デザイン評価、デザイン最適化を支援するシステム、及びプログラム
【課題】デザインからユーザが受けた印象について、評価を収集し、目標に即したデザインへの修正を可能にする
【解決手段】デザイン制作の目標となる点を設定し、ユーザの評価との乖離度を確認でき、複数の観点から群化されたユーザ群の評価を参照しながら、目標となる点への具体的なアプローチ方法を確認する事によって、上記課題を解決できる。
【解決手段】デザイン制作の目標となる点を設定し、ユーザの評価との乖離度を確認でき、複数の観点から群化されたユーザ群の評価を参照しながら、目標となる点への具体的なアプローチ方法を確認する事によって、上記課題を解決できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実際に制作されたデザイン対してユーザが受ける印象を収集し、目標に即したデザイン制作を可能にするデザイン制作支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業のマーケティング上の表現戦略として、企業のウェブサイトおよび商品のプロモーションのためのウェブサイト、動画、ポスター、販促物等の中で使用されるデザインは、ユーザが企業や商品に対して受ける印象に大きく影響を与える。そのため、デザイン制作においては、デザインがユーザに与える印象を媒体毎の表現戦略上の目標に即した形で表現する必要がある。
【0003】
マーケティング戦略において、どの媒体に出稿するかという媒体戦略および媒体毎にどういった表現をするかという表現戦略は非常に重要な意味を持つ(図1)。そのうち、ウェブサイトという媒体の表現戦略について考えると、ウェブサイトの制作プロセスにおいて、ユーザが求める情報を適切にウェブサイト上に配置するために情報設計が行われる。その中で、実際にユーザが使いやすいかどうかはユーザビリティ評価によって、検証される。ユーザビリティ評価は、実際にウェブサイトを利用するユーザにウェブサイトの構造・骨格のみを定義した試作品段階のウェブサイト(ブラウザ上で実行されるウェブサイトではなく紙面に記載した表現である場合)を使ってもらい、評価を収集するプロセスが存在する。ユーザビリティ評価では、その評価に応じて、構造・骨格に対し必要な修正を行い、ウェブサイトの構造・骨格を最終決定し、次の段階に進むプロセスが存在する(図2)。一方、最終的に制作されるデザインはウェブサイトの表層を表すものであるが、デザイン評価においては、実際にウェブサイトを利用する事が想定されるユーザによる評価を経ずに、デザイン制作の依頼主であるクライアントがデザインを評価し、最終決定を行う場合が多い(図3)。
【0004】
だが、ウェブサイトの構造・骨格の策定後、表層としてデザインが制作される際、そのデザインが表現戦略上の目標に即しているかどうか、そしてユーザに与える印象がユーザの期待を満足させるデザインであるかどうかは、現状のプロセスでは計り得ない。そのため、デザインを客観的で定量的および定性的な評価を収集するシステムが必要である。
【0005】
特許文献1には、ユーザーの属性に応じた嗜好評価パターンを適用し、ユーザーの選択した選択肢を独自のマッチング技術を用いて基準印象マップに対応する印象の領域を割り当て、表示し、デザイン制作の目標とすべき印象も合わせて基準印象マップに上に表示し、印象の比較を行う事ができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許公開2007−279924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載の技術では、ユーザーが選択した選択肢を基準印象マップ上の対応する印象の領域にマッチングさせる際、属性に応じた嗜好評価パターンを適用する事によって、各印象軸により表される評価値に対して重み付けを適用する。
【0008】
一方、近年は消費者の価値観やライフスタイルが多様化し、属性毎に標準的な嗜好評価パターンを設定する事が難しくなってきている。
【0009】
加えて、上記従来技術では、目標の印象とユーザが評価した印象に乖離が発生した場合、乖離が発生したユーザに対して、個別または群として具体的にどういう評価が為されたのかを確認する事ができない。そのため、乖離がある事は分かったとしても、具体的にどういう改善をすれば目標とするデザインに近づける事ができるかは、やはりデザイナーの力量に依存してしまう面があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記技術の課題を鑑み、デザイン評価においてユーザの評価を直接的に取り入れ、目標とするデザインへ近づけるための具体的な情報を提供するデザイン制作支援装置およびデザイン制作支援プログラムを提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、デザインに対する質問への目標を設定する手段と、前記質問に対するユーザの評価を含む情報を選択又は入力する手段と、前記ユーザの利用環境を収集する手段と、前記情報入力する際の行動履歴を収集する手段と、ユーザを群として群化する手段と、前記入力された目標とユーザの評価の差異を算出する手段と、記憶されている情報から検索条件を満たす情報を検索する手段と、前記検索された情報に基づいて、評価結果を出力する手段と、を備えた事を特徴とするデザイン制作支援システムである。
