、インシュレータ34A、34Bの位置でトラバース30をベース本体10から離間する方向に変位させるに十分な高さを有している。なお、本実施例では、リブ35をトラバース30のベース本体10側の面に設けた場合で説明したが、ベース本体10のトラバース30側の面に設けてもよい。またトラバース30のベース本体10側の面と、ベース本体10のトラバース30側の面の双方に設けてもよい。また本実施例ではトラバース30のベース本体10側への近接動作を利用して、インシュレータ34A、34B側のトラバース30を上昇させる構成としたが、インシュレータ34A、34Bの位置でのトラバース30の高さを変更する他の手段、例えばインシュレータ34A、34Bの高さを変更する手段によって実現することもできる。
なお、トラバース30は、インシュレータ34A、34Bを支点として、スピンドルモータ31をベース本体10と近接離間させるように動作する。
【0013】
以下に、このトラバース30を動作させるカム機構を備えたメインスライダー40とサブスライダー50について説明する。
トラバース30を変位させるカム機構は、メインスライダー40とサブスライダー50にそれぞれ設けている。ここで、メインスライダー40とサブスライダー50とは、スピンドルモータ31の側方に位置するように配設されている。メインスライダー40は、その一端がベース本体10のフロント面側、その他端がベース本体10のリア面側となる方向に配設されている。また、サブスライダー50は、トラバース30とリアベース13との間に、メインスライダー40と直交する方向に配設されている。
トラバース30を変位させるカム機構は、第1のカム機構41と第2のカム機構51によって構成される。第1のカム機構41は、メインスライダー40のスピンドルモータ31側の面に、第2のカム機構51は、サブスライダー50のスピンドルモータ31側の面にそれぞれ設けられている。
なお、メインスライダー40とトラバース30との間にはベース部材15が設けられ、サブスライダー50とトラバース30との間にはベース部材16が設けられている。ここでベース部材15とベース部材16はベース本体10に固定され、ベース部材15に設けた縦溝によってトラバース30のカムピン36を位置規制し、ベース部材16に設けた縦溝によってトラバース30のカムピン37を位置規制している。
ここで、ベース部材16とサブスライダー50とは、第3のカム機構(図1では図示せず)によって連結している。そしてこの第3のカム機構は、第2のカム機構51によってトラバース30をベース本体10に対して離間する方向に移動させる時に、サブスライダー50をベース本体10に対して離間する方向に移動させる機能を備えている。
【0014】
メインスライダー40の一端側にはローディングモータ60が配設されている。ローディングモータ60の駆動軸61とメインスライダー40の一端側とは歯車機構を介して連結されている。なお、ローディングモータ60の駆動軸61には歯車機構を構成するウオームギア62が設けられている。
ローディングモータ60は、その本体がディスク挿入口11の中央部に、駆動軸61がディスク挿入口11の端部側に、それぞれが位置するように配設されている。
そして、ローディングモータ60は、その駆動軸61側がディスク挿入口11に挿入されるディスクに近接するように傾けてあり、ローディングモータ60本体のディスク挿入口11側がディスクに近接するように傾けてある。すなわち、ローディングモータ60は、図1に示す「A」の位置が、最も蓋体側に突出した状態となるように設けられている。このようにローディングモータ60を傾斜させて設置することで、ディスクの取り出し時にディスク面に傾きが生じたとしても、ディスク外周端がローディングモータ60本体の「A」の箇所にあたることになり、ディスク内周面がローディングモータ60本体にあたることを防止することができる。なお、ローディングモータ60は、その駆動軸61側がディスク挿入口11に挿入されるディスクに近接するように傾けるか、またはローディングモータ60本体のディスク挿入口11側がディスクに近接するように傾けるか、いずれか一方の傾きでも効果はある。
【0015】
このローディングモータ60の駆動によってメインスライダー40を長手方向に摺動させることができる。またメインスライダー40は、カムレバー70によってサブスライダー50と連結している。
カムレバー70は回動支点71を有し、ピン72及びピン73でメインスライダー40の上面に設けたカム溝と係合し、ピン74でサブスライダー50の上面に設けたカム溝と係合している。
