説明

デジタルデータのエンコード又はデコード方法、データ配布装置、およびデータ管理装置

【課題】デジタルデータのエンコード又はデコード方法、データ配布装置、およびデータ管理装置を提供する。
【解決手段】デジタルデータのエンコード方法は、以下のステップを有する。デジタルデータが受信される。線形結合処理を用いて、サインデータがデジタルデータにエンコードされ、エンコードされたデジタルデータが取得される。ここでデジタルデータのサイズはエンコード処理後において変化しない。エンコードされたデジタルデータが配布される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、データ配布装置のトラッキング(追跡)が可能なデジタルデータのエンコード又はデコード方法、データ配布装置、およびデータ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルネットワーク技術の発達に伴い、無線アドホックネットワークが提供されている。例えば米国特許第7734278号は、アドホックネットワークへの参加のためのクレジットを提供する方法およびシステムを開示している。無線アドホックネットワークは分散ネットワークシステムであり、無線アドホックネットワークの各ノードは、既存のネットワークフレームワーク(例えばルータや無線アクセスポイント)に依存するのではなく、ネットワークパッケージを他のノードに対して配布することができる。こうして、無線アドホックネットワークは、ノード間の動的な接続を用いて形成される。
【0003】
しかしながら、無線アドホックネットワークの性質により、データが既にノード間で配布された後、該データをトラッキングすることは実に困難である。現在のトラッキング方法は、膨大な量のネットワークリソースを消費するものであり、同時に、認証データは容易に破壊されうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7734278号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、データ配布装置のトラッキングが可能なデジタルデータのエンコード又はデコード方法、データ配布装置、およびデータ管理装置に向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によると、データ配布装置のトラッキングが可能なデジタルデータのエンコード方法が提供される。前記デジタルデータのエンコード方法は、以下のステップを含む。デジタルデータが受信される。線形結合処理を用いて、サインデータが前記デジタルデータにエンコードされて、エンコードされたデジタルデータが取得される。ここで前記デジタルデータのサイズは前記エンコード処理後において変化しない。前記エンコードされたデジタルデータが配布される。
【0007】
本発明の第2の側面によると、データ配布装置のトラッキングが可能なデジタルデータのデコード方法が提供される。前記デジタルデータのデコード方法は、以下のステップを含む。デジタルデータが受信される。線形コードのデコードアルゴリズムにより前記デジタルデータから正しいコードワードがデコードされ、少なくとも1つのエラー文字のエラー位置が特定される。ここで、前記エラー位置はサインデータを示す。前記エラー位置に基づいて、少なくとも1つのデータ配布装置がトラッキングされる。
【0008】
本発明の第3の側面によると、データ配布装置が提供される。前記データ配布装置は、受信部、エンコード処理部、および配布部を含む。前記受信部は、デジタルデータを受信するのに使用される。前記エンコード処理部は、線形結合演算を用いてサインデータを前記デジタルデータにエンコードし、エンコードされたデジタルデータを取得するのに使用され、前記デジタルデータのサイズは前記エンコード処理の後において変化しない。前記配布部は、前記エンコードされたデジタルデータを配布するのに使用される。
【0009】
本発明の第4の側面によると、データ管理装置が提供される。前記データ管理装置は、入力部、デコード処理部、およびトラッキング部を含む。前記入力部は、デジタルデータを入力するのに使用される。前記デコード処理部は、線形コードのデコードアルゴリズムにより前記デジタルデータから正しいコードワードをデコードし、少なくとも1つのエラー文字のエラー位置を特定するのに使用される。ここで、前記エラー位置はサインデータを示す。前記エラー位置に基づいて、少なくとも1つのデータ配布装置がトラッキングされる。
【0010】
本発明の上述した側面および他の側面は、以下の限定的でない実施形態の詳細な記述により、より深く理解できるであろう。以下の記述は、添付された図面を参照しつつなされるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係るデータ配布システムを示す図である。
【図2】データ配布装置のブロック図を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るデジタルデータのエンコード方法のフローチャートを示す図である。
