説明

ディスプレイユニット通信システム、通信方法、ディスプレイユニット、通信回路およびターミナルアダプタ

【課題】高精細かつ複雑なLEDユニットの組合せや自由度の高い設計を可能とする。
【解決手段】所定の通信データを第1通信部21a1又は第2通信部21a2のいずれか一方が受信したとき、通信制御部222は、所定の通信データを受信した通信部21a1、21a2が、受信した通信データを受信処理部221に入力すると共に他方の通信部21a2、21a1の送信部に入力し、他方の通信部21a2、21a1が受信した通信データを、受信処理部221に入力することなく、所定の通信データを受信した通信部21a1、21a2の送信部21a1t、21a2tに入力するよう制御可能であって、ターミナルアダプタ2は、識別情報に含まれるターミナルアダプタIDが自身に付されたターミナルアダプタIDと一致するディスプレイデータパケットを受信し、下位の通信ラインを介してディスプレイユニットに転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この本発明は、画像データ等の点灯情報を複数の発光ユニットであるディスプレイユニットに供給するコントロールユニットと、コントロールユニットから供給された点灯情報に基づいて表示要素を駆動するディスプレイユニットとを有する発光装置およびその通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高輝度に発光可能な高性能の赤色、緑色や青色のLED(以下、発光ダイオードとも言う。)が開発され、フルカラーのLED表示が可能となった。大型表示装置の中でも高輝度、長寿命かつ軽量などLEDの特長を生かしたLED表示装置が急速に普及している。また、その用途も多様化しつつあり、大型テレビ、広告、交通情報、立体表示器、照明用等あらゆるアプリケーションに柔軟に対応できるシステムが求められている。
【0003】
このようなLEDが用いられるディスプレイとしては、ビルボード用などとして屋外用の大型ディスプレイから、プラットホームなど半屋内の中、小画面サイズのものまで、用途や場所に応じてLEDディスプレイの画面サイズや画素ピッチが多様なディスプレイが使用されるようになってきた。また、従来の縦、横の画面比率(アスペクト比)も変化していく傾向にあり、HDTVに代表されるようなハイビジョン映像をLED表示する場合、映像データ量の増大、表示パネルのさらなる大画面化にも対応していかねばならない。また、看板広告や商品等を選択的に照らす照明用の場合も、同様に様々なユニットを組み合わせていかなければならない(本発明のディスプレイユニットはこれらの各種アプリケーションのものを含む)。高度情報ネットワーク下においては、ディスプレイもそうした通信インフラと接続され、遠隔操作で表示制御、メンテナンス等に対応できることが求められる。
【0004】
このようなディスプレイの一つとして、例えば16ドット×16ドット程度のLEDをマトリクス状に配列させて、これを一つのLEDユニットとしてモジュール化し、画面サイズや縦・横のアスペクト比などに応じて、LEDユニットをマトリクス状につなぎ合わせて構成したものがある。図17に構成例として、LEDディスプレイ801を示す。コントローラ803に接続された複数の分配器804は、LEDユニット802の各行毎に配設され、表示用の映像データおよび各種制御信号を各LEDユニット802に対し供給する。
【0005】
制御信号820は、例えば映像データの同期クロック、水平同期信号、垂直同期信号、ブランク信号、階調基準信号、および映像データのラッチ信号等があり、コントローラ803内で信号の生成を行い、分配器804を介して各LEDユニット802に供給する。分配器804から各LEDユニット802へ送信する表示用のフルカラー映像データ810は、少なくともRGB(赤色、緑色、青色)の各色の映像データを必要とし、階調分解能に応じて映像データのビット幅が決まる。
【0006】
例えば1色当たり256階調で表示する場合には、8ビット幅の映像データバスが3色分必要となる。これら映像データはLEDユニットの数×表示ドットの数を時分割して、LEDユニット802に供給される。各LEDユニット802内のシフトレジスタ回路805で映像データ810をビットシフトしていき、ある所定のデータ数を供給した時点でデータをラッチし、表示用の映像データ810として取り込み、映像データを表示することができる。
【0007】
しかしながら、このようなLED表示装置では、コントローラ803、分配器804とLEDユニット802間の表示用映像データ810を信号インタフェースとしてパラレルバスで伝送し、それに同期した同期クロックと各種制御信号820を供給している。そのため、LED表示装置が高精細化あるいは大型化するに従って、信号線数が増大するという問題があった。特に、表示画面が大型化しLEDユニット数が増大する傾向にある現在においては、信号線が増大し長くなると階調基準信号、映像データの同期クロックのパルス幅劣化、ノイズへの影響が大きな問題となる。
【0008】
また、HDTV仕様に対応するために、画面のアスペクト比が変わり、接続するLEDユニット数をさらに増やす必要性が発生し、映像データの転送速度をそれに応じてあげてやらなければならない。LEDユニットの接続数が多くなると、各信号のパルス劣化が増大し、特に映像データと同期クロックとの入出力タイミングがさらに難しくなるという問題もある。
【0009】
さらにLED表示装置の映像表示における画質の要求レベルも年々高くなってきており、LEDの小型化とも相まって、精細表示可能なLEDディスプレイの技術開発が急務となってきている。映像の精細表示化を実現しようとするためには、階調分解能を上げる必要がある。具体的には、従来の表示用映像データバス幅を8ビットから10ビットにするなどのバス仕様を変更する必要がある。また、精細表示を実現する為には、LEDを小型化しドットピッチ幅を小さくする必要もある。ドットピッチを小さくすると、LEDユニットサイズがそれに比例して小さくなる。そのため映像データバス幅増大により、コネクタ等の部品実装面積の比率が大きくなるという問題がある。
【0010】
さらにまた、従来のLED表示装置は、例えば表示階調や、1つのLED表示装置当たりの画素数が異なる複数のLED表示装置に対して、共通の通信方法によって通信を行うことができなかった。
【0011】
このような問題を解決する手段として、我々は日本特許公開公報(特開平11−126047号)において、LEDユニットに各LEDユニットごとの識別情報が付加されたATM(非同期転送方式)パケットの形式にフォーマットされたデータを転送し駆動するLED表示装置を提言している。同様に、日本特許公開公報(特開2000−221934号)にてLEDユニット間の設置の簡略化のために、LEDユニットを接続後、各LEDユニット自体の識別情報を付加するオートID付与手段を有するLED表示装置も提言している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平11−126047号公報
【特許文献2】特開2000−221934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、より高精細かつより複雑なLEDユニットの組合せや自由度の高い設計を考慮すると充分ではなく更なる改良が求められている。
【0014】
本発明は、アプリケーションに柔軟に対応できる発光装置、通信方法およびそれに用いるディスプレイユニット、通信回路、ターミナルアダプタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の発光装置は、識別情報によって通信先が指定されたディスプレイデータパケットを複数のディスプレイユニットに供給するコントロールユニットと、ターミナルアダプタIDが付され、上位の通信ラインによって前記コントロールユニットと電気的に接続された少なくとも1つのターミナルアダプタと、1以上の表示要素を配置しており、ディスプレイユニットIDが付され、下位の通信ラインによって前記ターミナルアダプタに電気的に直列接続されており、前記コントロールユニットから供給された前記ディスプレイデータパケットに基づいて、配置された各表示要素を駆動するディスプレイユニットとを有する。さらに、前記ディスプレイデータパケットが前記識別情報として、前記ターミナルアダプタIDと、前記ディスプレイユニットIDとを少なくとも含んでおり、前記ターミナルアダプタは、第1送信部と第1受信部を有する第1通信部と、第2送信部と第2受信部を有する第2通信部と、前記第1通信部および前記第2通信部における通信を制御する通信制御部と、受信した通信データに基づいて受信処理を行う受信処理部とを有する。前記第1受信部および前記第2受信部は所定の通信データを識別し、前記所定の通信データを前記第1通信部または前記第2通信部のいずれか一方が受信したとき、前記通信制御部は、前記所定の通信データを受信した通信部が、受信した通信データを前記受信処理部に入力するとともに他方の通信部の送信部に入力し、前記他方の通信部が受信した通信データを、前記受信処理部に入力することなく、前記所定の通信データを受信した通信部の送信部に入力するよう制御可能であって、かつ前記ターミナルアダプタは、識別情報に含まれるターミナルアダプタIDが自身に付されたターミナルアダプタIDと一致するディスプレイデータパケットを受信し、前記下位の通信ラインを介して前記ディスプレイユニットに転送し、前記ディスプレイユニットは、前記識別情報に含まれるディスプレイユニットIDが自身に付されたディスプレイユニットIDと一致するディスプレイデータパケットを受信し、前記ディスプレイデータパケットに基づいて前記表示要素を駆動することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の発光装置は、前記コントロールユニットが、フレーム周期の開始を示すフレーム周期開始パケットを、全てのディスプレイユニットが受信する旨を示す識別情報を付して送信し、前記ディスプレイユニットは、前記フレーム周期開始パケットに基づいてフレーム同期を行うことを特徴とする。これによって、直列に接続されたディスプレイユニット間においてもフレーム同期を行うことができる。
【0017】
さらに、本発明のディスプレイユニット通信システムは、前記ディスプレイユニットがさらに少なくともディスプレイデータを記憶するメモリを有し、前記メモリ内のメモリ空間は、ディスプレイユニット内部の回路構成に応じてデータ領域があらかじめ割り付けられており、前記コントロールユニットは、ディスプレイデータパケットを送信し、ディスプレイユニットのあらかじめ割り付けられた所定のメモリ領域にアクセスすることによってディスプレイユニットに対する制御を行うことを特徴とする。これによって、ディスプレイデータパケットを用いてディスプレイユニットの各種制御を行うことができる。
【0018】
