説明

ディスク駆動装置及び電子機器

【課題】 小型化を確保した上でトレイの引出ストロークを増加させる。
【解決手段】 所定の位置に固定されたベースシャーシ6と、ベースシャーシに対して引出方向及び収納方向へ移動可能とされ引出位置から収納位置までの間で移動されるトレイ7と、ベースシャーシに取り付けられたガイド11、11と、ガイドに案内されるレール22、22と、トレイに配置されたトレイ移動用モーター20と、トレイ移動用モーターの駆動力によって回転されるピニオンギヤ21aと、ベースシャーシに固定されピニオンギヤが噛合される主ラック14と、主ラックに移動自在に支持されると共に主ラックに延長されピニオンギヤの噛合が可能な延長位置と主ラックに対して引き込まれピニオンギヤの噛合が行われない引込位置との間で移動する延長ラック15とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスク駆動装置及び電子機器についての技術分野に関する。詳しくは、トレイの引出動作時に前記主ラックに延長される延長ラックを設け小型化を確保した上でトレイの引出ストロークを増加させる技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行うディスク駆動装置がある。
【0003】
このようなディスク駆動装置には、ディスク状記録媒体がフロントパネルに形成されたディスク挿入口から挿入されてローディングされる所謂スロットインタイプと、トレイが引き出されてディスク状記録媒体を引き出されたトレイに装着し該トレイが収納されてローディングされる所謂トレイ引出タイプとがある。
【0004】
トレイ引出タイプのディスク駆動装置には、トレイの引出及び収納がトレイ移動用モーターの駆動力によって行われるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に記載された従来のディスク駆動装置にあっては、トレイが移動自在に支持されたシャーシの一方の側部にトレイの引出方向に延びるラックが設けられ、トレイの奥側の端部(後端部)に取り付けられたトレイ移動用モーターの駆動力によって回転されるピニオンギヤがラックに噛合されている。
【0006】
トレイの引出動作は、トレイ移動用モーターの駆動力によってピニオンギヤが回転され、該ピニオンギヤがラック上を転動されピニオンギヤの回転に伴ってトレイがシャーシに対して引出方向へ移動されることにより行われる。
【0007】
また、トレイの収納動作は、トレイ移動用モーターの駆動力によってピニオンギヤが引出動作時とは反対方向へ回転され、該ピニオンギヤがラック上を転動されピニオンギヤの回転に伴ってトレイがシャーシに対して収納方向へ移動されることにより行われる。
【0008】
【特許文献1】特開平6−68571号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、特許文献1に記載された従来のディスク駆動装置にあっては、シャーシの一方の側部に設けられたラック上をピニオンギヤが転動される範囲がトレイの移動ストローク(引出ストローク)になるため、ラックの前端部とピニオンギヤが存在するトレイの後端部とが左右方向において重なる位置までしかトレイがシャーシから引き出されない。従って、トレイの全体がシャーシの前方へ引き出されないため、トレイの十分な引出ストロークを確保することができないと言う問題がある。
【0010】
トレイの十分な引出ストロークを確保することができないと、トレイ又はトレイに付随して引き出されるディスクテーブルに対するディスク状記録媒体の装着が行い難いと言う不具合が生じてしまう。
【0011】
そこで、トレイの十分な引出ストロークを確保するために、例えば、ラックの長さを長くすると共にラックの長さに合わせてトレイの前後方向における長さを長くすることが考慮される。
【0012】
しかしながら、ラック及びトレイの前後方向における長さを長くすると、その分、ディスク駆動装置の奥行き寸法が大きくなってしまい、小型化を阻害すると言う問題が生じる。
【0013】
そこで、本発明ディスク駆動装置及び電子機器は、上記した問題点を克服し、小型化を確保した上でトレイの引出ストロークを増加させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
ディスク駆動装置は、上記した課題を解決するために、ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有するディスク駆動ユニットと、所定の位置に固定されたベースシャーシと、前記ベースシャーシに対して引き出される引出方向及び該引出方向の反対方向である収納方向へ移動可能とされ引出位置から収納位置までの間で移動されるトレイと、前記ベースシャーシに取り付けられたガイドと、前記トレイに設けられ該トレイの前記引出方向及び前記収納方向への移動時に前記ガイドに案内されるレールと、前記トレイに配置されたトレイ移動用モーターと、前記トレイ移動用モーターの駆動力によって回転されるピニオンギヤと、前記ベースシャーシに固定され前記ピニオンギヤが噛合される主ラックと、前記主ラックに移動自在に支持されると共に前記主ラックに延長され前記ピニオンギヤの噛合が可能な延長位置と前記主ラックに対して引き込まれ前記ピニオンギヤの噛合が行われない引込位置との間で移動する延長ラックとを設けたものである。
【0015】
従って、ディスク駆動装置にあっては、延長ラックが主ラックに延長される分のトレイのシャーシに対する移動ストロークが増加する。
【0016】
上記したディスク駆動装置にあっては、前記延長ラックが前記主ラックの前記引出方向側の端部に回動自在に支持され、前記ピニオンギヤの主ラックとの噛合が解除されたときに、前記トレイの引出方向への移動に伴って移動される前記ピニオンギヤによって前記延長ラックが前記引込位置から前記延長位置に回動されるようにすることが望ましい。
【0017】
ピニオンギヤによって延長ラックが引込位置から延長位置に回動されるようにすることにより、トレイの移動に伴い延長ラックが回動される。
【0018】
上記したディスク駆動装置にあっては、前記主ラックに前記延長ラックを前記延長位置に保持するストッパー部を設けることが望ましい。
【0019】
主ラックに延長ラックを延長位置に保持するストッパー部を設けることにより、延長ラックがストッパー部によって延長位置に保持される。
【0020】
上記したディスク駆動装置にあっては、前記延長ラックを前記引出方向へ付勢する付勢バネを設け、前記延長ラックが前記付勢バネによって付勢された状態で前記主ラックに前記トレイの移動方向と同じ方向へ移動自在に支持され、前記トレイが前記収納位置から前記引出位置へ向けて移動されたときに前記延長ラックが前記付勢バネの付勢力によって前記引込位置から前記延長位置に移動されるようにすることが望ましい。
【0021】
延長ラックが付勢バネの付勢力によって引込位置から延長位置に移動されるようにすることにより、トレイの引出方向への移動に伴い延長ラックが延長位置に移動される。
【0022】
上記したディスク駆動装置にあっては、前記主ラックと前記延長ラックをそれぞれ略板状に形成し、前記延長ラックと前記主ラックが厚み方向において重ねられるようにすることが望ましい。
【0023】
延長ラックと主ラックが厚み方向において重ねられるようにすることにより、延長ラックが主ラックに重ねられた状態で移動自在に支持される。
【0024】
