説明

デッキプレート

【課題】植毛層によって結露水を保持してその滴下を防止し、落下する水滴で下方の貯蔵品などを濡らすことがないデッキプレートを提供する。
【解決手段】金属板の片面に設けた合成樹脂接着剤層に親水性の短繊維13を植毛して形成される植毛層17を有する植毛金属板14を、植毛金属板14の非植毛面17b同士が内側になるように背中合せに折り曲げて植毛層17側に突起状に延出させ所定間隔を有して複数列形成される補強リブ部15とを有するようにしてデッキプレート10を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築、土木、車両、その他の構造物の型枠、床材、屋根材などに用いられる植毛金属板からなるデッキプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築、土木、車両、その他の構造物においては、例えば特許文献1に開示された外壁構造を構成するためのパネルのように、金属板を折り曲げて成形した折板材などが広く使われている。特に床板材などに用いられる折板材には、デッキプレートと呼ばれるものがある。
【0003】
このデッキプレート用の材料として、強度あるいは耐食性に優れることから、亜鉛鉄板、ステンレス鋼板、耐候性鋼板、チタン板あるいは塩化ビニル樹脂を被覆した塩ビ鋼板などが使われている(例えば特許文献1、2参照)。
【0004】
ところで、このようなデッキプレートを多段式倉庫の床材などに適用した場合、結露によりデッキプレートに付着した水滴がその床下に滴下し、階下の貯蔵品が濡れてしまうという問題が発生することがある。特に冷蔵室や冷凍室を備えた多段式倉庫の床下において、この問題は生じやすい。この対策として結露防止のためにデッキプレートの施工後に結露防止剤を塗布することが行われているが、その効果を長く維持することが困難であり、施工後に期間をおいて何度か結露防止剤を繰り返し塗布する必要があった。
一方、屋根からの結露水落下防止のため、例えば特許文献3には、金属板又は表面処理金属板の少なくとも片面に形成した合成樹脂接着剤層に短繊維を短繊維群として植設して、親水性、保水性の植毛層を形成させた植毛金属板の技術などが開示されているが、デッキプレートへの適用についての記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−336999号公報
【特許文献2】特開2008−180031号公報
【特許文献3】特開2008−6806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら前記従来のデッキプレートでは、金属板に結露して局部的に集合した水滴が下方に落下して貯蔵品などを濡らし、その品質を著しく低下させるという問題があった。特に、デッキプレートが、地下において倉庫や駐車場などに用いられた場合や冷蔵室・冷凍室を備えた多段倉庫の床下に用いられた場合には結露状態が増幅され、落下する水滴で貯蔵品や車などが汚染されて問題となっていた。また、地下にある倉庫あるいは駐車場で作業する場合、作業時等に発生した音が外へ逃げにくく、地下室では音がよく響く。このため、地下の天井には吸音性のある材料(デッキプレート)が望まれている。
また、デッキプレートには強度を増すために形成される補強リブ部で、特に結露した水滴が落下しやすいという問題もあった。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するためになされたもので、デッキプレートに発生する結露水の滴下を効果的に防止して、デッキプレート下におかれた貯蔵品や車などが落下した水滴で汚染されることを防止することができるデッキプレートを提供することを目的とする。さらに、吸音性に優れるデッキプレートを提供することも目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明のデッキプレートは、金属板の片面に設けた合成樹脂接着剤層に親水性の短繊維を植毛して形成される植毛層を有する植毛金属板を、植毛金属板の非植毛面同士が内側になるように背中合せに折り曲げて植毛層側に延出させ所定間隔を有して複数列の補強リブ部が形成されていることを特徴とする。
(2)本発明のデッキプレートは、前記(1)において、前記補強リブ部の先端側をL字状または逆T字状に折曲げて梁や床などの被装着面に当接するL字状または逆T字状支持部を設けたことを特徴とする。
(3)本発明のデッキプレートは、前記(1)において、前記補強リブ部の先端側が幅広の空洞状に形成され、梁や床などの被装着面に面当接するフラット支持部を設けたことを特徴とする。