さらにまた、本発明の発光装置は、ディスプレイデータパケットを複数のディスプレイユニットに供給するコントロールユニットと、ターミナルアダプタIDが付され、上位の通信ラインによって前記コントロールユニットと電気的に接続されたターミナルアダプタ側通信部を有する少なくとも1つのターミナルアダプタと、ディスプレイユニットIDが付され、下位の通信ラインによって前記ターミナルアダプタに電気的に接続されたディスプレイユニット側通信部を有し、前記コントロールユニットから供給されたディスプレイデータパケットに基づいて、配置された1以上の表示要素を駆動するディスプレイユニットとを有する。さらに、前記ターミナルアダプタおよび/または前記ディスプレイユニットはn行(nは2以上の整数)に配置され、各行においてそれぞれの通信部は直列に接続されており、前記ターミナルアダプタおよび/または前記ディスプレイユニットの通信部は、m行目(1≦m≦n−1の整数)において、端部に接続された前記ターミナルアダプタおよび/または前記ディスプレイユニットの通信部から、m+1行目における前記m行目の前記ターミナルアダプタおよび/または前記ディスプレイユニットと同じ側の端部に配置された前記ターミナルアダプタおよび/または前記ディスプレイユニットの通信部に接続され、前記ターミナルアダプタは、第1送信部と第1受信部を有する第1通信部と、第2送信部と第2受信部を有する第2通信部と、前記第1通信部および前記第2通信部における通信を制御する通信制御部と、受信した通信データに基づいて受信処理を行う受信処理部とを有し、前記第1受信部および前記第2受信部は所定の通信データを識別し、前記所定の通信データを前記第1通信部または前記第2通信部のいずれか一方が受信したとき、前記通信制御部は、前記所定の通信データを受信した通信部が受信した通信データを前記受信処理部に入力するとともに他方の通信部の送信部に入力し、前記他方の通信部が受信した通信データを、前記受信処理部に入力することなく、前記所定の通信データを受信した通信部の送信部に入力するよう制御可能とする。
【0019】
さらにまた、本発明の発光装置は、上位の通信ラインにおける通信は、下位の通信ラインにおける通信よりも高速の通信が用いられることを特徴とする。これによって、各ディスプレイユニットに対して、低コストで高速な通信を行うことができる。
【0020】
さらにまた、本発明の通信方法は、ディスプレイデータパケットを複数のディスプレイユニットに供給するコントロールユニットと、ターミナルアダプタIDが付され、上位の通信ラインによって前記コントロールユニットと接続された少なくとも1つのターミナルアダプタと、前記コントロールユニットから供給された前記ディスプレイデータパケットに基づいて、配置された1画素以上の表示要素を駆動し画像の表示を行う表示部と、前記表示要素の配置、1画素を構成する各色の表示階調に応じたメモリ空間を有するメモリとを有し、ディスプレイユニットIDが付され、下位の通信ラインによって前記ターミナルアダプタに電気的に直列接続されたディスプレイユニットから構成される発光装置におけるディスプレイデータパケットを用いた通信方法である。この通信方法では、前記ディスプレイデータパケットが、少なくとも、ターミナルアダプタIDおよびディスプレイユニットIDを保持する識別情報領域と、前記ディスプレイユニットの入力すべきメモリ空間を指定するメモリ空間指定領域と、供給すべきディスプレイユニットにおける表示要素の配置、1画素を構成する各色の表示階調に応じたディスプレイデータからなるディスプレイデータ領域とを有しており、前記ターミナルアダプタは、第1送信部と第1受信部を有する第1通信部と、第2送信部と第2受信部を有する第2通信部と、前記第1通信部および前記第2通信部における通信を制御する通信制御部と、受信した通信データに基づいて受信処理を行う受信処理部とを有し、前記第1受信部および前記第2受信部は所定の通信データを識別し、前記所定の通信データを前記第1通信部または前記第2通信部のいずれか一方が受信したとき、前記通信制御部は、前記所定の通信データを受信した通信部が受信した通信データを前記受信処理部に入力するとともに他方の通信部の送信部に入力し、
前記他方の通信部が受信した通信データを、前記受信処理部に入力することなく、前記所定の通信データを受信した通信部の送信部に入力するよう制御可能とする。
【0021】
また、上記目的を達成するために、本発明のディスプレイユニットは、少なくとも1つの表示要素から構成された画素がマトリクス状に複数配置された表示部と、パケット通信を行う通信部と、少なくとも1フレーム分のディスプレイデータを記憶するメモリと、前記表示部の各表示要素を駆動する駆動部とを有する。さらにディスプレイユニットは、前記通信部が受信したフレーム周期の開始を示すフレーム周期開始パケットに基づいて各ラインの駆動周期の開始を示すブランク信号を生成する制御部を有し、前記駆動部は前記ブランク信号に基づいて前記メモリに記憶されたディスプレイデータを水平駆動周期毎に読み出して各表示要素を駆動し、前記表示部に画像を表示させることを可能としており、前記通信部は、第1送信部と第1受信部を有する第1通信部と、第2送信部と第2受信部を有する第2通信部と、前記第1通信部および前記第2通信部における通信を制御する通信制御部と、受信した通信データに基づいて受信処理を行う受信処理部とを有し、前記第1受信部および前記第2受信部は所定の通信データを識別し、前記所定の通信データを前記第1通信部または前記第2通信部のいずれか一方が受信したとき、前記通信制御部は、前記所定の通信データを受信した通信部が受信した通信データを前記受信処理部に入力するとともに他方の通信部の送信部に入力し、前記他方の通信部が受信した通信データを、前記受信処理部に入力することなく、前記所定の通信データを受信した通信部の送信部に入力することを特徴とする。
【0022】
また、本発明のディスプレイユニットは、前記メモリが、前記フレーム周期開始パケットの受信後、前記ブランク信号を生成するまでの時間を示すシフトタイミングデータをさらに記憶し、前記制御部は、前記フレーム周期開始パケットの受信後、前記シフトタイミングデータに基づいて前記ブランク信号を生成することを特徴とする。これによって、表示要素駆動開始時における大きな駆動開始電流を、各ライン毎に分散させることができる。
【0023】
さらに、本発明のディスプレイユニットは、前記メモリが、1フレーム毎にディスプレイデータを記憶する画像データメモリ領域を2以上有し、前記表示部が1の画像データメモリ領域に記憶されたディスプレイデータに基づいて画像を表示している間に、他の画像データメモリ領域に前記通信部が受信したディスプレイデータを記憶することを特徴とする。これによって、ディスプレイデータの受信時間を十分にとることができる。
【0024】
また、本発明の通信回路は、第1の送信部と第1の受信部を有する第1の通信部と、第2の送信部と第2の受信部を有する第2の通信部と、前記第1の通信部および前記第2の通信部における通信を制御する通信制御部と、受信した画像データを含む通信データに基づいて受信処理を行う受信処理部とを有する。さらに、前記第1の受信部および前記第2の受信部は所定の通信データを識別し、前記所定の通信データを前記第1の通信部または前記第2の通信部のいずれか一方が受信したとき、前記通信制御部は、前記所定の通信データを受信した通信部が受信した通信データを前記受信処理部に入力するとともに他方の通信部の送信部に入力し、前記他方の通信部が受信した通信データを、前記受信処理部に入力することなく、前記所定の通信データを受信した通信部の送信部に入力するよう制御することを特徴とする。
【0025】
さらに、この通信回路は、通信データの送信処理を行う応答処理部と、前記第2の受信部または応答処理部のいずれか一方を前記第1の送信部に接続する第1のセレクタと、前記第1の受信部または応答処理部のいずれか一方を前記第2の送信部に接続する第2のセレクタと、前記第1の受信部または第2の受信部のいずれか一方を前記受信処理部に接続する第3のセレクタとを有している。前記通信制御部は、前記所定の通信データを前記第1の通信部または前記第2の通信部のいずれか一方から受信した旨の信号に基づき、前記第1のセレクタと前記第2のセレクタを制御することによって、前記所定の通信データを受信した通信部が受信した通信データを前記受信処理部に入力するとともに他方の通信部の送信部に入力するように制御し、かつ前記第3のセレクタを制御することによって、前記他方の通信部が受信した通信データを前記受信処理部に入力することなく前記所定の通信データを受信した通信部の送信部に入力するよう制御することを特徴とする。これによって、簡単な回路構成で双方向通信回路を実現できる。
【0026】
さらにまた、本発明の通信回路は、前記第1の受信部および第2の受信部は、入力されたシリアル通信データをパラレルデータに変換して受信し、前記第1の送信部および第2の送信部は、入力されたパラレル通信データをシリアル通信データに変換して送信することを特徴とする。これによって、受信した通信データの素子による遅延等に起因する信号の乱れを補正できる。また、受信処理部における処理を高速化することができる。
【0027】
また、本発明のディスプレイユニットは、上記通信回路を有しており、少なくとも1つの表示要素から構成された表示部と、前記通信回路によって受信したディスプレイデータに基づいて、少なくとも1フレーム分のディスプレイデータを記憶するメモリと、前記表示部の各表示要素を駆動する駆動部とをさらに有することを特徴とする。
【0028】
また、本発明のターミナルアダプタは、前記通信回路は直列に接続された他のターミナルアダプタと通信可能であり、前記ターミナルアダプタは、さらに、前記通信回路によって受信した通信データを記憶するメモリと、前記メモリに記憶した通信データを他の端末に対して送信する通信部を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明におけるディスプレイユニット通信システムの概略図である。
【図2】図2は、本発明におけるディスプレイユニット通信システムの概略図である。
【図3】図3は、本発明におけるコントロールユニットの概略を示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明におけるターミナルアダプタの概略を示すブロック図である。
【図5】図5は、本発明におけるターミナルアダプタの概略を示すブロック図である。
【図6】図6は、本発明におけるターミナルアダプタの通信部の概略を示すブロック図である。
【図7】図7は、本発明におけるディスプレイユニットの概略を示すブロック図である。
【図8】図8は、本発明におけるディスプレイユニットの通信部の概略を示すブロック図である。
【図9】図9は、本発明におけるディスプレイユニット通信システムにおけるディスプレイユニット制御アドレス空間である。
【図10】図10は、本発明におけるコマンドデータパケットのデータ構成を示す概略図である。
