説明

デジタル−アナログ変換器、データ駆動回路、平板表示装置、そのデータ駆動方法

【課題】従来のDACに含まれるR-stringとデコーダとスイッチアレイとを除去でき、DACの後段に備えられる増幅部としてのアナログバッファを除去でき、よって、DACの回路面積及び消費電力を大幅に低減でき、収率及び画質を向上できるジタル−アナログ変換器、データ駆動回路、平板表示装置、そのデータ駆動方法を提供すること。
【解決手段】データライン344とダミーデータライン342との間の電荷共有により、入力されるデジタルデータに対応する階調電圧を生成する階調スケール生成部310と、前記階調スケール生成部310内に備えられた複数のスイッチに対応する動作制御信号を提供するスイッチング信号生成部330と、リファレンス電圧を生成して、前記階調スケール生成部310に提供するリファレンス電圧生成部320と、を含むことを特徴とする、デジタル−アナログ変換器が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル−アナログ変換器、データ駆動回路、平板表示装置、そのデータ駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、陰極線管(Cathode Ray Tube:CRT)の短所である重さと質量を減らすことのできる、各種の平板表示装置(Flat Panel Display:FPD)が開発されている。上記平板表示装置としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)、電界放出表示装置(Field Emission Display:FED)、プラズマ表示パネル(Plasma Display Panel:PDP)及び発光表示装置(Light Emitting Display:LED)などがある。
【0003】
このような平板表示装置は、一般に表示パネル、走査駆動回路、データ駆動回路を含む。また、走査駆動回路は、表示パネルに形成された複数の走査ラインに順次走査駆動信号を出力し、データ駆動回路は、表示パネルのデータラインにR、G、B映像信号を出力する。
【0004】
以下、平板表示装置に備えられる従来のデータ駆動回路の構成及び動作について説明する。
【0005】
図1は、従来のデータ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【0006】
ただし、データ駆動回路は、n個のチャンネルを有するものと仮定して説明する。
【0007】
図1に示すように、従来のデータ駆動回路は、シフトレジスタ部110と、サンプリングラッチ部120と、ホールディングラッチ部130と、デジタル−アナログ変換器(Digital−Analog Converter:DAC。以下、DACという。)140と、増幅部150とを含む。
【0008】
シフトレジスタ部110は、タイミング制御部(図示せず)からソースシフトクロック(SSC)及びソーススタートパルス(SSP)の供給を受ける。また、シフトレジスタ部110は、ソースシフトクロック(SSC)の1周期ごとにソーススタートパルス(SSP)をシフトさせながら、順次n個のサンプリング信号を生成する。そのために、シフトレジスタ部210は、n個のシフトレジスタを備える。
【0009】
サンプリングラッチ部120は、シフトレジスタ部110から順次供給されるサンプリング信号に応答してデータ(Data)を順次格納する。ここで、サンプリングラッチ部120は、n個のデジタルデータ(Data)を格納するために、n個のサンプリングラッチを備える。そして、それぞれのサンプリングラッチは、データ(Data)のビット数に対応する大きさを有する。例えば、データ(Data)がkビットから構成される場合は、サンプリングラッチのそれぞれは、kビットの大きさに設定される。
【0010】
ホールディングラッチ部130は、ソース出力イネーブル信号(SOE)が入力されるとき、サンプリングラッチ部120からデータを入力されて格納する。そして、ホールディングラッチ部130は、ソース出力イネーブル信号(SOE)が入力されるとき、格納したデータ(Data)をDAC140に供給する。ここで、ホールディングラッチ部130は、n個のデータを格納するために、n個のホールディングラッチを備える。また、それぞれのホールディングラッチは、データ(Data)のビット数に対応する大きさを有する。例えば、ホールディングラッチのそれぞれは、データ(Data)が格納されるようにkビットに設定される。
【0011】
DAC140は、入力されるデジタルデータ(Data)のビット値に対応するアナログ信号を生成する。また、DAC140は、ホールディングラッチ部130から供給されるデータ(Data)のビット値に対応して、複数の階調電圧のいずれか1つを選択することで、ビット値に対応するアナログデータ信号を生成する。
【0012】
増幅部150は、DAC140でアナログ信号に変換されたデータ(Data)を一定レベル電圧に増幅して、パネルのデータラインに出力する。
【0013】
このようなデータ駆動回路は、1水平周期中に1回のデータ出力が行う。すなわち、データ駆動回路は、1水平周期中にデジタルR、G、Bデジタルデータをサンプル・アンド・ホールディング(Sample & holding)した後に、これをアナログR、G、Bデータに変換し、一定レベルの電圧に増幅して出力する。しかし、データ駆動回路において、ホールディングラッチ部130がn番目のコラムラインに該当するR、G、Bデータをホールディングしていれば、サンプリングラッチ部120は、n+1番目のコラムラインに該当するR、G、Bデータをサンプリングする。
【0014】
図2は、図1に示した従来のDACを示すブロック図である。
【0015】
図2に示すように、従来のDAC140は、リファレンス電圧生成部142と、レベルシフタ144と、スイッチアレイ146と、を含む。
【0016】
DAC140は、正確な階調電圧の生成とガンマ補正のために、図2に示すように、R−string(R1、R2、…、Rn)が備えられたリファレンス電圧生成部142を用い、リファレンス電圧生成部142により生成された電圧を選択するためにロム(ROM)タイプのスイッチアレイ146を備える。
【0017】
また、DAC140は、サンプリングラッチ部(図1の120)及びホールディングラッチ部(図1の130)を介して入力されるデジタルデータに対応する電圧レベルを変換して、これをスイッチアレイ146に提供するレベルシフタ144が備えられる。
【0018】
【特許文献1】大韓民国特許公開第10−0375203号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかし、従来のDACによれば、R−stringの静電流(static current)により消費電力が増加してしまうという問題点がある。R−stringに流れる静電流を低減するために、大きい抵抗値を有するR−stringを設計し、各チャンネルに増幅部150としてアナログバッファを用いて、各データラインに所望の階調電圧を印加する方式が提案された。しかし、これもまたアナログバッファを構成するトランジスタの閾電圧及び移動度(mobility)が均一でない場合、チャンネル間の出力電圧の差により画質低下が生じるという問題点がある。
【0020】
