説明

ディスク記憶装置及びサーボテスト方法

【課題】自走テスト工程での補正値を算出するための計算処理時間の短縮化を実現し、ディスクドライブの製造工程の効率化を図ることにある。
【解決手段】自立サーボライト機能を有するディスクドライブ20において、CPU29は、自走テスト工程時にSTW−RRO補正値を算出する計算処理を実行するときに、複数のサーボトラックの中で、指定のトラック分の補正値のみを算出して、当該補正値をサーボセクタに記憶するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスクドライブなどのディスク記憶装置に関し、特に、サーボ制御に使用するRRO補正値の計算方法の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ハードディスクドライブなどのディスク記憶装置(以下、ディスクドライブと表記する)では、磁気記録媒体であるディスク媒体上には、ヘッドの位置決め制御(サーボ制御)に使用されるサーボデータが記録されている。ディスクドライブでは、ヘッドにより読出されたサーボデータを使用して、ディスク媒体上での目標位置(目標トラック)にヘッドが位置決め制御される。ヘッドは、位置決めされた目標位置で、データの書き込み動作あるいはデータの読出し動作を実行する。
【0003】
サーボデータは、ディスクドライブの製造工程に含まれるサーボ書き込み工程により、ディスク媒体上に記録される。最近では、サーボ書き込み工程の効率化を図るために、予めディスク媒体上にスパイラル(螺旋状)サーボパターン又はマルチスパライルサーボパターンをベースパターンとして記録し、このベースパターンに基づいて、ディスク媒体上に同心円状サーボパターンであるサーボデータを書き込む方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
【0004】
同心円状サーボパターンとは、トラック毎に周方向に一定間隔で配置される複数のサーボセクタからなり、これらのサーボセクタにより構成された同心円状の多数のサーボトラックを意味する。各サーボセクタには、トラックとセクタのアドレスコード及びサーボバーストパターンを含むサーボデータが記録されている。
【0005】
ところで、サーボ書き込み工程では、ディスク媒体の回転に同期する揺れ、またはディスクランナウト(RRO:repeatable runout)と呼ばれる現象により、ディスク媒体上には、理想的な同心円状トラックではなく、形状が変動(摂動)した同心円状トラックを構成するサーボデータが書き込まれる。この変動成分を、サーボトラックライトRRO(STW−RRO)とも呼ぶ。このような変動成分を含むサーボトラックでは、リード/ライト動作時に、ヘッドを目標トラックに位置決めする場合に、大きな位置決め誤差が生じたり、ユーザデータが記録されたデータトラックのトラックピッチが不均一になる。
【0006】
そこで、製品化したディスクドライブのサーボシステム(具体的には、ドライブのメインコントローラであるCPU)は、ディスク媒体から再生したサーボデータを使用してヘッドの位置決め制御を実行するときに、STW−RRO変動成分を抑制するためのSTW−RRO補正値(以下単に補正値と表記する)を使用した補正処理を実行する。これにより、ヘッドは、理想的な同心円状トラックに近い形状のデータトラックに追従して、ユーザデータのリード/ライト動作を高い精度で行なうことができる。
【0007】
ディスクドライブの製造工程には、サーボ書き込み工程の後工程として、自走テスト工程がある。この自走テスト工程では、サーボ書き込み工程によりサーボデータが書き込まれたディスク媒体が、製品として出荷されるディスクドライブに組み込まれて、実際にヘッドの位置決め制御を行なうサーボテスト処理が実行される。
【0008】
この自走テスト工程において、補正値を反復計算により算出する補正値取得方法が提案されている(例えば、特許文献3及び4を参照)。この方法は、実際にヘッドに含まれるリードヘッドにより、ディスク媒体上の各サーボセクタからサーボデータを読出して、理想的な同心円状トラックに近い形状のデータトラックに追従するために、STW−RRO変動成分を抑制するための補正値を反復計算により算出する。
【特許文献1】米国特許文献USP5,668,679
【特許文献2】米国特許文献USP6,965,486B1
