説明

デジタル・ストリーム内の遅延変動測定方法及び装置

【課題】デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム内の第1及び第2エレメンタリ・ストリームの間の遅延変動を測定する。
【解決手段】デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム・タイムスタンプ値を検出して蓄積し、第1及び第2エレメンタリ・ストリーム用のエレメンタリ・ストリーム・タイムスタンプ値を検出して蓄積する。デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム・タイムスタンプ値及びエレメンタリ・ストリーム・タイムスタンプ値を補間して、共通のサンプリング・ポイントを有するデータ・セットを形成する。第2エレメンタリ・データ・ストリームの補間データ・セットから第1エレメンタリ・データ・ストリームの補間データ・セットを減算して、第1及び第2エレメンタリ・ストリームの間の時間経過に伴う遅延の変化を表すエレメンタリ・ストリーム差値を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリームの試験に関し、特に、圧縮デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム内の遅延を測定する改良された方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる「オンディマンド」テレビジョン・サービス、インターネット・プロトコル・テレビジョン(IPTV)などのほとんどの最新のデジタル・テレビジョン放送システムは、デジタル圧縮及び伝送技術を用いて、オーディオビジアル・コンテンツを最終視聴者に配信している。
【0003】
これらデジタル・オーディオビジアル・システムにおいて、エンコーダ(MPEG−2、MPEG−4、H.264などの汎用圧縮標準を用いるエンコーダ)により、オーディオ及びビデオのデータを圧縮して、各データ形式用の個別の圧縮エレメンタリ・ストリームを発生する。これら圧縮エレメンタリ・ストリームは、パケット化エレメンタリ・ストリーム(PES:Packetized Elementary Stream)にパケット化される。サブタイトル・データの如き他のデータもPESパケットにパケット化される。次に、多数のPESパケットをトランスポート・ストリーム又はプログラム・ストリームに組合せる。これは、サービス情報の如きデータを含む他の非PESパケットも含んでいる。最終視聴者へ配信するための通信ネットワーク(例えば、デジタルTV放送システム、又はIPTVシステムに基づくネットワーク)を介して、トランスポート・ストリーム又はプログラム・ストリームを送る。
【0004】
エンコーダ内部PESパケットから出力されるエレメンタリ・ストリームからのシーケンシャル・データ・バイトをカプセル化して(包み込んで)、エレメンタリ・ストリームをパケット化する。これは、PESヘッダを含んでいる。
【0005】
ビデオ又はオーディオのエンコーダからのエレメンタリ・ストリーム・データを伝送する典型的な方法は、まず、エレメンタリ・ストリーム・データからPESパケットを生成し、次に、トランスポート・ストリーム(TS)パケット又はプログラム・ストリーム(PS)パケット内部のこれらPESパケットをカプセル化する。デジタル・ビデオ放送(DVB:Digital Video Broadcasting)及びATSC(Advanced Television Systems Committee)が定めた標準放送技術を用いて、TS/PSパケットをサービス情報とマルチプレクスし、伝送する。
【0006】
パケット化エレメンタリ・ストリームは、アクセス・ユニットを具え、各アクセス・ユニットは、ビデオ、オーディオ又はデータの他の形式を含んでいる。アクセス・ユニットは、色々な意味で、インターネットの如きコンピュータ・ネットワークで用いるようなインターネット・プロトコル(IP)パケットに類似している。ここで、これらは、パケット化されたデータであり、ヘッダ・データを含んでおり、ダウンストリーム装置がどのように各ペイロード・データを記述し制御するかのヘッダ・データを含む。
【0007】
最終聴視者は、デコード装置を含む受信器を用いて、受信したトランスポート・ストリームからのオーディオビジアル・データを受信しデコードして、TV又は他の視覚装置により再生する。受信器及びデコード装置は、統合デジタルTV、デジタルTVセット・トップ・ボックス、又は、必要なデコード装置(例えば、USBデジタルTVドングル)が接続されたある種のPC(パーソナル・コンピュータ)の形式でもよい。
【0008】
個別のパケット化エレメンタリ・ストリームを介して、ビデオ、オーディオ及び他の関連データを送るので、データが互いに整列するようなメカニズムがあり、同期状態で最終聴視者にて再生される。オーディオ、ビデオ又は他のデータは、しばしば互いに同期して出力するので、上述の同期状態の再生は重要であり、リップ同期(ビデオとオーディオの同期)、サブタイトル同期などを維持する。
【0009】
