説明

ディスプレイ装置および画像表示方法

【課題】表示素子の構成を変更することなく、解像度を向上させ、画像表示の高精細化を図ることができるディスプレイ装置および画像表示方法を提供する。
【解決手段】 ディスプレイ装置100は、振動モータ30と、液晶パネル40と、画像信号処理手段50と、信号供給手段としての画像信号出力回路60と、制御回路70とを備え、画像を表示する際に、液晶パネル40を回転半径r=P√2/4で円振動させると同時に、液晶パネル40が初始位置にあるとき、第1の画像信号を供給する。また、液晶パネル40が初始位置から90度の角度を移動し、初始位置と同じ水平位置にあるとき、第2の画像信号を供給する。また、液晶パネル40が180度の角度を移動し、初始位置の対向位置にあるとき、第3の画像信号を供給する。液晶パネル40が270度の角度を移動し、初始位置と同じ垂直位置にあるとき、第4の画像信号を供給するようになされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、LEDパネルなどディスプレイ装置において、表示素子の構成を変更することなく、解像度を向上させ、画像表示の高精細化を図るディスプレイ装置および画像表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイ装置の高解像度化が進んでいる。一般的に、ディスプレイ装置において、表示する情報を増やすためには、次のような方法が用いられている。1、ディスプレイの台数を増やす。2、ディスプレイの画素数を増やして解像度を高くする。3、画面の情報を縮小表示して擬似的に解像度を上げる。
【0003】
例えば、液晶表示素子の基板上の配線密度が増大することで画素数等の増加させる液晶表示装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
この場合、液晶表示素子上に液晶駆動用LSIチップ等の電子部品を搭載したことによって、液晶表示素子の薄型化が可能となる。また接続箇所が従来と比較して減少するため、接続抵抗の減少、接続の信頼性の向上、コストの低減等が図れる。さらにファインピッチ化にも対応が可能となる。
【0005】
【特許文献1】特開平8−271897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記ディスプレイの台数を増やす方法は、表示する情報量が増えたが、表示密度が変わらない、かつコストがかかるという欠点がある。また、ディスプレイの画素数を増やして解像度を高くする方法は、解像度が高くなるほどピクセルの数が増加することでデータライン、及びスキャンラインの数が増加する必要となり、製造プロセスが困難のため、製造コストが高くなるという欠点がある。また、画面の情報を縮小表示して擬似的に解像度を上げる方法はコストがかからないが、表示画像の細部が不鮮明になり、文字などの1ドット単位でデザインされた画像は判読不可能になるという欠点があった。
【0007】
また、上述の特許文献1の場合も、解像度を得るために、画素の1つ1つを小さくする必要がある。しかし、TFT面積及び配線領域は、ある一定値以上に小さくすることは困難である。また、画素を小さくするために、光の透過する画素面積の総計を減少させなければならず、表示画像が暗くなってしまうという問題点がある。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、表示素子の構成を変更することなく、解像度を向上させ、画像表示の高精細化を図ることができるディスプレイ装置および画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係るディスプレイ装置は、多数の画素がマトリクス状に配列された表示手段を有し、供給される画像信号に応じた画像を表示するディスプレイ装置において、前記表示手段を該表示手段の画像表示平面上に所定範囲で振動させる振動駆動手段と、前記表示手段に画像信号を供給する信号供給手段と、前記表示手段の振動位置に応じて所定の画像信号を供給する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
