説明

データインターフェース装置およびそれを用いたデータ伝送システム

【課題】通信処理変更が発生するごとに管理システムまたはデータ収集システムの通信処理変更する必要性が生じないように、管理システムとデータ収集システムとの間に介在されたデータインターフェース装置およびそれを用いたデータ伝送システムを得る。
【解決手段】プラント設備からのプロセスデータ60を収集するプロセスデータ収集システム20からプロセスデータを受信する受信処理手段と、プロセスデータ収集システム20から受信したプロセスデータ60を格納する格納手段と、プロセスデータ60を使用する管理システム30、40、50からプロセスデータの送信要求を受付けたときに、格納手段に格納されたプロセスデータを管理システム30、40、50に送信する送信処理手段と、受信処理手段、格納手段および通信処理手段を管理接続する管理手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、データを管理システムに効率的に伝送するためのデータインターフェース装置に関し、特に、プラント監視制御システムにおけるプロセスデータ(プラント設備の計測値や機器状態または機器警報など)を管理システムに伝送するためのプロセスデータインターフェース装置およびそれを用いたデータ伝送システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、プラント監視システムにおけるプロセスデータ伝送システムにおいては、任意数の管理システムの各々は、プラント設備からのすべてのプロセスデータを収集格納しているプロセスデータ収集システムから、データ伝送路(LAN)を介して所要のプロセスデータを取り込んでいる。
【0003】
このとき、管理システムとプロセスデータ収集システムとの間で、通信データ項目や通信手順方式を取り決めて通信処理方式として構築し、管理システムとプロセスデータ収集システムとの間で、それぞれ構築した通信処理を実現している。
【0004】
また、他の従来システムとして、プロセスデータ収集システムからプロセスデータを収集して、TCP/IPのソケットインターフェースにより、プロセスデータを公開するデータソースサーバ手段を設ける技術も提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
さらに、他の従来システムとして、インターフェース用コントローラを、プロセスデータを使用するツールとプロセス制御コントローラとの間に設け、ツールからのプロセスデータ収集要求を受けて、インターフェース用コントローラが、プロセス制御コントローラからプロセスデータを収集し、プロセスデータをツールに転送を行う技術も提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0006】
上記構成からなる従来のプロセスデータ伝送システムにおいては、いずれの場合も、管理システムで取り込むプロセスデータ項目の追加/変更/削除などが発生した場合、および、別の通信データ項目や通信手順方式で構成された管理システムの追加または管理システムの削除が発生した場合には、プロセスデータ収集システム側の通信処理を、管理システムの通信処理に合わせて変更することが必要となる。
【0007】
一方、プロセスデータ収集システムの通信データ項目や通信手順方式が変更された場合には、管理システムの通信処理を、プロセスデータ収集システムの通信処理に合わせて変更することが必要となる。
すなわち、管理システムとプロセスデータ収集システムとの間のプロセスデータ通信処理を構築する必要があり、管理システム側またはプロセスデータ収集システム側のプロセスデータ通信処理方式に変更が発生するごとに、対応する双方のプロセスデータ通信処理を変更する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−181528号公報
【特許文献2】特開平7−210214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のデータ伝送システムは、以上のように構成されているので、管理システムの通信処理変更や追加など、またはデータ収集システムの通信処理変更が発生するごとに、各変更に対応する管理システムまたはデータ収集システムの通信処理変更が必要になるという課題があった。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、管理システム側またはデータ収集システム側の通信処理変更が発生するごとに、対応する管理システムまたはデータ収集システムの通信処理変更する必要性が生じないように、管理システムとデータ収集システムとの間に介在されたデータインターフェース装置およびそれを用いたデータ伝送システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係るデータインターフェース装置は、データを収集するデータ収集システムとデータを使用する管理システムとの間に介在されたデータインターフェース装置であって、データ収集システムと管理システムとの間でデータの受け渡しのために動作させるデータ伝送通信処理の構築を不要とするための通信処理手段を備え、通信処理手段は、データ収集システムに接続された受信処理手段と、管理システムに接続された送信処理手段とを含むものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、データを取り込む管理システムとデータ収集システムとの間に、データインターフェース装置を介在させるように構成したので、管理システムの通信処理変更またはデータ収集システムの通信処理変更が発生しても、対応する管理システムまたはデータ収集システムでの通信処理変更を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1に係るデータインターフェース装置をデータ伝送システムとともに示すブロック構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るデータインターフェース装置の機能構成をデータ伝送システムとともに示すブロック構成図である。
