説明

デジタル画像を作成および保存するためのシステム

【課題】 光・磁気ストック(132)中に対象物(112)の光・磁気画像(102)を生成させるためのシステム、方法およびその方法により形成された製品を提供する。
【解決手段】 発生源がデジタル画像を表すデータ信号(118)を提供するようになっている。この発生源は特に、デジタルカメラのようにレンズ(114)およびデジタルセンサー(116)を有するものでも、あるいは、データ信号が捕捉され、記憶され又は発生されるている外部システムからの信号を受理するインターフェース(306)を有するものでもよい。第1のコード化ユニット(128,502)がついで、このデータ信号を光・磁気ストック中に光学的に書き込み、第2のコード化ユニット(130)が、このデータ信号を光・磁気ストック中に磁気的に書き込むようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大略的に画像処理および保存に係わり、特にそのための光学並びに磁気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
後の使用のためデジタル画像を保存するようにしたデジタル写真術および他の形態のデジタル画像生成術は非常にポピュラーなものとなりつつある。例えば、今日の多くの携帯電話にはデジタル画面あるいはデジタル動画でさえも撮ることができる機能が備えられている。本明細書全体を通して“デジタルカメラ”の用語を、デジタル画像又は対象物の“写真”を撮ることができる全ての装置を概略的に表すものとして使用する。そのような装置の例としては、デジタルカメラそのもの、デジタルカメラのような機能(例えば、顕微鏡又は望遠鏡など)を備えた装置、携帯電話のような装置、携帯情報端末(PDA)、コンピュータカメラなどデジタル画像を捕らえることができるものが含まれる。更に、しばしば、“デジタル画像装置”という用語を用いるが、これは対象物のデジタル画像を生成させることのできる全ての装置を概略的に表すものである。そのような装置の例としては、コンピュータおよびゲームコンソールが含まれる。例えば、コンピュータはワードプロセッサーで作成した文章の頁のデジタル画像を発生させることができる。ゲームコンソールは漫画的アニメーションにおけるシーンのデジタル画像を発生させることができる。デジタルカメラと、デジタル画像装置との区別はここでは重要ではない。なぜならば、我々の主たる関心はデジタル画像を捉えること、又は発生させることによりデジタル画像を得て、ついでそれを保存することにあるからである。本明細書で特に使用する他の用語は、“対象物”であり、これはデジタル画像中に現れる主題を大略的に表している。
【0003】
図1(背景技術)は、対象物12を撮るのに使用されている典型的なデジタルカメラ10中の主な部材を模式的に描いたものである。このデジタルカメラ10はレンズユニット14と、1又はそれ以上のデータ信号18を生成するデジタルセンサー16と、データポート20とを有する。デジタルセンサー16は光感応性であるため、これら部材は光を通さないハウジング22内に収容されている。このデジタルカメラ10は適宜、画像プロセッサー24およびモニタースクリーン26を更に有するものであってもよい。
【0004】
(注:画像プロセッサー24およびモニタースクリーン26は作用的には、前述の定義のもとではデジタル画像装置である。しかし、前述のように、デジタル画像の発生源についての区別はここでは殆んど重要ではない。本明細書の主な実施例ではデジタルカメラが使用され、デジタル画像装置はそれについての考慮が必要なときのみ言及するものとする)。
【0005】
続けて図1およびそこに描かれたデジタルカメラ10を参照すると、レンズユニット14は、非デジタルカメラで長い間使用されてきた装置と基本的に同一であってもよい。例えば、それは焦点機能、入射光を制限する機能(Fストップ(絞り)設定機能)を有するものであり、ズーム又は固定焦点距離レンズを有するものであってもよい。
【0006】
今日使用されている殆んどのデジタルセンサー16は集積回路メモリーに密接に関係しているが、その他の装置も同じく入手可能になっている。使用に際し、対象物12からの光はレンズユニット14により受理され、デジタルセンサー16に投射される。ついで、そこでその光はメモリー状態に変換され、それが読み込まれ、データ信号18におけるデータとなる。
【0007】
このデータ信号18は次にデータポート20に提供され、これは一般に、ユーザーがこのことを指示する“シャッターボタン”を押したときになされる。このデータポート20は、データ信号18をそのものとして、あるいはそれに基づくデータファイルとして直ちに、又は或る時間経過後にデジタルカメラ10から外部システム(図示しない)に通信させるための機構に過ぎない。
【0008】
多くの種類のデータポート20が現在、使用されている。データ信号18を外部システムに直ちに送るようにしたものは少ない。他のものは、データ信号18を、保存されているローカルファイルに変換し、最終的に外部システムへと通信されたり、されなかったりする。多くのデータポート20は今日においてファイル保存ユニットを含み、これらファイル保存ユニットは多重ファイル(すなわち、多重デジタル画像)を保存できるようになっている。様々なタイプのファイル保存ユニットを使用することができる。今日において、その一般的な例としては、スタティック低出力集積回路に基づく装置および小さな磁気および光学ディスクドライブ装置が挙げられる。このようなファイル保存ユニットの内容物は後に、全て又は部分的に外部システムに対し通信することができる。これは通信路を介して、又はファイル保存ユニットをデータポート20から外部システムに物理的に移動させることにより行うことができる。しかし、ひとまとめにして、ここではデータポート20を使用される通信路又はファイル保存ユニットの如何に関係なくそれらを含むものとして取り扱われている。
【0009】
オプショナルな画像プロセッサー24およびモニタースクリーン26は、デジタルカメラ10の使用者がデジタル画像を再検討し、それを残すか、撮り直すかを判断することを可能にするものである。基本的に、画像プロセッサー24はデータ信号18を受理し、そこから、デジタル写真を表す画像をモニタースクリーン26上に表示させるものである。これらの部材を有しないデジタルカメラ10の場合は、外部システムを使用し、同じようにしてデジタル画像が撮られたとき、それを再検討することを可能にすることができる。
【0010】
ハウジング22の役割は単純である。それは望ましくない光がデジタルセンサー16に到達するのを防止するものである。それは更に、デジタルカメラ10の他の部材を物理的に収容し、保護するものである。
【0011】
デジタルカメラの上記説明は、かなり単純化したものであるが、デジタル画像を総括的に影響する幾つかの主な問題を理解し、議論するのに必要な重要なコンセプトを案内するのに役立つものであろう。例えば、デジタルカメラの使用者は今日、それを使用するとき“信頼性の危機”をしばしば感じている。すなわち、ユーザーはデジタル画像の有形のハードコピーを直ちに欲し、必要とするが、デジタルカメラはこれを提供するものではなく、又は、それを容易に提供するようにはなっていない。
【0012】