例えば、前記振動駆動手段は、前記表示手段をドットピッチの√2/4の半径で円運動させ、前記表示制御手段は、前記表示手段の中心が前記半径の円に沿って移動する際に、前記表示手段が初始位置にあるとき、第1の画像信号を供給し、前記表示手段が初始位置から90度の角度を移動し、初始位置と同じ水平位置にあるとき、第2の画像信号を供給し、前記表示手段が180度の角度を移動し、初始位置の対向位置にあるとき、第3の画像信号を供給し、前記表示手段が270度の角度を移動した位置にあるとき、第4の画像信号を供給するようになされる。
【0011】
また、前記第1の画像信号は、1フレーム中の画像信号の偶数列・偶数行を省いた画像信号であり、前記第2の画像信号は、奇数列・偶数行を省いた画像信号であり、前記第3の画像信号は、奇数列・奇数行を省いた画像信号であり、前記第4の画像信号は、偶数列・奇数行を省いた画像信号である。また、前記振動駆動手段は、振動モータまたは電磁アクチュエータからなる。
【0012】
上記課題を解決するため、本発明に係る画像表示方法は、多数の画素がマトリクス状に配列された表示手段と、前記表示手段を該表示手段の画像表示平面上に所定範囲で振動させる振動駆動手段と、前記表示手段に画像信号を供給する信号供給手段と、前記表示手段の振動位置に応じて所定の画像信号を供給する表示制御手段とを備えるディスプレイ装置を用いた画像表示方法において、前記振動駆動手段により表示手段をドットピッチの√2/4の半径で円運動させ、前記表示制御手段により、表示手段の中心が前記半径の円に沿って移動する際に、前記表示手段が初始位置にあるとき、第1の画像信号を供給し、前記表示手段が初始位置から90度の角度を移動し、初始位置と同じ水平位置にあるとき、第2の画像信号を供給し、前記表示手段が180度の角度を移動し、初始位置の対向位置にあるとき、第3の画像信号を供給し、前記表示手段が270度の角度を移動した位置にあるとき、第4の画像信号を供給することを特徴とする。
【0013】
例えば、前記画像表示方法において、第1の画像信号は、1フレーム中の画像信号の偶数列・偶数行を省いた画像信号であり、第2の画像信号は、奇数列・偶数行を省いた画像信号であり、第3の画像信号は、奇数列・奇数行を省いた画像信号であり、第4の画像信号は、偶数列・奇数行を省いた画像信号である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るディスプレイ装置によれば、表示手段を画像表示平面上に所定範囲で振動させる振動駆動手段と、前記表示手段に画像信号を供給する信号供給手段と、前記表示手段の振動位置に応じて所定の画像信号を供給する表示制御手段とを備えることで、表示素子の構成を変更することなく、低コストで解像度を向上させ、画像表示の高精細化を図ることができる。
【0015】
また、振動駆動手段は、前記表示手段をドットピッチの√2/4の半径で円運動させ、かつ前記表示制御手段は、前記表示手段の中心が前記半径の円に沿って移動する際に、前記表示手段が初始位置にあるとき、第1の画像信号を供給し、前記表示手段が初始位置から90度の角度を移動し、初始位置と同じ水平位置にあるとき、第2の画像信号を供給し、前記表示手段が180度の角度を移動し、初始位置の対向位置にあるとき、第3の画像信号を供給し、前記表示手段が270度の角度を移動した位置にあるとき、第4の画像信号を供給することにより、画素と画素の隙間を利用して4倍の密度で表示することができると共に、振動駆動手段にかかるエネルギーが少なく、効率的に振動することができ、また、表示手段に不要な振動を与えず、安定した画像を表示することができる。
【0016】
また、振動モータまたは電磁アクチュエータを振動駆動手段として用いられることで、既成のディスプレイ装置に簡単に取り付けることができる。
【0017】
本発明に係る画像表示方法によれば、画素と画素の隙間を利用して4倍の密度で表示することができる。そのため、表示素子の構成を変更することなく、解像度を向上させ、画像表示の高精細化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係るディスプレイ装置および画像表示方法を実施するための最良の形態を、図を参照して説明する。
【0019】
図1は、第1の実施の形態のディスプレイ装置100の構成を示す概略図である。図2は、ディスプレイ装置100の正面を示す図である。図2中の矢印Yおよび2点破線は、液晶パネル40の円振動を示すものである。図3は、A部の拡大図および円振動半径を示す図である。
【0020】