また、6ビットのグレースケール(gray‐scale)を具現すると仮定する場合、64個もの階調電圧のいずれか1つの電圧を選択するために、6×64個のスイッチが各チャンネルに内蔵されなければならない。しかし、これは、回路面積を大きく増加させるという短所がある。従来のDACの場合、一般にDACの面積がデータ駆動回路面積の1/2以上を占めることになる。
【0021】
これは、グレースケールが増加するにつれ、さらに深刻になる。8ビットグレースケールを具現すると仮定すれば、DACの面積は6ビットに比べて、4倍以上増加してしまうという問題がある。
【0022】
近年、多結晶シリコンTFTを用いて基板上に駆動回路部などを画素部と共に集積するSOP(System On Panel)工程を適用する平板表示装置が提案されている。しかし、前述した従来のDACの短所とされる消費電力及び面積の問題や、増幅部としてのアナログバッファの性能具現の問題は、SOP工程の適用時にさらに大きな短所となる。
【0023】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、従来のDACに含まれるR-stringと、デコーダと、スイッチアレイとを除去でき、DACの後段に備えられる増幅部としてのアナログバッファを除去でき、よって、DACの回路面積及び消費電力を大幅に低減でき、収率及び画質を向上できる新規かつ改良されたデジタル−アナログ変換器、データ駆動回路、平板表示装置、そのデータ駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、データラインとダミーデータラインとの間の電荷共有により、入力されるデジタルデータに対応する階調電圧を生成する階調スケール生成部と、階調スケール生成部内に備えられた複数のスイッチに、動作制御信号を提供するスイッチング信号生成部と、リファレンス電圧を生成して階調スケール生成部に提供するリファレンス電圧生成部と、を含むことを特徴とする、デジタル−アナログ変換器が提供される。
【0025】
かかる構成により、まず、スイッチ信号生成部は、階調スケール生成部に備えられた複数のスイッチを制御する制御信号を生成する。同時に、リファレンス電圧生成部は、リファレンス電圧を生成する。生成された制御信号は、階調スケール生成部に備えられた複数のスイッチに伝達される。そして、複数のスイッチは、制御信号によってスイッチングが行われる。この制御信号によって階調スケール生成部内で行われるスイッチングは、入力データに対応したアナログ階調電圧を生成するように、行われる。このスイッチングにより、データライン及びダミーデータラインには、適宜リファレンス電圧が供給される。また、このスイッチングによって、データラインとダミーデータラインとの間で電荷共有が行われる。この電荷共有の結果、入力されるデジタルデータに対応したアナログ階調電圧を、データラインに生成することができる。よって、かかる構成によれば、従来のDACに含まれるR-stringと、デコーダと、スイッチアレイとを使用せずに、アナログ階調電圧を生成することができる。
【0026】
また、電荷共有は、データラインに存在する寄生キャパシタンス成分をホールディングキャパシタとして活用し、ダミーデータラインに存在する寄生キャパシタンス成分をサンプリングキャパシタとして活用して行われてもよい。
【0027】
また、階調スケール生成部は、ダミーデータラインに存在する寄生キャパシタンス成分によるサンプリングキャパシタと、データラインに存在する寄生キャパシタンス成分によるホールディングキャパシタと、入力されるデジタルデータの各ビット値に応じて、ハイレベルリファレンス電圧をサンプリングキャパシタに提供する第1スイッチと、入力されるデジタルデータの各ビット値に応じて、ローレベルリファレンス電圧をサンプリングキャパシタに提供する第2スイッチと、サンプリングキャパシタとホールディングキャパシタとの間の電荷共有のために、サンプリングキャパシタとホールディングキャパシタとの間に備えられる第3スイッチと、ホールディングキャパシタに接続され、ホールディングキャパシタを初期化する第4スイッチと、を含んでもよい。
【0028】
また、ダミーデータラインは、データラインに隣接して形成され、データラインとダミーデータラインとは、パネル上に交互に反復形成されてもよい。
【0029】
また、ホールディングキャパシタは、第4スイッチのターンオンにより、ハイレベルリファレンス電圧またはローレベルリファレンス電圧のいずれかの一方に初期化されてもよい。
【0030】
また、デジタルデータ(kビット)の各ビットが入力されるt番目の期間中に、サンプリングキャパシタとホールディングキャパシタとの間の電荷共有が行われ、最後のk番目の電荷共有によってえられた電圧が、データラインに印加される最終階調電圧であってもよい。ただし、kは、任意の整数であり、tは、1以上k以下の任意の整数である。
【0031】
また、t番目の期間中の所定期間ごとに、第3スイッチがターンオンされ、第3スイッチのターンオンにより、サンプリングキャパシタとホールディングキャパシタとに格納された所定のリファレンス電圧が互いに均等に分配され、均等に分配されることにより、電荷共有が行われてもよい。
【0032】
また、第3スイッチは、第1スイッチまたは第2スイッチのターンオン動作が完了した後に、ターンオンされてもよい。
【0033】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、シフトレジスタクロックを生成してサンプリング信号を提供するシフトレジスタ部と、サンプリング信号の供給を受けて、入力されるデジタルデータ(kビット)をコラムライン毎にサンプリングしてラッチするサンプリングラッチ部と、サンプリングラッチ部でラッチされたデジタルデータを並列状態で供給されてラッチし、デジタルデータを各ビット毎に直列形態に変換して出力するホールディングラッチ部と、ホールディングラッチ部から直列形態に提供されたデジタルデータのビット値に対応する階調電圧を、パネルに備えられたデータラインとダミーデータラインとの間の電荷共有により生成して、データラインに提供するデジタル−アナログ変換器と、を含むことを特徴とする、データ駆動回路が提供される。
【0034】
また、ホールディングラッチ部は、シフトレジスタ部で生成されたシフトレジスタクロック信号の入力を受けて、クロック信号により並列形態に入力されたデジタルデータを直列形態に変換して、デジタル−アナログ変換器に出力してもよい。
【0035】
また、デジタル−アナログ変換器は、データラインと、データラインに隣接して形成されたダミーデータラインとの間の電荷共有により、入力されるデジタルデータに対応するアナログ階調電圧を生成して、生成したアナログ階調電圧をデータラインに接続された当該画素に提供してもよい。
【0036】
また、電荷共有は、データラインに存在する寄生キャパシタンス成分をホールディングキャパシタとして活用し、ダミーデータラインに存在する寄生キャパシタンス成分をサンプリングキャパシタとして活用して行われてもよい。
【0037】
また、データラインとダミーデータラインとは、パネル上に交互に反復形成されてもよい。
【0038】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1方向に配列された複数の走査ラインと、第2方向に配列された複数のデータライン及び各データラインに隣接して形成されたダミーデータラインと、に接続するように配置される複数の画素を含む画素部と、複数の画素に所定の階調電圧を供給するデータ駆動回路と、走査ラインに走査信号を供給する走査駆動回路と、を含み、データ駆動回路は、データラインとダミーデータラインとの間の電荷共有により、入力されるデジタルデータに対応する階調電圧を生成して、生成した階調電圧をデータラインに接続された画素に提供することを特徴とする、平板表示装置が提供される。