(4)本発明のデッキプレートは、前記(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記補強リブ部には、その周囲の植毛層よりも厚い合成樹脂接着剤層が設けられていることを特徴とする。
(5)本発明のデッキプレートは、前記(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記補強リブ部の植毛方向が補強リブ部の長手方向に傾斜していることを特徴とする。
(6)本発明のデッキプレートは、前記(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記金属板は、亜鉛めっき鋼板であることを特徴とする。
(7)本発明のデッキプレートは、前記(1)〜(6)のいずれかにおいて、前記植毛金属板における植毛層側の端部を平坦に形成して、この平坦部を梁構造の上面側に係止させて支持することを特徴とする。
(8)本発明のデッキプレートは、前記(1)〜(7)のいずれかにおいて、前記植毛金属板の非植毛面上にコンクリート構造体を敷設したものであることを特徴とする。
(9)本発明のデッキプレートは、前記(1)〜(8)のいずれかにおいて、前記植毛金属板の前記合成樹脂接着剤層がスチレン・アクリル酸エステル共重合体を主成分とする合成樹脂からなり、前記短繊維はその径が14〜25μmの範囲であり、Al、Ti、Zr、Si,Cr,Ni,Zn,Sn、Mn、Cu、Co、Fe、Mg、Caの酸化物または水和酸化物、ポリシロキサン、無機シロキサン系化合物あるいはこれらを混合した化合物によりその表面が親水性処理されたものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のデッキプレートは、親水性の短繊維を植毛して形成される植毛層を有する植毛金属板を、その非植毛面同士が内側になるように背中合せに折り曲げ植毛層側に突起状又は膨出状に延出させ所定間隔を有して複数列形成される補強リブ部を有するので、植毛層を形成する親水性短繊維に結露水を十分蓄えることができ、デッキプレート下の貯蔵品などが落下した水滴で濡れて汚れることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係るデッキプレートの説明図であり、(a)は全体斜視図であり、(b)はデッキプレートの拡大斜視図であり、(c)はデッキプレートを構成する植毛金属板の構成を示す拡大斜視図である。
【図2】実施形態のデッキプレートの変容例を示す斜視図である。
【図3】実施形態のデッキプレートの施工例を示す説明図であり、(a)はデッキプレートを梁に取り付けた状態を示す全体斜視図であり、(b)は(a)の一部を拡大した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態のデッキプレートは、金属板の片面に設けた合成樹脂接着剤層に親水性の短繊維を植毛して形成される植毛層を有する植毛金属板を、前記植毛金属板の非植毛面同士が内側になるように背中合せに折り曲げて植毛層側に突起状又は膨出状に延出させ所定間隔を有して複数列の補強リブ部を形成するように構成されている。
これによって、温度差によってデッキプレートに結露が生じても、植毛層が親水性、保水性、吸水性機能を発揮して、その結露水がデッキプレートから滴下するのを防止する機能を果すことができる。
また、前記補強リブ部となる部分に、周囲よりも厚い合成樹脂接着剤を設けて短繊維を植毛することによって、植毛金属板をデッキプレートにロール加工して補強リブ部を形成する際において、植毛された短繊維の脱離を防止することができる。
【0012】
植毛層を形成する金属板としては、冷延鋼板、表面処理鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、銅板、マグネシウム合金板、ニッケル板、鉄−ニッケル合金板等が挙げられ、表面処理鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、亜鉛合金めっき、ニッケルめっき、ニッケル合金めっき、錫めっき、銅めっきあるいは銅合金めっきなどを表面に被覆しためっき鋼板を用いることができる。
亜鉛合金めっきとしては、亜鉛−ニッケル合金めっき、亜鉛−鉄合金めっき、亜鉛−コバルトめっきが適用でき、さらに亜鉛−コバルト−モリブデン複合めっき鋼板が適用できる。また、亜鉛、アルミニム、マグネシウムあるいはこれらの合金を含んだ溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛−アルミニウム−マグネシウムめっき鋼板、溶融亜鉛−アルミニウムめっき鋼板または溶融アルミニウムめっき鋼板も適用できる。
ニッケル合金めっきとして、リン、ボロン、錫、コバルトなど含んだニッケル合金めっき鋼板も適用できる。
【0013】
