説明

デジタル情報記録再生装置、及び、デジタル情報送信方法

【課題】複数の同種ネットワークがブリッジやリピータなどで接続され、多数の機器が相互接続されている状態において、簡単な配信制限制御処理により、最大同時配信数を制御し、私的利用の範囲を超えたコンテンツ利用を禁止可能にしてコンテンツの著作権保護等を図れるようにする。
【解決手段】配信情報の生成を行い、ネットワークへの配信情報の送信を行うデジタル放送受信機やデジタル録画再生機などのネットワーク配信機能付き電子機器において、ネットワークに接続されているという特定要件を満たす機器の数である特定機器数が同時配信制限数を超えているという配信制限条件が成立するか否かの配信制限判定を行い、配信制限条件が成立する場合、配信情報の生成や送信を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映画や音楽などの各種コンテンツやゲームソフトや実用ソフトなどの各種情
報をネットワークを介し配信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の日本におけるデジタル放送サービスは、平成8年10月にCSデジタル放送、平
成12年12月にBSデジタル放送のサービス開始、平成15年には地上波デジタル放送
のサービスが開始される予定と、各放送インフラにおいて、急激な勢いでデジタル化対応
が進んでいる。
【0003】
放送のデジタル化においては、動画像圧縮伸長技術であるMPEG2を用い、放送の多
チャンネル化や、放送コンテンツの転送や保存時における品質劣化の回避等が可能となっ
ている。しかし、このデジタルコンテンツを放送受信機から録画機やディスプレイ機器な
ど他機へ転送するためには、デジタルインタフェースが必要となるが、AV機器に利用で
きる安価で一般的なデジタルインタフェースは存在していない。そこで、注目されたのが
平成7年に規格策定された画像や音声データのリアルタイム転送機能を具備し、マルチメ
ディアデータ転送のインタフェースとして最適な1394バス(IEEE1394−19
95)である。また、この1394バスをベースとしたデジタルAV機器の相互接続性を
確保するためのデジタルAV用制御プロトコルとして、平成10年2月にAVデータであ
るMPEG2ストリームの転送制御方式(IEC61883)が、また、平成10年4月
には機器間相互制御のためのAV/Cコマンドセットが、それぞれ規格策定された。また
、該1394バスを介してコンテンツを録画機から他の録画機へ際限なくコピーされるの
を防ぐ著作権管理方式として、DTCP(Digital Transmissiom Content Protection)
方式が定められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記コピー制限方式(DTCP)には、「コンテンツの同時配信は1つの1394バス
内で行うので、その最大同時配信数は、1つの1394バスに接続可能な機器の台数であ
る63以下である」という前提条件がある。しかしながら、複数の1394バスを接続す
る1394バスブリッジ(P1394.1)の規格審議が進められており、今後1394
バスブリッジが導入された場合、次のような問題点が懸念される。すなわち、複数の13
94バスが1394バスブリッジで接続された状態において、上記コピー制限方式(DT
CP)の前提条件「最大同時配信数は63以下である」が不成立となり得るため、同一コ
ンテンツの最大同時配信数が最大1023×63となり、コンテンツの著作権保護が私的
複製の範囲を超えることになる。
本発明の課題点は、上記従来技術に鑑み、複数の同種ネットワークがブリッジやリピー
タなどで接続され、多数の機器が相互接続されている状態において、簡単な配信制限制御
処理により、最大同時配信数を制御し、私的利用の範囲を超えたコンテンツ利用を禁止可
能にしてコンテンツの著作権保護等を図れるようにすることである。
【0005】
本発明の目的は、上記課題点を解決できる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題点を解決するために、本発明では、
(1)配信情報の生成を行い、ネットワークへの配信情報の送信を行うデジタル放送受
信機やデジタル録画再生機などのネットワーク配信機能付き電子機器において、ネットワ