【0039】
また、電荷共有は、データラインに存在する寄生キャパシタンス成分をホールディングキャパシタとして活用し、ダミーデータラインに存在する寄生キャパシタンス成分をサンプリングキャパシタとして活用して行われてもよい。
【0040】
また、データラインとダミーデータラインとは、パネル上に交互に反復形成され、隣接した各データラインとダミーデータラインとは、一対をなしてもよい。
【0041】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、デジタルデータ(kビット)の各ビットがシリアルに入力される段階と、デジタルデータ(kビット)の各ビットが入力されるt番目の期間中に、それぞれデータラインと、データラインに隣接して形成されたダミーデータラインとの間の電荷共有が行われる段階と、最後のk番目の電荷共有によってえられた電圧が、最終階調電圧として、データラインを介して、データラインに接続された画素に印加される段階と、を含むことを特徴とする、平板表示装置のデータ駆動方法が提供される。
【0042】
また、電荷共有は、データラインに存在する寄生キャパシタンス成分をホールディングキャパシタとして活用し、ダミーデータラインに存在する寄生キャパシタンス成分をサンプリングキャパシタとして活用して行われてもよい。
【0043】
また、t番目の期間中の所定期間ごとに、サンプリングキャパシタとホールディングキャパシタとに格納されたリファレンス電圧が互いに均等に分配されることにより、電圧共有が行われてもよい。
【発明の効果】
【0044】
以上説明したように、本発明によれば、従来のDACに含まれるR-stringと、デコーダと、スイッチアレイとを除去でき、DACの後段に備えられる増幅部としてのアナログバッファを除去でき、よって、DACの回路面積及び消費電力を大幅に低減でき、収率及び画質を向上できる、新規かつ改良されたデジタル−アナログ変換器、データ駆動回路、平板表示装置、そのデータ駆動方法を提供することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0046】
本発明の実施形態では、デジタル−アナログ変換器(DAC)と、デジタル−アナログ変換器を採用したデータ駆動部と、データ駆動部を備えた平板表示装置と、平板表示装置のデータ駆動方法と、順をおって詳細に説明する。
【0047】
まず、以下において、図3を参照して、本発明の実施形態に係るデジタル−アナログ変換器の構成について説明する。図3は、本発明の実施形態に係るデジタル−アナログ変換器の構成を示すブロック図である。
【0048】
ただし、本実施形態によるデジタル−アナログ変換器(以下、DACという。)は、一例として、平板表示装置のデータ駆動回路に備えられることとして説明する。
【0049】
本実施形態に係るDACは、パネルに備えられたデータライン及びダミーデータラインにそれぞれ存在する寄生キャパシタンス成分をホールディングキャパシタとサンプリングキャパシタとして活用する。また、DACは、データラインとダミーデータラインとの間の電荷共有により、入力されるデジタルデータに対応するアナログ階調電圧を生成して、これを該当する画素に提供することを特徴とする。当該、構成及び動作については、後述する。
【0050】
図3に示すように、本実施形態によるDAC300は、それぞれ一対をなすダミーデータライン342とデータライン344との間の電荷共有を行う階調スケール生成部310と、階調スケール生成部310内に備えられた複数のスイッチに対する動作制御信号を提供するスイッチング信号生成部330と、リファレンス電圧を生成して階調スケール生成部に提供するリファレンス電圧生成部320とを含む。
【0051】
ここで、リファレンス電圧生成部320は、R、G、Bデータ毎にそれぞれハイレベルリファレンス電圧及びローレベルリファレンス電圧を生成して、これを階調スケール生成部に提供する。
【0052】
本実施形態の場合、データライン344は、所定の階調電圧を印加されて、データライン344に接続された所定の画素に階調電圧を提供する役割を果たす。さらに、データライン344は、データライン344に隣接して形成されたダミーデータライン342と共に、データライン344及びダミーデータライン342の各々に存在する寄生キャパシタンス成分を用いる。
【0053】
データライン344及びダミーデータライン342は、複数の抵抗及びキャパシタが接続された形態でモデリングできる。したがって、データライン344及びダミーデータライン342のそれぞれのキャパシタンス成分は、パネルサイズなどに応じて所定の値に規格化できる。
【0054】
本実施形態は、隣接して一対に形成されたダミーデータライン342とデータライン344とに対するキャパシタンス成分を、それぞれサンプリングキャパシタとホールディングキャパシタとして活用する。また、本実施形態は、ダミーデータライン342とデータライン344との間の電荷共有により、入力されるデジタルデータに対応するアナログ階調電圧を生成して、これをデータライン344を介してデータライン344と接続された当該画素に提供する。
【0055】
ただし、これは本発明の実施形態の1つのに過ぎず、本発明は、これに限定されない。例えば、DAC300は、パネル上に複数形成されたダミーデータライン342間の電荷共有を行って、入力されるデジタルデータ344に対応する階調電圧を生成し、これをダミーデータライン342に隣接するデータライン344を介してデータライン344に接続された当該画素に提供することもできる。
【0056】
さらに、例えば、DAC300は、1つのダミーデータラインと複数(j個)のデータラインとの間で電荷共有を行って、各データラインに接続された画素に提供されるべき階調電圧を生成し、これを各データラインを介してそれぞれの画素に提供することもできる。ただし、この場合、各画素に階調電圧が印加されるラインタイム(line time)は1/jに減少する。
【0057】
次に、以下では、図4〜6を参照しながら、本実施形態に係るDAC300の階調スケール生成部310の構成及び動作について詳しく説明する。図4は、図3に示した階調スケール生成部の構成を示すブロック図である。また、図5は、図4の階調スケール生成部に入力されるデジタルデータの一例を示す信号波形図である。また、図6は、図5に示したデジタルデータの入力に対する階調スケール生成部の出力を示すシミュレーション波形図である。
【0058】
ただし、本実施形態の場合、説明を容易にするために、入力されるデジタルデータが8ビットの信号であることを仮定する。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、デジタルデータは、所望のビットで構成することができる。すなわち、例えば、デジタルデータがkビットである場合は、以下の説明中8ビットをkビットとしてもよい。また、デジタルデータ(kビット)が入力及び処理等される期間を、各ビットに対応して、k個の期間とする。後述するが、本実施形態では、デジタルデータを8ビットと仮定するので、少なくとも8個の期間が存在する(後述の第1期間(T1)〜第8期間(T8))また、kビットにおいては、少なくともk個の期間が存在するが、そのうちの任意の期間を示すのに、t番目の期間と呼んでもよい。ただし、kは、任意の整数であり、tは、1以上k以下の整数とする。
【0059】
