説明

デジタルコンテンツ送受信システム及びデジタルコンテンツ送受信方法

【課題】複数のコピー制御情報が混在し、記録媒体への記録制御が複雑になる。特に例え
ば、録画予約時のコピー制御情報の設定や、その録画予約に従った録画実行時のコピー制
御情報の変更などが複雑となる。
【解決手段】番組の録画を予約したとき、コピー制御情報を設定し、これを録画予約の情
報として示す。また録画予約されていた記録媒体が変更されたとき、これにともなってコ
ピー制御情報を変更する。また変更されたときにはユーザに通知する。これにより、コピ
ー制御情報に適しつつ、録画時または予約時のユーザの使い勝手を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野はデジタル情報を記録する装置や方法に関する。特に記録装置におけるコピー制御の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野について、特許文献1には、「著作権保護すべきデジタル情報の記録再生装置における記録媒体への記録制限を行える装置及び方法を提供する。」ことを課題とし、その解決手段として「記録再生制御回路は、コピー制御情報が、(Copy One Generation)である場合には、情報とともに、予め定めたビットレートに情報を変換した変換デジタル情報と、前記コピー回数情報を前記記録媒体に記録し、コピー制御情報に従い、(Copy No. More)でありながら、当該再生装置に接続された記録装置の記録媒体に前記デジタル情報あるいは前記変換デジタル情報を移動する場合は、可能回数を減じて前記コピー回数情報を更新し、前記デジタル情報信号あるいは前記変換デジタル情報と前記コピー制御情報および前記コピー回数情報を再度記録媒体に記録すると共に、前記デジタル情報信号あるいは前記変換デジタル情報を再生不能化する構成とした。」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−114090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、デジタル放送が普及すると共に様々な記録メディアが流通しており、デジタルコンテンツを視聴する形態も多種多様になってきている。このような環境下においては著作権保護の観点から、コピー制御情報を使用することによって複数の記録装置あるいは記録媒体間でのデータ送受信を制御することが考えられる。しかしコピー制御情報による制御は任意の機器間でコピー可能かどうかの判断が複雑になり、使用者の使い勝手を低下させる。特許文献1に示したデジタル情報記録再生方法では、コピー制御情報がCopy Once Generationであるデジタル情報のコピー可能回数を管理して、且つコピー可能回数の情報を使用者に表示することで使い勝手を向上している。
【0005】
しかし、特許文献1に示したデジタル情報記録再生装置では、デジタル情報のコピー制御方法として、記録媒体の種類に応じてコピー不可能と複数個コピー可能とを分別してデジタルデータを記録する状況は想定されず、その制御方法についてまで記載がない。
【0006】
特に例えば、録画予約時のコピー制御情報の設定や、その録画予約に従った録画実行時のコピー制御情報の変更などについて考慮されていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで例えば、番組の録画を予約したとき、コピー制御情報を設定し、これを録画予約の情報として示す。また例えば録画予約されていた記録媒体が変更されたとき、これにともなってコピー制御情報を変更する。また例えば変更されたときにはユーザに通知する。
【発明の効果】
【0008】
上記手段によれば、コピー制御情報に適しつつ、録画時または予約時のユーザの使い勝手を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】送信装置1の構成例を示すブロック図である。
【図3】コピー制御情報の一つであるコンテント利用記述子の構造の例である。
【図4】コンテント利用記述子の各フィールドへ記述例である。
【図5】コピー制御情報の一つであるデジタルコピー制御記述子の構造の例である。
【図6】コピー世代を制御する情報の例である。
【図7】送信装置1から送出されたコンテント利用記述子の各フィールドの受信装置3における受信処理の例である。
【図8】送信装置1が、コピー制御情報を利用することによる番組コンテンツの保護の運用例である。
【図9】受信装置3が、コピー制御情報を利用して番組コンテンツを蓄積(記録)する場合における制御の例である。
【図10】記録装置10の構成例を示すブロック図である。
【図11】記録再生制御部104の構成例を示すブロック図である。
【図12】着脱可能な記録媒体の情報の構成例を示す模式図である。
【図13】着脱可能な記録媒体の情報の構成例を示す模式図である。
【図14】録画予約情報を一覧表示する一例を示す模式図である。
【図15】録画予約情報を一覧表示する一例を示す模式図である。
【図16】記録したコピー制御情報の管理の一例を示す模式図である。
【図17】録画実行前のコピー制御情報設定の処理例を示すフローチャートである。
【図18】録画実行前のコピー制御情報設定の処理例を示すフローチャートである。
【図19】予約録画結果情報を一覧表示する一例を示す模式図である。
【図20】メッセージ表示の一例を示す模式図である。
【図21】録画番組を一覧表示する一例を示す模式図である。
【図22】記録装置10の構成例を示すブロック図である。
【図23】録画予約情報を一覧表示する一例を示す模式図である。
【図24】録画番組を一覧表示する一例を示す模式図である。
【図25】記録媒体の空き容量を表示する一例を示す模式図である。
【図26】録画予約時のコピー制御情報設定の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に好適な実施形態の例(実施例)を説明する。但し、本発明は本実施例に限定されない。
【0011】
<システム>
図1は、本実施例のシステムの構成例を示すブロック図である。放送で情報を送受信して記録再生する場合を例示している。但し放送に限定されず通信によるVODであってもよく、総称して配信ともいう。
【0012】
1は放送局などの情報提供局に設置される送信装置、2は中継局や放送用衛星などに設置される中継装置、ユーザの宅内などに設置される3は受信装置、10は受信装置3に内蔵される受信記録再生部である。受信記録再生部10では、放送された情報を記録し、再生することができる。
【0013】
送信装置1は、中継装置2を介して、変調された信号電波を伝送する。例えばケーブルによる伝送、電話線による伝送、地上波放送による伝送などを用いることもできる。受信装置3で受信されたこの信号電波は、後に述べるように、復調されて情報信号となった後、必要に応じ記録するに適した信号となって記録される。また、ユーザは、受信装置3にディスプレイが内蔵されている場合はこのディスプレイで、内蔵されていない場合には受信装置3と図示しないディスプレイとを接続して情報信号が示す映像音声を視聴することができる。