このカムレバー70は、メインスライダー40の第1のカム機構41によってトラバース30を変位させるタイミングで、サブスライダー50を移動させ、サブスライダー50の移動によって第2のカム機構51を動作させてトラバース30を変位させる機能を有する。
【0016】
以上説明した、コネクタ12、トラバース30、リアベース13、プリント基板14、インシュレータ34A、34B、メインスライダー40、サブスライダー50、ベース部材15、ベース部材16、及びローディングモータ60は、ベース本体10の深底部210に設けられ、これらの部材と蓋体との間に、ディスク挿入空間を形成する。
【0017】
次に、ディスクを挿入する時にディスクを支持するガイド部材と、ディスクを挿入する時に動作するレバー部材について説明する。
深底部210のディスク挿入口11近傍の一端側には、所定長さの第1のディスクガイド17が設けられている。この第1のディスクガイド17は、ディスク挿入側から見た断面が、「コ」の字状の溝を有している。この溝によってディスクは支持される。
一方、ディスク挿入口11の他端側のベース本体10内には、引き込みレバー80が設けられ、この引き込みレバー80の可動側端部に第2のディスクガイド81を備えている。第2のディスクガイド81は、円筒状のローラで構成され、引き込みレバー80の可動側端部に回動自在に設けられている。また、第2のディスクガイド81のローラ外周には溝が形成され、この溝によってディスクは支持される。
引き込みレバー80は、可動側端部が固定側端部よりもディスク挿入口11側で動作するように配置され、固定側端部に回動支点82を有している。
また、引き込みレバー80の裏面(ベース本体10側の面)の可動側端部と固定側端部との間には長溝83が設けられている。一方、引き込みレバー80の表面の可動側端部と固定側端部との間には所定長さの第3のディスクガイド84が設けられている。
【0018】
引き込みレバー80は、サブレバー90によって動作する。
サブレバー90は、可動側の一端に凸部91を備え、他端側に回動支点92を備えている。サブレバー90の凸部91は、引き込みレバー80の長溝83内を摺動する。また、サブレバー90の回動支点92は、メインスライダー40上に位置している。なお、回動支点92は、メインスライダー40とは連動せず、ベース本体10にベース部材15を介して固定されている。またサブレバー90の回動支点92よりも凸部91側の下面には、ピン93を備えている。このピン93は、メインスライダー40の上面に設けられたカム溝内を摺動する。従って、サブレバー90は、メインスライダー40の移動にともなって角度が変更され、このサブレバー90の角度の変更によって引き込みレバー80の旋回角度を変更する。すなわち、サブレバー90の動作によって、引き込みレバー80の第2のディスクガイド81がスピンドルモータ31に近接離間するように動作する。なお、引き込みレバー80の可動側端部に近い側の長溝83の端部には、サブレバー90の旋回方向に延びる溝83Aが設けられている。この溝83Aによって、第2のディスクガイド81がディスクを最も引き込んだ時に、サブレバー90の旋回角度にばらつきが発生しても、引き込みレバー80の旋回角度にはばらつきが発生せず、ディスク引き込み量を安定させることができる。
【0019】
ベース本体10の引き込みレバー80と異なる側部には、排出レバー100が設けられている。この排出レバー100の一端側の可動側端部にはガイド101が設けられている。また、排出レバー100の他端側には、回動支点102が設けられている。また、排出レバー100の可動側端部には、ガイド101よりもリア面側に当接部103が設けられている。また、排出レバー100には、弾性体104が設けられている。この弾性体104の一端は排出レバー100に固定されており、他端はリアベース13に固定されている。当接部103は、弾性体104によってリア面側に引き込まれた場合に、リアベース13の当接部13Aと当接する。また排出レバー100は、弾性体104の弾性力によってディスク挿入口11側に引き出される。なお、排出レバー100は、リンクアーム105と排出スライダー106を介してメインスライダー40の動きと連動して動作する。ここでリンクアーム105は、メインスライダー40と排出スライダー106とを連接し、排出レバー100はカムピンによって排出スライダー106のカム溝と係合している。