【図11】図11は、本発明における応答データパケットのデータ構成を示す概略図である。
【図12】図12は、本発明におけるディスプレイを表示形式の異なるディスプレイ領域に分割したディスプレイユニット通信システムの概略図である。
【図13】図13は、球面状の立体ディスプレイに本発明のディスプレイユニット通信システムを適用した場合の概略図である。
【図14】図14は、本発明におけるLEDディスプレイユニットの概略を示すブロック図である。
【図15】図15は、本発明におけるLEDディスプレイユニットのメモリのメモリ空間内のメモリ領域を示す概略図である。
【図16】図16は、本発明のLEDディスプレイユニットシステムにおける画像表示制御を示すタイミングチャートである。
【図17】図17は、従来のディスプレイユニット通信システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明をより詳細に説明するために、添付の図面に従って以下各構成について詳述する。
(ディスプレイユニット通信システムの概略)
【0031】
図1および図2に本発明の発光装置の概略図を示す。以下の実施例では、発光装置として動画や静止画などの画像データを表示するディスプレイユニットの通信システムについて説明する。10は表示すべき画像などのディスプレイデータに基づいて表示を行うディスプレイである。ディスプレイ10は表示部を構成し、複数のディスプレイブロック10bに分割されている。さらに、各ディスプレイブロック10bには複数のディスプレイユニット3が配置される。コントロールユニット(CU)1は、表示すべき映像ソースなどのディスプレイデータを供給するビデオプロセッサー11、および制御データによってディスプレイ10の制御等を行うコンピュータ(PC)12にそれぞれ接続されており、第1の通信ラインL1を介してディスプレイブロック10bに対応するターミナルアダプタ(TA)2と通信を行う。さらに、各ターミナルアダプタ2は、第2の通信ラインL2を介してディスプレイブロック10bに含まれるディスプレイユニット3などと通信を行う。また、コンピュータ12はネットワークに接続される。
【0032】
ここでは第1の通信ラインL1を上位の通信ラインとし、第2の通信ラインL2を下位の通信ラインとした2階層から構成される接続としたが、通信ラインの階層は3以上の複数階層から構成してもよい。この場合、階層に応じたターミナルアダプタが配置され、データの歪みをなくしつつ、よりきめ細やかな表示をすることができる。同様に、照明として利用する場合には、複数の照明光源として様々な場所に個別に設置させることもできる。
(ターミナルアダプタ間の接続概略)
【0033】
ディスプレイブロック10bには、そのディスプレイブロックに対応するディスプレイデータを識別し、各ディスプレイユニット3に必要なディスプレイデータを送信するターミナルアダプタ2が配置される。一方コントロールユニット1には、各ターミナルアダプタ2が第1の通信ラインL1によって電気的に直列接続される。なお、コントロールユニットとターミナルアダプタ間は有線の接続だけでなく、無線で行うこともできる。この場合、ターミナルアダプタに接続されたディスプレイユニットの設置自由度が上がることになる。
【0034】
ターミナルアダプタ2が行ごとに配置されている場合には、図1に示す通り、コントロールユニット1から見て、あるm行目(mは1以上の整数)の最初に第1の通信ラインL1が接続されたターミナルアダプタ2から、順次隣接するターミナルアダプタ2へと第1の通信ラインL1が直列に接続され、次にそのm行目の最後に第1の通信ラインL1が接続されたターミナルアダプタ2から、m行目の最初に第1の通信ラインL1が接続されたターミナルアダプタ2とは反対側に位置するm+1行目におけるターミナルアダプタ2に、第1の通信ラインL1を接続する。そしてm行目の最初で第1の通信ラインL1が接続されたターミナルアダプタの位置する側に向かうよう、ターミナルアダプタ2は第1の通信ラインL1が順次隣接するターミナルアダプタ2へと第1の通信ラインL1が電気的に直列接続される構成とすることが好ましい。
【0035】
このように構成することによって、接続すべきディスプレイブロック10bの属する行の切り換えに際し、第1の通信ラインL1を短くすることができる。大型ディスプレイにおいては、通信ラインが特に長くなるため、通信データのパルス劣化やノイズの影響が特に大きく、通信ライン長の低減は重要である。また、通信ラインのコスト削減にも効果が高い。
【0036】
もちろん、図2に示すように、各行における最初に接続するターミナルアダプタを一端に揃えた接続形態とすることも可能である。なお、本明細書において「電気的に接続する」とは、リード線、通信線などの有線による物理的な接続に限定されず、無線によりデータ通信可能とした状態の接続形態も含む。
【0037】
また、各ターミナルアダプタに付されるTAID(ターミナルID)は、コントロールユニット1から全ターミナルアダプタが共通に受信するTAIDを含んでいる。TAIDの設定は、各ターミナルアダプタが自身のTAIDを設定すべき旨を示すコマンドデータである自動ID設定コマンドデータを送信することによって行うことができる。自動ID設定コマンドデータを受信したターミナルアダプタ2は、受信した自動ID設定コマンドデータの制御データ領域のデータに所定の演算を行い、所定の演算を行った結果のデータを自身のTAIDと設定して記憶し、その所定の演算を行った結果のデータを制御データとして次のターミナルアダプタに自動ID設定コマンドデータを送信する。例えば、コントロールユニット1は、自動ID設定コマンドデータの制御データ領域を0として送信し、所定の演算を1加算するとしてもよいし、また制御データ領域のデータを設定可能な最大値として所定の演算を1ずつ減算することも可能である。このように、第1の通信ラインL1に接続された順に、コントロールユニットからの制御によってTAIDの初期設定を行うことができる。
(ディスプレイユニット間の接続概略)
【0038】
さらに、ディスプレイブロック10b内における各ディスプレイユニット3の接続についても同様に、各ディスプレイユニット3は第2の通信ラインL2によってターミナルアダプタ2と電気的に直列に接続される。コントロールユニットとターミナルアダプタと同様、ターミナルアダプタとディスプレイユニット或いはディスプレイユニット間を有線だけでなく無線で行うこともできる。コントロールユニットからターミナルアダプタまでを無線で行い、ターミナルアダプタから下位については有線で行うこともできる。
【0039】
ディスプレイユニット3が行ごとに配置されている場合には、ターミナルアダプタ2から見て、あるm行目の最初に第2の通信ラインL2が接続されたディスプレイユニット3から順次隣接するディスプレイユニット3へと第2の通信ラインL2が直列に接続され、次にそのm行目の最後に第2の通信ラインL2が接続されたディスプレイユニット3から、m行目の最初に第2の通信ラインL2が接続されたディスプレイユニット3とは反対側に位置するm+1行目におけるディスプレイユニット3に第2の通信ラインL2を接続し、m行目の最初に第2の通信ラインL2が接続されたディスプレイユニットの位置する側に向かって、第2の通信ラインL2でディスプレイユニット3が順次隣接されるように、ディスプレイユニット3に第2の通信ラインL2が電気的に直列に接続される構成とすることが好ましい。
【0040】
もちろん、図2に示すように、各行における最初に接続するディスプレイユニットを一端に揃えた接続形態とすることも可能である。ディスプレイユニット3のID設定についても、上述したターミナルアダプタの場合と同様に行うことができる。また、図1の接続形態と図2の接続形態を併用することもできる。例えば、ターミナルアダプタ同士は図1の接続形態を利用し、ディスプレイユニット同士は図2の接続形態とすることもできる。さらに、接続される行毎に図1と図2の接続形態を混在させることも可能である。さらにまた、接続の方向は行方向に限られず、縦方向、斜め方向などとしてもよい。
(コントロールユニット概略)
【0041】
図3はコントロールユニット1の概略を示すブロック図である。コントロールユニット1は、ビデオプロセッサ11や映像再生機器から映像ソースなどのディスプレイデータを画像入力インタフェース11b1で受信し、フレーム毎にディスプレイデータをデジタルデータとして画像データメモリ131に記憶する。また、コントロールユニット1は、コンピュータ12等の外部の制御機器と接続される通信インタフェース部11b2を有し、外部の制御機器からの制御データを制御データメモリ132に記憶する。コントロールユニット1は、制御データメモリ132に記憶された制御データに基づいて、コントロールユニット1の内部制御、およびディスプレイユニット3への補正データ、ディスプレイユニット制御データ等の送信、さらにディスプレイユニットから送信されるディスプレイユニット内部情報等の受信を行う。通信部11aでは、ターミナルアダプタ間と通信するために、画像データなどのディスプレイデータおよび制御データを所定の非同期転送方式などとして通信フォーマットに構成し、ターミナルアダプタへの送受信処理を行う。
【0042】
選択回路SELは、画像データメモリ131に接続されたラインAまたは制御データメモリ132に接続されたラインBのいずれかを、選択的に通信部11aに出力する。
【0043】
コントロールユニット1は、ターミナルアダプタ2およびディスプレイユニット3の接続形態に応じて、表示すべきディスプレイデータに対応するターミナルアダプタIDおよびディスプレイユニットIDを制御データメモリにあらかじめ記憶する。
(ターミナルアダプタ概略)
【0044】
図4は、第2の通信ラインL2が接続される通信部21bが、複数の通信部21b1、21b2、21b3から構成されるターミナルアダプタ(分配処理部ともよぶ。)の例を示すブロック図である。それぞれの第2の通信ラインL2には、電気的に直列にディスプレイユニット3が接続される。ターミナルアダプタ側の通信部21aは2つの通信ポートを有し、コントロールユニット1とターミナルアダプタ2間、またはターミナルアダプタ2とターミナルアダプタ2間を接続する。図4の例では、メモリ23がターミナルアダプタ2の各通信部21b1、21b2、21b3にそれぞれに対応するメモリ231、232、233から構成される例を示す。ただ、図5に示すようにそれぞれの通信部21b1、21b2、21b3に対応する共通のメモリ23を有し、例えばダイレクトメモリアクセスコントローラ(Direct Memory Access Controller:DMAC)から構成されるメモリアドレス制御部22aによってデータの送信を制御してもよい。一方、制御部22はターミナルアダプタ内部処理の制御を行う。
【0045】
