説明

デジタル放送受信装置

【課題】放送内容を再生中の放送局以外のプリセット済みの放送局についても、放送エリア外において系列局を迅速に選局することができる「デジタル放送受信装置」を提供すること。
【解決手段】第1のプリセットボタンに対応付けられていた第1の放送局の放送内容の再生中に第1のプリセットボタン以外のプリセットボタンに対応付けて登録されていた第3の放送局があった場合に、第1の放送局と同系列の第2の放送局のサーチ期間中に、第3の放送局と同系列の第4の放送局を、第2の放送局のサーチ先と同一の物理チャンネルをサーチ先として、第2の放送局のサーチと並行してチャンネル番号順にサーチする第2の系列局サーチ手段3,14を備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送受信装置に係り、特に、プリセットボタンの操作によって選局された放送局の放送内容を再生するのに好適なデジタル放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両等の移動体に搭載されたデジタル放送受信装置においては、移動体が位置する地域における受信可能な放送局を、複数の物理チャンネル(例えば、地上波デジタル放送における13〜62ch)からチャンネルスキャンによって見つけ出した上で、見つけ出された受信可能な放送局をプリセットボタンに対応付けて登録するプリセットが行われていた。このプリセットは、通常は、初めてデジタル放送受信装置を使用する場合における初期設定において行われるようになっていた。
【0003】
具体的には、プリセットにおいては、放送局に割り当てられている物理チャンネルの識別情報(例えば、チャンネル番号や周波数)および放送局の識別情報(例えば、放送局名等)を、プリセットボタンの識別情報(例えば、プリセットボタンの番号)と対応付けてプリセット情報としてデジタル放送受信装置の記憶部に記録するようになっていた。
【0004】
そして、このようなプリセットが行われたプリセットボタンを操作することによって、当該プリセットボタンに対応付けてプリセット(登録)されている放送局を直ちに選局して当該放送局の放送内容をすみやかに視聴することが可能とされていた。
【0005】
ところで、この種のデジタル放送受信装置は、移動体に搭載される構成上、移動体の移動にともなって、現在視聴(再生)中の放送内容に対応する放送局(以下、視聴局と称する)の放送エリア外となり、視聴局の放送内容を受信(視聴)できなくなる場合が珍しくない。
【0006】
図5は、このような場合の一例として、互いに異なるエリアAおよびエリアBにそれぞれ対応するチャンネル割り当て欄を示したものである。図5に示すように、エリアAのチャンネル割り当て欄は、デジタル放送受信装置を搭載した移動体(車両等)がエリアA内に位置している際に、複数の物理チャンネルのうちの所定の物理チャンネルが割り当てられているエリアA内において受信可能な各放送局が、所定の番号のプリセットボタンにそれぞれ対応付けてプリセットされている状態を示している。具体的には、同欄は、対応する物理チャンネルごとのマス目に分割されており、放送局がプリセットされているマス目には、該当するプリセットボタンの番号が付されているとともに、放送局ごとに異なる模様のハッチングが施されている。より具体的には、図5においては、地上波デジタル放送の13〜62chのうち、エリアA内において13、14、16、18、20および22chの各物理チャンネルが割り当てられている各放送局が、それぞれに対応する番号のプリセットボタン(1、2、4〜6および8番)に対応付けてプリセットされている。
【0007】
そして、このような状態から、移動体がエリアAを出てエリアBに入った場合には、図5中のエリアBのチャンネル割り当て欄に示すように、エリアB内においては、受信可能な放送局がエリアA内とは異なるようになる。ここで、エリアBのチャンネル割り当て欄におけるハッチングが施されている各マス目のうち、エリアAのチャンネル割り当て欄において同模様のハッチングが施されているマス目に対して物理チャンネルが異なるものは、当該同模様のハッチングが施されているマス目に該当するエリアA側の放送局と同系列の放送局すなわち系列局を示している。一方、エリアBのチャンネル割り当て欄におけるハッチングが施されている各マス目のうち、エリアAのチャンネル割り当て欄において同模様のハッチングが施されているマス目に対して物理チャンネルが同一のものは、当該同模様のハッチングが施されているマス目に該当するエリアA側の放送局と同一局を示している。例えば、エリアB内においては、エリアA内において18chが割り当てられている放送局の系列局に、24chが割り当てられている。すなわち、エリアA内において18chで放送されている放送内容と同一の放送内容は、エリアB内において24chで放送されることになる。一方、エリアA内において13chで放送されている放送内容と同一の放送内容は、エリアB内においても引き続き同チャンネル同放送局で放送されることになる。
【0008】
このような例において、例えば、ユーザがエリアA内において4番のプリセットボタンを操作して、これに対応する18chが割り当てられているプリセット済みの放送局を視聴局として放送番組を視聴している状態から、移動体の移動にともなってエリアB内に入った場合には、4番のプリセットボタンに対応付けられたプリセット情報が実体をともなわないものとなる。すなわち、エリアB内においては、エリアA内での視聴局は放送エリア外となっているため、4番のプリセットボタンを選択したままではエリアA内での視聴局と同内容の放送番組を視聴し続けることはできない。図5の例においては、エリアA内において2番のプリセットボタンに対応付けてプリセットされた13chが割り当てられている放送局の放送番組と同内容の放送番組のみを、エリアB内において同番号のプリセットボタンによって視聴できることになる。
