説明

デジタル放送受信機、送信機及び端末装置

【課題】動画像データ及びマルチメディアデータを合成する際に、動画像データ及びマルチメディアデータにおけるタイムラインと同期を、簡易な手法により確立させる。
【解決手段】デジタル放送送信機1は、番組コンテンツ、シンボル化プログラム及びマーカー情報を多重化して放送波として送出する。デジタル放送受信機2は、放送波を受信してシンボル化プログラムを実行し、番組コンテンツのメディア時刻情報及びコンテンツIDを抽出し、2次元コード化してメディア時刻及びコンテンツIDのシンボル、さらにマーカーシンボルを生成する。そして、これらのシンボルを番組コンテンツにオーバーレイ表示する。携帯端末3は、映像を取り込み、メディア時刻及びコンテンツIDを取得し、マーカーシンボルから画面の位置及び向きを求め、マルチメディアデータの再生ポイントを決定して番組コンテンツの動画像データとマルチメディアデータとを合成し表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像データに同期したマルチメディアデータを提供するサービスにおいて、放送または通信により送受信される動画像データのタイムラインと、その動画像データに関するマルチメディアデータのタイムラインとの間の同期を確立させ、動画像データ及びマルチメディアデータを合成するために用いるデジタル放送受信機、送信機及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動画像データに同期したマルチメディアデータを提供するサービスとして、AR(Augmented Reality:拡張現実)技術を用いたものが注目されている。ARとは、コンピュータを用いて現実環境に所定の情報を付加することにより、情報を提示する技術である。具体的には、現実環境の映像に対してコンピュータ・グラフィックスによる映像を、現実環境の映像の動きに合わせてリアルタイムに合成し、現実環境の映像に関する視覚情報をアノテーション情報として付け加える技術である。AR技術を用いた例として、携帯電話機に内蔵されたカメラを用いて現実世界を撮影し、画像認識技術またはCG合成技術により、現実世界にはない物体または文字情報を合成して表示するものがある(非特許文献1,2を参照)。
【0003】
AR技術をデジタル放送システムに適用すると、例えば、動きのある3DCG(3 Dimensional Computer Graphics:3次元グラフィックス)による演出が考えられる。携帯電話機に内蔵されたカメラが、テレビ受像機に表示された動画像データを撮影し、動画像データと3DCGのマルチメディアデータとの合成映像を表示する場合、テレビ受像機における画面の位置及び向きを検出し、その位置及び向きを反映した3DCGのマルチメディアデータを動画像データに合成する。これにより、3DCGのマルチメディアデータが、動画像データの動きに合わせて画面から飛び出して見える演出が可能になる。この場合、動画像データと3DCGのマルチメディアデータとの間で同期を確立させる必要がある。
【0004】
同期を確立させる技術として、電子透かし方式を用いるものが知られている(特許文献1を参照)。この電子透かし方式は、時間情報の電子透かしを動画像データに埋め込み、電子透かしパターンの時間変化を検出するものである。具体的には、送信側は、動画像データに埋め込む電子透かしパターンを、動画像データの再生時刻に伴って切り替え、そのパターン切り替え情報を併せて伝送する。受信側は、テレビ画面の動画像データをカメラ付き携帯電話機で撮影し、撮影した動画像データからリアルタイムに電子透かし検出処理を行い、電子透かしパターンが切り替わるタイミングを検出することにより、動画像データと3DCGのマルチメディアデータとの間の同期を確立させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2007/015452号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“セカイカメラ”、[online]、[平成21年7月6日検索]、インターネット<URL:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090218/325013/>
【非特許文献2】“Wearable Displays”、[online]、[平成21年7月6日検索]、Microvision社、インターネット<URL:http://www.microvision.com/wearable_displays/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した特許文献1の電子透かし方式では、電子透かしを読み取るために、高性能なカメラスペック及びコンピュータが必要であり、処理負荷が高いことに加え高価になってしまうという問題があった。また、テレビ画面の動画像データをカメラ付き携帯電話機で撮影した際に、カメラ付き携帯電話機の位置及び向き、テレビ画面の位置及び向き、及びこれらの動きによっては、電子透かしを読み取ることができない場合がある。つまり、ユーザがカメラ付き携帯電話機を手に持って自由にテレビ画面を撮影するから、カメラ付き携帯電話機が動いてしまい、電子透かしを読み取ることが困難になるという問題があった。すなわち、電子透かし方式を用いて同期を確立させる技術では、ユーザがテレビ画面を自由に撮影する環境では不向きであるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、動画像データ及びマルチメディアデータを合成する際に、動画像データのタイムラインとマルチメディアデータのタイムラインとの間の同期を、簡易な手法により確立させることが可能なデジタル放送受信機、送信機及び端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究開発を行った。その結果、再生中の動画像データに関する再生開始時点からの相対時刻を2次元コード化し、この2次元コードをシンボル化した2次元シンボルを、動画像データにオーバーレイ表示し、オーバーレイ表示された2次元シンボルから動画像データの時刻情報を取得し、マルチメディアデータの再生ポイントを決定することを見出した。視聴者はカメラでこれを再撮することにより、電子透かし方式よりも計算資源を必要としない画像認識技術を用いて時刻情報を取得することができる。2次元シンボルは、コンピュータビジョンにおける最も認識しやすい形態であり、2次元シンボルを認識する方式は、カメラに対する位置、向き及び動きに柔軟に対応可能だからである。つまり、本発明では、動画像データ及びマルチメディアデータを合成する際に、動画像データのタイムラインとマルチメディアデータのタイムラインとの間の同期を、2次元シンボルを用いて確立させる。これにより、高性能なカメラスペック及び多くの計算資源が不要になり、簡易な手法により、同期確立を実現することが可能となる。
【0010】
すなわち、請求項1のデジタル放送受信機は、番組コンテンツの動画像データ及びマルチメディアデータにより合成映像が生成される際の前記番組コンテンツを受信し、前記番組コンテンツを再生するデジタル放送受信機において、前記番組コンテンツを再生制御する制御パラメータを含む番組コンテンツを受信する放送受信手段と、前記番組コンテンツの再生開始時点からの相対時刻であって、前記合成映像が生成される際の前記マルチメディアデータの再生ポイントを決定するためのメディア時刻情報を、前記放送受信手段により受信された番組コンテンツに含まれる制御パラメータから抽出する時刻情報抽出手段と、前記時刻情報抽出手段により抽出されたメディア時刻情報を、2次元配列によって構成される2次元コードに変換する2次元コード化手段と、前記2次元コード化手段により変換された2次元コードからシンボルを生成するシンボル化手段と、前記シンボル化手段により生成されたシンボルを、前記番組コンテンツと共に画面表示する表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2のデジタル放送受信機は、請求項1に記載のデジタル放送受信機において、さらに、コンテンツID抽出手段を備え、前記受信する番組コンテンツには、前記番組コンテンツ及びマルチメディアデータに対応したコンテンツIDが付随しており、前記コンテンツID抽出手段が、前記放送受信手段により受信された番組コンテンツからコンテンツIDを抽出し、前記2次元コード化手段が、前記時刻情報抽出手段により抽出された時刻情報、及び前記コンテンツID抽出手段により抽出されたコンテンツIDを、2次元配列によって構成される2次元コードにそれぞれ変換することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3のデジタル放送受信機は、請求項2に記載のデジタル放送受信機において、さらに、マーカー情報抽出手段を備え、前記放送受信手段が、前記番組コンテンツに加えて、前記番組コンテンツの動画像データにマルチメディアデータを合成する処理を行う際に必要なマーカーの形状を含むマーカー情報を受信し、前記マーカー情報抽出手段が、前記放送受信手段により受信されたマーカー情報を抽出し、前記シンボル化手段が、さらに、前記マーカー情報抽出手段により抽出されたマーカー情報に含まれるマーカーの形状に従って、前記マーカーのシンボルを生成することを特徴とする。
【0013】
また、請求項4のデジタル放送受信機は、請求項1から3までのいずれか一項に記載のデジタル放送受信機において、前記時刻情報抽出手段が、さらに、所定時間毎にインクリメントする時刻情報であって、前記合成映像が生成される際の前記マルチメディアデータの再生ポイントを決定するための調整用メディア時刻情報を生成し、前記2次元コード化手段が、さらに、前記時刻情報抽出手段により生成された調整用メディア時刻情報を、2次元配列によって構成される2次元コードに変換し、前記表示制御手段が、前記シンボル化手段により生成されたメディア時刻情報のシンボルの代わりに、前記調整用メディア時刻情報のシンボルを前記番組コンテンツと共に画面表示することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5のデジタル放送受信機は、請求項4に記載のデジタル放送受信機において、さらに、前記デジタル放送受信機の動作モードを、ユーザの操作により選択する第1のユーザ操作手段を備え、前記表示制御手段が、前記第1のユーザ操作手段により前記動作モードとして校正モードが選択された場合、前記シンボル化手段により生成されたシンボルのうち少なくともメディア時刻情報のシンボルを、前記番組コンテンツと共に画面表示し、前記第1のユーザ操作手段により前記動作モードとして通常再生モードが選択された場合、または、前記校正モードが選択されてから所定時間経過して通常再生モードに変更された場合、前記メディア時刻情報のシンボルの代わりに、前記調整用メディア時刻情報のシンボルを前記番組コンテンツと共に画面表示することを特徴とする。
【0015】
また、請求項6のデジタル放送受信機は、請求項1から5までのいずれか一項に記載のデジタル放送受信機において、さらに、前記シンボル化手段により生成されるシンボルの形状、表示位置、色、サイズ、表示/非表示のうちの少なくとも一つを含む属性情報を、ユーザの操作により設定する第2のユーザ操作手段を備え、前記表示制御手段が、前記第2のユーザ操作手段により設定された属性情報に従って、前記シンボルの画面表示/非表示を行うことを特徴とする。
【0016】
また、請求項7のデジタル放送受信機は、請求項1に記載のデジタル放送受信機において、さらに、制御手段及び記憶手段を備え、前記放送受信手段が、さらに、シンボル化プログラムを受信し、前記記憶手段が、前記放送受信手段により受信されたシンボル化プログラムを格納し、前記制御手段が、前記記憶手段からシンボル化プログラムを読み出し、前記シンボル化プログラムを実行することにより、前記時刻情報抽出手段、2次元コード化手段、シンボル化手段及び表示制御手段を機能させることを特徴とする。
【0017】
また、請求項8のデジタル放送受信機は、請求項3に記載のデジタル放送受信機において、さらに、制御手段及び記憶手段を備え、前記放送受信手段が、さらに、シンボル化プログラムを受信し、前記記憶手段が、前記放送受信手段により受信されたシンボル化プログラムを格納し、前記制御手段が、前記記憶手段からシンボル化プログラムを読み出し、前記シンボル化プログラムを実行することにより、前記時刻情報抽出手段、2次元コード化手段、シンボル化手段、表示制御手段、コンテンツID抽出手段及びマーカー情報抽出手段を機能させることを特徴とする。