【図4】データ管理装置のブロック図を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るデジタルデータのデコード方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に、本発明の一実施形態に係るデータ配布システム1000を示す。例えば無線アドホックシステムにより実現されるデータ配布システム1000は、データ供給装置100、データ管理装置200、および複数のデータ配布装置(data dissemination device)300を含む。データ供給装置100は、例えば広告コミッショナーのオペレーティングコンピュータにより実現される。データ管理装置200は、例えば広告会社のサーバにより実現される。データ配布装置300は、例えばその所有者がデータ配布に参加しようとしている車載コンピュータにより実現される。
【0013】
広告を有するデジタルデータDは、以下のように配布(伝播)される。まず、データ供給装置100によって、デジタルデータDがデータ管理装置200に供給される。次に、データ管理装置200によって、デジタルデータDがデータ配布装置300の1つに配布(供給)される。そして、データ配布装置300によって、デジタルデータDが(データ管理装置200を介することなく)他のデータ配布装置300に配布(供給)される。ここで、デジタルデータDの配布前の各タイミング(最初に、データ管理装置200によってデジタルデータDがデータ配布装置300の1つに配布(供給)される前のタイミングを含む)において、コーディング処理が行われてサインデータS(図2に示す)がデジタルデータDにエンコードされる。その結果、複数のサインデータS(少なくともデータ管理装置200のサインデータを含む)がデジタルデータDの中に隠され、ここでこれらのサインデータDは、どのデータ配布装置300がデータの配布を支援しているのかを示す。従って、データ管理装置200は、デジタルデータDに対してデコード処理を行うことで、どのデータ配布装置300がデータDの配布を支援しているのかを把握する。
【0014】
図2に、データ配布装置300のブロック図を示す。該データ配布装置300を例として説明する。各データ配布装置300は、受信部310、エンコード処理部320、配布部330、および記録部340を含む。受信部310は、あらゆるタイプのデータを受信するのに使用される。配布部330は、あらゆるタイプのデータを配布するのに使用される。受信部310および配布部330は、例えばケーブルで接続されたネットワークモジュール、無線ネットワークモジュール、もしくは無線配布(無線伝播)モジュールにより実現されうる。エンコード処理部320はコーディング処理を実行するのに使用され、例えばマイクロプロセシングチップ、ファームウエアユニット、もしくは複数のプログラミングコードを有するデジタル記憶媒体により実現されうる。記録部340は、あらゆるタイプのデータを記録するのに使用され、例えばハードディスク、メモリー、もしくは光学ディスクにより実現されうる。
【0015】
図2および図3を参照する。図3は、本発明の一実施形態に係るデジタルデータのエンコード方法のフローチャートを示す。データ配布装置300の動作は、添付されるフローチャートを用いて以下に詳述される。しかしながら、本発明のデジタルデータのエンコード方法の技術について通常の知識を有する誰もが、本発明の実施形態は図2のデータ配布装置300においてのみ使用されるとの限定を受けるものではなく、本発明の一実施形態に係るデータ配布装置300は、図3のフローチャートにおいてのみ使用されるとの限定を受けるものではないことを理解するであろう。
【0016】
まず、ステップS110において、デジタルデータDが、データ配布装置300の受信部310により受信される。ここでデジタルデータDは、データ管理装置200(図1に示す)や、任意のデータ配布装置300のいずれかにより出力されてよい。デジタルデータDは、例えば広告、本の借り出し記録、電子ブック、スポーツ用具の借り出し記録、もしくはコンピュータプログラムファイル等の多くのデータを含んでよい。
【0017】
デジタルデータDが広告を含む場合、該広告はデジタルデータの配布処理の間に迅速に配布されうる。そしてデジタルデータDに隠されるサインデータSは、どのデータ配布装置300が配布を支援しているかのトラッキングに使用することができ、適切な報酬が与えられることになる。
【0018】
デジタルデータDが本の借り出し記録を含む場合、本を図書館に戻したりブックシェルフにファイルしたりする必要がない。そしてその代わりに、データ配布装置300としての役割も担う借り出し者の間を、本は直接流通することができる。本が最後に、図書館としての役割を担うデータ管理装置200(図1に示す)に流通した時、データ管理装置200は、サインデータSをトラッキングして、それまでにその本を誰が借りたかを把握することができる。
【0019】
そして、ステップS120において、サインデータSは、エンコード処理部320により実行される線形結合処理を用いて、デジタルデータDにエンコードされ、エンコードされたデジタルデータDが得られる。サインデータSはデータ配布装置300に専有されるもの(固有のもの)である。すなわち、データ配布システム1000が100万のデータ配布装置300を有していれば、100万の異なるサインデータSが存在する。サインデータSとデータ配布装置300との間の関係は、データ管理装置200に予め記憶されている。
【0020】
このステップにおいて、エンコード前のデジタルデータのサイズはサインデータのサイズと同じであり、デジタルデータDのサイズはエンコード処理の後も変化せず、従って送信されるデータ量は、配布回数の増加に伴って増加することはない。すなわち、デジタルデータDが100万回配布されても、デジタルデータDのサイズは変化しない。