【特許文献3】米国特許文献USP6,061,220
【特許文献4】米国特許文献USP6,529,362
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述したように、自走テスト工程において、STW−RRO変動成分を抑制するための補正値を算出して、例えばディスク媒体上のサーボセクタに記憶することで、ヘッド位置決め制御時にSTW−RRO補償処理を行なうことができる。
【0010】
しかしながら、自走テスト工程での補正値を算出するための計算処理では、ディスク媒体上のトラック本数に応じて、多大な処理時間を要する。特に、高記録密度化で、ディスク媒体上には多数のトラックが構成されるため、当該計算処理工程は、ディスクドライブの製造工程全体の処理時間を増大化させる要因にもなる。
【0011】
そこで、本発明の目的は、自走テスト工程での補正値を算出するための計算処理時間の短縮化を実現し、ディスクドライブの製造工程の効率化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の観点に従ったディスクドライブは、データの読出し動作及び書き込み動作を行なうためのヘッドと、前記ヘッドの位置決め制御に使用されるサーボデータが記録されている複数のサーボセクタにより、ほぼ同心円状のサーボトラックが構成されているディスク媒体と、前記ヘッドの位置決め制御時に、前記ヘッドを前記ディスク媒体上の指定された位置に位置決めするためのヘッド移動機構と、前記ヘッドによりディスク媒体上から読出されたサーボデータを使用して、前記ディスク媒体の回転に同期する変動成分を、前記ヘッドの位置決め制御時に抑制するための補正値を算出する算出手段と、前記算出手段を制御し、前記ディスク媒体上に構成された複数のサーボトラックの中で、指定のトラック分の前記補正値を算出させて、算出された前記補正値を記憶手段に記憶する計算制御手段と、前記サーボデータ及び前記記憶手段から読出した補正値を使用して、前記ヘッド移動機構を制御することで、前記ヘッドを指定のサーボトラックに位置決め制御するヘッド位置決め制御手段とを備えた構成である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、例えば自走テスト工程時に、補正値を算出する計算処理時間の短縮化を図ることが可能となり、ディスクドライブの製造工程の効率化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0015】
(サーボライト工程)
図1から図5は、本実施形態に関するディスクドライブの製造工程において、ディスク媒体10上にサーボデータを書き込むサーボライト工程を説明するための図である。図1は、サーボライト工程で使用されるサーボトラックライタ(STW)の要部を示す図である。
【0016】
一般的に、サーボトラックライタは、クリーンルーム内に設置されて、データが全く書き込まれていないディスク媒体10上にサーボパターンを書き込む。サーボトラックライタは、サーボパターンを書き込むためのサーボヘッド12と、ヘッド駆動機構13と、コントローラ14と、書き込み制御回路15と、クロックヘッド16と、マスタクロック回路17とを有する。
【0017】
コントローラ14は、ヘッド駆動機構13を制御して、スピンドルモータ11により回転しているディスク媒体10上の指定位置までサーボヘッド12を移動して位置決めする。書き込み制御回路15は、サーボヘッド12にサーボデータを送る。このサーボデータにより、サーボヘッド12は、ディスク媒体10上の指定位置にサーボパターンを書き込む。
【0018】
ここで、本実施形態では、サーボトラックライタにより、ディスク媒体10上には、図5に示すように、スパイラル状のサーボパターン50が、ベースパターン(シードパターン)として書き込まれる。実際には、複数のスパイラルサーボからなるマルチスパイラルサーボパターンが、ベースパターンとしてディスク媒体10に書き込まれる。
【0019】
さらに、本実施形態では、自立サーボライト(self-servo write)方法により、ディスク媒体10には、図2に示すように、同心円状のサーボパターンが書き込まれる。自立サーボライト方法では、サーボトラックライタにより、ベースパターンが書き込まれたディスク媒体10が、図4に示すように、ディスクドライブ20に組み込まれる。この製品として出荷予定のディスクドライブ20は、ディスク媒体10に記録されたベースパターンに基づいて、同心円状のサーボパターンを書き込む。