【0009】
そこで、このような放送エリア外への移動体の移動に起因する問題に対処すべく、従来から、デジタル放送受信装置においては、移動体の移動によって視聴局が受信不可能となった場合に、当該視聴局に対応する受信可能な系列局をサーチすることによって、現在視聴中の放送内容と同一の放送内容を引き続き視聴可能とすることが行われていた。
【0010】
図5の例においては、エリアA内において視聴局に割り当てられていた18chを始点として、受信可能な系列局をチャンネル番号順(昇順)にサーチしていき、系列局(エリアB内において24chが割り当てられている放送局)が見つかった時点でサーチを終了する。なお、当該系列局が見つかった場合には、当該系列局を視聴局に代えて視聴局と同番号のプリセットボタンに対応付けて新たにプリセット(更新登録)する。
【0011】
図6は、このような系列局のサーチおよび系列局のプリセットが完了した後のエリアBのチャンネル割り当て欄を示している。図6に示すように、エリアB内においては、エリアAに対して同チャンネル同局の関係となる13chが割り当てられている放送局と、系列局のサーチによって新たにプリセットされた24chが割り当てられている放送局とを、引き続き同番号のプリセットボタンによって視聴できることになる。
【0012】
このような系列局のサーチを行うデジタル放送受信装置に関する従来技術としては、これまでにも、例えば、特許文献1および特許文献2に示すような技術が提案されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2008−148197号公報
【特許文献2】特開2008−263504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、前述のように、視聴局が放送エリア外(受信不可能)となる場合には、視聴局以外のプリセット済みの放送局についても放送エリア外となる可能性が高い。
【0015】
しかるに、従来のデジタル放送受信装置は、視聴局の系列局のみを、視聴局が受信不可能となった際におけるサーチ対象としており、視聴局以外のプリセット済みの他局については、ユーザが、該当するプリセットボタンの操作による当該他局へのチャンネル切り替えを行った際に当該他局が受信不可能であることを確認した上で、当該他局の系列局のサーチを指示してはじめて、系列局のサーチを行うようになっていた。
【0016】
この結果、視聴局以外のプリセット済みの放送局については、放送エリア外において系列局を迅速に選局することができないといった問題が生じていた。
【0017】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、放送内容を再生中の放送局以外のプリセット済みの放送局についても、放送エリア外において系列局を迅速に選局することができるデジタル放送受信装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前述した目的を達成するため、本発明に係るデジタル放送受信装置は、移動体に搭載され、選択的な操作が可能とされた複数のプリセットボタンと、所定の複数の物理チャンネルにおける該当する物理チャンネルが割り当てられた受信可能な放送局を、前記プリセットボタンに対応付けて登録するプリセット手段と、このプリセット手段によって登録された前記放送局を、この放送局が対応付けられた前記プリセットボタンの操作に応じて選局する選局手段と、この選局手段によって選局された前記放送局から受信した当該放送局の放送内容を再生する再生手段と、この再生手段による再生中の放送内容に対応する第1の放送局が受信不可能となった場合に、前記複数の物理チャンネルの中から、前記第1の放送局と同系列の受信可能な第2の放送局を、前記第1の放送局の放送内容の再生中に前記第1の放送局に割り当てられていた第1の物理チャンネルを始点としてチャンネル番号順にサーチし、前記第2の放送局が見つかった場合にはその時点で前記サーチを終了する第1の系列局サーチ手段と、この第1の系列局サーチ手段によって前記第2の放送局が見つけられた場合に、前記プリセット手段に対して、前記第2の放送局を、前記複数のプリセットボタンにおける前記第1の放送局の放送内容の再生中に前記第1の放送局が対応付けて登録されていた第1のプリセットボタンに対応付けて登録させるための制御を行うプリセット制御手段とを備えたデジタル放送受信装置であって、前記第1の放送局の放送内容の再生中に前記複数のプリセットボタンにおける前記第1のプリセットボタン以外のプリセットボタンに対応付けて登録されていた少なくとも1つの第3の放送局があった場合に、前記第2の放送局のサーチ期間中に、前記第3の放送局と同系列の受信可能な第4の放送局を、前記第2の放送局のサーチ先と同一の前記物理チャンネルをサーチ先として、前記第2の放送局のサーチと並行して前記チャンネル番号順にサーチする第2の系列局サーチ手段を備え、前記プリセット制御手段は、前記第2の系列局サーチ手段によって前記第4の放送局が見つけられた場合には、前記プリセット手段に対して、前記第4の放送局を、前記第3の放送局が対応付けて登録されていた前記第1のプリセットボタン以外のプリセットボタンに対応付けて登録させるための制御を行うことを特徴としている。
【0019】