典型的には、例えば、エンコーダのクロック基準とデコーダ(又は、再マルチプレクサの如き他のダウンストリーム装置)内のローカル・クロック基準との間の伝送システムの同期アクセスを確実にするために、中央プログラム・クロック基準(PCR:Program Clock Reference)を用いて、単一のトランスポート・ストリーム内の個別のパケット化エレメンタリ・ストリームを同期させる。これを実現するには、ローカル・エンコーダ・クロック基準出力に基づいたPCRタイムスタンプをエンコーダからの出力トランスポート・ストリームに周期的に送るので、エンコーダ・クロック基準からの必要タイミング・データにより、ダウンストリーム装置のローカル・クロック基準をアップデートできる。
【0010】
トランスポート・ストリームは、典型的には、マルチプレクサの出力にて形成される。このマルチプレクサは、多数のエンコーダから出力される(又は、前もってエンコードされて蓄積メモリから出力される)多くのパケット化エレメンタリ・ストリームを集める。エンコーダが互いにローカルであるならば、これらエンコーダをローカルで単一のクロックに同期させなければならない。
【0011】
典型的には、システム・クロック基準(SCR:System Clock Reference)を設ける。このSCRは、プログラム・クロック基準(PCR)とは対照的に、プログラム・ストリーム内のタイムスタンプ出力である。なお、PCRは、多数のプログラムを含む集合トランスポート・ストリーム内に現れる。ほとんどの場合、SCR値及びPCR値が理想的に機能する。しかし、MPEG−2標準において、複数のSCRの間の最大許容インターバルは700msであり、一方、複数のPCRの間の最大許容インターバルは100msである。プログラム・ストリーム及びトランスポート・ストリームの両方は、アクセス・ユニットのデコード及びプレゼンテーションのためにプレゼンテーション・タイムスタンプ(PTS:Presentation Time Stamp)及びデコード・タイムスタンプ(DTS:Decode Time Stamp)を用いる。
【0012】
アクセス・ユニットをデコーダの受信器バッファから除去し、瞬時にデコードし、表示用に提示しなければならない時をプレゼンテーション・タイムスタンプが示す。
【0013】
アクセス・ユニットを受信器バッファから瞬時に除去しデコードする時をデコード・タイムスタンプが示す。これは、Bピクチャにピクチャ再整理を用いる時のみプレゼンテーション・タイムスタンプと異なる(Bピクチャについては後述する)。Bピクチャは、エンコードされたピクチャであり、現在のピクチャの前又は後でシーケンス内の他のピクチャからの入力を用いる。Bピクチャは、最大の圧縮を提供するが、デコードされる(又はエンコードされる)ポイントの前後からのデータを必要とするので、バッファを機能させる必要がある。DTSを用いると、PTSもビット・ストリーム内に設けなければならない。
【0014】
しかし、これら同期機構が信頼できないので、複数の関連したエレメンタリ・ストリームの間で遅延が生じる。この遅延は、多くの原因により生じる。これら原因には、例えば、伝送装置を不正確に設定したり、間違った導入をしたり(よって、他の製造業者からの装置と同期しない)、使用中に簡単に故障することなどがある。よって、動作しているデジタル・オーディオビジアル伝送システムにて生じるオーディオビジアル(AV)遅延を実時間で測定する必要がある。AV遅延は、エンコーダ、通信、媒体、デコーダを含むいかなる部分にも存在する。これら技術では、ビデオ・ストリームに追加すべきウォータマークを一般的に必要とし、これをオーディオと比較する。すなわち、これには、測定を行うための特別な試験ビデオ及びオーディオのストリームが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特表2009−533920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
これら従来の試みの全ては、共通の1つの事項がある。すなわち、完全なタイミング同期と比較する際に、オーディオ・ストリーム及びビデオ・ストリームの間の絶対遅延を測定しようとする。
【0017】
さらに、ある場合には、多数のトランスポート・ストリームが再マルチプレクスされたダウンストリームなので、ローカルでのコンテンツの挿入目的に、あるトランスポート・ストリームからのパケット化エレメンタリ・ストリームと他のトランスポート・ストリームからのパケット化エレメンタリ・ストリームとを比較できる。ドナー・トランスポート・ストリームは、新たな結果としてのトランスポート・ストリームにおいて明らかである不充分なエンコーダ出力からの結果として、PCR、PTS及びDTSタイミング・エラーを含んでいる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
よって、本発明は、デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム内の第1及び第2エレメンタリ・ストリームの間の遅延変動を測定する方法である。本発明では、デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム・タイムスタンプ値を検出して蓄積し、第1及び第2エレメンタリ・ストリーム用のエレメンタリ・ストリーム・タイムスタンプ値を検出して蓄積する。また、デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム・タイムスタンプ値及びエレメンタリ・ストリーム・タイムスタンプ値を補間して、共通のサンプリング・ポイントを有するデータ・セットを形成する。第2エレメンタリ・データ・ストリームの補間データ・セットから第1エレメンタリ・データ・ストリームの補間データ・セットを減算して、第1及び第2エレメンタリ・ストリームの間の時間経過に伴う遅延の変化を表すエレメンタリ・ストリーム差値を形成する。