まず、図4を参照しながら、階調スケール生成部310の構成について説明する。図4に示すように、階調スケール生成部310は、ダミーデータライン(図1中の342)の寄生キャパシタンス成分によるサンプリングキャパシタ(C_samp)312と、データライン(図1中の344)の寄生キャパシタンス成分によるホールディングキャパシタ(C_hold)314と、入力されるデジタルデータの各ビット値に応じてハイレベルリファレンス電圧をサンプリングキャパシタ312に提供するように制御する第1スイッチ(SW1)と、入力されるデジタルデータの各ビット値に応じてローレベルリファレンス電圧をサンプリングキャパシタ312に提供するように制御する第2スイッチ(SW2)と、サンプリングキャパシタ312とホールディングキャパシタ314との間の電荷共有のために備えられる第3スイッチ(SW3)とを含む。
【0060】
ここで、データライン344及びダミーデータライン342は、パネル上に交互に形成される。また、隣接する各データライン344とダミーデータライン342とは、一対をなし、一対のダミーデータライン342とデータライン344とにそれぞれ存在する寄生キャパシタンス成分は、サンプリングキャパシタ(C_samp)312とホールディングキャパシタ(C_hold)314として活用される。
【0061】
すなわち、ダミーデータライン342及びデータライン344は、図4に示すように、複数の抵抗(R1、R2、R3)及びキャパシタ(C1、C2、C3)が接続された形態でモデリングできる。したがって、ダミーデータライン及びデータラインのそれぞれの寄生キャパシタンス値は、パネルサイズなどに応じて所定の値に規格化できる。
【0062】
本実施形態においては、ダミーデータライン342及びデータライン344の寄生キャパシタンス成分をそれぞれサンプリングキャパシタ(C_samp)312及びホールディングキャパシタ(C_hold)314として活用することを特徴とする。すなわち、ダミーデータライン342の寄生キャパシタンス成分は、サンプリングキャパシタ312として活用され、データライン344の寄生キャパシタンス成分は、ホールディングキャパシタンス314として活用される。
【0063】
また、階調スケール生成部(GSG)310は、ホールディングキャパシタ(C_hold)314の初期化のために、ホールディングキャパシタ(C_hold)314と接続される第4スイッチ(SW4)をさらに含む。
【0064】
さらに、第1〜第4スイッチ(SW1〜SW4)の動作を制御する信号(S1、S2、S3、S4)は、図3に示したスイッチング信号生成部330から提供され、ハイ/ローレベルリファレンス電圧(VH、VL)は、リファレンス電圧生成部320から提供される。
【0065】
図4に示す本実施形態の場合、ダミーデータライン342の寄生キャパシタンス成分をサンプリングキャパシタ(C_samp)312として活用し、データライン344の寄生キャパシタンス成分をホールディングキャパシタ(C_hold)314として活用している。しかし、これは1つの実施形態であり、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、ダミーデータライン342の寄生キャパシタンス成分をホールディングキャパシタ(C_hold314)として活用し、データライン344の寄生キャパシタンス成分をサンプリングキャパシタ(C_samp)312として活用することも可能である。
【0066】
次に、図4〜図6を参照しながら、かかる構成を有する階調スケール生成部310の動作を詳細に説明する。
【0067】
まず、サンプリングキャパシタ(C_samp)312は、入力されるデジタルデータの最下位ビット(Least Significant Bit、LSB)に応じてリファレンス電圧のハイレベル(VH)またはローレベル(VL)に設定される。
【0068】
すなわち、入力されるデジタルデータの最下位ビットが1である場合(LSB=1)には、第1スイッチ(SW1)が、ターンオンされて、ハイレベルリファレンス電圧(VH)が、サンプリングキャパシタ312に提供される。よって、サンプリングキャパシタ312は、ハイレベルリファレンス電圧(VH)に設定された後、電荷共有を行う。また、入力されるデジタルデータの最下位ビットが0である場合(LSB=0)には、第2スイッチ(SW2)が、ターンオンされて、ローレベルリファレンス電圧(VL)が、サンプリングキャパシタ312に提供される。よって、サンプリングキャパシタ312は、ローレベルリファレンス電圧(VL)に設定された後、電荷共有を行う。
【0069】
図5及び図6に示すように、以下では、本実施形態の場合、入力される8ビットのデジタルデータ[d7d6d5d4d3d2d1d0]は、例えば、[01010101]であるとして説明する。ここで、デジタルデータのLSBは、1である。よって、サンプリングキャパシタ(C_samp)312は、ハイレベルリファレンス電圧(VH)に設定される。これは、図6のシミュレーション波形図に表される横軸(時間軸)の、期間(T1)においける1.5μsecに対応するC_sampにあたる。ただし、図6中において、ハイレベルリファレンス電圧(VH)は、例えば、5.0Vに設定される。
【0070】
また、ホールディングキャパシタ(C_hold)314は、サンプリングキャパシタ(C_samp)312のLSBが入力されると同時に、初期化される。当該初期化は、第4スイッチ(SW4)がターンオンされることによってなされる。
【0071】
図4に示すように、本実施形態の場合、ホールディングキャパシタ314は、ローレベルリファレンス電圧(VL)に初期化される。すなわち、第4スイッチ(SW4)がターンオンされることにより、ローレベルリファレンス電圧(VL)が、ホールディングキャパシタ314に提供される。よって、ホールディングキャパシタ314は、ローレベルリファレンス電圧(VL)に初期化される。これは、図6のシミュレーション波形図に表される横軸(時間軸)の、期間(T1)においける1.5μsecに対応するC_holdにあたる。ただし、図6中において、ローレベルリファレンス電圧(VH)は、例えば、3.0Vに設定される。
【0072】
しかし、これは1つの実施形態に過ぎないものであり、本発明はこれに限定されない。すなわち、例えば、ホールディングキャパシタ(C_hold)は、ハイレベルリファレンス電圧(VH)に初期化されることも可能である。
【0073】
図5及び図6に示すように、入力されるデジタルデータが8ビットであることを仮定する場合、階調スケール生成部310は、それぞれのビットが入力される8番目の期間中にサンプリングキャパシタ(C_samp)312とホールディングキャパシタ(C_hold)314との間で電荷共有が行われる。、最終的に8番目の電荷共有が行われた結果が、データラインを介して所定の画素に印加される最終階調電圧になる。
【0074】
すなわち、入力されるデジタルデータに対応して以下の過程が行われる。まず、最初の期間(T1)において、LSBが入力される。その後、それに続く各期間(T2〜T8)において、順次、その次のビット、すなわち、2番目の下位ビットから最上位ビット(MSB)が入力される。各期間(T1〜T8)では、各ビットに応じて、第1スイッチ(SW1)(ビット値が1である場合)または第2スイッチ(SW2)(ビット値が0である場合)がターンオンされ、サンプリングキャパシタ312に所定のリファレンス電圧が格納される。すなわち、ある期間(Tt)において、入力されるデジタルデータのビット値が1である場合、第1スイッチ(SW1)がターンオンされて、サンプリングキャパシタ312は、ハイレベルリファレンス電圧を格納する。また、ビット値が0である場合、第2スイッチ(SW2)がターンオンされて、サンプリングキャパシタ312は、ローレベルリファレンス電圧を格納する。