【0018】
さらに、請求項9のデジタル放送送信機は、番組コンテンツの動画像データ及びマルチメディアデータにより合成映像が生成される際の前記番組コンテンツ、及びデータ放送コンテンツを多重化し、デジタル放送受信機へ送出するデジタル放送送信機において、番組コンテンツを記憶すると共に、番組コンテンツの再生制御を行い、前記番組コンテンツの再生開始時点からの相対時刻を、前記合成映像が生成される際のマルチメディアデータの再生ポイントを決定するメディア時刻情報として、前記番組コンテンツに含まれる制御パラメータから抽出し、前記抽出したメディア時刻情報を2次元配列によって構成される2次元コードに変換し、前記2次元コードからメディア時刻シンボルを生成し、前記メディア時刻シンボルを前記番組コンテンツと共に画面表示するためのプログラムであって、前記デジタル放送受信機に実行させるシンボル化プログラムをデータ放送コンテンツとして記憶するコンテンツ記憶手段と、前記コンテンツ記憶手段から番組コンテンツ及びデータ放送コンテンツを読み出し、多重化する放送制御手段と、前記放送制御手段により多重化された番組コンテンツ及びデータ放送コンテンツの多重化信号を、前記デジタル放送受信機へ送出する放送送出手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
また、請求項10のデジタル放送送信機は、請求項9に記載のデジタル放送送信機において、前記番組コンテンツには、前記番組コンテンツ及びマルチメディアデータに対応したコンテンツIDが付随しており、前記シンボル化プログラムが、さらに、前記番組コンテンツに付随するコンテンツIDを抽出し、前記コンテンツIDを2次元配列によって構成される2次元コードに変換し、前記2次元コードからコンテンツIDシンボルを生成し、前記コンテンツIDシンボルを前記番組コンテンツと共に画面表示するためのプログラムであることを特徴とする。
【0020】
また、請求項11のデジタル放送送信機は、請求項9または10に記載のデジタル放送送信機において、コンテンツ記憶手段が、データ放送コンテンツとして、さらに、前記番組コンテンツの動画像データにマルチメディアデータを合成する処理を行う際に必要なマーカーの形状を含むマーカー情報を記憶し、前記シンボル化プログラムが、さらに、前記データ放送コンテンツからマーカー情報を抽出し、前記マーカー情報に含まれるマーカーの形状に従ってマーカーシンボルを生成し、前記マーカーシンボルを前記番組コンテンツと共に画面表示するためのプログラムであることを特徴とする。
【0021】
また、請求項12のデジタル放送送信機は、請求項9から11までのいずれか一項に記載のデジタル放送送信機において、前記シンボル化プログラムが、さらに、所定時間毎にインクリメントする時刻情報であって、前記合成映像が生成される際の前記マルチメディアデータの再生ポイントを決定するための調整用メディア時刻情報を2次元配列によって構成される2次元コードに変換し、前記2次元コードから調整用メディア時刻シンボルを生成し、前記メディア時刻シンボルの代わりに、前記調整用メディア時刻シンボルを前記番組コンテンツと共に画面表示するためのプログラムであることを特徴とする。
【0022】
さらに、請求項13の端末装置は、番組コンテンツの動画像データとマルチメディアデータとを合成し、合成映像を表示する端末装置において、番組コンテンツの再生開始時点からの相対時刻を示す2次元配列によって構成された2次元コードのメディア時刻シンボルが、再生中の前記番組コンテンツと共に画面表示され、前記画面表示された映像を取り込む映像取込手段と、前記映像取込手段により取り込まれた映像から前記メディア時刻シンボルを認識し、前記メディア時刻シンボルを2次元コードに変換してメディア時刻を取得し、前記メディア時刻に基づいてマルチメディアデータの再生ポイントを決定し、前記再生ポイントのマルチメディアデータを、前記再生中の番組コンテンツの動画像データに合成する映像制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0023】
また、請求項14の端末装置は、請求項13に記載の端末装置において、前記映像取込手段が、前記番組コンテンツのコンテンツIDを示す2次元配列によって構成された2次元コードのコンテンツIDシンボルを含む前記映像を取り込み、前記映像制御手段が、さらに、前記映像取込手段により取り込まれた映像から前記コンテンツIDシンボルを認識し、前記コンテンツIDシンボルを2次元コードに変換してコンテンツIDを取得し、前記コンテンツIDに対するマルチメディアデータの再生ポイントを決定することを特徴とする。
【0024】
また、請求項15の端末装置は、請求項14に記載の端末装置において、さらに、マルチメディアデータ取得手段を備え、前記マルチメディアデータ取得手段が、前記映像制御手段により取得されたコンテンツIDを、マルチメディアデータが格納されている外部装置へ送信し、前記外部装置から前記コンテンツIDに対するマルチメディアデータを受信し、または、当該端末装置に備えた記憶手段から前記コンテンツIDに対するマルチメディアデータを読み出し、前記映像制御手段が、前記マルチメディアデータ取得手段により受信されたマルチメディアデータ、または、読み出されたマルチメディアデータの再生ポイントを決定することを特徴とする。
【0025】
また、請求項16の端末装置は、請求項13から15までのいずれか一項に記載の端末装置において、前記映像取込手段が、マーカーシンボルを含む前記映像を取り込み、前記映像制御手段が、さらに、前記映像取込手段により取り込まれた映像から前記マーカーシンボルを認識し、前記マーカーシンボルから、前記映像が表示された画面の位置及び向きを求め、前記画面の位置及び向きに基づいて、前記マルチメディアデータを前記再生中の番組コンテンツの動画像データに合成することを特徴とする。
【0026】
また、請求項17の端末装置は、請求項13から16までのいずれか一項に記載の端末装置において、前記映像取込手段が、前記メディア時刻シンボルの代わりに、所定時間毎にインクリメントする調整用メディア時刻を示す2次元配列によって構成された2次元コードの調整用メディア時刻シンボルを含む前記映像を取り込み、前記映像制御手段が、さらに、前記映像取込手段により取り込まれた映像から前記調整用メディア時刻シンボルを認識し、前記調整用メディア時刻シンボルを2次元コードに変換して調整用メディア時刻を取得し、前記取得した調整用メディア時刻、及び前記メディア時刻シンボルを認識して取得したメディア時刻に基づいて、マルチメディアデータの新たな再生ポイントを決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
このように、本発明によれば、動画像データ及びマルチメディアデータを合成する際に、動画像データのタイムラインとマルチメディアデータのタイムラインとの間の同期を、再生中の動画像データに関する再生開始時点からの相対時刻を示す2次元コードのシンボルを用いて確立させるようにした。2次元シンボルは、コンピュータビジョンにおける最も認識しやすい形態である。これにより、高性能なカメラスペック及び多くの計算資源が必要な電子透かし技術を用いることなく、簡易な手法により同期を確立させることが可能となる。したがって、動画像データと同期したマルチメディアデータの提供サービスを、容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態によるデジタル放送送信機、デジタル放送受信機、携帯端末及びマルチメディアデータ送信装置により構成される全体システムを説明する図である。
【図2】デジタル放送送信機の構成を示すブロック図である。
【図3】デジタル放送受信機の構成を示すブロック図である。
【図4】携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図5】デジタル放送送信機の処理を説明するフローチャートである。
【図6】校正モードにおけるデジタル放送受信機の処理を説明するフローチャートである。
【図7】通常再生モードにおけるデジタル放送受信機の処理を説明するフローチャートである。
【図8】携帯端末の処理を説明するフローチャートである。
【図9】マーカーシンボルの例を示す図である。
【図10】メディア時刻シンボルの例を示す図である。
【図11】調整用メディア時刻シンボルの例を示す図である。
【図12】コンテンツIDシンボルの例を示す図である。
【図13】校正モード時のデジタル放送受信機に表示される画面例を示す図である。
【図14】通常再生モード時のデジタル放送受信機に表示される画面例を示す図である。
【図15】通常再生モード時の携帯端末に表示される画面例を示す図である。
【図16】メディア時刻コード及びシンボルの時間推移の例を説明する図である。
【図17】調整用メディア時刻コード及びシンボルの時間推移の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔全体システム〕
まず、全体システムについて説明する。図1は、本発明の実施形態によるデジタル放送送信機、デジタル放送受信機、携帯端末(端末装置)及びマルチメディアデータ送信装置により構成される全体システムを説明する図である。このシステムは、デジタル放送システム5及びマルチメディアデータ送受信システム6により構成され、デジタル放送送信機1、デジタル放送受信機2、携帯端末3及びマルチメディアデータ送信装置4を備えている。
【0030】
デジタル放送システム5は、デジタル放送送信機1及びデジタル放送受信機2を含んで構成される。デジタル放送送信機1は、動画像の番組コンテンツと、シンボル化プログラム(デジタル放送受信機2に、所定のシンボルを生成させるためのプログラム)及びマーカー情報を含むデータ放送コンテンツとを多重化し、放送波として送出する。
【0031】
デジタル放送受信機2は、デジタル放送送信機1から送出された放送波を受信し、番組コンテンツと、シンボル化プログラム及びマーカー情報を含むデータ放送コンテンツとに分離し、データ放送コンテンツからシンボル化プログラムを抽出して実行すると共に、番組コンテンツを再生して表示する。そして、校正モード時には、データ放送コンテンツからマーカー情報を抽出し、番組コンテンツからコンテンツID及び時刻情報を抽出し、コンテンツID及び時刻情報を2次元コード化してこの2次元コードをシンボル化すると共に、マーカー情報をシンボル化し、再生中の番組コンテンツにオーバーレイ表示する。一方、通常再生モード時には、番組コンテンツと共に、マーカー情報及時刻情報のシンボルをオーバーレイ表示する。
【0032】
マルチメディアデータ送受信システム6は、携帯端末3及びマルチメディアデータ送信装置4を含んで構成される。携帯端末3は、デジタル放送受信機2にオーバーレイ表示された再生中の番組コンテンツ及び各種シンボルを撮影し、オーバーレイ表示された各種シンボルを認識してマーカー情報、コンテンツID及び時刻情報を取得する。そして、携帯端末3は、マーカー情報に基づいて、デジタル放送受信機2の位置及び向きを決定し、コンテンツIDに基づいて、再生中の番組コンテンツに関連するマルチメディアデータをマルチメディアデータ送信装置4から受信するか、または記憶手段から読み出す。また、携帯端末3は、時刻情報に基づいて、再生中の番組コンテンツに同期したマルチメディアデータの再生ポイントを決定する。これにより、再生中の番組コンテンツと、再生中の番組コンテンツに関連するマルチメディアデータとの間の同期を確立することができる。携帯端末3は、撮影した番組コンテンツの動画像データとマルチメディアデータとを合成して画面表示する。
【0033】
マルチメディアデータ送信装置4は、携帯端末3からコンテンツIDを受信し、受信したコンテンツIDに対するマルチメディアデータを携帯端末3へ送信する。これにより、携帯端末3は、マルチメディアデータ送信装置4からマルチメディアデータを受信し、記憶手段に格納することができる。
【0034】
このシステムによれば、携帯端末3を視聴するユーザは、デジタル放送送信機1から送出されデジタル放送受信機2に表示された番組コンテンツの動画像データと、マルチメディアデータ送信装置4から送信されたマルチメディアデータとの同期した合成映像を視聴することができ、番組コンテンツに関連するマルチメディアデータを取得することができる。
【0035】