【0020】
同心円状のサーボパターンは、図2に示すように、各サーボトラックを構成する放射形状の各サーボセクタ100からなる。換言すれば、各サーボトラックは、周方向に一定間隔で配置された複数(ここでは、8個)のサーボセクタ100から構成される。各サーボセクタ100は、図3に示すように、プリアンブル101、サーボマーク102、セクタアドレス103、シリンダ(トラック)アドレス104、及びサーボバーストパターン(A〜D)105を含む。
【0021】
ディスクドライブ20は、図4に示すように、ヘッド(リードヘッドとライトヘッド)22を搭載しているアクチュエータ(ヘッド移動機構)21と、ヘッドアンプ回路23と、回路基板24とを有する。回路基板24には、サーボ系回路26〜28を含むリード/ライトチャネル25、マイクロプロセッサ(CPU)29、及びモータドライバ30が実装されている。
【0022】
リード/ライトチャネル25は、サーボデータ及びユーザデータのリード/ライト信号を処理する信号処理回路である。サーボ系回路は、セクタアドレス103やシリンダアドレス104を検出する検出部26、サーボバーストパターン105を復調する復調部27、及び位置情報を生成する生成部28などを含む。モータドライバ30は、CPU29の制御に従って、スピンドルモータ11、及びアクチュエータ21に含まれるボイスコイルモータを駆動する。
【0023】
CPU29は、ディスクドライブ20のメインコントローラであり、本実施形態に関する自立サーボライト動作、及び自走テスト工程時に、STW−RRO変動成分を抑制するための補正値(STW−RRO補正値)を算出する計算処理を実行する。
【0024】
(補正値の計算処理工程)
本実施形態では、自立サーボライト工程後の自走テスト工程において、CPU29は、サーボセクタ毎の補正値(STW−RRO補正値)を算出する計算処理を実行し、算出した補正値を、サーボセクタの指定領域に記憶する。以下、この補正値の計算処理プロセスについて説明する。
【0025】
自走テスト工程では、サーボライト工程によりサーボデータが書き込まれたディスク媒体10に対して実際にヘッドの位置決め制御を実行して、ヘッド位置決め精度を測定するサーボテスト処理が実行される。
【0026】
まず、サーボライト工程では、前述したように、CPU29は、ディスク媒体10上に記録されているベースパターン50であるスパイラルサーボパターンにヘッド22をトラッキングしながら、図2及び図3に示すように、製品出荷時に用いられる同心円状サーボパターン(サーボトラックを構成する各サーボセクタ100)をディスク媒体10上に書き込む。
【0027】
(STW−RRO)
ここで、ディスク媒体10上に記録されているベースパターン50は、図5に示すように、1本のスパイラルサーボパターンとして数回転程度の長さを持ち、このようなスパイラルサーボパターンが200〜300本程度のマルチスパイラルパターンにより構成されるている。
【0028】
図6は、自立サーボライト工程において、マルチスパイラルサーボパターンに基づいて、ヘッドを移動させるシーク動作を示す図であり、フルストロークシーク軌道を示す。即ち、本実施形態の自立サーボライト工程では、ベースパターン50としてスパイラルサーボパターンを使用するサーボライト動作であるため、1回のフルトラックシーク動作で同心円状サーボデータ100をライトできる。従って、サーボライト動作に要する時間を大幅に短縮することが可能である。
【0029】
マルチスパイラルサーボライト時のフルストロークシーク軌道において、図6に示すように、実線601で示すノミナルのシーク軌道に対して、破線602で示す最高シーク速度がノミナル値とは異なるが、等速移動が維持された場合のシーク軌道を示す。また、点線603で示すシーク軌道は、不規則な外乱によって、シーク速度が変動した状態である。
【0030】
図7は、ベースパターン50として使用されるマルチスパイラルサーボパターンの一例を示す。図7では、横軸を時間とし、縦軸を半径位置とする。図7に示すように、各スパイラルパターン702は、それぞれ平行かつ等間隔に配置されている。1本のスパイラルパターン702は、図8に示すように、シンクマーク801と、サーボバーストパターン802を一組として、繰り返し隙間なく記録された構成である。