電子機器は、上記した課題を解決するために、ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行うディスク駆動装置と、前記ディスク駆動装置が配置された機器本体とを備え、前記ディスク駆動装置は、ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有するディスク駆動ユニットと、所定の位置に固定されたベースシャーシと、前記ベースシャーシに対して引き出される引出方向及び該引出方向の反対方向である収納方向へ移動可能とされ引出位置から収納位置までの間で移動されるトレイと、前記ベースシャーシに取り付けられたガイドと、前記トレイに設けられ該トレイの前記引出方向及び前記収納方向への移動時に前記ガイドに案内されるレールと、前記トレイに配置されたトレイ移動用モーターと、前記トレイ移動用モーターの駆動力によって回転されるピニオンギヤと、前記ベースシャーシに固定され前記ピニオンギヤが噛合される主ラックと、前記主ラックに移動自在に支持されると共に前記主ラックに延長され前記ピニオンギヤの噛合が可能な延長位置と前記主ラックに対して引き込まれ前記ピニオンギヤの噛合が行われない引込位置との間で移動する延長ラックとを設けたものである。
【0025】
従って、電子機器にあっては、延長ラックが主ラックに延長される分のトレイのシャーシに対する移動ストロークが増加する。
【発明の効果】
【0026】
本発明ディスク駆動装置は、ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有するディスク駆動ユニットと、所定の位置に固定されたベースシャーシと、前記ベースシャーシに対して引き出される引出方向及び該引出方向の反対方向である収納方向へ移動可能とされ引出位置から収納位置までの間で移動されるトレイと、前記ベースシャーシに取り付けられたガイドと、前記トレイに設けられ該トレイの前記引出方向及び前記収納方向への移動時に前記ガイドに案内されるレールと、前記トレイに配置されたトレイ移動用モーターと、前記トレイ移動用モーターの駆動力によって回転されるピニオンギヤと、前記ベースシャーシに固定され前記ピニオンギヤが噛合される主ラックと、前記主ラックに移動自在に支持されると共に前記主ラックに延長され前記ピニオンギヤの噛合が可能な延長位置と前記主ラックに対して引き込まれ前記ピニオンギヤの噛合が行われない引込位置との間で移動する延長ラックとを備えている。
【0027】
従って、延長ラック必要なときにのみ延長位置まで回動され、ピニオンギヤが延長ラックと噛合される分、小型化を確保した上でトレイの引出ストロークを増加させることができる。
【0028】
請求項2に記載した発明にあっては、前記延長ラックが前記主ラックの前記引出方向側の端部に回動自在に支持され、前記ピニオンギヤの主ラックとの噛合が解除されたときに、前記トレイの引出方向への移動に伴って移動される前記ピニオンギヤによって前記延長ラックが前記引込位置から前記延長位置に回動されるようにしている。
【0029】
従って、トレイの移動に伴い確実に延長ラックが回動され、トレイの引出動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0030】
請求項3に記載した発明にあっては、前記主ラックに前記延長ラックを前記延長位置に保持するストッパー部を設けたので、延長ラックが必要以上に回動されることがなく、ピニオンギヤの延長ラックに対する適正な噛合状態を保持することができ、トレイを引出位置に確実に移動させることができる。
【0031】
請求項4に記載した発明にあっては、前記延長ラックを前記引出方向へ付勢する付勢バネを設け、前記延長ラックが前記付勢バネによって付勢された状態で前記主ラックに前記トレイの移動方向と同じ方向へ移動自在に支持され、前記トレイが前記収納位置から前記引出位置へ向けて移動されたときに前記延長ラックが前記付勢バネの付勢力によって前記引込位置から前記延長位置に移動されるようにしている。
【0032】
従って、トレイの移動に伴い確実に延長ラックが移動され、トレイの引出動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0033】
請求項5に記載した発明にあっては、前記主ラックと前記延長ラックをそれぞれ略板状に形成し、前記延長ラックと前記主ラックが厚み方向において重ねられるようにしたので、薄型化を図ることができる。
【0034】
本発明電子機器は、ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行うディスク駆動装置と、前記ディスク駆動装置が配置された機器本体とを備え、前記ディスク駆動装置は、ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有するディスク駆動ユニットと、所定の位置に固定されたベースシャーシと、前記ベースシャーシに対して引き出される引出方向及び該引出方向の反対方向である収納方向へ移動可能とされ引出位置から収納位置までの間で移動されるトレイと、前記ベースシャーシに取り付けられたガイドと、前記トレイに設けられ該トレイの前記引出方向及び前記収納方向への移動時に前記ガイドに案内されるレールと、前記トレイに配置されたトレイ移動用モーターと、前記トレイ移動用モーターの駆動力によって回転されるピニオンギヤと、前記ベースシャーシに固定され前記ピニオンギヤが噛合される主ラックと、前記主ラックに移動自在に支持されると共に前記主ラックに延長され前記ピニオンギヤの噛合が可能な延長位置と前記主ラックに対して引き込まれ前記ピニオンギヤの噛合が行われない引込位置との間で移動する延長ラックとを備えている。
【0035】
従って、延長ラック必要なときにのみ延長位置まで回動され、ピニオンギヤが延長ラックと噛合される分、小型化を確保した上でトレイの引出ストロークを増加させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下に、本発明ディスク駆動装置及び電子機器の最良の形態を添付図面に従って説明する。以下に示した最良の形態は、本発明電子機器をパーソナルコンピューターに適用し、本発明ディスク駆動装置をこのパーソナルコンピューターに備えられたディスク駆動装置に適用したものである。
【0037】
尚、本発明電子機器及びディスク駆動装置の適用範囲は、パーソナルコンピューター及びこれに備えられたディスク駆動装置に限られることはない。本発明電子機器は、ディスク状記録媒体を扱う各種の電子機器、例えば、ゲーム機器、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報端末装置、スチルカメラや電子カメラやビデオカメラ等の撮像装置、各種のディスク状記録媒体を扱う記録用の機器や音響機器等に広く適用することができる。また、本発明ディスク駆動装置は、これらの各種の電子機器において扱われるディスク状記録媒体について情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行うディスク駆動装置に広く適用することができる。
【0038】
電子機器(パーソナルコンピューター)1は、例えば、機器本体2と該機器本体2に回動自在に支持されたディスプレイ装置3とを備え、機器本体2に所要の操作キーが配置されたキーボード4が設けられている(図1及び図2参照)。尚、電子機器1は、例えば、機器本体とディスプレイ装置が別体で設けられた所謂デスクトップ型の機器であってもよい。
【0039】
以下に、第1の最良の形態に係るディスク駆動装置5について説明する(図3乃至図11参照)。
【0040】
機器本体2にはディスク駆動装置5が内蔵されている。ディスク駆動装置5は後述するトレイが機器本体2に対して引出可能及び収納可能とされている。
【0041】