本発明でターミナルアダプタとは直接あるいは間接的にLEDなどの点灯ユニットとそれを制御するコントロールユニットをネットワークで接続させ、各種制御、補正、保守等データの分配機能を持つものである。特に、本発明ではコントロールユニットからLEDユニットを点灯制御するパケット情報をパケット形式のままターミナルアダプタを介して転送することができる。この場合、ターミナルアダプタに接続される複数のLEDディスプレイユニットを制御するケーブルを複数設ける必要がない。特に、LEDユニットの数を任意に増加又は減少させることを簡単に行えるだけでなく、そのデータ転送用信号線のクロストーク等による信号劣化を生ずることもない。また、一つのターミナルアダプタに接続するLEDユニットの数を多くした場合や、1つのLEDユニットを構成する画素数が多い場合においても、ディスプレイデータ等の劣化をなくしつつ、高精細なディスプレイなどを構成することが容易にできる。
【0046】
ターミナルアダプタはコントロールユニットとターミナルアダプタ間の転送速度よりも、ターミナルアダプタとLEDユニット間の転送速度を遅くすることができる。この場合、ターミナルアダプタを介してLEDユニット側に転送された速度を遅くすることで、転送ケーブル側に防水ケーブルなど制約がある場合でも比較的簡単かつ安価に接続を構成することができる。また、少なくとも1つのLEDユニットを含む点灯ブロックがそれぞれ異なる離れた場所にある場合、ターミナルアダプタまでを高速で転送できるため比較的自由度を高くして設置することができる。このため、LEDユニットを構成するブロック間が離れていても、例えば構成上は離れた2画面のLEDディスプレイを一つのコントロールユニットを用いて制御することができる。同様に、複数の箇所から照射対象物を照らす照明システムを構成する場合においも、自由度の高い設計を行うことができる。
【0047】
また、点灯表示されるパケット情報を供給するコントロールユニットと、コントロールユニットに接続されてパケット情報の分配処理を行う複数のターミナルアダプタと、ターミナルアダプタに接続されパケット情報に基づいて点灯表示する複数のLEDユニットとを有する場合、パケット情報はターミナルアダプタに対する識別情報、およびLEDユニットに対する識別情報を含む。コントロールユニットは各ターミナルアダプタに接続される複数のLEDユニットから構成されるブロックに相当するパケット情報の所定の一部を、点灯表示するブロック全域に相当する全てのパケット情報が供給されるまで、各ターミナルアダプタに対してターミナルアダプタ毎にk回(kは2以上の整数)繰り返して送信することができる。これにより、ターミナルアダプタは、このターミナルアダプタ自身に接続される複数のLEDユニットに対応するパケット情報の合計の少なくとも1/kを一旦記憶することができる容量のメモリを有するだけでよい。パケット情報に含まれるターミナルアダプタの識別情報が、自身に付された識別情報と一致するパケット情報を受信した後、そのパケット情報をこのターミナルアダプタに接続されたブロックとなる複数のLEDユニットに転送供給する。LEDユニットは、少なくとも1つのLEDユニットに対応するパケット情報を一旦記憶することができる容量のメモリを有する。パケット情報に含まれるLEDユニットの識別情報がそのLEDユニット自身に付された識別情報と一致するパケット情報を受信した場合は、パケット情報に基づいて点灯表示する。
【0048】
このように構成することにより、ターミナルアダプタ内部のパケット情報を記憶するメモリの容量を、1つのターミナルアダプタに接続される全てのLEDユニットにおけるブロック内部のパケット情報を記憶するメモリ容量の合計の少なくとも1/kとすることができる。さらに、1つのターミナルアダプタに接続できるLEDユニットの数が、LEDユニット内部のパケット情報を記憶するメモリの容量によって制限されないので、ターミナルアダプタとLEDユニットとの接続をより柔軟に行うことができるという利点がある。また、各LEDユニットに少なくとも1つのLEDユニットに対応するパケット情報を一旦記憶することができる容量のメモリを備えさせることで、ターミナルアダプタ内部のパケット情報を記憶するメモリの容量をLEDユニットの接続形態にかかわらず必要最小限とし、大幅に減少させることができる。そのため、装置全体としてパケット情報を記憶するメモリにかかるコストをも削減することもできる。
【0049】
また、パケット情報は、画像などのソースとなるディスプレイデータおよびLEDユニットなどの表示器を制御する制御データを含み、コントロールユニットとターミナルアダプタは、ディスプレイデータおよび制御データの共通の通信ラインとなる第1の通信ラインにより接続されることが好ましい。
【0050】
すなわち、ターミナルアダプタ内部のパケット情報を記憶するメモリの容量を小さくすることができるので、コントロールユニットとターミナルアダプタをディスプレイデータ情報および制御データの共通の通信ラインとなる第1の通信ラインにより接続することができる。このように構成することにより、信号線であるバスの数を効果的に減少させることができ、接続の簡略化やデータの劣化を低減できる。
【0051】
また、ターミナルアダプタとLEDユニットとの間を接続する第2の通信ラインを備え、第2の通信ラインにおいて行われる通信が第1の通信ラインにおいて行われる通信よりも低速であることが好ましい。
【0052】
このように構成することにより、第2の通信ラインにおけるコストを効果的に軽減することがきる。
(ターミナルアダプタ通信部概略)
【0053】
図6はターミナルアダプタ2の内部ブロック図を示す。ターミナルアダプタ2の通信部21aは、第1通信部21a1および第2通信部21a2からなる。好適な一例として、2系統の通信ラインによって双方向通信を行う全2重双方向通信部、または共通の通信ラインによって双方向の通信を行う半2重双方向通信部として構成され、第1通信部21a1および第2通信部21a2のそれぞれに受信部21a1r、21a2rおよび送信部21a1t、21a2tを有する。コントロールユニット1からのコマンドデータは、いずれか一方の受信部が受信処理を行う。例えば第1受信部21a1rが、コントロールユニット1からのコマンドデータを受信した場合、1st ACT信号がアクティブとなり、通信制御部222は第1受信部21a1rからの受信データを選択して受信処理部221にコマンドデータとして取り込む。このとき、第2受信部21a2rから受信した受信データはコマンドデータとして受信処理は行わず、そのまま第1送信部21a1tへ転送を行う。
【0054】
さらに、第2受信部21a2rがアクティブ時は、コマンドデータ受信後、第1送信部21a1tへ応答処理部223からコントロールユニット1に対し、応答データの転送処理を行う。上記処理は第2受信部21a2rがコントロールユニットからのコマンドデータを受信した場合においても同様の処理を行う。通信制御部222は1st ACT信号および2nd ACT信号に基づき、いずれの受信部からコントロールユニットのコマンドデータを受信したかを識別し、受信処理を選択するセレクタSEL3、応答処理部223から応答データを送信する送信部を選択するセレクタSEL1およびセレクタSEL2を制御する。このように、ターミナルアダプタ2の双方向通信制御は、第1、第2いずれの通信ポートからコントロールユニット1のコマンドデータを受信しても、受信処理を可能とし、ディスプレイブロック10bの接続形態をより柔軟性のあるシステムで構築できる。
【0055】
次に受信処理後、ターミナルアダプタ2からディスプレイユニット3へのディスプレイデータおよび制御データの転送について説明する。各ターミナルアダプタ2は、複数の第2の通信ラインL2を介してディスプレイユニットに対し通信が可能である。図4および図5の例においては、ターミナルアダプタが第2の通信ラインL2に接続される3つの通信部を有する例を示したが、図6においては、N個の通信部であるディスプレイユニットインターフェイス(ディスプレイユニットI/F)を有する構成例を示す。LINE_1、2、3、・・・、LINE_Nは、接続する第2の通信ラインL2の回線数を示し、一つの回線に対し、所定数内のディスプレイユニットの制御を行う。メモリ1〜Nは各回線に対応し、接続されたディスプレイユニットに表示するディスプレイデータを蓄積する。ターミナルアダプタ2は、1画像フレーム分のディスプレイデータを受信順にメモリ1からNに蓄積する。1画像フレーム分のディスプレイデータを受信後、LINE_1〜LINE_Nまでのディスプレイユニットインタフェースは、ディスプレイデータを所定の同期信号に基づき、同時に第2の通信ラインL2に転送する。1回線当たり制御できるディスプレイユニット数は、転送速度、および1ディスプレイユニットの表示動作に必要なディスプレイデータ量で決定される。例えば、1回線当たりM個のユニットを制御可能な場合、1ターミナルアダプタが表示制御可能なディスプレイユニット数はN×Mで算出される。また、TG部224はタイミング制御を行う。
【0056】
ターミナルアダプタ2は、予め初期設定によってTAIDが設定され、そのターミナルアダプタ自身のTAIDを記憶しており、そのTAIDに基づき選択的に受信データを受信する。
(ディスプレイユニット概略)
【0057】
図7はディスプレイユニット3の概略を示すブロック図である。ディスプレイユニット側の通信部31は、ターミナルアダプタにおける通信部21aと同様に2つの通信ポートを有し、双方向通信処理を行う。ディスプレイユニット3は、ディスプレイユニット内部の回路構成に応じて、ディスプレイデータ、制御データ等があらかじめメモリ33内の所定のメモリ空間に割り付けられている。コントロールユニット1からディスプレイユニット3に対する制御は、各ディスプレイユニット3のどのメモリ空間をアクセスするか、つまりどのメモリ空間のデータ領域へ書き込みあるいは読み出し処理を行うかによって、ディスプレイユニット3の制御を行う。
【0058】
ディスプレイユニット3は、受信したコマンドデータがディスプレイデータを有する場合、ディスプレイデータをメモリ33に蓄積し、受信終了後、制御部32においてディスプレイデータの読み出しを行う。そして、コモンドライバ340(Common Driver)のライン制御に同期して、表示対象のディスプレイデータを各ラインドライバ(LINE Driver)341に転送する。コモンドライバ340のライン制御は、各コモンラインをある所定の周期で、順次切り替えることによって、ディスプレイ(Matrix Display)30における各ラインの表示要素列を駆動する。このとき、各ラインを表示させるデータはメモリに各ライン毎に割り付けを行い、制御部32は表示対象のラインに相当するディスプレイデータをメモリ33から読み出す。また、ディスプレイユニット3はマトリクスディスプレイから構成される必要はなく、例えば照度を調節可能な照明として、外部の制御機器によって制御するシステムとして構築することも可能である。
【0059】