【図3】この発明の実施の形態2に係るデータインターフェース装置の機能構成をデータ伝送システムとともに示すブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係るデータインターフェース装置をデータ伝送システムとともに示すブロック構成図であり、図2は図1内のデータインターフェース装置の内部機能構成を示すブロック構成図である。
【0015】
ここでは、代表的に、プラント監視制御システムにおけるプラント設備(図示せず)からのプロセスデータ60を伝送対象とし、データインターフェース装置としてプロセスデータインターフェース装置10を適用した場合を示している。
図1において、プロセスデータインターフェース装置10は、プロセスデータ収集システム20と、任意数(ここでは、3台)の管理システム30、40、50との間に介在されている。
【0016】
プロセスデータ収集システム20は、任意の機種からなる装置、またはDCS(分散型制御システム)やPLC(プログラマブルロジックコントローラ)、または計算機やパソコンなどにより構成され得る。
プロセスデータ収集システム20は、プラント設備からのプロセスデータ60を収集し、データ伝送路(LAN)70およびプロセスデータインターフェース装置10を介して、プロセスデータ60(破線矢印参照)を管理システム30、40、50に伝送する。
【0017】
管理システム30、40、50は、プロセスデータインターフェース装置10およびデータ伝送路(LAN)70を介して伝送されたプロセスデータ60を取り込み使用する。
なお、管理システム30、40、50は、任意の機種からなる装置または計算機やパソコンにより構成され得る。
【0018】
図2において、プロセスデータインターフェース装置10は、プロセスデータ収集システム通信処理部11と、プロセスデータ格納メモリ部12と、管理システム共通通信処理部13と、管理部14と、を備えている。
【0019】
プロセスデータインターフェース装置10において、プロセスデータ収集システム通信処理部11は、プロセスデータ収集システム20からプロセスデータ60を取り込んでプロセスデータ格納メモリ部12に格納する、
【0020】
管理システム共通通信処理部13は、管理システム30、40、50からのプロセスデータ送信要求(1点鎖線矢印参照)を受けた際に、プロセスデータ格納メモリ部12内のプロセスデータ60を取り出して管理システム30、40、50に送信する。
【0021】
管理部14は、プロセスデータインターフェース装置10内のプロセスデータ収集システム通信処理部11、プロセスデータ格納メモリ部12および管理システム共通通信処理部13の管理を行う。
【0022】
プロセスデータ収集システム20は、プロセスデータ収集処理部21と、プロセスデータインターフェース装置通信処理部22と、を備えている。
プロセスデータ収集システム20において、プロセスデータ収集処理部21は、プラント設備からのプロセスデータ60を、必要時に一定周期で取り込む。また、プロセスデータインターフェース装置通信処理部22は、プロセスデータ60を、一定周期でプロセスデータ収集システム通信処理部11に送信する。
【0023】
プロセスデータ60を使用する管理システム30、40、50は、それぞれ同一構成を有し、管理システム30は、システム処理部31と、プロセスデータインターフェース装置通信処理部32と、を備えている。
管理システム30において、システム処理部31は、プロセスデータ60を任意のタイミングで取り込み使用する。
【0024】
プロセスデータインターフェース装置通信処理部32は、システム処理部31からの要求に応じて、管理システム共通通信処理部13にプロセスデータ送信要求を入力し、管理システム共通通信処理部13からプロセスデータ60を受信してシステム処理部31に受け渡す。
【0025】
同様に、管理システム40は、システム処理部41と、プロセスデータインターフェース装置通信処理部42、とを備え、管理システム50は、システム処理部51と、プロセスデータインターフェース装置通信処理部52、とを備えている。
管理システム40、50内の各部の機能は、上述した管理システム30内の各部の機能と同一である。
【0026】
プロセスデータインターフェース装置10は、データ収集システム20と管理システム30、40、50との間でプロセスデータ60の受け渡しのために動作させるデータ伝送通信処理の構築を不要とするための通信処理手段を構成している。
【0027】
また、プロセスデータインターフェース装置10内において、プロセスデータ収集システム通信処理部11は、管理部14と協働して受信処理手段を構成しており、管理システム共通通信処理部13は、管理部14と協働して送信処理手段を構成している。
【0028】