【0014】
<送信装置>
図2は、図1のシステムのうち、送信装置1の構成例を示すブロック図である。
【0015】
11はソース発生部、12はMPEG方式等で圧縮を行うエンコード部、13はスクランブル部、14は変調部、15は送信アンテナ、16は管理情報付与部である。カメラ、記録装置などから成るソース発生部11で発生した映像音声などの情報は、より少ない占有帯域で伝送できるよう、エンコード部12でデータ量の圧縮が施される。必要に応じてスクランブル部13で、特定の視聴者には視聴可能となるように伝送暗号化される。変調部14で伝送するに適した信号となるよう変調された後、送信アンテナ15から、中継装置2に向けて電波として送信される。このとき、管理情報付与部16では、コピーを制御するための情報であるコピー制御情報や現在時刻等の情報を付加する。
【0016】
なお、一つの電波には複数の情報が、時分割、スペクトル拡散などの方法で多重されることが多い。簡単のため図2には記していないが、この場合、ソース発生部11とエンコード部12の系統が複数個あり、エンコード部12とスクランブル部13との間に、複数の情報を多重するマルチプレクス部(多重化部)が置かれる。
【0017】
<コピー制御情報>
コピー制御情報は、コピーの可否や回数などの制限を制御する情報であり、例えば管理情報付与部16で付加される。コンテント利用記述子とデジタルコピー制御記述子などを含む。
【0018】
図8は、コピー制御情報を利用することによる番組コンテントの保護に関する運用の例を示す。
【0019】
「運用可」とは、それぞれのサービス形態に対応したコンテントに対して、デジタルコピー制御情報を用いた世代制限として送信側が選択できることを示す。例えば、「ペイパービュー(pay-per-view)」であれば、どのデジタルコピー制御情報を用いてもよいことを示しており、一方で「月極め等有料放送」であれば「コピー禁止」を送信側が選択できないことを示す。
【0020】
「フラット/ティア」とは、有料放送などで複数チャンネルをまとめて契約することをフラット契約と呼び、チャンネル毎に契約することをティア契約と呼ぶ。
【0021】
「上記以外」には、例えば「有料放送ではなく、コンテンツ保護を伴わない番組の場合」が含まれる。
【0022】
図3は、コピー制御情報の一つであるコンテント利用記述子の構造の一例を示す。コンテント利用記述子は、例えば管理情報付与部16で生成、付加され、MPEG-TSのPSI(Program Specific Information)(一例としてPMT(Program Map Table)など)或いはSI(Service Information)に格納されて送出される情報である。
【0023】
コンテント利用記述子の用途は、当該番組に対して、蓄積(記録)や出力に関する制御情報を記述する場合に配置(送出)されるものである。その意味は、digital_recording_control_mode(デジタルコピーモードビット)の1ビットのフィールドが「1」の場合、図5で説明するデジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataが「一世代のコピー可」であっても「個数制限コピー可」として記録可能であることを示す。「0」の場合、「個数制限コピー可」として記録することはできない。
【0024】
なお、コンテント利用記述子は、当該番組が出力保護の対象である場合に必ず配置(送出)する。この出力保護とは、コンテント利用記述子の出力保護ビット(encryption_mode)を用いて、「制約条件なしにコピー可」のコンテンツの高速デジタルインタフェース出力に対して、保護を実施することを意味する。別の言い方をすれば、デジタルインタフェースでの出力や記録媒体へのコピーの際に暗号化するものの、コピーの回数や世代には制限をかけない。インターネットへの再送信は事実上不可能となる。「出力保護付きコピー・フリー」や、EPN(encryption plus non-assertion)とも呼ぶ。
【0025】
また、当該番組のデジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」であり、且つ、「個数制限コピー可」の対象でない場合に必ず配置(送出)する。
【0026】
図4は、コンテント利用記述子の各フィールドの記述内容の一例を示す。
【0027】
「descriptor_tag」にはコンテント利用記述子を意味する“0xDE”を記述する。「descriptor_length」には、コンテント利用記述子の記述子長を記述する。「digital_recording_control_mode」には、デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」であり、且つ、「個数制限コピー可」の対象でない場合は’0’を記述する。デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」であり、且つ、「個数制限コピー可」の対象である場合は‘1’を記述する。
【0028】
「encryption_mode」には、デジタルコピー制御情報が「制約条件なしにコピー可」であり、且つ、高速デジタルインタフェース出力に保護を実施する場合は’0’を記述する。
【0029】
「retention_mode」は一時蓄積制御ビットを意味し、デジタルコピー制御記述子の「digital_recording_control_data」(デジタルコピー制御情報)が「コピー禁止」であっても一時蓄積が可能であることを表す“0”を記述する。「retention_state」は一時蓄積許
容時間を意味し、1時間30分の蓄積が可能なことを表す”111”を記述する。なお、「image_constraint_token」、「retention_state」、「encryption_mode」はデフォルトの状態では「1」である。
【0030】
各フィールドについては、受信側の処理として、図7でも後述する。
【0031】
図5は、コピー制御情報の一つであるデジタルコピー制御記述子の構造の一例を示す。デジタルコピー制御記述子は、例えば管理情報付与部16で生成、付加され、MPEG-TSのPSI(一例としてPMTなど)或いはSIに格納されて送出される情報である。
【0032】
デジタルコピー制御記述子は、「digital_recording_control_data」(デジタルコピー制御情報)の2ビットのフィールドにより、コピー世代を制御する情報を表す。
【0033】
図6は、デジタルコピー制御情報の例を示す。デジタルコピー制御情報が、「00」の場合には制約条件なしにコピー可を示し、「01」の場合には放送事業者の定義によることを示し、「10」の場合には一世代のコピー可であることを示し、「11」の場合にはコピー禁止であることを示す。なお、一世代のコピー可とは、受信した放送信号を記録(一世代目のコピー)できるが、記録した後には放送信号を複製(コピー)できないことを意味する。