さらに、これらのめっき鋼板に公知の化成処理を施した表面処理鋼板も適用できる。例えば、クロメート処理、リン酸塩処理、リチウム−シリケート処理、シランカップリング処理あるいは、ジルコニウム処理などの化成処理が適用してさらに耐食性を高めることができる。
【0014】
また、上記金属板あるいは化成処理を施した表面処理鋼板の表面に公知の熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を含有した有機樹脂被覆処理が適用できる。
熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂として、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アセタール樹脂などが適用できる。
【0015】
また、上記金属板あるいは化成処理を施した表面処理鋼板の表面に、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アセテート樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂あるいはアクリル樹脂からなる有機樹脂フィルムを積層することもできる。
有機樹脂フィルムは、単層だけでなく、2層以上積層しても良い。
また、有機樹脂フィルムは、上記樹脂のうち2種以上から選ばれたブレンド樹脂からなるフィルムも適用できる。
なお、短繊維の植毛層を形成する合成樹脂接着剤の塗布は、前記化成処理を施した表面や有機樹脂被覆処理を施した表面、あるいは有機樹脂フィルムを積層した表面にも行うことができる。
【0016】
また、このようなめっき面、化成処理面上に、水溶性の合成樹脂接着剤との間に公知の有機系接着剤を介在させても良い。例えば、厚みが、有機系接着剤の乾燥後の厚みが5〜20μmとなるように塗布したエポキシ系、ポリエステル系、ビニル系、フェノール系あるいはイソシアン酸エステル系が適用できる。
【0017】
金属板の厚みや種類は特に限定されるものではないが、加工性の点から厚みは0.5〜3.0mmとすることが好ましい。
【0018】
植毛金属板は、上記金属板の片面に親水性合成樹脂などからなる合成樹脂接着剤層を形成し、この合成樹脂接着剤層に親水性の短繊維を植毛したものであり、合成樹脂接着剤としては、水溶性あるいは溶剤系の合成樹脂が適用できるが、作業性の点で水溶性が望ましい。
水溶性樹脂としてスチレン・アクリル酸エステル系エマルジョン、アクリル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン、アクリルーウレタン系エマルジョン、ポリビニールアルコール系あるいは、酢酸ビニル系などが適用できる。
特に、スチレン・アクリル酸エステル系エマルジョンを主成分とし、これに消泡剤、PH調整剤、湿潤剤、増粘剤、顔料あるいは/及び架橋剤を混合して調合したものが望ましい。
消泡剤としては、シリコーン油あるいは鉱物油系が望ましい。増粘剤として、アルカリ液を適用した場合、pH調整も兼ねることができ望ましい。
【0019】
スチレン・アクリル酸エステル系エマルジョンは、その製造方法は通常の乳化重合法によるものであるが、十分な親水性を得るために、界面活性剤として、脂肪酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩等のアニオン活性剤をモノマー混合物に対して1質量%〜10質量%を使用することが望ましい。1質量%未満の場合は十分な濡れ性を得ることができず、また10質量%を超えると耐水性が極端に低下する傾向が見られるので好ましくない。
【0020】
スチレン・アクリル酸エステル系エマルジョンにカルボキシル基を導入すると接着性が向上する。カルボキシル基の含有量の指標として酸価があり、酸価は5〜100の範囲が望ましい。10〜50の範囲がより望ましい。5未満では、金属板との接着性が劣る。100を超えるとエマルジョンとしての液の安定性が良くない。
【0021】
界面活性剤として、非イオン系あるいはアニオン系が使用できる。カルボキシル基、スルホ基、硫酸基などのアニオン系の界面活性剤がより望ましい。界面活性剤としては、下記化学式を有するものが望ましい。ただし、R,R1及びR2はアルキル基を示す。
【0022】
【化1】

【0023】
【化2】

【0024】
特に、R2はC数が12の場合が、RはC数が9の場合が、液の分散性や安定性の点で望ましい。
【0025】
また、スチレン・アクリル酸エステル系エマルジョン樹脂のガラス転移温度を−30℃〜20℃の範囲にすることが望ましい。−30℃未満であると、乾燥後にブロッキングを起こしたり、タック効果が出る。20℃を超えると、硬くなり折曲げなどの加工性が劣る。