尚、以下のディスク駆動装置5の説明においては、説明の便宜上、トレイの機器本体2に対する引出方向を前方とし、トレイの機器本体2に対する収納方向を後方とし、上下前後左右の向きを規定する。即ち、図1及び図2に示すF方向が前方となり、R方向が後方となる。
【0042】
ディスク駆動装置5は扁平な略矩形状に形成され、ベースシャーシ6と該ベースシャーシ6に前後方向へ移動自在に支持されたトレイ7とを有している(図3及び図4参照)。
【0043】
ベースシャーシ6は上下方向を向く底面部8と該底面部8の左右両側部からそれぞれ上方へ突出された側面部9、9と底面部8の後端部から上方へ突出された後面部10とを有している。
【0044】
側面部9は底面部8に連続し左右方向を向く立壁部9aと該立壁部9aの上縁から側方(内方)へ突出され上下方向を向く取付壁部9b、9b、9bとから成る。取付壁部9b、9b、9bは前後方向に離隔して設けられている。
【0045】
底面部8の左右両端部にはそれぞれ前後に延びるガイド11、11が固定されている。ガイド11、11はそれぞれ側面部9、9の内面に沿って位置されている。
【0046】
一方のガイド11、例えば、右側に位置するガイド11には、その前端寄りの位置における下端部に左方へ突出されたロック部12が設けられている(図5参照)。ロック部12には左方に開口された係合凹部12aが形成されている。ロック部12における係合凹部12aの前側の部分は摺動突部13として設けられ、該摺動突部13には後方へ行くに従って左方へ変位する傾斜縁13aが形成されている。傾斜縁13aは係合凹部12aの前側に形成されている。
【0047】
一方の側面部9、例えば、左側に位置する側面部9の取付壁部9b、9b、9bの上面には、前後方向に延びる主ラック14が固定されている(図3及び図4参照)。主ラック14は上下方向を向く略板状に形成され、下面にラック歯14aを有している。ラック歯14aは主ラック14の前端から後端まで形成されている。
【0048】
主ラック14の前端部には前方へ突出されたストッパー部14bが設けられている(図3及び図6参照)。
【0049】
主ラック14の前端部には延長ラック15が左右方向に延びる軸を支点として回動自在に支持されている。主ラック14と延長ラック15によってラック体40が構成される。
【0050】
延長ラック15は、主ラック14に延長される延長位置と主ラック14に対して引き込まれる引込位置との間で回動される。延長ラック15には一方の面にラック歯15aが形成されている。
【0051】
延長位置はラック歯15aが主ラック14のラック歯14aに前後方向で連続する位置(図6参照)であり、引込位置はラック歯15aが主ラック14のラック歯14aに対して直交する位置(図3参照)である。
【0052】
延長ラック15には被ストッパー部15bが設けられている(図6参照)。延長ラック15が延長位置に回動されたときには被ストッパー部15bが主ラック14のストッパー部14bに係合され、延長ラック15の回動が規制され、該延長ラック15が延長位置に保持される。延長ラック15は、例えば、自重によって引込位置に保持される。
【0053】
トレイ7はベース体16と該ベース体16の前端に設けられた前面パネル17とを有している(図3及び図4参照)。
【0054】
ベース体16は上下方向を向く扁平な形状に形成されている。
【0055】
ベース体16にはディスク駆動ユニット18が略上下方向へ移動自在に支持されている。ディスク駆動ユニット18は、ピックアップベース18aと該ピックアップベース18aに水平方向へ移動自在に支持された光ピックアップ18bとピックアップベース18aに固定されたスピンドルモーター18cと該スピンドルモーター18cのモーター軸に固定されたディスクテーブル18dとを有している。
【0056】
ベース体16の後端部における左端部にはトレイ駆動機構19が配置されている。トレイ駆動機構19はトレイ移動用モーター20と該トレイ移動用モーター20の駆動力によって回転される複数の減速ギヤを有するギヤ機構21とを有し、該ギヤ機構21の最終段のギヤとしてピニオンギヤ21aが用いられている。
【0057】
ピニオンギヤ21aはベースシャーシ6に固定された主ラック14のラック歯14a及び延長ラック15のラック歯15aに噛合可能とされる。従って、トレイ移動用モーター20の駆動力によりピニオンギヤ21aが回転されると、トレイ移動用モーター20の回転方向に応じてトレイ7が前方又は後方へベースシャーシ6に対して移動される。
【0058】
ベース体16の左右両側面には、それぞれレール22、22が前後方向へ移動自在に支持されている。レール22、22はそれぞれベースシャーシ6に固定されたガイド11、11に前後方向へ移動自在に支持されている。レール22、22にはそれぞれ前後に離隔して図示しない第1の被規制部と第2の被規制部が設けられている。また、ベース体16とガイド11、11にはそれぞれ第1の被規制部と第2の被規制部に係合可能な図示しない規制部が設けられている。
【0059】
ベース体16の右端部における下面には被ロックバネ23が取り付けられている(図5参照)。被ロックバネ23はガイド11のロック部12に係合される被ロック部として設けられている。
【0060】
被ロックバネ23はベース体16に取り付けられた被取付板部24と該被取付板部24の前端部の右側縁に連続して設けられた被ロック片25とから成る。被ロック片25には右方へ凸のV字状に形成された係合片部25aが設けられている。
【0061】
ベース体16の前端部における右端部には下方へ突出された軸状の作用部16aが設けられている。
【0062】
前面パネル17の右端部には前後に貫通された治具挿通孔17aが形成されている(図3及び図4参照)。
【0063】
ベースシャーシ6の下面における前端部には回動レバー26が回動自在に支持されている(図5参照)。回動レバーは26は回動支点部26aを挟んで互いに反対側へ突出された押圧アーム部26bと作用部26cを有している。回動レバー26は作用部26cが前面パネル17に形成された治具挿通孔17aの直ぐ後側に位置されている。
【0064】
ベースシャーシ6の右端部には上方へ突出された回動規制ピン6aが設けられている。
【0065】
回動レバー26は図示しない捩じりコイルバネによって押圧アーム部26bが回動規制ピン6aに前方から近付く方向へ付勢されている。従って、回動レバー26は作用部26cに力が付与されていない状態において、捩じりコイルバネの付勢力によって押圧アーム部26bが回動規制ピン6aに前方から接した状態とされている。
【0066】
以下に、ディスク駆動装置5におけるトレイ7の移動動作について説明する(図5、図7乃至図11参照)。
【0067】
先ず、トレイ7が収納位置にある状態について説明する(図5及び図7参照)。
【0068】
トレイ7が収納位置にある状態においては、図5に示すように、ガイド11におけるロック部12の係合凹部12aに被ロックバネ23における被ロック片25の係合片部25aが係合され、トレイ7が収納位置にロックされている。
【0069】
延長ラック15は引込位置にあり、主ラック14に対して90°屈曲された状態とされている(図7参照)。延長ラック15は収納位置にあるトレイ7の前面パネル17によって前方から押さえられ、引込位置に保持されている。
【0070】
トレイ駆動機構19のピニオンギヤ21aは主ラック14におけるラック歯14aの後端部に噛合されている(図8参照)。
【0071】
回動レバー26は捩じりコイルバネの付勢力によって押圧アーム部26bが回動規制ピン6aに前方から接した状態とされている。
【0072】
上記のように、トレイ7が収納位置にある状態において、トレイ移動用モーター20が、例えば、使用者による図示しないイジェクト釦に対する操作により一方向へ回転されると、ピニオンギヤ21aがラック歯14a上を前方へ転動されていき、トレイ7が収納位置から引出位置へ向けて前方へ移動されていく。