【0021】
さらに、数多くの配布の後においては、サインデータSは既にデジタルデータDの中に隠され、デジタルデータDから消去されることはない。
【0022】
図2に示されるように、本発明の一実施形態におけるエンコード処理部320は、加法演算器321および剰余演算器322を含む。加法演算器321は加法演算を実行するのに使用される。剰余演算器322は剰余(mod)演算を実行するのに使用される。デジタルデータDとサインデータSは、バイナリデータ又は有限体GF(p)に属する元(elements belonging to the finite field GF(pn))である。
【0023】
デジタルデータDが3ビットのバイナリデータであり、データ配布装置300の受信部310により受信されるデジタルデータDが”110”であり、かつデータ配布装置300のサインデータSが”100”である場合、サインデータSをデジタルデータDにエンコードする処理は以下に示すとおりである。
【0024】
1.加法演算器321により、2つのデータの、最初のバイナリ値”1”および左からカウントされた”1”について加法演算が実行される。得られる和はバイナリ値”10”である。
【0025】
2.剰余演算器322により、被除数であるバイナリ値“10”および除数であるバイナリ値”10”について剰余演算が実行される。得られる剰余はバイナリ値”0”であり、これはエンコードされたデジタルデータDの左からカウントされる最初のビットである。
【0026】
3.加法演算器321により、2つのデータの、左からカウントされた2番目の値”1”および”0”に対して加法演算が実行される。得られる和はバイナリ値”1”である。
【0027】
4.剰余演算器322により、被除数であるバイナリ値”1”および除数であるバイナリ値”10”について剰余演算が実行される。得られる剰余はバイナリ値”1”であり、これはエンコードされたデジタルデータDの左からカウントされる2番目のコードである。
【0028】
5.加法演算器321により、2つのデータの、左からカウントされた3番目のバイナリ値”0”および”0”に対して加法演算が実行される。得られる和はバイナリ値”0”である。
【0029】
6.剰余演算器322により、被除数であるバイナリ値”0”および除数であるバイナリ値”10”について剰余演算が実行される。得られる剰余はバイナリ値”0”であり、これはエンコードされたデジタルデータDの左からカウントされる3番目のコードである。
【0030】
最後に、サインデータS(すなわち”100”)が、加法演算および剰余演算を用いてデジタルデータD(すなわち”110”)にエンコードされ、エンコードされたデジタルデータD(すなわち”010”)が得られる。本実施形態において、サインデータS(すなわち”100”)およびデジタルデータD(すなわち”110”)はともにバイナリデータであるため、これらに対し排他的論理和(XOR)演算を直接実行できる(すなわち、

)。しかしながら、サインデータSおよびデジタルデータDは必ずしもバイナリデータである必要はない。GF(p)として示されるあらゆる有限体が、サインデータSおよびデジタルデータDの演算体(オペレーティングフィールド)として使用でき、ここでpは素数を示し、nは1以上の整数である。有限体において、加法演算器および剰余演算器の演算は、有限体で定義される加法演算および剰余演算と同じである。
【0031】
上述したように、エンコード前のデジタルデータD、エンコードされたデジタルデータD、およびサインデータSは、全て3ビットのデータであり、エンコードされたデジタルデータDのデータ量はエンコード処理の後においても増加しない。また、サインデータSはエンコードされたデジタルデータDから容易に取得することはできない。
【0032】
そして、ステップS130において、エンコードされたデジタルデータDは、データ配布装置300の配布部330によって、他のデータ配布装置300又はデータ管理装置200に配布される。
【0033】
図4には、データ管理装置200のブロック図が示される。該データ管理装置200を例として説明する。データ管理装置200は、入力部210、デコード処理部220、トラッキング部230、および記憶部240を含む。入力部210は、あらゆるタイプのデータを入力するのに使用され、例えばケーブルで接続されたネットワークモジュール、無線ネットワークモジュール、無線配布(無線伝播)モジュール、キーボード、マウス、もしくはタッチパネルにより実現されうる。デコード処理部220は、デコード処理を実行するのに使用される。トラッキング部230は、特定のサインデータSに対応する特定のデータ配布装置300を特定するのに使用される。デコード処理部220およびトラッキング部230は、例えばマイクロプロセシングチップ、ファームウエア回路、もしくは複数のプログラミングコードを有するデジタル記憶媒体により実現されうる。記憶部240はあらゆるタイプのデータを記憶するのに使用され、例えばハードディスクや光学ディスクにより実現されうる。
【0034】