従来の化学フィルムに基づくカメラの場合は、“写真の仕上げ”をしばしば直ちに提供することが出来るか、若しくは、ユーザーの必要を十分に満たすべくタイムリーに提供することができる。対照的に、デジタルカメラでは、“画像仕上げ”は通常、かなりの後の時間までは可能ではない。画像仕上げ、すなわち、デジタル画像のプリントはデジタルカメラの多くのユーザー並びに潜在的ユーザーにとって依然として重要な問題となっている。歴史的問題として、画像仕上げは、通常のオフィスプリンターでのプリントの副産物として大きく現れたものである。このようなプリンターは、ワード処理又はグラフィック編集(すなわち、デジタル画像装置のための画像仕上げ)などの典型的なオフィスの雑用を取り扱うのに非常に有用である。しかし、これらのプリンターはプリントを行うためには通常、適当なソフトウェアドライバーを備えた付属コンピュータシステムをも必要としている。オフィスプリンターは従って、オフィスの仕事については妥当な時間内で有形の結果を提供することができるが、画像仕上げについては必ずしもそうではない。カラープリンターは比較的遅く、1個に1つ又は数個のドットを横方向にプリントし、最終のデジタル画像をドット・バイ・ドット、ライン・バイ・ラインで形成するものである。大きい画像ファイルからの印刷は従って、かなりの時間を要することになる。サイズ、重量、空間などが主な関心事ではなく、プリントサプライを容易に蓄えることができ、この全てのためのコストを多数のユーザーに分散することができるオフィス環境では、オフィスプリンターは画像仕上げを行うのに適していると言える。しかし、これはデジタルカメラが使用される環境では通常、そう云うことにはならない。
【0013】
写真仕上げ、すなわち、光学的に生成させた化学的画像の印刷は画像仕上げよりかなり以前から発展してきたものであり、画像仕上げとは全く異なったままである。伝統的に、カメラは携帯装置であり、ユーザーは写真を撮りたい如何なる所にも持って行くことができる。これに答えて、伝統的な写真術は多くの写真仕上げ溶液が関与するものであった。第1に、現場での写真仕上げが採用された。すなわち、写真現像室の小さなバージョンを写真を撮った現場又はその近傍に効果的に移動させるものである。プロの写真家は今日でもそのようなシステムを時折、使用していて、例えば、色バランス、照明、焦点などが全て正しいことを、更に写真を撮るための時間および資源を費やす前に確認している。現場写真仕上げは、対象物が成功裏に撮られていることを確かめるためにも使用される。例えば、それがコストのかかることであり、困難であり、後に写真を新たに撮るために戻ることが不可能な場合である。
【0014】
第2の主な写真仕上げの前進は、写真術がポピュラーになったため、化学写真仕上げをサポートするための主たる基盤の成長である。今日において、中程度の殆んど全ての都市において、写真家は1時間程度の短時間で商業的写真仕上げを得ることができる。これに関連する物品、サービスの良く知られたサプライヤーはコダック社である。最後の主な写真仕上げの前進は、インスタント現像システムである。このためのカメラおよびフィルムの良く知られたものがポラロイド社から市販されている。
【0015】
このように、写真仕上げと、画像仕上げとは非常に異なって発展してきたものであり、上述のような技術的観点に加えて、これはユーザーに負担となっている。伝統的な写真家(化学フィルム)の多くは、コンピュータの使用について十分な知識を有しておらず、旅行している場合において、画像仕上げをどこで、どのように行うか、どの程度まで入手可能なのかについて把握していない。このことは伝統的な写真家をデジタル写真に移行させるのをより困難にしている。新しいデジタル写真家は、彼らのデジタル写真の努力の結果を単に知りたいと望んだとき、関連する“諸経費”により困惑することになる。デジタルカメラを購入したとしても、直ちに、コンピュータおよびプリンターを購入したり、それにアクセス(又は、少なくとも、デジタル媒体を直接受理する新生のオフィスプリンターの1つに対し)しなければならない。その他、ユーザーは画像仕上げを行うことを第3者に依頼することができるが、この要請を満たすような商業的基盤は殆んど整っていない。写真術は多くが移動式職業又は趣味であるから、新たなデジタル写真家はそのため、しばしばノート型パーソナルコンピュータ並びに1個又はそれ以上のカラー写真プリンターも同じく購入する必要性に迫られる。例えば、携帯用低品質カラー写真プリンターを野外に持ち運びすることができるが、或る時点では非携帯型カラー写真プリンターで高品質最終コピーを得ることが依然として望まれる。これらのプリンターに関連して必要なことはプリンターインクカートリッジおよびプリントストックの適当な供給が手元にあることである。これらの全ての高額コストの他に、それらの重量および嵩は旅行することを物理的に困難にし、更に、それは警備員、税関職員および泥棒から好ましくない注目を誘引するものとなる。
【0016】
デジタル写真術並びに伝統的写真術に影響する他の主な問題は、得られた品質および貯蔵物を維持することである。伝統的写真術での唯一の“貯蔵媒体”の選択は、プリントしたもの、スライド又はネガであり、これらは全て、化学的プロセスに依存するものであるから、潜在的に時間の経過と共に劣化する。
【0017】
デジタル写真術では、結果物をヒトが感受できない形態(例えば、メモリースティック、ハードドライブ又はCDないしDVDに焼付けて)でデジタルファイルとして保存する限り、このことが好転する。しかし、デジタル画像が一旦、“プリント”されると、それは化学的写真と同じになり、経時劣化する。なぜならば、そこに具現化されたものが薬品に基づく媒体であるからである。
【0018】
勿論、もし、オリジナルのデジタルファイルが入手可能であれば、新たなデジタル画像を必要な辞典、必要な品質でプリントアウトすることができる。しかし、これに伴う問題は、オリジナルのデジタルファイル又はそのコピーがしばしば入手できないことである。このようなものの所有者はしばしばそれらを紛失したり、故意的に削除することがある。事実、デジタル写真についてのオリジナルのデジタルファイルは典型的には限定された容量のメモリー内に保存されているから、そのファイルは他の必要なもののため、通常、削除されて、容量をフリーにすることが行われる。例え、オリジナルのデジタルファイルのコピーが作られたとしても、それはデジタル画像の有形のプリントと一体化することはいずれにしてもできず、それを紛失したり、意図的に削除する可能性は高い。このようなファイルの所有者は、そのファイルを印刷したコピーで分配することをめったにしない。従って、例えば、家族の集合写真のような重要な対象物のプリントされたデジタル写真は伝統的なプリント写真と同じであり、時間と共にぼやけてしまい、それを置き換えるチャンスは次第に少なくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
従って、本発明の目的は、デジタル画像を生成、保存するためのシステム、方法およびその方法で作られた製品を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本願発明の1つの好ましい実施形態は光・磁気ストック中の対象物の光・磁気画像を形成させるためのシステムである。発生源からデジタル画像を表すデータ信号が提供される。この発生源には、限定的ではないが、デジタルカメラの場合のようなレンズおよびデジタルセンサー、あるいはデータが撮られ、保存され、発生されるようにした外部システムからのデータ信号を受理するためのインターフェースが含まれる。ついで、第1のコード化ユニットがそのデータ信号を光学的に光・磁気ストック中に書き込み、第2のコード化ユニットがそのデータ信号を磁気的に光・磁気ストック中に書き込むようになっている。
【0021】
本発明の利点は、デジタル画像についてのアナログでヒトが感知可能な光学的コードを保存することが可能であると同時に、同じデジタル画像についてのアナログでデジタル装置が感知可能な磁気的コードを保存することを可能にしたことである。
【0022】