粘度は、5000〜40000cps/25℃に調整することが望ましい。5000cps未満では、乾燥に時間がかかり不経済である。逆に40000cpsを超えると乾燥後に皮膜中に空洞ができやすい。
【0026】
合成樹脂接着剤を金属板面に形成する方法としては、ロールコーター方式、バーコーター方式またはスプレー方式の塗布手段など、種々の手段が適用できるが、ロールコーターによる方法が作業性の面から好ましい。
合成樹脂接着剤層の厚みは、短繊維を金属板から脱離しないようにするためには、形成される合成樹脂接着剤層の層厚みは約20〜100μmとすることが好ましい。20μm未満では、合成樹脂接着剤層の厚みが十分ではなく植毛した短繊維が抜けやすくなり、100μmを超える層厚みは経済的ではないので好ましくない。
【0027】
金属板に植毛する短繊維としては、再生繊維、合成繊維、半合成繊維などの化学繊維、植物繊維、動物繊維、炭素繊維、ガラス繊維等が挙げられ、有機繊維あるいは無機繊維のどちらでも使用できる。
合成繊維としては、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂などを素材として形成された繊維が挙げられる。
有機繊維としては、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンあるいはフッ素樹脂などからなる公知の繊維が適用できる。
【0028】
短繊維の長さは、接着剤層の厚みにより適した長さが異なるが、0.4〜1.5mmが望ましい。0.4mm未満では結露水を十分に保持することが難しく、1.5mmを超える長さは均一な植毛形成が難しい。
【0029】
短繊維の径としては、14〜25μmの範囲が望ましい。14μm未満では加工することによって短繊維が折れ曲がる。一方、25μmを超えると、静電植毛時、短繊維が合成樹脂接着層に当接するスピードが小さく、短繊維が合成樹脂接着層の中に深く入らないため、短繊維が合成樹脂接着層から脱離する可能性が高くなる。
【0030】
また、短繊維としては、親水性処理を施した繊維が好適に使用できる。例えば、短繊維の表面にAl、Ti、Zr、Si,Cr,Ni,Zn,Sn、Mn、Cu、Co、Fe、Mg、Caの酸化物または水和酸化物、あるいはこれらを混合した化合物や、ポリシロキサン、無機シロキサン系化合物、あるいはこれらを混合した化合物によりその表面を親水性処理したものとすることも可能である。
シロキサンとは、ケイ素、酸素、水素からなる化合物のうち、Si−O−Si結合を含むものを云う。ケイ素原子の数によって、ジシロキサン、トリシロキサンなどがあるが、これらも含まれるものとする。
【0031】
短繊維に親水性処理を施す方法としては、例えば、上記の酸化物または水和酸化物、あるいはこれらを混合した化合物を水溶液に分散させ、この分散溶液中で、短繊維に浸漬処理あるいは電解処理(陰極処理および陽極処理)を行って、短繊維の表面にこれらの化合物を十分な膜厚となるように被覆することができる。
【0032】
上記、短繊維の親水性処理によって、短繊維の表面に空気中の湿気を吸収させ、短繊維の植毛時の電気抵抗を10〜100MΩに調整することができる。
さらに、短繊維は接着剤との密着性を向上させ、均一で密に植毛を行うことができ、十分な親水性を確保することができる。
【0033】
短繊維の表面に親水処理層の膜厚は、0.1〜0.4μmとすることが好ましい。0.1μm未満であると、静電植毛を行う際の荷電が少なく、植毛時において、短繊維が電界内を飛翔する速度が遅くなり、合成樹脂接着剤層への植毛強度が弱くなり、0.4μmを超える膜厚は効果が収束する。
【0034】
金属板の表面に短繊維を植毛する方法としては、静電植毛法が好ましく適用される。静電植毛法とは、静電植毛室内に配置された電極に対向する表面に接着剤を塗布した金属板をアース状態に置き、該電極に高圧静電気を印加して、該電極と該金属板との間に生じた電界中に短繊維を飛翔させ短繊維を帯電させ、短繊維を電界中の電気力線の方向に沿って、短繊維を金属板の表面に形成された接着剤層に直立させて突き刺して植毛する方法である。
この場合、植毛が直立にかつ高濃密状態で行われるために、静電植毛室に二つの電極を配置して植毛を行うのが望ましい。
【0035】
さらに詳細に説明すると、静電植毛室を移動する長尺の金属板(表面に合成樹脂接着剤を塗布済み)に対し、まず、静電植毛室の入口側に強力な電界を形成するための高い高圧静電気を印加する第1電極を配置する。
第1電極の次にこの第1の電極より低い高圧静電気が印加される第2の電極を静電植毛室の出口側に向かって配置する。
静電植毛室内に電極を前記のように配列することによって、合成樹脂接着剤を塗布した箇所が静電植毛室に送り込まれると、第1の電極によって作り出される強力な電界中を、帯電した短繊維が強力な電気力線に沿って、金属板の合成樹脂接着剤の塗布箇所にしっかりと直立して植毛されることになる。
