説明

ディスク装置

【課題】 ディスクが装填されたときに、トリガー部材で動力切換え機構を確実に動作させることができ、またディスクの搬出時には、動力切換え機構を確実に初期位置に復帰させることができる「ディスク装置」を提供することを目的とする。
【解決手段】 小径歯車部115bがγ1方向へ回転しているときに、トリガー部材101で第2の回動部材120がφ1方向へ回動させられ、部分歯車部120bが小径歯車部115bに噛み合い、第1の回動部材20と第2の回動部材120が一緒にφ1方向に回動させられる。小径歯車部115bがγ2方向へ回転するときには、第1の回動部材20と第2の回動部材120が連結部材126で連結されている。よって、第1の回動部材20の部分歯車部20dが小径歯車部115bから外れた後も第1の回動部材20がφ2方向へ確実に復帰させられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクが所定位置まで搬入されたときに、モータの動力が切換え部材に伝達され、この切換え部材の動作により、ディスクのクランプ動作などが行われるディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用のディスク装置のように、直径12cmの大径規格のディスクや直径8cmの小径規格のディスクが、搬送ローラなどの搬送機構の動力で搬入されるいわゆるスロットイン方式のディスク装置では、ディスクの中心穴がターンテーブルに一致したときに、このディスクで押されて動作する装填検知部材が設けられている。
【0003】
ディスクによってこの装填検知部材が動作させられると、この装填検知部材に連動して動作するトリガー部材によって動力切換え機構が始動させられる。この動力切換え機構が始動すると、モータの動力が、切換え部材に伝達され、切換え部材の移動力により、ディスクをターンテーブルにクランプするクランプ動作などが行われる。
【特許文献1】特開2004−234854号公報
【特許文献2】特開平8−180537号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の前記動力切換え機構では、モータの動力で常に回転している駆動歯車が設けられ、この駆動歯車の側方に部分歯車部を有する回動部材が設けられている。ディスクが搬入されて所定の位置に位置決めされると、装填検知部材が動作してトリガー部材が動作させられる。このトリガー部材によって前記回動部材が回動させられて、回動部材に設けられた部分歯車部が駆動歯車に噛み合わせられる。その後は、駆動歯車の動力が回動部材に与えられ、回動部材が回動する力で、前記切換え部材が移動させられてディスクをクランプする動作などが行われる。
【0005】
この動力切換え機構では、ディスクのクランプを解除させるときに、駆動歯車を逆転方向へ回動させることが必要である。この場合、部分歯車部が駆動歯車から外れた時点で、駆動歯車から回動部材に回動力が作用しなくなる。そのため、部分歯車部が駆動歯車から外れた後に回動部材をばねの力で初期位置へ復帰させることが必要になる。しかし、このばねを設けた構造であると、部分歯車部が駆動歯車から外れた後に、回動部材を確実に初期位置に復帰させることが難しい。例えばこの復帰動作の際に、いずれかの機構を動作させようとすると、前記ばねの弾性力を必要以上に強くする必要がある。すると、トリガー部材でこの弾性部材を回動させ、部分歯車部を駆動歯車部に噛み合わせる際に、ばねの抵抗力が過大になり、確実な切換え動作ができないおそれがある。
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、トリガー部材により動力切換え機構を第1の方向へ確実に動作させることができ、しかも動力切換え機構の第2の方向への切換え動作も低負荷で確実に行うことができるディスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ディスク(D)の中心穴が保持される回転駆動部(5)と、前記回転駆動部(5)に向けてディスク(D)を搬送する搬送機構(6A,6B)と、ディスク(D)が前記回転駆動部(5)に保持される位置まで搬入されたときに動作するトリガー部材(101)と、
ディスク(D)の中心穴を回転駆動部(5)にクランプさせる切換え部材(3A,3B)と、モータ(M)の動力を前記切換え部材(3A,3B)に伝達する動力切換え機構(100)とが設けられており、
前記動力切換え機構(100)には、第1の歯部(20d)を有する第1の移動部材(20)および第2の歯部(120b)を有する第2の移動部材(120)と、モータ(M)の動力で正逆両方向へ動作させられ且つ駆動歯(115b)を有する駆動部材(115)とが設けられており、
前記トリガー部材(101)によって前記第2の移動部材(120)が第1の方向(φ1)へ移動させられて第2の歯部(120b)が前記駆動歯(115b)に噛み合った後に、遅れて前記第1の移動部材(20)が第1の方向(φ1)に移動して前記第1の歯部(20d)が前記駆動歯(115b)に噛み合うように、前記第1の移動部材(20)と前記第2の移動部材(120)とが連結部材(126)で連結されており、
前記駆動部材(115)が逆向きに動作したときに、前記第1の移動部材(20)と前記第2の移動部材(120)が前記連結部材(126)で連結させられて一緒に第2の方向(φ2)へ移動し、前記第1の歯部(20d)が前記駆動歯(115b)から離れた後も、前記第2の歯部(120b)が前記駆動歯(115b)に噛み合って、前記第1の移動部材(20)が第2の方向(φ2)へ移動させられ、
前記第1の移動部材(20)が第1の方向(φ1)へ移動するときに、前記切換え部材(3A,3B)がディスクをクランプする方向へ移動させられ、前記第1の移動部材(20)が第2の方向(φ2)へ移動するときに、前記切換え部材(3A,3B)がディスクのクランプを解除する方向へ移動させられることを特徴とするものである。
【0008】
本発明のディスク装置では、駆動部材(115)が逆方向へ回動するときに、第1の移動部材(20)の第1の歯部(20d)が駆動歯(115b)から離れた後も、第1の移動部材(20)と第2の移動部材(120)とが連結されているため、第2の歯部(120b)に動力を与えることで、第1の移動部材(20)をモータ(M)の動力で第2の方向(φ2)へ確実に復帰させることができる。よって、第1の移動部材(20)の第2の方向(φ2)への復帰動作の際に、この第1の移動部材(20)によって、切換え部材などを確実に動作させることができる。よって、過大な力のばねなどを使用しなくても、動力切換え機構の第1の方向と第2の方向での切換え動作を確実に行うことができる。
【0009】
なお、以下の実施の形態では、第1の移動部材が第1の回動部材に相当し、第2の移動部材が第2の回動部材に相当する。またその他の要素は、以下の実施の形態の各部材に付せられた符号と一致させている。すなわち、以下の実施の形態では、第1の回動部材(20)と第2の回動部材(120)および駆動歯車(115)が設けられて、全ての要素が回動するものとなっているが、本発明では、第1の移動部材と第2の移動部材が共に直線的に移動するもので、第1の歯部と第2の歯部が、第1の移動部材と第2の移動部材に設けられた部分ラック部であってもよい。
【0010】
また、本発明は、前記第1の移動部材(20)と前記第2の移動部材(120)が第2の方向(φ2)へ移動し、前記第2の歯部(120b)が前記駆動歯(115b)から外れた後に、第2の移動部材(120)を第2の方向(φ2)へ移動させて、前記第2の歯部(120b)を前記駆動歯(115b)から離れさせるスプリング(118)が設けられていることが好ましい。
【0011】
上記スプリング(118)を設けることで、第2の歯部(120b)が駆動歯(115b)から離れたときに、第2の歯部(120b)が駆動歯(115b)から離れた位置に確実に離れることができる。
【0012】
例えば、本発明は、前記連結部材(126)は、前記第1の移動部材(20)に移動自在に支持され、前記第2の移動部材(120)には、前記連結部材(126)と嵌合する係止部(121b)が設けられ、前記第1の移動部材(20)と前記第2の移動部材(120)を移動自在に支持しているシャーシ(12)には、前記連結部材(126)の位置を制御する制御部(125)が設けられており、
前記第2の移動部材(120)が第1の方向(φ1)へ移動して前記第2の歯部(120b)が前記駆動歯(115b)に噛み合う位置に至ったときに、前記制御部(125)の連結案内部(125a)によって、前記連結部材(126)が前記係止部(121b)に掛止させられて、その後、前記第1の移動部材(20)が前記第2の移動部材(120)と一緒に第1の方向(φ1)へ移動できるようになる。
【0013】
また、本発明は、前記制御部(125)には、前記連結部材(126)を保持する規制部(125b)が形成され、前記トリガー部材(101)によって、前記第2の移動部材(120)が第1の方向(φ1)へ移動させられるときに、前記連結部材(126)が前記規制部(125b)に保持されて第1の移動部材(20)の移動が規制され、前記第2の歯部(120b)が前記駆動歯(115b)に噛み合った後に、前記規制部(125b)による連結部材(126)の保持が解除されて、第1の移動部材(20)と第2の移動部材(120)が一緒に第1の方向(φ1)へ移動できるようになることが好ましい。
【0014】
第1の移動部材が規制されることで、トリガー部材により第2の移動部材が移動させられるときに、不用意に第1の移動部材が移動することがなく、第1の歯部が駆動歯に噛み合う現象を防止できる。
【0015】
また、本発明は、第1の移動部材(20)と第2の移動部材(120)は、同軸で回転する回動部材であり、前記第2の移動部材(120)に断続部材(122)が基部を支点として揺動自在に設けられ、前記断続部材(122)に前記連結部材(126)が支持されているものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明のディスク装置では、トリガー部材で始動させられる動力切換え機構を正逆両方向へ確実に動作させることができる。よって、この動力切換え機構の動力で、切換え部材を双方向へ確実に動作させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明の実施の形態のディスク装置に設けられる機構ユニットを底面を紙面手前側に向けて示す底面図である。図2(A)は機構ユニットの左側面図、(B)は機構ユニットの右側面図であり、共に上面を上に向けて示している。図3(A)(B)は外部シャーシの下部ベースを、上端を上に向け且つ異なる方向から見た斜視図である。図4は、スライダに設けられた拘束凹部と外部シャーシに設けられた凸部との係合状態を図1と同じ向きから見た部分断面図、図5はリンク機構に設けられた突出ロック部材と係止傾斜部との当接状態を上面側から見た部分斜視図、図6は、ロック回動部材と下部ベースとの係止部を上面側から見た部分斜視図、図7は、ドライブベースを昇降させる機構の一部を底面を上向きにして示す部分斜視図である。