本発明の他の利点は、その光学的および磁気的コードを1つの物理的対象物に本質的に結び付けていることである。これはヒトが光学的コードを一見することにより磁気的コードが保有するものが何であるかを容易に理解させるものとなり、それにより、磁気的コードおよび適当な装置を用いて光学的コードを繰り返し再生することを可能にすると共に、それを最初の光学的コードと同じ品質を以って可能にする。
【0023】
本発明の更なる利点は、この発明が成熟し、既に広く用いられ、多くのユーザーが既に馴染み深い技術を使用することである。
【0024】
本発明の更なる利点は、本発明を非常に経済的に履行することができることである。
【0025】
本発明についての、これら並びに他の目的、利点は、本発明を実施するための現時点で知り得る最良の形態についての記述並びに図面を参照して記載した好ましい実施例の産業的用途に鑑みて当業者が容易に理解し得るであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して説明するが、これら図面を通して同一部材、同一工程は同一符号で示されている。
本発明の好ましい実施例は、デジタル画像のハードコピーを形成するためのシステムである。様々な図面に示すように、特に図2−7においては、本発明の具体例が総括的参照符号、100,200,300,400,500,600で示されている。
【0027】
本発明の開示において、上記目的を達成するための装置および方法が教示されている。これらの装置の例は総括的に“画像形成装置”と呼び、方法の例については総括的に“画像化プロセス”と呼ぶことにする。
【0028】
図2は対象物112の光・磁気画像(PM画像102)のハードコピーを作成するための画像形成装置100を模式的に示している(背景技術の項で説明したように、“対象物”の用語は、視覚的に2次元デジタル表示に変形することのできる基本的にあらゆる物と定義されるものである)。画像形成装置100には、レンズユニット114、少なくとも1つのデータ信号118を生成させるデジタルセンサー116、並びにデータポート120が含まれる。デジタルセンサー116は光感応性であるため、これら部材は光を通さないハウジング122内に収容されている。この画像形成装置100は適宜、画像プロセッサー124およびモニタースクリーン126を更に有するものであってもよい。これらの部材は、図1の従来のデジタルカメラ10について記載した部材と基本的に同様のものである。
【0029】
更に、従来のシステムとは対照的に、画像形成装置100には光学コードユニット128および磁気コードユニット130が含まれる。この画像形成装置100は光・磁気ストック(PMストック132)を受理するものであり、このPMストック132には最終的にPM画像102が含まれる。このPMストック132は光受容面134と、磁気受容面136(又は、内層面)とを備えている。
【0030】
幾つかの実施例においては、PMストック132上の磁気コードユニット130および磁気受容面136のような部材は選択的なものである(“PM”を多少とも誤称させるものとなる)。しかし、説明の便宜上、図示の実施例では全て、これら部材又はその均等物が含まれている。
【0031】
他の実施例において、光受容面134又は磁気受容面136、若しくはこの両者を、画像形成装置100内のPMストック132に適用することができる。好ましい実施例として、光受容面134は伝統的光・化学的プロセスを使用しているが、印刷インクおよびインクジェットプロセスも光受容面134へ視覚的感知可能な画像を適用するのに使用することもできる。同様に、殆んどの実施例はPMストック132に製造された磁気受容面136を有し、磁気コードユニット130が基本的に従来の読取り/書込みヘッドを使用してこの媒体に対し、書込み、読取り、削除、書直しなど行うものであることが予想される。例えば、これは、一体化磁気領域を伴って製造された紙又は薄いプラスチックの基板を有する磁気IDおよびプリペイドテレホンカードが今日、作動するのとほぼ同様に作動するものである。しかし、これも要求されるものではない。磁気化されていないインクを、磁気コードユニット130にデータが磁気的に記憶される前又は記憶されると同時に、PMストック132上に印刷したり、あるいは接着させたりすることができる(例えば、印刷インク又はインクジェットプロセスを使用して)。その他、既に磁化されたインクを、磁気コードユニット130によりPMストック132上に印刷したり、あるいは接着させたりすることができる(例えば、印刷インク又はインクジェットプロセスを使用して)。今では光学システムにより殆んど置換えられているが、磁気インク文字認識(MICR)システムが、銀行小切手、クーポンなどに磁気的並びにヒト読取り可能な文字を印刷するのに伝統的に使用されてきた。本発明は、この基本的コンセプトに基づいて拡張することができる。この場合、磁気コードユニット130が、そのようなインクを用いてデータをPMストック132上に印刷するものであり、これは磁気的に読取り可能であるが、ヒト読取り可能となっておらず、感知することさえ出来ない。
【0032】
更に他の実施例として、PMストック132中の光受容面134および磁気受容面136は同一であってもよく、光学コードユニット128および磁気コードユニット130を一体化してもよい。
【0033】
例えば、従来の写真用フィルム、プレート、紙が感光性材料を光に曝すことにより操作され、ついで、化学的プロセスを用いてその材料が除去され、若しくは他のものと置換される。除去される材料の量は、露光の強度および頻度により変わり、支配される。しかし、これらの材料は磁気特性をも有するものに比較的容易に変更することができる。例えば、感光性材料が除去又は置換される化学的現像プロセスにおいて、磁気材料を同時に比例させて除去させたり、同じく置換させたりすることができる。もしも、この材料が初めから磁化された場合、現像後に或る点における材料中の残留磁気強度は露光に依存することになる。すなわち、この材料は光学的に並びに磁気的にもコード化されることになる。同様に、この材料が既に磁化されていない場合は、それを磁化させることができ、その磁化の程度は露光に依存することになる。
【0034】
このようにしてなされた磁気コードがどのように多重カラーを表すかについては、磁気記録の多くの形態は3つのトラックが使用されている。例えば、我々の多くが持っているクレジットカードおよび運転免許証は、3つの磁気的に記録したトラックを有し、これらは肉眼では1つの領域として見える。これを使用してもよいし、更に多くのトラックをほぼ制限なく使用することも可能である。上記の1つのバリエーションを例示すると、3つの磁気ヘッドを3色のインクジェットチャンネルに隣接して当てて各色の強度を別々に取り扱うとすると、磁気コードを読み取るとき、この3つのチャンネル/トラックを組合わせて画像のオリジナルカラーを再生させることができる。
【0035】
PMストック132中の光受容面134および磁気受容面136を一体化させる他の選択は、一体化した光学コードユニット128および磁気コードユニット130を使用し、視覚的に着色され、かつ、既に又は後に磁化されるインクを用いて印刷することである。例えば、従来のカラーインクジェットプリンターは一般に、イエロー、シアンおよびマゼンタカラーインク(更にブラック)を使用している。これらインクにおける化合物には磁気特性を有する物質が含まれる。これらのカラーを適用した場合、それぞれが可視カラー強度並びに対応する磁気又は磁化可能強度を示すものとなる。ユーザーはこの光学的にコード化されたデジタル画像を見ることができ、磁気ヘッドはこの磁気的にコード化されたデジタル画像を読み取ることができる。
【0036】