【0012】
上記本発明のデザイン制作支援システムは、コンピュータにおいてデザイン制作支援プログラムを実行することにより、実現する事ができる。すなわち、コンピュータを、デザインに対する質問への目標を設定する手段と、前記質問に対するユーザの評価を含む情報を選択又は入力する手段と、前記ユーザの利用環境を収集する手段と、前記情報入力する際の行動履歴を収集する手段と、ユーザを群として群化する手段と、前記入力された目標とユーザの評価の差異を算出する手段と、記憶されている情報から検索条件を満たす情報を検索する手段と、前記検索された情報に基づいて、評価結果を出力する手段と、を備えた事を特徴とするデザイン制作支援プログラムにより実現する事ができる。
【0013】
以上の発明によれば、制作されたデザインの印象を評価する際に、デザイン制作の目標に対するユーザの印象との乖離や群毎の評価傾向を比較する事が容易となる。また、群毎の評価傾向を参照した後、更に具体的にどういった評価がなされているのかを視覚的、定量的、定性的に判断する事が容易となり、表現戦略策定時の目標に近づけるためにデザインの何を修正すべきかを明確に把握できるようになり、客観的な要素を持って目標とするデザインに近づける事が可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、デザイン制作上の目標に対し、ユーザ評価の集積による乖離度の確認および具体的指摘内容から目標となる点への修正方法の把握が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態におけるマーケティング戦略のプロセスを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における情報設計プロセスを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における表現戦略プロセスを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるデザイン制作支援システムの装置構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるデザイン制作支援システムの装置内の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるデザイン制作支援プログラムのフローを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における調査設定部のフローを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における単一選択形式の質問形式の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における複数選択形式の質問形式の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態におけるSD法形式の質問形式の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における2次元マッピング形式の質問形式の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態におけるデザインの特定箇所への直接的なフィードバック形式の質問形式の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態における単一選択形式の質問に対するゴール設定形式の一例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における複数選択形式の質問に対するゴール設定形式の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態におけるSD法形式の質問に対するゴール設定形式の一例を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態における2次元マッピング形式の質問に対するゴール設定形式の一例を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態におけるデザインの特定箇所への直接的なフィードバック形式の質問に対するゴール設定形式の一例を示す図である。
【図18】評価収集の処理部のフローを示す図である。
【図19】個人又は群毎の属性ならびに評価の群化にする処理部のフローを示す図である。
【図20】目標とその評価の差異又は乖離度に係る目標差異算出する処理部のフローを示す図である。