図4および図5を用いて説明する。図5は、本発明の一実施形態に係るデジタルデータのデコード方法のフローチャートを示す。データ管理装置200の動作は、添付されるフローチャートを用いて以下に詳述される。しかしながら、本発明のデジタルデータのデコード方法の技術について通常の知識を有する誰もが、本発明の実施形態は図4のデータ管理装置200においてのみ使用されるとの限定を受けるものではなく、本発明の一実施形態に係るデータ管理装置200は、図5のフローチャートに限定されるものではないことを理解するであろう。
【0035】
まず、ステップS210において、デジタルデータDが、データ管理装置200の入力部210により受信される。ここでデジタルデータDは、データ配布装置300の1つを経由して、もしくはユーザの手動入力により、直接配布(供給)されうる。
【0036】
次に、ステップS220において、デコード処理部220により、線形コードのデコードアルゴリズムを使用して、デジタルデータから正しいコードワードがデコードされ、少なくとも1つのエラー文字のエラー位置が特定される。ここでエラー位置はサインデータSを示す。各サインデータSは、特定のデータ配布装置300に専有されるもの(固有のもの)である。サインデータSとデータ配布装置300の対応テーブルは記憶部240に記憶されている。
【0037】
一実施形態において、記憶部240は、線形コードからなるコードワードの集合を予め記憶している。この集合は、{000000,100110,010011,001111,110101,101001,011100,111010}と表される。さらに、記憶部240は、線形コードのパリティチェック行列

も記憶する。さらに、記憶部240は、6つのデータ配布装置300に対応するサインデータSの集合も記憶する。この集合は、{110,011,111,100,010,001}と表される。各サインデータSは、パリティチェック行列の列に由来する。
【0038】
本発明の一実施形態において、データ管理装置200の入力部210により受信されたデジタルデータDが”110”である場合、線形コードのデコードアルゴリズムによるサインデータSのデコード処理は以下に示すとおりである。
【0039】
1.等式wH=[110]を満たすベクトルwが算出される。算出後に取得されるベクトルwは[000110]である。
【0040】
2.ベクトルwに関して、異なるビット数が最も少ないベクトルv0がコードワードの集合{000000,100110,010011,001111,110101,101001,011100,111010}から特定される。例えば、ベクトル[000110]とベクトル[100110]は、最初のビットにおいてのみ異なっているので、異なるビットは1つだけ存在する。算出後に得られるベクトルv0の正しいコードワード[100110]である。
【0041】
3.排他的論理和(XOR)演算がベクトルwとベクトルv0に対して実行される。エラー位置ベクトルvf[100000]が得られる。
【0042】
4.エラー位置ベクトルvf[100000]において、最初のビットのみが”1”である。これはエラー文字が最初の位置において発生していることを示しており、デジタルデータDにエンコードされたサインデータSは、最初のサインデータ”110”である。
【0043】
そして、ステップS230において、トラッキング部230により、サインデータS(すなわち”110”)に対応する1つのデータ配布装置300が、6つのデータ配布装置300に対応するサインデータSの集合{110,011,111,100,010,001}から特定される。
【0044】
S220において、1つよりも多くのエラー位置を得ることは可能である。従って、ステップS230において、トラッキング部230は複数の対応するデータ配布装置300のトラッキングを行う。
【0045】
上述のデジタルデータDが広告を含む例においては、コーディング処理を実行してデータ配布を支援したデータ配布装置300が検出(トラックアウト)され、広告会社は該データ配布装置300がインストールされた車両の所有者に報酬を与えることができる。
【0046】
上述の本借り出しの例においては、本を借りた全ての読者が検出(トラックアウト)され、その結果、図書館は借り出し記録を取得することができる。
【0047】
本発明は実施例および好適な実施形態を用いて示されたが、これらに限定されるものではないことが理解されるべきである。一方、本発明はさまざまな変更、同様の構成および処理を包含するものであって、添付された請求項による範囲は、そのような変更、同様の構成および処理を含むよう、最も広く解釈されることが認められるべきものである。
【符号の説明】
【0048】
100 データ供給装置、200 データ管理装置、210 入力部、220 デコード処理部、230 トラッキング部、240 記憶部、300 データ配布装置、310 受信部、320 エンコード処理部、321 加法演算器、322 剰余演算器、330 配布部、340 記録部、1000 データ配布システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ配布装置のトラッキングが可能なデジタルデータのエンコード方法であって、
(a)デジタルデータを受信するステップ、
(b)線形結合処理を用いて、サインデータを前記デジタルデータにエンコードして、エンコードされたデジタルデータを取得するステップであって、前記デジタルデータのサイズが前記エンコード処理後において変化しないステップ、および