そして、このような構成によれば、放送内容を再生中の第1の放送局が受信不可能となった場合には、第1の放送局の系列局である第2の放送局だけでなく、第1の放送局以外のプリセット済みの第3の放送局の系列局である第4の放送局もサーチして、第3の放送局が対応付けられていたプリセットボタンに新たに対応付けてプリセットすることができるので、放送内容を再生中の放送局以外のプリセット済みの放送局についても、放送エリア外において系列局を迅速に選局することができる。
【0020】
また、前記第2の系列局サーチ手段は、前記第2の放送局のサーチ期間中に、前記複数の物理チャンネルのすべてをサーチ先とした前記第4の放送局のサーチが完了しなかった場合には、前記第2の放送局の放送内容の再生開始後における当該放送内容の所定の切り替わり時点からの所定期間中に、前記第4の放送局を、前記複数の物理チャンネルにおける前記第4の放送局のサーチが未実行の残余の物理チャンネルをサーチ先として、前記第2の放送局に割り当てられている第2の物理チャンネルの次のチャンネル番号に該当する第3の物理チャンネルを始点としてチャンネル番号順に再度サーチすることが可能とされていてもよい。
【0021】
そして、このような構成によれば、第2の放送局のサーチ期間後も、この期間中における第4の放送局のサーチが行われなかった残余の物理チャンネルをサーチ先とした第4の放送局をサーチするための新たな機会を、第2の放送局の放送内容の放送時間への影響が少ない期間に設けることができるので、第2の放送局の放送内容の再生品位を維持しつつ第4の放送局が見つかる可能性を高めることができる。
【0022】
さらに、前記第2の系列局サーチ手段は、前記第2の放送局の放送内容の再生開始後の最初の前記所定期間中に、前記残余の物理チャンネルのすべてをサーチ先とした前記第4の放送局のサーチが完了しなかった場合には、前記残余の物理チャンネルのすべてをサーチ先とした前記第4の放送局のサーチが完了するまで、前記最初の所定期間の後の新たな前記所定期間の度に、前記第4の放送局を、前記残余の物理チャンネルにおける前記第4の放送局のサーチが未実行の更に残余の物理チャンネルをサーチ先として、前回の前記所定期間中の前記第4の放送局のサーチにおける最後のサーチ先となった第4の物理チャンネルの次のチャンネル番号に該当する第5の物理チャンネルを始点としてチャンネル番号順に再度サーチする処理を繰り返すことが可能とされていてもよい。
【0023】
そして、このような構成によれば、第2の放送局のサーチの期間中における第4の放送局のサーチが行われなかった残余の物理チャンネルのすべてをサーチ先とした第4の放送局のサーチを、第2の放送局の放送内容の放送時間への影響が少ない複数の期間に亘って断続的に繰り返すことができるので、第2の放送局の放送内容の再生品位を維持しつつ第4の放送局が見つかる可能性を更に高めることができる。
【0024】
さらにまた、前記切り替わり時点は、前記第2の放送局の放送番組からCMへの切り替わり時点を含み、前記CMへの切り替わり時点に対応する前記所定期間は、前記CMの放送期間とされていてもよい。
【0025】
そして、このような構成によれば、第2の放送局のサーチ期間後における第4の放送局をサーチする新たな機会を、第2の放送局の放送番組の放送時間と抵触しない期間に設けることができるので、第2の放送局の放送番組の再生品位を確実に維持することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、放送内容を再生中の放送局以外のプリセット済みの放送局についても、放送エリア外において系列局を迅速に選局することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るデジタル放送受信装置の実施形態を示す構成図
【図2】本発明に係るデジタル放送受信装置の実施形態において、プリセットボタンを示す模式図
【図3】本発明に係るデジタル放送受信装置の実施形態において、プリセット情報を示す概念図
【図4】本発明に係るデジタル放送受信装置の実施形態を示す工程図
【図5】エリアに応じたチャンネルの割り当て状態を示す概念図
【図6】従来の系列局サーチの結果を示す概念図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係るデジタル放送受信装置の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
【0029】
本実施形態におけるデジタル放送受信装置は、車両等の移動体に搭載されるようになっている。なお、デジタル放送受信装置を車両に搭載する場合には、ナビゲーション装置等の車載器と一体に構成してもよい。
【0030】
図1に示すように、本実施形態におけるデジタル放送受信装置1は、アンテナ2が接続された選局手段としてのチューナ3を有しており、このチューナ3は、アンテナ2を介して受信された地上波デジタル放送の電波から、選局した放送局の周波数に該当する信号を抽出して後段に出力するようになっている。なお、放送局の選局は、後述するプリセットのためのチャンネルスキャンを行う場合、プリセットボタンを操作した場合および系列局のサーチを行う場合等の種々の場合に実行される。
【0031】
また、図1に示すように、チューナ3の後段には、復調部4が接続されており、この復調部4には、チューナ3から出力された信号が入力されるようになっている。そして、復調部4は、入力された信号をOFDM復調することによってトランスポートストリームを取得し、取得されたトランスポートストリームを後段に出力するようになっている。
【0032】