【0073】
このときトレイ7の左右両側面に支持されたレール22、22がそれぞれガイド11、11に案内される。トレイ7の前方への移動時には、レール22、22がそれぞれガイド11、11及びトレイ7に対してスライドされる。
【0074】
このとき回動レバー26は捩じりコイルバネの付勢力によって押圧アーム部26bが回動規制ピン6aに前方から接した状態とされており、トレイ7のベース体16に設けられた作用部16aから退避された位置にある。従って、トレイ7が前方へ移動されたときに、回動レバー26は作用部16aに接触しない。
【0075】
トレイ7が収納位置から前方へ移動されるときには、被ロックバネ23の係合片部25aがガイド11のロック部12に摺動されて弾性変形され、係合片部25aが摺動突部13の後端を乗り越えることにより弾性復帰されてトレイ7の収納位置におけるロックが解除される。
【0076】
トレイ7が引出位置へ向けて前方へ移動されていくときには、ピニオンギヤ21aが主ラック14のラック歯14aを前方へ向けて転動されていく。トレイ7が前方へ移動されると、前面パネル17が引込位置にある延長ラック15から前方へ離隔され、延長ラック15は回動可能な状態とされる。
【0077】
トレイ7は前方へ移動され、ピニオンギヤ21aが主ラック14におけるラック歯14aの前端部に噛合される(図9参照)。このときトレイ7は後端部を除く部分がベースシャーシ6から前方へ突出されている。
【0078】
ピニオンギヤ21aが引き続き回転されトレイ7は引き続き前方へ移動され、ピニオンギヤ21aは主ラック14のラック歯14aとの噛合が解除される。ピニオンギヤ21aはラック歯14aとの噛合の解除に引き続き、引込位置にある延長ラック15を上方側へ押し上げてラック歯15aと噛合される(図10参照)。ピニオンギヤ21aによって上方側へ押し上げられて回動された延長ラック15は、被ストッパー部15bが主ラック14のストッパー部14bに接し、上方側への回動が規制され、延長位置に保持される。
【0079】
このように延長ラック15は被ストッパー部15bが主ラック14のストッパー部14bに接して延長位置に保持されるため、延長ラック15が必要以上に上方側へ回動されることがなく、ピニオンギヤ21aのラック歯15aに対する適正な噛合状態を保持することができ、トレイ7を引出位置に確実に移動させることができる。
【0080】
トレイ7は全体がベースシャーシ6から前方へ移動される(図11参照)。このときレール22、22は、第1の被規制部がベース体16の規制部に係合され、第2の被規制部がガイド11、11の規制部に係合され、トレイ7の前方への移動が規制されて停止され、該トレイ7が引出位置に至る。トレイ7の前方への移動が停止されると、トレイ移動用モーター20の回転が停止される。このときピニオンギヤ21aは延長ラック15のラック歯15aに噛合されている。
【0081】
トレイ7が引出位置まで移動された状態においては、使用者は、ディスク駆動ユニット18のディスクテーブル18dに対するディスク状記録媒体100の装着又はディスクテーブル18dからのディスク状記録媒体100の取外を行うことができる。
【0082】
トレイ7の引出位置から収納位置へ向けての移動は、上記とは逆の動作により以下のようにして行われる。
【0083】
トレイ7が引出位置にある状態(図11参照)において、トレイ移動用モーター20が、例えば、使用者による図示しないローディング釦に対する操作により上記とは逆方向へ回転されると、ピニオンギヤ21aが延長ラック15のラック歯15aから主ラック14のラック歯14a上を連続して後方へ転動されていき、トレイ7が引出位置から収納位置へ向けて後方へ移動されていく。
【0084】
このときトレイ7の左右両側面に支持されたレール22、22がそれぞれガイド11、11に案内される。トレイ7の後方への移動時には、レール22、22がそれぞれガイド11、11及びトレイ7に対してスライドされる。
【0085】
トレイ7の後方への移動時にも前方への移動時と同様に、回動レバー26が捩じりコイルバネの付勢力によって押圧アーム部26bが回動規制ピン6aに前方から接した状態とされており、回動レバー26は作用部16aに接触しない。
【0086】
トレイ7が収納位置へ向けて後方へ移動されていくと、被ロックバネ23の係合片部25aがガイド11の摺動突部13に摺動されて弾性変形され、該摺動突部13の後端を乗り越えることにより弾性復帰されて係合片部25aが係合凹部12aに係合され、トレイ7が収納位置においてロックされる(図5参照)。
【0087】
トレイ7が収納位置に至った状態においては、ピニオンギヤ21aのラック歯15aとの噛合が解除されている。従って、延長ラック15は自重により回動されて引込位置にあり、該延長ラック15は前面パネル17によって前方から押さえられて引込位置に保持される(図7参照)。
【0088】
トレイ7が引込位置に至り後方への移動が停止されると、トレイ移動用モーター20の回転が停止される。このときピニオンギヤ21aは主ラック14におけるラック歯14aの前端部に噛合されている(図8参照)。
【0089】
次に、収納位置からトレイ7が前方へ移動されない場合に、トレイ7を強制的に前方へ移動させる所謂強制排出動作について説明する(図12参照)。トレイ7が前方へ移動されない場合は、例えば、電流供給回路の不良等によりトレイ移動用モーター20への電流の供給が行われなくなった場合やトレイ移動用モーター20が故障した場合等である。
【0090】
使用者は、例えば、径の細いピン等のトレイ移動用治具200を前面パネル17の治具挿通孔17aに前側から挿入する。トレイ移動用治具を治具挿通孔17aに挿入すると、トレイ移動用治具200によって回動レバー26の作用部26cが後方へ押圧され、回動レバー26が回動されて押圧アーム部26bによってトレイ7のベース体16に設けられた作用部16aが前方へ押圧される。
【0091】
作用部16aが前方へ押圧されることにより、トレイ7に前方への移動力が付与され、ガイド11のロック部12と被ロックバネ23の被ロック片25との係合が解除されてトレイ7の収納位置におけるロックが解除され、該トレイ7が前方へ移動される。
【0092】
ロックが解除されて前方へ移動されたトレイ7を把持して引き出すことにより、トレイ7を引出位置まで移動させることができる。
【0093】
以上に記載した通り、ディスク駆動装置5にあっては、主ラック14に延長されピニオンギヤ21aの噛合が可能な延長位置と主ラック14に対して引き込まれピニオンギヤ21aの噛合が行われない引込位置との間で回動される延長ラック15を設けている。
【0094】
このように延長ラック15が延長位置と引込位置との間で回動され必要なときにのみ延長位置まで回動されるため、ディスク駆動装置5の奥行き寸法が大きくならない。また、ピニオンギヤ21aが延長ラック15のラック歯15aと噛合される分、トレイ7の引出方向への移動量を大きくすることができる。
【0095】
従って、ディスク駆動装置5にあっては、小型化を確保した上でトレイ7の引出ストロークを増加させることができる。
【0096】
また、延長ラック15が主ラック14の引出方向側の端部に回動自在に支持され、ピニオンギヤ21aに押し上げられて延長ラック15が引込位置から延長位置へ回動されるため、トレイ7の移動に伴い確実に延長ラック15が回動され、トレイ7の引出動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0097】