【0031】
サーボライト動作では、CPU29は、図7に示すように、サーボゲート701の位置からヘッド22のディスク媒体10上での半径方向の位置を検出する。CPU29は、スパイラルパターン702の傾きに応じて、サーボゲート701の位置から、例えば10から20シリンダ(トラック)分の相対位置情報703を取得できる。
【0032】
CPU29は、ディスク媒体10上の所望の位置にヘッド22を移動させるためには、内周側または外周側の固定位置、例えばドライブ内の内周ストッパを基準位置として、ヘッド22を外周方向に、徐々に移動(シーク)させる。
【0033】
図9は、図7の一部を拡大した図である。図9において、スパイラルパターン901は、図6の実線601で示すシーク軌道の場合に描かれたスパイラルパターンである。スパイラルパターン902は、最高シーク速度が変化して等速移動が維持された場合で、図6の破線602で示すシーク軌道の場合に描かれたスパイラルパターンであり、点線904のノミナルの形状から変動(摂動)している状態を示す。
【0034】
また、スパイラルパターン903は、図6の点線603で示すシーク軌道で、速度の不規則な変動した時のシーク軌道の場合に描かれたスパイラルパターンである。このスパイラルパターン903は、点線905で示すノミナルの形状から変動(摂動)している状態を示す。
【0035】
さらに、図9において、実線909は、スパイラルパターン901〜903に基づいて、実際に書かれた同心円状のサーボトラックである。なお、サーボトラックに基づいてユーザデータが書き込まれたトラックは、データトラックと呼ぶ。
【0036】
サーボトラック909は、理想的な同心円状トラック906から変動(摂動)している状態を示す。このため、区間908では、隣接トラック間で理想的トラック906からの偏差が異なる場合は、各サーボセクタについて、補正値(STW−RRO補正値)を算出する反復計算処理が必要となる。
【0037】
ところで、近年のディスクドライブでは、高記録密度化のために、ディスク媒体10上に構成されるトラック間隔は極めて狭い。従って、シーク速度の変化の影響が、図9の区間908に示す様に、数トラック間で急激に変化することはまれである。即ち、マルチスパイラルサーボパターンに基づいて、サーボトラックを書き込む場合に、実際には区間907に示すように、近傍の数トラック間の形状は大きく変動することは無いと想定できる。
【0038】
以上のような観点から、本実施形態のCPU29は、自走テスト工程(サーボテスト処理を含む)において、ディスク媒体10上の全サーボトラックから、指定のトラック数分置きに間欠的に選択されたトラックに対してのみ、補正値を算出する計算処理を実行する。従って、全サーボトラックに対する計算処理を実行する場合と比較して、大幅に補正値の計算処理時間を短縮化することが可能となる。
【0039】
このような補正値を計算するトラック間隔を機械的に指定する方法ではなく、例えば、図9の区間908に示すように、数トラック間で急激に変化する場合を想定して補正値の計算処理を実行する方法でもよい。以下、このような方法について、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0040】
まず、CPU29は、ディスク媒体10上の最内周トラックでの全サーボセクタに対して、反復計算処理を実行して補正値(STW−RRO補正値)を算出する(ステップS1)。次に、CPU29は、算出した補正値を使用して、一周分だけ外側のトラックに対するヘッド22の追従動作(位置決め制御)を数回分実行する(ステップS2)。このとき、補正値としては、当面半径方向の内周側に隣接するサーボセクタに記憶された補正値を使用する。
【0041】
CPU29は、追従動作を実行しているトラックの各サーボセクタにおける位置誤差を連続的に計測する(ステップS3)。さらに、CPU29は、ディスク媒体10の回転毎の位置誤差の平均値を計算する(ステップS4)。
【0042】
次に、CPU29は、追従動作を実行しているトラックにおいて、内周側に隣接するサーボセクタと同じ補正値を使用して、計測した位置誤差の平均値がゼロにならない場合には、既存の補正値が使用できないと判断する。即ち、CPU29は、半径方向に隣接するサーボセクタとの間でSTW−RRO変動(摂動)との相関性が無いと判断する(ステップS5,S6)。