ークに接続されているという特定要件を満たす機器の数である特定機器数が同時配信制限
数を超えているという配信制限条件が成立するか否かの配信制限判定を行い、配信制限条
件が成立する場合、配信情報の生成や送信を禁止する構成とする。
(2)配信情報の生成を行い、ネットワークへの配信情報の送信を行うデジタル放送受
信機やデジタル録画再生機などのネットワーク配信機能付き電子機器において、配信情報
がコピー制限付き情報の場合、ネットワークに接続されている、かつ、録画処理機能を有
するという特定要件を満たす機器の数である特定機器数が同時配信制限数を超えていると
いう配信制限条件が成立するか否かの配信制限判定を行い、配信制限条件が成立する場合
、配信情報の生成や送信を禁止する構成とする。
(3)ネットワークからの配信情報の受信を行い、配信情報の録画処理を行う、デジタ
ル録画再生機などのネットワーク配信機能付き電子機器において、配信情報がコピー制限
付き情報の場合、ネットワークに接続されている、かつ、録画処理機能を有するという特
定要件を満たす機器の数である特定機器数が同時配信制限数を超えているという配信制限
条件が成立するか否かの配信制限判定を行い、配信制限条件が成立する場合、配信情報の
受信や録画処理を禁止する構成とする。
(4)第1のネットワークからの配信情報の受信を行い、第2のネットワークへの配信
情報の送信を行う、ブリッジなどのネットワーク配信機能付き電子機器において、配信情
報がコピー制限付き情報の場合、ネットワークに接続されている、かつ、録画処理機能を
有するという特定要件を満たす機器の数である特定機器数が同時配信制限数を超えている
という配信制限条件が成立するか否かの配信制限判定を行い、配信制限条件が成立する場
合、第1のネットワークからの配信情報の受信や、第2のネットワークへの配信情報の送
信を禁止する構成とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、多数の機器が相互接続されている状態においても、簡単な配信制限制
御処理により、私的利用の範囲を超えたコンテンツ利用を禁止することができ、コンテン
ツの著作権保護も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例としてデジタル放送受信機の構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施例としてのデジタルテレビの構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施例としてのデジタル録画再生機の構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施例であるネットワークブリッジの構成例を示す図である。
【図5】デジタルAVシステムの構成例を示す図である。
【図6】機器情報テーブル例を示す図である。
【図7】配信制限制御手段の配信制限制御処理フローを示す図である。
【図8】配信制限制御手段の配信制限制御処理フローを示す図である。
【図9】配信制限制御手段の配信制限制御処理フローを示す図である。
【図10】配信制限制御手段の配信制限制御処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例につき図面を用いて説明する。
図5は、本発明を説明するためのデジタルAVシステムの構成図である。
デジタルAVシステムは、放送番組の受信及びネットワーク上への送信を行うデジタル
放送受信機1、ネットワーク上の放送番組や録画番組の受信及び映像音声出力を行うデジ
タルテレビ2、ネットワーク上の放送番組や録画番組の受信及び録画を行うデジタル録画
機3、第1のネットワークN1と第2のネットワークN2との接続を行うブリッジ4、な
どから構成される。なお、図5中の破線は、他のデジタルAV機器が接続されていること
を示す。
【0010】
次に、本発明の実施例であるデジタルAVシステムを構成する各種デジタルAV機器に
つき説明する。
図1は、本発明の実施例としてのデジタル放送受信機の構成例である。
図1において、デジタル放送受信機1は、ネットワークを介した情報配信であるネット
ワーク配信の手段として、ネットワークの通信を制御するネットワーク通信制御手段12
、ネットワーク上機器の機器情報を取得する機器情報取得手段13、送信する配信情報を