また、従来の電子透かし方式では、動画像データに重畳された時刻の電子透かしを検出するためには、高性能なカメラスペックが必要であり、多くの計算資源も必要であった。これに対し、本発明の実施形態では、2次元シンボルの時刻情報に基づいて、再生中の番組コンテンツに関する時刻情報を得ることができ、これに同期したマルチメディアデータの再生ポイントを決定するようにした。この2次元シンボルは、コンピュータビジョンにおける最も認識しやすい形態である。これにより、電子透かし方式に比べ簡易な手法にて、番組コンテンツのタイムラインとマルチメディアデータのタイムラインとの間の同期を確立させることが可能となる。
【0036】
また、本発明の実施形態では、マーカーに基づいてデジタル放送受信機2の位置及び向きを決定するようにしたから、番組コンテンツ及びマルチメディアデータを合成する際に、デジタル放送受信機2の位置及び向きを考慮した適切な角度にて、マルチメディアデータを番組コンテンツに組み込むことができる。したがって、携帯端末3に対するデジタル放送受信機2の位置及び向き、デジタル放送受信機2の動き、並びに携帯端末3の動きにも柔軟に対応することができ、適切な角度にて、マルチメディアデータを番組コンテンツに組み込むことができる。
【0037】
〔デジタル放送送信機〕
次に、図1に示したデジタル放送送信機1について説明する。図2は、デジタル放送送信機1の構成を示すブロック図である。図5は、デジタル放送送信機1の処理を説明するフローチャートである。図2を参照して、このデジタル放送送信機1は、コンテンツ記憶手段10、放送制御手段11及び放送送出手段12を備えている。
【0038】
コンテンツ記憶手段10には、番組コンテンツ及びデータ放送コンテンツ等の放送コンテンツが格納されている。番組コンテンツには、その番組コンテンツのID(コンテンツID)が付随しており、再生開始時点からの相対時刻(以下、メディア時刻という。)を示す情報(以下、メディア時刻情報という。)等の、再生制御に関する様々な制御パラメータが含まれている。データ放送コンテンツには、シンボル化プログラム、及び、デジタル放送受信機2において番組コンテンツにオーバーレイ表示されるマーカーに関する情報(マーカー情報)が含まれる。シンボル化プログラムは、番組コンテンツの再生制御を行い、データ放送コンテンツからマーカー情報を抽出し、番組コンテンツからコンテンツID及びメディア時刻情報を抽出し、コンテンツID及びメディア時刻情報を2次元コード化して2次元シンボルを生成し、調整用メディア時刻情報を2次元コード化して2次元シンボルを生成し、マーカー情報のシンボルを生成し、これらのシンボルを番組コンテンツにオーバーレイ表示するためのプログラムである。マーカー情報には、マーカーの形状、及びオーバーレイ表示する際の表示位置の情報が含まれる。
【0039】
図5を参照して、放送制御手段11は、コンテンツ記憶手段10から、所定のコンテンツIDの番組コンテンツを読み出す(ステップS501)。ここで、読み出した番組コンテンツには、コンテンツIDが付随しており、メディア時刻情報の制御パラメータが含まれる。また、放送制御手段11は、コンテンツ記憶手段10から、シンボル化プログラム及びマーカー情報を読み出す(ステップS502)。そして、放送制御手段11は、読み出した番組コンテンツ、シンボル化プログラム及びマーカー情報をMPEG−2 TS Systems等により多重化し(ステップS503)、多重化信号を放送送出手段12に出力する。
【0040】
放送送出手段12は、放送制御手段11により多重化された番組コンテンツ、シンボル化プログラム及びマーカー情報の多重化信号を入力し、高周波帯の信号に変調し、放送波として外部へ送出する(ステップS504)。
【0041】
このように、デジタル放送送信機1によれば、コンテンツIDが付随しメディア時刻情報の制御パラメータを含む番組コンテンツ、シンボル化プログラム及びマーカー情報の多重化信号を放送波として送出するようにした。これにより、デジタル放送受信機2は、これらの多重化信号を放送波として受信し、多重化信号を番組コンテンツ、シンボル化プログラム及びマーカー情報に分離し、シンボル化プログラムを実行することにより、2次元のマーカーシンボル、コンテンツIDシンボル及びメディア時刻シンボル等を生成することができる。そして、デジタル放送受信機2は、これらのシンボルを番組コンテンツと共にオーバーレイ表示することができる。オーバーレイ表示されるマーカーシンボルは、携帯端末3において、マルチメディアデータを番組コンテンツの動画像データに合成する際に、動画像データに対するマルチメディアデータの表示位置及び向きを決定するために用いられる。また、コンテンツIDシンボルは、携帯端末3において、マルチメディアデータを取得するために用いられ、メディア時刻シンボルは、携帯端末3において、番組コンテンツに同期したマルチメディアデータの再生ポイントを決定するために用いられる。
【0042】
〔デジタル放送受信機〕
次に、図1に示したデジタル放送受信機2について説明する。図3は、デジタル放送受信機2の構成を示すブロック図である。このデジタル放送受信機2は、放送受信手段21、処理手段22、ユーザ操作手段23、記憶手段24及び表示手段25を備えている。
【0043】
放送受信手段21は、デジタル放送送信機1により送出された放送波を受信するチューナー等から構成され、受信した放送波における高周波帯の信号を元の多重化信号に復調する。そして、放送受信手段21は、多重化信号を、番組コンテンツと、シンボル化プログラム及びマーカー情報を含むデータ放送コンテンツとに分離し、処理手段22に出力する。
【0044】
処理手段22は、放送受信手段21から番組コンテンツ及びデータ放送コンテンツを入力し、データ放送コンテンツに含まれるシンボル化プログラム及びマーカー情報を抽出し、番組コンテンツ、シンボル化プログラム及びマーカー情報を記憶手段24に格納する。また、処理手段22は、後述するユーザ操作手段23から動作モード(校正モードまたは通常再生モード)及びシンボルの属性等の各データを入力し、動作モードに応じた処理、及びシンボルの属性に応じた処理を行う。動作モードに応じた処理及びシンボルの属性に応じた処理については後述する。
【0045】
処理手段22は、図示しない制御手段(CPU)が記憶手段24からシンボル化プログラムを読み出して実行することにより、コンテンツ再生制御手段200、時刻情報抽出手段201、コンテンツID抽出手段202、マーカー情報抽出手段203、2次元コード化手段204、シンボル化手段205及び表示制御手段206を機能させる。すなわち、図示しない制御手段がシンボル化プログラムを実行することにより、処理手段22は、前述した構成手段を備えることになり、それぞれの構成手段が後述するそれぞれの処理を行うことになる。図3に示した処理手段22の構成は、シンボル化プログラムが実行された状態を示している。
【0046】
具体的には、処理手段22は、シンボル化プログラムの実行により、番組コンテンツ及びデータ放送コンテンツを再生し、すなわち、マーカー情報、コンテンツID、メディア時刻情報等のシンボルを生成し、再生中の番組コンテンツとこれらのシンボルとをオーバーレイし、表示手段25に出力する。これにより、番組コンテンツ及び各種シンボルは、表示手段25によりオーバーレイ表示される。処理手段22の詳細については後述する
【0047】
ユーザ操作手段23は、例えば、デジタル放送受信機2を遠隔操作するリモコンにより構成され、ユーザのキー操作等により指定される動作モード(校正モードまたは通常再生モード)及びシンボルの属性等のデータを処理手段22に出力する。シンボルの属性は、例えば、シンボルの形状、表示位置、色、サイズ、表示/非表示等が含まれる。尚、ユーザ操作手段23において指定された動作モード及びシンボルの属性は、図示しない送信手段により携帯端末3へ送信するようにしてもよい。
【0048】
記憶手段24は、例えばメモリ、ハードディスク等により構成され、番組コンテンツ、シンボル化プログラム、マーカー情報、シンボル化プログラムの実行による処理結果等が格納される。
【0049】
表示手段25は、例えばLCD(液晶ディスプレイ)により構成され、処理手段22の表示制御手段206による処理結果として、番組コンテンツと各種シンボルとをオーバーレイ表示する。
【0050】
このように、デジタル放送受信機2によれば、デジタル放送送信機1により送出された番組コンテンツ及びデータ放送コンテンツの多重化信号を放送波として受信し、多重化信号を番組コンテンツ、シンボル化プログラム及びマーカー情報に分離し、シンボル化プログラムを実行し、マーカーシンボル、コンテンツIDシンボル、メディア時刻シンボル等を生成し、番組コンテンツにオーバーレイ表示するようにした。これにより、携帯端末3は、オーバーレイ表示された映像を取り込むことができ、マルチメディアデータを番組コンテンツの動画像データに合成する際に、マーカーシンボルから動画像データに対するマルチメディアデータの位置、サイズ及び向きを決定し、コンテンツIDシンボルからマルチメディアデータを取得し、メディア時刻シンボル等から番組コンテンツに同期したマルチメディアデータの再生ポイントを決定することができる。
【0051】
(デジタル放送受信機/処理)
次に、図3に示したデジタル放送受信機2の処理について説明する。デジタル放送受信機2は、ユーザ操作により、動作モードが校正モードまたは通常再生モードに選択される。以下、校正モードが選択された場合の処理、通常再生モードが選択された場合の処理に分けてそれぞれ説明する。
【0052】
(校正モード)
まず、校正モードが選択された場合の処理について説明する。図6は、校正モードが選択された場合の処理を説明するフローチャートである。図6では、並列処理を行うように示してあるが、矢印の前までの処理が完了していれば、順次処理により、その後の処理を行うことができるものとする。また、処理手段22のコンテンツ再生制御手段200が番組コンテンツを再生し、表示制御手段206が番組コンテンツを表示手段25に表示しているものとする。
【0053】
番組コンテンツの再生中に、ユーザにより、動作モードとして校正モードが選択されると(ステップS601)、ユーザ操作手段23は、校正モードが選択されたことを示すデータを処理手段22に出力する。
【0054】
処理手段22が、校正モードが選択されたことを示すデータを入力すると、時刻情報抽出手段201は、コンテンツ再生制御手段200によって再生中の番組コンテンツに含まれる制御パラメータからメディア時刻情報を抽出し、2次元コード化手段204に出力する(ステップS602)。また、コンテンツID抽出手段202は、再生中の番組コンテンツから、その番組コンテンツに付随したコンテンツIDを抽出し、2次元コード化手段204に出力する(ステップS603)。また、マーカー情報抽出手段203は、コンテンツ再生制御手段200からデータ放送コンテンツを入力し、データ放送コンテンツからマーカー情報を抽出し、シンボル化手段205に出力する(ステップS604)。
【0055】
2次元コード化手段204は、ステップS602及びステップS603の後に、時刻情報抽出手段201からメディア時刻情報を入力し、コンテンツID抽出手段202からコンテンツIDを入力し、メディア時刻情報及びコンテンツIDを2次元コードに変換し、また、メディア時刻情報の一部分を抜き出して調整用メディア時刻情報を生成し、同様に2次元コードに変換する(ステップS605)。例えば、メディア時刻情報の下位4ビットを抜き出して調整用メディア時刻情報とし、その調整用メディア時刻情報を2次元コードに変換する。この場合、調整用メディア時刻コード及びシンボルは、メディア時刻コード及びシンボルの一部分となる。そして、2次元コード化手段204は、2次元コードに変換したメディア時刻コード、調整用メディア時刻コード及びコンテンツIDコードをシンボル化手段205に出力する。ここで、2次元コードとは、2次元配列される複数のセルにそれぞれ対応したデータにより構成されたコードである。
【0056】
図16は、メディア時刻情報の2次元コードを示すメディア時刻コード、及びメディア時刻情報のシンボルを示すメディア時刻シンボルの時間推移の例を説明する図である。図16に示すように、メディア時刻情報を2次元コード化して得られたメディア時刻コードは、重みが付けられた4×4=16の各セルにより、これらのセルにそれぞれ対応したデータが2次元配列して構成されたコードであり、(n0,n1,・・・,n15)のベクトル表記により、0〜216−1の数値で表すことができる。ここで、n0〜n15は、各セルに対応したデータ(0または1)を示す。
【0057】