【0075】
各期間(T1〜T8)においてサンプリングキャパシタ312に、所定のリファレンス電圧が格納されると、各期間の所定期間ごとに第3スイッチ(SW3)がターンオンされて、サンプリングキャパシタ312に格納された所定のリファレンス電圧が、ホールディングキャパシタ314に格納されていた電圧と、電荷共有されて、両方のキャパシタ312、314に格納される。ここで、リファレンス電圧が格納され第3スイッチ(SW3)がターンオンされる前に、ターンオンされている第1スイッチ(SW1)または第2スイッチ(SW2)は、ターンオフされる。
【0076】
これにより、最後の8番目の期間(T8)における電荷共有により、入力されるデジタルデータに対応する所定の階調電圧(アナログ階調電圧)が生成される。その後、生成された所定の階調電圧は、データラインを介して当該画素に提供される。以上が、DAC300の階調スケール生成部310で行われる動作である。
【0077】
次に、以下において、図5及び図6を参照して、[01010101]の8ビットデジタルデータに該当するアナログ階調電圧が、本実施形態にかかるDAC300により生成され、データライン344に接続される所定の画素に印加される過程を説明する。
【0078】
まず、本実施形態にかかるDAC300(以下符号を省略する)は、印加されるデジタルデータに対する電荷共有を行う。
【0079】
この時、図5に示すように、走査ライン(S[n])に接続された所定の画素に該当する階調電圧が生成され、生成された階調電圧が、所定の画素に印加される時間がラインタイムとなる。
【0080】
すなわち、ラインタイムは、入力されるデジタルデータに対応する階調電圧が生成される時間としてのDACタイム(DAC time)と、生成された階調電圧が当該画素に印加される時間としてのプログラミングタイム(programming time)との合計である。この時、ラインタイムは一般に1水平周期(1H)内の期間に該当する。
【0081】
これにより、図5に示すように、各走査ライン(S[n])に提供される走査信号は、プログラミングタイムに該当する期間にのみ、ローレベルの電圧として提供される。
【0082】
ここで、DACタイムは、入力されるデジタルデータのビット数だけの期間に再び分けられる。すなわち、これは、各ビットが入力される度に、サンプリングキャパシタ312とホールディングキャパシタ314との間に電荷共有が発生するからである。本実施形態の場合、8ビットデジタルデータが入力されるので、DACタイムは8期間(T1〜T8)に分けられる。(以下では、説明の便宜上、各キャパシタの符号は省略する。)
【0083】
まず、第1期間(T1)において、入力されるデジタルデータ([01010101])のLSBが入力される。LSBは、1であるので、第1スイッチ(SW1)がターンオンされ、これによりハイレベルのリファレンス電圧(VH)がサンプリングキャパシタ(C_samp)に格納される。よって、サンプリングキャパシタ(C_samp)は、ハイレベルリファレンス電圧(VH)に設定される。
【0084】
また、ホールディングキャパシタ(C_hold)は、第4スイッチ(SW4)がターンオンされることで、ローレベルのリファレンス電圧(VL)が提供される。よって、ホールディングキャパシタ(C_hold)は、ローレベルリファレンス電圧(VL)に初期化される。
【0085】
第1期間の所定期間、すなわち、第1スイッチ(SW1)がターンオンされた後の残りの第1期間において、第3スイッチ(SW3)がターンオンされて、サンプリングキャパシタ(C_samp)に格納された電圧と、ホールディングキャパシタ(C_hold)に格納された電荷とが分配されて、サンプリング及びホールディングキャパシタにそれぞれ格納された電圧の中間レベルに該当する電圧に変換されて、両キャパシタにそれぞれ格納される。すなわち、例えば、第3スイッチ(SW3)のターンオン後において、サンプリングキャパシタとホールディングキャパシタとは、第3スイッチ(SW3)のターンオン前の両キャパシタに格納された電圧の和の半分の電圧を、それぞれ格納することになる(電荷共有)。
【0086】
次に、第2期間(T2)において、2番目の下位ビットが0であるので、第2スイッチ(SW2)がターンオンされる。よって、ローレベルリファレンス電圧(VL)が、サンプリングキャパシタ(C_samp)に格納される。そして、第2期間の所定期間、すなわち、第2スイッチ(SW2)がターンオンされた後の残りの第2期間において、第3スイッチ(SW3)がターンオンされて、サンプリングキャパシタ(C_samp)に格納された電圧と、ホールディングキャパシタ(C_hold)に格納された電圧とが分配されて、サンプリング及びホールディングキャパシタにそれぞれ格納された電圧の中間レベルに該当する電圧に変換されて、両キャパシタにそれぞれ格納される。すなわち、例えば、第3スイッチ(SW3)のターンオン後において、サンプリングキャパシタとホールディングキャパシタとは、第3スイッチ(SW3)のターンオン前の両キャパシタに格納された電圧の和の半分の電圧を、それぞれ格納することになる(電荷共有)。
【0087】
その次に、第3期間〜第8期間(T3〜T8)においても、第2期間で行われる動作と同様に、入力されるビットに応じてビットが1であれば第1スイッチ(SW1)がターンオンされ、入力されるビットが0であれば第2スイッチ(SW2)がターンオンされる。よって、該当するハイレベル(VH)またはローレベルのリファレンス電圧(VL)のどちらか一方が、サンプリングキャパシタに格納される。また、各期間中の第1スイッチ(SW1)または第2スイッチ(SW2)がターンオンされた後の期間において、第3スイッチ(SW3)がターンオンされる。第3スイッチ(SW3)がターンオンされると、サンプリングキャパシタ(C_samp)に格納されたリファレンス電圧と、ホールディングキャパシタ(C_hold)に格納された電圧とが分配されて、その中間レベルの電圧がサンプリング及びホールディングキャパシタに格納される。すなわち、例えば、第3スイッチ(SW3)のターンオン後において、サンプリングキャパシタとホールディングキャパシタとは、第3スイッチ(SW3)のターンオン前の両キャパシタに格納された電圧の和の半分の電圧を、それぞれ格納することになる(電荷共有)。
【0088】
これにより、最後の8番目の期間(T8)において、サンプリング及びホールディングキャパシタで分配された電圧が、最終的に入力されるデジタルデータに対応する階調電圧となる。そして、当該階調電圧は、データラインを介して所定の画素に提供される。
【0089】
このような本実施形態にかかるデジタル−アナログ変換器(DAC)300の場合、一対のダミーデータライン342及びデータライン344に対応するキャパシタンス成分を、サンプリングキャパシタ(C_samp)312とホールディングキャパシタ(C_hold)314として活用し、ダミーデータライン342とデータライン344との間の電荷共有により所望の階調電圧を生成する。よって、本実施形態にかかるDAC300は、従来のR−stringタイプのDAC140に比べて、消費電力を大幅に低減できる。また、本実施形態にかかるDAC300は、さらに、従来のDAC構成のR−string及びデコーダ、スイッチアレイを除去できるので、従来のDAC構造に比べてDACの面積を大幅に減らすことができる。