ディスク駆動装置5にあっては、トレイ7を収納位置にロックするロック部12と、トレイ移動用モーター20の駆動力によるトレイ7の収納方向へ向けての移動に伴って移動されロック部12に係合される被ロック部として機能する被ロックバネ23とが設けられている。
【0098】
従って、トレイ移動用モーター20の駆動力によるトレイ7の収納方向へ向けての移動に伴ってトレイ7が収納位置にロックされるため、トレイ7の移動とロックを行うために各別のモーターを設ける必要がなく、ロックに関する機構の簡素化及び動作時間の短縮化を図ることができる。
【0099】
また、ロック部12をガイド11に設けロック部12に係合凹部12aを形成し、トレイ7が収納位置へ向けて移動されたときに被ロック片25がロック部12に摺接して弾性変形されて係合凹部12aに係合されトレイ7がロックされるため、ロック機構の構造及び動作の簡素化を図ることができる。
【0100】
さらに、ベースシャーシ6にトレイ7を収納位置から引出位置へ移動させるための回動レバー26を回転自在に支持し、トレイ7に回動レバー26によって引出方向への押圧力が付与される作用部16aを設けている。従って、トレイ移動用治具200によって回動レバー26を回動させるだけでトレイ7の強制排出を行うことができ、簡単な操作によりトレイ7を強制的に引出方向へ移動させることができる。
【0101】
次に、第2の最良の形態に係るディスク駆動装置5Aについて説明する(図13乃至図23参照)。
【0102】
機器本体2にはディスク駆動装置5Aが内蔵されている。ディスク駆動装置5Aは後述するトレイが機器本体2に対して引出可能及び収納可能とされている。
【0103】
尚、以下のディスク駆動装置5Aの説明においては、説明の便宜上、トレイの機器本体2に対する引出方向を前方とし、トレイの機器本体2に対する収納方向を後方とし、上下前後左右の向きを規定する。
【0104】
ディスク駆動装置5Aは扁平な略矩形状に形成され、ベースシャーシ50と該ベースシャーシ50に前後方向へ移動自在に支持されたトレイ51とを有している(図13及び図14参照)。
【0105】
ベースシャーシ50は上下方向を向く底面部52と該底面部52の左右両側部からそれぞれ上方へ突出された側面部53、53と底面部52の後端部から上方へ突出された後面部54とを有している。
【0106】
側面部53は底面部52に連続し左右方向を向く立壁部53aと該立壁部53aの上縁から側方(内方)へ突出され上下方向を向く取付壁部53b、53b、53bとから成る。取付壁部53b、53b、53bは前後方向に離隔して設けられている。
【0107】
後面部54の上縁における左端部には、前方へ突出された支持片部54aが設けられている。
【0108】
支持片部54aにはロック部として機能するロックレバー55が水平方向において回動自在に支持されている。ロックレバー55は、支持片部54aに支持された被支持部56と、該被支持部56から略前方へ突出された係止用突部57と、被支持部56から左方へ突出された連結部58と、該連結部58の後縁から下方へ突出された被押圧部59とから成る。
【0109】
係止用突部57は右方へ行くに従って後方へ変位する傾斜縁57aと該傾斜縁57aの右端に連続し略左右に延びる係止縁57bとを有している。
【0110】
ロックレバー55の被支持部56とベースシャーシ50の後面部54との間にはバネ部材60が支持されている。従って、ロックレバー55はバネ部材60によって係止用突部57が略右方へ回動する方向への付勢力が付与されている。
【0111】
底面部52の左右両端部にはそれぞれ前後に延びるガイド61、61が固定されている。ガイド61、61はそれぞれ側面部53、53の内面に沿って位置されている。
【0112】
一方の側面部53、例えば、左側に位置する側面部53の取付壁部53b、53b、53bの上面には、前後方向に延びる主ラック62が固定されている。主ラック62は上下方向を向き、下面にラック歯62aを有している。
【0113】
主ラック62には、図15に示すように、前端部に前方及び右方に開口された前側切欠62bが形成され、後端部に後方及び右方に開口された後側切欠62cが形成されている。主ラック62は、前側切欠62b及び後側切欠62cが形成されていない左側の略半部が外側部63として設けられ、前側切欠62b及び後側切欠62cが形成されている右側の略半部が内側部64として設けられている。従って、外側部63の前後方向における長さは内側部64の前後方向における長さより長くされている。
【0114】
ラック歯62aは外側部63の前端部と後端部を除いた部分に形成されている。
【0115】
主ラック62の内側部64には前後に離隔して、前側から順に第1のストッパー突部64a、64a、第2の前側ストッパー突部64b及び第2の後側ストッパー突部64cが上方へ突出した状態で設けられている。
【0116】
主ラック62の内側部64には、それぞれ略板状に形成された第1の補助ラック65と第2の補助ラック66がそれぞれ前後方向へスライド自在に支持されている。主ラック62と第1の補助ラック65と第2の補助ラック66によってラック体80が構成される。
【0117】
第1の補助ラック65は前後に離隔し前後に延びる被支持孔65a、65aを有し、該被支持孔65a、65aにそれぞれ第1のストッパー突部64a、64aが挿入されて主ラック62の内側部64に支持されている。第1の補助ラック65は上下方向を向き、下面における前側に位置する被支持孔65aの前側の部分にラック歯65bを有している。
【0118】
第1の補助ラック65と主ラック62との間には第1の付勢バネ67が支持され、第1の補助ラック65が前方へ付勢されている。
【0119】
第1の補助ラック65は、主ラック62に延長される延長位置と主ラック62に対して引き込まれる引込位置との間で移動される。延長位置は移動方向における前端の位置であり、引込位置は移動方向における後端の位置である。
【0120】
第2の補助ラック66は前後に延びる被支持孔66aを有し、該被支持孔66aに第2の前側ストッパー突部64b及び第2の後側ストッパー突部64cが挿入されて主ラック62の内側部64に支持されている。第2の補助ラック66は上下方向を向き、下面における被支持孔66aの後側の部分にラック歯66bを有している。第2の補助ラック66の後端部は押圧部66cとして設けられている。
【0121】
第2の補助ラック66と主ラック62との間には第2の付勢バネ68が支持され、第2の補助ラック66が前方へ付勢されている。
【0122】
トレイ51はベース体69と該ベース体69の前端に設けられた前面パネル70とを有している(図13及び図14参照)。
【0123】
ベース体69は上下方向を向く扁平な形状に形成されている。
【0124】
ベース体69にはディスク駆動ユニット71が略上下方向へ移動自在に支持されている。ディスク駆動ユニット71は、ピックアップベース71aと該ピックアップベース71aに水平方向へ移動自在に支持された光ピックアップ71bとピックアップベース71aに固定されたスピンドルモーター71cと該スピンドルモーター71cのモーター軸に固定されたディスクテーブル71dとを有している。
【0125】
ベース体69の後端部における左端部にはトレイ駆動機構72が配置されている。トレイ駆動機構72はトレイ移動用モーター73と該トレイ移動用モーター73の駆動力によって回転される複数の減速ギヤを有するギヤ機構74とを有し、該ギヤ機構74の最終段のギヤとしてピニオンギヤ74aが用いられている。
【0126】