【0034】
図3と図4のコンテント利用記述子をコピー個数制限情報、図5と図6のデジタルコピー制御情報をコピー世代制限情報とも呼ぶ。
【0035】
送信装置1から送出された、図3〜6で説明したコピー制御情報に関係する受信装置3の処理の詳細例を説明する。
【0036】
図7は、受信装置3における、コンテント利用記述子の各フィールドに対する処理の一例を示す。
【0037】
「descriptor_tag」が“0xDE”だと、当該記述子がコンテント利用記述子であると判断する。「descriptor_length」により、コンテント利用記述子の記述子長であると判断する。「digital_recording_control_mode」が’1’だと、デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」の場合、「個数制限コピー可」の対象であると判断する。’0’だと、デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」の場合、「個数制限コピー可」の対象でないと判断する。「image_constraint_token」については、いかなる値が入っていても映像信号出力の解像度の制限を行わないと判断する。「retention_mode」については、いかなる値が入っていても一時蓄積が可能であると判断する。「retention_state」については、いかなる値が入っていても一時蓄積許容時間が1時間30分であると判断する。「encryption_mode」が’1’だと、デジタルコピー制御情報が「制約条件なしにコピー可」の場合、高速デジタルインタフェース出力に保護を実施しないと判断する。’0’だと、デジタルコピー制御情報が「制約条件なしにコピー可」の場合、高速デジタルインタフェース出力に保護を実施すると判断する。
【0038】
なお、何らかの理由でコンテント利用記述子が配置(送出)されない場合、各フィールドが以下の値であると解釈するとよい。digital_recording_control_mode =‘1’、image_constraint_token =‘1’、retention_mode =‘0’、retention_state =‘111’、encryption_mode =‘1’。
【0039】
図9は、受信装置3が、コピー制御情報を利用して番組コンテンツを蓄積(記録)する制御の例を示す。
【0040】
図9が示している内容は例えば、番組コンテンツを蓄積するときに、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataが’10’で「一世代のコピー可」の場合、記録媒体上のコピー制御情報を「再コピー禁止」として蓄積する。但し、digital_recording_control_modeが’1’の場合は、「個数制限コピー可」として蓄積する。なお、「再コ
ピー禁止」で蓄積を行う場合にも、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataの値は変更しなくてよい。
【0041】
また、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataが’10’で「一世代のコピー可」の場合、複数のコピーを生成してはならない。但し、バックアップ目的でユーザがアクセスできないエリアへの蓄積は除外する。また、上記制限は、放送の受信部毎に課せられるものとし、放送の受信部が複数ある場合は、ひとつの放送の受信部毎に上記制限が課せられるものとする。
【0042】
個数制限コピー可について、「個数制限コピー可」として蓄積されている番組コンテンツからは、N個のコピーを生成することができる。Nの値は、例えば規格に準拠することでよい。高速デジタルインタフェース出力を経由してコピーを生成する場合は、ムーブ機能を用いる等によって、生成するコピーの数が確定できる場合にはコピーを行ってよい。例えば、インタフェースがIEEE1394で、出力先がDTCP規格に対応した装置であることを認識できた場合である。なお、生成したコピーは、「再コピー禁止」またはそれと同等の状態とする。
【0043】
また、「個数制限コピー可」として蓄積されている番組コンテンツを再生して出力する場合、高速デジタルインタフェースでは、DTCP(Digital Transmission Content Protection)に規定されているNo More Copiesの処理を行って出力する。アナログ映像出力およびデジタル音声出力については、「一世代のコピー可」として出力することができる。
【0044】
記録媒体がリムーバブル記録媒体である場合には、図9に加えて別の制限がある。番組コンテンツのリムーバブル記録媒体へのデジタル記録については、TV、データサービスのデジタル記録、或いは音声サービスのデジタル記録において、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataが’10’で「一世代のコピー可」の番組コンテンツを受信して記録するときは、受信したコンテンツについて一世代目であっても3つ以上ののコピーは許さない(例えば、放送を受信して記録するときに同時に3つ以上の記録媒体には記録させない)。この値(3つ以上を例示)は例えば規格に準拠することでよい。また、記録フォーマットが同一の一世代のコピーは複数生成させない。但し、バックアップ目的でユーザがアクセスできないエリアへのデジタル記録は除外する。また、デジタル記録媒体への記録制限は、放送の受信部毎に課せられるものとし、放送の受信部が複数ある場合は、ひとつの放送の受信部毎に上記制限が課せられるものとする。受信装置がdigital_recording_control_modeに対応していない記録方式を搭載する場合は、デジタルコピー制御記述子のcopy_control_typeが’01’で、digital_recording_control_dataが’10’の番組コンテンツについて、コンテント利用記述子のdigital_recording_control_modeの値にかかわらず「一世代のコピー可」の扱いでデジタル記録する。
【0045】
<受信装置(1)>
図10は、受信装置3内の記録装置10の例として、記録装置100の構成例を示す。記録機能のみでなく再生機能を有する装置であってもよい。
【0046】