【図21】本発明の実施の形態における質問形式判定のフローを示す図である。
【図22】本発明の実施の形態における単一選択形式の質問に対する目標差異計算処理のフローの一例を示す図である。
【図23】本発明の実施の形態における複数選択形式の質問に対する目標差異計算処理のフローの一例を示す図である。
【図24】本発明の実施の形態におけるSD法形式の質問に対する目標差異計算処理のフローの一例を示す図である。
【図25】本発明の実施の形態における2次元マッピング形式の質問に対する目標差異計算処理のフローの一例を示す図である。
【図26】本発明の実施の形態におけるデザインの特定箇所への直接的なフィードバック形式の質問に対する目標差異計算処理のフローの一例を示す図である。
【図27】本発明の実施の形態における単一選択形式の質問に対する目標差異表示形式の一例を示す図である。
【図28】本発明の実施の形態における複数選択形式の質問に対する目標差異表示形式の一例を示す図である。
【図29】本発明の実施の形態におけるSD法形式の質問に対する目標差異表示形式の一例を示す図である。
【図30】本発明の実施の形態における2次元マッピング形式の質問に対する目標差異表示形式の一例を示す図である。
【図31】本発明の実施の形態におけるデザインの特定箇所への直接的なフィードバック形式の質問に対する目標差異表示形式の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.装置構成
本発明の実施の形態におけるデザイン制作支援システムを図4に示す。このように、バックエンドサーバ1とクライアント端末2a、2b・・・の間が、ルーター3a、3b、・・・からインターネット4を経由して、ルーター3zを経由し、情報伝達が可能な状態となっている。
【0018】
バックエンドサーバは、図5のように、処理部1、処理記憶部2、永続記憶部3、入力部4、出力部5、ネットワークインターフェース部6、1から6を取り扱うオペレーティングシステム部7から基本的に構成される。
【0019】
処理部1は、永続記憶部3に保存されているデザイン制作支援プログラムを処理記憶部2に読み込み、実行する。
【0020】
処理記憶部2は、処理部1が処理を実行するために必要な情報を保持する。処理記憶部2にはメモリと呼ばれる半導体が用いられる。
【0021】
永続記憶部3は、処理部1の命令に応じた情報をオペレーティングシステム部7を介して処理記憶部2へ読み込まれる情報を保持する。永続記憶部3にはメモリと呼ばれる半導体の他ハードディスク、光学ディスク、磁気テープなどが用いられる。
【0022】
入力部4は、処理部1の命令に応じてユーザが入力した情報をオペレーティングシステム部7を介して処理記憶部2へ読み込む。入力部4にはキーボード、マウス、ポインティングデバイスなどが用いられる
【0023】
出力部5は、処理部1にて処理した結果を示す出力画面及び入力部4にて入力すべき情報を提示する入力指示画面などを表示する。出力部5には電子ディスプレイ、プリンターなどが用いられる。
【0024】
クライアント端末2a、2b、・・・2zもバックエンドサーバと同様の構成を成す。
2.デザイン制作支援方法
【0025】
本発明の実施の形態におけるデザイン制作支援プログラムを図6に示す。このように各プロセスは質問設定又は目標設定又はユーザー設定に係る調査設定部100、評価収集又は利用環境収集に係る情報収集部200、個人又は群毎の属性ならびに評価の群化に係る属性部300、目標と評価の差異に係る目標差異算出部400からなる。
【0026】
質問設定又は目標設定又はユーザー設定に係る調査設定部100では、ユーザーの属性を特定するための質問又は表現戦略を達成するデザインになっているかを確認するための質問を質問設定部101により設定し、質問保持部102により保持する(図7)。質問形式は単一選択(図8)、複数選択(図9)、SD法(図10)、2次元マッピング(図11)、デザインの特定箇所への直接的なフィードバック(図12)など複数考えられる。また、表現戦略を達成するでデザインになっているかを確認するための目標を目標設定部110により設定し、目標保持部111により保持する(図7)。目標設定方法も質問形式に応じて単一選択(図13)、複数選択(図14)、SD法(図15)、2次元マッピング(図16)、デザインの特定箇所への直接的なフィードバック(図17)などの例のように、それぞれ考えられる。質問に回答又は評価するユーザーに関しては、マーケティング戦略上のターゲットに限らないユーザーをユーザー設定部120により設定し、ユーザー設定保持部121により保持する(図7)。
【0027】
評価収集又は利用環境収集に係る情報収集部200では、表現戦略を達成するデザインになっているかを確認するための質問に対する回答としての評価ならびに無意識な行動上の評価(第一位選択や選択への逡巡時間など)又はユーザーの利用環境を収集するため、回答表示部201により画面を表示し、前記回答としての評価を評価情報収集部210により収集し、並びに行動上の評価を行動情報収集部220により収集し、それぞれ属性保持部301にて保持する(図18)。