【0090】
また、図3に示したスイッチング信号生成部330は、階調スケール生成部310内に備えられた複数のスイッチの動作を制御する信号(S1、S2、S3、S4)を生成して提供する役割を果たす。しかし、第1及び第2スイッチ(SW1、2)の制御は、入力されるデジタルデータのビット値に応じてターンオン/ターンオフが決定される。よって、制御信号は、ホールディングラッチ部を介して、シリアルに出力されるデジタルデータビット値により生成される。
【0091】
すなわち、デジタルデータビット値が1である場合は、第1スイッチ(SW1)をターンオンする制御信号(S1)を生成して、階調スケール生成部310に提供する。また、デジタルデータビット値が0である場合には、第2スイッチ(SW2)をターンオンする制御信号(S2)を生成して、階調スケール生成部310に提供する。
【0092】
また、第4スイッチ(SW4)は、ホールディングキャパシタの初期化時にターンオンされなければならず、第3スイッチ(SW3)は、各ラインタイムのうちの一定期間、すなわち、デジタルデータビットがそれぞれ入力される期間ごとに、一定にターンオンされなければならない。したがって、第3及び第4スイッチ(SW3、SW4)制御信号(S3、S4)は、デジタルデータ入力と関係なく、各データラインタイム毎に繰り返される信号である。よって、これは、タイミング制御部(図示せず)で別途に生成して用いることができる。
【0093】
次に、以下では、図7を参照しながら、本実施形態にかかるDAC300採用したデータ駆動回路について、説明する。図7は、本発明の実施形態にかかるデータ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【0094】
ただし、データ駆動回路は、図3〜図6を通して説明したDACが備えられることを特徴とし、DACの構造及び動作に対する説明は省略する。
【0095】
図7に示すように、データ駆動回路20は、シフトレジスタ部710と、サンプリングラッチ部720と、ホールディングラッチ部730と、デジタル−アナログ変換器(DAC)300とを含み構成される。
【0096】
すなわち、従来のデータ駆動回路(図1参照)と比較すると、本実施形態によるデータ駆動回路は、DAC300の構造が変更され、さらに、増幅部150としてのアナログバッファを使用しなくも済む。よって、閾電圧及び電荷の移動度のばらつきによる問題を有するアナログバッファを使用することにより、チャンネル間の出力電圧の差が生じ、画質が低下するという従来の問題点を克服できるという長所がある。
【0097】
最近、駆動回路部などを画素部と共に、基板上に集積するSOP工程を適用する、平板表示装置が浮上している。そこで、増幅部150としてのアナログバッファの上記性能具現の問題を克服できる本実施形態にかかるデータ駆動回路は、SOP工程適用時に、より一層大きな長所となる。
【0098】
シフトレジスタ部710は、タイミング制御部50(図8参照)からソースシフトクロック(SSC)及びソーススタートパルス(SSP)を供給される。また、シフトレジスタ部710は、ソースシフトクロック(SSC)の1周期ごとにソーススタートパルス(SSP)をシフトさせながら、順次n個のサンプリング信号としてシフトレジスタクロック(SRC)を生成する。そのために、シフトレジスタ部210は、n個のシフトレジスタを備える。
【0099】
サンプリングラッチ部720は、タイミング制御部50からデジタルデータ(Data)の供給を受ける。また、サンプリングラッチ部720は、シフトレジスタ部710から順次供給されるサンプリング信号に応答して、上記デジタルデータ(Data)を順次格納する。ここで、サンプリングラッチ部720はn個のデジタルデータ(Data)を格納するために、n個のサンプリングラッチを備える。すなわち、サンプリングラッチ部720は、サンプリング信号に応答して、上記n個のデジタルデータ(Data)をそれぞれ、n個のサンプリングラッチに順次格納する。また、ここで、それぞれのサンプリングラッチに格納されたデジタルデータが、流れる道筋を、ここでは、コラムラインという。すなわち、n個のサンプリングラッチに格納されたn個のデジタルデータは、n個のコラムラインを通る。そして、それぞれのサンプリングラッチはデータ(Data)のビット数に対応する大きさを有する。例えば、データ(Data)が8ビットから構成される場合、サンプリングラッチのそれぞれは、8ビットの大きさに設定される。
【0100】
そして、サンプリングラッチ部720は、入力されるデータを順次格納した後、8ビットデジタルデータを並列形態(パラレル)でホールディングラッチ部に出力する。
【0101】
ホールディングラッチ部730は、タイミング制御部50からソース出力イネーブル信号(SOE)が入力されると、サンプリングラッチ部720からデータの入力をうけて、入力されたデータを格納する。すなわち、ホールディングラッチ部は、並列形態(パラレル)で提供された8ビットデジタルデータの入力をうけて、当該8ビットデジタルデータを格納する。
【0102】
そして、ホールディングラッチ部730は、ソース出力イネーブル信号(SOE)が入力されると、自分に格納されているデータ(Data)をDAC300に供給する。ここで、ホールディングラッチ部730は、n個のデータ(Data)を格納するために、n個のホールディングラッチを備える。また、それぞれのホールディングラッチは、データ(Data)のビット数に対応する大きさを有する。例えば、本実施形態において、ホールディングラッチのそれぞれは、データ(Data)が格納できるように8ビットに設定される。
【0103】
本実施形態の場合、ホールディングラッチ部730に格納された8ビットデジタルデータをDAC300に出力するとき、これを直列形態(シリアル)に変換して出力することを特徴とする。
【0104】
そのために、ホールディングラッチ部730は、図7に示すように、シフトレジスタ部で生成されたシフトレジスタクロック信号(SRC)の入力をうける。シフトレジスタクロック信号(SRC)の入力をうけたホールディングラッチ部730は、シフトレジスタクロック信号(SRC)により、8ビットデジタルデータを直列形態(シリアル)に変換してDAC300に出力する。
【0105】
DAC300は、直列形態(シリアル)で入力されるデジタルデータのビット値に対応するアナログ信号を生成する。すなわち、DAC300は、ホールディングラッチ部730から供給されるデジタルデータ(Data)のビット値に対応して、複数のアナログ階調電圧のいずれか1つを選択することで、それに対応するアナログデータ信号を生成して、これを各データラインに出力する役割を果たす。
【0106】
本実施形態の場合、DAC300は、パネルに備えられた複数のデータライン344と、各データライン344に隣接して形成された複数のダミーデータライン342とをそれぞれ一対として形成する。また、DAC300は、一対のデータライン344及びダミーデータライン342にそれぞれ存在する寄生キャパシタンス成分を、ホールディングキャパシタ314とサンプリングキャパシタ312として活用する。すなわち、DAC300は、データライン344とダミーデータライン342との間の電荷共有により、入力されるデジタルデータに対応するアナログ階調電圧を生成する。そして、DAC300は、生成したアナログ階調電圧を該当する画素に提供することを特徴とする。DAC300の構造及び動作は、図3〜図6を通して説明したので、詳細な説明は省略する。