101は入力端子であり中継装置2からの電波などのデジタルデータを入力とする。102は受信部であり、入力端子101から受信したデジタルデータを周波数変換、変調操作、誤り訂正などを行い、多重化された1トランスポンダ内のビットストリームを映像や音声などのパケットに分離化する。103は映像・音声情報処理部であり、映像データと音声データをデコードする。104は記録媒体への記録あるいは再生を制御する記録再生制御部であり、このモジュールのさらに詳細な内部構成の一例を図11に示す。105は例えばハードディスクドライブなどのデジタルデータを記録する記録媒体である。106は映像・音声データや各種アプリケーション用インタフェース(IF)の表示データから出力データを生成する表示制御部である。例えば映像音声処理部103で処理された映像データを必要に応じてスケーリングを行い、その映像データに例えば操作用のインタフェースや静止画像といった記録装置100が独自に用意する画像データを重ね合わせて表示画像を生成する。107は出力端子であり、生成されたデータを例えば表示用液晶パネルなどの表示デバイス(表示部)に転送する。108は使用者がリモコンを用いて操作を行う場合のリモコンIFである。109は入力端子でありリモコンからの信号を受信する受光部である。110は例えば録画や再生などの操作を行うボタン群を配し、使用者が直接ボタンを操作することで記録装置100の制御を行うための操作部である。111は記録装置100の動作を制御する制御部であり、例えばCPUで構成される。112は情報を記録するための不揮発性メモリである。113は制御部111と接続された各ブロック間でデータ通信を行うシステムバスである。114は着脱可能な記録媒体を装着可能とするスロット(着脱部とも呼ぶ)である。115は着脱可能な記録媒体であり、例えば記録媒体105と同一のフォーマットで記録を行う。116はスイッチであり、記録再生制御部104に対して、記録媒体105と着脱可能な記録媒体115のどちらへデータを出力するか、あるいはどちらのデータを入力するかを選択する。なお、図10では一つのスイッチのみ記載したが、入力用と出力用にそれぞれ異なるスイッチを用意することも考えられる。あるいは記録媒体105と着脱可能な記録媒体115夫々に対して記録再生制御部を用意するという構成でもよい。
【0047】
図11は記録再生制御部104の構成例を示す。201は入出力端子であり、システムバス113に接続し制御信号を伝送する。202は入力端子であり記録媒体に記録する映像データならびに音声データを含むデジタルデータを入力とする。203はコピー制御情報処理部であり、デジタルデータに含まれるコピー制御情報を解析し必要に応じて更新を行う。204は暗号部であり、例えば制御部111により伝送される鍵情報を用いるなどして、入力されたデジタルデータを暗号化する。205は記録制御部であり、記録媒体に記録する為のコマンドを発行し、デジタルデータの転送などの処理を行う。206は出力端子であり、記録媒体に接続される。207は入力端子であり記録媒体から再生するデジタルデータを入力する。208は再生制御部であり、記録媒体へコマンドを発行し所望のデジタルデータを再生する。209は復号部であり、読み出した暗号化されたデジタルデータを例えば制御部111より伝送される鍵情報を用いるなどして復号する。210は出力端子であり復号したデジタルデータを出力する。211はシステムバスであり、制御部と接続された各ブロック間でデータ通信を行うシステムバスである。
【0048】
記録媒体105にデジタルデータを蓄積するときには、制御部111は例えばデジタルデータに含まれるコピー制御情報に基づいてコピー制御情報処理部203の制御を行い、記録するデータにコピー制御情報を付与する。
【0049】
記録データに付与するコピー制御情報には、例えばコピー世代管理情報とコピー可能個数情報とを含み、コピー世代管理情報は例えば下記のような2ビットの信号で
11 コピー禁止(Copy-never)
01 録画後は再コピー不可能(No-more-copies)
10 一世代のみの記録が可能(Copy-one-generation)
00 コピー可能(Copy-free)
といった指定が考えられる。コピー可能個数情報は0以上の整数で、何個コピー可能かを指定することが考えられる。また、コピー世代管理情報が「コピー可能」であるデジタルデータにはデータが暗号化され出力保護されるものと暗号化されず出力保護されないものとが存在してもよい。
【0050】
図12は、着脱可能な記録媒体115(例えばリムーバブルハードディスク)の好ましいデータ構成の一例を示す。115は使用者がアクセスできない管理領域である。デジタルデータを暗号化してデータ記録領域302に記録するための鍵データを管理領域に保存することで秘匿性を保つ。302は使用者が所定の操作で内部のデータにアクセス可能なデータ記録領域である。301には鍵データを記録する。302には映像・音声データや静止画データなどのデータと共にデータ記録領域の各データに対応する鍵情報を判別するための情報再生用データを記録する。このような着脱可能な記録媒体115には、コピー制御情報を一括して管理領域に記録しておくこともできる。
【0051】
図13は、図12の記録媒体の好ましいデータ構成の一例を別の表現で示したものである。この記録媒体はコピー制御ができる記録媒体(セキュリティリムーバブルメディアとも呼ぶ)である。ここでのコピー制御には、複数個コピーの管理(コピー個数管理、コピー個数制御、個数制御コピーとも呼ぶ)及び/又はコピーの世代の管理(コピー世代管理、コピー世代制御、世代制御コピーとも呼ぶ)を含む。ユーザがアクセスできるノーマル領域と、ユーザがアクセスできない耐タンパ領域をひとつの記録媒体に併せ持つ。耐タンパ領域に格納される機密情報は、この記録媒体を扱うことのできる装置との認証処理により認証が確認できた場合にはアクセス可能となるようになっており、機密情報の管理ができるようになっている。図12の管理領域301が耐タンパ領域に、データ記録領域302がノーマル領域に対応する。
【0052】
図10で示した記録装置100においては、着脱可能な記録媒体115が図12や13で示したものとは異なって例えばコピー制御に関する管理情報や番組情報が不正に改竄される可能性のある記録媒体だったり、コピー制御ができない記録媒体(コピー制御に対応していると規格などで認定されていない記録媒体)であったりする場合、この記録媒体115(非セキュア記録媒体)には入力端子101から入力されたデジタルデータを記録するとき、制御部111はコピー制御情報処理部203にコピー世代管理情報をNo-more-copies、コピー可能個数情報を0として記録させる。
【0053】
<録画予約処理>
本実施例において使用者がリモコンを使用するかあるいは操作部110(リモコンの受信部と操作部110を総称して操作入力部とも呼ぶ)を使用して記録装置100に録画予約を行うことを考える。入力端子101から入力されるデジタルデータは例えばデジタル放送信号であるとする。使用者が録画を行うステップの一例を示す。例えば放送局から創出されるSI情報などに基づいて、制御部111は電子番組表を画面上に表示する。使用者は電子番組表を見て録画する番組を選択する。使用者が選択すると、制御部111は該当番組の情報から録画予約情報を生成し不揮発性メモリ112に記録する。実際に該当番組の放送時間になると、制御部111は記録した録画予約情報どおりに番組が開始することを例えばSI情報(EIT情報など)で確認し、記録した録画予約情報と合致すれば録画処理を開始する。合致しなければ録画を中止する、もしくは録画予約情報を更新して延期する。
【0054】
予約録画を行うには、この例に限らず、使用者が直接日時やチャンネルなど録画に必要な情報を指定して予約し、録画を実行することも可能である。