【0028】
個人又は群毎の属性ならびに評価の群化に係る属性部300では、属性(性別、住所、収入、職業など)、目標との乖離度、評価傾向、利用環境、行動履歴などが属性保持部301により保持され、これらの少なくとも1種で共通点を持ったユーザを群として群化処理部302により群化される(図19)。群化された際の所属群情報は新たに属性として属性保持部301に追加される。前記群化の方法に関しては、既知のピアソンの積率相関係数による相関並びに因子分析又は主成分分析など多変量解析並びに並びにウォード法などによるクラスタ分析により群化を行い、群としての情報を保持する。
【0029】
目標と評価の差異に係る目標差異算出部400では、表現戦略を達成するデザインになっているかを確認するため、目標とその評価の差異又は乖離度を目標差異算出処理部401により処理する(図20)。目標差異算出処理は質問形式に応じて適した形で処理される。この処理方法について、まず図21の通り、質問形式判定410により質問形式、目標情報、評価情報を取得した上で質問形式を判定する。次に、それぞれの質問形式によって、目標差異の算出を行う。目標差異の算出は、質問形式に応じて単一選択(図22)、複数選択(図23)、SD法(図24)、2次元マッピング(図25)、デザインの特定箇所への直接的なフィードバック(図26)などそれぞれ考えられる。
【0030】
目標差異算出処理部401により算出された差異を目標差異表示部402により出力、表示する。目標差異表示方法も質問形式に応じて単一選択(図27)、複数選択(図28)、SD法(図29)、2次元マッピング(図30)、デザインの特定箇所への直接的なフィードバック(図31)などそれぞれ考えられる。
【産業上の利用可能性】
・ウェブサイトに用いる表現がターゲットユーザーに受け入れられるか確認する時
・広告に用いる表現がターゲットユーザーに受け入れられるか確認する時
【技術分野】
【0001】
本発明は、実際に制作されたデザイン対してユーザが受ける印象を収集し、目標に即したデザイン制作を可能にするデザイン制作支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業のマーケティング上の表現戦略として、企業のウェブサイトおよび商品のプロモーションのためのウェブサイト、動画、ポスター、販促物等の中で使用されるデザインは、ユーザが企業や商品に対して受ける印象に大きく影響を与える。そのため、デザイン制作においては、デザインがユーザに与える印象を媒体毎の表現戦略上の目標に即した形で表現する必要がある。
【0003】
マーケティング戦略において、どの媒体に出稿するかという媒体戦略および媒体毎にどういった表現をするかという表現戦略は非常に重要な意味を持つ(図1)。そのうち、ウェブサイトという媒体の表現戦略について考えると、ウェブサイトの制作プロセスにおいて、ユーザが求める情報を適切にウェブサイト上に配置するために情報設計が行われる。その中で、実際にユーザが使いやすいかどうかはユーザビリティ評価によって、検証される。ユーザビリティ評価は、実際にウェブサイトを利用するユーザにウェブサイトの構造・骨格のみを定義した試作品段階のウェブサイト(ブラウザ上で実行されるウェブサイトではなく紙面に記載した表現である場合)を使ってもらい、評価を収集するプロセスが存在する。ユーザビリティ評価では、その評価に応じて、構造・骨格に対し必要な修正を行い、ウェブサイトの構造・骨格を最終決定し、次の段階に進むプロセスが存在する(図2)。一方、最終的に制作されるデザインはウェブサイトの表層を表すものであるが、デザイン評価においては、実際にウェブサイトを利用する事が想定されるユーザによる評価を経ずに、デザイン制作の依頼主であるクライアントがデザインを評価し、最終決定を行う場合が多い(図3)。
【0004】
だが、ウェブサイトの構造・骨格の策定後、表層としてデザインが制作される際、そのデザインが表現戦略上の目標に即しているかどうか、そしてユーザに与える印象がユーザの期待を満足させるデザインであるかどうかは、現状のプロセスでは計り得ない。そのため、デザインを客観的で定量的および定性的な評価を収集するシステムが必要である。
【0005】
特許文献1には、ユーザーの属性に応じた嗜好評価パターンを適用し、ユーザーの選択した選択肢を独自のマッチング技術を用いて基準印象マップに対応する印象の領域を割り当て、表示し、デザイン制作の目標とすべき印象も合わせて基準印象マップに上に表示し、印象の比較を行う事ができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許公開2007−279924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載の技術では、ユーザーが選択した選択肢を基準印象マップ上の対応する印象の領域にマッチングさせる際、属性に応じた嗜好評価パターンを適用する事によって、各印象軸により表される評価値に対して重み付けを適用する。