ピニオンギヤ74aはベースシャーシ50に固定された主ラック62のラック歯62a、第1の補助ラック65のラック歯65b及び第2の補助ラック66のラック歯66bに噛合可能とされている。従って、トレイ移動用モーター73の駆動力によりピニオンギヤ74aが回転されると、トレイ移動用モーター73の回転方向に応じてトレイ51が前方又は後方へベースシャーシ50に対して移動される。ピニオンギヤ74aは左右方向に長く形成されており、主ラック62のラック歯62bのうち外側部63に形成された部分にも噛合する長さとされている。
【0127】
ベース体69の左右両側面には、それぞれレール75、75が前後方向へ移動自在に支持されている。レール75、75はそれぞれベースシャーシ50に固定されたガイド61、61に前後方向へ移動自在に支持されている。レール75、75にはそれぞれ前後に離隔して図示しない第1の被規制部と第2の被規制部が設けられている。また、ベース体69とガイド61、61にはそれぞれ第1の被規制部と第2の被規制部に係合可能な図示しない規制部が設けられている。
【0128】
ベース体69の後端寄りの位置には上方へ突出された軸状の被ロック部69aが設けられている。
【0129】
前面パネル70の左端部には前後に貫通された治具挿通孔70aが形成されている。
【0130】
以下に、ディスク駆動装置5Aにおけるトレイ51の移動動作について説明する(図16乃至図23参照)。
【0131】
先ず、トレイ51が収納位置にある状態について説明する。
【0132】
トレイ51が収納位置にある状態においては、図16に示すように、ロックレバー55における係止用突部57の係止縁57bにトレイ7のベース体69に設けられた被ロック部69aが係合され、トレイ51が収納位置にロックされている。
【0133】
第1の補助ラック65は引込位置にあり、前端が収納位置にあるトレイ7における前面パネル70の後面に第1の付勢バネ67によって前方へ付勢された状態で接している。
【0134】
第2の補助ラック66は被支持孔66aの後側開口縁が第2の後側ストッパー突部64cに接し、前側の移動端に保持されている。このとき第2の補助ラック66は前端が第1の補助ラック65の後端に当接又は近接した状態とされ、押圧部66cがロックレバー55の被押圧部59に前方から当接又は近接した状態とされている。
【0135】
トレイ駆動機構72のピニオンギヤ74aは第2の補助ラック66のラック歯66bに噛合されている。
【0136】
上記のように、トレイ51が収納位置にある状態において、トレイ移動用モーター73が、例えば、使用者による図示しないイジェクト釦に対する操作により一方向へ回転される。このときピニオンギヤ74aは第2の補助ラック66のラック歯66bに噛合されているが、第2の補助ラック66が前側の移動端に保持されているため、ピニオンギヤ74aの回転に伴ってトレイ51は前方へ移動されず、第2の補助ラック66がピニオンギヤ74aの回転によって後方へ移動される(図17参照)。第2の補助ラック66が後方へ移動されることにより、押圧部66cによってロックレバー55の被押圧部59が後方へ押圧され、ロックレバー55がバネ部材60の付勢力に抗して回動され係止用突部57の係止縁57bとトレイ51に設けられた被ロック部69aとの係合が解除される。従って、ロックレバー55によるトレイ51に対するロックが解除される。
【0137】
後方へ移動された第2の補助ラック66は被支持孔66aの前側開口縁が主ラック62の第2の前側ストッパー突部64bに接し、後側の移動端で停止される。第2の補助ラック66が後側の移動端で停止された状態においては、第2の補助ラック66のラック歯66bの前端部と主ラック62のラック歯62aの後端部とが左右方向において重ねられた状態とされる。
【0138】
ピニオンギヤ74aは引き続きトレイ移動用モーター73の駆動力によって同じ方向へ回転される。このとき第2の補助ラック66が後側の移動端まで移動されると共にロックレバー55によるトレイ51に対するロックが解除されているため、ピニオンギヤ74aが第2の補助ラック66のラック歯66b上を前方へ転動されていき、トレイ51が収納位置から引出位置へ向けて前方へ移動されていく(図18参照)。
【0139】
このときトレイ51の左右両側面に支持されたレール75、75がそれぞれガイド61、61に案内される。トレイ51の前方への移動時には、レール75、75がそれぞれガイド61、61及びトレイ51に対してスライドされる。
【0140】
トレイ51の前方への移動により、ピニオンギヤ74aは第2の補助ラック66のラック歯66bから主ラック62のラック歯62aに連続して噛合され該ラック歯62a上を前方へ転動されていく(図19参照)。
【0141】
ピニオンギヤ74aとの噛合が解除された第2の補助ラック66は、第2の付勢バネ68の付勢力によって前方へ移動され、被支持孔66aの後側開口縁が第2の後側ストッパー突部64cに接して前側の移動端に保持される。
【0142】
ロックレバー55は第2の補助ラック66が前方へ移動されるため、バネ部材60の付勢力によって被押圧部59が略前方へ移動される方向へ回動され所定の位置に保持される。
【0143】
トレイ51が前方へ移動されると、前面パネル70の前方への移動により第1の補助ラック65が第1の付勢バネ67の付勢力によって前方へ移動され、被支持孔65a、65aの後側開口縁がそれぞれ第1のストッパー突部64a、64aに接して延長位置に保持される。第1の補助ラック65が延長位置に保持された状態においては、第1の補助ラック65のラック歯65bの後端部と主ラック62のラック歯62aの前端部とが左右方向において重ねられた状態とされる。
【0144】
前面パネル70は延長位置に保持された第1の補助ラック65よりも前方へ移動されていき、トレイ51は後端部を除く部分がベースシャーシ50から前方へ突出される。
【0145】
引き続きトレイ51は前方へ移動され、ピニオンギヤ74aは主ラック62のラック歯62aから延長位置に保持されている第1の補助ラック65のラック歯65bに連続して噛合され該ラック歯65b上を前方へ転動されていく(図20参照)。
【0146】
ピニオンギヤ74aが第1の補助ラック65のラック歯65b上を前方へ転動されていくことにより、トレイ51はさらに前方へ移動されて引出位置に至り、全体がベースシャーシ50から前方へ移動される(図21参照)。このときレール75、75は、第1の被規制部がベース体69の規制部に係合され、第2の被規制部がガイド61、61の規制部に係合され、トレイ51の前方への移動が規制されて停止され、トレイ51が引出位置に至る。トレイ51の前方への移動が停止されると、トレイ移動用モーター73の回転が停止される。
【0147】
トレイ51が引出位置まで移動された状態においては、使用者は、ディスク駆動ユニット71のディスクテーブル71dに対するディスク状記録媒体100の装着又はディスクテーブル71dからのディスク状記録媒体100の取外を行うことができる。
【0148】
トレイ51の引出位置から収納位置へ向けての移動は、上記とは逆の動作により以下のようにして行われる。
【0149】
トレイ51が引出位置にある状態(図21参照)において、トレイ移動用モーター73が、例えば、使用者による図示しないローディング釦に対する操作により上記とは逆方向へ回転されると、ピニオンギヤ74aが第1の補助ラック65のラック歯65bから主ラック62のラック歯62aを介して第2の補助ラック66のラック歯66b上を連続して後方へ転動されていき、トレイ51が引出位置から収納位置へ向けて後方へ移動されていく。
【0150】
このときトレイ51の左右両側面に支持されたレール75、75がそれぞれガイド61、61に案内される。トレイ51の後方への移動時には、レール75、75がそれぞれガイド61、61及びトレイ51に対してスライドされる。
【0151】