図1に示すように、ディスプレイ装置100は、設置台10と、支持部20と、振動駆動手段としての振動モータ30と、表示手段としての液晶パネル40と、画像信号処理部50と、信号供給手段としての画像信号出力部60と、表示制御手段としての制御部70とを備える。また、上記以外には画像入力回路等を有する。
【0021】
図1に示すように、設置台10には、支持部20が設けられている。支持部20の端部に振動モータ30が装着されている。
【0022】
振動モータ30は、所定量偏心した偏心軸31を有し、該偏心軸の先端に液晶パネル40が取り付けている。振動モータ30が所定の回転速度で回転する際に、液晶パネル40が同一平面(画像表示平面)内に円振動となる。また、振動モータ30の回転速度は高いほど表示画像が安定した画像に見える。一般的に、表示画像によって振動モータ30の回転速度が2〜20回転/秒とする場合は、画像表示の高精細化を図ることができる。なお、回転速度は表示装置の反応速度や信号処理コンピュータの処理能力が許す限り速い方が良い。
【0023】
図3に画面の振動の方法を示す。このように画面を画素が右、右下、下に半ピッチずれるように回転させる。画像間のドットピッチをPとすると、回転半径rは、
r=P×√2/4
で求められる。
【0024】
また、図3に示すように、各画素G(G1、G2、G3、G4)間のドットピッチはPであり、その中間位置はP/2である。また、液晶パネル40が円振動の場合、画素G1の中心Cが半径rで円振動する。この場合、画素G1に対して、元の位置(初始位置)を第1位置とする。また、画素G1の中心Cが半径rで円振動し、初始位置から90度の角度を移動した位置を第2位置とし、180度の角度を移動した位置を第3位置とし、270度の角度を移動した位置を第4位置とする。なお、他の画素G2、G3、G4、・・・の中心Cも同様である。
【0025】
液晶パネル40は、市販の液晶パネルで、背面には振動モータ30の偏心軸31を取り付けるための取付部41が設けられている。
【0026】
取付部41は、振動モータ30の偏心軸31を挿入する穴が設けられ、側面に偏心軸31を固定する止めネジを有する。
【0027】
画像信号処理部50は、元画像を、所定数の画像に分解して画像信号出力部60に供給するものである。画像信号処理部50では、液晶パネル40の振動方式等によって元画像を所定方法で分解する。この例では、液晶パネル40が円振動のため、元画像を4つの振動位置で表示する4つ画像信号に分解する。
【0028】
図4は、画像処理方法を説明する図である。図5は、画像の分解方法を説明する図である。図4、5に示すように、画像信号処理部50は、元画像を、画像1、画像2、画像3、画像4に分解して画像信号出力部60に供給する。
【0029】
画像1(第1の画像信号)は、元画像(1フレーム中の画像信号)の偶数列・偶数行を省いた画像信号であり、画像2(第2の画像信号)は、奇数列・偶数行を省いた画像信号であり、画像3(第3の画像信号)は、奇数列・奇数行を省いた画像信号であり、画像4(第4の画像信号)は、偶数列・奇数行を省いた画像信号である。
【0030】
画像信号出力部60は、液晶パネル40内に設けられた信号線に毎に電圧を印加するように、画像データとアドレスを出力するものである。この画像信号出力部60は、制御回路70の制御信号に基づいて、画像信号処理部50からの所定の画像データ、例えば、画像1、画像2、画像3、画像4を所定のタイミングで出力する。これにより、高密度画像が合成される。
【0031】
制御部70は、液晶パネル40の振動位置に応じて所定の画像信号を供給するように画像信号出力部60を制御するものである。また、制御部70は、振動モータ30の回転、例えば回転の開始、停止、および回転速度等も制御でき、かつ回転データを取得し、これらに基づいて液晶パネル40の振動位置に応じて所定の画像信号を供給するように画像信号出力部60を制御する。
【0032】
図6は、振動位置に応じて所定の画像信号を供給する例を示す図である。図6に示すように、液晶パネル40の表示画素が初始位置(第1位置)にあるとき、画像1(第1の画像信号)を供給する。また、液晶パネル40が初始位置から90度の角度を移動し、初始位置と同じ水平位置(即ち、第2位置)にあるとき、画像2(第2の画像信号)を供給する。また、液晶パネル40が180度の角度を移動し、初始位置の対向位置(即ち、第3位置)にあるとき、画像3(第3の画像信号)を供給する。液晶パネル40が270度の角度を移動し、初始位置と同じ垂直位置(即ち、第4位置)にあるとき、画像4(第4の画像信号)を供給する。これにより、1/4の表示面積に元画像と同じ画素数を表示できる。