次いで、第2の電極を通過するときに、第2の電極により、第1の電極により植毛された直立短繊維の隙間に短繊維を植毛することになる。
このような静電植毛法により、静電植毛室を移動する金属板に高密状態(植毛密度が25000〜36000本/cm程度で植毛することができる。
【0036】
静電植毛工程を終えた後には、金属板面に形成される短繊維を植毛した合成樹脂接着剤層、並びにその合成樹脂接着剤面に植毛された短繊維から水分を蒸発させるために加熱乾燥を行い、合成樹脂接着剤を硬化させて接着力を向上させる。
このようにして、合成樹脂接着剤層と短繊維からなる親水性を有する植毛層とを形成した後、植毛した金属板を冷却して、デッキプレートに加工する植毛金属板を製造する。
【0037】
本実施形態のデッキプレートには、植毛金属板を、植毛金属板の非植毛面同士が内側になるように背中合せに折り曲げて植毛層側に延出させ所定間隔を有して複数列の補強リブ部が形成されており、デッキプレート上に載せられる貯蔵品などの荷重を支持してデッキプレートの全体形状を保持する機能を有する。
このような補強リブ部は公知のロール成形などの技術を用いて、植毛金属板の非植毛面同士が内側になるように背中合せに折り曲げて植毛層側に突起状又は膨出状に延出させることで形成することができる。
なお、植毛金属板の非植毛面とは、植毛がされていない金属板の面をいう。
【0038】
さらに、本実施形態のデッキプレートは、補強リブ部の先端側をL字状に折曲げて梁や床などの被装着面に当接するL字状支持部を設けることができる。
このようなL字状支持部を設けることによって、被装着面への当接面積を広くして、デッキプレートを安定的に支持することができる。
【0039】
本実施形態のデッキプレートは、前記補強リブ部の先端側が幅広の空洞状に形成され、梁や床などの被装着面に面当接するフラット支持部を設けることもできる。これによって、デッキプレート面を凹凸が少なく安全かつ安定したフラット状にして配筋などのレイアウトを容易にすることができる。
また、支持サポート類の仮設資材を省略できるのでフラット支持部のない従来型のデッキプレートを用いた工法のものに比べて資材の節約と工期の短縮も可能となる。
【0040】
本実施形態のデッキプレートにおいては、前記補強リブ部にその周囲よりも厚い合成樹脂接着剤層を形成することによって、植毛された短繊維の接着をより強固にすることができる。
すなわち短繊維を厚い接着剤層に埋設することで、植毛金属板をロール成形してデッキプレートする加工時における加工用ロールとの接触負荷によって植毛された短繊維の脱離を防止し、加工後においても補強リブ部に植毛短繊維を残存させることができる。
【0041】
さらに、本実施形態のデッキプレートは、前記補強リブ部の植毛方向を補強リブ部の長手方向に傾斜するように配置することもできる。これによって、デッキプレートの補強リブ部の短繊維に付着した水滴の保持性を高めたりすることが可能となる。
補強リブ部の長手方向とは、リブの延出方向と直行しリブ部の植毛金属板と平行な方向をいう(図1(b)参照)。
補強リブ部の植毛方向を補強リブ部の長手方向に傾斜するように配置するには、例えば、補強リブ部を成形する際に、短繊維が板面に垂直に植毛された植毛層を金属板と共に強くロールで圧縮しながら補強リブの長手方向へロールを相対移動させて植毛短繊維にクセをつけることにより傾斜させ形成することができる。
【0042】
本実施形態のデッキプレートにおいては、前記植毛金属板における植毛層側の端部を平坦に形成して(つぶして)、この平坦部を梁構造の上面側に係止させて支持することもできる。これによって、複数枚のデッキプレートを組合せて床材として適用できる。また、上下多段構造の梁の上面側に係止させて支持することもできる。
【0043】
本実施形態のデッキプレートにおいては、前記植毛金属板の植毛されていない非植毛面を上方にして、その非植毛面上に床などを構成するコンクリート構造物を敷設することもできる。これによって、デッキプレートの非植毛面の耐久性を増すことができる。また、コンクリート構造物を施工してデッキプレートの上方の意匠性を高める利点もある。さらに、不燃性の短繊維を併せ用いることによって、耐火性に優れたコンクリート構造物を提供することもできる。
【0044】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るデッキプレートについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るデッキプレートの説明図であり、(a)は全体斜視図であり、(b)はデッキプレートの拡大斜視図であり、(c)はデッキプレートを構成する植毛金属板の構成を示す拡大斜視図である。