トレイ51の後方への移動時には、前面パネル70によって第1の補助ラック65が押圧され延長位置から引込位置へ向けて後方へ移動される。このとき第2の補助ラック66は前側の移動端に位置されており、前後方向へ移動されない。
【0152】
トレイ51の後方への移動に伴って被ロック部69aが後方へ移動され、該被ロック部69aがロックレバー55における係止用突部57の傾斜縁57aを相対的に右方へ摺動され、ロックレバー55がバネ部材60の付勢力に抗して回動される(図22参照)。
【0153】
後方へ移動されている被ロック部69aがロックレバー55の傾斜縁57aにおける右端に達すると、ロックレバー55がバネ部材60の付勢力によって回動され、係止縁57bが被ロック部69aに係合される。係止縁57bが被ロック部69aに係合されることにより、トレイ51が収納位置にロックされる。
【0154】
後方へ移動された第1の補助ラック65は前端がトレイ7における前面パネル70の後面に接した状態で引込位置に保持される。
【0155】
トレイ51が引込位置に至り後方への移動が停止されると、トレイ移動用モーター73の回転が停止される。このときピニオンギヤ74aは第2の補助ラック66におけるラック歯66bに噛合されている。
【0156】
ロックレバー55は被押圧部59が第2の補助ラック66の押圧部66cに当接又は近接した状態とされる。第2の補助ラック66は前端が第1の補助ラック65の後端に当接又は近接した状態とされる。
【0157】
次に、収納位置からトレイ51が前方へ移動されない場合に、トレイ51を強制的に前方へ移動させる所謂強制排出動作について説明する(図23参照)。トレイ51が前方へ移動されない場合は、例えば、電流供給回路の不良等によりトレイ移動用モーター73への電流の供給が行われなくなった場合やトレイ移動用モーター73が故障した場合等である。
【0158】
使用者は、例えば、径の細いピン等のトレイ移動用治具200を前面パネル70の治具挿通孔70aに前側から挿入する。トレイ移動用治具200を治具挿通孔70aに挿入すると、トレイ移動用治具200によって第1の補助ラック65の前端が後方へ押圧され、該第1の補助ラック65が後方へ移動される。
【0159】
第1の補助ラック65が後方へ移動されると、該第1の補助ラック65によって第2の補助ラック66が押圧されて後方へ移動され、押圧部66cによってロックレバー55の被押圧部59が後方へ押圧される。押圧部66cによって被押圧部59が後方へ押圧されると、ロックレバー55がバネ部材60の付勢力に抗して回動され係止用突部57の係止縁57bとトレイ51に設けられた被ロック部69aとの係合が解除される。従って、ロックレバー55によるトレイ51に対するロックが解除される。
【0160】
ロックレバー55によるトレイ51に対するロックが解除された状態において、使用者がトレイ移動用治具200を治具挿通孔70aから引き抜く。トレイ移動用治具200を治具挿通孔70aから引き抜くと、第2の補助ラック66及び第1の補助ラック65がそれぞれ第2の付勢バネ68と第1の付勢バネ67の付勢力によって前方へ移動される。このとき第1の補助ラック65の前端によって前面パネル70が前方へ押圧され、トレイ51が前方へ移動される。
【0161】
ロックが解除されて前方へ移動されたトレイ51を把持して引き出すことにより、トレイ51を引出位置まで移動させることができる。
【0162】
以上に記載した通り、ディスク駆動装置5Aにあっては、主ラック62に延長されピニオンギヤ74aの噛合が可能な延長位置と主ラック62に対して引き込まれピニオンギヤ74aの噛合が行われない引込位置との間で移動される延長ラックとして機能する第1の補助ラック65を設けている。
【0163】
このように第1の補助ラック65が延長位置と引込位置との間で移動され必要なときにのみ延長位置まで移動されるため、ディスク駆動装置5Aの奥行き寸法が大きくならない。また、ピニオンギヤ74aが第1の補助ラック65のラック歯65bと噛合される分、トレイ51の引出方向への移動量を大きくすることができる。
【0164】
従って、ディスク駆動装置5Aにあっては、小型化を確保した上でトレイ51の引出ストロークを増加させることができる。
【0165】
また、第1の補助ラック65を引出方向へ付勢する第1の付勢バネ67を設け、トレイ51が収納位置から引出位置へ向けて移動されたときに第1の補助ラック65が第1の付勢バネ67の付勢力によって引込位置から延長位置に移動されるため、トレイ51の移動に伴い確実に第1の補助ラック65が移動され、トレイ51の引出動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0166】
さらに、ディスク駆動装置5Aにあっては、主ラック62、第1の補助ラック65及び第2の補助ラック66をそれぞれ略板状に形成し、主ラック62上に第1の補助ラック65及び第2の補助ラック66が厚み方向において重ねられた状態で移動自在に支持されるようにしているため、薄型化を図ることができる。
【0167】
ディスク駆動装置5Aにあっては、トレイ51を収納位置にロックするロック部として機能するロックレバー55と、トレイ移動用モーター73の駆動力によるトレイ51の収納方向へ向けての移動に伴って移動されロックレバー55に係合される被ロック部69aとが設けられている。
【0168】
従って、トレイ移動用モーター73の駆動力によるトレイ51の収納方向へ向けての移動に伴ってトレイ51が収納位置にロックされるため、トレイ51の移動とロックを行うために各別のモーターを設ける必要がなく、ロックに関する機構の簡素化及び動作時間の短縮化を図ることができる。
【0169】
また、係止用突部57を有しベースシャーシ50に回動自在に支持されたロック部として機能するロックレバー55と、該ロックレバー55を回動方向における一方の方向へ付勢するバネ部材60とを設け、被ロック部69aの傾斜縁57aとの摺接により係止縁57bが被ロック部69aに係合してトレイ51がロックされるようにしている。
【0170】
従って、ロック機構の構造及び動作の簡素化を図ることができる。
【0171】
さらに、ディスク駆動装置5Aにあっては、ロックレバー55の被押圧部59を押圧する押圧部66cを有する第2の補助ラック66を設け、トレイ移動用モーター73の駆動力によって第2の補助ラック66を後方へ移動させて押圧部66cによって被押圧部59が押圧されてロックレバー55によるトレイ51のロックが解除されるようにしている。
【0172】
従って、トレイ移動用モーター73の駆動力によるトレイ51の移動に加えて該トレイ51に対するロックの解除が行われるため、トレイ51の移動と該トレイ51に対するロックの解除を行うために各別のモーターを必要とせず、部品点数の削減及び機構の簡素化を図ることができる。
【0173】
さらにまた、ディスク駆動装置5Aにあっては、主ラック62にロックレバー55によるトレイ51に対するロックを解除するための第2の補助ラック66を移動自在に支持し、ロックの解除時にトレイ51に引出方向への押圧力を付与する第1の補助ラック65を設けている。従って、トレイ移動用治具200によって第1の補助ラック65を押圧するだけでトレイ51の強制排出を行うことができ、簡単な操作によりトレイ51を強制的に引出方向へ移動させることができる。
【0174】
加えて、延長ラックとして機能する第1の補助ラック65をトレイ51の強制排出を行うための部材としても用いているため、部品点数の削減を図ることができる。
【0175】
尚、上記には、トレイ7、51にそれぞれディスク駆動ユニット18、71が移動自在に支持されている例を示したが、例えば、ディスク駆動ユニット18、71がベースシャーシ6、50にそれぞれ移動自在に支持されていてもよい。