さらに、図1に示すように、復調部4の後段には、誤り訂正部5が接続されており、この誤り訂正部5には、復調部4から出力されたトランスポートストリームが入力されるようになっている。そして、誤り訂正部5は、入力されたトランスポートストリームを、必要に応じた公知の誤り訂正を行った上で後段に出力するようになっている。
【0033】
さらにまた、図1に示すように、誤り訂正部5の後段には、デマルチプレクサ部6が接続されており、このデマルチプレクサ部6には、誤り訂正部5から出力されたトランスポートストリームが入力されるようになっている。そして、デマルチプレクサ部6は、入力されたトランスポートストリームの多重化を解除することによって、映像ストリームおよび音声ストリームとともに、番組関連情報を取得するようになっている。番組関連情報は、PSI(番組特定情報:Program Specific Information)/SI(Service Information)であってもよい。
【0034】
また、図1に示すように、デマルチプレクサ部6の後段には、ビデオデコーダ7およびオーディオデコーダ8が接続されており、ビデオデコーダ7には、デマルチプレクサ部6から出力された映像ストリームが、オーディオデコーダ8には、デマルチプレクサ部6から出力された音声ストリームが、それぞれ入力されるようになっている。そして、ビデオデコーダ7は、入力された映像ストリームをデコードして映像信号とし、この映像信号を画像合成部9を介してディスプレイ10に出力するようになっている。また、オーディオデコーダ8は、入力された音声ストリームをデコードして音声信号とし、この音声信号をスピーカ11に出力するようになっている。このようにして、選局された放送局の放送内容(番組やCM)の再生(表示/音声出力)が行われるようになっている。なお、復調部4以後の構成部4〜11は、再生手段を構成している。
【0035】
さらに、図1に示すように、デジタル放送受信装置1は、操作画面描画部12を有しており、この操作画面描画部12は、地上波デジタル放送の視聴に関する種々の操作を行うための操作画面を、画像合成部9を介してディスプレイ10に表示するようになっている。操作画面の中には、放送内容の再生中に放送映像と合成した状態で表示されるものもある。
【0036】
このような操作画面の1つに、図2に示すような各番号(1〜12番)のプリセットボタンPBが配置された画面13がある。この図2の画面13においては、放送映像Iも表示されている。各プリセットボタンPBは、タッチパネルやリモコン等の不図示の操作手段によって選択的に操作することが可能とされている。
【0037】
さらにまた、図1に示すように、デジタル放送受信装置1は、選局制御部14を有しており、この選局制御部14は、チューナ3に対して種々の選局の制御を行うようになっている。その1つとして、選局制御部14は、チューナ3に対して、移動体が位置されている地域において受信可能な放送局を見つけ出すチャンネルスキャンのための選局制御を行うようになっている。この選局制御にしたがって、チューナ3は、複数の物理チャンネル(13〜62ch)をチャンネル番号の昇順に順次選局(スキャン)して行き、各物理チャンネルに割り当てられている放送局が見つかった場合には、これをその都度抽出するようになっている。そして、選局制御部14は、例えば、抽出された放送局の受信電界強度をチューナ3から取得して、取得された受信電界強度に基づいて、抽出された放送局が受信可能であるか否かを逐次判定することで、受信可能な放送局を見つけ出すようになっている。このとき、選局制御部14は、受信可能な放送局の具体的な情報を、デマルチプレクサ部6から番組関連情報として取得することができる。その他の選局制御の態様については後述する。
【0038】
また、図1に示すように、デジタル放送受信装置1は、プリセット手段としてのプリセット部15を有している。このプリセット部15は、チャンネルスキャンによって見つけ出された受信可能な放送局を、プリセットボタンPBに対応付けて登録するプリセットを行うようになっている。このプリセットは、例えば、図3に示すように、プリセットボタンPBの番号、放送局に割り当てられている物理チャンネル(周波数でもよい)および放送局名が互いに対応付けられたプリセット情報を、図1に示すプリセット情報記憶部16に記録することによって行うようになっている。なお、放送局名や物理チャンネルは、選局制御部14によって取得された番組関連情報から抽出すればよい。また、放送局をどの番号のプリセットボタンに対応付けてプリセットするかについては、番組関連情報に含まれているプリセットボタンの番号を指定する情報や、ユーザ操作に基づいて決定すればよい。
【0039】
以上のようなチャンネルスキャンおよびこの結果に基づいたプリセットは、初期設定の際の設定案内に応じた画面操作に応じて行うようにしてもよい。
【0040】
さらに、本実施形態においては、このようなプリセット部15によるプリセットが行われた後に、ユーザがプリセットボタンPBを操作すると、選局制御部14は、プリセット情報記憶部16から、操作されたプリセットボタンPBの番号に該当するプリセット情報を読み出すようになっている。そして、選局制御部14は、読み出されたプリセット情報に該当する物理チャンネルが割り当てられている放送局を選局するように、チューナ3に対する選局制御を行うようになっている。この選局制御にしたがって、チューナ3は、操作されたプリセットボタンPBに対応付けられた放送局を選局するようになっている。これにより、プリセットボタンPBに対応付けられた放送局の放送信号がチューナ3によって受信され、その放送内容が、復調、誤り訂正、デマルチプレクスおよびデコードを経て再生(表示/音声出力)されることになる。