生成する配信情報生成手段14g、ネットワーク上へ配信情報を送信する配信情報送信手
段15tなどを有する。配信情報生成手段14gは、送信する配信情報の生成処理として
、デジタル放送の選局処理を行う選局処理手段14g1を有する。また、ネットワーク上
機器へ機器情報を提供する機器情報提供手段16、ユーザの操作のためのユーザ操作手段
17、を設ける。さらに、上記に加えて、本発明の特徴である、ネットワークに接続され
ているという特定要件を満たす機器の数である特定機器数が同時配信制限数を超えている
という配信制限条件が成立するか否かの配信制限判定を行い、配信制限条件が成立する場
合、配信制限を制御する配信制限制御手段11を設ける。
【0011】
図2は、本発明の実施例としてのデジタルテレビの構成例を示す。
図2において、デジタルテレビ2は、ネットワークを介した情報配信であるネットワー
ク配信の手段として、ネットワークの通信を制御するネットワーク通信制御手段22、ネ
ットワーク上機器の機器情報を取得する機器情報取得手段23、ネットワーク上から配信
情報を受信する配信情報受信手段25r、受信した配信情報の情報処理を行う配信情報処
理手段24pを有する。該配信情報処理手段24pは、受信した配信情報の情報処理(視
聴処理)として、配信情報からアナログAV信号を生成する視聴処理手段24p1を有す
る。また、ネットワーク上機器へ機器情報を提供する機器情報提供手段26、ユーザの操
作のためのユーザ操作手段27、アナログAV信号からオーディオ、ビデオの出力を行う
AV出力手段28も備える。さらに、配信制限を制御する配信制限制御手段31を設ける

【0012】
図3は、本発明の実施例であるデジタル録画再生機の機能構成図を示す。
デジタル録画再生機3は、ネットワークを介した情報配信であるネットワーク配信の手
段として、ネットワークの通信を制御するネットワーク通信制御手段32、ネットワーク
上機器の機器情報を取得する機器情報取得手段33、ネットワーク上から配信情報を受信
する配信情報受信手段35r、受信した配信情報の情報処理を行う配信情報処理手段34
p、送信する配信情報を生成する配信情報生成手段34g、ネットワーク上へ配信情報を
送信する配信情報送信手段35tを有する。該配信情報処理手段34pは、受信した配信
情報の情報処理(記録処理)として、配信情報を録画処理する録画処理手段34p1を有
する。また、配信情報生成手段34gは、送信する配信情報の生成処理として、録画した
配信情報の再生処理を行う再生処理手段34g1を有する。また、ネットワーク上機器へ
機器情報を提供する機器情報提供手段36、ユーザの操作のための手段であるユーザ操作
手段37も有する。さらに、配信制限を制御する配信制限制御手段31を備える。
【0013】
図4は、本発明の実施例であるネットワークブリッジの構成例を示す。
図4において、ネットワークブリッジ4は、ネットワークを介した情報配信であるネッ
トワーク配信の手段として、第1のネットワークの通信を制御する第1ネットワーク通信
制御手段421、第2のネットワークの通信を制御する第2ネットワーク通信制御手段4
22、ネットワーク上機器の機器情報を取得する機器情報取得手段43、第1のネットワ
ーク上から配信情報を受信する配信情報受信手段45r1、第1のネットワーク上へ配信
情報を送信する配信情報送信手段45t1、第2のネットワーク上から配信情報を受信す
る配信情報受信手段45r2、第2のネットワーク上へ配信情報を送信する配信情報送信
手段45t2を備える。また、ネットワーク上機器へ機器情報を提供する機器情報提供手
段46も備える。さらに、配信制限を制御する配信制限制御手段41も備える。
【0014】
次に、本発明の実施例であるデジタルAVシステムを構成する各種デジタルAV機器内
の機器情報取得手段の機器情報テーブル作成処理について説明する。
図6は、本発明の実施例である各種デジタルAV機器内の機器情報取得手段が作成する
配信情報に対する諸機能の有無情報を含む機器情報テーブルを示す。
図6において、機器情報取得手段13、23、33、43は、自機及び他機に対して機
器情報の提供要求を行い、該機器情報の提供要求を受けた自機及び他機の機器情報提供手
段16、26、36、46は、機器情報の提供要求元に対して、機器情報の提供を行う。
該機器情報とは、配信情報に対する諸機能である受信処理機能、情報処理機能(視聴処理
、記録処理)の有無情報を含む。該機器情報の提供を受けた機器情報取得手段13、23