【0018】
図8ないし図10は、機構ユニットを上面から見た構造を動作別に示す平面図、図11(A)は図1に示されている動力切換え機構を底面を上向きで示す部分斜視図、図11(B)は、前記動力切換え機構の分解斜視図である。図12(A)(B)と図13(A)(B)および図14は、動力切換え機構を動作別に示すものであり上方から見た部分平面図である。図15ないし図17は、装置全体の動作説明図である。
【0019】
全ての図面において、図示X1方向が右方向、X2方向が左方向、Y1方向が前方、Y2方向が後方、Z1方向が上方向、そしてZ2方向が下方向である。図1は、Z2方向を紙面の手前側に向けて示した底面図である。
【0020】
(機構ユニットの構造)
ディスク装置1は、DVD(デジタルバーサタイルディスク)などのディスクが装填可能である。ディスク装置1は、車載用機器の1DINサイズよりも十分に薄い大きさの外部シャーシを有している。外部シャーシは、図3(A)(B)に示す下部ベース7とこの下部ベース7に重ねられる上部ベースとで構成されている。図1に示す機構ユニット2は、前記下部ベース7および上部ベースの内部に収納される。外部シャーシのY1側には、液晶表示パネルや各種スイッチ類を有するノーズ部が設けられ(図示せず)、前記ノーズ部に幅方向(X方向)に延びるスリット状の挿入口が設けられている。
【0021】
図1に示すように、機構ユニット2には、搬送手段として2つの搬送ローラ6A,6Bが設けられており、ディスクDは、搬送ローラ6A,6Bによって挿入口からY2方向に搬入され、Y1方向に搬出される。
【0022】
機構ユニット2の図1に示されている底面側には、ボトムシャーシ12が現れており、このボトムシャーシ12よりも中央から後方(Y2方向)の領域にかけてドライブベース8が設けられている。図2(A)(B)に示すように、前記ドライブベース8の上方(Z1側)にはクランプベース9が対向している。このクランプベース9よりも前方にはトップシャーシ10が設けられ、このトップシャーシ10の両側部が前記ボトムシャーシ12に固定されている。トップシャーシ10とボトムシャーシ12とで機構ユニット2のユニットシャーシが構成されており、前記挿入口から挿入されたディスクDは、トップシャーシ10とボトムシャーシ12の中間の空間内に送り込まれる。
【0023】
図1に示すように、ドライブベース8のY1側の先部には回転駆動部4が設けられている。図2(A)(B)にも示すように、回転駆動部4では、ドライブベース8の上にスピンドルモータ5が固定されており、このスピンドルモータ5の回転軸にターンテーブルが固定されている。図1に示すように、ドライブベース8には、ヘッド部17が設けられている。ヘッド部17は、ドライブベース8に固定された案内軸16,16によって、ターンテーブルに載置されたディスクの記録面に沿って移動自在に案内されている。また、ドライブベース8には、ヘッド部17をディスクの半径方向へ移動させるスレット駆動機構が設けられている。
【0024】
図2(A)(B)に示すように、クランプベース9のY1側の先部の下面には、回転駆動部4のターンテーブルに対向するクランパ11が設けられ、このクランパ11はクランプベース9に回転自在に支持されている。図1に示すように、前記ドライブベース8のY2側の基部には、X1方向とX2方向の両側に支持片8c,8cが設けられ、それぞれの支持片8c,8cに、軸9a,9aが固定されている(図1では、X1側の軸9aのみが示されている)。クランプベース9のY2側の基端部は、前記軸9a,9aに回動自在に支持されている。
【0025】
前記軸9aには、トーションコイルバネで形成された押圧付勢部材(図示せず)が設けられている。この押圧付勢部材の付勢力により、クランプベース9が軸9a,9aを支点として回動付勢され、クランパ11は、常にターンテーブルに押し付けられる方向へ付勢されている。
【0026】
一方、前記ドライブベース8のY2側の基端部の両側部には、図1に示す軸ピン8a1と軸ピン8a2が固定されている。前記トップシャーシ10のX1側には下方向(Z2方向)に垂直に折り曲げられた支持片10aが形成され、前記軸ピン8a1が支持片10aに回動自在に支持されている。また、ボトムシャーシ12にも下方向に折り曲げられた支持片12aが形成されており、軸ピン8a2が支持片12aに回動自在に支持されている。
【0027】
このため、ドライブベース8は、その後端部分が軸ピン8a1,8a2を支点として、トップシャーシ10およびボトムシャーシ12から成るユニットシャーシに回動自在に支持され、さらにクランプベース9は、ドライブベース8の後方においてこのドライブベース8に回動自在に支持されている。
【0028】
ドライブベース8は、トップシャーシ10およびボトムシャーシ12と平行なドライブ姿勢と、図2(A)(B)に示すように、回転駆動部4を有するY1側がZ2方向へ下降した傾斜姿勢であるディスク待機姿勢との間で回動する。また、 クランプベース9は、クランパ11がターンテーブルに圧接するクランプ姿勢と、クランプベース9が上向きに傾斜してクランパ11がターンテーブルから離れるクランプ解除姿勢との間で回動する。
【0029】
図1に示すように、トップシャーシ10のY1側の前端には、検知ピン26,26が設けられている。検知ピン26,26は図1に示すように互いに接近する位置にあり、また接近する方向へ付勢されている。ディスクが挿入口からY2方向へ挿入されると、ディスクの外周縁により検知ピン26,26が互いに離れる方向へ移動させられる。検知ピン26,26が互いに離れる方向へ移動することにより、ディスクが挿入されたことが検知される。またディスクが排出され、検知ピン26,26が接近する位置に復帰すると、ディスクが完全に抜き出されたことを検知できる。
【0030】
(左側切換え部材および右側切換え部材とリンク機構)
図1に示すように、トップシャーシ10の左側部には左側切換え部材3Aが設けられ、右側部には右側切換え部材3Bが設けられている。図2(A)に示すように、左側切換え部材3AにはY1−Y2方向に延びるガイド長穴41,42が形成されている。トップシャーシ10の両側部にはZ2方向に折り曲げられた側板が設けられ、この側板に支持軸51,52が固定されている。前記ガイド長穴41,42が支持軸51,52を摺動することにより、左側切換え部材3AはY1−Y2方向へ移動自在である。図2(B)に示すように、右側切換え部材3Bにも、Y1−Y2方向に直線的に延びるガイド長穴43,44が形成されている。このガイド長穴43,44が、トップシャーシ10の側板に固定された支持軸53,54を摺動することにより、右側切換え部材3Bは、Y1−Y2方向へ移動自在である。
【0031】
図1に示すように、機構ユニット2の左後方では、前記ボトムシャーシ12に切換えモータMが設けられ、ボトムシャーシ12の下面には、切換えモータMの動力を減速して伝達する歯車群Hが設けられている。切換えモータMの動力は、動力切換え機構100によりタイミングが設定されて第1の回動部材20に与えられる。第1の回動部材20は、ボトムシャーシ12の左側部の底面に固定された軸21に回動自在に設けられている。第1の回動部材20には、駆動突起20aが設けられ、この駆動突起20aが前記左側切換え部材3Aに係止されている。
【0032】
切換えモータMの動力により第1の回動部材20が回動させられると、第1の回動部材20と一体の駆動突起20aにより、左側切換え部材3AがY1方向およびY2方向へ直線的に移動させられる。
【0033】
図1に示すように、ボトムシャーシ12の下面には、左側切換え部材3Aと右側切換え部材3Bを連結するリンク機構30が設けられている。リンク機構30には、スライダリンク31が設けられている。スライダリンク31にはX1−X2方向に延びるガイド長穴31a,31aが形成され、ボトムシャーシ12から下方へ折り曲げて形成されている案内突起12b,12bに前記ガイド長穴31a,31aが挿通され、スライダリンク31がX1方向およびX2方向へ移動できるように支持されている。第1の回動部材20には連結ピン20bが設けられ、この連結ピン20bが、前記スライダリンク31に形成された長穴内に係止されている。
【0034】
前記スライダリンク31のX2側に向けられている端部は一方の突出ロック部材33である。図1に示すように、突出ロック部材33の先端には、Y1側に向けて傾斜する当接部33aが形成されている。
【0035】
ボトムシャーシ12の下面の右側部には逆転リンク32が設けられている。逆転リンク32は、ボトムシャーシ12の下面に固定されている軸32aに回動自在に支持されている。逆転リンク32には連結ピン32bが固定され、この連結ピン32bが前記スライダリンク31に形成された長穴内に掛止されている。逆転リンク32には駆動突起32cが一体に形成されており、この駆動突起32cが右側切換え部材3Bに掛止されている。
【0036】
図1に示す動作状態では、第1の回動部材20が反時計方向へ回動させられ、第1の回動部材20と一体に形成された駆動突起20aによって、左側切換え部材3AがY2方向へ移動させられている。このとき、第1の回動部材20の反時計方向への回動力により、スライダリンク31がX2方向へ移動させられ、このスライダリンク31によって、逆転リンク32が時計方向へ回動させられている。よって、逆転リンク32の駆動突起32cにより、右側切換え部材3BもY2方向へ移動させられている。
【0037】
図15に示すように、切換えモータMによって第1の回動部材20が時計方向へ回動させられると、第1の回動部材20と一体の駆動突起20aによって、左側切換え部材3AがY1方向へ移動させられる。またスライダリンク31がX1方向へ移動し、逆転リンク32が反時計方向へ回動させられて、逆転リンク32に設けられた駆動突起32cによって右側切換え部材3BがY1方向へ移動させられる。すなわちリンク機構30が設けられていることにより、左側切換え部材3Aと右側切換え部材3Bが、同期して同じY1方向および同じY2方向へ一緒に駆動される。