【0107】
次に、図8を参照しながら、本実施形態にかかるDAC300を採用したデータ駆動回路20を備える平板表示装置(平板ディスプレイ装置)について説明する。図8は、本発明の実施形態にかかる平板表示装置の構成を示すブロック図である。
【0108】
ただし、平板表示装置は、図3〜図6を通して説明したDAC300と、図8を通して説明したデータ駆動回路20とを備えることを特徴とする。よって、DAC300、データ駆動回路20の構造及び動作に対する説明は省略する。
【0109】
図9に示すように、本実施形態にかかる平板表示装置は、第1方向(図8中の左右方向)に延長形成された走査ライン(S[1]〜S[n])と、第2方向(図8中の上下方向)に延長形成されたデータライン(D[1]〜D[m])及びダミーデータライン(D’[1]〜D’[m])と接続された複数の画素40を含む画素部30と、走査ライン(S[1]〜S[n])を駆動するための走査駆動回路10と、データライン(D[1]〜D[m])を駆動するためのデータ駆動回路20と、走査駆動回路10及びデータ駆動回路20を制御するためのタイミング制御部50と、を備える。また、平板表示装置は、映像を具現する表示パネル(不図示。また、パネルという。)を備える。また、表示パネルは、画素部30を含み、当該パネル上には走査ライン(S[1]〜S[n])と、データライン(D[1]〜D[m])と、ダミーデータライン(D’[1]〜D’[m])と、が配置される。
【0110】
タイミング制御部50は、外部から供給される動機信号に対応してデータ駆動制御信号(DCS)及び走査駆動制御信号(SCS)を生成する。タイミング制御部50で生成されたデータ駆動制御信号(DCS)は、データ駆動回路20に供給され、走査駆動制御信号(SCS)は、走査駆動回路10に供給される。そして、タイミング制御部50は、外部から供給されるデジタルデータ(Data)をデータ駆動回路20に供給する。
【0111】
データ駆動回路20は、タイミング制御部50からデータ駆動制御信号(DCS)の供給をうける。これにより、デジタルデータ(Data)及びデータ駆動制御信号(DCS)を供給されたデータ駆動回路20は、デジタルデータ(Data)に該当するアナログ階調電圧を生成し、走査信号と同期するように、所定の画素に、該当する生成した階調電圧を供給する。ここで、データ駆動制御信号(DCS)は、上記のソースシフトクロック(SSC)と、ソーススタートパルス(SSP)と、ソース出力イネーブル信号(SOE)とを含む信号である。
【0112】
ただし、本実施形態の場合、アナログ階調電圧を生成するにあたって、パネルに備えられた複数のデータライン(D[1]〜D[m])と、各データラインに隣接して形成された複数のダミーデータライン(D’[1]〜D’[m])とが、それぞれ一対をなし、一対のデータライン(D[1]〜D[m])及びダミーデータライン(D’[1]〜D’[m])にそれぞれ存在する寄生キャパシタンス成分を、ホールディングキャパシタ314とサンプリングキャパシタ342として活用して、データライン(D[1]〜D[m])とダミーデータライン(D’[1]〜D’[m])との間の電荷共有により、入力されるデジタルデータに対応するアナログ階調電圧を生成し、これを該当する画素に提供することを特徴とする。これにより、アナログ階調電圧を生成するDAC300及びデータ駆動回路の構造及び動作は、詳細に前述したので、ここでは省略する。
【0113】
以上、本発明の実施形態について、本実施形態にかかるDAC300、当該DAC300を採用したデータ駆動回路、当該データ駆動回路を備えた平板表示装置のそれぞれの構成及び動作を順をおって説明した。以上説明したように、本発明の実施形態にかかる平板表示装置(DAC300及びそれを採用したデータ駆動回路)によれば、DAC300は、パネルに備えられたデータライン344とダミーデータライン342との間の電荷共有により、所望のアナログ階調電圧を生成する。よって、本実施形態にかかるDAC300は、従来のDAC140を構成するR−stringと、デコーダと、スイッチアレイ146とを除去することができ、さらに、従来のDAC140の後段に備えられる増幅部150としてのアナログバッファを除去することができる。よって、従来のR−stringタイプのDAC140に比べて、DACの回路面積及び消費電力を大幅に低減することができ、収率及び画質を向上させることができる。さらに、本実施形態によれば、SOP工程適用してデータ駆動回路を製造する際、増幅部150としてのアナログバッファを使用しなくも済むため、アナログバッファの閾電圧及び電荷の移動度のばらつきによってチャンネル間の出力電圧に差が生じ、画質が低下してしまうという問題を克服できる。
【0114】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、平板表示装置に適用可能であり、特に平板表示装置に備えられるデジタル−アナログ変換器(DAC)及び上記デジタル−アナログ変換器を採用するデータ駆動回路に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】従来のデータ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した従来のDACを示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るデジタル−アナログ変換器の構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示した階調スケール生成部の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の階調スケール生成部に入力されるデジタルデータの一例を示す信号波形図である。
【図6】図5に示したデジタルデータの入力に対する階調スケール生成部の出力を示すシミュレーション波形図である。
【図7】本発明の実施形態にかかるデータ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施形態にかかる平板表示装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0117】
10 走査駆動回路
20 データ駆動回路
30 画素部
40 画素
300 DAC
310 階調スケール生成部
312 サンプリングキャパシタ
314 ホールディングキャパシタ
320 リファレンス電圧生成部
330 スイッチング信号生成部
342 ダミーデータライン
344 データライン
710 シフトレジスタ部
720 サンプリングラッチ部
730 ホールディングラッチ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データラインとダミーデータラインとの間の電荷共有により、入力されるデジタルデータに対応する階調電圧を生成する階調スケール生成部と;
前記階調スケール生成部内に備えられた複数のスイッチに、動作制御信号を提供するスイッチング信号生成部と;
リファレンス電圧を生成して前記階調スケール生成部に提供するリファレンス電圧生成部と;
を含むことを特徴とする、デジタル−アナログ変換器。
【請求項2】
前記電荷共有は、前記データラインに存在する寄生キャパシタンス成分をホールディングキャパシタとして活用し、前記ダミーデータラインに存在する寄生キャパシタンス成分をサンプリングキャパシタとして活用して行われることを特徴とする、請求項1に記載のデジタル−アナログ変換器。