【0008】
一方、近年は消費者の価値観やライフスタイルが多様化し、属性毎に標準的な嗜好評価パターンを設定する事が難しくなってきている。
【0009】
加えて、上記従来技術では、目標の印象とユーザが評価した印象に乖離が発生した場合、乖離が発生したユーザに対して、個別または群として具体的にどういう評価が為されたのかを確認する事ができない。そのため、乖離がある事は分かったとしても、具体的にどういう改善をすれば目標とするデザインに近づける事ができるかは、やはりデザイナーの力量に依存してしまう面があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記技術の課題を鑑み、デザイン評価においてユーザの評価を直接的に取り入れ、目標とするデザインへ近づけるための具体的な情報を提供するデザイン制作支援装置およびデザイン制作支援プログラムを提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、デザインに対する質問への目標を設定する手段と、前記質問に対するユーザの評価を含む情報を選択又は入力する手段と、前記ユーザの利用環境を収集する手段と、前記情報入力する際の行動履歴を収集する手段と、ユーザを群として群化する手段と、前記入力された目標とユーザの評価の差異を算出する手段と、記憶されている情報から検索条件を満たす情報を検索する手段と、前記検索された情報に基づいて、評価結果を出力する手段と、を備えた事を特徴とするデザイン制作支援システムである。
【0012】
上記本発明のデザイン制作支援システムは、コンピュータにおいてデザイン制作支援プログラムを実行することにより、実現する事ができる。すなわち、コンピュータを、デザインに対する質問への目標を設定する手段と、前記質問に対するユーザの評価を含む情報を選択又は入力する手段と、前記ユーザの利用環境を収集する手段と、前記情報入力する際の行動履歴を収集する手段と、ユーザを群として群化する手段と、前記入力された目標とユーザの評価の差異を算出する手段と、記憶されている情報から検索条件を満たす情報を検索する手段と、前記検索された情報に基づいて、評価結果を出力する手段と、を備えた事を特徴とするデザイン制作支援プログラムにより実現する事ができる。
【0013】
以上の発明によれば、制作されたデザインの印象を評価する際に、デザイン制作の目標に対するユーザの印象との乖離や群毎の評価傾向を比較する事が容易となる。また、群毎の評価傾向を参照した後、更に具体的にどういった評価がなされているのかを視覚的、定量的、定性的に判断する事が容易となり、表現戦略策定時の目標に近づけるためにデザインの何を修正すべきかを明確に把握できるようになり、客観的な要素を持って目標とするデザインに近づける事が可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、デザイン制作上の目標に対し、ユーザ評価の集積による乖離度の確認および具体的指摘内容から目標となる点への修正方法の把握が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態におけるマーケティング戦略のプロセスを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における情報設計プロセスを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における表現戦略プロセスを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるデザイン制作支援システムの装置構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるデザイン制作支援システムの装置内の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるデザイン制作支援プログラムのフローを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における調査設定部のフローを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における単一選択形式の質問形式の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における複数選択形式の質問形式の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態におけるSD法形式の質問形式の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における2次元マッピング形式の質問形式の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態におけるデザインの特定箇所への直接的なフィードバック形式の質問形式の