【0038】
図1に示すように、ボトムシャーシ12のX1側の下面には軸35bが固定されており、この軸35bにより回動ロック部材35が回動自在に支持されている。回動ロック部材35の一方の腕部には連結ピン35aが固定され、この連結ピン35aが、前記逆転リンク32に形成された長穴内に挿入されている。回動ロック部材35の他方の腕部がX1側の突出ロック部材35cであり、その先部には当接部35dが一体に折り曲げ形成されている。
【0039】
図1に示すように、第1の回動部材20が反時計方向へ回動していると、スライダリンク31がX2方向へ移動させられ、逆転リンク32が時計方向へ回動している。そのために、回動ロック部材35が反時計方向へ回動させられ、回動ロック部材35と一体に形成されている突出ロック部材35cが、機構ユニット2のX1側の側部からさらにX1方向へ突出している。
【0040】
図15に示すように、第1の回動部材20が時計方向へ回動すると、スライダリンク31がX1方向へ移動し、これと一体の突出ロック部材33がX1方向へ退行する。また、逆転リンク32が反時計方向へ回動し、これにより回動ロック部材35が時計方向へ回動させられ、回動ロック部材35と一体の突出ロック部材35cがX2方向へ退行する。
【0041】
図1と図15さらには図7と図17に示すように、前記スライダリンク31の中央部にはY2側の縁部から下側に直角に折り曲げられた制御板31bが設けられており、この制御板31bに、Y2方向へ突出する制御ピン31cが設けられている。また、ドライブベース8のY1側の端部には、長穴形状の姿勢切換えカム8bが形成されており、前記制御ピン31cが姿勢切換えカム8b内に挿入されている。図7と図17に示すように、前記姿勢切換えカム8bは、X1側の端部がZ2側に向けられた持ち上げ部8b1であり、X2側の端部が前記持ち上げ部8b1よりもZ1側に位置する押し下げ部8b2である。
【0042】
図1および図7の動作状態では、スライダリンク31がX2方向へ移動し、前記制御ピン31cもX2方向へ移動している。このとき、制御ピン31cが、姿勢切換えカム8bの押し下げ部8b2内に位置するため、ドライブベース8は、軸ピン8a1,8a2を支点として、回転駆動部4を有する先部が押し下げられて傾斜姿勢となり、ディスク待機姿勢(退避姿勢)となる。図15および図17に示すように、スライダリンク31がX1方向へ移動すると、制御ピン31cが姿勢切換えカム8bの持ち上げ部8b1内に移動し、ドライブベース8は、回転駆動部4を有する先部が持ち上げられて、ドライブベース8がボトムシャーシ12と同じ水平な向きとなってドライブ姿勢となる。
【0043】
図2(B)に示すように、右側切換え部材3BのY2側に寄った部分には、クランプ持ち上げカム45が一体に形成されている。クランプ持ち上げカム45は、Y1側の部分が持ち上げ部45aであり、Y2側に逃げ空間45bが形成されている。図1および図2(B)の動作状態では、右側切換え部材3BがY2方向へ移動しており、前記クランプ持ち上げカム45の持ち上げ部45aによって、クランプベース9と一体の制御片9hが持ち上げられて、クランパ11がターンテーブルから上方へ離れたクランプ解除姿勢である。
【0044】
すなわち、図1に示す動作状態では、スライダリンク31がX2方向へ移動しているために、図7に示すように、ドライブベース8が斜めに下降してディスク待機姿勢になるとともに、クランパ11が持ち上げられて、回転駆動部4のターンテーブルとクランパ11との間隔が広げられる。
【0045】
図15に示すように、右側切換え部材3BがY1方向へ移動すると、図2(B)に示されているクランプベース9と一体の制御片9hが逃げ空間45b内に位置するため、クランプベース9は、押圧付勢部材によりZ2方向へ付勢される。このとき、図17に示すように、ドライブベース8が持ち上げられてドライブ姿勢となるため、回転駆動部4に設けられたターンテーブルとクランパ11とで、ディスクの中心穴を保持できるようになる。
【0046】
図2(A)に示すように、左側切換え部材3AのY1側に寄った部分には、一対のローラ制御カム46が貫通して形成されている。ローラ制御カム46は、Y2側に押し下げ部46aが形成され、Y1側が逃げ空間46bとなっている。前記搬送ローラ6Aのローラ軸6A1と、搬送ローラ6Bのローラ軸6B1は、トップシャーシ10の両側部において上下方向(Z1−Z2方向)へ昇降自在に支持されているとともに、さらに前記ローラ制御カム46内に挿入されている。また、右側切換え部材3Aにも前記ローラ制御カム46が、左側切換え部材3Bと対称に形成されている。
【0047】
図1および図2(A)に示すように、左側切換え部材3Aと右側切換え部材3BがY2方向へ移動していると、ローラ軸6A1とローラ軸6B1は、それぞれローラ制御カム46の逃げ空間46b内に位置しており、搬送ローラ6Aと搬送ローラ6Bは、スプリングなどの付勢力によりディスクに圧接される。図15および図16に示すように、左側切換え部材3Aと右側切換え部材3BがY1方向へ移動すると、ローラ制御カム46の押し下げ部46aにより、ローラ軸6A1とローラ軸6B1が押し下げられ、搬送ローラ6Aと6Bが、ディスクから離される。
【0048】
(機構ユニットの拘束機構)
図2(A)および図16に示すように、左側切換え部材3Aには、Y2方向に向けて開口する拘束凹部71と、同じくY2方向に向けて開口する拘束凹部72が形成されている。図2(B)に示すように、右側切換え部材3Bにも、Y2方向に向けて開口する拘束凹部73と、同じくY2方向へ向けて開口する拘束凹部74が形成されている。図2(A)に示すように、左側切換え部材3Aには、拘束凹部71のY1側の端部からX2側に隆起する周囲隆起部71aが形成されている。図4には、拘束凹部71および周囲隆起部71aを断面で示している。同様に、図2(B)に示す右側切換え部材3Bにも、拘束凹部73のY1側の端部からX1側に隆起する周囲隆起部73aが形成されている。また拘束凹部74のY1側の端部からX1側へ隆起する周囲隆起部74aが一体に形成されている。
【0049】
図3に示すように、外部シャーシを構成する下部ベース7は、金属板で形成されており、4辺に側板が形成された枠体である。下部ベース7の左側板7Aには支持凹部S2とS4が形成され、右側板7Bには支持凹部S1とS3が形成されている。それぞれの支持凹部S1ないしS4には、図1に示すダンパー70が保持されている。ダンパー70は、ゴムなどの可撓性の筐体内にオイルが封入された弾性支持部材である。図1に示すように、機構ユニット2は、トップシャーシ10の4隅D1,D2,D3,D4に支持突起が設けられ、それぞれの支持突起がダンパー70に支持されている。すなわち、トップシャーシ10の隅部D2が、左側板7Aの支持凹部S2に保持されたダンパー70に支持され、隅部D4が、左側板7Aの支持凹部S4に保持されたダンパー70に支持されている。また、隅部D1と隅部D3は、右側板7Bの支持凹部S1とS3に保持されたダンパー70,70に支持されている。
【0050】
機構ユニット2が、下部ベース7の内部において4つのダンパー70を介して弾性支持されている状態で、機構ユニット2に設けられた左側切換え部材3Aが左側板7Aの内側に対向し、右側切換え部材3Bが右側板7Bの内側に対向する。
【0051】
図3(A)に示すように、左側板7Aには凸部61aが形成されている。図4に示すように、凸部61aは、左側板7Aを形成する金属板で一体に形成されている。凸部61aの基部は太くなっており、凸部61aと基部との境界部に段部61bが形成されている。また、左側板7Aには、Y2側に凸部62aが形成されている。図3(B)に示すように、右側板7Bにも凸部64aと凸部65aが一体に形成されている。凸部64aの基部に段部64bが形成されており、凸部65aの基部にも段部65bが形成されている。
【0052】
図2(A)に示すように、左側板7Aの凸部61aは、左側切換え部材3Aに設けられた拘束凹部71で保持可能であり、凸部62aは、拘束凹部72で保持可能である。図2(B)に示すように、右側板7Bの凸部64aは、右側切換え部材3Bの拘束凹部73で保持可能であり、凸部65aは拘束凹部74で保持可能である。
【0053】
図3(A)に示すように、左側板7Aでは、凸部61aと凸部62aの中間に、X1方向へ突出する係止凸部63が折り曲げ形成されている。この係止凸部63のY2側の側部には、Y2方向に向かうにしたがってX2方向に後退する係止傾斜面63aが形成されている。図5に示すように、機構ユニット2のX2側の側部においてスライダリンク31と一体に形成された突出ロック部材33が、前記係止傾斜面63aに当接可能である。図3(B)に示すように、右側板7Bでは、凸部64aと凸部65aの中間に、X2方向へ突出する係止凸部66が形成されている。係止凸部66にはY1方向に向く係止面66aが設けられている。図6に示すように、機構ユニット2のX1側に設けられた回動ロック部材35の突出ロック部材35cは、前記係止面66aに当接可能である。
【0054】
(機構ユニットの上面に設けられた機構)
図8ないし図10は、機構ユニット2を上面(Z1側に向く面)側から見た構造を示している。図8ないし図10は、機構ユニット2を図1と逆側の上面を紙面の手前に向けて示している。また、図8ないし図10では、ディスクDの挿入方向であるY2方向を図面で上方に向けて示している。
【0055】
図8に示すように、機構ユニット2の上面には、Y2側にクランプベース9が示され、Y1側にトップシャーシ10が示されている。クランプベース9のY1側の端部にはクランパ11が回転自在に支持されている。トップシャーシ10の上面では、X1側に軸82が設けられ、この軸82によって検知アーム81が回動自在に支持されており、この検知アーム81のY1側の端部に、図1に示す一方の検知ピン26が固定されている。検知アーム81は、スプリング83により時計方向へ付勢されている。トップシャーシ10にはストッパ10eが設けられて、検知アーム81は図8に示す姿勢よりもさらに時計方向(β方向)へは回動しないように規制されており、検知アーム81は、図8に示す姿勢から反時計方向(α方向)へのみ回動可能である。
【0056】