【0019】
この新たなAV遅延測定は、絶対遅延ではなく、ある期間にわたってAV遅延の変化を測定することによって伝送システムにおけるAV遅延の原因のみに焦点を当てている。遅延のこれら変化は、典型的には、失われた又はエラーのあるパケット、大きなパケット遅延変動、伝送システム内の再マルチプレクサ、不規則なタイミング情報伝送を原因とする。
【0020】
本発明の方法は、MPEG−2トランスポート・ストリーム(TS)又はプログラム・ストリーム(PS)に含まれる同じプログラム内のオーディオ及びビデオPESの間の時間経過における遅延の変化を測定する手段を提供する。この遅延は、しばしばリップ同期と呼ばれる。本発明の方法を用いて、ビデオ・パケット化エレメンタリ・ストリームとそれに関連したサブタイトル・データ・パケット化エレメンタリ・ストリームとの間のように同じトランスポート・ストリーム内の2つ以上のパケット化エレメンタリ・ストリームの間の遅延の変化を測定できる。
【0021】
複数のエレメンタリ・ストリームの間の遅延の変化を測定することにより、デジタル伝送システムの有用データを試験技術者に提供する。これは、故障の伝送部分などを探すのを援助する。
【0022】
オプションとして、本発明の方法は、差の値のグラフをプロット及び表示するステップも更に具えており、この差の値が、時間経過に伴う第1及び第2エレメンタリ・ストリームの間の遅延変化を示す。
【0023】
オプションとして、本発明の方法は、第1及び第2エレメンタリ・ストリームの間の時間経過に伴う遅延の変化が所定しきい値又は変化比率以上であるか否かを判断するステップと、所定しきい値又は変化しきい値を超えたかをユーザに指示するステップも更に具えている。
【0024】
オプションとして、本発明の方法は、所定期間にわたって瞬時タイムスタンプ・データを積分して、スプリアス・データ変動を除去するステップを更に具えている。
【0025】
オプションとして、この所定期間は、0.08から5秒の範囲でフレーム期間の倍数である。
【0026】
オプションとして、デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリームは、トランスポート・ストリーム又はプログラム・ストリームである。
【0027】
オプションとして、デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム・タイムスタンプは、PCRタイムスタンプ又はSCRタイムスタンプである。
【0028】
オプションとして、パケット化エレメンタリ・ストリーム・タイムスタンプは、DTS又はPTSタイムスタンプである。
【0029】
さらに、本発明は、プロセッサが上述の方法を実行するように、このプロセッサによって実行されるインストラクションから構成されるコンピュータ読出し可能な媒体も提供する。
【0030】
本発明は、デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム内の少なくとも第1及び第2エレメンタリ・ストリームの間の遅延変動を測定する測定装置であって;第1及び第2エレメンタリ・ストリームを含むトランスポート又はプログラムのストリーム内のデジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム・タイムスタンプを検出するデジタル・オーディビジアル・データ・ストリーム・タイムスタンプ検出回路と;第1及び第2エレメンタリ・ストリームを含むトランスポート・ストリーム内のエレメンタリ・ストリーム・タイムスタンプを検出するエレメンタリ・ストリーム・タイムスタンプ検出回路と;処理ロジック手段とを具え;この処理ロジック手段は、デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム・タイムスタンプ値を検出して蓄積し;第1及び第2エレメンタリ・ストリーム用のエレメンタリ・ストリーム・タイムスタンプ値を検出して蓄積し;デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム・タイムスタンプ値及びエレメンタリ・ストリーム・タイムスタンプ値を補間して、共通のサンプリング・ポイントを有するデータ・セットを形成し、第2エレメンタリ・データ・ストリームの補間データ・セットから上記第1エレメンタリ・データ・ストリームの補間データ・セットを減算して、第1及び第2エレメンタリ・ストリームの間の時間経過に伴う遅延の変化を表すエレメンタリ・ストリーム差値を形成することを特徴とする。
【0031】
オプションとして、デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリームは、トランスポート・ストリーム又はプログラム・ストリームであり、デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム・テンプレートは、PCRタイムスタンプ又はSCRタイムスタンプである。
【0032】
オプションとして、パケット化エレメンタリ・ストリーム・タイムスタンプは、DTS又はPTSタイムスタンプである。
【0033】