【0041】
さらにまた、本実施形態において、選局制御部14およびチューナ3は、第1の系列局サーチ手段として機能するようになっている。すなわち、選局制御部14は、前述のようにしてプリセットボタンPBの操作によって選局された第1の放送局としての放送内容を再生中の視聴局が受信不可能となったことを、例えば、チューナ3から取得した当該視聴局の受信電界強度が閾値未満となったことに基づいて検知するようになっている。そして、この場合に、選局制御部14は、チューナ3に対する選局制御によって、各物理チャンネル(13〜62ch)の中から、視聴局と同系列の受信可能な系列局(第2の放送局)をサーチするようになっている。この系列局(以下、視聴局系列局と称する)のサーチ(以下、第1の系列局サーチと称する)は、視聴局の放送内容の再生中に視聴局に割り当てられていた物理チャンネル(第1の物理チャンネル)を始点として、チャンネル番号の昇順に行うようになっている。また、第1の系列局サーチにおいては、チューナ3によって順次選局される放送局の番組関連情報を、視聴局のプリセット情報と比較することによって、放送局が視聴局の系列局であるか否かを判定するようになっている。このとき、系列局が受信可能であることについては、系列局の受信電界強度が閾値以上であることに基づいて判別すればよい。そして、このような第1の系列局サーチによって視聴局系列局が見つかった場合には、選局制御部14は、その時点で第1の系列局サーチを終了するようになっている。なお、視聴局系列局が見つからない場合においても、すべての物理チャンネルをサーチ先とした第1の系列局サーチの完了が検出された場合には、第1の系列局サーチを終了すればよい。
【0042】
また、図1に示すように、デジタル放送受信装置1は、プリセット制御手段としてのプリセット制御部17を有している。このプリセット制御部17は、第1の系列局サーチによって視聴局系列局が見つかった場合には、プリセット部15に対して、視聴局系列局を、複数のプリセットボタンPBにおける視聴局の放送内容の再生中に視聴局が対応付けてプリセットされていたプリセットボタンPB(第1のプリセットボタン)に対応付けてプリセットさせるための制御を行うようになっている。このような制御が行われた場合には、プリセット部15は、視聴局が対応付けられていたプリセットボタンPBに、視聴局に代えて視聴局系列局を対応付けてプリセットするようになっている。この際のプリセットは、当初のプリセットの場合と同様に視聴局系列局に関する所定のプリセット情報(図3参照)を、プリセット情報記憶部16に更新記録することによって行えばよい。
【0043】
そして、以上のような構成を備えた上で、更に、デジタル放送受信装置1は、本実施形態に特有の構成を備えている。
【0044】
すなわち、本実施形態において、選局制御部14およびチューナ3は、第2の系列局サーチ手段としても機能するようになっている。具体的には、選局制御部14は、視聴局の放送内容の再生中に、視聴局が対応付けてプリセットされていたプリセットボタンPB以外のプリセットボタンPBに対応付けてプリセットされていた第3の放送局としての少なくとも1つの放送局(以下、非視聴登録局と称する)があった場合には、第1の系列局サーチの期間中に、チューナ3に対する選局制御によって第2の系列局サーチを行うようになっている。ただし、第2の系列局サーチとは、非視聴登録局に対応する受信可能な系列局(第4の放送局)のサーチのことをいう(以下、同様)。また、選局制御部14は、非視聴登録局の存在を、プリセット情報によって確認することができる。
【0045】
ここで、第2の系列局サーチは、第1の系列局サーチにおけるサーチ先と同一の物理チャンネルをサーチ先として、第1の系列局サーチと並行してチャンネル番号の昇順に行うようになっている。また、第2の系列局サーチは、第1の系列局サーチと同様の要領で、非視聴登録局のプリセット情報と選局された放送局の番組関連情報との比較および選局された放送局の受信電界強度等に基づいて行うようになっている。このような第1の系列局サーチの期間中における第2の系列局サーチは、例えば、視聴局が受信不可能となったことを契機として第1の系列局サーチと同時に開始した後に、第1の系列局サーチの終了と同時に終了するようになっている。ただし、第1の系列局サーチの終了前にすべての非視聴登録局に対応する受信可能な系列局(以下、非視聴登録局系列局と称する)が見つかった場合には、その時点で第2の系列局サーチを終了してもよい。
【0046】
そして、このような第2の系列局サーチによって非視聴登録局系列局が見つかった場合には、プリセット制御部17は、プリセット部15に対して、非視聴登録局系列局をこれに対応する非視聴登録局が対応付けてプリセットされていたプリセットボタンPB(第1のプリセットボタン以外のプリセットボタン)に対応付けてプリセットさせるための制御を行うようになっている。このような制御が行われた場合には、プリセット部15は、非視聴登録局が対応付けてプリセットされていたプリセットボタンPBに、非視聴登録局に代えて非視聴登録局系列局を対応付けてプリセットするようになっている。
【0047】
上記構成に加えて、更に、本実施形態において、選局制御部14およびチューナ3は、第1の系列局サーチの期間中に、複数の物理チャンネル(13〜62ch)のすべてをサーチ先とした第2の系列局サーチが完了しなかった場合には、視聴局系列局の放送内容の再生開始後における当該放送内容の所定の切り替わり時点からの所定期間(以下、サーチ再開期間と称する)中に、第2の系列局サーチを再開させるようになっている。ただし、第1の系列局サーチの期間中における第2の系列局サーチによってすべての非視聴登録局系列局が見つかった場合には、第2の系列局サーチを再開させなくてもよい。