例えば、番組コンテンツの再生開始時点0から時刻Δt(Δtは予め設定された値である。)までの間のメディア時刻は0〜Δtであり、2次元コード化手段204は、このメディア時刻情報を、数値0のメディア時刻コード(0,0,・・・,0)に変換する。そして、後述するシンボル化手段205は、このメディア時刻コードから、図16(1)に示すように、各セルの値に対応した黒塗り(セルの値が1の場合)及び白塗り(セルの値が0の場合)の形態の組み合わせからなる、2次元形態の(2次元コードが反映された)メディア時刻シンボルを生成する。また、メディア時刻がΔtから2×Δtまでにおいては、2次元コード化手段204は、このメディア時刻情報を、数値1のメディア時刻コード(1,0,・・・,0)に変換する。そして、後述するシンボル化手段205は、このメディア時刻コードから、図16(2)に示す2次元形態のメディア時刻シンボルを生成する。同様にして、番組コンテンツの再生が完了すると、2次元コード化手段204は、このときのメディア時刻情報をメディア時刻コードに変換し、後述するシンボル化手段205は、このメディア時刻コードから、図16(4)に示す2次元形態のメディア時刻シンボルを生成する。図16において、tはメディア時刻を示す。
【0058】
図17は、調整用メディア時刻情報の2次元コードを示す調整用メディア時刻コード、及び調整用メディア時刻情報のシンボルを示す調整用メディア時刻シンボルの時間推移の例を説明する図である。図17に示すように、調整用メディア時刻情報を2次元コード化して得られた調整用メディア時刻コードは、重みが付けられた2×2=4の各セルにより、これらのセルにそれぞれ対応したデータが2次元配列して構成されたコードであり、(n0,n1,n2,n3)のベクトル表記により、0〜15の数値で表すことができる。ここで、n0〜n3は、各セルに対応したデータ(0または1)を示す。
【0059】
2次元コード化手段204は、例えば、メディア時刻情報の下位4ビットを抜き出して調整用メディア時刻情報とし、Δt’(=Δt)毎にインクリメントするような調整用メディア時刻コードに変換する。すなわち、調整用メディア時刻コードは、図16に示したメディア時刻コード(n0,n1,・・・,n15)のうちの(n0,n1,n2,n3)を用い、調整用メディア時刻シンボルは、図16に示したメディア時刻シンボルを構成する16セルのうちの、n0〜n3に対応する4セルを用いたシンボル(図17)となる。ここで、Δt’=Δtであり、番組コンテンツの再生開始時点が基準のタイミングとなる。
【0060】
尚、2次元コード化手段204は、ステップS605において、メディア時刻情報の一部を抜き出さないでメディア時刻情報とは別に、独自の調整用メディア時刻情報を生成するようにしてもよい。すなわち、2次元コード化手段204は、番組コンテンツの再生開始時点を基準のタイミングとして、t=Δt’×16×n+τ(nはn≧0となる整数、τは0≦τ≦Δt’×16となる実数)により求められる相対時刻τを調整用メディア時刻情報として生成し、Δt’毎にインクリメントするような調整用メディア時刻コードに変換する。ここで、調整用メディア時刻コードは、床関数Floor(t/Δt’)の戻り値に対する、(mod 16)の演算結果である数値0〜15により表される。tはメディア時刻である。
【0061】
番組コンテンツの再生開始時点を基準のタイミングとして、時刻0から時刻Δt’までの間の調整用メディア時刻は0〜Δt’であり、2次元コード化手段204は、この調整用メディア時刻情報を、数値0の調整用メディア時刻コード(0,0,0,0)に変換する。そして、後述するシンボル化手段205は、この調整用メディア時刻コードから、図17(1)に示すように、各セルの値に対応した黒塗り(セルの値が1の場合)及び白塗り(セルの値が0の場合)の形態の組み合わせからなる、2次元形態の(2次元コードが反映された)調整用メディア時刻シンボルを生成する。また、調整用メディア時刻がΔt’から2×Δt’までにおいては、2次元コード化手段204は、この調整用メディア時刻情報を、数値1の調整用メディア時刻コード(1,0,0,0)に変換する。そして、後述するシンボル化手段205は、この調整用メディア時刻コードから図17(2)に示す2次元形態の調整用メディア時刻シンボルを生成する。同様にして、調整用メディア時刻が15×Δt’から16×Δt’までにおいては、2次元コード化手段204は、調整用メディア時刻情報を、数値15の調整用メディア時刻コード(1,1,1,1)に変換し、後述するシンボル化手段205は、この調整用メディア時刻コードから、図17(16)に示す2次元形態の調整用メディア時刻シンボルを生成する。そして、その後のΔt’の期間においては、調整用メディア時刻を0からΔt’までとするようにリセットし、2次元コード化手段204は、調整用メディア時刻情報を、数値0の調整用メディア時刻コード(0,0,0,0)に変換し、後述するシンボル化手段205は、このメディア時刻コードから、図17(1)に示す2次元形態の調整用メディア時刻シンボルを生成する。このように、図17において(1)〜(16)の後(1)〜(16)を順次繰り返す。
【0062】
2次元コード化手段204は、コンテンツIDについても、メディア時刻情報及び調整用メディア時刻情報の場合と同様に、コンテンツIDを2次元のコンテンツIDコードに変換する。
【0063】
図6に戻って、シンボル化手段205は、ステップS604及びステップS605の後に、マーカー情報抽出手段203からマーカー情報を入力すると共に、2次元コード化手段204からメディア時刻コード、調整用メディア時刻コード及びコンテンツIDコードを入力する。そして、シンボル化手段205は、マーカー情報に含まれるマーカー形状からマーカーシンボルを生成し、メディア時刻コード、調整用メディア時刻コード及びコンテンツIDコードから、2次元コードが反映された2次元形態のメディア時刻シンボル、調整用メディア時刻シンボル及びコンテンツIDシンボルを生成する。シンボル化手段205は、これらのシンボルを表示制御手段206に出力する(ステップS606)。
【0064】
図9は、マーカーシンボルの例を示す図である。マーカーシンボルは、番組コンテンツの本線映像が表示される表示手段25において、画面の左上、左下及び右上にオーバーレイ表示される。シンボル化手段205は、マーカー情報からマーカー形状及び表示位置の情報を取得し、マーカー形状に従って、図9に示すようなマーカーシンボルを生成する。シンボル化手段205により生成されたマーカーシンボルは、表示位置の情報と共に表示制御手段206に出力される。図9には、表示制御手段206により表示手段25に出力された番組コンテンツの本線映像、及び、表示制御手段206により表示位置の情報に従って表示手段25の画面の左上、左下及び右上に配置されたマーカーシンボルが示されている。このマーカーシンボルには、ドーナッツ形状のリング及び円により構成された目玉型のシンボルの近傍に、星型のマーク、ハート型のマークまたは山型のマークが付与されており、これらのマークは、マーカーシンボルの位置を判別するために用いられる。例えば、携帯端末3において、星型のマークを含むマーカーシンボルが認識された場合、そのマーカーシンボルは、表示手段25の画面の左上に配置されたものであると判別される。同様に、ハート型のマークを含むマーカーシンボルが認識された場合、そのマーカーシンボルは、表示手段25の画面の左下に配置されたものであると判別され、山型のマークを含むマーカーシンボルが認識された場合、そのマーカーシンボルは、表示手段25の画面の右上に配置されたものであると判別される。これらのマーカーシンボルは、携帯端末3において、携帯端末3を基準にしたデジタル放送受信機2の位置及び向きを求めるために用いられる。そして、携帯端末3を基準にしたデジタル放送受信機2における画面の位置及び向きに基づいて、マルチメディアデータを番組コンテンツの動画像データに合成する表示位置、サイズ及び向きが決定され、合成映像が生成される。
【0065】
図10は、メディア時刻シンボルの例を示す図である。メディア時刻シンボルは、番組コンテンツの本線映像が表示される表示手段25において、画面の左中央にオーバーレイ表示される。シンボル化手段205は、図16に示したように、メディア時刻コードからメディア時刻シンボルを生成する。シンボル化手段205により生成されたメディア時刻シンボルは、表示制御手段206に出力される。図10には、表示制御手段206により表示手段25に出力される番組コンテンツの本線映像、及び、表示制御手段206により所定の表示位置の情報(ユーザ操作手段23から入力するシンボルの属性に含まれる表示位置)に従って表示手段25の画面の左中央に配置されたメディア時刻シンボルが示されている。このメディア時刻シンボルは携帯端末3に取り込まれ、再生中の番組コンテンツと同期するマルチメディアデータの再生ポイントを決定するために用いられる。そして、決定された再生ポイントのマルチメディアデータが、再生中の番組コンテンツの動画像データに合成される。
【0066】
図11は、調整用メディア時刻シンボルの例を示す図である。調整用メディア時刻シンボルは、番組コンテンツの本線映像が表示される表示手段25において、画面の右下にオーバーレイ表示される。シンボル化手段205は、図17に示したように、調整用メディア時刻コードから調整用メディア時刻シンボルを生成する。シンボル化手段205により生成された調整用メディア時刻シンボルは、表示制御手段206に出力される。図11には、表示制御手段206により表示手段25に出力される番組コンテンツの本線映像、及び、表示制御手段206により所定の表示位置の情報(ユーザ操作手段23から入力するシンボルの属性に含まれる表示位置)に従って表示手段25の画面の右下に配置された調整用メディア時刻シンボルが示されている。この調整用メディア時刻シンボルは携帯端末3に取り込まれ、再生中の番組コンテンツと同期するマルチメディアデータの再生ポイントを決定する際の微調整のために用いられる。そして、決定された再生ポイントのマルチメディアデータが、再生中の番組コンテンツの動画像データに合成される。
【0067】
図12は、コンテンツIDシンボルの例を示す図である。コンテンツIDシンボルは、番組コンテンツの本線映像が表示される表示手段25において、画面の右中央にオーバーレイ表示される。シンボル化手段205は、コンテンツIDコードから図12に示すコンテンツIDシンボルを生成する。シンボル化手段205により生成されたコンテンツIDシンボルは、表示制御手段206に出力される。図12には、表示制御手段206により表示手段25に出力される番組コンテンツの本線映像、及び、表示制御手段206により所定の表示位置の情報(ユーザ操作手段23から入力するシンボルの属性に含まれる表示位置)に従って表示手段25の画面の右中央に配置されたコンテンツIDシンボルが示されている。このコンテンツIDシンボルは携帯端末3に取り込まれ、マルチメディアデータを取得するために用いられる。そして、マルチメディアデータは、再生中の番組コンテンツの動画像データに同期して合成される。
【0068】
図6に戻って、表示制御手段206は、コンテンツ再生制御手段200から番組コンテンツを入力すると共に、シンボル化手段205からマーカーシンボル、メディア時刻シンボル、調整用メディア時刻シンボル及びコンテンツIDシンボルを入力する。そして、表示制御手段206は、これらのシンボルを、所定の表示位置の情報に従って再生中の番組コンテンツにオーバーレイ表示するための制御を行い、番組コンテンツ及びこれらのシンボルを表示手段25に出力する(ステップS607)。ここで、マーカーシンボルの場合における所定の表示位置の情報は、マーカー情報に含まれるマーカー表示位置であり、メディア時刻シンボル、調整用メディア時刻シンボル及びコンテンツIDシンボルの場合における所定の表示位置の情報は、ユーザ操作手段23から入力するシンボルの属性に含まれる表示位置である。
【0069】
尚、所定の表示位置の情報は、デジタル放送送信機1からデータ放送コンテンツの一部として送出され、表示制御手段206がコンテンツ再生制御手段200から入力するようにしてもよいし、表示制御手段206において予め設定されていてもよい。
【0070】
図13は、校正モード時においてデジタル放送受信機2の表示手段25に表示される画面例を示す図である。この画面は、各種シンボルが番組コンテンツの本線映像にオーバーレイ表示されたものであり、マーカーシンボルが画面の左上、左下及び右上に表示され、メディア時刻シンボルが画面の左中央に表示され、調整用メディア時刻シンボルが画面の右下に表示され、コンテンツIDシンボルが画面の右中央に表示されている。表示制御手段206は、表示手段25に対し、図13に示した画面を表示させるように表示制御する。表示手段25に表示された番組コンテンツ及び各種シンボルは、携帯端末3によって撮影され取り込まれ、これらのシンボルによって、マルチメディアデータを取得する処理、マルチメディアデータの再生ポイントを決定する処理、再生中の番組コンテンツの動画像データにマルチメディアデータを同期合成させる処理等が行われる。