クランプベース9にはX1−X2方向へ直線的に延びるガイド長穴9bが形成されており、このガイド長穴9bにロック部材84が摺動自在に支持されている。このロック部材84はスプリング85によってX1方向へ付勢されている。このロック部材84のY2側に向く縁部にロック凹部84aが形成されている。また、ロック部材84にはY1方向に延びる当接部84bが設けられている。図8に示されている検知ピン26がディスクDの縁部でX1方向へ押され、検知アーム81が反時計方向へ回動させられると、検知アーム81のY2側に向く先端部81aで前記当接部84bが押され、ロック部材84がロック解除方向であるX2方向へ移動させられる。
【0057】
図8に示すように、クランプベース9の上面では、X2側に固定された軸86に、左側位置決めアーム87が回動自在に支持されている。またX1側に固定された軸88に、右側位置決めアーム89が回動自在に支持されている。左側位置決めアーム87には、軸86を中心とする円弧状に歯が配列した部分歯車87aが形成され、右側位置決めアーム89には、軸88を中心とする円弧状に歯が配列した部分歯車89aが形成されている。部分歯車87aと部分歯車89aが互いに噛み合っており、左側位置決めアーム87と右側位置決めアーム89は、互いに同期して且つ互いに逆方向へ回動する。
【0058】
左側位置決めアーム87の長アーム87bの先部には下向きに位置決め突起91が突出しており、右側位置決めアーム89の長アーム89b先端には下向きに位置決め突起92が突出している。クランプベース9には、左側に逃げ長穴9cが形成され、右側に逃げ長穴9dが形成されている。左側の位置決め突起91は、逃げ長穴9c内を通過してクランプベース9から下方へ突出し、右側の位置決め突起92は、逃げ長穴9d内を通過してクランプベース9から下方へ突出している。
【0059】
クランプベース9の上面にはばね支持ピン9eが固定されており、左側位置決めアーム87の短アーム部87cと前記ばね支持ピン9eに、反転ばねとして機能するトーションばね93のそれぞれの弾性腕が支持されている。
【0060】
図8に示すディスクの挿入待機モードでは、左側位置決めアーム87が、トーションばね93によって反時計方向へ付勢されており、左側位置決めアーム87に設けられた位置決め突起91が、逃げ長穴9cのY1側の端部に押し付けられて安定している。右側位置決めアーム89は時計方向へ付勢されているため、位置決め突起92は、逃げ長穴9dのY1側の端部に押し付けられて安定している。このとき、位置決め突起92が、ロック部材84のロック凹部84a内に保持され、位置決め突起92が移動できず、その結果、右側位置決めアーム89および左側位置決めアーム87が共に回動できない状態にロックされている。
【0061】
直径が8cmのCDやDVDなどのように小径規格のディスクが挿入されて、搬送ローラ6Aと6BでY2方向へ搬入されたときには、図8に示す位置にある位置決め突起91と92に当たったときに、ディスクの中心穴がターンテーブルの中心およびクランパ11の中心に一致する。小径規格のディスクが挿入されると、このディスクの外周縁で検知ピン26がX1方向へ押され、検知アーム81がα方向へ回動するが、ディスクの中心穴がターンテーブルの回転中心付近に接近した時点では、ディスクが検知ピン26の位置を既に通過しているために、検知アーム81は図8に示す姿勢に安定している。よって、ロック部材84で位置決め突起92がロックされている状態で、小径規格のディスクの外周縁が位置決め突起91と92に当たって位置決めされる。
【0062】
直径が12cmのCDやDVDなどの大径規格のディスクD(図9にその外周縁が示されている)が挿入されると、ディスクDの外周縁で検知ピン26がX1方向へ押され、検知アーム81がα方向へ回動する。この検知アーム81でロック部材84がX2方向へ押されて移動し、ロック凹部84aが位置決め突起92から外れて、位置決め突起92に対するロックが解除される。ロックが解除されている状態で、ディスクDのY2側に向く外周縁が位置決め突起91と92に当たるため、その後に搬送ローラ6A,6BでディスクDがY2方向へ搬送されると、位置決め突起91は、ディスクDの外周縁に押されて逃げ長穴9c内をY2方向へ移動し、位置決め突起92も逃げ長穴9d内をY2方向へ移動する。これに伴ない、左側位置決めアーム87が時計方向へ回動し、右側位置決めアーム89が反時計方向へ回動する。
【0063】
左側位置決めアーム87と右側位置決めアーム89が図9に示す角度まで回動すると、トーションばね93の付勢力により、左側位置決めアーム87が時計方向へ付勢されて安定し、右側位置決めアーム89が反時計方向へ付勢されて安定する。大径規格のディスクDの外周縁が、図9に示す位置に有る位置決め突起91と位置決め突起92に当たったときに、ディスクDの中心穴が、ターンテーブルおよびクランパ11に一致するように位置決めされる。
【0064】
大径規格のディスクDが、搬送ローラ6A,6Bにより搬出されるときには、ディスクDがY1方向へ所定距離移動した時点で、ディスクDの外周縁が検知ピン26に当たり、検知ピン26がX1方向へ押され、検知アーム81がα方向へ回動させられる。そして、検知アーム81でロック部材84がX2方向へ押される。このとき、図9に示すように反時計方向へ回動している右側位置決めアーム89の被押圧アーム89cが、ロック部材84によってX2方向へ押され、右側位置決めアーム89が時計方向へ回動させられる。そして、トーションばね93の付勢力の作用方向が反転し、左側位置決めアーム87と右側位置決めアーム89が、図8に示す初期の待機モードに復帰する。
【0065】
図9に示すように、クランプベース9には、前記逃げ長穴9cよりもX1側に摺動長穴9fが形成されている。また、クランプベース9のX2側の端部には支持長穴9gが形成されている。
【0066】
クランプベース9の下面には、装填検知アーム94が設けられている。この装填検知アーム94は薄い金属板で形成されている。装填検知アーム94には、X2側の端部に支点ピン95が、それよりもX1側に移動ピン96がそれぞれ固定されている。支点ピン95は、クランプベース9に形成された前記支持長穴9g内に摺動自在に挿入されている。移動ピン96は、クランプベース9に形成された前記摺動長穴9fから上方へ突出している。左側位置決めアーム87の長アーム87bには制御長穴87dが形成されており、前記移動ピン96はこの制御長穴87d内に摺動自在に挿入されている。
【0067】
図9に示すように、装填検知アーム94のX2側の端部には保持凹部94aが形成され、その近傍にはばね掛け部94bが折り曲げられている。このばね掛け部94bとクランプベース9との間には引っ張りコイルスプリング97が掛けられている。この引っ張りコイルスプリング97の付勢力は装填検知アーム94の左側の端部に作用している。この付勢力により支点ピン95が、支持長穴9gのY2側の端部に押し付けられているとともに、装填検知アーム94が、支点ピン95を支点として時計方向へ付勢されている。
【0068】
図8に示すディスクの挿入待機モードでは、左側位置決めアーム87が反時計方向へ回動して安定している。このとき、制御長穴87dに保持されている移動ピン96が、摺動長穴9fのY1側の端部に押し付けられている。よって、装填検知アーム94は支点ピン95を支点として時計方向へ回動している。大径規格のディスクDが挿入され、搬送ローラ6A,6Bで搬入され、図9に示すように、ディスクDで位置決め突起91が押されて左側位置決めアーム87が時計方向へ回動させられると、制御長穴87dによって、移動ピン96が摺動長穴9fに沿ってY2方向へ移動させられる。よって、装填検知アーム94は、支点ピン95を支点として反時計方向へ回動させられる。
【0069】
また、装填検知アーム94のX1側の端部には小径ディスク検知部94cが設けられている。小径規格のディスクが挿入され、搬送ローラ6A,6Bで搬送されると、小径規格のディスクの外周縁が、図8の位置で安定している位置決め突起91と92に当たり、ディスクの中心穴がターンテーブルとクランパ11に一致させられる。このとき、小径ディスクの外周縁で、装填検知アーム94に形成された小径ディスク検知部94cがY2方向へ押圧される。このときは、装填検知アーム94が移動ピン96を支点として反時計方向へ回動させられる。
【0070】
(動力切換え機構の構造)
図1および図8ないし図10に示すように、機構ユニット2には、X2側の側部に動力切換え機構100が設けられている。この動力切換え機構100は、大径規格のディスクDが搬入され、その中心穴がターンテーブルに一致して、装填検知アーム94が反時計方向へ回動させられたとき、または小径規格のディスクがターンテーブル上に位置決めされて、装填検知アーム94が反時計方向へ回動させられたときに、切換えモータMの動力を、第1の回動部材20に与え、図15に示すように、第1の回動部材20を時計方向へ回動させるための機構である。
【0071】
動力切換え機構100には、トリガー部材101が設けられている。このトリガー部材101は、トップシャーシ10の下面に固定された軸102に回動自在に支持されている。トリガー部材101は、金属アーム101aを有しており、この金属アーム101aが前記軸102に回動自在に支持されている。この金属アーム101aには金属製の切換えピン103が固定されており、この切換えピン103が、前記装填検知アーム94に形成された保持凹部94aに保持されている。トリガー部材101には押圧アーム104が設けられている。この押圧アーム104は、合成樹脂製であり、図8と図9の紙面と平行な方向へ変形しにくいが、紙面と直交する方向へは弾性変形できる寸法に形成されている。押圧アーム104は、アウトサート成形工程などにより、金属アーム101aと一体に形成されている。
【0072】
このトリガー部材101の動作は、図8に示すように、ディスクの挿入を待機するモードでは、軸102を中心として反時計方向へ回動させられている。図9に示すように、大径規格のディスクDが搬入され、左側位置決めアーム87が時計方向へ回動して安定したときには、装填検知アーム94が反時計方向へ回動するため、トリガー部材101が時計方向へ回動させられる。また、小径規格のディスクが図8に示す位置にある位置決め突起91と92に当たって位置決めされたときは、小径規格のディスクの外周縁で装填検知アーム94が反時計方向へ回動させられ、トリガー部材101が時計方向へ回動させられる。
【0073】