図8に、ディスプレイユニット3における通信部31のブロック図を示す。ターミナルアダプタ2からそれぞれのディスプレイユニット3に送信されたシリアルデータからなるコマンドデータは、第1受信部311rにおいてパラレルデータに変換されて、受信処理部321に入力される。受信処理部321は、入力されたコマンドデータの識別情報が予め記憶されている自身のディスプレイユニットに対するIDと一致するかを判断する。受信処理部321は、IDが一致した場合、コマンドデータに基づく受信処理を行う。また、受信処理部321が、入力されたコマンドデータにエラーが発生したと判断した場合、コマンドデータの通信時にエラーが発生したことを通知する応答データを、通信制御部322および応答処理部323を介してコントロールユニット1に送信する。
【0060】
また、コマンド受信処理部321において判別されたコマンドが、コントロールユニット1に対して応答する必要のあるコマンドであれば、コマンドに基づく応答データを同様にコントロールユニット1に送信する。このとき、応答データは、ヘッダ部のエラーを判別するためのコード、およびデータ部のエラーを判別するためヘッダ部CRCおよびデータ部CRCを応答データに付して、応答処理部323からコントロールユニット1へと送信される。
(コマンド制御概略)
【0061】
図9にディスプレイ制御アドレス空間の割付例を示す。コントロールユニット1から、ターミナルアダプタ2およびディスプレイユニット3を見た場合、制御メモリ空間は図9のように表現され、所望のデータの制御対象ディスプレイユニットへの送信は、制御メモリ空間のどのアドレス空間に相当するかを識別することによって行われる。制御アドレス空間は、TAIDで識別されるTA制御アドレス空間、各ターミナルアダプタ2においてはディスプレイユニットID(DUID)で識別されるディスプレイユニット制御アドレス空間、および各ディスプレイユニット内において割り付けられたDUメモリマップで構成される。DUメモリマップはディスプレイユニットのマトリクス構成、階調ビット幅、補正データの有無等ディスプレイユニットの性能、機能によって異なる。したがって、コントロールユニット1はあらかじめ、それぞれのディスプレイユニット3のタイプを認識した上で、ディスプレイの表示制御を行う。
【0062】
ここでは、ターミナルアダプタID(TAID)が1から255、ディスプレイユニットID(DUID)が1から255まで設定可能な例を示しており、例えばTAIDのTA0およびDUIDのDU0は、それぞれ全ターミナルアダプタに共通のIDおよび全ディスプレイユニットに共通のIDと設定することができる。また、ディスプレイユニット3のメモリ33に対応するアドレス空間は、ディスプレイデータに対応する階調データ、面輝度調整データ、輝度補正データ、制御情報および初期設定情報から構成される例を示した。
(コマンドデータ(制御データ)のフォーマット)
【0063】
図10に、コントロールユニット1からターミナルアダプタ2あるいはディスプレイユニット3に送信されるコマンドデータのパケットの、データ構成を示す。コマンドデータのパケットは、ヘッダ部とデータ部から構成される。ヘッダ部は、さらに通信先を示す識別情報領域、制御の内容を示す制御種別領域、データ部のデータを書き込むべきアドレスを指定する制御開始アドレス領域、データ部のデータ長を示す制御データ長領域、およびヘッダ部の通信エラーをチェックするためのヘッダ部CRC領域から構成される。識別情報領域は、例えば通信先のTAを指定するターミナルアダプタID(TAID)、およびそのターミナルアダプタに接続されたディスプレイユニットを指定するディスプレイユニットID(DUID)を有する。これらが複数階層になっている場合は、対応する識別情報を別途設定、付加しても良い。制御種別領域は、例えば初期ID設定、画像表示制御、フレーム同期制御、補正データ制御、および管理制御等の制御内容を示すコードが付される。制御種別領域には、各コマンドデータごとに全ての制御内容を一律に包含していても良いし、必要な制御内容のデータのみを包含させておいても良い。
【0064】
データ部は、制御データ領域とデータ部の通信エラーをチェックするためのデータ部CRC領域から構成される。データ領域のデータとしては、各ディスプレイユニット3において表示するために必要なディスプレイデータ、初期設定時に各ターミナルアダプタおよび各ディスプレイユニットに設定されるID等のデータが付される。
(応答データのフォーマット)
【0065】
図11に、ターミナルアダプタ2およびディスプレイユニット3からコントロールユニット1へ送信される応答データのパケットの、データ構成を示す。応答データのパケットについても、ヘッダ部とデータ部から構成される。ヘッダ部はさらに、自身のターミナルアダプタID(TAID)、あるいはディスプレイユニットID(DUID)を示す識別情報領域、受信状況を示す受信ステータス/制御種別領域、データ部のデータ長を示す制御データ長領域、およびヘッダ部の通信エラーをチェックするためのヘッダ部CRC領域から構成される。受信ステータス/制御種別領域は、例えば自己診断、内部設定データ送信、補正データ送信等の受信状況を示すコードが付される。データ部は、制御データ領域と、データ部の通信エラーをチェックするためのデータ部CRC領域から構成される。データ領域のデータとしては、自己診断データ、内部設定データ、補正データ等が付される。
(点灯制御の一例である画像表示制御)
【0066】
次に、コントロールユニット1から各ディスプレイユニット3に対して送信するディスプレイデータの通信方法について説明する。コントロールユニット1はビデオレート(例えば60Hz)で画像が切り換わる場合、フレーム開始を示すVsync信号毎に、フレーム同期制御を行うためのコマンドパケットであるフレーム周期の開始を示すフレーム周期開始パケットcspを全ディスプレイユニットに対し、ターミナルアダプタ2を介して送信する。フレーム周期開始パケットcspを受信した各ディスプレイユニットは、それぞれのディスプレイユニットにおいてフレーム同期を行う。
【0067】
フレーム周期開始パケットcsp送信後、コントロールユニット1は、それぞれのディスプレイユニットにおいて表示すべきディスプレイデータをデータ部に付したディスプレイデータパケットddpを、ターミナルアダプタ2を介してそれぞれのディスプレイユニットに送信する。ディスプレイデータパケットddpは、ディスプレイユニットに表示する画像、例えば動画、静止画などの画像情報、あるいはディスプレイユニットを照明として使用する場合は点灯情報など、ディスプレイユニットの動作を決定する情報を含む。ディスプレイデータパケットddpを受信した各ターミナルアダプタは、識別情報に含まれるTAIDと、自身のターミナルアダプタID(TAID)とを照合して、一致した場合ディスプレイデータパケットddpをメモリ23に記憶する。さらに、ディスプレイデータパケットddpを受信したターミナルアダプタ2は、メモリに記憶したディスプレイデータパケットddpを、それぞれのターミナルアダプタ2に接続された各ディスプレイユニット3に転送する。そして、ディスプレイデータパケットddpを受信した各ディスプレイユニット3は、識別情報内のDUIDと自身のディスプレイユニットID(DUID)とを照合して、一致すれば受信処理を行う。
【0068】
各ディスプレイユニット3に送信されたディスプレイデータは、各ディスプレイユニット3内のメモリ33に記憶され、表示制御される。このように各ディスプレイユニットが、コントロールユニット1によって分配されたディスプレイデータに基づき画像表示を行うことによって、ディスプレイ10全体として画像表示を行うことができる。
(異機種ユニット接続)
【0069】
図12に、ディスプレイ10を複数のディスプレイ領域10aに分割して、それぞれの分割されたディスプレイ領域10aに対応した表示形式で画像を表示するディスプレイユニット通信システムの概略図を示す。それぞれの分割されたディスプレイ領域10aに対応したデータ形式のコマンドデータを各ディスプレイユニット3に送信することによって、1つのコントロールユニット1によってそれぞれのディスプレイ領域10aの画像表示制御を行うことが可能になる。例えば、ディスプレイ10を、文字表示用ディスプレイ領域10a1、動画表示用ディスプレイ領域10a2、および静止画表示用ディスプレイ領域10a3といった表示方式の異なる領域に分けて、それぞれの領域に対応するディスプレイユニット3を配置し、画像表示を行うことができる。
【0070】
例として、文字表示用ディスプレイ領域10a1には24×24(24行24列)画素のマトリクスからなるRGBそれぞれ1色調当たり2ビット、4階調表示のディスプレイユニット、動画表示用ディスプレイ領域10a2には16×16のドットマトリクスからなるRGBそれぞれ1色調当たり8ビット、256階調表示のディスプレイユニットおよび静止画表示用ディスプレイ領域10a3には16×16のドットマトリクスからなるRGBそれぞれ1色調当たり10ビット、1024階調表示のディスプレイユニットがそれぞれ接続される。
【0071】
それぞれのディスプレイ領域10aは、ディスプレイブロック単位で領域を設定する必要はないが、ディスプレイユニット単位で領域を設定することが、表示制御上好ましい。
(異機種ユニット通信)
【0072】
それぞれの分割されたディスプレイ領域10aに対応したデータ形式のコマンドデータは、制御データ長領域によって表示階調数、画素のマトリクス構造、1画素の構成色調等に応じて必要なデータ長が指定され、制御データに各ディスプレイユニットにおいて表示に必要なデータが付される。さらに、制御種別領域の一部に、制御データに付したデータのデータ構造を示すコードを付してもよい。このように、表示の階調の異なるディスプレイユニットからなるディスプレイユニット通信システムを1つのコントロールユニット1によって表示制御を行うことができる。
【0073】
例えば、ビデオレート(フレーム周期)を60Hz、各ディスプレイユニット間のシリアル伝送ビットレートを20Mbps、各ディスプレイユニットのマトリクス構成を1画素RGBの3つ色調のLEDによって16×16のマトリクスディスプレイとした場合、表示階調を10〜16ビットとしたときの最大接続ユニット数は24、表示階調を6〜8ビットとしたときの最大接続ユニット数は48、表示階調を4ビットとしたときの最大接続ユニット数は96、表示階調を2ビットとしたときの最大接続ユニット数は192、表示階調を1ビットとしたときの最大接続ユニット数は384と、最大接続ユニット数を可変とすることができる。また、各ディスプレイユニット間の通信方式を、例えばTTL、TIA/EiA422B、TIA/EIA644B(LVDS)、TIA/EIA568A等に変更することによって、シリアル伝送ビットレートおよび伝送距離を適宜設定可能となる。また、表示形式に応じて適宜画像データ圧縮方法を選択すれば、さらに最大接続ユニット数を増加することも可能である。
(立体ユニット接続)
【0074】