(c)前記エンコードされたデジタルデータを配布するステップ、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ配布装置のトラッキングが可能なデジタルデータのエンコード方法であって、
前記ステップ(b)において、エンコード前の前記デジタルデータのサイズが、前記サインデータのサイズと同じであることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載のデータ配布装置のトラッキングが可能なデジタルデータのエンコード方法であって、
前記ステップ(a)および前記ステップ(b)において、前記デジタルデータおよび前記サインデータは、バイナリデータ、又は有限体GF(p)に属する元であることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載のデータ配布装置のトラッキングが可能なデジタルデータのエンコード方法であって、
前記ステップ(b)において、前記サインデータは、加法演算および剰余演算を用いて前記デジタルデータにエンコードされることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載のデータ配布装置のトラッキングが可能なデジタルデータのエンコード方法であって、
前記ステップ(a)において、前記デジタルデータは広告を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
データ配布装置のトラッキングが可能なデジタルデータのデコード方法であって、
(d)デジタルデータを受信するステップ、
(e)線形コードのデコードアルゴリズムにより、前記デジタルデータから正しいコードワードをデコードし、少なくとも1つのエラー文字のエラー位置を特定するステップであって、前記少なくとも1つのエラー位置はサインデータを示すステップ、および
(f)前記エラー位置に基づいて、少なくとも1つの配布装置をトラッキングするステップ、
を有することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載のデータ配布装置のトラッキングが可能なデジタルデータのデコード方法であって、
前記ステップ(d)および前記ステップ(e)において、前記デジタルデータおよび前記サインデータは、バイナリデータ、又は有限体GF(p)に属する元であることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6に記載のデータ配布装置のトラッキングが可能なデジタルデータのデコード方法であって、
前記ステップ(e)において、前記正しいコードワードは、パリティチェック行列を用いて前記デジタルデータからデコードされ、少なくとも1つのエラー文字のエラー位置が特定され、かつ前記エラー位置はサインデータを示すことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項6に記載のデータ配布装置のトラッキングが可能なデジタルデータのデコード方法であって、
前記ステップ(d)において、前記デジタルデータは広告を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
デジタルデータを受信するのに使用される受信部、
線形結合演算を用いてサインデータを前記デジタルデータにエンコードし、エンコードされたデジタルデータを取得するのに使用されるエンコード処理部であって、前記デジタルデータのサイズは前記エンコード処理の後において変化しないエンコード処理部、および
前記エンコードされたデジタルデータを配布するのに使用される配布部、
を有することを特徴とするデータ配布装置。
【請求項11】
請求項10に記載のデータ配布装置であって、
前記デジタルデータおよび前記サインデータは、バイナリデータ、又は有限体GF(p)に属する元であることを特徴とするデータ配布装置。
【請求項12】
請求項10に記載のデータ配布装置であって、
前記エンコード処理部は、
加法演算を実行するのに使用される加法演算器、および
剰余演算を実行するのに使用される剰余演算器を有し、
前記サインデータは、前記加法演算および前記剰余演算を用いて前記デジタルデータにエンコードされる、
ことを特徴とするデータ配布装置。
【請求項13】
デジタルデータを入力するのに使用される入力部、
線形コードのデコードアルゴリズムにより、前記デジタルデータから正しいコードワードをデコードし、少なくとも1つのエラー文字のエラー位置を特定するのに使用されるデコード処理部であって、前記エラー位置はサインデータを示すデコード処理部、および
前記エラー位置に基づいて、少なくとも1つの配布装置をトラッキングするのに使用されるトラッキング部、
を有することを特徴とするデータ管理装置。
【請求項14】
請求項13に記載のデータ管理装置であって、
パリティチェック行列を記憶する記憶部をさらに有し、
前記デコード処理部は、前記パリティチェック行列を用いて前記デジタルデータから前記エラー位置をデコードすることを特徴とするデータ管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−138898(P2012−138898A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250163(P2011−250163)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】