【0055】
このとき、例えばコンテント利用記述子のdigital_recording_control_mode情報、あるいはそれと一対一に対応するコピー制御に関する情報がSI情報などに含まれているならば,その情報から決定される記録時のコピー世代管理情報を録画予約情報に加える。含まれていない場合、放送局毎に使用するコピー制御方式が一意に決まる場合は録画予約情報にコピー制御方式を含むことが可能である。なお、ここでは、コピー世代管理情報で説明するが、コピー個数制御の情報についても適用できる。
【0056】
例えばコピー制御情報を正しく管理可能な記録媒体に録画を行う場合において、無料放送のみ行うデジタル放送網のデータについては、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataの値が「一世代のコピー可」であれば、記録時のコピー世代管理情報は「個数制限コピー可」と判別し、「制約条件なしにコピー可」であれば、記録時のコピー制御情報は「コピー可能(但し出力保護される)」と判別する。また有料放送を行うデジタル放送網のデータについてはデジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataの値が「一世代のコピー可」であれば、記録時のコピー制御情報は「再コピー禁止」と判別し、「制約条件なしにコピー可」であれば、記録時のコピー制御情報は「コピー可能(但し出力保護される)」と判別するなどである。あるいは例えば入力がアナログ放送を変換したデジタルデータの場合にはコピー制御方法は記録媒体に関わらず「コピー可能」とすると判別してもよい。以上の方法によって録画データのコピー情報を予め使用者に提示し、利便性を向上することが可能である。使用者が直接日時やチャンネルを指定した予約の場合,複数の番組に跨っている可能性が考えられるが、その場合には録画開始時刻のSI情報を取得してコピー制御方式を判定する、あるいは自動的に番組毎の録画予約に分割するなどの対応をしてもよい。
【0057】
図14は使用者が複数の番組を録画予約した場合に、録画予約情報を一覧形式で示す表示画面の一例である。表示画面は、表示制御部から出力され表示デバイスに表示される。401は表示用画面を示す。402は情報を表示する領域を示し、例えば各予約されたデジタルデータの放送される日時、放送時間、放送されるチャンネル、録画モード、番組名などの番組情報を表示する。このとき、記録装置100のように複数の記録媒体を接続している際には録画先の記録媒体を表示してもよい。また例えば録画が正常に終了した場合のデータ容量を見積もって表示するなどしてもよい。
【0058】
本実施例では、表示領域402に録画後のデータのコピー制御方法(コピー方法)を表示している。ここで表示するコピー制御方法は、録画する番組と記録媒体によって決定されることとする。さらに詳しく言えば、番組のデジタルコピー制御記述子情報と、番組のコンテント利用記述子あるいはそれに一対一で対応する情報と、記録する媒体のセキュア対応情報とによって決定されることとする。
【0059】
例えば録画番組のコピー世代管理情報がCopy-freeであれば記録する媒体に関わらずコピー可能である。図14に示す番組1では記録する番組がコピー可能であるためにコピー情報を「フリー」と表示する。記録する媒体が非セキュア記録媒体であれば、録画番組のコピー世代管理情報が複数個コピー可能にはできない。例えば図14(a)において番組4は記録する番組のコピー世代管理情報がコピー複数個可能であっても、記録先が非セキュア対応のDVDであるためにコピー情報欄は「禁止」としている(DVD以外、HDDでも非セキュアな記録媒体であることもある)。このように記録後の各デジタルデータのコピー制御方法がコピー不可能か複数個コピー可能かを表す情報を記録実行前から一覧で表示する。
【0060】
使用者は表示画面においてリモコンあるいは操作部110を使用して所定の操作を行い、情報の変更が可能である。
【0061】
図26は使用者が予約後に録画を行う記録媒体を変更する場合の処理例を示す。
【0062】
S1601ではリモコンI/F108あるいは操作部110から制御部111へ使用者が表示領域402に表示されている録画先欄を変更したことを示す信号を通知する。このとき制御部111は、録画先欄に使用者が指定した記録媒体の名前を表示してもよい。
【0063】
S1602では記録する番組のデジタルコピー制御記述子と、コンテント利用記述子あるいはそれに一対一で対応する情報とから記録後のコピー世代管理情報を計算してS1603へ進む。
【0064】
S1603ではS1602で取得した結果が「コピー可能」であればS1604へと進み、そうでなければS1605へ進む。
【0065】
S1604では制御部111は表示領域402の使用者が記録先を変更した予約情報のコピー情報欄を「フリー」と表示変更してS1610へ進む。この際に合わせて記録先の表示を変更してもよい。S1604ではS1602で取得した結果が複数個コピーを許可しないステータスであればS1606へ進み、複数個コピーを許容するのであればS1607へ進む。
【0066】
S1606では制御部111は表示領域402の使用者が記録先を変更した予約情報のコピー情報欄を「禁止」と表示変更してS1610へ進む。
【0067】
S1607では使用者に変更された録画対象が例えばDVDやBlu−rayディスクなどのような、必ず非セキュアとなる記録先であればS1608へ進み、例えば内蔵されたHDDのように必ずセキュア対応である、あるいはスロット114のようにセキュア対応と非セキュア対応の媒体が両方使用可能な記録先であれば、S1609へ進む。
【0068】
S1608では制御部111は表示領域402の使用者が記録先を変更した予約情報のコピー情報欄を「禁止」と表示変更してS1610へ進む。
【0069】
S1609では制御部111は表示領域402の使用者が記録先を変更した予約情報のコピー情報欄を「1世代N個」(Nは任意の正数)と表示変更してS1610へ進む。ただし、コピー世代管理情報が有限且つ複数世代のコピーを許容している場合には、その世代に合わせて表示変更する。
【0070】
S1610では制御部111は例えば不揮発性メモリ112に記録されている録画予約情報を上記の変更を反映するよう更新して処理を終了する。使用者が記録先を例えばスロット114に変更した場合にS1609では例えば実際にスロット114に装着されている記録媒体がセキュア対応かを判断して、コピー情報欄の更新を「1世代N個」とするか「禁止」とするかを変更してもよい。
【0071】
例えば受信装置3が外付けの記録媒体としてDVDを接続しているとして、図14(a)で外付けのDVDに記録するように予約していた番組の記録先を、図14(b)に示すように内蔵したHDDに記録するよう変更する操作入力を受けると、それに連動して、制御部111は、記録後のコピー制御方法は禁止から記録後N(Nは正数)個コピー可能に変更する。これにより、使用者が一覧を確認する際に記録後のデータの利用方法・管理方法を検討でき、必要に応じて記録先を変更することが容易に可能となり、利便性の向上が可能である。