図13に、本発明のディスプレイユニット通信システムの適用例として、球面状の立体ディスプレイ10に適用した例を示す。ここでは、球面状のディスプレイ10は、各行毎にディスプレイブロック10bに分割されており、各行における分割されたディスプレイブロック10bの数は同数としなくてもよい。図13の例では、1行目と6行目を4つのディスプレイブロック10bとして分割し、2行目から5行目までを6つのディスプレイブロック10bとして分割した。また、各ディスプレイブロック10bにおけるディスプレイユニット3は同一画素マトリクス構造とする必要はなく、形状、位置等に応じて適宜ディスプレイユニット3の画素数および画素の配置を設定できる。図13bは、図13aの球面状の立体ディスプレイ10を、ディスプレイブロック10b単位で展開した概念図である。
【0075】
ディスプレイブロック10bに対応するIDであるTAIDは、図13bに矢印点線Aによって示す通り、前述の第1の通信ラインL1のターミナルアダプタ2間の接続と同様、あるm行目の最初に第1の通信ラインL1が接続されたターミナルアダプタ2から順次隣接するターミナルアダプタ2へとそれぞれ1ずつTAIDが1ずつインクリメントされて付され、次にそのm行目の最後に第1の通信ラインL1が接続されたターミナルアダプタ2からm行目の最初に第1の通信ラインL1が接続されたターミナルアダプタ2と反対側に位置するm+1行目におけるターミナルアダプタ2からm行目の最初に第1の通信ラインL1が接続されたターミナルアダプタ2方向のターミナルアダプタ2にTAIDが順次隣接するターミナルアダプタへ1ずつインクリメントされて付される。
【0076】
図13bの例では、1行目の左端のディスプレイブロックを1として右方向に順次2、3、4とTAIDが付される。次に、1行目の1のディスプレイブロックと反対側に位置する2行目のディスプレイブロックを5として、5から1行目の最初に第1の通信ラインL1が接続されたターミナルアダプタ2方向、ここではディスプレイブロック1方向である左方向に、TAIDが順次5、6、7、8、9、10と付される。以下同様に、3行目は左から右方向に11〜16、4行目は右から左方向に17〜22、5行目は左から右方向に23〜28そして6行目は右から左方向へ29〜L2と順次TAIDが付される。
【0077】
各ディスプレイブロック10b内のディスプレイユニット3のIDであるDUIDについてもディスプレイ10に対するディスプレイブロック10bの分割と同様に、各行における分割されたディスプレイユニット3数は同数としなくてもよく、またIDを付す方法についても同様に設定できる。さらに、各ディスプレイユニット3おける画素は同一画素数として構成する必要はなく、形状、位置等に応じて適宜画素数および画素の配置を設定することができる。
(立体ユニット通信)
【0078】
それぞれの分割されたディスプレイブロック10bに対応したデータ形式のコマンドデータは、ディスプレイブロック10bと対応したTAIDによってそれぞれのディスプレイブロック10bに振り分けられ、1行当たりの接続ディスプレイブロック10bの数が一定でなくても、表示制御を行うことができる。また同様に、それぞれのディスプレイブロック10bにおける1行当たりの接続ディスプレイユニットの数が一定でなくとも表示制御を行うことができる。コマンドデータは、データ長指定領域によって表示階調数、画素配置、画素数、1画素あたりの色調数等に応じて必要なデータ長が指定され、制御データに各ディスプレイユニットにおいて表示に必要なデータが付される。さらに、制御種別領域の一部に、制御データに付したデータのデータ構造を示すコードを付与してもよい。このように、1行当たりの接続ディスプレイブロック、ディスプレイユニットの数が一定でないディスプレイ通信システムにおいても、1つのコントロールユニット1によって表示制御を行うことができる。
(管理システム)
【0079】
さらに、各ディスプレイユニット3に、ドライバの異常、断線等の異常、通信異常、温度監視等の機能を持たせ、それぞれの機能に関するデータを応答データとして、コントロールユニット1に通知する通知機能を持たせることによって、コントロールユニット1に接続された情報処理装置を通じて各ディスプレイユニットの制御および監視を行うことができる。
【0080】
例えば、定電流出力異常、ドライバICの内部温度異常、フレーム同期障害等の各種障害情報、あるいはディスプレイユニット3の制御部のレジスタ情報等の内部設定情報、あるいはディスプレイユニット3内部の駆動基板表面等の温度を示す温度監視情報、あるいはディスプレイユニット3への供給電源の電圧を監視する電源監視情報に基づき、コントロールユニット1と接続されたコンピュータ12等によって各ディスプレイユニット3、ターミナルアダプタ2あるいは電源等の制御および監視を行うことができる。
実施例
【0081】
以下に本発明のディスプレイユニット通信システムにおいて、データ伝送に非同期通信方式(ATM)が用いられた具体的実施例について説明するが、これのみに限られるものでないことはいうまでもない。本実施例では、ターミナルアダプタ間の第1の通信ラインにおける通信は、ディスプレイユニット間の第2の通信ラインにおける通信よりも高速の通信が用いられる。ここでは、ディスプレイユニット3としてLEDディスプレイユニットを用い、それぞれの通信にシリアル通信を用いた例を示す。
【0082】
また、第1の通信ラインL1は、高速伝送用ケーブルを用い広帯域通信をターミナルアダプタ間で行い、各ディスプレイブロックにおけるディスプレイユニット間の第2の通信ラインL2には、低速伝送ケーブルを用いることによって、コストの上昇を招くことなくターミナルアダプタ間を長距離伝送可能とし、かつそれぞれのディスプレイブロックを柔軟に接続することが可能となる。
(コントロールユニット)
【0083】
コントロールユニット1は、ビデオプロセッサ、あるいは映像再生機器から映像ソースを画像入力インタフェース11b1で受信し、画像データなどのディスプレイデータをフレーム毎に、デジタルデータとして画像データメモリ131に記憶する。また、コントロールユニット1は、コンピュータ12等の外部の制御機器と接続される通信インタフェース部11b2を有し、外部の制御機器からの制御データを制御データメモリ132に記憶する。コントロールユニット1は、制御データメモリ132に記憶された制御データに基づいてコントロールユニットの内部制御、およびディスプレイユニットへの輝度補正データ、ディスプレイユニット制御データ等の送信、さらにディスプレイユニットから送信されるディスプレイユニット内部情報等の受信を行う。通信部11aでは、ターミナルアダプタ2と通信するために、ディスプレイデータおよび制御データを所定の通信フォーマットに構成し、ターミナルアダプタ2への送受信処理を行う。
【0084】
コントロールユニット1は、通信部11b1において、映像ソースであるビデオプロセッサ11からのデジタルデータ、もしくはアナログデータをアナログ/デジタル変換処理したデジタルデータをディスプレイデータとして受信し、画像データメモリ131に記憶する。また、コントロールユニット1は、通信部11b2において、制御データを受信し、制御データメモリ132に記憶する。
【0085】
コントロールユニット1は、フレーム周期開始パケットCSPおよびメモリに記憶したディスプレイデータに基づくディスプレイデータパケットddp等のコマンドデータを送信する。このとき、通信部11aは、送信すべきデータをデータストローブ方式のATM通信のパケット形式に変換し、送信する。また、通信部11aは、ターミナルアダプタ2およびディスプレイユニット3から送信されたデータストローブ方式のATM通信のパケット形式のデータをパラレルデータに変換し、制御データメモリ132に入力する。
(ターミナルアダプタ)
【0086】
ターミナルアダプタ2は、コントロールユニット1あるいは他のターミナルアダプタと通信を行う通信部21a、ディスプレイユニット3と通信を行う通信部21b、通信したデータ等を記憶するメモリ23、メモリ23の書き込みおよび読み出しと内部制御を行う制御部22から構成される。ターミナルアダプタ2は、予め初期設定によってTAIDが設定され、そのターミナルアダプタ自身のTAIDを記憶しており、そのTAIDに基づき選択的に受信データを受信する。そして、受信した受信データを接続されたディスプレイユニット3に転送する。また、ターミナルアダプタ2が複数のディスプレイユニットインターフェイスを有する場合は、受信した受信データをいずれのディスプレイユニットインターフェイスを介して転送すべきかを判断し、転送する。
(表示器としてのLEDディスプレイユニット)
【0087】
図14はLEDディスプレイユニットの概略を示すブロック図である。通信部31はターミナルアダプタにおける通信部21aと同様に2つの通信ポートを有し、双方向通信処理を行う。
【0088】
ディスプレイユニット3は、ディスプレイユニット内部の回路構成に応じて、画像データなどのディスプレイデータ、輝度補正データ、制御データ等があらかじめメモリ33内の所定のメモリ空間に割り付けられている。コントロールユニット1からディスプレイユニット3に対する制御は、各ディスプレイユニット3のどのメモリ空間をアクセスするか、つまりどのメモリ空間のデータ領域へ書き込みあるいは読み出し処理を行うかによってディスプレイユニット3の制御を行う。
【0089】
ディスプレイユニット3の通信部31において受信したコマンドデータは、コマンドデータのDUIDと自身の記憶するDUIDとが一致した場合、制御アドレスおよび制御データ長によって指定されたメモリ領域に制御データを書き込む。
【0090】
コマンドデータがディスプレイデータを有する場合は、1画像フレーム分のディスプレイデータをメモリに蓄積し、受信終了後、制御部においてディスプレイデータの読み出しを行う。そして、コモンドライバ340のライン制御に同期して、表示対象のディスプレイデータをLEDドライバ341に転送する。コモンドライバのライン制御は各コモンラインをある所定の周期で、順次切り替える事によって、各ラインのLEDを駆動する。このとき、各ラインを表示させるデータはメモリに各ライン毎に割り付けを行い、制御部32は表示対象のラインに相当するディスプレイデータをメモリ33から読み出す。
【0091】
このように各画素を駆動することによって、ディスプレイユニット3のマトリクスディスプレイ30において画像が表示される。本実施例においては、LEDディスプレイ30の一例として、RGBに対応する複数のLEDからなるドットによって構成された画素が1つのコモンドライバと4つのLEDドライバで駆動される例を示した。
【0092】