本発明は、上述の装置から構成され、上述の方法を実行するアナライザを提供する。
【0034】
本発明は、上述の方法を実行する上述の装置を具えたテレビジョン・ヘッド・エンドにおいて用いるオプションのモニタ装置を更に提供する。
【0035】
本発明の方法は、各プログラム基準クロック(PCR:Program Reference Clock)及びプレゼンテ−ション・タイムスタンプ(PTS:Presentation Timestamp)をサンプリングでき、共通のPCRタイムベースを用いる伝送システム内の任意の2つのポイントの間で用いることができる。プログラム・ストリームは、PCRの代わりにシステム・クロック基準(SCR:System Clock Reference)タイムベースを用いるが、その動作及び用途は、PCRインプリメンテーションに類似している。よって、上述の方法を実行する装置が任意の伝送装置に配置されれば、その装置に遅延特性を測定できて、補正を行える。実際に、この遅延試験は、代わりに、伝送システムの全部分にわたって実行できる。
【0036】
添付図を参照して、圧縮デジタル・ストリーム内の遅延の変化を測定する本発明の方法及び装置の実施例を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】TV放送ネットワークの如き典型的なデジタル・オーディオビジアル伝送システムを示す図である。
【図2】本発明の実施例が適用される典型的なデジタル・ビデオ・エンコード・システムの詳細な図である。
【図3】異なるヘッダ・データによりパケット化データのレーヤからどのようにTSが形成されたかを表すトランスポート・ストリーム(TS)の例示的構成を示す図である。
【図4】図3のトランスポート・ストリームの例示的なシステム・ターゲット・デコーダ(T−STD)の図であり、STB受信器内での一連のバッファを通過する各エレメンタリ・ストリームのデータの流れを示す。
【図5】共通のプログラム・クロック基準に対してプロットした異なるエレメンタリ・ストリーム1及び2の例示的PTSデータのグラフである。
【図6】図5に示した例示のデータにおけるPTS(エレメンタリ・ストリーム1)−PTS(エレメンタリ・ストリーム2)のグラフである。
【図7】エレメンタリ・ストリーム遅延を試験するために、本発明の実施例による試験装置を具える典型的なデコーダ・システムのブロック図である。
【図8】本発明の実施例により、複数の別々のエレメンタリ・ストリームの間の遅延の変化を求める方法を説明する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付図を参照して本発明の実施例を説明するが、同じ又は類似の部分及びステップを同じ又は類似の参照符号で示す。
【0039】
以下の説明は、第1(例えば、ビデオ)パケット化エレメンタリ・ストリームと、関連した第2(例えば、オーディオ)パケット化エレメンタリ・ストリームの間の時間遅延を測定する場合である。しかし、トランスポート又はプログラムのストレス内で任意の関連した複数のパケット化エレメンタリ・ストリームの間の遅延を測定するのに、同じ方法及び装置を用いることができる点が明らかであろう。
【0040】
図1は、典型的なデジタル・オーディオビジアル伝送システムの高レベルのブロック図である。ここで、入力オーディオ/ビデオ/データ供給110は、オーディオ/ビデオ・エンコード装置200への入力となる。このオーディオ/ビデオ・エンコード装置200は、分配系120を介して最終視聴者に送られる。最終視聴者は、統合デジタルTV140、セット・トップ・ボックス(STB)150を介して接続されたTV130、又は適切なPC(パーソナル・コンピュータ)や類似の結合装置160を用いる。分配系の正確な特性は重要ではなく、地上放送TVに用いる如き無線送信機ベースのシステムでもよいし、同様にサテライト放送システム又はIPネットワークなどでもよい。本発明は、特定の如何なる分配系120にも限定されない。
【0041】
図2は、図1のオーディオ/ビデオ・エンコード装置200の詳細なブロック図である。ビデオ、オーディオ又は他のデータ110は、PTS及びDTS値挿入回路215を有するエンコーダ210に供給される。エンコーダ210は、ビデオ、オーディオ又はデータのストリーム(図示せず)の各々に対して個別であって実時間で動作するエンコーダの集合(バンク)として形成してもよい。また、(例えば、ビデオ、オーディオ又はデータのストリームが非実時間でエンコードされ、伝送ストレスに組合される前にローカルに蓄積される場合)エンコーダ2120は、総てのデータ・ストリームに分離して機能する単一のエンコーダとして形成してもよい。
【0042】
典型的には、27MHzで動作するローカル・エンコーダ・クロック発生器230は、ローカル・タイムベースをPCRカウンタ240及びPTS/DTS挿入回路215に供給する。PCRカウンタ240は、典型的には42ビット・カウンタである。
【0043】
PTS及びDTSタイムスタンプは、典型的には、90KHzのレートで増分する33ビット・カウンタである。これらは、例え低い時間分解能でも、同じプログラムでPCRと呼ばれる。
【0044】
PTS/DTS挿入回路215は、エンコード処理の一部として、パケット化エレメンタリ・ストリームの各々に対して各PTS/DTSタイムスタンプを挿入する。しかし、PCRタイムベースは、ユニバーサルであり(また、データ・ストリームのレーヤ化された特徴により)、個別のパケット化エレメンタリ・ストリームがマルチプレクサ220にて一緒にマルチプレクスされると、典型的にはPCR値が挿入される。エンコーダによりエンコードされないサービス情報225もマルチプレクサ220に含まれる。