PMストック132中の光受容面134および磁気受容面136が区別されている実施例に戻ると、PMストック132の光学的保存密度は通常、その磁気的保存密度よりも小さく、特に、精巧なデータ圧縮技術が磁気コード化に使用されている場合はそういうことになる。従って、PMストック132は1例として、ヒトが感知できる従来の8x10インチ画面としての光学的コードを有するものとし、磁気コードは、PMストック132の一端に沿った1/4インチストリップを占めることができる。
【0037】
これはかなりの可撓性を与えるものとなる。磁気受容面136は単に光受容面134よりも小さいものとすることが出来、材料の節減となる。その他、磁気受容面136は、光受容面134に保存されたデータに加えてデータを保存するのに使用することができる。この例については後述する。
【0038】
使用に際し、画像形成装置100は図1におけるデジタルカメラ10と同様の操作を行うことができると同時に、別の操作を行うこともできる。対象物112からの光が受理され、レンズユニット114によりデジタルセンサー116へと投射される。デジタルセンサー116は、この光をメモリー状態に変換し、これがデータ信号118でのデータとなる。ついで、データ信号118がデータポート120に提供され、もし、存在するならば、画像プロセッサー24へと提供される。更に、データ信号118は光学コードユニット128に提供され、もし、存在するならば、磁気コードユニット130へと提供される。
【0039】
図3は、図2の画像形成装置100を使用する画像化プロセス200を示すフロー図である。これはPM画像102を生成させると共に、従来のデジタル写真操作を行うものである。この画像化プロセス200は、4つの重複シナリオ202,204,206,208を含むものである。
【0040】
画像化プロセス200は、工程210で開始され、工程212では所望のセットアップ操作が行われる。最初の繰り返しにおいて、セットアップを殆んど又は全く行わないことが望ましいかも知れない。従って、この点の説明については後述する。次に、工程214において、対象物112の画像がデジタルセンサー116上に投射され、デジタルセンサー116を露光させ、データ信号118を生成させる。
【0041】
ここで、シナリオ202,204,206,208が分岐することになる。最も基本的なケースがシナリオ202で表されている。ここでは、工程216が工程214に続き、データ信号118が保存され、若しくはデータポート120により先へ伝達され、工程218において、画像化プロセス200が停止する。
【0042】
勿論、シナリオ202は、非常に有用なデジタルカメラに向けられたものではない。なぜならば、ユーザーはデータポート120へ行くことで終わることについて殆んど制御できないからである。例えば、ユーザーは対象物112がデジタルセンサー116上に正しく投射されているか否かについて分からない。投射された画像が大きすぎたり、小さすぎたり、欠けていたり、片寄っていたり、明るすぎたり、暗すぎたり、特に、その色バランスがユーザーの期待又は要求に合致していないことも有り得る。
【0043】
今日、最も一般的なケースはシナリオ204で表されている。ここで、工程220が工程214に続き、画像プロセッサー124がデータ信号118を受理する。この画像プロセッサー124はモニタースクリーン126を駆動させる。それによりデータ信号118中のデータのユーザー可視像が形成される。工程222において、この可視像はユーザーのためにモニタースクリーン126上に表示される。工程224において、ユーザーはこれをレビューし、それが満足するものか否かが決定される。満足するものであれば、工程216および工程218が続く。すなわち、データ信号118がデータポート120により保存/送信され、画像化プロセス200が停止する。もし、満足するものでなく、ユーザーがモニタースクリーン126上の画像に気に入らなければ、工程212が戻され、これを変化させる対策が採られる。例えば、対象物112が再配置され、異なって照射され、若しくはレンズユニット114をズームにしたり、ズームから解除したり、異なって焦点を形成させたりする。何度もの繰り返しが行われ、工程212への戻しが、ユーザーがモニタースクリーン126上の画像に気入るまで繰り返され、ついで、工程216および工程218を行うことができる。
【0044】
ここで留意すべき重要なポイントは、モニタースクリーン126上に見えている画像に基づいてユーザーが判定することであり、更に後述するように、必ずしも何がデータポート120へ送られ、後の画像仕上げがどのようなものとなるかではない。
【0045】
本発明に従う1つの構成がシナリオ206で生じることになる。ここでは、工程226が工程214又は工程224(更に後述する)に続く。工程226において、PMストック132が画像形成装置100内に装填される。ユーザーはしばしば、これを工程212の一部として行う。しかし、ここでは、これを別工程として描いて以下のことを強調する。すなわち、上記ストックが印刷される直前までは、このことが行われる必要はない。更に、画像形成装置100は所望により、従来のデジタルカメラのように使用できることを強調している。
【0046】
工程228において、PMストック132が光学的にプリントされる。データ信号118が光学コードユニット128により受理され、それに基づいて、光学コードユニット128がPMストック132の光受容面134を露光させ、ついで、PM画像102の可視部分が現像される。使用される特定のPMストック132によっては、PMストック132の包装体中にて薬品を使用して現像を行うことができ、若しくは、別の薬品を使用してPMストック132を現像することができる。例えば、ポラロイド社はフィルムストック包装体内で薬品を使用する現像システムについてよく知られており、コダック社は別の薬品を使用する現像システムについてよく知られている。
【0047】
工程230において、ユーザーはPM画像102を可視的にレビューして、それが満足なものか否かを決定することができる。満足するものであれば、工程216および工程218が続く。すなわち、データ信号118が内部に保存され、若しくはデータポート120により先に送信され、画像化プロセス200が停止する。もし、ユーザーがPM画像102に満足できなければ、工程212が戻され、これを変化させる対策が採られる。
【0048】
上述の重要ポイントに戻され、工程224において、ユーザーはモニタースクリーン126上の画像に基づいて判定を行うが、工程230においては、ユーザーはPM画像102中にて見えるものに基づいて判定する。しかし、PM画像102の場合、ユーザーは従来の写真と同じようなコピーを有する。これは有形コピーであり、ユーザーはこれを直ちに破棄したり、とっておくこともできる。このコピーは付加的処理又は特別の装置を要することなく、観察することができ、これは証拠とすることも出来、更に、公証してもらうこともできる。デジタルファイルとは全く異なり、PM画像102は故意的にも、その他でも、変更することが困難である。これは空港のセキュリティースキャナーや、強力な電磁界を基本的に無傷で通過することができる。このPM画像102は更に、データポート120からのデータに基づく画像仕上げコピーが実際にどのように見えるかを、より真に表すものである。モニタースクリーン126は一般に小さく、そこでは検出することが困難又は不可能である微妙な問題をPM画像102中でより容易に観察することができる。モニタースクリーン126は潜在的なハードウェア特性を有することがあり、それによりデータ信号118中のデータが実際の画像仕上げで、又は後のモニター条件で生成するものを誤って表すことがある。PM画像102の色バランスは従って、より真実であり、焦点、シャドウ、コントラストなどの問題を、より容易にそこで検出し修正することが可能となる。ユーザーは拡大鏡を用いてPM画像102を、又、所望により異なるタイプの照明のもとで、微妙にレビューすることができる。つまり、ユーザーを含めて、PM画像102について“信頼の危機”を感じることはないであろう。