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態における単一選択形式の質問に対するゴール設定形式の一例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における複数選択形式の質問に対するゴール設定形式の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態におけるSD法形式の質問に対するゴール設定形式の一例を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態における2次元マッピング形式の質問に対するゴール設定形式の一例を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態におけるデザインの特定箇所への直接的なフィードバック形式の質問に対するゴール設定形式の一例を示す図である。
【図18】評価収集の処理部のフローを示す図である。
【図19】個人又は群毎の属性ならびに評価の群化にする処理部のフローを示す図である。
【図20】目標とその評価の差異又は乖離度に係る目標差異算出する処理部のフローを示す図である。
【図21】本発明の実施の形態における質問形式判定のフローを示す図である。
【図22】本発明の実施の形態における単一選択形式の質問に対する目標差異計算処理のフローの一例を示す図である。
【図23】本発明の実施の形態における複数選択形式の質問に対する目標差異計算処理のフローの一例を示す図である。
【図24】本発明の実施の形態におけるSD法形式の質問に対する目標差異計算処理のフローの一例を示す図である。
【図25】本発明の実施の形態における2次元マッピング形式の質問に対する目標差異計算処理のフローの一例を示す図である。
【図26】本発明の実施の形態におけるデザインの特定箇所への直接的なフィードバック形式の質問に対する目標差異計算処理のフローの一例を示す図である。
【図27】本発明の実施の形態における単一選択形式の質問に対する目標差異表示形式の一例を示す図である。
【図28】本発明の実施の形態における複数選択形式の質問に対する目標差異表示形式の一例を示す図である。
【図29】本発明の実施の形態におけるSD法形式の質問に対する目標差異表示形式の一例を示す図である。
【図30】本発明の実施の形態における2次元マッピング形式の質問に対する目標差異表示形式の一例を示す図である。
【図31】本発明の実施の形態におけるデザインの特定箇所への直接的なフィードバック形式の質問に対する目標差異表示形式の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.装置構成
本発明の実施の形態におけるデザイン制作支援システムを図4に示す。このように、バックエンドサーバ1とクライアント端末2a、2b・・・の間が、ルーター3a、3b、・・・からインターネット4を経由して、ルーター3zを経由し、情報伝達が可能な状態となっている。
【0018】
バックエンドサーバは、図5のように、処理部1、処理記憶部2、永続記憶部3、入力部4、出力部5、ネットワークインターフェース部6、1から6を取り扱うオペレーティングシステム部7から基本的に構成される。
【0019】
処理部1は、永続記憶部3に保存されているデザイン制作支援プログラムを処理記憶部2に読み込み、実行する。
【0020】
処理記憶部2は、処理部1が処理を実行するために必要な情報を保持する。処理記憶部2にはメモリと呼ばれる半導体が用いられる。
【0021】
永続記憶部3は、処理部1の命令に応じた情報をオペレーティングシステム部7を介して処理記憶部2へ読み込まれる情報を保持する。永続記憶部3にはメモリと呼ばれる半導体の他ハードディスク、光学ディスク、磁気テープなどが用いられる。
【0022】
入力部4は、処理部1の命令に応じてユーザが入力した情報をオペレーティングシステム部7を介して処理記憶部2へ読み込む。入力部4にはキーボード、マウス、ポインティングデバイスなどが用いられる
【0023】
出力部5は、処理部1にて処理した結果を示す出力画面及び入力部4にて入力すべき情報を提示する入力指示画面などを表示する。出力部5には電子ディスプレイ、プリンターなどが用いられる。
【0024】
クライアント端末2a、2b、・・・2zもバックエンドサーバと同様の構成を成す。
2.デザイン制作支援方法
【0025】
本発明の実施の形態におけるデザイン制作支援プログラムを図6に示す。このように各プロセスは質問設定又は目標設定又はユーザー設定に係る調査設定部100、評価収集又は利用環境収集に係る情報収集部200、個人又は群毎の属性ならびに評価の群化に係る属性部300、目標と評価の差異に係る目標差異算出部400からなる。
【0026】