【0045】
PCR挿入装置を例示しているが、これは、(PCRカウンタ240から得られた)必要なPCR値を蓄積するレジスタを具えている。ロード・パルス260の受けると、このPCR値は、マルチプレクサで適切なトランスポート・ストリーム・パケットにロードされる(270)。
【0046】
エンコード装置200の出力は、PCR(又はSCR)値及びDTS/PTS値の両方を含むトランスポート・ストリーム280(又は場合によってはプログラム・ストリーム)である。
【0047】
図3は、トランスポート・ストリーム280の構成例を示す。これは、異なるヘッダ・データにより、パケット化オーディオ、ビデオ又は他のデータのレーヤからどのようにトランスポート・ストリームを構成するかを示す。
【0048】
トランスポート・ストリーム280は、データの多数のレーヤを具える。エレメンタリ・ストリームの形式で、圧縮ビデオ又はオーディオ・データは、圧縮レーヤ310でパケット化されて、ビデオ又はオーディオのアクセス・ユニット311を形成する。次に、ヘッダをパケット・レーヤ320内の圧縮ビデオ又はオーディオのアクセス・ユニットに追加して、デジタル・オーディオ/ビジュアル(又はサブタイトルなどの他のデータ)ペイロード部分323及びPESヘッダ321を具えるPESパケットを形成する。PESヘッダ321は、DTS及び/又はPTSの値を含む。代わりに、他のデータ・パケット326をサービス情報324で形成してもよい。
【0049】
異なる形式のPSEパケット325及び他のデータ・パケット326は、トランスポート・レーヤ・ペイロード332を形成する。これらは、各トランスポート・レーヤ・ヘッダ331と組み合わさって、トランスポート・レーヤ・パケット335を形成し、また、トランスポート・レーヤ330内のトランスポート・ストリーム280に組合される。
【0050】
トランスポート・レーヤ・ヘッダ331は、オプションとして、アダプテーション・フィールド内のPCRタイムスタンプを含んでいる(PCRタイムスタンプのみを少なくとも100ms毎に送る必要があり、全てのパケットがPCRタイムスタンプを含む必要がない)。トランスポート・レーヤ・ヘッダ331のアダプテーション・フィールドも、スプライス・ポイント・フラグ、ランダム・アクセス・インジケータなどの如き他のデータ項目を含んでもよい。トランスポート・ストリーム・ヘッダは、同期バイト、フラグ及び/又は他のインジケータとパケット識別子(PID:Packet Identifier)の如く用途における特定標準に必要な他のデータも含む。PIDは、各エレメンタリ・ストリームと、トランスポート・ストリーム内のサービス情報用の独自の識別子である。
【0051】
図4は、図3のトランスポート・ストリーム用の例示的なシステム・ターゲット・デコーダ(T−STD)400を示す図であり、STB受信器内の一連のバッファを介して各エレメンタリ・ストリームのデータの流れを示す。
【0052】
デコーダ400は、典型的には、各エレメンタリ・ストリーム形式用の分離したデコード経路を具えている。トランスポート・ストリーム280は、必要なところにビデオ、オーディオ又はデータのエレメンタリ・ストリームの任意の組合せを含めるので、デコーダは、各形式に対して多数のデコード経路(例えば、1つのビデオ・デコード経路、2つのオーディオ・デコード経路及び1つのデータ・デコード経路)を具えてもよい。デマルチプレクサ405は、トランスポート・ストリームの出力に異なるエレメンタリ・ストリームをデマルチプレクスして、各対応デコード経路に供給する。
【0053】
図4の例は、各エレメンタリ・ストリーム形式に1つのみのデコード経路が存在する場合を示している。
【0054】
ビデオ・デコード経路401は、入力ストリームから内部パケット・ジッタを除去するトランスポート・バッファ410を具えている。ビデオが標準分解能又は高分解能である例において、トランスポート・バッファ410は、マルチプレクス・バッファ412を供給して、データの流れを安定化させる。マルチプレクス・バッファ412は、実際のデコードの前に蓄積するために、エレメンタリ・ストリーム・バッファ414に供給する。
【0055】
オーディオ及びシステム・メイン・バッファ(442及び452)は、ビデオ・エレメンタリ・バッファ414と類似の機能を果たす。
【0056】
マルチプレクス・バッファ412は、ビデオ・デコード416に供給する。このビデオ・デコード416は、順次再生するために、ビデオ・データを各ピクチャにデコードする。ピクチャは、フレーム又はフィルタの形式でよい。Bピクチャを用いると、再順序バッファ418及びマルチプレクサ(MUX)420を用いて、正確な再生順序を回復させる。最終で正確に順序づけられたビデオ・データ633が表示用の出力として利用可能である。
【0057】
出力トランスポート・ストリーム又はプログラム・ストリーム(PCR、SCR、PTS及びDTS)内のタイムスタンプを選択して、デコード内のバッファがアンダー・フロー又はオーバーフローしないようにすることを、マルチプレクサ220を含むエンコーダ200が確実にする。アンダー・フロー又はオーバーフローは、視聴者に混乱を起こさせる。
【0058】