本実施例において、LEDディスプレイユニット3におけるメモリ33は、2つのメモリ領域331、332から構成される。この2つのメモリ領域は例えば2つのSRAMによって構成してもよい。メモリには、それぞれ表示すべきディスプレイデータが1フレーム毎にいずれか一方のメモリ領域に交互に記憶される。それぞれのメモリ領域は、図15に示す通り、コモンアドレスに対応するディスプレイデータが記憶されるメモリ領域com adr 0、1、2、3から構成される。一方のメモリ領域に記憶されたディスプレイデータに基づく画像がLEDディスプレイユニット3において1フレーム周期時間表示されている間に、他方のメモリ領域に次のフレーム周期時間に表示されるべきディスプレイデータがコマンドデータとして受信されて記憶される。また、予め設定された自身のTAID、各LEDの輝度補正データ等を記憶するEEPROM等からなるメモリをさらに有していてもよい。
(コマンド制御概略)
【0093】
コントロールユニット1から、ターミナルアダプタ2およびディスプレイユニット3を見た場合、所望のデータの制御対象ディスプレイユニットへの送信は、制御メモリ空間のどのアドレス空間に相当するかを識別することによって行われる。制御アドレス空間は、TAIDで識別されるTA制御アドレス空間、各ターミナルアダプタ2においてはDUIDで識別されるディスプレイユニット制御アドレス空間、および各ディスプレイユニット内において割り付けられたDUメモリマップで構成される。DUメモリマップはディスプレイユニットのマトリクス構成、階調ビット幅、輝度補正データの有無等ディスプレイユニットの性能、機能によって異なる。したがって、コントロールユニット1はあらかじめ、それぞれのディスプレイユニット3のタイプを認識した上で、ディスプレイの表示制御を行う。
(ディスプレイユニットの画像表示制御)
【0094】
図16に本発明のディスプレイ通信システムにおける1フレーム内のディスプレイデータの通信の一例を示す。
【0095】
コントロールユニット1はビデオレート(例えば60Hz)で画像が切り換わるときに、1フレームの同期信号を示すVsync毎に、フレーム同期制御を行うためのコマンドパケットであるフレーム周期の開始を示すフレーム周期開始パケットcspを全ディスプレイユニットに対して送信する。続いて、それぞれのディスプレイユニットにおいて表示すべきディスプレイデータをデータ部に付したコマンドデータであるディスプレイデータパケットddpを、ディスプレイ10を構成するディスプレイユニットDU1、2、3、・・・、nに対応したディスプレイデータパケットddp1、ddp2、ddp3、・・・、ddpnとして順次1フレーム周期内に送信する。ここで、コントロールユニット1から送信されるそれぞれのディスプレイデータパケットddp1、ddp2、ddp3、・・・、ddpnには、ターミナルアダプタ2およびディスプレイユニット3の接続形態に応じた識別情報が付されている。
【0096】
フレーム周期開始パケットcspを受信した各ディスプレイユニット3はフレーム同期を行う。このとき、各ディスプレイユニット3はフレーム周期開始パケットcspに対する応答処理、応答データresの送信は行わない。次に、ディスプレイデータパケットddpを受信した各ディスプレイユニット3は、識別情報と自身のディスプレイユニットID(DUID)とを照合して、一致すれば受信処理を行う。各ディスプレイユニットによって受信されたディスプレイデータは、各ディスプレイユニット3のメモリ33内の2つメモリ331、332の一方に記憶され、次のフレーム周期において表示制御される。
【0097】
図16に、ディスプレイユニットDU1〜3における表示制御の一例をタイミングチャートによって示す。ディスプレイユニットDU1は、フレーム周期開始パケットcspを受信すると、フレーム同期信号Vsyncを立ち上げる。フレーム同期信号Vsyncの立ち上がりに応じて、マトリクスディスプレイ30のライン毎の点灯周期に対応するブランク信号blankが生成される。ブランク信号blankに応じて、前のフレーム周期において記憶したメモリ内のアドレスcom adr 0、1、2、3の各データに基づいて、コモンドライバ340とそれぞれ対応するLEDドライバ341によって各LEDが点灯制御され、画像が表示される。ここでは、各画素が行毎に駆動される1/4dutyであって、1フレーム周期を1/2フレーム周期に分割し、それぞれの1/2フレーム周期に同じ画像が表示される2倍速点灯制御の例を示した。この倍速点灯によって、画像のちらつきを防止することができる。また、LEDドライバ341またはLEDの駆動する駆動ラインをランダムに駆動し、画像のちらつきを防止してもよい。
【0098】
また、それぞれのディスプレイユニット3は点灯開始タイミングをディスプレイユニット内においてフレーム同期信号Vsyncの立ち上がりからブランク信号blankの生成タイミングを図16中のDU2、DU3のように予め設定された時間Tdだけずらすことができる。これによって、LED点灯開始時における大きな駆動開始電流をLEDドライバ毎に分散させることができる。また、リセットギャップはフレーム周期開始パケットcspとディスプレイデータパケットddpおよび各ディスプレイデータパケット間に所定の時間非転送区間を設け、各通信パケットを受信側で同期することを目的として挿入される。
【0099】
また、本実施例では、発光素子であるLEDが複数画素配置されたマトリクスディスプレイを有するディスプレイユニットを示したが、ディスプレイユニットは1画素以上に相当する表示要素が配置された構成としてもよい。表示要素は、液晶、EL素子、PDP、電光掲示等が挙げられる。また、ネオン管等の照明を表示要素とし、照明強度の階調をディスプレイデータとして用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上のように本発明によって、アプリケーションに柔軟に対応できるディスプレイユニット通信システムおよびその通信方法を提供することができる。例えば、表示階調、画素数あるいは形状等の異なるディスプレイユニットを、共通の通信システムおよび通信方法によって制御することができる。また、本発明によって、アプリケーションに柔軟に対応できるディスプレイユニット通信システムの通信方法に用いるディスプレイユニット、通信回路、ターミナルアダプタを提供することができる。
【符号の説明】
【0101】
1…コントロールユニット
2…ターミナルアダプタ
3…ディスプレイユニット
10…ディスプレイ;10a…ディスプレイ領域;10a1…文字表示用ディスプレイ領域;10a2…動画表示用ディスプレイ領域;10a3…静止画表示用ディスプレイ領域;10b…ディスプレイブロック
11…ビデオプロセッサ
11a…通信部;11b1…画像入力インタフェース;11b2…通信インタフェース部
12…コンピュータ
21a…通信部;21a1…第1通信部;21a2…第2通信部
21a1r、21a2r…受信部;21a1t、21a2t…送信部
21b、21b1、21b2、21b3…通信部
22…制御部
22a…メモリアドレス制御部
23…メモリ
30…ディスプレイ
31…通信部
32…制御部
33…メモリ
131…画像データメモリ
132…制御データメモリ
221…受信処理部
222…通信制御部
223…応答処理部
224…TG部
231〜233…メモリ
311…第1通信部;311r…第1受信部;311t…第1送信部
312…第2通信部;312r…第2受信部;312t…第2送信部
321…受信処理部
322…通信制御部
323…応答処理部
331、332…メモリ
340…コモンドライバ
341…LEDドライバ
801…LEDディスプレイ
802…LEDユニット
803…コントローラ
804…分配器
805…シフトレジスタ回路
810…映像データ
820…制御信号
CSP…フレーム周期開始パケット
DU1…ディスプレイユニット
DU1〜3…ディスプレイユニット
L1〜L2…通信ライン
SEL…選択回路
SEL1〜3…セレクタ
Vsync…フレーム同期信号
csp…フレーム周期開始パケット
ddp…ディスプレイデータパケット
ddp1…ディスプレイデータパケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報によって通信先が指定されたディスプレイデータパケットを複数のディスプレイユニットに供給するコントロールユニットと、
ターミナルアダプタIDが付され、上位の通信ラインによって前記コントロールユニットと電気的に接続された少なくとも1つのターミナルアダプタ(2)と、
1以上の表示要素を配置しており、ディスプレイユニットIDが付され、下位の通信ラインによって前記ターミナルアダプタ(2)に電気的に直列接続されており、前記コントロールユニットから供給された前記ディスプレイデータパケットに基づいて、配置された各表示要素を駆動するディスプレイユニットとを有する発光装置であって、
前記ディスプレイデータパケットが前記識別情報として、前記ターミナルアダプタIDと、前記ディスプレイユニットIDとを少なくとも含んでおり、
前記ターミナルアダプタ(2)は、
第1送信部(21a1t)と第1受信部(21a1r)を有する第1通信部(21a1)と、
第2送信部(21a2t)と第2受信部(21a2r)を有する第2通信部(21a2)と、
前記第1通信部(21a1)および前記第2通信部(21a2)における通信を制御する通信制御部(222)と、
受信した画像データを含む通信データに基づいて受信処理を行う受信処理部(221)と、
通信データの送信処理を行う応答処理部(223)と、
前記第2受信部(21a2r)または応答処理部(223)のいずれか一方を前記第1送信部(21a1t)に接続する第1のセレクタ(SEL1)と、
前記第1受信部(21a1r)または応答処理部(223)のいずれか一方を前記第2送信部(21a2t)に接続する第2のセレクタ(SEL2)と、
前記第1受信部(21a1r)または第2受信部(21a2r)のいずれか一方を前記受信処理部(221)に接続する第3のセレクタ(SEL3)と、
を有し、
前記第1受信部(21a1r)および前記第2受信部(21a2r)は所定の通信データを識別し、前記所定の通信データを前記第1通信部(21a1)または前記第2通信部(21a2)のいずれか一方が受信したとき、
前記通信制御部(222)は、前記所定の通信データを受信した通信部(21a1;21a2)が、受信した通信データを前記受信処理部(221)に入力するとともに他方の通信部(21a2;21a1)の送信部に入力し、
前記他方の通信部(21a2;21a1)が受信した通信データを、前記受信処理部(221)に入力することなく、前記所定の通信データを受信した通信部(21a1;21a2)の送信部(21a1t;21a2
t)に入力するよう制御可能であって、
前記ターミナルアダプタ(2)は、識別情報に含まれるターミナルアダプタIDが自身に付されたターミナルアダプタIDと一致するディスプレイデータパケットを受信し、前記下位の通信ラインを介して前記ディスプレイユニットに転送し、
前記ディスプレイユニットは、前記識別情報に含まれるディスプレイユニットIDが自身に付されたディスプレイユニットIDと一致するディスプレイデータパケットを受信し、前記ディスプレイデータパケットに基づいて前記表示要素を駆動することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記コントロールユニットは、フレーム周期の開始を示すフレーム周期開始パケットを、全てのディスプレイユニットが受信する旨を示す識別情報を付して送信し、