図示するように、本実施形態のデッキプレート10は、金属板11の片面に設けた合成樹脂接着剤層12に親水性の短繊維13が植毛された植毛金属板14を、この植毛金属板14の非植毛面17b同士を内側に折り曲げて植毛層17側に突起状に形成した補強リブ部15と、補強リブ部15の先端側をL字状に折曲げて形成されたL字状支持部16とを備えて構成されている。
【0045】
なお、金属板11の表面に形成された短繊維13を植毛する層である合成樹脂接着剤層12は親水性を有するものとする。また、合成樹脂接着剤層12に植毛される短繊維13は、植毛する前に水に濡れやすいように親水処理を施している。その短繊維13を静電植毛法により高密度の短繊維群となるように植毛し、短繊維群の植毛間隔を十分な毛細管現象が起きるような短繊維13と合成樹脂接着剤層12とを含む植毛層17とする。このような植毛層17が親水性を有するので、本実施形態のデッキプレートは、優れた保水性、吸水性を有したものとなっている。
【0046】
補強リブ部15は、この植毛金属板14を素材として、これをロールフォーミング加工やプレス加工により突起状や膨出状に形成される部分であり、その突出状に形成された先端側をさらにL字状に折り曲げてL字状支持部16が形成されている。図示しないが、先端側をL字状の代わりに逆T字状に折り曲げて逆T字状支持部を形成しても良い。
なお、補強リブ部15の成形時において、植毛金属板14における合成樹脂接着剤層12の厚みが厚く設定されているので、植毛層17の植毛短繊維を脱離させることなくデッキプレート10に加工することができる。
なお、補強リブ部15は、梁にデッキプレート10を載置する際に、梁の被装着面に当接して支持する部分とすることもできる。
【0047】
また、このような補強リブ部15の変容例として、図2に示すように、補強リブ部15の先端側が三角形状の底辺となるように幅広の空洞状に形成して、被装着面にフラットに面当接するようにフラット支持部18を設けることもでき、デッキプレートの安定性や安全性を確保することができる。
【0048】
また、デッキプレート10は、補強リブ部15の端部側を押しつぶしてデッキプレートを支持するための平坦部19を形成して、この平坦部19を建造物の支柱部21に上下多段に設けた梁20に載置して固定することもできる(図示せず)。
図3は、実施形態のデッキプレートの施工例を示す説明図であり、(a)はデッキプレートを梁に取り付けた状態を示す全体斜視図であり、(b)は(a)の一部を拡大した側面図である。
図示するように、冷凍倉庫などの床部分となるデッキプレート10は、梁構造を構成するように水平方向に配置された梁となるT字状鉄骨20の上面に、その植毛金属板14の植毛層側の端部に形成された平坦部19が載置された後、アーク溶接などにより接合固定されている。
なお、図3には示していないが、このようなデッキプレート10の非植毛面17b上にさらにコンクリート構造体を必要に応じて敷設することで、デッキプレート10の耐久性、断熱性、意匠性などの機能を付加することもできる。
【0049】
金属板面が垂直に配置される補強リブ部や、例えばデッキプレートが傾斜して配置されているような場合では、前記結露が垂直面や傾斜面に生ずることになり、この結露水が集合して飽和点に達したときは、垂直面や傾斜面に沿って低い方に結露水が導かれることになるが、実施形態のデッキプレートでは、結露が生じたとしても傾斜面に沿って低い方に結露水が流れるという事態を防止することができる。
【0050】
また、仮に外部から雨水・雪解け水等がデッキプレートを濡らしたとしても、植毛層17での毛細管現象により、雨水・雪解け水はデッキプレートの植毛層17で保持することができる。
植毛層17の保水力の飽和点に達した後は、重力にてデッキプレート10の勾配に沿って水下へ移動し樋に至る。このように、実施形態のデッキプレートは、結露水のみならず、進入した雨水等の滴下とをも防止することができる。
【実施例】
【0051】
(実施例1)
溶融Zn−55%Alめっき鋼板(板厚:0.8mm、めっき量:150g/m)の表面にロールコート法により、親水性合成樹脂接着剤としてスチレン・アクリル酸エステル系エマルジョンを主成分とした合成樹脂を乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布し、ナイロン製の短繊維(長さ:0.7mm、径:20μm)を合成樹脂接着剤層12の塗布面に静電植毛法により植毛した。
なお、ナイロン製の短繊維は、その表面にシリカが厚み0.2μmに被覆されたものを用いた。その結果、短繊維は30677本/cm(81g/m)の密度で植毛できた。植毛した後、温度140℃で乾燥して実施例1のデッキプレート用の植毛金属板を得た。