【0071】
また、表示制御手段206は、ユーザ操作手段23からシンボルの属性を入力し、入力した属性に従って各種シンボルの表示制御を行う。シンボルの属性には、前述したとおり、シンボルの形状、表示位置、色、サイズ、表示/非表示等が含まれる。例えば、表示制御手段206は、シンボルの属性として、調整用メディア時刻シンボルの非表示を入力した場合、調整用メディア時刻シンボルを画面表示しないようにする。
【0072】
尚、表示制御手段206は、データ放送の規定(ARIB STD−B24)に準じて表示制御を行うようにしてもよい。例えば、デジタル放送送信機1がメディア時刻シンボル等の各種シンボルを表示するためのタイミング情報をイベントメッセージに含めて送出し、デジタル放送受信機2の表示制御手段206がこのイベントメッセージに基づいて各種シンボルを表示手段25に表示するように制御してもよい。これにより、デジタル放送送信機1が主体的に各種シンボルの表示制御を行うことができ、デジタル放送受信機2に表示された各種シンボルにて、番組コンテンツの動画データとマルチメディアデータとの間の同期が確立するから、デジタル放送送信機1による同期確立の制御を実現することが可能となる。
【0073】
(通常再生モード)
次に、通常再生モードが選択された場合の処理について説明する。図7は、通常再生モードが選択された場合の処理を説明するフローチャートである。図7では、並列処理を行うように示してあるが、矢印の前までの処理が完了していれば、順次処理により、その後の処理を行うことができるものとする。
【0074】
デジタル放送受信機2が校正モードで動作しているときに、ユーザにより、動作モードとして通常再生モードが選択されると(ステップS701)、ユーザ操作手段23は、通常再生モードが選択されたことを示すデータを処理手段22に出力する。尚、デジタル放送受信機2が校正モードで動作してから所定時間経過した後に、ユーザ操作手段23は、通常再生モードが選択されたことを示すデータを処理手段22に出力するようにしてもよい。
【0075】
処理手段22が、通常再生モードが選択されたことを示すデータを入力すると、2次元コード化手段204は、校正モード時と同様に、メディア時刻情報から一部分を抜き出して調整用メディア時刻情報を生成し、調整用メディア時刻情報を2次元の調整用メディア時刻コードに変換する(ステップS702)。この場合の基準時刻は、メディア時刻情報と同様に、番組コンテンツの番組開始時点である。尚、2次元コード化手段204は、動作モードが校正モードから通常再生モードに変更されたタイミングのメディア時刻を基準時刻に設定し、この基準時刻から所定時間Δt’毎にインクリメントする調整用メディア時刻を求めて調整用メディア時刻情報を生成し、図17に示したように、2次元の調整用メディア時刻コードに変換するようにしてもよい。
【0076】
マーカー情報抽出手段203は、校正モード時と同様に、コンテンツ再生制御手段200からデータ放送コンテンツを入力し、データ放送コンテンツからマーカー情報を抽出し、シンボル化手段205に出力する(ステップS703)。
【0077】
シンボル化手段205は、ステップS702及びステップS703の後に、マーカー情報抽出手段203からマーカー情報を入力すると共に、2次元コード化手段204から2次元の調整用メディア時刻コードを入力し、マーカーシンボル及び2次元コードが反映された2次元形態の調整用メディア時刻シンボルを生成して表示制御手段206に出力する(ステップS704)。
【0078】
表示制御手段206は、コンテンツ再生制御手段200から番組コンテンツを入力すると共に、シンボル化手段205からマーカーシンボル及び調整用メディア時刻シンボルを入力する。そして、表示制御手段206は、校正モード時と同様に、これらのシンボルを、所定の表示位置の情報に従って番組コンテンツにオーバーレイ表示するための制御を行い、番組コンテンツ及びこれらのシンボルを表示手段25に出力する(ステップS705)。
【0079】
図14は、通常再生モード時においてデジタル放送受信機2の表示手段25に表示される画面例を示す図である。この画面は、各種シンボルが番組コンテンツの本線映像にオーバーレイ表示されたものであり、マーカーシンボルが画面の左上、左下及び右上に表示され、調整用メディア時刻シンボルが画面の右下に表示されている。表示制御手段206は、表示手段25に対し、図14に示した画面を表示させるように表示制御する。ここで、表示制御手段206は、校正モード時の図13よりも小さいサイズのマーカーシンボルを表示するように、予め設定されたサイズの情報に従って制御する。このサイズの情報は、ユーザ操作手段23から入力するようにしてもよい。尚、表示制御手段206は、校正モードから通常再生モードへの変更時に、アニメーションによって、図13に示した大きいサイズから図14に示す小さいサイズのマーカーシンボルへ徐々に変化させるようにしてもよい。
【0080】
マーカーシンボルのサイズ等のシンボルの属性は、校正モード時と同様に、ユーザ操作手段23により変更される。例えば、ユーザは、マーカーシンボル及び調整用メディア時刻シンボルのサイズを小さくするための操作を行うことにより、処理手段22の表示制御手段206は、ユーザ操作手段23からシンボルの属性を入力して、これらのシンボルのサイズが小さくなるように表示制御を行う。これにより、ユーザは、番組コンテンツの本線映像を、シンボルの表示に邪魔されることなく視聴することができる。
【0081】
表示手段25に表示された番組コンテンツ、マーカーシンボル及び調整用メディア時刻シンボルは、携帯端末3によって撮影されて取り込まれ、これらのシンボルによって、マルチメディアデータの再生ポイントを決定する処理、再生中の番組コンテンツの動画像データにマルチメディアデータを同期合成させる処理等が行われる。
【0082】
このように、通常再生モードにおける調整用メディア時刻コード及び調整用メディア時刻シンボルは、番組コンテンツの番組開始時点(または、動作モードが校正モードから通常再生モードに変更されたタイミング)を基準にして、調整用メディア時刻がインクリメントされることにより、メディア時刻情報なしに変換及び生成される。後述するように、調整用メディア時刻シンボルは、携帯端末3において、マルチメディアデータの再生ポイントを決定するために用いられる。これにより、メディア時刻シンボルが不要になるから、時刻情報抽出手段201においてメディア時刻情報を抽出するための処理、2次元コード化手段204においてメディア時刻の2次元コードを生成する処理、シンボル化手段205においてメディア時刻のシンボルを生成する処理も不要になり、デジタル放送受信機2の処理負荷を低減することができる。また、通常再生モードにおいては、コンテンツIDシンボルも不要になるから、コンテンツID抽出手段202によるコンテンツIDを抽出する処理、その後の2次元コード化及びシンボル化の処理も不要になり、デジタル放送受信機2の処理負荷を一層低減することができる。
【0083】
〔携帯端末〕
次に、図1に示した携帯端末3について説明する。図4は、携帯端末3の構成を示すブロック図である。この携帯端末3は、映像取込手段31、映像制御手段32、マルチメディアデータ取得手段33、記憶手段34及び表示手段35を備えている。携帯端末3は、例えば、電話機能、カメラによる撮影機能、及びインターネット等の通信路にアクセスする通信機能を有する携帯電話機である。
【0084】
映像取込手段31は、携帯端末3に内蔵されたカメラにより、デジタル放送受信機2の表示手段25に表示された再生中の番組コンテンツ及び各種シンボルを再撮して取り込み、取り込んだ映像を映像制御手段32に出力する。
【0085】
映像制御手段32は、映像取込手段31から再生中の番組コンテンツ及び各種シンボルの映像を入力し、各種シンボルを認識することにより、動作モードを判定し、メディア時刻、調整用メディア時刻、コンテンツIDを取得すると共に、デジタル放送受信機2における表示手段25の画面の位置及び向きを求める。そして、映像制御手段32は、コンテンツIDをマルチメディアデータ取得手段33に出力し、マルチメディアデータ取得手段33からその応答として、コンテンツIDに対するマルチメディアデータを入力する。また、映像制御手段32は、メディア時刻に基づいて、マルチメディアデータの再生ポイントを決定し、表示手段25の画面の位置及び向きに基づいて、再生中の番組コンテンツの動画像データに対するマルチメディアデータの表示位置、サイズ及び向きを決定し、再生中の番組コンテンツの動画像データと再生ポイントのマルチメディアデータとを合成して表示手段35に出力する。
【0086】
マルチメディアデータ取得手段33は、映像制御手段32からコンテンツIDを入力し、コンテンツIDに対するマルチメディアデータが記憶手段34に格納されている場合、記憶手段34からマルチメディアデータを読み出して映像制御手段32に出力する。また、マルチメディアデータ取得手段33は、コンテンツIDに対するマルチメディアデータが記憶手段34に格納されていない場合、コンテンツIDを含むマルチメディアデータ取得要求を、図1に示したマルチメディアデータ送信装置4へ送信し、マルチメディアデータ送信装置4からコンテンツIDに対するマルチメディアデータを受信し、映像制御手段32に出力する。
【0087】
記憶手段34には、コンテンツIDに対するマルチメディアデータが格納されている。このマルチメディアデータには、コンテンツIDの番組コンテンツの動画像データと合成する際における、開始時点からの相対時刻及び合成位置等の情報が含まれる。
【0088】
表示手段35は、映像制御手段32から、再生中の番組コンテンツの動画像データと再生ポイントのマルチメディアデータとの合成映像を入力し、画面に表示する。これにより、ユーザは、携帯端末3の表示手段35に表示された合成映像を視聴することができ、番組コンテンツに関連するマルチメディアデータを取得することができる。
【0089】
(携帯端末/処理)
次に、図4に示した携帯端末3の処理について説明する。図8は、携帯端末3の処理を説明するフローチャートである。図8では、並列処理を行うように示してあるが、矢印の前までの処理が完了していれば、順次処理により、その後の処理を行うことができるものとする。
【0090】
携帯端末3の映像取込手段31は、内蔵のカメラにより、デジタル放送受信機2の表示手段25に表示された再生中の番組コンテンツ及び各種シンボルの映像を取り込み、映像制御手段32に出力する(ステップS801)。
【0091】
映像制御手段32は、映像取込手段31から映像を入力し、マーカーシンボル、メディア時刻シンボル、調整用メディア時刻シンボル及びコンテンツIDシンボルの各種シンボルを認識する(ステップS802)。具体的には、映像制御手段32は、予め設定された各種シンボルの形状、表示位置、サイズ及び色等の属性と、入力した映像を解析して得られたシンボルの属性との間のマッチングを行い、マーカーシンボル、メディア時刻シンボル、調整用メディア時刻シンボル及びコンテンツIDシンボルを認識する。この場合、マッチングの結果によっては、認識できないシンボルもあり得る。ここで、映像取込手段31により取り込まれる映像は、デジタル放送受信機2の動作モードが校正モードのときには図13に示したものであり、通常再生モードのときには図14に示したものである。したがって、認識可能なシンボルは、動作モードによって異なるものとなる。
【0092】
尚、映像制御手段32は、最初にマーカーシンボルを認識し、次に、認識したマーカーシンボルの位置を基準にして他のシンボルを認識するようにしてもよい。また、携帯端末3は、デジタル放送受信機2から各種シンボルの属性を受信し、記憶手段34に格納しておくようにしてもよい。この場合、映像制御手段32は、ステップS802において、記憶手段34から各種シンボルの属性を読み出してマッチングを行い、各種シンボルを認識する。
【0093】