質問設定又は目標設定又はユーザー設定に係る調査設定部100では、ユーザーの属性を特定するための質問又は表現戦略を達成するデザインになっているかを確認するための質問を質問設定部101により設定し、質問保持部102により保持する(図7)。質問形式は単一選択(図8)、複数選択(図9)、SD法(図10)、2次元マッピング(図11)、デザインの特定箇所への直接的なフィードバック(図12)など複数考えられる。また、表現戦略を達成するでデザインになっているかを確認するための目標を目標設定部110により設定し、目標保持部111により保持する(図7)。目標設定方法も質問形式に応じて単一選択(図13)、複数選択(図14)、SD法(図15)、2次元マッピング(図16)、デザインの特定箇所への直接的なフィードバック(図17)などの例のように、それぞれ考えられる。質問に回答又は評価するユーザーに関しては、マーケティング戦略上のターゲットに限らないユーザーをユーザー設定部120により設定し、ユーザー設定保持部121により保持する(図7)。
【0027】
評価収集又は利用環境収集に係る情報収集部200では、表現戦略を達成するデザインになっているかを確認するための質問に対する回答としての評価ならびに無意識な行動上の評価(第一位選択や選択への逡巡時間など)又はユーザーの利用環境を収集するため、回答表示部201により画面を表示し、前記回答としての評価を評価情報収集部210により収集し、並びに行動上の評価を行動情報収集部220により収集し、それぞれ属性保持部301にて保持する(図18)。
【0028】
個人又は群毎の属性ならびに評価の群化に係る属性部300では、属性(性別、住所、収入、職業など)、目標との乖離度、評価傾向、利用環境、行動履歴などが属性保持部301により保持され、これらの少なくとも1種で共通点を持ったユーザを群として群化処理部302により群化される(図19)。群化された際の所属群情報は新たに属性として属性保持部301に追加される。前記群化の方法に関しては、既知のピアソンの積率相関係数による相関並びに因子分析又は主成分分析など多変量解析並びに並びにウォード法などによるクラスタ分析により群化を行い、群としての情報を保持する。
【0029】
目標と評価の差異に係る目標差異算出部400では、表現戦略を達成するデザインになっているかを確認するため、目標とその評価の差異又は乖離度を目標差異算出処理部401により処理する(図20)。目標差異算出処理は質問形式に応じて適した形で処理される。この処理方法について、まず図21の通り、質問形式判定410により質問形式、目標情報、評価情報を取得した上で質問形式を判定する。次に、それぞれの質問形式によって、目標差異の算出を行う。目標差異の算出は、質問形式に応じて単一選択(図22)、複数選択(図23)、SD法(図24)、2次元マッピング(図25)、デザインの特定箇所への直接的なフィードバック(図26)などそれぞれ考えられる。
【0030】
目標差異算出処理部401により算出された差異を目標差異表示部402により出力、表示する。目標差異表示方法も質問形式に応じて単一選択(図27)、複数選択(図28)、SD法(図29)、2次元マッピング(図30)、デザインの特定箇所への直接的なフィードバック(図31)などそれぞれ考えられる。
【産業上の利用可能性】
・ウェブサイトに用いる表現がターゲットユーザーに受け入れられるか確認する時
・広告に用いる表現がターゲットユーザーに受け入れられるか確認する時
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デザインに対する質問への目標を設定する手段と、前記質問に対するユーザの評価を含む情報を選択又は入力する手段と、前記ユーザの利用環境を収集する手段と、前記情報入力する際の行動履歴を収集する手段と、ユーザを群として群化する手段と、前記入力された目標とユーザの評価の差異を算出する手段と、記憶されている情報から検索条件を満たす情報を検索する手段と、前記検索された情報に基づいて、評価結果を出力する手段と、を備えた事を特徴としたコンピュータ上で実行されるデザイン制作支援システム。
【請求項2】
前記目標設定手段は、質問に関連したデザインに対する目標を選択および入力および目標をデザイン上の領域にマッピングする手段と、を備えた事を特徴とする請求項1に記載のコンピュータ上で実行されるデザイン制作支援システム。
【請求項3】
前記情報入力手段は、質問に関連したデザインに対する印象を選択および入力および評価をデザイン上の領域にマッピングし、更にその評価と関連づけて評価コメントを入力する手段と、を備えた事を特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれかに記載のコンピュータ上で実行されるデザイン制作支援システム。
【請求項4】
前記群化手段は、属性(性別、住所、収入、職業など)、目標との乖離度、評価傾向、利用環境、行動履歴の少なくとも1種で共通点を持ったユーザを群として群化する手段と、を備えた事を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコンピュータ上で実行されるデザイン制作支援システム。
【請求項5】