【0048】
ここで、サーチ再開期間中における第2の系列局サーチは、複数の物理チャンネル(13〜62ch)における第2の系列局サーチが未実行の残余の物理チャンネルをサーチ先として、視聴局系列局に割り当てられている物理チャンネル(第2の物理チャンネル)の次のチャンネル番号に該当する物理チャンネル(第3の物理チャンネル)を始点としてチャンネル番号の昇順に行うようになっている。このようなサーチ再開期間中における第2の系列局サーチは、視聴局系列局の放送内容の切り替わりが検出されたことを契機としてサーチ再開期間の開始と同時に開始した後に、当該期間の終了と同時に終了するようになっている。ただし、サーチ再開期間の終了前に残余のすべての非視聴登録局系列局が見つかった場合または残余の物理チャンネルのすべてをサーチ先としたサーチが完了した場合には、その時点で当該第2の系列局サーチを終了してもよい。なお、選局制御部14は、視聴局系列局の放送内容の切り替わりを、番組関連情報に基づいて検出してもよい。この切り替わりの一例としては、視聴局系列局の放送番組からCMへの切り替わりがあり、この場合には、当該CMへの切り替わり(CMの開始)から当該放送番組への復帰(CMの終了)までの時間すなわちCMの放送期間をサーチ再開期間とすればよい。ただし、選局制御部14は、CMの開始については、字幕有りと字幕無しとの切り替わりや二カ国語放送とステレオ/モノラル放送との切り替わりを放送波に基づいて検出することによって検知してもよい。あるいは、EPG(電子番組ガイド)に基づいて放送番組の開始時刻の所定時間前(例えば、15秒〜1分前)の時刻を把握しておき、この把握された時刻になったことをCMの開始と擬制してもよい。さらに、将来的に放送波にCMの開始を示す情報が追加されることがあれば、そのような情報を取得することによってCMの開始を検知してもよい。一方、CMの終了については、CMの放送時間が最低15秒程度であるので、前述のようにして検知あるいは擬制されたCMの開始から15秒が経過したことをCMの終了と擬制してもよい。ただし、この場合に、ユーザ設定によって15秒よりも長い時間(例えば、30秒)を設定してもよい。また、将来的に放送波にCMの終了を示す情報が追加されることがあれば、そのような情報を取得することによってCMの終了を検知してもよい。この他にも、視聴局系列局の放送内容の切り替わりとしては、前番組から次番組へのCMを挟まない切り替わりを採用することができる。この場合には、次番組の開始時点から所定時間(例えば、30秒)をサーチ再開期間とすることができる。なお、このようなサーチ再開期間中における第2の系列局サーチによって見つかった非視聴登録局系列局のその後の取り扱いについては、第1の系列局サーチの期間中における第2の系列局サーチによって見つかった非視聴登録局系列局と同様(該当するプリセットボタンに対応付けてプリセットする)である。
【0049】
上記構成に加えて、更に、本実施形態において、選局制御部14およびチューナ3は、視聴局系列局の放送内容の再生開始後の最初のサーチ再開期間中に、前記残余の物理チャンネルのすべてをサーチ先とした第2の系列局サーチが完了しなかった場合には、前記残余の物理チャンネルのすべてをサーチ先とした第2の系列局サーチが完了するまで、第2の系列局サーチの再開を繰り返すようになっている。ただし、サーチ再開期間中にすべての非視聴登録局系列局が見つかった場合には、残余のサーチ先がある場合であってもその時点で第2の系列局サーチを終了してもよい。
【0050】
ここで、前記繰り返し再開される第2の系列局サーチは、最初のサーチ再開期間の後の新たなサーチ再開期間の度に、前記残余の物理チャンネルにおける前回までの第2の系列局サーチが未実行の更に残余の物理チャンネルをサーチ先として、前回のサーチ再開期間中の第2の系列局サーチにおける最後のサーチ先となった物理チャンネル(第4の物理チャンネル)の次のチャンネル番号に該当する物理チャンネル(第5の物理チャンネル)を始点としてチャンネル番号順に行うようになっている。このような第2回目以降のサーチ再開期間中における第2の系列局サーチによって見つかった非視聴登録局系列局のその後の取り扱いについては、第1の系列局サーチの期間中における第2の系列局サーチによって見つかった非視聴登録局系列局と同様である。
【0051】
次に、図4は、デジタル放送受信装置1の動作の具体例を、図5および図6と同様のチャンネル割り当て欄によって示したものである。なお、図4のチャンネル割り当て欄の詳細は、図5および図6に示したものと基本的に同様であるので、本実施形態に特有の部分以外は説明を割愛もしくは簡略化する。
【0052】
まず、図4のステップ1(ST1)においては、移動体がエリアAに位置しており、図5に示したものと同様の放送局に対する物理チャンネルの割り当てがなされている。このとき、プリセット部15によって4番のプリセットボタンに対応付けてプリセットされた18chの放送局が、視聴局として放送内容を視聴されているものとする。したがって、ステップ1(ST1)おいて4番以外のプリセットボタン(1、2、5、6および8番)に対応付けてプリセットされた放送局は、非視聴登録局となる。
【0053】
次いで、移動体がエリアAを出てエリアBに入ると、ステップ2(ST2)に示すように、視聴局が放送領域外となって受信不可能となる。このとき、2番のプリセットボタンに対応付けてプリセットされた13chの非視聴登録局以外の非視聴登録局についても、視聴局と同様に受信不可能となる。
【0054】