映像制御手段32は、認識したシンボルの種類に基づいて、動作モードを判定する(ステップS803)。具体的には、映像制御手段32は、認識したシンボルがマーカーシンボル、メディア時刻シンボル、調整用メディア時刻シンボル及びコンテンツIDシンボルである場合、動作モードが校正モードであると判定する(ステップS803:校正モード)。一方、映像制御手段32は、認識したシンボルがマーカーシンボル及び調整用メディア時刻シンボルである場合、動作モードが通常再生モードであると判定する(ステップS803:通常再生モード)。
【0094】
尚、携帯端末3は、デジタル放送受信機2から動作モードを受信し記憶手段34に格納しておくようにしてもよい。この場合、映像制御手段32は、ステップS803において、記憶手段34から動作モードを読み出して、校正モードまたは通常再生モードを判定する。
【0095】
(校正モード)
ステップS803において、映像制御手段32は、動作モードが校正モードであると判定した場合(ステップS803:校正モード)、メディア時刻シンボルを2次元のメディア時刻コードに変換し、メディア時刻コードからメディア時刻を取得する(ステップS804)。具体的には、映像制御手段32は、図16に示した処理の逆を行う。映像制御手段32は、例えば、図16(2)に示したメディア時刻シンボルを認識した場合、このメディア時刻シンボルを画像処理することにより黒塗りのセルを求め、各セルの重みによってメディア時刻シンボルの2次元コード、すなわちメディア時刻コード(1,0,・・・,0)に変換する。そして、映像制御手段32は、メディア時刻コード(1,0,・・・,0)及び重みにより求めた数値1に、予め設定された時間Δtを乗算する等して、メディア時刻tを取得する。また、調整用メディア時刻シンボルから調整用メディア時刻を取得し、メディア時刻と調整用メディア時刻との間の同期情報を求めて記憶しておく。例えば、調整用メディア時刻における単位時間の進捗に対するメディア時刻の進捗時間を求め、これを同期情報として記憶しておく。この同期情報は、通常再生モード時において、調整用メディア時刻に基づいてメディア時刻を求める際に用いられる。
【0096】
また、ステップS803において、映像制御手段32は、動作モードが校正モードであると判定した場合(ステップS803:校正モード)、コンテンツIDシンボルを2次元のコンテンツIDコードに変換し、コンテンツIDコードからコンテンツIDを取得する(ステップS805)。具体的には、映像制御手段32は、前述したメディア時刻コードの変換処理及びメディア時刻の取得処理と同様に、コンテンツIDコードの変換処理及びコンテンツIDの取得処理を行う。
【0097】
また、ステップS803において、映像制御手段32は、動作モードが校正モードであると判定した場合(ステップS803:校正モード)、マーカーシンボルを画像処理することにより、デジタル放送受信機2における表示手段25の画面の位置及び向きを求める(ステップS806)。マーカーシンボルは、図9に示したように、目玉型のシンボル、及び、マーカーシンボルの位置を示す山型、ハート型または星型のマークにより構成され、画面には3つのマーカーシンボルが配置されている。映像制御手段32は、ステップS802において、まず目玉型のシンボルを認識し、次にマークを認識することにより、マーカーシンボルの位置を判別する。そして、ステップS806において、これら3つのマーカーシンボルに基づいて画面の位置及び向きを求める。具体的には、映像制御手段32は、認識したマーカーシンボルを画像処理することにより、マーカーシンボルの大きさ(直径)及びマーカーシンボル間の距離(マーカーシンボルを構成する円の中心と他の円の中心との間の距離)を求め、予め設定された基準となる大きさ及び距離とを比較することにより、携帯端末3を基準にしたデジタル放送受信機2の位置を求める。また、映像制御手段32は、マーカーシンボルの形状を求め、予め設定された基準となる形状とを比較し、マーカーシンボルの左右上下の対称性及び各マーカーシンボル間の距離の比を求めることにより、携帯端末3を基準にしたデジタル放送受信機2の向きを求める。
【0098】
尚、携帯端末3の映像取込手段31に設けられたカメラがパンすることにより、3つのマーカーシンボルのうちの1つのマーカーシンボルが取り込まれ、1つのマーカーシンボルのみが認識された場合、映像制御手段32は、認識したマーカーシンボルが3つのマーカーシンボルのうちのどれなのか、画面内のどこに配置されたマーカーシンボルであるかを判別する必要がある。しかし、マーカーシンボルが目玉型のシンボルのみから構成されている場合にはこの判別処理は煩雑であり、処理負荷が高い。そこで、目玉型のシンボルの近くに星型、ハート型または山型のマークを設けることにより、マーカーシンボルの位置を判別する処理を容易に実現するようにした。これにより、画面の位置及び向きの判定を連続的に行うことができる。すなわち、映像制御手段32は、1つのマーカーシンボルのみを認識した場合、そのマーカーシンボルの近くに設けられたマークを認識することにより、そのマーカーシンボルの位置を判別し、画面の位置及び向きを求める。
【0099】
映像制御手段32は、ステップS805の後に、取得したコンテンツIDに対するマルチメディアデータを取得する(ステップS807)。具体的には、映像制御手段32は、コンテンツIDをマルチメディアデータ取得手段33に出力し、マルチメディアデータ取得手段33は、映像制御手段32から入力したコンテンツIDについて、記憶手段34を検索する。マルチメディアデータ取得手段33は、コンテンツIDに対するマルチメディアデータが記憶手段34に格納されている場合、記憶手段34からそのマルチメディアデータを読み出して映像制御手段32に出力する。一方、マルチメディアデータ取得手段33は、コンテンツIDに対するマルチメディアデータが記憶手段34に格納されていない場合、コンテンツIDを含むマルチメディアデータ取得要求をマルチメディアデータ送信装置4へ送信し、マルチメディアデータ送信装置4からマルチメディアデータを受信し、マルチメディアデータを映像制御手段32に出力する。
【0100】
尚、マルチメディアデータ取得手段33は、記憶手段34にマルチメディアデータが格納されていない場合、マルチメディアデータ送信装置4へマルチメディアデータ取得要求を送信することなく、取得エラーを映像制御手段32に出力するようにしてもよい。また、マルチメディアデータ取得手段33は、記憶手段34にアクセスすることなく、マルチメディアデータ送信装置4へマルチメディアデータ取得要求を直接送信するようにしてもよい。この場合、マルチメディアデータ取得手段33は、マルチメディアデータ送信装置4からマルチメディアデータを受信しなかった場合、取得エラーを映像制御手段32に出力する。映像制御手段32は、マルチメディアデータ取得手段33から取得エラーを入力した場合、マルチメディアデータの合成処理を行わず、映像取込手段31が取り込んだ映像を表示手段35に出力する。
【0101】
映像制御手段32は、ステップS804及びステップS807の後に、取得したメディア時刻に基づいて、マルチメディアデータ取得手段33から入力したマルチメディアデータの再生ポイントを決定する(ステップS808)。具体的には、映像制御手段32は、マルチメディアデータに含まれる時刻情報を参照し、メディア時刻に対応したマルチメディアデータの再生ポイントを決定する。前述したとおり、マルチメディアデータには、コンテンツIDの番組コンテンツの動画像データと合成する際における、開始時点からの相対時刻及び合成位置等に関する情報が含まれる。
【0102】
映像制御手段32は、ステップS806において求めた画面の位置及び向きに基づいて、再生中の番組コンテンツの動画像データにマルチメディアデータを合成する際の、マルチメディアデータの表示位置、サイズ及び向きを決定する(ステップS809)。ステップS806において、携帯端末3を基準にしたデジタル放送受信機2の位置及び向き、すなわち、再生中の番組コンテンツの動画像データの位置及び向きが求められるから、マルチメディアデータに含まれる合成位置に関する情報を用いることにより、その動画像データに対するマルチメディアデータの表示位置、サイズ及び向きを決定することができる。つまり、映像制御手段32は、マルチメディアデータに含まれる合成位置に関する情報を参照し、ステップS806において求めた画面の位置及び向き(動画像データの位置及び向き)に対応したマルチメディアデータの表示位置、サイズ及び向きを決定する。
【0103】
映像制御手段32は、ステップS808及びステップS809の後に、再生ポイントのマルチメディアデータに対し、表示位置、サイズ及び向きを反映し、合成映像を生成し、表示手段35に出力する(ステップS810)。
【0104】
これにより、携帯端末3は、校正モードにおいて、再生中の番組コンテンツの動画像データと、その番組コンテンツに関連するマルチメディアデータとの間の同期を確立することができる。したがって、ユーザは、携帯端末3の表示手段35により、動画像データとマルチメディアデータとが同期した合成映像を視聴することができ、番組コンテンツに関連するマルチメディアデータを取得することができる。
【0105】
(通常再生モード)
一方、ステップS803において、映像制御手段32は、動作モードが通常再生モードであると判定した場合(ステップS803:通常再生モード)、調整用メディア時刻シンボルを2次元の調整用メディア時刻コードに変換し、調整用メディア時刻コードから調整用メディア時刻を取得し、メディア時刻を微調整する(ステップS811)。
【0106】
具体的には、映像制御手段32は、図17に示した処理の逆を行う。映像制御手段32は、例えば、図17(2)に示した調整用メディア時刻シンボルを認識した場合、この調整用メディア時刻シンボルを画像処理することにより黒塗りのセルを求め、各セルの重みによって調整用メディア時刻シンボルの2次元コード、すなわち調整用メディア時刻コード(1,0,0,0)に変換する。そして、映像制御手段32は、調整用メディア時刻コード(1,0,0,0)及び重みにより求めた数値1と、予め設定された時間Δt’とにより、調整用メディア時刻を取得する。この場合、図17に示したように、(16)の調整用メディア時刻シンボルから(1)の調整用メディア時刻シンボルに戻り、(1)〜(16)の後(1)〜(16)が順次繰り返されるから、この繰り返しが判断され調整用メディア時刻が取得される。
【0107】
調整用メディア時刻情報が、メディア時刻情報の一部から抜き出されて生成されている場合、映像制御手段32は、動作モードが校正モードから通常再生モードへ変化する直前のメディア時刻からその一部に相当する時刻を除いた時刻、及び、通常再生モード時に取得した調整用メディア時刻に基づいて、メディア時刻を微調整する。例えば、16ビットからなるメディア時刻情報のうちの下位4ビットが抜き出されて、調整用メディア時刻情報が生成されている場合、映像制御手段32は、動作モードが校正モードから通常再生モードへ変化する直前のメディア時刻における上位12ビットの時刻と、通常再生モード時に取得した調整用メディア時刻である下位4ビットの時刻とを合成して、メディア時刻を微調整する。これにより、番組コンテンツの番組開始時点を基準にして、メディア時刻が微調整される。
【0108】
一方、調整用メディア時刻情報が、メディア時刻情報の一部を抜き出さないでメディア時刻情報とは別に独自に生成されている場合、映像制御手段32は、動作モードが校正モードから通常再生モードへ変化する直前のメディア時刻を記憶しておき、通常再生モード時に取得した調整用メディア時刻、及び、校正モード時に記憶した同期情報(例えば、調整用メディア時刻における単位時間の進捗に対するメディア時刻の進捗時間)に基づいて、調整用メディア時刻をメディア時刻の進捗時間に変換する。そして、映像制御手段32は、記憶したメディア時刻に、変換したメディア時刻の進捗時間を加算することにより、メディア時刻を微調整する。これにより、動作モードが校正モードから通常再生モードへ変化した時点を基準にして、メディア時刻が微調整される。
【0109】
したがって、通常再生モード時には、調整用メディア時刻シンボルに基づいてメディア時刻を決定することができるから、メディア時刻シンボルに関する処理が不要になり、携帯端末3における処理負荷を低減することができる。尚、調整用メディア時刻シンボルに基づいて決定したメディア時刻に誤差がある場合は、デジタル放送受信機2において、動作モードを校正モードに戻すことにより、基準となるメディア時刻を再度記憶すればよい。
【0110】
また、ステップS803において、映像制御手段32は、動作モードが通常再生モードであると判定した場合(ステップS803:通常再生モード)、ステップS806と同様に、マーカーシンボルを画像処理することにより、デジタル放送受信機2における表示手段25の画面の位置及び向きを求める(ステップS812)。