ベース本体10のリア面側には規制レバー110が設けられている。この規制レバー110はリア面側端部を回動支点111とし、可動側端部にガイド112を備えている。この規制レバー110は、弾性体113によってガイド112側が常にフロント側に突出するように付勢されている。また、この規制レバー110の下面には、操作ピン114を設けてあり、この操作ピン114は、リアベース13のリア面側に配置したディスク挿入検出スイッチ115を動作させる。
また、排出レバー100と同じ側のベース本体10の側部には、ガイドレバー180が設けられている。ガイドレバー180は、リア面側を回動支点181とし、可動側にガイド182を備えている。このガイドレバー180は、弾性体183によってガイド182側がディスク側に突出するように付勢されている。また、このガイドレバー180は、リンクアーム105と排出スライダー106を介してメインスライダー40と連動し、このメインスライダー40の動きに応じて、ガイド182側がディスクから離間するように動作する。
【0020】
またスピンドルモータ31の近傍のトラバース30には開口部を備え、この開口部には、ベース本体10から蓋体に向かって突出したピン18を設けている。このピン18は、トラバース30が最もベース本体10側に移動した状態では、スピンドルモータ31のハブよりも蓋体側に突出する高さであり、またトラバース30がスピンドルモータ31の駆動状態(再生録音可能な作動状態)では、スピンドルモータ31のハブよりもベース本体10側に引き込んだ高さである。ピン18は、スピンドルモータ31に装着されるディスクの中心部の非記録面に対応する位置であって、スピンドルモータ31よりもインシュレータ34から離れた位置に設けることが好ましい。
【0021】
また、ベース本体10のフロント側には、フロントガイダー21とトラバースフェルト22が設けられている。フロントガイダー21は、ディスク挿入口11の一端側であって、引き込みレバー80とディスク挿入口11との間に配置されている。またこのフロントガイダー21は、ローディングモータ60や歯車機構、メインスライダー40の一部を覆うように、これらの部材よりも蓋体側に設けられている。このフロントガイダー21は、挿入されるディスクの記録面全面が接触しないように周囲にテーパーが設けられ、表面がウレタンフッ素コーティングされている。また、フロントガイダー21は、深底部210とビス21Aによって締結するとともに浅底部310とビス21Bによって締結している。このように、フロントガイダー21を、深底部210及び浅底部310とビス21A、21Bによって締結することで、浅底部310の変形を防止することができる。
一方、トラバースフェルト22は、ディスク挿入口11の他端側であって、トラバース30のディスク挿入口11側を一部覆うように、トラバース30よりも蓋体側に設けられている。このトラバースフェルト22は、挿入されるディスクの記録面全面が接触しないように中央部が凸状になっており、フェルト材で構成されている。フロントガイダー21とトラバースフェルト22は、第1のディスクガイド17や第2のディスクガイド81では十分にディスクを支持できない場合に、ディスクの面方向への傾きによって記録面に傷が付くのを防止することができる。なお、フロントガイダー21をフェルト材で構成し、トラバースフェルト22をウレタンフッ素コーティングしたものを用いてもよい。
【0022】
次に、図2及び図3を用いてディスクの検出動作について説明する。
まず、ディスクが挿入されていない状態では、図2に示す状態にある。すなわち、規制レバー110は、ガイド112がフロント側に位置し、操作ピン114はプリント基板13よりもリア面側に位置している。ディスクが所定位置まで挿入されると、操作ピン114は、プリント基板14の長手方向に動作し、ディスク挿入検出スイッチ115のスイッチレバー116を操作してディスクの挿入を検出する。ここで、操作ピン114の動作範囲は、規制レバー110の回動支点111よりもリア面側の位置で、その動作範囲がベース本体10のリア面にほぼ平行となるように規制レバー110に設けられている。また、ディスク挿入検出スイッチ115を、スイッチレバー116がベース本体10のリア面側に配置されるように設けている。このように、スイッチレバー116をリア面側に配置することで、操作ピン114をリア面側に近接させることができる。
【0023】
次に図4及び図5を用いて他の実施例について説明する。