【0072】
なお、図26のステップの順番は入れ換え又は取捨選択可能である。また、制御部111のうち、図26や後述の図17、18で説明する機能を実行する部位を特に、記録予約(録画予約)情報の管理部(制御部)とも呼ぶ。
【0073】
また、図14の例では録画を行う日付順でソートし一覧表示しているが、他のパラメータ、例えば録画時間の長い順やチャンネル順で表示を行ってもよい。また、放送局や番組のジャンルなどを制限して該当する録画予約情報のみを表示してもよい。
【0074】
図15には、録画後のコピー制御方法によってソートした場合の画面表示例を示す。501は表示画面を示す。502はソート方法を示すタグを表示する領域を示す。503は録画予約した番組の一覧を表示する領域を示す。502で指定したタグに応じて503で表示する番組の順序が変化する。図15の例では録画後のコピー制御方法によってソートされているため503では「コピーフリー」、「N個コピー可能」「コピー禁止」…といった順序で表示されている。これによってコピー制御情報ごとの録画番組が一目で判別でき、使用者に分かりやすい表示が可能である。特に例えば、ユーザが或る記録媒体の容量が一杯となり、他の記録媒体にコピー等して待避する場合にどの番組がコピーした後にまた戻せるため待避に適しているのかなどを選びやすくなる。勿論ソートする項目の切換方法は図15で示したタグの例に限らず、例えばリモコンの任意のボタンにソート方法の指定を割り当てるなどしても同様の効果を得ることが可能である。
【0075】
もしコンテント利用記述子のdigital_recording_control_mode情報、あるいはそれに一対一に対応するコピー制御に関する情報がSI情報に含まれていない場合、N回コピー可能をいう情報は表示できず、例えば「1世代コピー可能」といった括りで表示を行う。
【0076】
図16は記録媒体105あるいは着脱可能な記録媒体115に録画を行った際に、情報秘匿が可能な領域に保持するコピー制御情報記録領域601を示す一実施例である。602にはデジタルデータの一つの纏まりを示す番組IDを示す。纏まりの単位は例えば放送される番組の始めから終わりまでや、同一番組におけるコピー制御情報が同一である範囲である。603はその番組およびコピー制御情報が記録された日時を示す。604では該当データが記録媒体のどこに記録されているかを表すアドレス情報を示す。605は該当デジタルデータのコピー世代管理情報を示す。606は該当デジタルデータのコピー可能個数情報を示す。
【0077】
前述したように図1に示す構成によると、スロット114に挿入される着脱可能な記録媒体115には図16に示したようなコピー制御情報を秘匿して記録可能なもの(以降セキュア対応の記録媒体と表す)と、秘匿して記録不可能なもの(以降セキュア非対応の記録媒体と表す)が装着可能である。よってセキュア対応の記録媒体に録画後のコピー制御情報が1世代N個コピー可能にして記録をしたいが、実際にはセキュア非対応の記録媒体が装着しているために、コピー不可能のステータスで記録されてしまうことが考えられる。
【0078】
図17には、録画を実行するときに、着脱可能な記録媒体115のセキュア対応状態に応じて処理を変更する場合の処理例を示すフローチャートを示す。
【0079】
S701では着脱可能な記録媒体115がセキュア対応の記録媒体かどうかを確認してS702へ進む。
【0080】
S702ではS701の確認結果がセキュア対応であればS703へ進み、セキュア非対応であればS704へ進む。
【0081】
S703では予約通り着脱可能な記録媒体にデータを記録し、それに付随するコピー制御情報は1世代複数個コピー可能として記録し、S705へ進む。
【0082】
S704では内蔵の記録媒体にデータを記録し、コピー制御情報は1世代N回コピー可能として記録してS705へ進む。これは、内蔵の記録媒体がセキュア対応の記録媒体である場合である。内蔵の記録媒体にも非セキュア対応の記録媒体である可能性があるときには、後述する図18のS805、806、807、809、810の処理を実行することとなる(S807、S810で内蔵ではなく、着脱式の記録媒体に記録してもよい)。
【0083】
S705では制御部111は録画予約情報から実行された情報を削除して更新し、予約録画実行結果情報に今回の録画実行結果を加えて更新して処理を終了する。制御部111は予約録画実行結果情報を不揮発性メモリ112に記録する。
【0084】
本処理によって,使用者の意図にそぐわないコピー制御情報を付けてデータを記録して使い勝手が低下するのを防止することが可能である。
【0085】
また、録画開始時に使用者が受信装置3を使用している場合では、録画直前(例えば三分前など固定のタイミングで)にセキュア非対応の記録媒体が装着されているために、録画後複数個コピー可能な状態にならない旨を通知し、着脱可能な記録媒体の入れ替えを促すことも考えられる。こうすることで使用者が所望のコピー制御情報を加えて着脱可能な記録媒体に記録することが可能となる。
【0086】
また、内蔵記録媒体105の空き容量がない場合に記録が実行できないことを録画開始前に未然に検知し、代わりに着脱可能な記録媒体115に記録を行うことが考えられる。ただし、この場合着脱可能な記録媒体115のセキュア対応/非対応の如何によってコピー制御方法と異なるコピー制御方法で記録する。例えば着脱可能な記録媒体115がセキュア対応の記録媒体であれば、記録先を変更しても、録画後のコピー制御方法は1世代複数個コピー可能とし、一方でセキュア非対応の記録媒体であれば、録画後のコピー制御方法は複数個コピーを不可能とする。番組の終わりまで録画できるメリットがあり、さらにコピー制御方法が予約時と変わっているときにはその旨を通知することでユーザの変更不知を防止することができる。
【0087】
図18にはこのような処理例のフローチャートを示す。特に、何らかの理由(容量が不足、装着されていない等)により使用者が設定したコピー複数個可能となる記録が実行できない場合に、できる限り記録後にコピー複数個可能となる記録を実行する。
【0088】
S801ではまず内蔵の記録媒体105の空き容量があるかどうかを調査してS802へ進む。
【0089】
S802ではS801の調査結果で空き容量が無い場合にはS804へ進む。空き容量がある場合にはS803へ進む。
【0090】
S803では記録媒体105に録画を行いS808へ進む。
【0091】
S804では着脱可能な記録媒体115がセキュア対応の記録媒体か確認してS805へ進む。録画開始前に既に確認済みであれば、この工程は省いてもよい。S805ではS804の確認結果がセキュア対応であればS806へ、セキュア非対応であればS807へ進む。着脱可能な記録媒体が複数ある場合には、セキュア対応で且つ録画できる記録媒体がないかを確認し、あって且つ録画できればそのセキュア対応の着脱可能な記録媒体についてS806へ移行する。
【0092】
S806では着脱可能な記録媒体115に録画を行いS809へ進む。