【0049】
本発明に従う1つの構成がシナリオ208で生じることになり、これはシナリオ206の若干の変形例である。一般に、工程228でPMストック132を光学的にプリントすると同時に、工程232でデータ信号118中のデータがPMストック132の磁気受容面136中に磁気的にプリントされる。このようにして、可視アナログ記録に加えて、PM画像102も機械読取り可能な記録(デジタル又はアナログであるが、殆んどの場合、デジタルが有利である)となる。この機械読取り可能な記録はPM画像102の無数の正確な複製(アナログ記録のみ、又はデジタル記録のみ、あるいはそれら双方として)を作るのに使用することができる。PM画像102の現像された光受容面134のアナログ記録が経時劣化を生じた場合でも、PM画像102中の磁気的にコード化したデジタル記録により、オリジナルの正確なコピー(アナログ又はデジタル)である新たなコピーの印刷を可能にする。
【0050】
上述のように、他のデータを磁気受容面136中に適宜、磁気的に記録することができる。例えば、写真自体を損なうことなく、多くの従来のデジタルカメラが行っているように、画像捕捉の時間および日付を自動的に追加できる。磁気受容面136がかなりの記憶容量を有することができるから、従来のデジタルカメラにより習慣的に記録されていない付加的データを追加することも可能である。例えば、レンズユニット114の設定を自動的に保存させることができる。マイクロホンおよび回路構成要素をも画像形成装置100に組み込むことが出来る。従って、ユーザーは各PM画像102に対し、対象物112が何であるか、その画面をどこで、なぜ撮ったかなどの言葉のコメントを記録したり、保存させたりすることができる。
【0051】
既に述べたように、磁気受容面136は真の完全な表面である必要はない。場合によっては、例えば、PMストック132の1又はそれ以上の端部近傍の1又はそれ以上の領域であって、PMストック132のシートの1辺全体より小さく占有するものであってもよい。磁気受容面136は内層面に配置させてもよい。なぜならば、それに対する読取りおよび書込みが外部からのアクセス可能なものであることを要しないからである。データを担持した磁気媒体は1又はそれ以上の領域からなるものでもよく、あるいは、PMストック132の物理的表面とサイズ的に等しい表面を有するものとすることができる。そのため、PMストック132の複合構成として、両面構造又はサンドイッチ構造のものとすることが出来、その場合、下層をなす第1の磁気受容面136を伴った第1の光受容面134と、磁気分離機構と、下層をなす第2の磁気受容面136を伴った第2の光受容面134とが組み込まれることになる。この磁気分離機構は2つの磁気受容面136を分離する任意のものでよく、読取りおよび書込みが互いに干渉されないようにする。或る実施例として、限定的ではないが、カセットテープにおいてサイド・ツウ(side−two)データからサイド・ワン(side−one)データを分離するのに現在使用されているシステム、あるいは、この2つの磁気受容面136を分離するため一瞬、電圧を印加する導電性肉薄層(例えば、アルミニウム)が含まれる。
【0052】
デジタルコピーとして、PM画像102は多数の他の潜在的利点を有する。例えば、それを郵送したり、クーリエ(courier)・サービスにより安価に輸送したりすることができ、過度の注目を引くようにする必要はない。従来のデジタルカメラのメモリースティック、フラッシュメモリーモジュール、マイクロディスクドライブ、硬質CD−R,DVD−R光学ディスクを収容した郵便およびクーリエ包装は、損傷、移動中の盗難、セキュリティおよび税関検査のための遅延に曝され易いという悪評がある。しかし、PM画像102は一般に、中重量紙素材の物理的属性を有するものであり、現像された光受容面134中に存在する可視内容物は一般に他人が関心を引くものではない。
【0053】
シナリオ202,204,206,208は多くの実施例で組合わせることができる。例えば、ユーザーは最初にシナリオ204に従い、所望により多数回繰り返し、モニタースクリーン126上のラフな画面を見て、所望の粗い変更を行うことができる。ついで、ユーザーは、シナリオ208を伴い又は伴うことなく、シナリオ206に従い、所望により多数回繰り返し、各PM画像102中の、より正確な画面を見て、所望の細かい変更を行うことができる。ついで、ユーザーはシナリオ202を完成させることが出来、最後にデータをデータポート120中のデータ信号118にデータを保存する。若しくは、それを使用して、そのデータを外部システムへ伝送する。もしも、ユーザーがシナリオ208を使用する場合、彼らはその最終の恐らく最良品質のPM画像102をバックアップコピーとして彼らのオフィス又は家庭に郵送することもできる。
【0054】
図4は画像形成装置300の模式図であり、これもPM画像102を生成させるのに使用することができる。この画像形成装置300中の多くの部材は画像形成装置100の部材と同一であってもよい。従って、同じ参照符号が適当な場合に再使用されている。図2の画像形成装置100と、画像形成装置300との間の顕著な違いは、画像形成装置100がカメラ様システムであるのに対し、画像形成装置300はスタンドアロンプリンター様システムであることである。
【0055】
図2にて既に記載した多くの部材に加えて、この画像形成装置300は、第1のインターフェースコネクター302と、インターフェースリンク304と、第2のインターフェースコネクター306と、画像プロセッサー308と、ハウジング310とを備えている。第1のインターフェースコネクター302は保存されたデジタル画像を有するメモリー装置312を受理するのに適したものである。このメモリー装置312は従来のデジタルカメラからのもの(フラッシュメモリーカード、メモリースティック又はマイクロドライブと呼ばれるもの)でもよい。画像形成装置100のデータポート120がこれら装置の1つ、あるいは或る異なるリムーバル・デジタルセンサーでもよいから、このメモリー装置312はここではデータポート120であってもよい。
【0056】
第1のインターフェースコネクター302は、インターフェースリンク304を介して、第2のインターフェースコネクター306と電通している。このインターフェースリンク304は現在入手可能な様々なプロトコルの任意のもの、例えば、RS232,RS485,IEEE394(Firewire(登録商標)として知られている),USB,IRポート、10/100/1000Base T Ethernet,GPIB,GPIL,パラレルポートなど、若しくは他のプロトコル(例えば、プロプライアトリー・パラレル・コミュニケーション・スキーム)を使用することができる。
【0057】
ここで、第2のインターフェースコネクター306はハウジング310内に装着され、画像プロセッサー308に接続されている。他方、画像プロセッサー308はモニタースクリーン126および光学コードユニット128に接続されている。この画像形成装置300について多くの変形例が可能であることは当業者にとって自明であろう。例えば、画像プロセッサー308はハウジング310上に装着することができ、集積インターフェース能力を有するものでもよい。従って、メモリー装置312から保存されているデジタル画像を直接、回収することが出来よう。その他、又はそれに加えて、この画像プロセッサー308における集積インターフェース能力は単に画像形成装置100のデータポート120と電通するのに使用することができる。すなわち、画像形成装置300はそれ自体が、画像形成装置100のための外部システムであってもよい。