同様の処理をオーディオ及びデータのデコード経路の両方に用いる。しかし、これらには、再順序づけの問題がないので、デコーダの前にトランスポート・バッファ(440、450)及びメイン・バッファ(442、452)が必要になるのみである。
【0059】
オーディオ・デコード経路は、デコードされたオーディオ632を生じる一方、データ・デコード経路は、デコードされたデータ、例えば、システム情報630を生じる。
【0060】
PCR及びPTS/DTSタイムスタンプの間に同期がないので、PCR及びPTSタイムスタンプが異なる時点で伝送される。よって、PTS又はDTSをPCRと直接比較するために、同じトランスポート・ストリーム・パケット内で2つが送られない限り、補間を行わなければならない。
【0061】
図4を参照する。デコード・タイムスタンプ(DTS:Decoding Timestamp)は、PES内の第1アクセス・ユニットをビデオ・エレメンタリ・ストリーム・バッファ414(又はオーディオ/データ用のメイン・バッファ)から除去してデコードすべき時点を指示する。プレゼンテーション・タイムスタンプ(PTS)は、アクセス・ユニットがユーザに表示される時点を指示する。オーディオ・ストリームでは、PTSはDTSに等しい。ビデオ・ストリームでは、MPEG圧縮に用いる前後基準のため、アクセス・ユニットを表示順序と異なる順序で伝送してもよい。可能性のある前後基準を用いるアクセス・ユニットは、最高の圧縮を提供し、双方向又はBピクチャとして知られている。結論として、いくつかのアクセス・ユニットがユーザに表示される前に、アクセス・ユニットをデコードしなければならない。この期間中、アクセス・ユニットは、受信器バッファに蓄積される。全てのアクセス・ユニットにDTS及びPTSは必要ないが、これらは、少なくとも700ms毎に伝送しなければならない。中間アクセス・ユニット用のデコード及びプレゼンテーション時間は、受信器により補間できる。
【0062】
同じトランスポート・ストリーム・プログラム内のオーディオ及びビデオ(及び任意の他のデータ)パケット化エレメンタリ・ストリームが同じPCRタイムベースを用いるので、エレメンタリ・ストリーム1(例えば、ビデオ)用のPTS値は、エレメンタリ・ストリーム2(例えば、オーディオ)用のPTSチト同じグラフ(図示せず)にプロットできる。
【0063】
サンプリングしたPTS値を共通のPCRタイムベースから減算して、2つのパケット化エレメンタリ・ストリームのPTS−PCR変動を提供することが可能である。必要に応じて、2つより多いパケット化エレメンタリ・ストリームをサンプリングしてもよい。
【0064】
図5は、変動情報を用いて得た共通プログラム・クロック基準に対する2つの異なるパケット化エレメンタリ・ストリーム1及び2用の例示PTSデータのグラフ500を示す。すなわち、パケット化エレメンタリ・ストリーム1(例えば、ビデオ)510の変動が、パケット化・エレメンタリ・ストリーム2(例えば、オーディオ)520に対してプロットされる。
【0065】
つぎに、PTS(エレメンタリ・ストリーム1)−PTS(エレメンタリ・ストリーム2)を示すグラフを生じる。これを図6に示す。ここでは、上述の方法を実行する試験装置を配置した分配系120の部分で生じたオーディオビジアル(AV)遅延610の効果的なプロット600を示す。PTS(エレメンタリ・ストリーム1)−PTS(エレメンタリ・ストリーム2)のプロット610とベースラインとの間の差620が、各ポイント時点における遅延である。
【0066】
いずれかのパケット化エレメンタリ・ストリームにおける各PTSに対してグラフにポイントをプロットする。他のパケット化エレメンタリ・ストリーム用の有効なPTSを補間することにより、PTS差値を計算する。
【0067】
異なるサイズのフレームを用いると、グラフに高い周波変動が生じるが、所定期間、例えば、1秒間にわたって瞬時PTS値を積分することにより、これら高い周波数変動をスムーズにできる。0.5秒から5秒の如く長い又は短い積分期間を等しく利用できる。重要な特徴は、総合積分時間が単一のフレーム期間(第2ビデオにつき24フレームの場合は33ms)の倍数である。この方法のスムーズ化を用いることは、スプリアスの個別値よりも、AV遅延変動における長時間の傾向を検出するのに最も有効である。
【0068】
実際には、(Bピクチャを用いた)ビデオ・フレームの再順序化は、このようにすることにより得られる圧縮改善のために生じるようである。ビデオ・フレームの再順序化は、PTS−PCRグラフにおける高い周波変動に影響する。よって、PTSの代わりにデコード・タイムスタンプ(DTS)における差をプロットすることが好ましい。フレーム再順序化を用いない場合に、オーディオ及び他のデータ・パケット化エレメンタリ・ストリーム形式に対して、同じフレームのDTS値及びPTS値が等しい点に留意されたい。よって、PTSの代わりにDTSを用いた任意のインプリメンテーションは、再順序化及び非再順序化エレメンタリ・ストリームに対して同じに作用する。
【0069】
図7は、全体のシステムの特定部分で生じた遅延を試験するために、本発明の実施例によるパケット化エレメンタリ・ストリーム遅延の試験測定機器700をデジタル・オーディオビジアル伝送系120にどのように取り付けるかを示す。図示の例において、入力トランスポート・ストリーム280からの入力PCR値と、個別のデコーダ720に進む各パケット化エレメンタリ・ストリーム用の出力PTS又はDTSと比較することにより、デマルチプレクサ710により生じる遅延を測定する。なお、デコーダ720の各々は、個別にデコードされたオーディオ、ビデオ又はデータのビデオ・ストリームを生じる。