、33、43は、その情報に基づき、ネットワークに接続されている各種デジタルAV機
器などの配信情報に対する諸機能の有無情報を含む機器情報テーブルを作成する。なお、
本実施例では、機器情報テーブル内には、ネットワークに接続されている機器の総数であ
る接続機器総数N、受信処理機能を有する機器の総数である受信処理可能機器総数X、視
聴処理機能を有する機器の総数であるAV処理可能機器総数Y、記録処理機能を有する機
器の総数である記録処理可能機器総数Zの情報を含む。
【0015】
以下、各種デジタルAV機器内の配信制限制御手段の配信制限制御処理につき説明する
。上記図5のデジタルAVシステムにおいて、配信情報生成手段を有する各種デジタルA
V機器とは、デジタル放送受信機及びデジタル録画再生機を指す。
図7は、本発明の配信情報生成手段を有する各種デジタルAV機器内の配信制限制御手
段の配信制限制御処理フローを示す。
図7において、ステップ11では、ネットワークに接続されているという特定要件を満
たす機器の数である接続機器総数Nが同時配信制限数を超えているという配信制限条件が
成立するか否かの第1の配信制限判定を行い、配信制限条件が成立する場合ステップ13
に進み、成立しない場合は処理を終了する。ステップ13では、配信情報送信手段に対し
て、配信情報の送信を禁止するという配信制限指示を行い、処理を終了する。ここで、配
信情報の送信禁止の指示を受けた配信情報送信手段は、配信情報の送信は行わない。
【0016】
本実施例によれば、配信情報生成手段を有する各種デジタルAV機器において、(1)
簡単な配信制限制御処理により、最大同時配信数の制御を実現し、私的利用(複製作成や
同時視聴)の範囲を超えたコンテンツ利用を禁止するというコンテンツの著作権保護を実
現できる。(2)配信制限制御処理における配信制限判定処理が、接続機器総数Nと同時
配信制限数との大小比較判定だけでよく、簡単な処理で、非常に高いレベルの配信制限を
実現できる。ここで、非常に高いレベルの配信制限とは、配信制限判定において、機器情
報提供手段で受信処理機能無しと偽る不正機器も配信対象にカウントできるレベルをいう
。(3)配信情報の送信を禁止するという簡単な処理で、完全な配信制限を行うことがで
きる。ここで、完全な配信制限とは、情報配信のための送信処理の停止を指す。(4)接
続されている機器の配信情報に対する機能や、配信情報の配信制限情報に依存しない形で
最大同時配信数の制御を実現できる。
【0017】
なお、配信制限制御処理における配信制限指示は、配信情報を生成している自機への指
示として、配信情報生成手段における配信情報の生成を禁止する、あるいは、情報配信を
受信している他機への指示として、配信情報受信手段における配信情報の受信を禁止する
、配信情報送信手段における配信情報の送信を禁止する、配信情報処理手段における配信
情報の情報処理を禁止する、配信情報変換手段における配信情報の変換を禁止する、のい
ずれでもよい。
【0018】
図8は、本発明の配信情報生成手段を有する各種デジタルAV機器内の他の配信制限制
御手段の配信制限制御処理フローを示す。
図8において、ステップ21では、配信情報がコピー制限付き情報であるか否かの第1
の配信制限判定を行い、配信情報がコピー制限付き情報である場合ステップ22に進み、
配信情報がコピー制限付き情報でない場合は処理を終了する。ステップ22では、ネット
ワークに接続されている、かつ、受信した配信情報の情報処理(記録処理)が可能である
、という特定要件を満たす機器の数である記録可能機器総数Zが同時配信制限数を超えて
いるという配信制限条件が成立するか否かの第2の配信制限判定を行い、配信制限条件が
成立する場合ステップ23に進み、成立しない場合は処理を終了する。ステップ23では
、配信情報生成手段に対して、配信情報の生成情報量を削減するという配信制限指示を行
い、処理を終了する。ここで、配信情報の生成情報量削減の指示を受けた配信情報生成手
段は、配信情報の生成情報量の削減を行う。
【0019】
本実施例によれば、配信情報生成手段を有する各種デジタルAV機器において、(1)
簡単な配信制限制御処理により、最大同時配信数の制御を実現し、私的利用(複製作成)
の範囲を超えたコンテンツ利用を禁止するというコンテンツの著作権保護を実現できる。
(2)配信制限制御処理における配信制限判定処理を、配信情報がコピー制限付き情報で