送信処理手段は、管理システム30、40、50に対して、あらかじめ決められた標準の通信処理により、各送信要求に応じた所要のプロセスデータ60を送信する。
また、各管理システム30、40、50は、あらかじめ標準の通信処理でプロセスデータ60を受信するように設定されている。
【0029】
次に、図1、図2に示したこの発明の実施の形態1による動作について説明する。
まず、プラント設備から入力されるプロセスデータ60は、プロセスデータ収集システム20で一定周期および必要時に全データを収集され、データ伝送路(LAN)70を経由して、プロセスデータインターフェース装置10に一定周期で送信される。
【0030】
プロセスデータインターフェース装置10は、プロセスデータ収集システム20から一定周期で全点送信されたプロセスデータを、内部のプロセスデータ格納メモリ部12に格納する。この動作により、プロセスデータ格納メモリ部12には、一定周期で内容が更新されている全プロセスデータが保持される。
【0031】
以下、たとえば、管理システム30は、データ伝送路(LAN)70を経由して、一定周期または任意のタイミングで、プロセスデータインターフェース装置10からプロセスデータ60を取り込む。
【0032】
このとき、プロセスデータ60の取り込み時に動作するプロセスデータインターフェース装置10の管理システム共通通信処理部13は、すべての管理システム30、40、50側のプロセスデータインターフェース装置通信処理部32、42、52に対して、共通の通信インターフェースを提供する。
管理システム40、50においても、管理システム30と同様の動作を実行する。
【0033】
このように、管理システム30、40、50がプロセスデータ60を取り込む場合に、プロセスデータインターフェース装置10に格納されているプロセスデータ60を取り込むように構成されている。
【0034】
これにより、管理システム30、40、50が、プロセスデータ60をプロセスデータ収集システム20から直接取り込む場合に必要な、管理システム30、40、50とプロセスデータ収集システム20との間での、プロセスデータ取り込み用の通信手順などを取り決める必要のある双方の通信処理が不要となる。
【0035】
したがって、管理システム30、40、50の通信処理の変更、またはプロセスデータ収集システム20の通信処理の変更が発生するごとに、対応する管理システム30、40、50およびプロセスデータ収集システム20の通信処理を変更する必要がなくなるので、保守性および信頼性の高いプロセスデータインターフェース装置10およびプロセスデータ伝送システムを得ることができる。
【0036】
また、図2に示すように、管理システム30、40、50とプロセスデータ収集システム20との間は、直接の通信接続ではなく、両者間に介在されたプロセスデータインターフェース装置10を介して接続されている。さらに、プロセスデータインターフェース装置10内の管理システム共通通信処理部13は、管理システム30、40、50内のプロセスデータインターフェース装置通信処理部32、42、52と共通の通信処理としている。
【0037】
以上のように、この発明の実施の形態1(図1、図2)に係るプロセスデータインターフェース装置10は、プラント設備からのプロセスデータ60を収集するプロセスデータ収集システム20からプロセスデータ60を受信する受信処理手段(プロセスデータ収集システム通信処理部11および管理部14)と、プロセスデータ収集システム20から受信したプロセスデータ60を格納する格納手段(プロセスデータ格納メモリ部12)と、プロセスデータ60を使用する管理システム30、40、50からプロセスデータの送信要求を受付けたときに、格納手段に格納されたプロセスデータ60を管理システム30、40、50に送信する送信処理手段(管理システム共通通信処理部13および管理部14)と、受信処理手段、格納手段および送信処理手段を管理接続する管理手段(管理部14)とを備えている。
【0038】
すなわち、プロセスデータインターフェース装置10は、プラント設備からのプロセスデータ60を収集するプロセスデータ収集システム20と、プロセスデータ60を使用する管理システム30、40、50との間に介在されており、プロセスデータ収集システム20と管理システム30、40、50との間でプロセスデータ60の受け渡しのために動作させるプロセスデータ伝送通信処理を不要とするための通信処理手段を備えている。
【0039】
プロセスデータ伝送通信処理を不要とするための通信処理手段は、プロセスデータ収集システム20に接続された受信処理手段(プロセスデータ収集システム通信処理部11および管理部14)と、管理システム30、40、50に接続された送信処理手段(管理システム共通通信処理部13および管理部14)とを含む。
【0040】
このように、管理システム30、40、50とプロセスデータ収集システム20との間にプロセスデータインターフェース装置10を介在させることにより、双方の通信処理方式の共通化を実現することができる。
また、管理システム30、40、50側またはプロセスデータ収集システム20側で通信処理方式の変更が発生しても、通信処理変更ごとに対応した双方のプロセスデータ通信処理の変更を不要とすることができる。
【0041】
すなわち、管理システムの追加または撤去が発生した場合においても、プロセスデータインターフェース装置10側およびプロセスデータ収集システム20側の通信処理の変更を不要とすることができる。
【0042】