【0070】
パケット化エレメンタリ・ストリーム遅延試験測定機器700は、PCR検出ユニット740を具えており、ローカル・デコーダ・クロック750(例えば、位相拘束ループ・クロック)を制御する。PCR検出ユニット740は、PCR値をPTS/DTS対PCR比較ユニット770に供給する。比較ユニット770は、PTS及びDTS検出ユニット760を介して各被試験ストリーム用の個別のPTS/DTS値も供給する。この比較ユニットは、図5及び6に示すグラフのように、プロット用に必要な全ての値を計算する。試験測定機器700は、ユーザが何を見たいかに応じて、サンプル・データを表示できる任意形式のグラフを示すように構成される。
【0071】
代わりに、例えば、テレビジョン・ヘッド・エンドに配置された動作モニタ機器内に、AV遅延の変化を測定する上述の方法をインプリメンテーションする場合、AV遅延の変化のあるレベルを検出するか、又はAV遅延の変化のあるレートを検出するときに、オーディオの警告を発生するようにモニタ機器を適合させてもよい。これは、図5及び6のグラフ・プロットの実際の表示を必要としない。かかるインプリメンテーションにおいて、ヘッド・エンドから全てのPESが放送されなければ、図8に示すように2つではなく多数のパケット化エレメンタリ・ストリームがモニタされる。
【0072】
図8は、本発明の実施例により2つの別々のパケット化エレメンタリ・ストリームの間の遅延の変化を求める方法の高レベルの流れ図を示す。これは、2つのパケット化エレメンタリ・ストリームのみに適用される。
【0073】
本発明のこの方法は、ステップ810で、パケット化エレメンタリ・ストリーム1用のPTS又はDTSタイムスタンプ対PCRタイムスタンプの時間差を測定し、ステップ820で、パケット化エレメンタリ・ストリーム2用のPTS又はDTSタイムスタンプ対PCRタイムスタンプを測定する。
【0074】
ステップ830にて、サンプリングしたPTS又はDTSタイムスタンプ対PCRタイムスタンプのデータを補間して、PTS/DTS値とPCR値との間の直接比較を可能とする。これら値は、図5を参照して詳細に上述したように同時には生じない。
【0075】
正確に同時に生じるデータが利用可能ならば、パケット化エレメンタリ・ストリーム1のデータをパケット化エレメンタリ・ストリーム2のデータから減算する(図6のグラフ用のデータを発生する)。
【0076】
積分ステップ850に進み、スプリアス・データ変動を除去するために、サンプリングされたデータをスムーズにする。つぎに、ステップ860で、データをグラフにプロットする。ステップ870では、このデータをユーザの制御で表示するか、又は、このデータを用いて、あるしき値又は変化があるレートで生じた時を検出する警告システムを駆動できる。
【0077】
本発明の装置及び方法の重要な部分は、PESパケットにカプセル化される任意のオーディオ及びビデオのストリーム上で動作することである。これは、任意の放送トランスポート・ストリームで測定を行い、ユーザがソース・オーディオ及びビデオ素材に対して制御できない点を意味することで重要である。
【0078】
ここで説明した方法は、パケット化オーディオ及びビデオ・エレメンタリ・ストリームの間の遅延の測定に限定されず、PESパケット内でカプセル化され、同じPCRシステム・タイム・クロックを基準とする任意の2つのパケット化エレメンタリ・ストリームの間の遅延の測定にも同様に適用できる。例えば、この方法を用いて、ビデオとそれに関連したサブタイトル・ストリームとの間の遅延の変化を測定できる。
【0079】
この方法がPESヘッダ及びトランスポート・レーヤのみを必要とするので、この測定は、PESレーヤでスクランブルされ、適合フィールド・パラメータに関連したAVストリームに対しても機能する。これは、暗号化されたトランスポート・ストリーム内でさえ典型的には暗号化されていない(実際のオーディオ/ビジュアル・ペイロードのみが暗号化される)。
【0080】
上述は、MPEG−2システムの観点で機能したが、任意の等価なデジタル・オーディオ/ビデオ伝送又は放送システムでもこの方法及び装置を等しく用いることができる。この際、ビデオ・オン・デマンド(VOD)を含み、PCR及びPTS/DTSタイムスタンプと等価なタイムスタンプを用いる圧縮技術を用いる。例えば、標準分解能及び高分解能のビデオ・データの両方で、MPEG−4、H.264又はVC−1にてこの方法を用いることができる。
【0081】
上述の方法は、適切に適合するか設計されたハードウェアによっても実行できる。この方法の一部は、インストラクションのセットでも実現でき、コンピュータが読み出せる媒体に蓄積できる。この媒体からインストラクション・セットがプロセッサ、又はデジタル信号プロセッサ(DSP)などを有するコンピュータにロードされ、プロセッサ又はコンピュータが上述の方法を実行する。
【0082】
同様に、この方法は、特別にプログラムされた又ハードウェア設計された集積回路としても実現できる。この集積回路にプログラムがロードされると、上述の遅延測定方法が実行される。この集積回路は、PC等の如き汎用計算装置の一部としても構成できる。または、これは、ハードウェア試験及び/又は測定機器などの如く一層特化した装置の一部として構成してもよい。
【0083】