あるか否かの判定、録画可能機器総数Zと同時配信制限数との大小比較判定、との組み合
わせの簡単な処理で実現できる。(3)配信情報の生成情報量を削減するという処理で、
配信制限を緩和して実現できる。ここで、配信制限の緩和とは、情報配信のための送信処
理は行うが配信情報の情報量を削減するという意味である。(4)接続されている機器の
配信情報に対する機能や、配信情報の配信制限情報に依存する形で最大同時配信数の制御
を実現できる。なお、配信制限制御処理における配信制限指示は、配信情報を受信してい
る他機への指示として、配信情報処理手段における配信情報の情報処理の情報量を削減す
る、配信情報変換手段における配信情報の変換の情報量を削減する、のいずれでもよい。
【0020】
図9は、本発明の配信情報処理手段を有する各種デジタルAV機器内の配信制限制御手
段の配信制限制御処理フローを示す。
図9において、ステップ31では、配信情報が視聴制限付き情報であるか否かの第1の
配信制限判定を行い、配信情報が視聴制限付き情報である場合ステップ32に進み、配信
情報が視聴制限付き情報でない場合は処理を終了する。ステップ32では、ネットワーク
に接続されている、かつ、受信した配信情報の情報処理(視聴処理)が可能である、とい
う特定要件を満たす機器の数である視聴可能機器総数Yが同時配信制限数を超えていると
いう配信制限条件が成立するか否かの第2の配信制限判定を行い、配信制限条件が成立す
る場合ステップ33に進み、成立しない場合は処理を終了する。ステップ33では、配信
情報受信手段に対して、配信情報の受信を禁止するという配信制限指示を行い、処理を終
了する。ここで、配信情報受信禁止の指示を受けた配信情報受信手段は配信情報の受信を
行わない。
【0021】
本実施例によれば、(1)簡単な配信制限制御処理により、最大同時配信数の制御を実
現し、私的利用(同時視聴)の範囲を超えたコンテンツ利用を禁止するというコンテンツ
の著作権保護を実現できる。(2)配信制限制御処理における配信制限判定処理を、配信
情報が視聴制限付き情報であるか否かの判定、視聴可能機器総数Yと同時配信制限数との
大小比較判定、との組み合わせの簡単な処理で実現できる。(3)配信情報の受信を禁止
するという簡単な処理で、完全な配信制限を実現できる。ここで、完全な配信制限とは、
情報配信のための受信処理を停止することを意味する。(4)接続されている機器の配信
情報に対する機能や、配信情報の配信制限情報に依存する形で最大同時配信数の制御を実
現できる。
【0022】
なお、配信制限制御処理における配信制限指示は、配信情報を受信している自機への指
示として、配信情報処理手段における配信情報の情報処理を禁止する、あるいは、配信情
報を生成している他機への指示として、配信情報生成手段における配信情報の生成を禁止
する、配信情報送信手段における配信情報の送信を禁止する、あるいは、配信情報を受信
している他機への指示として、配信情報受信手段における配信情報の受信を禁止する、配
信情報送信手段における配信情報の送信を禁止する、配信情報処理手段における配信情報
の情報処理を禁止する、配信情報変換手段における配信情報の変換を禁止する、のいずれ
でもよい。
【0023】
図10は、配信情報生成手段と配信情報処理手段とを有さない各種デジタルAV機器内
の配信制限制御手段の配信制限制御処理フローを示す。ここで、配信情報生成手段と配信
情報処理手段とを有さない各種デジタルAV機器とは、図5のデジタルAVシステムにお
けるネットワークブリッジを指す。
図10において、ステップ41では、ネットワークに接続されている、かつ、配信情報
の受信が可能である、という特定要件を満たす機器の数である受信可能機器総数Xが同時
配信制限数を超えているという配信制限条件が成立するか否かの第1の配信制限判定を行
い、配信制限条件が成立する場合ステップ43に進み、成立しない場合は処理を終了する
。ステップ43では、配信情報受信手段に対して、配信情報の受信を禁止するという配信
制限指示を行い、処理を終了する。ここで、配信情報の受信禁止の指示を受けた配信情報
送信手段は配信情報の受信信を行わない。
【0024】
本実施例によれば、(1)簡単な配信制限制御処理により、最大同時配信数の制御を実
現し、私的利用(複製作成や同時視聴)の範囲を超えたコンテンツ利用を禁止するという