【0093】
S807ではコピー制御情報としてコピー世代管理情報を「再コピー禁止(コピーネバー)」、コピー可能個数情報を0として着脱可能な記録媒体115に録画を行いS810へ進む。S808では録画予約情報を今回の録画に該当する情報を削除して更新し、録画実行結果情報を今回の録画に該当する情報を追加して更新し、処理を終了する。
【0094】
S809では録画予約情報を今回の録画に該当する情報を削除して更新し、録画実行結果情報を今回の録画に該当する情報を追加(但し成功した場合は例えば処理結果を“代行”とし、録画に失敗した場合は処理結果を“失敗”とする。)して更新し、処理を終了する。
【0095】
S810では録画予約情報を今回の録画に該当する情報を削除して更新し、録画実行結果情報を今回の録画に該当する情報を追加(但し成功した場合は例えば処理結果を“代行”とし、録画に失敗した場合は処理結果を“失敗”とし、且つコピー情報を予約時から変更したことを示す情報を付加する。)して更新し、処理を終了する。
【0096】
なお、S801とS802の処理については予約録画の対象となるデータ量の目安が判明している場合、その目安のデータ量と記録媒体105の空き容量を比較することで判定処理を行ってもよい。
【0097】
またS804からの処理については受信装置3に複数の記録媒体が接続されている場合には、接続されているすべての記録媒体について同様に確認を行い、セキュア処理対応の記録媒体を見つけることでセキュア対応の記録媒体にコピー制御情報を変更せずに記録する処理を行ってもよい。すべての記録媒体がセキュア非対応の場合,例えば空き容量が最も大きい記録媒体にコピー制御情報を変更して録画してもよい。以上の処理によってなるべくコピー制御方法を変更せずに録画を実行し、記録後の利便性が低下しないようにすることが可能である。
【0098】
別の例として,録画が開始される直前(例えば録画開始の三分前や五分前など一定の時間)に使用者が受信装置3を使用している場合であれば,記録を実行しようとしている記録媒体の空き容量が足りないことを通知して、削除を促してもよい。これによって使用者が録画後に複数個コピー可能な状態で記録するためには記録媒体から不要なデータを削除する必要性に気がつくことが可能である。
【0099】
なお、図17と図18を両方実行することも可能であり、例えば図17と図18に先立って録画予約されている記録媒体が内蔵であるか着脱であるかを判断するステップを設けて、内蔵である場合には図18に、着脱である場合には図17を実行するようにすればよい。
【0100】
また、図17、18のステップの順番は入れ換え又は取捨選択可能である。
【0101】
<録画後の表示処理>
図19は録画後に、予約録画実行結果情報を一覧形式で表示する表示画面の一例である。日付、録画時間、録画番組名、録画先などの情報は録画予約一覧に表示していた内容と同等の情報を表示し、「成功」や「失敗」といった実行結果をその隣に表示する。例えば図17のシーケンスにおけるS704のように予定していた記録媒体とは異なる記録媒体に録画を行った場合、実行結果欄に「代行」と表示する。また例えば図18のシーケンスのように録画後のコピー世代管理情報が複数個コピー不可となったものについて、例えばアイコンを表示することで表す。例えば使用者がこのアイコンを選択すると図20に示すようにより詳細なメッセージを表示する。使用者がメッセージを確認したら,上記のアイコンを非表示にしてもよい。
【0102】
図20には表示するメッセージの一例を示す。1001は表示するメッセージの一例を示す。1002は使用者が確認のために選択するボタンを示す。これによって、使用者は記録したデータが、コピー制御情報がコピー禁止のステータスで記録されたことを容易に判断可能である。このメッセージは、一覧表示するときに表示することに限らず、録画中、録画後に電源を投入したとき、録画したデータを選択したときなどであってもよい。
【0103】
図21は記録媒体中に記録されたデジタルデータを一覧形式でコピー制御情報毎に分類して表示する表示画面の一例である。
【0104】
図21(a)において1101は表示用画面である。1102は一覧を表示する記録媒体の名称を表示する領域である。例えば、受信装置3に記録媒体を複数接続する場合には、接続する記録媒体の数と同一の数のタグを1102の領域に表示する。このとき、使用者が直感的にいずれの記録媒体が複数個コピーに対応しているかを判別可能なように、複数個コピーに対応している記録媒体のタグを色付けして表示する。図21で示した例ではHDD1は非対応であり、HDD2は対応していることを表す。1103では例えばフォルダ名などのデジタルデータの分類を表示する。1104は1102で指定された記録媒体に記録されたデジタルデータの中から1103で指定された分類に該当するデータの一覧を表示する領域である。例えば使用者が所定の操作により1103の分類で「すべて」を選択すると、前記記録媒体に記録されているデータを順次1104に表示し、「フォルダ1」を指定すると、予め使用者がそのフォルダに分類したデータのみを1104に表示する。
【0105】
これにより、使用者は着脱可能な記録媒体が複数ある場合でも直ぐにどの媒体が複数個コピーに対応しているかが分かり利便性が向上する。
【0106】
図21(b)において1105では1103でフォルダ名による分類を表示していた代わりに、コピー世代管理情報による分類を表示する。このとき1104には1105で指定したコピー世代管理情報に該当するデータを一覧表示する。例えば使用者が所定の操作によって1105の分類で「コピーフリー」を選択すると、コピー世代管理情報がCopy-free であるデータのみを1104に表示し、「コピー1回可能」(コピー1世代可能でもよい)を選択すると、コピー世代管理情報がCopy-one-generationであるデータを1104に表示する。このときコピー世代管理情報がNo-more-copies でコピー可能個数が正数であるデータは「コピー1回可能」の分類で表示したり、コピー世代管理情報がCopy-one-generationで、かつコピー可能個数が0回であるデータは「コピー禁止」の分類で表示してもよい。また、表示に際しては各データのコピー可能個数情報をデータ名と合わせて表示してもよい。
【0107】
例えば複数個コピーに対応している記録媒体を選択している場合には、使用者はリモコンを用いた所定の操作、あるいは操作部110を用いた所定の操作によって制御部111は図21(a)で示したフォルダ構成の分類を用いた表示と図21(b)で示したコピー制御情報毎の分類を用いた表示とを切り替える。
【0108】
以上のように複数のセキュア対応/非対応の記録媒体が混在する場合の録画番組一覧の表示を行うことで、コピー制御情報に対応したデジタルデータの把握が簡単に行え、使用者の使い勝手を良くすることが可能である。
【0109】
あるいは番組ごとにコピー制御情報に応じて色分けして表示をしても同様の効果を得ることが可能である。例えばコピー複数個可能である番組、コピーフリーである番組、コピー禁止である番組をそれぞれ異なる色で表示することや、コピー可能個数が0に近づいたら色を付けるなどの方法でもよい。