次いで、ステップ3(ST3)において、選局制御部14およびチューナ3により、視聴局が受信不可能となったことを契機として、前述した要領で第1の系列局サーチおよび第2の系列局サーチを開始し、視聴局系列局が見つかった時点で両サーチを終了する。なお、図4の例では、両サーチは、視聴局に対応する18chを始点としてチャンネル番号の昇順に行う。
【0055】
次いで、ステップ4(ST4)において、プリセット制御部17の制御により、ステップ3(ST3)において見つかった視聴局系列局および非視聴登録局系列局をそれぞれに該当する番号のプリセットボタンに対応付けてプリセットする。ここで、ステップ4(ST4)から分かるように、図4の例における第1の系列局サーチおよび第2の系列局サーチは、視聴局に対応する18chから視聴局系列局に対応する24chまでの各物理チャンネルをサーチ先として行われたものである。そして、この間の各物理チャンネルの中には、エリアAにおいて16chが割り当てられていた非視聴登録局に対応する19chの非視聴登録局系列局と、エリアAにおいて20chが割り当てられていた非視聴登録局に対応する21chの非視聴登録局系列局とが存在する。したがって、ステップ3(ST3)の第2の系列局サーチにおいては、これら2つの非視聴登録局系列局が見つけられ、ステップ4(ST4)においては、図示の通り、これら2つの非視聴登録局系列局がそれぞれに対応する非視聴登録局と同番号のプリセットボタン(6番、8番)にそれぞれ対応付けて新たにプリセットされている。なお、非視聴登録局系列局のプリセットは、第1の系列局サーチの完了を待って行うようにしてもよいし、あるいは、見つかった時点でその都度行うようにしてもよい。
【0056】
ここで、ステップ3(ST3)における第2の系列局サーチは、すべての物理チャンネル(13〜62ch)をサーチ先として行われたものではないため、第2の系列局サーチが未実行の残余の物理チャンネル(25〜62、13〜17ch)が存在する。したがって、エリアB内において視聴局系列局の放送番組の視聴を開始した後に、放送番組からCMへの切り替えが放送波に基づいて初めて検出された場合には、ステップ5(ST5)に示すように、選局制御部14およびチューナ3により、最初のサーチ再開期間としての第1回目のCM期間中の第2の系列局サーチを行う。このステップ5(ST5)における第2の系列局サーチは、ステップ3(ST3)における最後のサーチ先となった24chの次の25chを始点としてチャンネル番号の昇順に行う。そして、第1回目のCM期間の終了が検出された場合には、ステップ5(ST5)における第2の系列局サーチを終了する。
【0057】
次いで、ステップ6(ST6)において、プリセット制御部17の制御により、ステップ5(ST5)において見つかった非視聴登録局系列局を、該当する番号のプリセットボタンに対応付けてプリセットする。ここで、ステップ6(ST6)から分かるように、ステップ5(ST5)の第2の系列局サーチにおいては、エリアAにおいて22chが割り当てられていた非視聴登録局に対応する28chの非視聴登録局系列局が見つけられ、ステップ6(ST6)においては、図示の通り、この28chの非視聴登録局系列局が、対応する非視聴登録局と同番号のプリセットボタン(5番)に対応付けて新たにプリセットされている。
【0058】
ここで、ステップ5(ST5)における第2の系列局サーチは、ステップ3(ST3)における第2の系列局サーチが未実行の残余の物理チャンネル(25〜62、13〜17ch)のすべてをサーチ先として行われたものではないため、第2の系列局サーチが未実行の物理チャンネル(例えば、51〜62、13〜17ch)が残存する。また、エリアAにおいて14chが割り当てられていた非視聴登録局に対応する非視聴登録局系列局は未だ見つかっていない。
【0059】
したがって、第1回目のCM期間の終了後、視聴局系列局の放送番組の視聴を再開した後、放送番組からCMへの切り替えが再び検出された場合には、ステップ7(ST7)に示すように、選局制御部14およびチューナ3により、第2回目のCM期間中の第2の系列局サーチを行う。この第2回目のCM期間中の第2の系列局サーチは、ステップ5(ST5)における最後のサーチ先となった物理チャンネル(例えば、50ch)の次の物理チャンネル(例えば、51ch)を始点としてチャンネル番号の昇順に行う。なお、この際に、サーチ先が62chに達した場合には、先頭の13chから昇順のサーチを続行する。そして、第2回目のCM期間の終了が検出された場合には、ステップ7(ST7)における第2の系列局サーチを終了する。
【0060】
次いで、ステップ8(ST8)において、プリセット制御部17の制御により、ステップ7(ST7)において見つかった非視聴登録局系列局を、該当する番号のプリセットボタンに対応付けてプリセットする。ここで、ステップ8(ST8)から分かるように、ステップ7(ST7)のサーチにおいては、エリアAにおいて14chが割り当てられていた非視聴登録局に対応する17chの非視聴登録局系列局が見つけられ、ステップ8(ST8)においては、図示の通り、この17chの非視聴登録局系列局が、対応する非視聴登録局と同番号のプリセットボタン(1番)に対応付けて新たにプリセットされている。
【0061】
このようにして、すべての非視聴登録局に対応する非視聴登録局系列局のプリセットを行うことができる。
【0062】
以上述べたように、本実施形態によれば、視聴局が受信不可能となった場合には、視聴局系列局だけでなく、非視聴登録局系列局もサーチして、対応する非視聴登録局と同番号のプリセットボタンに対応付けて新たにプリセットすることができるので、非視聴登録局についても、放送エリア外において系列局を迅速に選局することができる。