図11(A)(B)は、動力切換え機構100を、底側を上向きにして示しており、図12ないし図14は動力切換え機構100を、図8ないし図10と同じ向きで示している。
【0074】
図11(A)に示すように、図1に示す切換えモータMで駆動される歯車群Hでは、ボトムシャーシ12の下側に、Y1−Y2方向に延びる回転軸111が設けられている。図1と図11(A)に示すように、この回転軸111のY2側の端部にはす歯歯車112が固定されており、切換えモータMの動力はこのはす歯歯車112に伝達される。回転軸111は、ボトムシャーシ12に沿ってY1方向へ延びており、この回転軸111から、前記搬送ローラ6A,6Bの各ローラ軸6A1,6B1に回転力が与えられる。
【0075】
回転軸111のY2側の端部には、前記はす歯歯車112と並んでウオーム歯車113が固定されている。ボトムシャーシ12の下面には、軸114aが固定され、この軸114aにウオームホイール114が回転自在に支持されており、このウオームホイール114が前記ウオーム歯車113と噛み合っている。ボトムシャーシ12には軸116が固定されており、この軸116に駆動歯車115が回転自在に支持されている。この駆動歯車115は、大径歯車部115aと小径歯車部115bが一体に形成されている。図11(A)に示すように、大径歯車部115aは平歯車であり、この大径歯車部115aが前記ウオームホイール114と噛み合っている。図12ないし図14には、前記小径歯車部115bが図11(A)と逆側から示されている。小径歯車部115bも平歯車である。
【0076】
ディスクDが機構ユニット2内に搬入されるときには、切換えモータMの動力が回転軸111に伝達され、駆動歯車115がγ1方向へ回転駆動される。また、ディスクDが機構ユニット2から搬出されるときには、切換えモータMの回転方向が逆転し、駆動歯車115がγ2方向へ回転駆動される。
【0077】
図11(A)(B)に示すように、ボトムシャーシ12の下面には、図1にも示されている軸21が固定されており、前記第1の回動部材20の中心穴20cが前記軸21に回転自在に挿通されている。前述のように、第1の回転部材20には、左側切換え部材3Aに係合してこの左側切換え部材3AをY1−Y2方向へ移動させる駆動突起20aが一体に形成されている。また、第1の回動部材20のY1側の突出部には、図1に示すスライダリンク31に連結される連結ピン20bが一体に形成されている。
【0078】
第1の回動部材20には、中心穴20cを中心とする円弧軌跡に沿って歯が並ぶ部分歯車部20dが形成されている。この部分歯車部20dは、図12(A)に示されている前記小径歯車部115bの歯と噛み合うことができる。図11(B)に示すように、第1の回動部材20には、上下に貫通する差動連結穴20eが形成されている。図12(A)に示すように、この差動連結穴20eは、中心穴20cを中心とする円弧軌跡に沿って開口している。また、第1の回動部材20には上下に貫通するばね収納穴20fが形成されている。図11(B)に示すように、第1の回動部材20には、Z2方向に突出する軸部20hと、この軸部20hの側方に形成された連結凹部20gが形成されている。連結凹部20gは、前記軸部20hを中心とする円弧軌跡に沿って形成されている。よって、前記連結凹部20gは、前記軸部20hを中心とする円弧軌跡に沿って形成された長穴であってもよい。
【0079】
図11(A)(B)に示すように、第1の回動部材20と、ボトムシャーシ12との間には、第2の回動部材120が設けられている。図12(A)(B)に示すように、第2の回動部材120には中心穴120aが開口しており、この中心穴120aが前記軸21に回転自在に挿通されている。第2の回動部材120にも、中心穴120aを中心とする円弧軌跡に沿って歯が並ぶ部分歯車部120bが形成されている。この部分歯車部120bは、前記小径歯車部115bと噛み合うことができる。
【0080】
以下では、前記駆動歯車115がγ1方向へ回転し、この回転力が部分歯車部120bおよび部分歯車部20dに伝達されて、第1の回動部材20と第2の回動部材120が回転させられるときの回転方向をφ1方向とし、駆動歯車115がγ2方向へ回転したときに、第1の回動部材20と第2の回動部材120に与えられる回転方向をφ2方向とする。
【0081】
第1の回動部材20に形成された部分歯車部20dと、第2の回動部材120に形成された部分歯車部120bは重なって配置されている。ただし、図13(B)に示すように、第1の回動部材20で部分歯車部20dが形成されている角度範囲θ1よりも、第2の回動部材120で部分歯車部120bが形成されている角度範囲θ2の方が広い。つまり、部分歯車部120bの歯の数は、部分歯車部20dの歯の数よりも多い。図13(B)に示すように、第1の回動部材20と第2の回動部材120とが重ねられて組み合わされたときに、第2の回動部材120の部分歯車部120bの一部の歯が、第1の回動部材20の部分歯車部20dよりも、φ1方向へ突出している。
【0082】
図11(A)に示すように、第2の回動部材120には付勢突起120cが一体に形成されており、この付勢突起120cが、第1の回動部材20のばね収納穴20f内に挿入されている。そして、ばね収納穴20fの端部と前記付勢突起120cとの間に、圧縮コイルスプリング118がやや圧縮させられた状態で収納されている。この圧縮コイルスプリング118により、第1の回動部材20にφ1方向の付勢力が与えられ、第2の回動部材120にφ2方向の付勢力が与えられている。
【0083】
図12(A)に示すように、第2の回動部材120には下方であるZ2方向に突出する連結ピン120dが一体に形成されており、この連結ピン120dが、前記第1の回動部材20に形成された差動連結穴20e内に挿入されている。図12(A)に示すように、第1の回動部材20と第2の回動部材120に、お互いを拘束する力が作用していないときには、第1の回動部材20がφ1方向へ回動しようとし、これに対して第2の回動部材120がφ2方向へ回動しようとするため、連結ピン120dは、差動連結穴20eのφ2側の端部に位置している。
【0084】
図11(B)および図12(A)に示すように、第2の回動部材120には、上下方向に貫通する連結長穴121が形成されている。この連結長穴121は、φ1側に移動許容部121aが形成され、φ2側に、前記移動許容部121aよりも軸21側に向かう係止部121bが形成されている。前記移動許容部121aは、軸21を中心とする円弧軌跡に沿って形成されている。
【0085】
図11(A)(B)に示すように、第1の回動部材20よりも下側(Z2側)には、断続部材122が設けられている。断続部材122は、基端部に形成された支持穴122aが、第1の回動部材20に形成された軸部20hに回動自在に支持されている。断続部材122には連結突起126が固定されており、この連結突起126が、第1の回動部材20の連結凹部20gと、第2の回動部材120に形成された前記連結長穴121内に挿入されている。
【0086】
図8にも示すように、ボトムシャーシ12には、制御長穴125が上下に貫通して形成されている。前記断続部材122の連結突起126の先部は、この制御長穴125内に挿入されている。制御長穴125は、φ1方向に延びる連結案内部125aと、φ2側の端部に連続して形成された回動規制部125bを有している。連結案内部125aは、軸21を中心とする円弧軌跡に沿って形成されている。軸21から連結案内部125aまでの半径は、軸21から前記連結長穴121の係止部121bまでの半径と同じである。
【0087】
前記回動規制部125bは、前記連結案内部125aよりも軸21から遠ざかる側に屈曲して形成されている。軸21から回動規制部125bまでの半径は、軸21から前記連結長穴125の移動許容部121aまでの半径と同じである。
【0088】
図12(A)に示すように、第2の回動部材120の上面(Z1側に向けられる面)には、Z1方向へ突出する被押圧突起123と、この被押圧突起123にφ2方向に間隔を空けて同じくZ1方向へ突出する対向突起124が形成されている。被押圧突起123の軸21から遠ざかる側の表面は傾斜部123aである。この傾斜部123aは、第2の回動部材120の表面から軸21に向かうにしたがって徐々にZ1方向へ隆起するように形成されている。よって、図14に示すように、トリガー部材101の押圧アーム104が、被押圧突起123よりも外周側に位置する状態から、図12(A)に示すように、トリガー部材101が反時計方向へ回動するときに、押圧アーム104が前記傾斜部123aを摺動して被押圧突起123を乗り越え、この被押圧突起123よりも内周側へ移動することができる。
【0089】
次に、ディスク装置1の動作について説明する。
(ディスクの挿入待機モード)
ディスクがディスク装置1に装填されるのを待つ挿入待機モードでは、図8に示すように、左側位置決めアーム87が反時計方向へ回動し、右側位置決めアーム89が時計方向へ回動しており、右側の位置決め突起92がロック部材84のロック凹部84aに保持されている。そして、装填検知アーム94が時計方向へ回動しており、装填検知アーム94の保持凹部94aによって、トリガー部材101が反時計方向へ回動させられている。よって、図12(A)に示すように、トリガー部材101の押圧アーム104が、第2の回動部材120に形成された被押圧突起123よりも内周側に位置している。
【0090】
図11に示す断続部材122に設けられた連結突起126は、第1の回動部材20に形成された連結凹部20gと、第2の回動部材120に形成された連結長穴121内を貫通し、ボトムシャーシ12に形成された制御長穴125内に挿入されている。図12(A)に示す待機モードでは、連結突起126は連結長穴121の移動許容部121aと、制御長穴125の回動規制部125b内に位置している。連結突起126が、ボトムシャーシ12に形成された制御長穴125の回動規制部125b内に位置しており、この連結突起126が第1の回動部材20の連結凹部20g内に位置しているため、第1の回動部材20はφ2方向への回動限界位置まで回動した状態で動かないように保持されている。よって、第1の回動部材20に形成されている部分歯車部20dは、駆動歯車115の小径歯車部115bの歯からφ2方向へ外れている。
【0091】