【0111】
映像制御手段32は、ステップS811の後に、ステップS808と同様に、メディア時刻に基づいて、マルチメディアデータ取得手段33から入力したマルチメディアデータの再生ポイントを決定する(ステップS813)。
【0112】
映像制御手段32は、ステップS812の後に、ステップS809と同様に、ステップS812において求めた画面の位置及び向きに基づいて、再生中の番組コンテンツの動画像データにマルチメディアデータを合成する際の、マルチメディアデータの表示位置、サイズ及び向きを決定する(ステップS814)。
【0113】
映像制御手段32は、ステップS813及びステップS814の後に、ステップS810と同様に、再生ポイントのマルチメディアデータに対し、表示位置、サイズ及び向きを反映し、合成映像を生成し、表示手段35に出力する(ステップS815)。
【0114】
図15は、通常再生モード時において携帯端末3の表示手段35に表示される画面例を示す図である。この画面には、再生中の番組コンテンツの動画像データとマルチメディアデータとの合成映像が表示されている。マルチメディアデータは、マルチメディアデータに含まれる合成位置等に関する情報に従って、本線映像の右中央に表示されている。
【0115】
これにより、携帯端末3は、通常再生モードにおいて、再生中の番組コンテンツの動画像データと、その番組コンテンツに関連するマルチメディアデータとの間の同期を確立することができる。したがって、ユーザは、携帯端末3の表示手段35により、動画像データとマルチメディアデータとが同期した合成映像を視聴することができ、番組コンテンツに関連するマルチメディアデータを取得することができる。
【0116】
以上により、本発明の実施形態によれば、デジタル放送送信機1は、コンテンツIDが付随し時刻情報の制御パラメータを含む番組コンテンツ、シンボル化プログラム及びマーカー情報を放送波としてデジタル放送受信機2へ送出するようにした。また、デジタル放送受信機2は、デジタル放送送信機1からの放送波を受信し、シンボル化プログラムを実行し、番組コンテンツを再生すると共に、番組コンテンツに含まれる制御パラメータから番組コンテンツのメディア時刻情報を抽出し、番組コンテンツに付随したコンテンツIDを抽出し、2次元コード化して2次元シンボルをそれぞれ生成し、さらに、マーカー情報を抽出してシンボルを生成し、これらのシンボルを番組コンテンツにオーバーレイ表示するようにした。また、携帯端末3は、これらのシンボルが番組コンテンツにオーバーレイ表示された映像を取り込み、これらのシンボルを認識してメディア時刻及びコンテンツIDを取得すると共に、デジタル放送受信機2の画面の位置及び向きを求め、そして、コンテンツIDに対するマルチメディアデータを取得して再生ポイントを決定し、番組コンテンツの動画像データとマルチメディアデータとを合成して表示するようにした。
【0117】
具体的には、携帯端末3の映像制御手段32は、再生中の番組コンテンツの相対時刻が反映された2次元コードのメディア時刻シンボルを認識し、このシンボルからメディア時刻を取得し、マルチメディアデータの再生ポイントを決定するようにした。これにより、再生中の番組コンテンツの動画像データ及びマルチメディアデータを合成する際に、これらのタイムラインの同期を確立させることができる。この場合、2次元コードが反映されたシンボルを用いるようにしたから、高性能なカメラスペック及び多くの計算資源が必要な電子透かし技術を用いることなく、簡易な手法により同期を確立させることができる。また、携帯端末3として、番組コンテンツ及びシンボルの映像を撮影する通常のカメラ付き携帯電話機を適用することができ、計算資源の乏しい環境にて同期を確立させることができる。また、電子透かし技術を用いる場合に比べ、処理時間を短縮することができ、同期を確立させるための時間を短縮すると共に精度を高めることができる。
【0118】
また、本発明の実施形態では、電子透かし技術の場合に比べて多くの計算資源が不要になるから、動きのある3DCG等を用いたAR技術による合成処理に多くの計算資源を割くことができ、高度及び高性能な合成映像を生成することができる。例えば、番組コンテンツの動画像データ内の物体が画面からカメラ側に飛び出してくるように、AR技術によって合成映像を生成する場合に適している。このように、動画像データと同期したマルチメディアデータの提供サービスを、簡易な手法により容易に実現することができ、ユーザは、携帯端末3を用いて番組コンテンツを視聴することにより、同期のとれたマルチメディアデータを楽しむことができる。
【0119】
また、本発明の実施形態に用いる2次元コードは、コンピュータビジョンにおける最も認識しやすい形態であり、カメラに対する位置及び向き、または動きに強い方式である。したがって、携帯端末3を基準にしたデジタル放送受信機2の位置及び向き、デジタル放送受信機2の動き、並びに携帯端末3の動きにも柔軟に対応することができる。つまり、携帯端末3の映像取込手段31において2次元コードが反映されたシンボルを取り込み、映像制御手段32において2次元コードを正確に認識することができる。
【0120】
本発明の実施形態における2次元コードを用いる方式では、電子透かし方式と異なり、2次元コードが反映された2次元シンボルが番組コンテンツにオーバーレイ表示されるから、ユーザは、番組コンテンツによっては2次元シンボルが目障りになることがあり得る。本発明の実施形態では、デジタル放送受信機2が、校正モードが終了した後の通常再生モード時に、校正モード時よりもサイズの小さいマーカーシンボルを表示し、メディア時刻シンボルの代わりに、メディア時刻シンボルのサイズよりも小さい調整用メディア時刻シンボルを表示し、コンテンツIDシンボルを表示しないようにした。これにより、表示されたシンボルがユーザの目障りになることを軽減することができる。
【0121】
また、本発明の実施形態では、マーカーシンボルを用いて、携帯端末3を基準にしたデジタル放送受信機2における画面の位置及び向きを決定するようにした。これは、番組コンテンツと同期したマルチメディアサービスを提供するシステムにおいて、番組コンテンツの演出方法として3DCG等を用いる場合、携帯端末3が、番組コンテンツの動画像データに3DCGのマルチメディアデータを(画面の外側も含めて)適切に組み込む必要があるからである。携帯端末3の映像制御手段32は、マーカーシンボルに基づいてデジタル放送受信機2の位置及び向きを決定するようにしたから、番組コンテンツの動画像データ及びマルチメディアデータを合成する際に、その位置、サイズ及び向きを考慮した適切な角度にて、マルチメディアデータを番組コンテンツに組み込むことができる。したがって、携帯端末3を基準にしたデジタル放送受信機2の位置及び向き、デジタル放送受信機2の動き、並びに携帯端末3の動きにも柔軟に対応することができ、適切な位置、サイズ及び向きにて、マルチメディアデータを番組コンテンツに組み込むことができる。
【0122】
また、本発明の実施形態によれば、コンテンツIDシンボルを用いて、マルチメディアデータを取得するようにした。具体的には、携帯端末3の映像制御手段32は、デジタル放送受信機2の映像からコンテンツIDシンボルを認識し、このシンボルからコンテンツIDを取得し、コンテンツIDに対するマルチメディアデータを記憶手段34またはマルチメディアデータ送信装置4から取得するようにした。これにより、携帯端末3は、再生中の番組コンテンツに関連するマルチメディアデータを取得することができ、再生中の番組コンテンツに合成したマルチメディアデータをユーザに提示することができる。ユーザは、再生中の番組コンテンツを視聴しながら、その番組コンテンツに関連するマルチメディアデータを取得することができる。
【0123】
また、本発明の実施形態によれば、通常再生モード時に、調整用メディア時刻シンボルを用いて、マルチメディアデータの再生ポイントを決定するようにした。具体的には、携帯端末3の映像制御手段32は、通常再生モード時に、デジタル放送受信機2の映像から調整用メディア時刻シンボルを認識し、このシンボルから調整用メディア時刻を取得し、番組コンテンツの番組開始時点(または、動作モードが校正モードから通常再生モードに変更されたタイミング)のメディア時刻を基準にして、調整用メディア時刻に基づいて、再生中の番組コンテンツにおけるメディア時刻を微調整し、そのメディア時刻からマルチメディアデータの再生ポイントを決定するようにした。調整用メディア時刻シンボルは、番組コンテンツの制御パラメータから得られたメディア時刻を用いるものではなく、前記時刻を基準にして独自にインクリメントすることにより生成されたシンボルである。これにより、携帯端末3は、通常再生モード時に、メディア時刻シンボルを用いることなく、調整用メディア時刻シンボルからメディア時刻を求めることができる。また、通常再生モード時にデジタル放送受信機2においてスロー/高速再生や逆転再生をした場合でも、携帯端末3は、メディア時刻を調整することにより、番組コンテンツの動画像データに3DCG等のマルチメディアデータを適切なタイミングで組み込むことができる。また、デジタル放送受信機2は、番組コンテンツの制御パラメータからメディア時刻を得て2次元コード化しメディア時刻シンボルを生成する必要がないから、処理負荷を低減することができる。
【0124】
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。前記実施形態では、マルチメディアデータを表示する機器として、電話機能、カメラによる撮影機能、及びインターネット等の通信路にアクセスする通信機能を有する携帯端末3を例にして説明したが、本発明は、このような携帯端末3に限定されるものではなく、例えば、眼鏡でもよいし、電話機能を有さない携帯用小型コンピュータでもよい。また、デジタル放送受信機2をWebカメラにて撮影し、その映像を取り込んで処理するコンピュータであってもよい。
【0125】
また、前記実施形態では、デジタル放送送信機1とデジタル放送受信機2との間が放送網により構成された例を挙げて説明したが、インターネット等の通信網により構成されていてもよい。この場合、デジタル放送送信機1は、多重化した放送コンテンツをIPパケットに収容し、IPプロトコルによりインターネットの通信網を介してデジタル放送受信機2へ送信する。そして、デジタル放送受信機2は、通信網を介してIPプロトコルによりIPパケットを受信し、多重化された放送コンテンツを分離する。
【0126】
また、図16に示したメディア時刻コード及びメディア時刻シンボルは例示であり、本発明は、このコード及びシンボルに限定されるものではなく、図17に示した調整用メディア時刻コード及び調整用メディア時刻シンボルも例示であり、このコード及びシンボルに限定されるものではない。さらに、図9〜図14の各種シンボルの形状、サイズ等の属性も例示であり、本発明はこれらの属性に限定されるものではない。図10〜図12に示した2次元シンボルは、白セル及び黒セルからなる2次元配列により構成されているが、白黒以外の色であってもよい。
【0127】
また、前記実施形態では、デジタル放送受信機2は、デジタル放送送信機1からシンボル化プログラム及びマーカー情報を受信するようにしたが、シンボル化プログラム及びマーカー情報を記憶手段24に予め格納しておき、デジタル放送送信機1から番組コンテンツを受信したときに記憶手段24から読み出すようにしてもよい。また、デジタル放送受信機2は、デジタル放送送信機1から番組コンテンツを受信するようにしたが、番組コンテンツを記憶手段24に予め格納しておき、記憶手段24から読み出すようにしてもよい。
【符号の説明】
【0128】
1 デジタル放送送信機
2 デジタル放送受信機
3 携帯端末
4 マルチメディアデータ送信装置
5 デジタル放送システム
6 マルチメディアデータ送受信システム
10 コンテンツ記憶手段
11 放送制御手段
12 放送送出手段
21 放送受信手段
22 処理手段
23 ユーザ操作手段
24,34 記憶手段
25,35 表示手段
31 映像取込手段
32 映像制御手段
33 マルチメディアデータ取得手段
200 コンテンツ再生制御手段
201 時刻情報抽出手段
202 コンテンツID抽出手段
203 マーカー情報抽出手段
204 2次元コード化手段
205 シンボル化手段
206 表示制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組コンテンツの動画像データ及びマルチメディアデータにより合成映像が生成される際の前記番組コンテンツを受信し、前記番組コンテンツを再生するデジタル放送受信機において、