コンテンツの著作権保護を実現できる。(2)配信制限制御処理における配信制限判定処
理が、受信可能機器総数Xと同時配信制限数との大小比較判定だけでよく、簡単な処理で
、高レベルの配信制限を実現できる。ここで、高レベルの配信制限とは、配信制限判定に
おいて、機器情報提供手段で配信情報に対する情報処理機能なしと偽る不正機器も配信対
象にカウントできるレベルである。(3)配信情報の受信を禁止するという簡単な処理で
、完全な配信制限を実現できる。ここで、完全な配信制限とは、情報配信のための受信処
理、すなわち、ブリッジ機能を停止するという意味である。(4)接続されている機器の
配信情報に対する機能や、配信情報の配信制限情報に依存せずに、最大同時配信数を制御
できる。なお、配信制限制御処理における配信制限指示は、情報配信を受信している自機
への指示として、配信情報送信手段における配信情報の送信を禁止する、あるいは、情報
配信を生成している他機への指示として、配信情報生成手段における配信情報の生成を禁
止する、配信情報送信手段における配信情報の送信を禁止する、あるいは、情報配信を受
信している他機への指示として、配信情報受信手段における配信情報の受信を禁止する、
配信情報処理手段における配信情報の情報処理を禁止する、配信情報変換手段における配
信情報の変換を禁止する、のいずれでもよい。また、ネットワークブリッジが、第1のネ
ットワークにおける第1の形式の配信情報を、第2のネットワークにおける第2の形式に
変換処理を行う配信情報変換手段を有する場合、配信制限制御処理における配信制限指示
は、情報配信を受信している自機への指示として、配信情報変換手段における配信情報の
変換を禁止する、配信情報変換手段における配信情報の変換の情報量を削減する、のいず
れでもよい。
【0025】
また、以上述べた実施例において、(1)上記ネットワーク通信制御手段が扱うネット
ワークがIEEE1394シリアルバスである場合、該ネットワーク通信制御手段、上記
機器情報取得手段、上記機器情報提供手段、上記配信情報送信手段、上記配信情報受信手
段などは、標準化されたIEEE1394−1995、コピー制限方式(DTCP)、I
EC61883、AV/Cコマンドセットなどの既存技術によってもよい。(2)同時配
信制限数の値が標準化された場合、各種AV機器には標準化された同時配信制限数の値を
実装すればよい。また、配信情報の中に同時配信制限数の値を埋め込むような仕組みが標
準化された場合は、各種AV機器には、配信情報の中から同時配信制限数の値を取り出す
仕組みを実装すればよい。
【0026】
また、本発明は、上記実施例の他に、(1)配信制限手段での配信制限判定条件として
、配信情報が著作権付き情報であるを組合せ条件としてもよく、この場合は、配信情報の
著作権の有無に依存して最大同時配信数の制御を実現できる。(2)配信制限手段での配
信制限を、同時コピー制限と同時視聴制限とのうち少なくとも1つを制限するようにして
もよく、この場合は、同時コピー制限や同時視聴制限の有無に依存して最大同時配信数の
制御を実現できる。また、同時配信制限数を、同時コピー制限数または同時視聴制限数と
することができる。(3)配信情報処理手段で行う受信した配信情報の情報処理が、プロ
グラムの実行処理でもよく、この場合、プログラムの実行を停止したり、プログラムの一
部の機能を使用不可にすることができる。
【符号の説明】
【0027】
1…デジタル放送受信機、
11…配信制限制御手段、
12…ネットワーク通信制御手段、
13…機器情報取得手段、
14g…配信情報生成手段、
15t…配信情報送信手段、
14g…配信情報生成手段、
14g1…選局処理手段送信、
16…機器情報提供手段、
17…ユーザ操作手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介し情報配信するネットワーク配信機能付き電子機器であって、
ネットワーク接続機器数と配信制限機器数との比較結果に基づき配信情報の配信制限を
制御する制御手段を備えたことを特徴とするネットワーク配信機能付き電子機器。
【請求項2】
ネットワークを介し情報配信するネットワーク配信機能付き電子機器であって、
ネットワーク通信を制御する通信制御手段と、ネットワーク上の機器の機器情報を取得
する機器情報取得手段と、配信情報を生成する配信情報生成手段と、ネットワーク上へ配
信情報を送信する配信情報送信手段と、ネットワーク接続機器数と配信制限機器数との比