【0033】
なお、映像信号の垂直走査線数が液晶パネルの垂直方向の画素数より少ない場合においても画像が正常に表示できるように、制御部70で映像信号の非映像信号期間を検出し、画像信号出力部60に制御信号を送る。画像信号出力部60はこの制御信号によって、垂直走査クロック信号と水平走査クロック信号の走査周波数を通常の映像信号期間における走査周波数に対して高くして液晶パネル40の駆動を行うことが可能である。
【0034】
続いて、ディスプレイ装置100を用いて画像を表示する方法について説明する。
【0035】
ディスプレイ装置100を用いて画像を表示する際に、まず、図5に示すように、画像信号処理部50で、元画像を、画像1、画像2、画像3、画像4に分解処理する。次に、振動モータ30により液晶パネル40を回転半径r=P√2/4で円振動させる(図3参照)。
【0036】
次に、制御部70により、液晶パネル40の振動位置に応じて所定の画像信号を供給する。例えば、図4に示すように、液晶パネル40の表示画素が第1位置にあるとき、画像1(第1の画像信号)を供給する。また、液晶パネル40が初始位置から90度の角度を移動し、第2位置にあるとき、画像2(第2の画像信号)を供給する。また、液晶パネル40が180度の角度を移動し、第3位置にあるとき、画像3(第3の画像信号)を供給する。液晶パネル40が270度の角度を移動し、第4位置にあるとき、画像4(第4の画像信号)を供給する(図6参照)。
【0037】
このように本実施の形態において、ディスプレイ装置100は、設置台10と、支持部20と、振動駆動手段としての振動モータ30と、表示手段としての液晶パネル40と、画像信号処理部50と、信号供給手段としての画像信号出力部60と、表示制御手段としての制御部70とから構成され、画像を表示する際に、液晶パネル40を回転半径r=P√2/4で円振動させると同時に、液晶パネル40の表示画素が初始位置にあるとき、第1の画像信号を供給する。また、液晶パネル40が初始位置から90度の角度を移動し、表示画素が初始位置と同じ水平位置にあるとき、第2の画像信号を供給する。また、液晶パネル40が180度の角度を移動し、初始位置の対向位置にあるとき、第3の画像信号を供給する。液晶パネル40が270度の角度を移動し、初始位置と同じ垂直位置にあるとき、第4の画像信号を供給するようになされる。
【0038】
これにより、表示素子の構成を変更することなく、低コストで解像度を向上させ、画像表示の高精細化を図ることができる。
【0039】
また、液晶パネル40が回転半径r=P√2/4で円振動するため、画素と画素の隙間を利用して4倍の密度で表示することができると共に、振動駆動手段にかかるエネルギーが少なく、効率的に振動することができ、また、表示手段に不要な振動を与えず、安定した画像を表示することができる。
【0040】
以下、第2の実施の形態の表面検査装置について説明する。図7は、第2の実施の形態のディスプレイ装置200の構成を示す概略図である。
【0041】
図7に示すように、ディスプレイ装置200は、設置台10と、支持部20と、表示手段としての液晶パネル40と、振動駆動手段として電磁アクチュエータ80と、画像信号処理部50と、信号供給手段としての画像信号出力部60と、表示制御手段としての制御部90とから構成されている。
【0042】
設置台10と、支持部20と、表示手段としての液晶パネル40と、画像信号処理部50と、信号供給手段としての画像信号出力部60とは、上述したディスプレイ装置100の構成と同じ構成を有する。その詳細説明を省略する。また、ディスプレイ装置200を用いた画像表示方法は上記ディスプレイ装置100を用いた方法と同様である。
【0043】
なお、この場合、電磁アクチュエータ80で液晶パネル40を振動させるために、液晶パネル40の周辺フレームの中には磁気性材料を設けられている。
【0044】