前記番組コンテンツを再生制御する制御パラメータを含む番組コンテンツを受信する放送受信手段と、
前記番組コンテンツの再生開始時点からの相対時刻であって、前記合成映像が生成される際の前記マルチメディアデータの再生ポイントを決定するためのメディア時刻情報を、前記放送受信手段により受信された番組コンテンツに含まれる制御パラメータから抽出する時刻情報抽出手段と、
前記時刻情報抽出手段により抽出されたメディア時刻情報を、2次元配列によって構成される2次元コードに変換する2次元コード化手段と、
前記2次元コード化手段により変換された2次元コードからシンボルを生成するシンボル化手段と、
前記シンボル化手段により生成されたシンボルを、前記番組コンテンツと共に画面表示する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタル放送受信機において、
さらに、コンテンツID抽出手段を備え、
前記受信する番組コンテンツには、前記番組コンテンツ及びマルチメディアデータに対応したコンテンツIDが付随しており、
前記コンテンツID抽出手段は、前記放送受信手段により受信された番組コンテンツからコンテンツIDを抽出し、
前記2次元コード化手段は、前記時刻情報抽出手段により抽出された時刻情報、及び前記コンテンツID抽出手段により抽出されたコンテンツIDを、2次元配列によって構成される2次元コードにそれぞれ変換する、ことを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項3】
請求項2に記載のデジタル放送受信機において、
さらに、マーカー情報抽出手段を備え、
前記放送受信手段は、前記番組コンテンツに加えて、前記番組コンテンツの動画像データにマルチメディアデータを合成する処理を行う際に必要なマーカーの形状を含むマーカー情報を受信し、
前記マーカー情報抽出手段は、前記放送受信手段により受信されたマーカー情報を抽出し、
前記シンボル化手段は、さらに、前記マーカー情報抽出手段により抽出されたマーカー情報に含まれるマーカーの形状に従って、前記マーカーのシンボルを生成する、ことを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一項に記載のデジタル放送受信機において、
前記時刻情報抽出手段は、さらに、所定時間毎にインクリメントする時刻情報であって、前記合成映像が生成される際の前記マルチメディアデータの再生ポイントを決定するための調整用メディア時刻情報を生成し、
前記2次元コード化手段は、さらに、前記時刻情報抽出手段により生成された調整用メディア時刻情報を、2次元配列によって構成される2次元コードに変換し、
前記表示制御手段は、前記シンボル化手段により生成されたメディア時刻情報のシンボルの代わりに、前記調整用メディア時刻情報のシンボルを前記番組コンテンツと共に画面表示する、ことを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項5】
請求項4に記載のデジタル放送受信機において、
さらに、前記デジタル放送受信機の動作モードを、ユーザの操作により選択する第1のユーザ操作手段を備え、
前記表示制御手段は、前記第1のユーザ操作手段により前記動作モードとして校正モードが選択された場合、前記シンボル化手段により生成されたシンボルのうち少なくともメディア時刻情報のシンボルを、前記番組コンテンツと共に画面表示し、前記第1のユーザ操作手段により前記動作モードとして通常再生モードが選択された場合、または、前記校正モードが選択されてから所定時間経過して通常再生モードに変更された場合、前記メディア時刻情報のシンボルの代わりに、前記調整用メディア時刻情報のシンボルを前記番組コンテンツと共に画面表示する、ことを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載のデジタル放送受信機において、
さらに、前記シンボル化手段により生成されるシンボルの形状、表示位置、色、サイズ、表示/非表示のうちの少なくとも一つを含む属性情報を、ユーザの操作により設定する第2のユーザ操作手段を備え、
前記表示制御手段は、前記第2のユーザ操作手段により設定された属性情報に従って、前記シンボルの画面表示/非表示を行う、ことを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項7】
請求項1に記載のデジタル放送受信機において、
さらに、制御手段及び記憶手段を備え、
前記放送受信手段は、さらに、シンボル化プログラムを受信し、
前記記憶手段は、前記放送受信手段により受信されたシンボル化プログラムを格納し、
前記制御手段は、前記記憶手段からシンボル化プログラムを読み出し、前記シンボル化プログラムを実行することにより、前記時刻情報抽出手段、2次元コード化手段、シンボル化手段及び表示制御手段を機能させる、ことを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項8】
請求項3に記載のデジタル放送受信機において、
さらに、制御手段及び記憶手段を備え、
前記放送受信手段は、さらに、シンボル化プログラムを受信し、
前記記憶手段は、前記放送受信手段により受信されたシンボル化プログラムを格納し、
前記制御手段は、前記記憶手段からシンボル化プログラムを読み出し、前記シンボル化プログラムを実行することにより、前記時刻情報抽出手段、2次元コード化手段、シンボル化手段、表示制御手段、コンテンツID抽出手段及びマーカー情報抽出手段を機能させる、ことを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項9】
番組コンテンツの動画像データ及びマルチメディアデータにより合成映像が生成される際の前記番組コンテンツ、及びデータ放送コンテンツを多重化し、デジタル放送受信機へ送出するデジタル放送送信機において、
番組コンテンツを記憶すると共に、番組コンテンツの再生制御を行い、前記番組コンテンツの再生開始時点からの相対時刻を、前記合成映像が生成される際のマルチメディアデータの再生ポイントを決定するメディア時刻情報として、前記番組コンテンツに含まれる制御パラメータから抽出し、前記抽出したメディア時刻情報を2次元配列によって構成される2次元コードに変換し、前記2次元コードからメディア時刻シンボルを生成し、前記メディア時刻シンボルを前記番組コンテンツと共に画面表示するためのプログラムであって、前記デジタル放送受信機に実行させるシンボル化プログラムをデータ放送コンテンツとして記憶するコンテンツ記憶手段と、
前記コンテンツ記憶手段から番組コンテンツ及びデータ放送コンテンツを読み出し、多重化する放送制御手段と、
前記放送制御手段により多重化された番組コンテンツ及びデータ放送コンテンツの多重化信号を、前記デジタル放送受信機へ送出する放送送出手段と、
を備えたことを特徴とするデジタル放送送信機。
【請求項10】
請求項9に記載のデジタル放送送信機において、
前記番組コンテンツには、前記番組コンテンツ及びマルチメディアデータに対応したコンテンツIDが付随しており、
前記シンボル化プログラムは、さらに、前記番組コンテンツに付随するコンテンツIDを抽出し、前記コンテンツIDを2次元配列によって構成される2次元コードに変換し、前記2次元コードからコンテンツIDシンボルを生成し、前記コンテンツIDシンボルを前記番組コンテンツと共に画面表示するためのプログラムである、ことを特徴とするデジタル放送送信機。
【請求項11】
請求項9または10に記載のデジタル放送送信機において、
コンテンツ記憶手段は、データ放送コンテンツとして、さらに、前記番組コンテンツの動画像データにマルチメディアデータを合成する処理を行う際に必要なマーカーの形状を含むマーカー情報を記憶し、
前記シンボル化プログラムは、さらに、前記データ放送コンテンツからマーカー情報を抽出し、前記マーカー情報に含まれるマーカーの形状に従ってマーカーシンボルを生成し、前記マーカーシンボルを前記番組コンテンツと共に画面表示するためのプログラムである、ことを特徴とするデジタル放送送信機。
【請求項12】
請求項9から11までのいずれか一項に記載のデジタル放送送信機において、
前記シンボル化プログラムは、さらに、所定時間毎にインクリメントする時刻情報であって、前記合成映像が生成される際の前記マルチメディアデータの再生ポイントを決定するための調整用メディア時刻情報を2次元配列によって構成される2次元コードに変換し、前記2次元コードから調整用メディア時刻シンボルを生成し、前記メディア時刻シンボルの代わりに、前記調整用メディア時刻シンボルを前記番組コンテンツと共に画面表示するためのプログラムである、ことを特徴とするデジタル放送送信機。
【請求項13】
番組コンテンツの動画像データとマルチメディアデータとを合成し、合成映像を表示する端末装置において、
番組コンテンツの再生開始時点からの相対時刻を示す2次元配列によって構成された2次元コードのメディア時刻シンボルが、再生中の前記番組コンテンツと共に画面表示され、前記画面表示された映像を取り込む映像取込手段と、
前記映像取込手段により取り込まれた映像から前記メディア時刻シンボルを認識し、前記メディア時刻シンボルを2次元コードに変換してメディア時刻を取得し、前記メディア時刻に基づいてマルチメディアデータの再生ポイントを決定し、前記再生ポイントのマルチメディアデータを、前記再生中の番組コンテンツの動画像データに合成する映像制御手段と、
を備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項14】
請求項13に記載の端末装置において、
前記映像取込手段は、前記番組コンテンツのコンテンツIDを示す2次元配列によって構成された2次元コードのコンテンツIDシンボルを含む前記映像を取り込み、
前記映像制御手段は、さらに、前記映像取込手段により取り込まれた映像から前記コンテンツIDシンボルを認識し、前記コンテンツIDシンボルを2次元コードに変換してコンテンツIDを取得し、前記コンテンツIDに対するマルチメディアデータの再生ポイントを決定する、ことを特徴とする端末装置。
【請求項15】
請求項14に記載の端末装置において、
さらに、マルチメディアデータ取得手段を備え、
前記マルチメディアデータ取得手段は、前記映像制御手段により取得されたコンテンツIDを、マルチメディアデータが格納されている外部装置へ送信し、前記外部装置から前記コンテンツIDに対するマルチメディアデータを受信し、または、当該端末装置に備えた記憶手段から前記コンテンツIDに対するマルチメディアデータを読み出し、
前記映像制御手段は、前記マルチメディアデータ取得手段により受信されたマルチメディアデータ、または、読み出されたマルチメディアデータの再生ポイントを決定する、ことを特徴とする端末装置。
【請求項16】
請求項13から15までのいずれか一項に記載の端末装置において、
前記映像取込手段は、マーカーシンボルを含む前記映像を取り込み、
前記映像制御手段は、さらに、前記映像取込手段により取り込まれた映像から前記マーカーシンボルを認識し、前記マーカーシンボルから、前記映像が表示された画面の位置及び向きを求め、前記画面の位置及び向きに基づいて、前記マルチメディアデータを前記再生中の番組コンテンツの動画像データに合成する、ことを特徴とする端末装置。
【請求項17】
請求項13から16までのいずれか一項に記載の端末装置において、
前記映像取込手段は、前記メディア時刻シンボルの代わりに、所定時間毎にインクリメントする調整用メディア時刻を示す2次元配列によって構成された2次元コードの調整用メディア時刻シンボルを含む前記映像を取り込み、
前記映像制御手段は、さらに、前記映像取込手段により取り込まれた映像から前記調整用メディア時刻シンボルを認識し、前記調整用メディア時刻シンボルを2次元コードに変換して調整用メディア時刻を取得し、前記取得した調整用メディア時刻、及び前記メディア時刻シンボルを認識して取得したメディア時刻に基づいて、マルチメディアデータの新たな再生ポイントを決定する、ことを特徴とする端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−35576(P2011−35576A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178532(P2009−178532)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】