また、連結突起126が、第2の回動部材120の連結長穴121の移動許容部121a内に位置しているため、この移動許容部121aの長さの範囲内で、第2の回動部材120が動くことができる。図11(A)に示すように、ばね収納穴20f内に収められている圧縮コイルスプリング118により、第2の回動部材120がφ2方向へ付勢されているため、図12(A)の待機モードでは、第1の回動部材20に対して第2の回動部材120がφ2方向へ回動し、第2の回動部材120に設けられた連結ピン120dが、第1の回動部材20に形成された差動連結穴20eのφ2側の端部に押し付けられている。よって、第2の回動部材120に設けられた部分歯車部120bも、小径歯車部115bからφ2側へ外れ、この状態で第2の回動部材120の姿勢が安定している。
【0092】
図12(A)に示すように、ディスクの挿入を待機するモードでは、連結突起126が、ボトムシャーシ12の回動規制部125bに保持されていることにより、第1の回動部材20は、その部分歯車部20dが小径歯車部115bから離れた位置で姿勢が安定している。よって、外部振動などが作用しても、第1の回動部材20が不用意に回動することがなく、誤って部分歯車部20dが小径歯車部115bと噛み合うことも防止できる。
【0093】
このように、ディスクの挿入を待機するモードでは、図8および図12(A)に示すように、第1の回動部材20が時計方向へ回動している(図1から見たときには、第1の回動部材20が反時計方向へ回動している)。
【0094】
よって、第1の回動部材20の駆動突起20aにより、左側切換え部材3AがX2方向へ移動させられている。図1に示すように、第1の回動部材20と連結ピン20bを介して連結されているスライダリンク31はX2方向へ移動させられている。そして、図1のX1側に設けられた逆転リンク32が時計方向へ回動させられて、この逆転リンク32の駆動突起32cによって右側切換え部材3BがY2方向へ移動させられている。
【0095】
このとき、図2(A)に示すように、搬送ローラ6A,6Bのそれぞれのローラ軸6A1,6B1は、左側切換え部材3Aに形成されたローラ制御カム46,46の逃げ空間46b,46b内に位置し、搬送ローラ6A,6Bは、スプリングなどの付勢力により、トップシャーシ10の下側に固定された滑り部材の下面に弾圧させられている。
【0096】
また、図7に示すように、スライダリンク31がX2方向に移動していると、スライダリンク31に形成された制御板31bに固定されている制御ピン31cが、ドライブベース8に設けられた姿勢切換えカム8bの押し下げ部8b2内に位置し、ドライブベース8は、軸ピン8a1,8a2を支点として、回転駆動部4を有する先部が下降したディスク待機姿勢(退避姿勢)となっている。
【0097】
また、図2(B)に示すように、右側切換え部材3Bに形成されたクランプ持ち上げカム45の持ち上げ部45aによって、クランプベース9と一体の制御片9hが持ち上げられている。よって、ドライブベース8の回転駆動部4に設けられたターンテーブルと、クランプベース9に設けられたクランパ11との間に、大きな空間が形成されている。
【0098】
ディスクの挿入待機モードでは、外部シャーシにダンパー70を介して弾性支持されている機構ユニット2が、外部シャーシ内で動けないように拘束される。機構ユニット2を拘束することにより、外部からディスクが挿入されるときに、機構ユニット2が不用意に動くのを規制でき、ディスクを回転駆動部5に確実に導くことができるようになる。
【0099】
ディスク挿入待機モードでは、図2(A)に示すように、左側切換え部材3AがY2方向へ移動しているため、左側切換え部材3Aに設けられた拘束凹部71内に、図3(A)に示す下部ベース7に設けられた凸部61aが保持される。このとき、図4に示すように、凸部61aは、拘束凹部71のY1側の端部に押し付けられる。これは、左側切換え部材3Aに設けられた拘束凹部72と凸部62aとの関係においても同じである。さらに、図2(B)に示すように、右側切換え部材3BがY2方向へ移動しているため、右側切換え部材3Bに設けられた拘束凹部73内に図3(B)に示す凸部64aが保持され、拘束凹部74内に凸部65aが保持される。このとき、凸部64aが、拘束凹部73のY1側の端部に押し付けられ、凸部65aが、拘束凹部74のY1側の端部に押し付けられている。
【0100】
各拘束凹部71,72,73,74が、下部ベース7に設けられた凸部61a,62a,64a,65aを保持することにより、下部ベース7内において、機構ユニット2はそれ以上はY2方向へ動かないように拘束される。さらに、各拘束凹部71,72,73,74の上下の内幅寸法と、凸部61a,62a,64a,65aの直径寸法をほぼ一致させておくことにより、下部ベース7内において、機構ユニット2は上下方向(Z1−Z2方向)へ動かないように拘束される。
【0101】
さらに、図4に示すように、左側切換え部材3AがY2方向へ移動していると、拘束凹部71の周囲から突出している周囲隆起部71aが、凸部61aの基部の段部61bに当接する。なお、左側切換え部材3AがY1方向へ移動すると、前記周囲隆起部71aが、段部61bから離れる。同様に、図2(B)に示す右側切換え部材3BがY2方向へ移動していると、拘束凹部73の周囲から突出する周囲隆起部73aが、凸部64aの基部の段部64bに当接し、拘束凹部74の周囲から突出する周囲隆起部74aが、凸部65aの段部65bに当接する。
【0102】
このように、各周囲隆起部71a,73a,74aが段部61b,64b,65bに当接することにより、下部ベース7内において、機構ユニット2が左右方向(X1−X2方向)へ動かないように規制される。
【0103】
また、図1に示すディスク挿入待機モードでは、機構ユニット2に設けられたスライダリンク31がX2方向へ移動しており、図5に示すように、スライダリンク31と一体の突出ロック部材33の傾斜部である当接部33aが、左側板7Aに形成された係止傾斜面63aに当接している。さらに、このとき図6に示すように、回動ロック部材35が反時計方向へ回動し、回動ロック部材35の一部である突出ロック部材35cの当接部35dが、右側板7Bに形成された係止凸部66の係止面66aに当接している。
【0104】
突出ロック部材33と係止傾斜面63aとの当接、および突出ロック部材35cと係止凸部66との当接により、機構ユニット2は、下部ベース7内においてY1方向へ動かないように規制される。以上のように、左側切換え部材3A、右側切換え部材3Bおよびリンク機構30により、外部シャーシ内で、機構ユニット2がX,Y,Zの各方向へ動かないように拘束される。
【0105】
(ディスク装填動作)
ディスクが挿入口から挿入されると、図1に示す検知ピン26,26がディスクの外周縁によって押し開かれ、図示しないスイッチが動作させられる。これによりディスクの挿入が検知され、切換えモータMが始動する。切換えモータMの動力は、図11(A)に示すはす歯歯車112に伝達されて、回転軸111が回転する。この回転軸111の回転力がローラ軸6A1,6B1に与えられて、搬送ローラ6Aと搬送ローラ6Bが、ディスク搬入方向へ回転し始める。挿入されたディスクDは、搬送ローラ6A,6Bと滑り部材との間に挟まれて機構ユニット2の奥方向(Y2方向)へ向けて搬入される。
【0106】
搬入されているのが大径規格のディスクDの場合には、ディスクDの外周縁で図8に示す検知ピン26が押されて検知アーム81がα方向へ回動させられ、検知アーム81の先端部81aでロック部材84がX2方向へ押されて、ロック部材84のロック凹部84aが位置決め突起92から外れる。よって、図9に示すように、ディスクDの外周縁で、位置決め突起91と位置決め突起92がY2方向へ押され、トーションばね93の付勢力の作用方向が反転し、左側位置決めアーム87が時計方向へ回動した姿勢で安定する。よって、大径規格のディスクDは、位置決め突起91と位置決め突起92に当たって位置決めされる。このとき、左側位置決めアーム87の制御長穴87dによって、装填検知アーム94が支点ピン95を支点として反時計方向へ回動させられ、図9に示す方向から見たときに、トリガー部材101が軸102を支点として時計方向へ回動させられる。
【0107】
また小径規格のディスクが挿入されたときには、このディスクが、図8に示す位置でロックされている位置決め突起91と92に当たって位置決めされる。このときは、小径規格のディスクの外周縁で、装填検知アーム94の小径ディスク検知部94cが押され、装填検知アーム94が移動ピン96を支点として反時計方向へ回動させられ、トリガー部材101が軸102を支点として時計方向へ回動させられる。
【0108】
このように、大径規格のディスクDの中心穴または小径規格のディスクの中心穴が、ターンテーブル上に位置決めされると、トリガー部材101が図9に示すように時計方向へ回動させられる。
【0109】
このとき、図12(A)(B)に示すように、トリガー部材101の押圧アーム104により、第2の回動部材120の被押圧突起123がX2方向へ押され、第2の回動部材120がφ1方向へ回動させられる。図12(A)の状態では、第1の回動部材20の連結凹部20gに嵌合している連結突起126(図11(B)参照)が、ボトムシャーシ12に形成された制御長穴125の回動規制部125b内に位置している。そのため、第1の回動部材20がγ1方向へ回動することなく、押圧アーム104の押圧力によって第2の回動部材120のみがγ1方向へ回動させられ、部分歯車部120bが駆動歯車115の小径歯車部115bの歯と噛み合う。
【0110】
この間、切換えモータMが回転し続けて、駆動歯車115がγ1方向へ回転している。そのため、図12(B)に示すように、第2の回動部材120の部分歯車部120bの歯が小径歯車部115bに噛み合うと、小径歯車部115bの回転力により第2の回動部材120にφ1方向の回転力が与えられる。
【0111】
図12(B)に示すように、第2の回動部材120の部分歯車部120bが、駆動歯車115の小径歯車部115bの歯に噛み合うのと同時に、あるいは噛み合う直前に、連結突起126が、第2の回動部材120の形成された連結長穴121の係止部121b内に導かれる。そして、連結突起126は、ボトムシャーシ12に形成された制御長穴125の連結案内部125a内に移動させられる。よって、その後は、連結突起126により第1の回動部材20と第2の回動部材120とが連結されたまま、第2の回動部材120と第1の回動部材20とが一緒にφ1方向へ回動する。図12(B)の時点では、小径歯車部115bは第2の回動部材120の部分歯車部120bと噛み合っているが、第2の回動部材120と第1の回動部材20がφ1方向へ所定角度だけ回動すると、小径歯車部115bの歯が、第2の回動部材120の部分歯車部120bのみならず第1の回動部材20の部分歯車部20dにも噛み合う。そして、小径歯車部115bの回転力により、第1の回動部材20がφ1方向へ回動させられる。