なお、表1において、スチレン・アクリル酸エステルはスチレン・アクリル酸エステル系エマルジョンのことを示す。
【0052】
(実施例2〜5、比較例1)
表1に示す条件で、実施例2〜5及び比較例1のデッキプレート用の植毛金属板を得た。
表1に記載されていない項目は、実施例1と同一製造条件で行った。
比較例1は、植毛を施さなかった。表1の条件で製造したデッキプレート用となる植毛金属板について、下記に示す特性を評価し、評価結果を表2に示す。
【0053】
<植毛密度>
表2において、短繊維の植毛密度が72g/m以上の場合を○で示し、それ未満の場合を×として示す。
【0054】
<沸水試験>
デッキプレート用となる植毛金属板の植毛層にカッターでごばん目をいれ、植毛層側が張り出るように、エリクセンで6mm張り出した。次いで、100℃の沸騰水に2時間浸漬した後、テープ剥離試験を行った。短繊維及び合成樹脂接着剤が全く剥離しない場合を○で示し、一部でも剥離した場合を×として示す。
【0055】
<折曲試験>
植毛金属板の植毛層を0T折曲し、合成樹脂接着剤層の亀裂発生程度及び植毛の密着性を評価した。全く亀裂がない場合を◎で示し、亀裂が軽度で実用上問題ない場合を○で示し、亀裂がかなり発生し問題がある場合を×で示した。
【0056】
<摩擦試験>
植毛金属板の植毛層に、研磨面を水に濡らしたサイズ2×20cmの研磨紙#200の研磨面側を置き、研磨紙に400gの荷重をかけて50往復し、植毛の密着性を調べた。植毛した短繊維が全く剥がれなかった場合を○で示し、植毛した短繊維が剥がれた場合を×としてで示した。表2に示すように、実施例1〜5の植毛金属板は、植毛密度、植毛の密着性(沸水試験及び折曲試験及び摩擦試験)とも問題なく良好であった。
【0057】
【表1】

【0058】
【表2】

【0059】
<植毛金属板の水の吸い上げ機能>
水を入れた容器中の水の中に本発明のデッキプレートとして用いる植毛金属板の一端を浸し、植毛金属板と水面との角度θを変化させて、水面より上で、植毛金属板の水に濡れた部分の長さを測定した。
水面に対して垂直に植毛金属板を置いた場合、植毛金属板の植毛層は水面より上の長さ42mmまで水に濡れた。
tanθが1.5の時、水に濡れた長さは50mmであり、tanθが0.42の時、水に濡れた長さは86mmであり、tanθが0.12の時、水に濡れた長さは250mmであり、tanθが0.07の時、水に濡れた長さは662mmであった。
実施例の植毛金属板は、親水性および保水性に優れているだけでなく、強力な毛細管現象を発揮し、吸水性機能を発揮すること示す。
従って、実施例の植毛金属板をデッキプレートに加工し、その植毛層を下面として設置した場合、雨天時に水に濡れたデッキプレートの植毛層からの水滴落下がほとんどなかった。
表2に示すように、実施例1〜5は、上記に記載したように水の吸い上げ機能が認められ、評価として○と記載した。
これに対して、比較例1は植毛層がないので、水の吸い上げ機能がほとんど認められず、評価として×と記載した。
【0060】
<吸水試験>
実施例の植毛金属板(親水性の合成樹脂接着剤層に親水性処理を施した短繊維(親水性パイル)を植毛)と、通常の合成樹脂接着剤層に短繊維(レギュラーパイル)を植毛した植毛金属板のサンプル及び比較例1をそれぞれ作成し、吸水性についての比較を行った。
各サンプルを深さ42mmの水中に鉛直に立て静置し、40分後に、サンプルにおける水の吸い上げ高さ(水面より上の吸水長)を測定した。
その結果、レギュラーパイルのもの及び比較例1の吸水長は、ほぼ0mmであったが、実施例の植毛金属板の吸水長は、50mmであった。
また、スポイトで植毛表面に水を垂らすと、レギュラーパイルのサンプル及び比較例1のものは、水は球形となり浸透しないのに対して、実施例の植毛金属板は、水は瞬時に植毛に浸透し、球を作ることはなかった。
以上のことから、親水性パイルを用いた実施例の植毛金属板は、レギュラーパイルの植毛金属板と比較して、親水性並びに保水性、吸水性に優れた機能を発揮する。
【0061】
<L型デッキプレートへの加工性>
実施例1〜5の植毛金属板について、図1に示すL型デッキプレートに加工したところ、合成樹脂接着剤及び短繊維の密着性が良好であり、また短繊維も折れることはなかった。
【0062】
(振動特性及び音響特性)
実施例1の植毛金属板と、実施例1で用いた溶融亜鉛めっき鋼板(合成樹脂接着剤を塗布せず、植毛もせず)とを用いて、振動試験を行い、振動特性及び音響特性を評価した。その結果、植毛した実施例1の植毛金属板は、加速度応答の周波数応答(FRF)が周波数1000〜6784Hzの範囲で100〜1000m/s/Nであったが、植毛しなかった溶融亜鉛めっき鋼板では、1000〜8000m/s/Nであった。このように振動特性を示すFRFは、植毛金属板の方が植毛しない金属板に比べて小さく良い結果を示した。