前記評価差異算出手段は、選択肢、入力値、デザイン上にマッピングされた目標又はユーザ群のうちいずれかに対するユーザ又はユーザ群の評価の差異を算出する手段と、を備えた事を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のコンピュータ上で実行されるデザイン制作支援システム。
【請求項6】
前記評価結果表示手段は、請求項4に記載の群化手段を用い、群別にユーザの評価を表示する事、を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のコンピュータ上で実行されるデザイン制作支援システム。
【請求項7】
デザインに対する質問への目標を設定する手段と、前記質問に対するユーザの評価を含む情報を選択又は入力する手段と、前記ユーザの利用環境を収集する手段と、前記情報入力する際の行動履歴を収集する手段と、ユーザを群として群化する手段と、前記入力された目標とユーザの評価の差異を算出する手段と、記憶されている情報から検索条件を満たす情報を検索する手段と、前記検索された情報に基づいて、評価結果を出力する手段と、を備えた事を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のコンピュータ上で実行されるデザイン制作支援プログラム。
【請求項1】
デザインに対する質問への目標を設定する手段と、前記質問に対するユーザの評価を含む情報を選択又は入力する手段と、前記ユーザの利用環境を収集する手段と、前記情報入力する際の行動履歴を収集する手段と、ユーザを群として群化する手段と、前記入力された目標とユーザの評価の差異を算出する手段と、記憶されている情報から検索条件を満たす情報を検索する手段と、前記検索された情報に基づいて、評価結果を出力する手段と、を備えた事を特徴としたコンピュータ上で実行されるデザイン制作支援システム。
【請求項2】
前記目標設定手段は、質問に関連したデザインに対する目標を選択および入力および目標をデザイン上の領域にマッピングする手段と、を備えた事を特徴とする請求項1に記載のコンピュータ上で実行されるデザイン制作支援システム。
【請求項3】
前記情報入力手段は、質問に関連したデザインに対する印象を選択および入力および評価をデザイン上の領域にマッピングし、更にその評価と関連づけて評価コメントを入力する手段と、を備えた事を特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれかに記載のコンピュータ上で実行されるデザイン制作支援システム。
【請求項4】
前記群化手段は、属性(性別、住所、収入、職業など)、目標との乖離度、評価傾向、利用環境、行動履歴の少なくとも1種で共通点を持ったユーザを群として群化する手段と、を備えた事を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコンピュータ上で実行されるデザイン制作支援システム。
【請求項5】
前記評価差異算出手段は、選択肢、入力値、デザイン上にマッピングされた目標又はユーザ群のうちいずれかに対するユーザ又はユーザ群の評価の差異を算出する手段と、を備えた事を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のコンピュータ上で実行されるデザイン制作支援システム。
【請求項6】
前記評価結果表示手段は、請求項4に記載の群化手段を用い、群別にユーザの評価を表示する事、を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のコンピュータ上で実行されるデザイン制作支援システム。
【請求項7】
デザインに対する質問への目標を設定する手段と、前記質問に対するユーザの評価を含む情報を選択又は入力する手段と、前記ユーザの利用環境を収集する手段と、前記情報入力する際の行動履歴を収集する手段と、ユーザを群として群化する手段と、前記入力された目標とユーザの評価の差異を算出する手段と、記憶されている情報から検索条件を満たす情報を検索する手段と、前記検索された情報に基づいて、評価結果を出力する手段と、を備えた事を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のコンピュータ上で実行されるデザイン制作支援プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2012−178130(P2012−178130A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57194(P2011−57194)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(311008357)株式会社フォーデジット (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(311008357)株式会社フォーデジット (1)
【Fターム(参考)】
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