【請求項3】
前記階調スケール生成部は、
前記ダミーデータラインに存在する寄生キャパシタンス成分による前記サンプリングキャパシタと;
前記データラインに存在する寄生キャパシタンス成分による前記ホールディングキャパシタと;
入力されるデジタルデータの各ビット値に応じて、ハイレベルリファレンス電圧を前記サンプリングキャパシタに提供する第1スイッチと;
入力されるデジタルデータの各ビット値に応じて、ローレベルリファレンス電圧を前記サンプリングキャパシタに提供する第2スイッチと;
前記サンプリングキャパシタと前記ホールディングキャパシタとの間の電荷共有のために、前記サンプリングキャパシタと前記ホールディングキャパシタとの間に備えられる第3スイッチと;
前記ホールディングキャパシタに接続され、前記ホールディングキャパシタを初期化する第4スイッチと;
を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のデジタル−アナログ変換器。
【請求項4】
前記ダミーデータラインは、前記データラインに隣接して形成され、前記データラインと前記ダミーデータラインとは、パネル上に交互に反復形成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のデジタル−アナログ変換器。
【請求項5】
前記ホールディングキャパシタは、前記第4スイッチのターンオンにより、前記ハイレベルリファレンス電圧または前記ローレベルリファレンス電圧のいずれかの一方に初期化されることを特徴とする、請求項3または4に記載のデジタル−アナログ変換器。
【請求項6】
前記デジタルデータ(kビット)の各ビットが入力されるn番目の期間中に、前記サンプリングキャパシタと前記ホールディングキャパシタとの間の前記電荷共有が行われ、最後のk番目の前記電荷共有によってえられた電圧が、前記データラインに印加される最終階調電圧であることを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載のデジタル−アナログ変換器。
【請求項7】
前記n番目の期間中の所定期間ごとに、前記第3スイッチがターンオンされ、前記第3スイッチのターンオンにより、前記サンプリングキャパシタと前記ホールディングキャパシタとに格納された前記所定のリファレンス電圧が互いに均等に分配され、前記均等に分配されることにより、前記電荷共有が行われることを特徴とする、請求項6に記載のデジタル−アナログ変換器。
【請求項8】
前記第3スイッチは、前記第1スイッチまたは前記第2スイッチのターンオン動作が完了した後に、ターンオンされることを特徴とする、請求項7に記載のデジタル−アナログ変換器。
【請求項9】
シフトレジスタクロックを生成してサンプリング信号を提供するシフトレジスタ部と;
前記サンプリング信号の供給を受けて、入力されるデジタルデータ(kビット)をコラムライン毎にサンプリングしてラッチするサンプリングラッチ部と;
前記サンプリングラッチ部でラッチされた前記デジタルデータを並列状態で供給されてラッチし、前記デジタルデータを各ビット毎に直列形態に変換して出力するホールディングラッチ部と;
前記ホールディングラッチ部から直列形態に提供された前記デジタルデータのビット値に対応する階調電圧を、パネルに備えられたデータラインとダミーデータラインとの間の電荷共有により生成して、前記データラインに提供するデジタル−アナログ変換器と;
を含むことを特徴とする、データ駆動回路。
【請求項10】
前記ホールディングラッチ部は、前記シフトレジスタ部で生成された前記シフトレジスタクロック信号の入力を受けて、前記クロック信号により並列形態に入力されたデジタルデータを直列形態に変換して、デジタル−アナログ変換器に出力することを特徴とする、請求項9に記載のデータ駆動回路。
【請求項11】
前記デジタル−アナログ変換器は、前記データラインと、前記データラインに隣接して形成されたダミーデータラインとの間の電荷共有により、入力される前記デジタルデータに対応するアナログ階調電圧を生成して、生成したアナログ階調電圧を前記データラインに接続された当該画素に提供することを特徴とする、請求項9に記載のデータ駆動回路。
【請求項12】
前記電荷共有は、前記データラインに存在する寄生キャパシタンス成分をホールディングキャパシタとして活用し、前記ダミーデータラインに存在する寄生キャパシタンス成分をサンプリングキャパシタとして活用して行われることを特徴とする、請求項11に記載のデータ駆動回路。
【請求項13】
前記データラインと前記ダミーデータラインとは、パネル上に交互に反復形成されることを特徴とする、請求項11に記載のデータ駆動回路。
【請求項14】
第1方向に配列された複数の走査ラインと、第2方向に配列された複数のデータライン及び前記各データラインに隣接して形成されたダミーデータラインと、に接続するように配置される複数の画素を含む画素部と;
前記複数の画素に所定の階調電圧を供給するデータ駆動回路と;
前記走査ラインに走査信号を供給する走査駆動回路と;
を含み、
前記データ駆動回路は、
前記データラインと前記ダミーデータラインとの間の電荷共有により、入力されるデジタルデータに対応する階調電圧を生成して、前記生成した階調電圧を前記データラインに接続された前記画素に提供することを特徴とする、平板表示装置。
【請求項15】
前記電荷共有は、前記データラインに存在する寄生キャパシタンス成分をホールディングキャパシタとして活用し、前記ダミーデータラインに存在する寄生キャパシタンス成分をサンプリングキャパシタとして活用して行われることを特徴とする、請求項14に記載の平板表示装置。
【請求項16】
前記データラインと前記ダミーデータラインとは、パネル上に交互に反復形成され、隣接した各前記データラインと前記ダミーデータラインとは、一対をなすことを特徴とする、請求項14に記載の平板表示装置。
【請求項17】
デジタルデータ(kビット)の各ビットがシリアルに入力される段階と;
前記デジタルデータ(kビット)の各ビットが入力されるt番目の期間中に、それぞれデータラインと、前記データラインに隣接して形成されたダミーデータラインとの間の電荷共有が行われる段階と;
最後のk番目の前記電荷共有によってえられた電圧が、最終階調電圧として、前記データラインを介して、前記データラインに接続された画素に印加される段階と;
を含むことを特徴とする、平板表示装置のデータ駆動方法。
【請求項18】
前記電荷共有は、前記データラインに存在する寄生キャパシタンス成分をホールディングキャパシタとして活用し、前記ダミーデータラインに存在する寄生キャパシタンス成分をサンプリングキャパシタとして活用して行われることを特徴とする、請求項17に記載の平板表示装置のデータ駆動方法。
【請求項19】
前記t番目の期間中の所定期間ごとに、前記サンプリングキャパシタと前記ホールディングキャパシタとに格納されたリファレンス電圧が互いに均等に分配されることにより、前記電圧共有が行われることを特徴とする、請求項18に記載の平板表示装置のデータ駆動方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−212993(P2007−212993A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−199463(P2006−199463)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】