前記ディスプレイユニットは、前記フレーム周期開始パケットに基づいてフレーム同期を行うことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記ディスプレイユニットはさらに少なくともディスプレイデータを記憶するメモリを有し、
前記メモリ内のメモリ空間は、ディスプレイユニット内部の回路構成に応じてデータ領域があらかじめ割り付けられており、
前記コントロールユニットは、通信パケットを送信し、ディスプレイユニットのあらかじめ割り付けられた所定のメモリ領域にアクセスすることによってディスプレイユニットに対する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
ディスプレイデータパケットを複数のディスプレイユニットに供給するコントロールユニットと、
ターミナルアダプタIDが付され、上位の通信ラインによって前記コントロールユニットと電気的に接続されたターミナルアダプタ側通信部を有する少なくとも1つのターミナルアダプタ(2)と、
ディスプレイユニットIDが付され、下位の通信ラインによって前記ターミナルアダプタ(2)に電気的に接続されたディスプレイユニット側通信部を有し、前記コントロールユニットから供給されたディスプレイデータパケットに基づいて、配置された1以上の表示要素を駆動するディスプレイユニットとを有する発光装置であって、
前記ターミナルアダプタ(2)および/または前記ディスプレイユニットはn行(nは2以上の整数)に配置され、各行においてそれぞれの通信部は直列に接続されており、
前記ターミナルアダプタ(2)および/または前記ディスプレイユニットの通信部は、m行目(1≦m≦n−1の整数)において、端部に接続された前記ターミナルアダプタ(2)および/または前記ディスプレイユニットの通信部から、m+1行目における前記m行目の前記ターミナルアダプタ(2)および/または前記ディスプレイユニットと同じ側の端部に配置された前記ターミナルアダプタ(2)および/または前記ディスプレイユニットの通信部に接続され、
前記ターミナルアダプタ(2)は、
第1送信部(21a1t)と第1受信部(21a1r)を有する第1通信部(21a1)と、
第2送信部(21a2t)と第2受信部(21a2r)を有する第2通信部(21a2)と、
前記第1通信部(21a1)および前記第2通信部(21a2)における通信を制御する通信制御部(222)と、
受信した画像データを含む通信データに基づいて受信処理を行う受信処理部(221)と、
通信データの送信処理を行う応答処理部(223)と、
前記第2受信部(21a2r)または応答処理部(223)のいずれか一方を前記第1送信部(21a1t)に接続する第1のセレクタ(SEL1)と、
前記第1受信部(21a1r)または応答処理部(223)のいずれか一方を前記第2送信部(21a2t)に接続する第2のセレクタ(SEL2)と、
前記第1受信部(21a1r)または第2受信部(21a2r)のいずれか一方を前記受信処理部(221)に接続する第3のセレクタ(SEL3)と、
を有し、
前記第1受信部(21a1r)および前記第2受信部(21a2r)は所定の通信データを識別し、前記所定の通信データを前記第1通信部(21a1)または前記第2通信部(21a2)のいずれか一方が受信したとき、
前記通信制御部(222)は、前記所定の通信データを受信した通信部(21a1;21a2)が受信した通信データを前記受信処理部(221)に入力するとともに他方の通信部(21a2;21a1)の送信部(21a2t;21a1t)に入力し、
前記他方の通信部(21a2;21a1)が受信した通信データを、前記受信処理部(221)に入力することなく、前記所定の通信データを受信した通信部(21a1;21a2)の送信部(21a1t;21a2t)に入力するよう制御可能とする発光装置。
【請求項5】
上位の通信ラインにおける通信は、下位の通信ラインにおける通信よりも高速の通信が用いられることを特徴とする請求項1乃至4に記載の発光装置。
【請求項6】
ディスプレイデータパケットを複数のディスプレイユニットに供給するコントロールユニットと、
ターミナルアダプタIDが付され、上位の通信ラインによって前記コントロールユニットと接続された少なくとも1つのターミナルアダプタ(2)と、
前記コントロールユニットから供給された前記ディスプレイデータパケットに基づいて、配置された1画素以上の表示要素を駆動し画像の表示を行う表示部と、
前記表示要素の配置、1画素を構成する色調数および表示階調に応じたメモリ空間を有するメモリとを有し、
ディスプレイユニットIDが付され、下位の通信ラインによって前記ターミナルアダプタ(2)に電気的に直列接続されたディスプレイユニットから構成される発光装置におけるディスプレイデータパケットを用いた通信方法であって、
前記ディスプレイデータパケットは、少なくとも、
ターミナルアダプタIDおよびディスプレイユニットIDを保持する識別情報領域と、
前記ディスプレイユニットの入力すべきメモリ空間を指定するメモリ空間指定領域と、
供給すべきディスプレイユニットにおける表示要素の配置、1画素を構成する色調数および表示階調に応じたディスプレイデータからなるディスプレイデータ領域と、
を有しており、
前記ターミナルアダプタ(2)は、
第1送信部(21a1t)と第1受信部(21a1r)を有する第1通信部(21a1)と、
第2送信部(21a2t)と第2受信部(21a2r)を有する第2通信部(21a2)と、
前記第1通信部(21a1)および前記第2通信部(21a2)における通信を制御する通信制御部(222)と、
受信した画像データを含む通信データに基づいて受信処理を行う受信処理部(221)と、
通信データの送信処理を行う応答処理部(223)と、
前記第2受信部(21a2r)または応答処理部(223)のいずれか一方を前記第1送信部(21a1t)に接続する第1のセレクタ(SEL1)と、
前記第1受信部(21a1r)または応答処理部(223)のいずれか一方を前記第2送信部(21a2t)に接続する第2のセレクタ(SEL2)と、
前記第1受信部(21a1r)または第2受信部(21a2r)のいずれか一方を前記受信処理部(221)に接続する第3のセレクタ(SEL3)と、
を有し、
前記第1受信部(21a1r)および前記第2受信部(21a2r)は所定の通信データを識別し、前記所定の通信データを前記第1通信部(21a1)または前記第2通信部(21a2)のいずれか一方が受信したとき、
前記通信制御部(222)は、前記所定の通信データを受信した通信部(21a1;21a2)が受信した通信データを前記受信処理部(221)に入力するとともに他方の通信部(21a2;21a1)の送信部(21a2t;21a1t)に入力し、
前記他方の通信部(21a2;21a1)が受信した通信データを、前記受信処理部(221)に入力することなく、前記所定の通信データを受信した通信部(21a1;21a2)の送信部(21a1t;21a2t)に入力するよう制御可能とする通信方法。
【請求項7】
少なくとも1つの表示要素から構成された画素がマトリクス状に複数配置された表示部と、パケット通信を行う通信部と、少なくとも1フレーム分のディスプレイデータを記憶するメモリと、前記表示部の各表示要素を駆動する駆動部とを有するディスプレイユニットにおいて、
前記通信部が受信したフレーム周期の開始を示すフレーム周期開始パケットに基づいて各ラインの駆動周期の開始を示すブランク信号を生成する制御部を有し、
前記駆動部は前記ブランク信号に基づいて前記メモリに記憶されたディスプレイデータをライン毎に読み出して各表示要素を駆動し、前記表示部に画像を表示させることを可能としており、
前記通信部は、
第1送信部(21a1t)と第1受信部(21a1r)を有する第1通信部(21a1)と、
第2送信部(21a2t)と第2受信部(21a2r)を有する第2通信部(21a2)と、
前記第1通信部(21a1)および前記第2通信部(21a2)における通信を制御する通信制御部(222)と、
受信した画像データを含む通信データに基づいて受信処理を行う受信処理部(221)と、
通信データの送信処理を行う応答処理部(223)と、
前記第2受信部(21a2r)または応答処理部(223)のいずれか一方を前記第1送信部(21a1t)に接続する第1のセレクタ(SEL1)と、
前記第1受信部(21a1r)または応答処理部(223)のいずれか一方を前記第2送信部(21a2t)に接続する第2のセレクタ(SEL2)と、
前記第1受信部(21a1r)または第2受信部(21a2r)のいずれか一方を前記受信処理部(221)に接続する第3のセレクタ(SEL3)と、
を有し、
前記第1受信部(21a1r)および前記第2受信部(21a2r)は所定の通信データを識別し、前記所定の通信データを前記第1通信部(21a1)または前記第2通信部(21a2)のいずれか一方が受信したとき、
前記通信制御部(222)は、前記所定の通信データを受信した通信部(21a1;21a2)が受信した通信データを前記受信処理部(221)に入力するとともに他方の通信部(21a2;21a1)の送信部(21a2t;21a1t)に入力し、
前記他方の通信部(21a2;21a1)が受信した通信データを、前記受信処理部(221)に入力することなく、前記所定の通信データを受信した通信部(21a1;21a2)の送信部(21a1t;21a2t)に入力することを特徴とするディスプレイユニット。
【請求項8】
前記メモリは、前記フレーム周期開始パケットの受信後、前記ブランク信号を生成するまでの時間を示すシフトタイミングデータをさらに記憶し、
前記制御部は、前記フレーム周期開始パケットの受信後、前記シフトタイミングデータに基づいて前記ブランク信号を生成することを特徴とする請求項7に記載のディスプレイユニット。
【請求項9】
前記メモリは、1フレーム毎にディスプレイデータを記憶する画像データメモリ領域を2以上有し、前記表示部が1の画像データメモリ領域に記憶されたディスプレイデータに基づいて画像を表示している間に、他の画像データメモリ領域に前記通信部が受信したディスプレイデータを記憶することを特徴とする請求項7乃至8に記載のディスプレイユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−208503(P2012−208503A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−121405(P2012−121405)
【出願日】平成24年5月28日(2012.5.28)
【分割の表示】特願2002−507354(P2002−507354)の分割
【原出願日】平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】