【0043】
CPU29は、相関性の判断に基づいて、相関性が無い場合には、補正値を算出するための反復計算処理を実行する。一方、CPU29は、相関性の判断に基づいて、相関性が有る場合には、補正値を算出するための反復計算処理を省略し、用いた補正値をサーボセクタに記憶し、さらに一周分だけ外側のトラックに対するヘッド22の追従動作を継続する。
【0044】
以上のようにして、自走テスト工程において、STW−RRO変動(摂動)を抑制するための補正値を算出する計算処理時に、ディスク媒体10上の全てのトラックに対して計算処理を実行するのではなく、近傍トラック間でSTW−RRO変動(摂動)の相関性がある場合には、当該計算処理を省略する。この場合、計算処理を省略して補正値が記憶されていないサーボセクタに対するヘッド位置決め制御時には、半径方向の近傍トラックのサーボセクタに記憶された補正値を使用する。従って、自走テスト工程時に、補正値を算出する計算処理時間の短縮化を図ることが可能となり、ディスクドライブの製造工程の効率化を図ることができる。
【0045】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態に関するサーボトラックライタの要部を示すブロック図。
【図2】本実施形態に関するディスク媒体上に記録されたサーボデータの状態を示す図。
【図3】本実施形態に関するサーボセクタの構成を示す図。
【図4】本実施形態に関するディスクドライブの要部を示すブロック図。
【図5】本実施形態に関するスパイラルサーボパターンの一例を示す図。
【図6】本実施形態に関する実利サーボライト工程でのシーク動作を説明するための図。
【図7】本実施形態に関するマルチスパイラルサーボパターンの一例を示す図。
【図8】本実施形態に関するスパイラルサーボパターンの構成を示す図。
【図9】本実施形態に関する補正値の計算処理での相関性を説明するための図。
【図10】本実施形態に関する補正値の計算処理の手順を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0047】
10…ディスク媒体、11…スピンドルモータ、12…サーボヘッド、
13…ヘッド駆動機構、14…コントローラ、15…書き込み制御回路、
16…クロックヘッド、17…マスタクロック回路、20…ディスクドライブ、
21…アクチュエータ(ヘッド移動機構)、22…ヘッド、23…ヘッドアンプ回路、
24…回路基板、25…リード/ライトチャネル、
29…マイクロプロセッサ(CPU)、30…モータドライバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの読出し動作及び書き込み動作を行なうためのヘッドと、
前記ヘッドの位置決め制御に使用されるサーボデータが記録されている複数のサーボセクタにより、ほぼ同心円状のサーボトラックが構成されているディスク媒体と、
前記ヘッドの位置決め制御時に、前記ヘッドを前記ディスク媒体上の指定された位置に位置決めするためのヘッド移動機構と、
前記ヘッドによりディスク媒体上から読出されたサーボデータを使用して、前記ディスク媒体の回転に同期する変動成分を、前記ヘッドの位置決め制御時に抑制するための補正値を算出する算出手段と、
前記算出手段を制御し、前記ディスク媒体上に構成された複数のサーボトラックの中で、指定のトラック分の前記補正値を算出させて、算出された前記補正値を記憶手段に記憶する計算制御手段と、
前記サーボデータ及び前記記憶手段から読出した補正値を使用して、前記ヘッド移動機構を制御することで、前記ヘッドを指定のサーボトラックに位置決め制御するヘッド位置決め制御手段と
を具備したことを特徴とするディスク記憶装置。
【請求項2】
前記算出手段は、サーボセクタ毎に前記補正値を算出し、
前記計算制御手段は、前記指定範囲のトラック数分に含まれるサーボセクタ毎の補正値を算出させて、前記記憶手段に記憶するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。
【請求項3】
前記計算制御手段は、
前記変動成分との相関性がある近傍のトラック数の中で、指定のトラックのみの前記補正値を算出させて、