【0058】
図4では、画像形成装置300が2つの連結されたインターフェースを有し、広範な具体例が可能であることが強調されている。記憶装置312について多くのタイプのもの(現在使用されているフォーマットであるフラッシュメモリーカード、メモリースティック又はマイクロドライブなど)が可能であるから、第2のインターフェースコネクター306は、より一般的で、より丈夫で、最も安価な、そのようなフォーマットを受理するものを選択することができる。第1のインターフェースコネクター302およびインターフェースリンク304は選択的なものでよく、他のフォーマットが困難に遭遇したときのみ使用してもよい。この場合、インターフェースリンク304は依然として第2のインターフェースコネクター306と接続又は電通しているが、第2のインターフェースコネクター306が受理することができるフォーマット中の装置であるかのように認識されたり、取り扱われたりすることが出来る。このアプローチも老朽化から逃れるものである。新たなフォーマットが現れたとき、インターフェースリンク304および画像形成装置300を依然として使用するため、第1のインターフェースコネクター302の適当な新規なバージョンが生産されることになる。
【0059】
図5は画像形成装置400の模式図であり、これもPM画像102を生成させるのに使用することができる。この画像形成装置400中の多くの部材は画像形成装置300および画像形成装置100の部材と同一であってもよい。従って、同じ参照符号が適当な場合に再使用されている。画像形成装置400は、それがスタンドアロンプリンター様システムである点で、図3の画像形成装置300とよく似ているが、使用する部材および原理において異なっている。図2および図4で既に示した同様の部材に加えて、画像形成装置400は画像プロセッサー402、モニタースクリーン404およびハウジング406を備えている。しかし、ここでは、画像プロセッサー402はモニタースクリーン404を駆動させ、モニタースクリーン404がPMストック132の光受容面134を露光させるのに使用される光学コードユニットとして機能することになる。
【0060】
伝統的なデジタルカメラおよび電子装置で使用されている画像モニター装置はしばしば、多くのトレードオフの対象になり易い。例えば、画像モニター装置は比較的高価な部材であり、かなりの電力を消費するものである。これは重量を重くし、サイズを大きくするが、これら全てはデジタルカメラのような手持ちの携帯装置にとって特に好ましくない。
【0061】
本発明は、物理的特性の根本基準についての例外ではない。しかし、図5に示す画像形成装置400は、このような基準によって課せられる欠点の幾つかを特に緩和させる具体例である。モニタースクリーン404は2つの役割を果たすものであるから、別の光学コードユニットを使用しないことにより節減される費用およびスペースを、高品質で、より大きいモニタースクリーン404を提供することに向けて適用することができる。ユーザーの観察および発光の双方の役割のためのモニタースクリーン404の使用は、観察された画像および印刷された画像を調和のとれたものにさせるのを助けるものとなる。但し、モニタースクリーン404内の電子発光装置および光受容面134内の化学的受光装置の性質は、見分けのできないような画像を生成させるものではない。
【0062】
図5中の2つの矢線408,410は、画像形成装置400のハウジング406を通って走行するPMストック132を示している。このPMストック132は様々な異なる物理的形状を採ることができる。それは、硬質のプレート様物質で、古い型のカメラで使用されている写真プレートに似たもの、今日の高品質フレームカメラ、X線装置のような特異システムであってもよい。PMストック132も更に、より近代的可撓性フィルムおよび写真紙ストックに類似させることができる。これには、ロールフォーマットで、一般的なの35mm、2−1/4x2−1/4インチスライドのようなもの、広く使用されている写真フィルムからなるPMストック132が含まれる。図5に示すこの通過式アプローチはこれに全く適したものである。
【0063】
感光性PMストック132は不透明のカバーをかぶせて個々に貯蔵することができ、このカバーは画像形成装置400のハードウェア中に供給されるとき剥ぎ取られる。若しくは、これを容器内に貯蔵し、搬送機構を用いてハウジング406を通して供給し、僅か1つのフレーム又はページを画像形成装置400内に供給し、一時に露光されるようにする。PMストック132を物理的に移動させるのに使用される搬送機構については種々のものを使用することができる。特定の具体例についての適当な機構を選択することについては当業者にとって自明であろう。
【0064】
図6は画像形成装置500の模式図であり、これもPM画像102を生成させるのに使用することができる。図2の画像形成装置100と同様に、画像形成装置500はスタンドアロンプリンター様システムというよりはむしろカメラ様システムである。適当に応じて、同様の参照番号が図6でも再使用されている。
【0065】
図2の画像形成装置100と、この画像形成装置500との間の顕著な違いは、図2の平面的又は二次元(例えば、NxM配列)光学コードユニット128の役割が、直線状又は一次元(例えば、Nセル)光学コードユニット502(デジタル又はアナログ信号駆動発光部材を含むもの)によって行われることである。PMストック132の光受容面134を露光させるため、PMストック132を光学コードユニット502に通過させるか、若しくは光学コードユニット502をPMストック132上に移動させることにより、完全なPM画像102が生成されるまで、ライン・バイ・ラインで露光させる。このアプローチは物理的サイズを縮小させ、より経済的となる。
【0066】
図7は画像形成装置600の模式図であり、これもPM画像102を生成させるのに使用することができる。図4の画像形成装置300並びに図5の画像形成装置400と同様に、画像形成装置600は他のスタンドアロンプリンター様システムである。この画像形成装置600には磁気読取り装置602と、ハウジング604とが含まれるが、その他、画像形成装置100について総括的に説明した部材又は画像形成装置300で導入された部材を使用することができる。
【0067】
画像形成装置600の殆んどの実施例は、磁気読取り装置602としてスワイプ(swipe)型磁気カード読取り装置を使用できるものと予想される。なぜならば、これらの読取り装置は周知であり、比較的安価であるからである。従って、ユーザーは単に、磁気読取り装置602を介して、予め磁気的にプリントしたPM画像102の適当なエッジをスワイプ(読取り機に通す)し、新たなデータ信号118を形成させる。ついで、画像形成装置300とほぼ同様にして、画像プロセッサー402がこのデータ信号118を受理し、それを使用してモニタースクリーン404を駆動させる。この画像形成装置600は適宜、モニタースクリーン404の画像属性(例えば、コントラスト、輝度、色相など)を調節させるための制御手段を有していてもよく、ユーザーは所望に応じて、これらを調節することができる。一旦、ユーザーが準備できたとき、PMストック132の装填されたユニットの光受容面134が、光源としてモニタースクリーン404を用いて露光され、磁気受容面136をプリントするため、磁気コードユニット130が使用される。その結果が第2のPM画像102であり、これは磁気読取り装置602を介してスワイプされたPM画像102のコピーとなる。
【0068】