較結果に基づき上記配信情報の配信制限を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とす
るネットワーク配信機能付き電子機器。
【請求項3】
ネットワークを介し情報配信するネットワーク配信機能付き電子機器であって、
ネットワーク通信を制御する通信制御手段と、ネットワーク上の機器の機器情報を取得
する機器情報取得手段と、ネットワーク上から配信情報を受信する配信情報受信手段と、
受信した配信情報の情報処理を行う配信情報処理手段と、ネットワーク接続機器数と配信
制限機器数との比較結果に基づき上記配信情報の配信制限を制御する制御手段と、を備え
たことを特徴とするネットワーク配信機能付き電子機器。
【請求項4】
ネットワークを介し情報配信するネットワーク配信機能付き電子機器であって、
第1のネットワークの通信を制御する第1の通信制御手段と第2のネットワークの通信
を制御する第2の通信制御手段とを有して成る通信制御手段と、ネットワーク上の機器の
機器情報を取得する機器情報取得手段と、第1のネットワーク上から配信情報を受信する
配信情報受信手段と、該受信した配信情報を第2のネットワーク上へ送信する配信情報送
信手段と、上記第1、第2のネットワークのいずれか一方または両方に接続している機器
数と配信制限機器数との比較結果に基づき上記配信情報の配信制限を制御する制御手段と
、を備えたことを特徴とするネットワーク配信機能付き電子機器。
【請求項5】
上記配信情報受信手段は、受信した配信情報の情報処理を行う配信情報処理手段を備え
る請求項4に記載のネットワーク配信機能付き電子機器。
【請求項6】
上記第1の通信制御手段は、上記第1のネットワークにおける第1の形式の配信情報を
、第2のネットワークにおける第2の形式に変換処理を行う配信情報変換構成を有する請
求項4または請求項5に記載のネットワーク配信機能付き電子機器。
【請求項7】
上記制御手段は、
自機の配信情報生成手段における配信情報の生成禁止、生成情報量の削減、
自機の配信情報送信手段における配信情報の送信禁止、
他機の配信情報送信手段における配信情報の送信禁止、
他機の配信情報受信手段における配信情報の受信禁止、
他機の配信情報処理手段における配信情報の情報処理禁止、処理情報量削減、
他機の配信情報変換手段における配信情報の変換禁止、変換情報量削減、
のうち少なくともいずれかを行う構成である請求項2に記載のネットワーク配信機能付
き電子機器。
【請求項8】
上記制御手段は、
自機の配信情報受信手段における配信情報の受信禁止、
自機の配信情報処理手段における配信情報の情報処理禁止、処理情報量削減、
他機の配信情報生成手段における配信情報の生成禁止、生成情報量の削減、
他機の配信情報送信手段における配信情報の送信禁止、
他機の配信情報受信手段における配信情報の受信禁止、
他機の配信情報処理手段における配信情報の情報処理禁止、処理情報量削減、
他機の配信情報変換手段における配信情報の変換禁止、変換情報量削減、
のうち少なくともいずれかを行う構成である請求項3に記載のネットワーク配信機能付
き電子機器。
【請求項9】
上記制御手段は、
自機の配信情報受信手段における配信情報の受信禁止、
自機の配信情報変換手段における配信情報の変換禁止、変換情報量削減、
自機の配信情報送信手段における配信情報の送信禁止、
他機の配信情報生成手段における配信情報の生成禁止、生成情報量の削減、
他機の配信情報送信手段における配信情報の送信禁止、
他機の配信情報受信手段における配信情報の受信禁止、
他機の配信情報処理手段における配信情報の情報処理禁止、処理情報量削減、
他機の配信情報変換手段における配信情報の変換禁止、変換情報量削減、
のうち少なくともいずれかを行う構成である請求項4に記載のネットワーク配信機能付
き電子機器。
【請求項10】
上記制御手段は、接続機器数が配信制限機器数以内か否かを判定する構成を有し、該判
定の要件として、配信情報を受信可能であることまたは受信した配信情報の情報処理が可
能であることのいずれか一方または両方を含む請求項1から6のいずれかに記載のネット
ワーク配信機能付き電子機器。
【請求項11】
上記制御手段は、接続機器数が配信制限機器数以内か否かを判定する構成を有し、該判
定の要件として配信情報が、著作権付き情報であることまたは配信制限付き情報であるこ