電磁アクチュエータ80は、電磁石M1、M2、M3、M4を備える。これらの電磁石M1、M2、M3、M4は、液晶パネル40の周辺に配置され、液晶パネル40との間に所定間隔Sを設けている。この電磁アクチュエータ80は制御部90により制御され、液晶パネル40を、図7中の4つの矢印Xで示されるように、まず、元の位置(第1位置)から右方にP/2の距離を移動して第2位置とし、次に、下方にP/2の距離を移動して第3位置とし、次に、左方にP/2の距離を移動して第4位置とし、そして、上方にP/2の距離を移動し元の位置に戻す。このように循環振動させる。
【0045】
なお、電磁アクチュエータ80は、液晶パネル40を円振動させるようにしてもよい。また、電磁アクチュエータ80は、液晶パネル40の背面に配置するようにしてもよい。
【0046】
ディスプレイ装置200を用いて画像を表示する際に、ディスプレイ装置100を用いて画像を表示する方法と同様に、まず、図5に示すように、画像信号処理部50で、元画像を、画像1、画像2、画像3、画像4に分解処理する。次に、振動モータ30により液晶パネル40を上述したように、右、下、左、上の順に移動(振動)させる。
【0047】
次に、制御部90により、液晶パネル40の振動位置に応じて所定の画像信号を供給する。例えば、図4に示すように、液晶パネル40の表示画素が第1位置にあるとき、画像1(第1の画像信号)を供給する。また、液晶パネル40が第2位置にあるとき、画像2(第2の画像信号)を供給する。また、液晶パネル40が第3位置にあるとき、画像3(第3の画像信号)を供給する。液晶パネル40が第4位置にあるとき、画像4(第4の画像信号)を供給する(図6参照)。
【0048】
このように本実施の形態において、ディスプレイ装置200は、設置台10と、支持部20と、振動駆動手段としての電磁アクチュエータ80と、表示手段としての液晶パネル40と、画像信号処理手段50と、信号供給手段としての画像信号出力回路60と、表示制御手段としての制御部90とから構成され、画像を表示する際に、液晶パネル40を4つの位置で循環振動させると同時に、液晶パネル40の表示画素が初始位置(第1位置)にあるとき、第1の画像信号を供給する。また、液晶パネル40が第2位置にあるとき、第2の画像信号を供給する。また、液晶パネル40が第3位置にあるとき、第3の画像信号を供給する。液晶パネル40が第4位置にあるとき、第4の画像信号を供給するようになされる。
【0049】
これにより、表示素子の構成を変更することなく、低コストで解像度を向上させ、画像表示の高精細化を図ることができる。
【0050】
なお、上述の第1、2の実施の形態においては、液晶パネル40を円振動させるものと直交する二方向に振動(四角振動)させるものを説明したが、これに限定されるものではない。例えば、液晶パネル40を映像信号の走査タイミングに同期して、表示平面において上下振動(往復運動)、または左右振動(往復運動)のみをさせ、所定位置に位置するとき所定の画像信号を供給するようにしてもよい。
【0051】
また、上述の第1、2の実施の形態においては、表示手段として液晶パネル40を例として説明したが、これに限定されるものではない。プラズマディスプレイ(PDP)、LEDパネルなどディスプレイ装置にもこの発明を適用できる。
【0052】
また、上述の第1、2の実施の形態においては、振動駆動手段として振動モータ30または電磁アクチュエータ80を用いた例について説明したが、これに限定されるものではない。他の振動駆動手段を用いてもよい。例えば、圧電素子などを用いてもよい。
【0053】
また、上述の第1、2の実施の形態においては、振動駆動手段として振動モータ30または電磁アクチュエータ80を液晶パネル40の外側に設けたものについて説明したが、これに限定されるものではない。振動駆動手段を液晶パネル40のケース内に設けるようにしてもよい。この場合、液晶パネル40の液晶素子のみ振動することになる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係るディスプレイ装置および画像表示方法は、大型のLED広告表示装置から携帯電話のディスプレイまで利用できる。また液晶プロジェクター等表示装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】第1の実施の形態のディスプレイ装置100の構成を示す概略図である。
【図2】ディスプレイ装置100の正面を示す図である。
【図3】A部の拡大図および円振動半径を示す図である。
【図4】画像処理方法を説明する図である。
【図5】画像の分解方法を説明する図である。