【0063】
なお、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
【0064】
例えば、本発明は、地上波デジタル放送以外の公知のデジタルテレビ放送にも有効に適用することができる。
【0065】
また、移動体としては、車両以外にも、例えば、携帯電話を適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 デジタル放送受信装置
3 チューナ
4 復調部
5 誤り訂正部
6 デマルチプレクサ部
7 ビデオデコーダ
8 オーディオデコーダ
9 画像合成部
10 ディスプレイ
11 スピーカ
14 選局制御部
15 プリセット部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載され、
選択的な操作が可能とされた複数のプリセットボタンと、
所定の複数の物理チャンネルにおける該当する物理チャンネルが割り当てられた受信可能な放送局を、前記プリセットボタンに対応付けて登録するプリセット手段と、
このプリセット手段によって登録された前記放送局を、この放送局が対応付けられた前記プリセットボタンの操作に応じて選局する選局手段と、
この選局手段によって選局された前記放送局から受信した当該放送局の放送内容を再生する再生手段と、
この再生手段による再生中の放送内容に対応する第1の放送局が受信不可能となった場合に、前記複数の物理チャンネルの中から、前記第1の放送局と同系列の受信可能な第2の放送局を、前記第1の放送局の放送内容の再生中に前記第1の放送局に割り当てられていた第1の物理チャンネルを始点としてチャンネル番号順にサーチし、前記第2の放送局が見つかった場合にはその時点で前記サーチを終了する第1の系列局サーチ手段と、
この第1の系列局サーチ手段によって前記第2の放送局が見つけられた場合に、前記プリセット手段に対して、前記第2の放送局を、前記複数のプリセットボタンにおける前記第1の放送局の放送内容の再生中に前記第1の放送局が対応付けて登録されていた第1のプリセットボタンに対応付けて登録させるための制御を行うプリセット制御手段と
を備えたデジタル放送受信装置であって、
前記第1の放送局の放送内容の再生中に前記複数のプリセットボタンにおける前記第1のプリセットボタン以外のプリセットボタンに対応付けて登録されていた少なくとも1つの第3の放送局があった場合に、前記第2の放送局のサーチ期間中に、前記第3の放送局と同系列の受信可能な第4の放送局を、前記第2の放送局のサーチ先と同一の前記物理チャンネルをサーチ先として、前記第2の放送局のサーチと並行して前記チャンネル番号順にサーチする第2の系列局サーチ手段を備え、
前記プリセット制御手段は、前記第2の系列局サーチ手段によって前記第4の放送局が見つけられた場合には、前記プリセット手段に対して、前記第4の放送局を、前記第3の放送局が対応付けて登録されていた前記第1のプリセットボタン以外のプリセットボタンに対応付けて登録させるための制御を行うこと
を特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記第2の系列局サーチ手段は、前記第2の放送局のサーチ期間中に、前記複数の物理チャンネルのすべてをサーチ先とした前記第4の放送局のサーチが完了しなかった場合には、前記第2の放送局の放送内容の再生開始後における当該放送内容の所定の切り替わり時点からの所定期間中に、前記第4の放送局を、前記複数の物理チャンネルにおける前記第4の放送局のサーチが未実行の残余の物理チャンネルをサーチ先として、前記第2の放送局に割り当てられている第2の物理チャンネルの次のチャンネル番号に該当する第3の物理チャンネルを始点としてチャンネル番号順に再度サーチすることが可能とされていること
を特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記第2の系列局サーチ手段は、前記第2の放送局の放送内容の再生開始後の最初の前記所定期間中に、前記残余の物理チャンネルのすべてをサーチ先とした前記第4の放送局のサーチが完了しなかった場合には、前記残余の物理チャンネルのすべてをサーチ先とした前記第4の放送局のサーチが完了するまで、前記最初の所定期間の後の新たな前記所定期間の度に、前記第4の放送局を、前記残余の物理チャンネルにおける前記第4の放送局のサーチが未実行の更に残余の物理チャンネルをサーチ先として、前回の前記所定期間中の前記第4の放送局のサーチにおける最後のサーチ先となった第4の物理チャンネルの次のチャンネル番号に該当する第5の物理チャンネルを始点としてチャンネル番号順に再度サーチする処理を繰り返すことが可能とされていること
を特徴とする請求項2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
前記切り替わり時点は、前記第2の放送局の放送番組からCMへの切り替わり時点を含み、
前記CMへの切り替わり時点に対応する前記所定期間は、前記CMの放送期間とされていること
を特徴とする請求項2または請求項3に記載のデジタル放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−80441(P2012−80441A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225597(P2010−225597)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】