一例のハードウェア実施例は、上述の装置を提供するように、及び/又は上述の方法を実行するようにプログラムされたフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)である。このFPGAは、試験又は測定機器内に配置される。
【0084】
本発明の他の例のハードウェア実施例は、1つ以上の用途特定集積回路(ASIC)であり、試験又は測定機器内に配置される。
【0085】
上述の方法で実行されるステップの正確な順序及び内容は、速度、品質などの実行パラメータの特定のセットの要求に応じて変更してもよいことが当業者には理解できよう。スプリアス瞬間測定値を解決するために平均化を用いることはオプションであり、用途の拡張はインプリメンテーション・パラメータに応じる。さらに、上述の装置の異なる実施例は、本発明全体の特定のインプリメンテーションの要求に応じて、異なる組合せで、本発明の特徴を選択的にインプリメンテーションしてもよいことが明らかであろう。
【符号の説明】
【0086】
120 分配系
130 TV
140 統合デジタルTV
150 セット・トップ・ボックス
160 結合装置
200 オーディオ/ビデオ・エンコード装置
210 エンコーダ
215 PTS及びDTS挿入回路
220 マルチプレクサ
230 エンコーダ・クロック発生器
240 PCRカウンタ
250 レジスタ
405 デマルチプレクサ
410、440、450 トランスポート・バッファ
412 マルチプレクス・バッファ
414 エレメンタリ・ストリーム・バッファ
416、446、456 デコーダ
418 再順序バッファ
420 マルチプレクサ(MUX)
442、452 メイン・バッファ
710 デマルチプレクサ
720 デコーダ
740 PCR検出ユニット
750 ローカル・デコーダ・クロック
760 PTS及びDTS検出回路
770 PTS/DTS対PCR比較ユニット
780 表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム内の第1及び第2エレメンタリ・ストリームの間の遅延変動を測定する方法であって、
デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム・タイムスタンプ値を検出して蓄積し、
上記第1及び第2エレメンタリ・ストリーム用のエレメンタリ・ストリーム・タイムスタンプ値を検出して蓄積し、
上記デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム・タイムスタンプ値及び上記エレメンタリ・ストリーム・タイムスタンプ値を補間して、共通のサンプリング・ポイントを有するデータ・セットを形成し、
上記第2エレメンタリ・データ・ストリームの補間データ・セットから上記第1エレメンタリ・データ・ストリームの補間データ・セットを減算して、上記第1及び第2エレメンタリ・ストリームの間の時間経過に伴う遅延の変化を表すエレメンタリ・ストリーム差値を形成するデータ・ストリームの遅延変動測定方法。
【請求項2】
デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム内の少なくとも第1及び第2エレメンタリ・ストリームの間の遅延変動を測定する装置であって、
上記第1及び第2エレメンタリ・ストリームを含むトランスポート又はプログラムのストリーム内のデジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム・タイムスタンプを検出するデジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム・タイムスタンプ検出回路と、
上記第1及び第2エレメンタリ・ストリームを含むトランスポート・ストリーム内のエレメンタリ・ストリーム・タイムスタンプを検出するエレメンタリ・ストリーム・タイムスタンプ検出回路と、
処理ロジック手段とを具え、
該処理ロジック手段は、デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム・タイムスタンプ値を検出して蓄積し;上記第1及び第2エレメンタリ・ストリーム用のエレメンタリ・ストリーム・タイムスタンプ値を検出して蓄積し;上記デジタル・オーディオビジアル・データ・ストリーム・タイムスタンプ値及び上記エレメンタリ・ストリーム・タイムスタンプ値を補間して、共通のサンプリング・ポイントを有するデータ・セットを形成し、上記第2エレメンタリ・データ・ストリームの補間データ・セットから上記第1エレメンタリ・データ・ストリームの補間データ・セットを減算して、上記第1及び第2エレメンタリ・ストリームの間の時間経過に伴う遅延の変化を表すエレメンタリ・ストリーム差値を形成する
ことを特徴とするデータ・ストリームの遅延変動測定装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【公開番号】特開2011−101360(P2011−101360A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242689(P2010−242689)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(503050951)テクトロニクス・インターナショナル・セールス・ゲーエムベーハー (35)
【Fターム(参考)】