【0176】
この場合には、トレイ7、51とディスク駆動ユニット18、71がともに引き出されず、トレイ7、51のみが引き出される。
【0177】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】図2乃至図23と共に本発明を実施するための最良の形態を示すものであり、本図は電子機器の斜視図である。
【図2】トレイが引き出された状態を示す電子機器の斜視図である。
【図3】図4乃至図12と共にともに本発明の第1の最良の形態を示すものであり、本図は、ディスク駆動装置の分解斜視図である。
【図4】ディスク駆動装置を示す斜視図である。
【図5】ガイドと被ロックバネと回動レバーをベースシャーシを省略した状態で示す拡大斜視図である。
【図6】主ラックの一部と延長ラックを示す拡大斜視図である。
【図7】延長ラックが引込位置に保持されている状態を示す拡大斜視図である。
【図8】図9乃至図12と共にディスク駆動装置の動作を示すものであり、本図は、トレイが収納位置にある状態を示す概略平面図である。
【図9】トレイが引出位置へ向けて移動されている途中の状態を示す概略平面図である。
【図10】トレイの移動時にピニオンギヤが延長ラックのラック歯に噛合されている状態を示す拡大斜視図である。
【図11】トレイが引出位置まで移動された状態を示す概略平面図である。
【図12】回動レバーが回動されトレイの強制排出が行われている状態を示す拡大底面図である。
【図13】図14乃至図23と共にともに本発明の第2の最良の形態を示すものであり、本図は、ディスク駆動装置の分解斜視図である。
【図14】ディスク駆動装置を示す斜視図である。
【図15】ラック体を示す拡大分解斜視図である。
【図16】図17乃至図23と共にディスク駆動装置の動作を示すものであり、本図は、トレイが収納位置にある状態を示す概略平面図である。
【図17】第2の補助ラックが後方へ移動されロックが解除された状態を示す概略平面図である。
【図18】トレイが引出位置へ向けて移動された直後の状態を示す概略平面図である。
【図19】トレイが引出位置へ向けて移動されている途中の状態を示す概略平面図である。
【図20】トレイの移動時にピニオンギヤが第1の補助ラックのラック歯に噛合されている状態を示す概略平面図である。
【図21】トレイが引出位置まで移動された状態を示す概略平面図である。
【図22】トレイが引出位置から収納位置へ向けて移動されたときに、ロックレバーが回動されてトレイに対するロックが行われる状態を示す概略平面図である。
【図23】第1の補助ラック及び第2の補助ラックが移動されトレイの強制排出が行われている状態を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0179】
1…電子機器、2…機器本体、5…ディスク駆動装置、6…ベースシャーシ、7…トレイ、11…ガイド、14…主ラック、14b…ストッパー部、15…延長ラック、18…ディスク駆動ユニット、18a…ピックアップベース、18b…光ピックアップ、18c…スピンドルモーター、18d…ディスクテーブル、20…トレイ移動用モーター、21a…ピニオンギヤ、22…レール、5A…ディスク駆動装置、50…ベースシャーシ、51…トレイ、61…ガイド、62…主ラック、66…第2の補助ラック(延長ラック)、71…ディスク駆動ユニット、71a…ピックアップベース、71b…光ピックアップ、71c…スピンドルモーター、71d…ディスクテーブル、73…トレイ移動用モーター、74a…ピニオンギヤ、75…レール、100…ディスク状記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有するディスク駆動ユニットと、
所定の位置に固定されたベースシャーシと、
前記ベースシャーシに対して引き出される引出方向及び該引出方向の反対方向である収納方向へ移動可能とされ引出位置から収納位置までの間で移動されるトレイと、
前記ベースシャーシに取り付けられたガイドと、
前記トレイに設けられ該トレイの前記引出方向及び前記収納方向への移動時に前記ガイドに案内されるレールと、
前記トレイに配置されたトレイ移動用モーターと、
前記トレイ移動用モーターの駆動力によって回転されるピニオンギヤと、
前記ベースシャーシに固定され前記ピニオンギヤが噛合される主ラックと、
前記主ラックに移動自在に支持されると共に前記主ラックに延長され前記ピニオンギヤの噛合が可能な延長位置と前記主ラックに対して引き込まれ前記ピニオンギヤの噛合が行われない引込位置との間で移動する延長ラックとを備えた
ディスク駆動装置。
【請求項2】
前記延長ラックが前記主ラックの前記引出方向側の端部に回動自在に支持され、
前記ピニオンギヤの主ラックとの噛合が解除されたときに、前記トレイの引出方向への移動に伴って移動される前記ピニオンギヤによって前記延長ラックが前記引込位置から前記延長位置に回動されるようにした
請求項1に記載のディスク駆動装置。
【請求項3】
前記主ラックに前記延長ラックを前記延長位置に保持するストッパー部を設けた
請求項2に記載のディスク駆動装置。
【請求項4】
前記延長ラックを前記引出方向へ付勢する付勢バネを設け、
前記延長ラックが前記付勢バネによって付勢された状態で前記主ラックに前記トレイの移動方向と同じ方向へ移動自在に支持され、
前記トレイが前記収納位置から前記引出位置へ向けて移動されたときに前記延長ラックが前記付勢バネの付勢力によって前記引込位置から前記延長位置に移動されるようにした
請求項1に記載のディスク駆動装置。
【請求項5】
前記主ラックと前記延長ラックをそれぞれ略板状に形成し、
前記延長ラックと前記主ラックが厚み方向において重ねられるようにした
請求項4に記載のディスク駆動装置。
【請求項6】
ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行うディスク駆動装置と、
前記ディスク駆動装置が配置された機器本体とを備え、
前記ディスク駆動装置は、
ディスク状記録媒体が装着されるディスクテーブルと該ディスクテーブルを回転させるスピンドルモーターと前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動される光ピックアップと該光ピックアップを前記ディスク状記録媒体の半径方向へ移動自在に支持するピックアップベースとを有するディスク駆動ユニットと、
所定の位置に固定されたベースシャーシと、
前記ベースシャーシに対して引き出される引出方向及び該引出方向の反対方向である収納方向へ移動可能とされ引出位置から収納位置までの間で移動されるト レイと、
前記ベースシャーシに取り付けられたガイドと、
前記トレイに設けられ該トレイの前記引出方向及び前記収納方向への移動時に前記ガイドに案内されるレールと、
前記トレイに配置されたトレイ移動用モーターと、
前記トレイ移動用モーターの駆動力によって回転されるピニオンギヤと、
前記ベースシャーシに固定され前記ピニオンギヤが噛合される主ラックと、
前記主ラックに移動自在に支持されると共に前記主ラックに延長され前記ピニオンギヤの噛合が可能な延長位置と前記主ラックに対して引き込まれ前記ピニオンギヤの噛合が行われない引込位置との間で移動する延長ラックとを備えた
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−20868(P2010−20868A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182899(P2008−182899)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】