前記相関性が無いトラック間ではいずれのトラック分の前記補正値を算出させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。
【請求項4】
前記算出手段は、サーボセクタ毎に前記補正値を算出し、
前記計算制御手段は、
前記変動成分との相関性がある近傍のトラック数の中で、指定のトラックのみの前記補正値を算出させて、かつ、指定のトラック以外でも前記変動成分との相関性が無いサーボセクタ分の前記補正値を算出させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。
【請求項5】
前記算出手段は、サーボセクタ毎に前記補正値を算出し、
前記計算制御手段は、前記ディスク媒体上に構成された複数のサーボトラックの中で、最内周又は最外周のトラックを含み、指定のトラック数置きに間欠的に選択されたトラックに含まれるサーボセクタ毎の補正値を算出させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。
【請求項6】
前記算出手段により算出された指定のサーボトラックの前記補正値を使用して、前記ヘッドの位置決め制御を実行したときに、位置誤差が許容範囲外のサーボトラックを前記変動成分との相関性が無いと決定する相関性判断手段を有し、
前記計算制御手段は、
前記指定のサーボトラック以外では、前記相関性判断手段により相関性が無いと決定されたトラック分の前記補正値を算出させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。
【請求項7】
前記ヘッド位置決め制御手段は、
前記記憶手段からヘッド位置決め対象のトラックに対応する補正値を読出し、かつ、当該トラックに対応する補正値が存在しない場合には、当該トラックに隣接または近傍のトラックに対応する補正値と同じ値を用いるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のディスク記憶装置。
【請求項8】
前記記憶手段は、前記ディスク媒体上のサーボセクタに含まれる記憶領域であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のディスク記憶装置。
【請求項9】
前記ディスク媒体上に記録されたサーボデータは、前記ディスク媒体上に予め記録されマルチスパイラルサーボパターンに基づいて、サーボトラックライタまたは前記ヘッドにより書き込まれたものであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のディスク記憶装置。
【請求項10】
データの読出し動作及び書き込み動作を行なうためのヘッドと、
前記ヘッドの位置決め制御に使用されるサーボデータが記録されている複数のサーボセクタにより、ほぼ同心円状のサーボトラックが構成されているディスク媒体と、
前記ヘッドの位置決め制御時に、前記ヘッドを前記ディスク媒体上の指定された位置に位置決めするためのヘッド移動機構とを有するディスク記憶装置のサーボテスト方法であって、
前記ヘッドによりディスク媒体上から読出されたサーボデータを使用して、前記ディスク媒体の回転に同期する変動成分を算出する処理と、
前記ヘッドの位置決め制御時に前記変動成分を抑制するための補正値を算出する処理であって、前記ディスク媒体上に構成された複数のサーボトラックの中で、指定のトラック分の前記補正値を算出する処理と、
前記算出された前記補正値を記憶手段に記憶する処理と
を有する手順を実行することを特徴とするサーボテスト方法。
【請求項11】
指定のサーボトラックの前記補正値を使用して、前記ヘッドの位置決め制御を実行したときに、位置誤差が許容範囲外のサーボトラックを前記変動成分との相関性が無いと決定する処理と、
前記指定のトラック以外では、前記相関性が無いと決定されたトラック分の前記補正値を算出する処理と
を有することを特徴とする請求項10に記載のサーボテスト方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−146724(P2008−146724A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−330946(P2006−330946)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】