PMストック132の磁気受容面136および磁気読取り装置602は様々な形態のものとすることができる。例えば、上述の磁気読取り装置602を使用する場合は、PM画像102は、2又はそれ以上の縁部で磁気受容面136を有するものとすることができ、その夫々が磁気読取り装置602を介してスワイプされていてもよい。これを使用して画像データを余分に保存したり、保存能力を増大させてもよい。他の変形例は、磁気読取り装置602の役割を磁気コードユニット130中に組合わせたものである。ついで、ユーザーは存在するPM画像102を画像形成装置600内にロード(装填)することができ、磁気的に保存されている情報を磁気コードユニット130により読み取らせ、一時的に保存させる。存在するPM画像102がついで除去され、新しいPMストック132が装填される。この一時的に保存された情報が画像プロセッサー402を用いて使用され、モニタースクリーン404を駆動させ、この新しいPMストック132の光受容面134の露光が行われ、この情報を用いて磁気受容面136の書込みが行われる。
【0069】
データポート120が図7の画像形成装置600中に示されているが、これは選択的なものである。このデータポート120は、従来のデジタルカメラに見られない機能を提供するものである。画像形成装置600が新しいPM画像102を生成させるとき、データポート120がデータ信号118を外部システム(例えば、パーソナル・コンピュータ)に電通させる。双方向通信能力を有するようにデータポート120が選択された場合、外部システムからの付加データを、この新しいPM画像102の磁気受容面136中に磁気的に書き込むことができる。画像形成装置600もPM画像102を生成させることを要しない。これは外部システムのための入力装置として使用することができる。これは、存在しているPM画像102からのデジタル情報を単に直接、外側システム内に移送させることによりなされる。
【0070】
これまでの説明は、アナログを基本的デジタル写真術に使用することについてなされたが、本発明はより広範な利用が可能であり、デジタル写真術の能力を大きく拡大させることができる。制限するものではないが、図2のような実施例に、画像サイズ、クロッピング、輝度、色相、回転およびフリップ、ポジ又はネガ画像モード、色置換(例えば、背景カラーの変更)、カラー範囲拡張および圧縮、偽カラーマッピングなどを制御する機能を持たせるようにすることができる。ユーザーはモニタースクリーンに表示された画像を見ることが出来、例えば、その色相又は輝度を調整することができる。ユーザーは、これを満足するまで行い、ハードコピーのための準備を完了させる。印刷が感光紙を光学コードユニット又はモニタースクリーンの光に露光させることにより行われるから、その処理を短時間で完了させることができる。これはコンピュータおよびプリンターのスイッチを入れること、正しいソフトウェアを見つけること、プリンターのウォームアップを待つこと、印刷プロセスを完成させることの必要性をなくさせるものである。これは更に、印刷用備品をストックする必要性をなくさせるものである。
【0071】
図3に示すように、本発明の具体例は、上述の機能の全てを行うことができるスタンドアロン装置出会ってもよい。使用されるハードウェアは非常にコンパクトとすることができるから、本発明の具体例はカメラのようにして実施することができる。
【0072】
本発明は、“デジタル写真術”で現在考えられるものを超えた用途を有するものである。これら具体例は、モニタースクリーン上に表示することのできる任意のものを光学的に、並びに磁気的にプリントすることができるように形成することができる。適当なインターフェースコネクターを用いることにより、図4、図5に示すような具体例は、デジタルカメラ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、地上位置感知(GPS)ユニット、デジタルフォーマットテレビジョン、他の多くの写真および画像形成装置からのデジタル画像を受理し、変換することができるものである。例えば、携帯電話上、コンピュータスクリーン上、PDA上のGPS生成地図を、本発明の具体例を用いて同じようにしてプリントすることができる。
【0073】
図5に示すような具体例は、インターフェースコネクターを必要としない、又は使用しないように適宜、構築することができる。“ホスト”システム(例えば、デジタルカメラ、デジタル顕微鏡、デジタル望遠鏡など)のモニタースクリーンは、LCDフラットパネルディスプレー、二次元LEDアレイ、又は光投射パネルのようなアナログ光源であってもよい。画像形成装置は、光・磁気印刷ストックの露光のための現存のモニタースクリーンを利用して、上述のようなホストに対する付属品として作成することが出来る。同時に、上記ホストが提供することができない他の機能を行わせ、ユーザーの満足度を向上させることができる。例えば、光・磁気画像の解像度は、付属装置のモニタースクリーンの解像度により制限を受けるが、上述の画像属性(例えば、色相、回転、カラーマッピングなど)の変更は全て可能となる。
【0074】
図5に示すような具体例は、インターフェースコネクターが付加的目的のために使用されるよう構築することもできる。例えば、殆んどのデジタルカメラが多重写真ファイルを保存することが出来るが、依然としてそれらの限定数のみであるから、この画像形成装置を、これらのファイルの或るもののみダウンロードし、それらを外部に保存させるように使用することができる。デジタルカメラのファイル保存ユニットをパージさせることができ、この画像形成装置に保存されているファイルをデジタルカメラのファイル保存ユニットに、若しくは後に接続された外部システムに書き戻すことができる。このようにして、ユーザーはそのデジタル写真のバックアップ、再編成、輸送を行うことができる。
【0075】
種々の具体例について記載したが、これらは例示に過ぎず、限定を意図するものではない。従って、本発明の範囲は上述の具体例のいずれによっても制限されるべきではなく、付随する請求の範囲およびその均等物に従って規定されるべきものである。
【0076】
工業的利用可能性
本発明の画像形成装置および画像化プロセス100,200,300,400,500,600は同じように、画像処理および保存への適用に適したものである。
【0077】
本発明は、デジタル画像についてのアナログでヒトが感知可能な光学的コードを保存することが可能であると同時に、同じデジタル画像についてのアナログでデジタル装置が感知可能な磁気的コードを保存することを可能にする。これらの光学的並びに磁気的コード化は潜在的に1つの物理的対象物に一緒に結びつけられるものであり、これは観察者が、磁気コードが包含するところの光学的コードを一見して理解することを特に容易にするものである。これは更に、最初の光学的コードと同じ品質を以って光学的コードを再生させるため又は所望により繰り返して再生させるため、磁気コードおよび適当な装置を使用することを可能にするものである。
【0078】
それにも拘わらず、本発明は、本発明の具体例の多くの潜在的設計者並びに本発明の潜在的な多くのユーザーが既に馴染み深い成熟し、既に広く使用されている技術を使用するものである。更に、本発明は非常に経済的に履行、使用することができる。
【0079】
上記並びに他の理由のため、本発明の画像形成装置および画像化プロセス100,200,300,400,500,600は広範な工業的利用可能性を有し、従って、本発明の商業的利用性は広範なものであり、永続的なものである。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】対象物を撮るのに使用される典型的デジタルカメラの主な部材を示す従来技術に関する図。
【図2】対象物の光・磁気画像(PM画像)のハードコピーを作成するための本発明の画像形成装置を模式的に示す図。