また、植毛した実施例1の植毛金属板は、音圧(単位:Pa/N)が周波数1000〜6784Hzの範囲で200〜1000Pa/Nであったが、植毛しなかった溶融亜鉛めっき鋼板では、1000〜10000Pa/Nであった。このように音響特性を示す音圧は、植毛金属板の方が植毛しない金属板に比べて小さく良い結果を示した。
このように、植毛金属板は、植毛しない金属板に比べた振動及び音圧が小さく、振動特性及び音響特性に優れている。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明のデッキプレートは、金属板の片面に設けた合成樹脂接着剤層に親水性の短繊維を植毛して形成される植毛層を有する植毛金属板を、植毛金属板の非植毛面同士が内側になるように背中合せに折り曲げて植毛層側に延出させ所定間隔を有して複数列形成される補強リブ部を有することを特徴とし、親水性、保水性、吸水性、に優れた機能を発揮するので、産業上の利用可能性が極めて高い。
また、本発明の植毛金属板を使ったデッキプレートは、吸音性にも優れるので、音が逃げにくく、吸音性が要求される地下室の天井に用いることができる。
【符号の説明】
【0064】
10 デッキプレート
11 金属板(亜鉛めっき鋼板)
12 合成樹脂接着剤層
13 短繊維
14 植毛金属板
15 補強リブ部
16 L字状支持部
17 植毛層
17b 非植毛面
18 フラット支持部
19 平坦部
20 T字状鉄骨(梁)
21 支柱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板の片面に設けた合成樹脂接着剤層に親水性の短繊維を植毛して形成される植毛層を有する植毛金属板を、植毛金属板の非植毛面同士が内側になるように背中合せに折り曲げて植毛層側に延出させ所定間隔を有して複数列の補強リブ部が形成されていることを特徴とするデッキプレート。
【請求項2】
前記補強リブ部の先端側をL字状または逆T字状に折曲げて梁や床などの被装着面に当接するL字状または逆T字状支持部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のデッキプレート。
【請求項3】
前記補強リブ部の先端側が幅広の空洞状に形成され、梁や床などの被装着面に面当接するフラット支持部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のデッキプレート。
【請求項4】
前記補強リブ部には、その周囲の植毛層よりも厚い合成樹脂接着剤層が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のデッキプレート。
【請求項5】
前記補強リブ部の植毛方向が補強リブ部の長手方向に傾斜していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のデッキプレート。
【請求項6】
前記金属板は、亜鉛めっき鋼板であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のデッキプレート。
【請求項7】
前記植毛金属板における植毛層側の端部を平坦に形成して、この平坦部を梁構造の上面側に係止させて支持することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のデッキプレート。
【請求項8】
前記植毛金属板の非植毛面上にコンクリート構造体を敷設したものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のデッキプレート。
【請求項9】
前記植毛金属板の前記合成樹脂接着剤層がスチレン・アクリル酸エステル共重合体を主成分とする合成樹脂からなり、前記短繊維はその径が14〜25μmの範囲であり、Al、Ti、Zr、Si,Cr,Ni,Zn,Sn、Mn、Cu、Co、Fe、Mg、Caの酸化物または水和酸化物、ポリシロキサン、無機シロキサン系化合物あるいはこれらを混合した化合物によりその表面が親水性処理されたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のデッキプレート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−140750(P2012−140750A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291900(P2010−291900)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(390003193)東洋鋼鈑株式会社 (265)
【Fターム(参考)】