【0112】
このように、図12(A)から図12(B)までの動作では、まずは、連結突起126と係止部121bとの嵌合により、第1の回動部材20の回動が規制されたまま、第2の回動部材120がφ1方向へ回動し、第2の回動部材120の部分歯車部120bが小径歯車部115bに噛み合う。その後は、第1の回動部材20と第2の回動部材120が連結されて、小径歯車部115bの回転力により第1の回動部材20と第2の回動部材120が一緒に回動させられる。そのため、第2の回動部材120の部分歯車部120bが小径歯車部115bに噛み合ってから、第1の回動部材20の部分歯車部20dが噛み合うまでの動作が、スムーズに且つ確実に行われる。
【0113】
その後は、小径歯車部115bにより、第1の回動部材20がφ1方向へ回動させられる。そして、第1の回動部材20が図13(A)に示す姿勢まで回動させられると、切換えモータMが停止する。
【0114】
この間、図15に示すように、第1の回動部材20に設けられた駆動突起20aによって、左側切換え部材3AがY1方向へ移動させられ、スライダリンク31がX1方向へ移動させられる。スライダリンク31の移動力は、逆転リンク32を介して右側切換え部材3Bに与えられ、右側切換え部材3BもY1方向へ移動させられる。
【0115】
スライダリンク31がX1方向へ移動させられると、図17に示すように、スライダリンク31の制御板31bに設けられた制御ピン31cが、ドライブベース8のY1側の端部に設けられた姿勢切換えカム8bの持ち上げ部8b1内に移動し、ドライブベース8が持ち上げられてほぼ水平姿勢のドライブ姿勢となる。また、図2(B)に示す右側切換え部材3BがY1方向へ移動すると、クランプ持ち上げカム45の逃げ空間45bが、クランプベース9と一体の制御片9hの位置に移動する。よってクランプベース9は、押圧付勢部材の付勢力で下降させられ、ディスクの中心穴が、回転駆動部4に設けられたターンテーブルとクランパ11とで挟持される。
【0116】
また、左側切換え部材3Aと右側切換え部材3BがY1方向へ移動すると、ローラ制御カム46の押し下げ部46aによって、ローラ軸6A1とローラ軸6B1が押し下げられ、搬送ローラ6A,6Bがディスクの下面から離れる。
【0117】
また、図16に示すように、左側切換え部材3AがY1方向へ移動すると、拘束凹部71,72が、左側板7Aに形成された凸部61a,62aから離れる。同様に、右側切換え部材3BがY1方向へ移動すると、拘束凹部73,74が、凸部64a,65aから離れる。さらに、スライダリンク31がX1方向へ移動するために、突出ロック部材33が、図5に示す左側板7Aの係止傾斜面63aから離れ、さらに図1に示す回動ロック部材35が時計方向へ回動し、回動ロック部材35に設けられた突出ロック部材35cの当接部35dが、図6に示す右側板7Bの係止凸部66から離れる。
【0118】
よって、機構ユニット2は、外部シャーシ内において、ダンパー70で弾性支持される。この状態で、回転駆動部4に設けられたスピンドルモータ5でターンテーブルおよびディスクが回転させられ、ヘッド部17によって、ディスクに対する記録または再生動作が行われる。機構ユニット2が弾性支持されているため、外部シャーシに作用する外部からの振動が機構ユニット2に直接に作用するのを抑制できるようになる。
【0119】
(ディスクの排出動作)
ディスクの駆動が完了した後に、ディスクを排出する操作を行うと、切換えモータMが始動する。このときの切換えモータMの回転方向は、ディスクの装填動作時と逆向きであり、切換えモータMの回転力により搬送ローラ6A,6Bがディスクの搬出方向へ回転させられる。このとき図11(A)に示す駆動歯車115がγ2方向へ回転させられる。
【0120】
ディスクが駆動されているとき、動力切換え機構100は図13(A)に示す状態に設定されている。このときに、駆動歯車115がγ2方向へ回転すると、駆動歯車115の小径歯車部115bに噛み合っている第1の回動部材20と第2の回動部材120がφ2方向へ回動させられる。
【0121】
図13(A)の状態では、連結突起126が、ボトムシャーシ12に形成された制御長穴125の連結案内部125a内に位置しているため、連結突起126は第2の回動部材120に形成された連結長穴121の係止部121bに係止されている。よって、第1の回動部材20と第2の回動部材120は一緒に回動するように連結されている。
【0122】
図13(A)の状態から小径歯車部115bがγ2方向へ回転すると、第1の回動部材20と第2の回動部材120が一緒にφ2方向へ回動させられる。第1の回動部材20の部分歯車部20dは、図13(B)に示すθ1の範囲に形成され、第2の回動部材120の部分歯車部120bが前記θ1よりも広いθ2の範囲で形成されているため、φ2方向への回動動作では、第1の回動部材20の部分歯車部20dが小径歯車部115bから外れたときに、まだ第2の回動部材120の部分歯車部120bが小径歯車部115bと噛み合っている。このとき、第1の回動部材20と第2の回動部材120が、連結突起126によって互いに連結されているため、部分歯車部20dが小径歯車部115bから離れた後も、第1の回動部材20は第2の回動部材120と一体となってさらにφ2方向へ回動させられる。
【0123】
図13(B)に示すように、第1の回動部材20がφ2方向へ回動させられた後で、且つ第2の回動部材120の部分歯車部120bの歯が小径歯車部115bの歯から離れると同時に、または離れる直前に、連結突起126が、制御長穴125の回動規制部125bに導かれ、連結突起126は、第2の回動部材120に形成された移動許容部121a内に移動させられる。よって、部分歯車部120bが小径歯車部115bの歯から離れた直後に、図11(A)に示した圧縮コイルスプリング118の付勢力により、第2の回動部材120がφ2方向へ回動させられる。
【0124】
図14に示すように、圧縮コイルスプリング118の付勢力によって、第2の回動部材120は、連結ピン120dが差動連結穴20eのφ2側の端面に当たるまで回動させられ、その位置で停止する。このとき、第2の回動部材120の部分歯車部120bは小径歯車部115bから完全に離れる。
【0125】
このように、図13(A)に示す状態から小径歯車部115bがγ2方向へ回動し、第1の回動部材20の部分歯車部20dが小径歯車部115bから離れたときに、第1の回動部材20と第2の回動部材120が連結突起126で連結されており、さらに第2の回動部材120の部分歯車部120bが小径歯車部115bに噛み合っている。そのため、部分歯車部20dが小径歯車部115bから離れた後も、駆動歯車115の回転力により、第1の回動部材20が、図13(B)に示す位置まで確実に回動させられる。よって、第1の回動部材20の駆動突起20aによって左側切換え部材3AをY2方向へ確実に戻すことができ、また第1の回動部材20の部分歯車部20dを小径歯車部115bから確実に離すことができる。
【0126】
第1の回動部材20がφ2方向へ回動する際に、第1の回動部材20に形成された駆動突起20aによって、左側切換え部材3AがY2方向へ回動させられ、さらに第1の回動部材20の回動力によりスライダリンク31がX2方向へ移動させられ、図1に示す逆転リンク32が時計方向へ回動させられて、右側切換え部材3BがY2方向へ移動させられる。よって、図2(A)に示すように、左側切換え部材3Aの拘束凹部71,72によって、下部ベース7に設けられた凸部61a,62aが保持され、図2(B)に示すように、右側切換え部材3Bの拘束凹部73,74によって、下部ベース7に設けられた凸部64a,65aが保持される。また、図5と図6に示すように、突出ロック部材33,35cが下部ベース7に圧接され、機構ユニット2が拘束される。
【0127】
さらに、ドライブベース8が斜め下向きに回動させられ、クランプベース9が持ち上げられ、クランパ11がターンテーブルから離れて、ディスクDのクランプが解除される。
【0128】
上記のように、第1の回動部材20がφ2方向へ回動させられて、機構ユニット2が拘束され、ディスクのクランプが解除された後は、図14に示すように、第1の回動部材20の部分歯車部20dと第2の回動部材120の部分歯車部120bが小径歯車部115bから離れている。よって、その後の切換えモータMの動力は、第1の回動部材20に伝達されることがなく、切換えモータMの動力は、図11(A)に示す回転軸111によって搬送ローラ6A,6Bに伝達される。そして、搬送ローラ6A,6Bの回転力により、ディスクが挿入口から排出される。
【0129】
ここで、これまで装填されていたのが大径規格のディスクDである場合には、図9に示すように、左側位置決めアーム87が時計方向へ回動し、右側位置決めアーム89が反時計方向へ回動した状態で、両位置決めアーム87,89が、トーションばね93の付勢力で安定させられている。よって、ディスクDのクランプが解除され、ディスクDが挿入口へ向けて搬出され始めた時点では、左側位置決めアーム87と右側位置決めアーム89は、図9に示した状態で安定しており、装填検知アーム94も反時計方向へ回動した状態で安定している。
【0130】
そのため、図14に示すように、第1の回動部材20と第2の回動部材120がφ2方向へ回動し終わった時点で、トリガー部材101は時計方向へ回動したままであり、トリガー部材101の押圧アーム104は、第2の回動部材120に設けられた被押圧突起123よりも外周側に位置している。
【0131】
搬送ローラ6A,6Bで搬出されるディスクDのY1側に向く周縁部が検知ピン26に当たると、検知ピン26が設けられた検知アーム81(図8参照)がα方向へ回動し、検知アーム81によりロック部材84がX2方向へ移動させられ、ロック部材84により、図9の状態にある右側位置決めアーム89の被押圧アーム89cが押される。よって右側位置決めアーム89が時計方向へ回動させられ、左側位置決めアーム87が反時計方向へ回動させられ、トーションばね93の付勢力の向きが反転し、両位置決めアーム87と89が図8に示す状態に復帰する。
【0132】