とのいずれか一方または両方を含む請求項1から6のいずれかに記載のネットワーク配信
機能付き電子機器。
【請求項12】
上記制御手段は、上記配信制限付き情報が、コピー制限情報、視聴制限情報の少なくと
もいずれかである請求項11のネットワーク配信機能付き電子機器。
【請求項13】
上記制御手段は、上記配信制限付き情報が、同時コピー制限情報、同時視聴制限情報の
少なくともいずれかである請求項11に記載のネットワーク配信機能付き電子機器。
【請求項14】
上記制御手段は、同時配信する同時配信制限機器数が、同時コピー制限機器数または同
時視聴制限機器数である請求項13に記載のネットワーク配信機能付き電子機器。
【請求項15】
上記配信情報処理手段は、コンテンツの視聴処理、コンテンツの記憶処理、プログラム
の記憶処理、プログラムの実行処理のうち少なくともいずれかの情報処理を行う請求項3
または請求項5に記載のネットワーク配信機能付き電子機器。
【請求項16】
上記制御手段は、接続機器数または配信制限機器数が自機を含まない機器数として制御
動作する請求項1から6のいずれかに記載のネットワーク配信機能付き電子機器。
【請求項17】
上記通信制御手段は、IEEE1394シリアルバス対応の構成である請求項2から6
のいずれかに記載のネットワーク配信機能付き電子機器。
【請求項18】
ネットワークを介し情報配信するネットワーク配信方法であって、
ネットワーク通信を制御する第1のステップと、ネットワーク上の機器の機器情報を取
得する第2のステップと、配信情報を生成するステップと、ネットワーク上へ配信情報を
送信する第3のステップと、ネットワーク接続機器数と配信制限機器数との比較結果に基
づき上記配信情報生成手段における配信情報の生成禁止、生成情報量の削減、または上記
配信情報送信手段における配信情報の送信禁止のうち少なくともいずれかを行う第4のス
テップと、を備えたことを特徴とするネットワーク配信方法。
【請求項19】
ネットワークを介し情報配信するネットワーク配信方法であって、
ネットワーク通信を制御する第1のステップと、ネットワーク上の機器の機器情報を取
得する第2のステップと、ネットワーク上から配信情報を受信するステップと、受信した
配信情報の情報処理を行う第3のステップと、ネットワーク接続機器数と配信制限機器数
との比較結果に基づき上記配信情報受信手段における配信情報の受信禁止、配信情報処理
手段における配信情報の情報処理禁止、または処理情報量の削減、のうち少なくともいず
れかを行う第4のステップと、を備えたことを特徴とするネットワーク配信方法。
【請求項20】
ネットワークを介し情報配信するネットワーク配信方法であって、
第1のネットワークの通信と第2のネットワークの通信を制御する第1のステップと、
ネットワーク上の機器の機器情報を取得するステップと、第1のネットワーク上から配信
情報を受信する第2のステップと、該受信した配信情報を第2のネットワーク上へ送信す
る第3のステップと、上記第1、第2のネットワークのいずれか一方または両方に接続し
ている機器数と配信制限機器数との比較結果に基づき上記第1のネットワークの通信にお
ける配信情報の変換禁止、変換情報量の削減、のうち少なくともいずれかを行う第4のス
テップと、を備えたことを特徴とするネットワーク配信方法。
【請求項21】
上記第4のステップは、接続機器数が配信制限機器数以内か否かを判定するときの判定
要件として、受信した配信情報の情報処理が可能であることを含む請求項18、19また
は20に記載のネットワーク配信方法。
【請求項22】
上記第4のステップは、接続機器数が配信制限機器数以内か否かを判定するときの判定
要件として、著作権付き情報であることを含む請求項18、19または20に記載のネッ
トワーク配信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−51705(P2013−51705A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−223799(P2012−223799)
【出願日】平成24年10月9日(2012.10.9)
【分割の表示】特願2010−174980(P2010−174980)の分割
【原出願日】平成13年6月4日(2001.6.4)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】