本実施例では、プリント基板14をベース本体10のリア面に近接させて設けている。また、プリント基板14には、操作ピン114の動作範囲またはそれよりも広い範囲に動作用孔14Aを設けている。操作ピン114は、この動作用孔14A内に配置されている。また、操作ピン114は、その動作範囲がベース本体10のリア面にほぼ平行となるように配置することが好ましい。従って、動作用孔14Aについても、ベース本体10のリア面にほぼ平行となるようにプリント基板14に設けている。また、ディスク挿入検出スイッチ115は、スイッチレバー116がベース本体10のリア面側に配置されるように設けている。
本実施例では、ディスクが挿入されていない状態では、操作ピン114がディスク挿入検出スイッチ115のスイッチレバー116を押した状態にあり、規制レバー110が動作することでディスク挿入検出スイッチ115のスイッチレバー116は開放される構成となっている。
本実施例によれば、プリント基板14をベース本体10のリア面側に近接させることができるとともに、プリント基板14に設ける動作用孔14Aは、プリント基板14の長手方向となるために、プリント基板14上の配線の制約を少なくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明のディスク装置は、表示手段と入力手段と演算処理手段などを一体化した、いわゆるノート型パソコン本体に内蔵されるディスク装置として特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施例によるディスク装置のベース本体の要部平面図
【図2】ディスクが挿入されていない状態を示す同ディスク装置の要部拡大平面図
【図3】ディスクが挿入されたことを検出する状態を示す同ディスク装置の要部拡大平面図
【図4】他の実施例によるディスクが挿入されていない状態を示す同ディスク装置の要部拡大平面図
【図5】ディスクが挿入されたことを検出する状態を示す同ディスク装置の要部拡大平面図
【符号の説明】
【0026】
10 ベース本体
11 ディスク挿入口
114 操作ピン
115 ディスク挿入検出スイッチ
116 スイッチレバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース本体と蓋体とからシャーシ外装を構成し、前記シャーシ外装のフロント面にディスクを直接挿入するディスク挿入口を形成するとともに前記シャーシ外装のリア面にコネクタを配設し、前記ディスク挿入口側にトラバースを、前記コネクタ側にプリント基板をそれぞれ配置し、スピンドルモータとピックアップと前記ピックアップを移動させる駆動手段とを前記トラバースによって保持し、前記スピンドルモータを前記ベース本体の中央部に配置し、前記ベース本体のリア面側にはディスクの挿入によって移動するレバーを設け、前記トラバースとは重ならない位置で、前記プリント基板を覆う位置にリアベースを設け、前記レバーの下面に操作ピンを設け、前記プリント基板上のリア側近傍にディスク挿入検出スイッチを配置したディスク装置であって、前記操作ピンの動作範囲を、前記レバーの回動支点よりもリア面側の位置としたことを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記操作ピンの動作範囲を、前記プリント基板のリア面側端部としたことを特徴とする請求項1に記載のディスク装置。
【請求項3】
前記操作ピンの動作範囲が前記リア面にほぼ平行となるように、前記操作ピンを配置したことを特徴とする請求項1に記載のディスク装置。
【請求項4】
前記プリント基板上の前記操作ピンの動作範囲またはそれよりも広い範囲に、前記操作ピンの動作用孔を設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のディスク装置。
【請求項5】
前記ディスク挿入検出スイッチを、スイッチレバーがリア面側に配置されるように設けたことを特徴とする請求項1に記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−79738(P2006−79738A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−263184(P2004−263184)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】