【0110】
<受信装置(2)>
図22には入力端子、受信部を二つ搭載し、同時に二つのデジタルデータを入力可能とする記録装置1200の構成を示す。1201は101と同等の入力端子である。1202は102と同等の受信部である。デマルチプレクスを行う部分を102および1202から切り離して共通化する構成としてもよい。1203は104と同等の記録再生制御部を示す。1204はスイッチを示し、記録媒体105とスロット114のどちらに接続を行うかを制御部111が選択する。
【0111】
以上の構成により、二つの入力信号に対して例えば同時に同一の番組を同一の記録媒体に録画することが可能となり、二つの録画データが生成される。この場合二つの録画データのコピー可能個数が夫々Nであれば合計で2×Nのコピー個数となる。
【0112】
図23は使用者が同一の番組を同一の記録媒体に記録する予約を設定した場合に、録画予約情報を一覧形式で示す表示画面の一例である。1301は表示用画面を示す。1302は情報を表示する領域を示し、例えば各予約の録画後のコピー制御方法を示す場合に、同一の記録媒体に同一の番組を録画する際のコピー可能個数を合計して2N個として表示している。あるいは合計して表示を行うか個別に表示を行うかを使用者が所定の操作により切り替えることを可能としてもよい。
【0113】
図24は使用者が同一の番組を同一の記録媒体に記録する場合に、記録媒体中に記録されたデジタルデータを一覧形式で表示する表示画面の一例である。1401は表示用画面である。1402は記録されたデータの一覧を表示したい記録媒体の名称を表示する領域である。1403はフォルダ名などデジタルデータの分類を表示する領域である。1404は1402で指定された記録媒体に記録されたデジタルデータの中から1403で指定された分類に該当するデータの一覧を表示する領域である。例えばコピー制御情報を一緒に表示し、同一の番組を複数記録した場合には使用者には一つのデータであるように表示を行い、コピー可能個数は複数の番組夫々のコピー可能回数の合計値を表示する。これにより使用者は重複した番組を一つのものとして管理することとなり、使い勝手を向上することが可能である。
【0114】
図25は受信装置3に複数の記録媒体を装着した場合に、各記録媒体の空き容量を示す表示画面の一例を示す。1501は表示用画面である。例えば放送データを視聴中に使用者が所定の操作を行い、記録媒体の残量を確認する画面を表示用画面1501の一部分に表示する。1502に接続されている各記録媒体の名称を表示する領域である。複数個コピーに対応している記録媒体に色を付けて表示する。図25(a)ではHDD1は複数個コピー未対応でHDD2は複数個コピーに対応している例を示す。1503に空き容量を示す。記録媒体毎に各録画モードで録画可能な時間の目安を表示する。図25(b)では1504に各記録媒体の空き容量をデータサイズで一覧表示する。HDD1は複数個コピー未対応でHDD2は複数個コピーに対応している例を示す。これによって、使用者は記録媒体が複数使用可能な場合に、直ぐにどの媒体が複数個コピーに対応しているかが分かり利便性が向上する。
【符号の説明】
【0115】
1…送信装置 2…中継装置 3…受信装置 11…ソース発生部 12…エンコード部 13…スクランブル部 14…変調部 15…送信アンテナ 16…管理情報付与部 10、100、1200…記録装置 101、109、202、207、1201…入力端子 102、1201…受信部 103…画像・音声信号処理部 104、1203…記録再生制御部 105…記録媒体 106…表示制御部 107、206、210、1203、1302…出力端子 108…リモコンインタフェース 110…操作部 111…制御部 112…不揮発性メモリ 113…システムバス 201…入出力端子 203…コピー制御情報処理部 204…暗号部 205…記録制御部 208…再生制御部 209…復号部 114…スロット 115…着脱可能な記録媒体 116、1204…スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コピー制御情報を含むデジタル映像音声データを受信する受信部と、
前記受信部で受信したデジタル映像音声データと、前記受信部で受信したコピー制御情報に対応する当該デジタル映像音声データのコピーが許容される世代を示すコピー世代管理情報とを記録媒体に記録する記録部と、
所望の番組のデジタル映像音声データの前記記録部での記録の予約を示す記録予約情報を設定し、設定された記録予約情報を出力する表示するときには記録が予約された番組毎にコピー世代管理情報を出力する記録予約情報管理部とを有する記録装置。
【請求項2】
請求項1の記録装置であって、
前記記録予約情報管理部は、コピー世代管理情報を、記録する番組と当該番組を記録する記録媒体とによって異ならせる記録装置。
【請求項3】
請求項1の記録装置であって、
前記記録予約情報管理部は、前記記録予約情報を複数出力するとき、前記コピー世代管理情報の昇順又は降順に並べて表示する画面を出力する記録装置。
【請求項4】
コピー制御情報を含むデジタル映像音声データを受信する受信部と、
前記受信部で受信したデジタル映像音声データと、前記受信部で受信したコピー制御情報とを記録媒体に記録する記録部と、
前記記録部での所望の番組のデジタル映像音声データと第1のコピー制御情報の第1の記録媒体への記録の予約を示す記録予約情報を設定し、当該記録予約情報に従って前記記録部による記録をするときに前記第1の記録媒体への記録ができないときには、当該記録予約情報に対応するデジタル映像音声データを第2の記録媒体に記録し且つ前記第1のコピー制御情報を第2のコピー制御情報に変更して前記記録部に記録させる制御部とを有する記録装置。
【請求項5】
請求項4の記録装置であって、
前記制御部は、前記第2のコピー制御情報を前記第2の記録媒体に基づいて決定する記録装置。
【請求項6】
請求項4の記録装置であって、
前記制御部は、前記コピー制御情報を変更したときには、コピー制御情報を変更したことをユーザに通知する記録装置。
【請求項7】
複数の記録媒体を有し、前記複数の記録媒体に記録した前記デジタル情報の一覧を表示するときに、前記複数の記録媒体の各々が複数個コピー可能な記録に対応しているかを色分けして表示する記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−65334(P2012−65334A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241838(P2011−241838)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【分割の表示】特願2007−174716(P2007−174716)の分割
【原出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】