【図3】対象物のPM画像を生成させると共に、従来のデジタル写真操作を行うため、図2の画像形成装置を使用しての本願発明の画像化プロセスを示すフロー図。
【図4】PM画像を形成するために使用することが出来るスタンドアロン画像形成装置の1例の模式図。
【図5】PM画像を形成するために使用することが出来るスタンドアロン画像形成装置の他の例の模式図。
【図6】PM画像を形成するために使用することが出来る集積画像形成装置の模式図。
【図7】PM画像を形成するために使用することが出来るスタンドアロン画像形成装置の他の例の模式図。
【符号の説明】
【0081】
100 画像形成装置
114 レンズユニット
116 デジタルセンサー
118 データ信号
120 データポート
122 ハウジング
124 画像プロセッサー
126 モニタースクリーン
128 光学コードユニット
130 磁気コードユニット
132 PMストック
134 光受容面
136 磁気受容面
302 第1のインターフェースコネクター
304 インターフェースリンク
306 第2のインターフェースコネクター
308 画像プロセッサー
310 ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光・磁気ストック中の対象物の光・磁気画像を形成させるためのシステムであって:
デジタル画像を表すデータ信号のための発生源と;
このデータ信号を光・磁気ストック中に光学的に書き込む第1のコード化ユニットと;
このデータ信号を前記光・磁気ストック中に磁気的に書き込む第2のコード化ユニットと;
を具備してなることを特徴するシステム。
【請求項2】
前記発生源が:
対象物の光学的画像を投射させるレンズと;
前記光学的画像を受理し、この光学的画像に基づいてデータ信号を発生させるデジタルセンサーと;
を具備してなる請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記デジタルセンサーが、前記光学的画像を受理し、それをメモリー状態に変換させ、このメモリー状態に基づいて前記データ信号を発生させるデジタルメモリーアレイを含む請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記発生源が、外部システムからのデータ信号を受理するためのインターフェースを有する請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記データ信号が、前記外部システム内のデジタルセンサーにメモリー状態で先に捉えた光学的画像を表すものである請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記データ信号が、前記外部システムにより先に発生した光学的画像を表すものである請求項4記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のコード化ユニットが、前記デジタル画像の再生を発生させるための画像化スクリーンを有し、該システムのユーザーがその再生画像を見ることができ、該再生画像を前記光・磁気ストック中に選択的に書き込むことを可能にした請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記光・磁気ストックが、新規な光・磁気ストックであり、前記発生源が、対象物の光・磁気画像を既に有する古い光・磁気ストックからデータ信号を磁気的に読み取る読取り装置を有し、それにより古い光・磁気ストックからの光・磁気画像を新規な光・磁気ストック中に複製するようにした請求項1記載のシステム。
【請求項9】
光・磁気ストック中の対象物の光・磁気画像を形成させるためのシステムであって:
デジタル画像を表すデータ信号を提供するための提供手段と;
このデータ信号を光・磁気ストック中に光学的に書き込む第1のコード化手段と;
このデータ信号を前記光・磁気ストック中に磁気的に書き込む第2のコード化手段と;
を具備してなることを特徴とするシステム。
【請求項10】
前記提供手段が:
対象物の光学的画像を投射させるための投射手段と;
前記光学的画像を受理し、この光学的画像に基づいてデータ信号を発生させるデジタルセンサー手段と;
を具備してなる請求項9記載のシステム。
【請求項11】
前記提供手段が、外部システムからのデータ信号を受理するためのインターフェース手段を有する請求項9記載のシステム。
【請求項12】
前記光・磁気ストックが、新規な光・磁気ストックであり、前記提供手段が、対象物の光・磁気画像を既に有する古い光・磁気ストックからデータ信号を磁気的に読み取る読取り手段を有し、それにより古い光・磁気ストックからの光・磁気画像を新規な光・磁気ストック中に複製するようにした請求項9記載のシステム。
【請求項13】
対象物の光・磁気画像を光・磁気ストック中に形成させるための方法であって:
デジタル画像を表すデータ信号を提供すること;
このデータ信号を光・磁気ストック中に光学的に書き込むこと;
このデータ信号を前記光・磁気ストック中に磁気的に書き込むこと;
を具備してなることを特徴とする方法。
【請求項14】
前記のデータ信号を提供する過程が:
対象物の光学的画像を投射すること;
該光学的画像をデジタルセンサー上に受理させること;
該光学的画像に基づくデータ信号を発生させること;
を具備してなる請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記のデータ信号を提供する過程が、外部システムからデータ信号を受理することを含む請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記データ信号が、前記外部システム内のデジタルセンサーにメモリー状態で先に捉えた光学的画像を表すものである請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記データ信号が、前記外部システムにより先に発生した光学的画像を表すものである請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記の光学的に書き込みが:
前記デジタル画像の再生を発生させること;
前記システムのユーザーがこの再生を見て、該再生を光・磁気ストック中に選択的に書き込むこと;からなる請求項13記載の方法。

【請求項19】
前記光・磁気ストックが、新規な光・磁気ストックであり、前記の提供することが、対象物の光・磁気画像を既に有する古い光・磁気ストックからデータ信号を磁気的に読み取ることを含み、それにより古い光・磁気ストックからの光・磁気画像を新規な光・磁気ストック中に複製するようにした請求項13記載の方法。
【請求項20】
請求項13記載の方法により作られた光・磁気ストック中の光・磁気画像。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−537363(P2008−537363A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551380(P2007−551380)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/001124
【国際公開番号】WO2006/076515
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(503371720)
【氏名又は名称原語表記】TSAI,JOHN,C.
【住所又は居所原語表記】15100 EL CAMINO GRANDE,SARATOGA,CA 95070 USA
【Fターム(参考)】