【図6】振動位置に応じて所定の画像信号を供給する例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態のディスプレイ装置200の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0056】
10 設置台
20 支持部
30 振動モータ
31 偏心軸
40 液晶パネル
41 取付部
50 画像信号処理部
60 画像信号出力部
70,90 制御部
80 電磁アクチュエータ
100,200 ディスプレイ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の画素がマトリクス状に配列された表示手段を有し、供給される画像信号に応じた画像を表示するディスプレイ装置において、
前記表示手段を該表示手段の画像表示平面上に所定範囲で振動させる振動駆動手段と、
前記表示手段に画像信号を供給する信号供給手段と、
前記表示手段の振動位置に応じて所定の画像信号を供給する表示制御手段とを備えることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
前記振動駆動手段は、前記表示手段をドットピッチの√2/4の半径で円運動させ、
前記表示制御手段は、前記表示手段の中心が前記半径の円に沿って移動する際に、前記表示手段が初始位置にあるとき、第1の画像信号を供給し、前記表示手段が初始位置から90度の角度を移動し、初始位置と同じ水平位置にあるとき、第2の画像信号を供給し、前記表示手段が180度の角度を移動し、初始位置の対向位置にあるとき、第3の画像信号を供給し、前記表示手段が270度の角度を移動した位置にあるとき、第4の画像信号を供給することを特徴とする請求項1記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記第1の画像信号は、1フレーム中の画像信号の偶数列・偶数行を省いた画像信号であり、前記第2の画像信号は、奇数列・偶数行を省いた画像信号であり、前記第3の画像信号は、奇数列・奇数行を省いた画像信号であり、前記第4の画像信号は、偶数列・奇数行を省いた画像信号であることを特徴とする請求項2記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記振動駆動手段は、振動モータまたは電磁アクチュエータからなることを特徴とする請求項1ないし3記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
多数の画素がマトリクス状に配列された表示手段と、前記表示手段を該表示手段の画像表示平面上に所定範囲で振動させる振動駆動手段と、前記表示手段に画像信号を供給する信号供給手段と、前記表示手段の振動位置に応じて所定の画像信号を供給する表示制御手段とを備えるディスプレイ装置を用いた画像表示方法において、
前記振動駆動手段により表示手段をドットピッチの√2/4の半径で円運動させ、前記表示制御手段により、表示手段の中心が前記半径の円に沿って移動する際に、前記表示手段が初始位置にあるとき、第1の画像信号を供給し、前記表示手段が初始位置から90度の角度を移動し、初始位置と同じ水平位置にあるとき、第2の画像信号を供給し、前記表示手段が180度の角度を移動し、初始位置の対向位置にあるとき、第3の画像信号を供給し、前記表示手段が270度の角度を移動した位置にあるとき、第4の画像信号を供給することを特徴とする画像表示方法。
【請求項6】
前記第1の画像信号は、1フレーム中の画像信号の偶数列・偶数行を省いた画像信号であり、前記第2の画像信号は、奇数列・偶数行を省いた画像信号であり、前記第3の画像信号は、奇数列・奇数行を省いた画像信号であり、前記第4の画像信号は、偶数列・奇数行を省いた画像信号であることを特徴とする請求項5記載の画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−268677(P2008−268677A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−113591(P2007−113591)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(507133474)
【Fターム(参考)】