図10は、トーションばね93の付勢力の向きが反転して、左側位置決めアーム87が反時計方向へ回動させられて復帰する途中を示している。このとき、左側位置決めアーム87の制御長穴87dによって装填検知アーム94が支点ピン95を支点として時計方向へ回動させられる。そして、装填検知アーム94の保持凹部94aによってトリガー部材101が軸102を中心として反時計方向へ回動させられる。このとき、トリガー部材101の弾性変形可能な押圧アーム104が、第2の回動部材120に設けられた被押圧突起123の傾斜部123aを摺動して、この傾斜部123aを乗り越え、図12(A)に示すように、押圧アーム104は、被押圧突起123よりも内周側に位置する初期状態に復帰する。
【0133】
また、装填されていたのが小径規格のディスクであるときは、ディスクのクランプが解除されて、搬送ローラ6A,6Bの回転力でディスクが挿入口へ向けて移動し始めた直後に、装填検知アーム94が時計方向へ回動し、トリガー部材101が反時計方向へ回動する。そのため、図14に示すように、第1の回動部材20と第2の回動部材120がφ2方向へ回動し終えた時点で、押圧アーム104は被押圧突起123よりも内周側へ復帰できる。またその復帰が遅れたとしても、押圧アーム104は被押圧突起123を乗り越えて、被押圧突起123よりも内周側に移動することができる。
【0134】
このディスク装置1では、大径規格のディスクが挿入されて機構ユニット2内に搬入されるときに、ディスクDが搬入される力を利用してトリガー部材101を動作させ、図12(B)に示すように、トリガー部材101で第2の回動部材120を回動させて、小径歯車部115bの回転力を第1の回動部材20に与えている。その一方で、ディスクを搬出させるときは、第1の回動部材20と第2の回動部材120が基の状態に復帰した直後では、トリガー部材101がもとの状態に復帰できない構造である。したがって、前記実施の形態のように、トリガー部材101に設けられた押圧アーム104を弾性変形可能な構造とし、被押圧突起123を乗り越えさせることにより、第2の回動部材120とトリガー部材101の動作タイミングの違いを埋め合わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の実施の形態のディスク装置に設けられる機構ユニットを、底面を紙面の手前側に向けて示す底面図であり、ディスク挿入待機モードを示す。
【図2】(A)は機構ユニットの左側面図、(B)は機構ユニットの右側面図であり、共に上端を上向きに示している。
【図3】(A)(B)は、外部シャーシを構成する下部ベースを、異なる向きから示す斜視図。
【図4】拘束凹部と凸部との保持動作を示す部分断面図。
【図5】機構ユニットのX2側に設けられた突出ロック部材と、係止傾斜面との当接状態を示すものであり、底部を上向きにして示す部分斜視図。
【図6】機構ユニットのX1側に設けられた回動式の突出ロック部材と、右側板との当接状態を示すものであり、底部を上向きにして示す部分斜視図。
【図7】ドライブベースが下降している状態を、底部を上向きにして示す部分斜視図。
【図8】機構ユニットの上面に設けられた機構を示すものであり、ディスク挿入待機モードを示す平面図。
【図9】機構ユニットの上面に設けられた機構を示すものであり、大径規格のディスクが位置決めされた状態を示す平面図。
【図10】機構ユニットの上面に設けられた機構を示すものであり、大径規格のディスクが排出される途中を示す平面図。
【図11】(A)は機構ユニットに設けられた動力切換え機構を底部を上向きにして示す斜視図、(B)はその分解斜視図。
【図12】動力切換え機構を動作別に示す平面図であり、(A)はディスク挿入待機モードを示し、(B)はディスクがターンテーブル上に位置決めされ、トリガー部材が始動した状態を示す。
【図13】動力切換え機構を動作別に示す平面図であり、(A)は動力切換えが完了した状態を示し、(B)はディスクが排出される途中を示す。
【図14】トリガー部材が復帰する動作を説明するものであり、動力切換え機構を動作別に示す平面図。
【図15】図1と同様の底面図であり、ディスクの装填が完了したモードを示す。
【図16】図2(A)と同様の左側面図であり、ディスクの装填が完了したモードを示す。
【図17】図7と同様の部分斜視図であり、ドライブベースが上昇している状態を示す。
【符号の説明】
【0136】
1 ディスク装置
2 機構ユニット
3A 左側切換え部材
3B 右側切換え部材
4 回転駆動部
5 スピンドルモータ
7 下部ベース
7A 左側板
7B 右側板
8 ドライブベース
9 クランプベース
10 トップシャーシ
11 クランパ
12 ボトムシャーシ
20 第1の回動部材
20a 駆動突起
20b 連結ピン
20d 部分歯車部
20e 差動連結穴
20f ばね収納部
20g 連結凹部
30 リンク機構
31 スライダリンク
32 逆転リンク
33 突出ロック部材
35 回動ロック部材
61a,62a,64a,65a 凸部
61b,64b,65b 段部
63a 係止傾斜面
66a 係止凸部
70 弾性支持部材
71,72,73,74 拘束凹部
71a,73a,74a 周囲隆起部
81 検知アーム
84 ロック部材
87 左側位置決めアーム
87d 制御長穴
89 右側位置決めアーム
91,92 位置決め突起
93 トーションばね
94 装填検知アーム
95 支点ピン
96 移動ピン
100 動力切換え機構
101 トリガー部材
101a 金属アーム
103 切換えピン
104 押圧アーム
115 駆動歯車
115a 大径歯車部
115b 小径歯車部
118 圧縮コイルスプリング
120 第2の回動部材
120b 部分歯車部
120c 付勢突起
120d 連結ピン
121 連結長穴
121a 移動許容部
121b 係止部
122 断続部材
123 被押圧突起
123a 傾斜部
125 制御長穴
125a 連結案内部
125b 回動規制部
126 連結突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク(D)の中心穴が保持される回転駆動部(5)と、前記回転駆動部(5)に向けてディスク(D)を搬送する搬送機構(6A,6B)と、ディスク(D)が前記回転駆動部(5)に保持される位置まで搬入されたときに動作するトリガー部材(101)と、
ディスク(D)の中心穴を回転駆動部(5)にクランプさせる切換え部材(3A,3B)と、モータ(M)の動力を前記切換え部材(3A,3B)に伝達する動力切換え機構(100)とが設けられており、
前記動力切換え機構(100)には、第1の歯部(20d)を有する第1の移動部材(20)および第2の歯部(120b)を有する第2の移動部材(120)と、モータ(M)の動力で正逆両方向へ動作させられ且つ駆動歯(115b)を有する駆動部材(115)とが設けられており、
前記トリガー部材(101)によって前記第2の移動部材(120)が第1の方向(φ1)へ移動させられて第2の歯部(120b)が前記駆動歯(115b)に噛み合った後に、遅れて前記第1の移動部材(20)が第1の方向(φ1)に移動して前記第1の歯部(20d)が前記駆動歯(115b)に噛み合うように、前記第1の移動部材(20)と前記第2の移動部材(120)とが連結部材(126)で連結されており、
前記駆動部材(115)が逆向きに動作したときに、前記第1の移動部材(20)と前記第2の移動部材(120)が前記連結部材(126)で連結させられて一緒に第2の方向(φ2)へ移動し、前記第1の歯部(20d)が前記駆動歯(115b)から離れた後も、前記第2の歯部(120b)が前記駆動歯(115b)に噛み合って、前記第1の移動部材(20)が第2の方向(φ2)へ移動させられ、
前記第1の移動部材(20)が第1の方向(φ1)へ移動するときに、前記切換え部材(3A,3B)がディスクをクランプする方向へ移動させられ、前記第1の移動部材(20)が第2の方向(φ2)へ移動するときに、前記切換え部材(3A,3B)がディスクのクランプを解除する方向へ移動させられることを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記第1の移動部材(20)と前記第2の移動部材(120)が第2の方向(φ2)へ移動し、前記第2の歯部(120b)が前記駆動歯(115b)から外れた後に、第2の移動部材(120)を第2の方向(φ2)へ移動させて、前記第2の歯部(120b)を前記駆動歯(115b)から離れさせるスプリング(118)が設けられている請求項1記載のディスク装置。
【請求項3】
前記連結部材(126)は、前記第1の移動部材(20)に移動自在に支持され、前記第2の移動部材(120)には、前記連結部材(126)と嵌合する係止部(121b)が設けられ、前記第1の移動部材(20)と前記第2の移動部材(120)を移動自在に支持しているシャーシ(12)には、前記連結部材(126)の位置を制御する制御部(125)が設けられており、
前記第2の移動部材(120)が第1の方向(φ1)へ移動して前記第2の歯部(120b)が前記駆動歯(115b)に噛み合う位置に至ったときに、前記制御部(125)の連結案内部(125a)によって、前記連結部材(126)が前記係止部(121b)に掛止させられて、その後、前記第1の移動部材(20)が前記第2の移動部材(120)と一緒に第1の方向(φ1)へ移動できるようになる請求項1または2記載のディスク装置。
【請求項4】
前記制御部(125)には、前記連結部材(126)を保持する規制部(125b)が形成され、前記トリガー部材(101)によって、前記第2の移動部材(120)が第1の方向(φ1)へ移動させられるときに、前記連結部材(126)が前記規制部(125b)に保持されて第1の移動部材(20)の移動が規制され、前記第2の歯部(120b)が前記駆動歯(115b)に噛み合った後に、前記規制部(125b)による連結部材(126)の保持が解除されて、第1の移動部材(20)と第2の移動部材(120)が一緒に第1の方向(φ1)へ移動できるようになる請求項3記載のディスク装置。
【請求項5】
第1の移動部材(20)と第2の移動部材(120)は、同軸で回転する回動部材であり、前記第2の移動部材(120)に断続部材(122)が基部を支点として揺動自在に設けられ、前記断続部材(122)に前記連結部材(126)が支持されている請求項1ないし4のいずれかに記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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