また、管理システム30、40、50とプロセスデータ収集システム20との間は、プロセスデータインターフェース装置10を介して接続されているので、プロセスデータ収集システム20側のプロセスデータインターフェース装置通信処理部22の変更が発生した場合には、プロセスデータインターフェース装置10内のプロセスデータ収集システム通信処理部11を変更するのみで、管理システム30、40、50側のプロセスデータインターフェース装置通信処理部32、42、52の変更は不要とすることができる。
【0043】
なお、図1、図2では、3台の管理システム30、40、50が接続された構成としたが、管理システムは、1台であっても、または4台以上であってもよい。
【0044】
また、図2では、プロセスデータインターフェース装置10が各通信処理部11、13、プロセスデータ格納メモリ部12および管理部14を備える構成としたが、PLCをプロセスデータインターフェース装置10として用いてもよい。これにより、プロセスデータインターフェース装置10を容易に構築することができ、信頼性および経済性に優れたプロセスデータインターフェース装置10を実現することができる。
【0045】
さらに、上記説明では、もっぱらプロセスデータインターフェース装置10について述べたが、図1、図2に示すように、プロセスデータインターフェース装置10を管理システム30、40、50とプロセスデータ収集システム20との間に介在させたプロセスデータ伝送システムを構成することができる。
【0046】
すなわち、プラント設備からのプロセスデータ60を収集するプロセスデータ収集システム20と、プロセスデータ60を使用する管理システム30、40、50とを備えたプロセスデータ伝送システムにおいて、プロセスデータ収集システム20と管理システム30、40、50との間に、前述のプロセスデータインターフェース装置10を介在させることができる。
【0047】
この場合、管理システム30、40、50側でのプロセスデータ60の取り出しに関しては、プロセスデータインターフェース装置10との間であらかじめ通信手順方式を取り決めた通信処理を使用して行うことができる。
また、プロセスデータ60を使用する管理システムを追加する場合には、プロセスデータ60の取り込み用の通信処理を新規に製作する必要がなく、管理システムの追加が効率的に行うことができる。
【0048】
実施の形態2.
なお、上記の実施の形態1(図1、図2)では、プロセスデータ60を伝送対象としたプロセスデータインターフェース装置10およびプロセスデータ伝送システムについて述べたが、プロセスデータインターフェース装置10に限定されることはなく、図3に示すように、監視制御システムで共通に使用する管理システムデータ60A(プロセスデータ60から生成された2次データや時系列データなど)を伝送対象として、データインターフェース装置10Aおよびデータ伝送システムを構成することもできる。
【0049】
図3において、前述(図1、図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号が付され、前述と対応するものについては、符号の後に「A」が付されている。
この場合、伝送対象は管理システムデータ(以下、単に「データ」という)60Aであり、データ伝送システムとしては、前述のプロセスデータインターフェース装置10およびプロセスデータ収集システム20に代えて、データインターフェース装置10Aおよびデータ収集システム20Aを備えている。
【0050】
データインターフェース装置10Aは、データ収集システム20Aと任意数(たとえば、3台)の管理システム30A、40A、50Aとの間に介在されている。
データ収集システム20Aは、データ60Aを取り込み、データ伝送路(LAN)70(図1参照)およびデータインターフェース装置10Aを介して、データ60Aを管理システム30A、40A、50Aに伝送する。
【0051】
管理システム30A、40A、50Aは、データインターフェース装置10Aおよびデータ伝送路(LAN)70を介して伝送されたデータ60Aを取り込み使用する。
なお、管理システム30A、40A、50Aは、任意の機種からなる装置または計算機やパソコンにより構成され得る。
【0052】
データインターフェース装置10Aは、データ収集システム通信処理部11Aと、データ格納メモリ部12Aと、管理システム共通通信処理部13と、管理部14と、を備えている。
【0053】
データインターフェース装置10Aにおいて、データ収集システム通信処理部11Aは、データ収集システム20Aからデータ60Aを取り込んでデータ格納メモリ部12Aに格納する、
【0054】
管理システム共通通信処理部13は、管理システム30A、40A、50Aからのデータ送信要求を受けた際に、データ格納メモリ部12A内のデータ60Aを取り出して管理システム30A、40A、50Aに送信する。
管理部14は、データインターフェース装置10A内のデータ収集システム通信処理部11A、データ格納メモリ部12Aおよび管理システム共通通信処理部13の管理を行う。
【0055】
データ収集システム20Aは、データ収集処理部21Aと、データインターフェース装置通信処理部22Aと、を備えている。
データ収集システム20Aにおいて、データ収集処理部21Aは、データ60Aを、必要時に一定周期で取り込む。また、データインターフェース装置通信処理部22Aは、データ60Aを、一定周期でデータ収集システム通信処理部11Aに送信する。
【0056】
データ60Aを使用する管理システム30A、40A、50Aは、それぞれ同一構成を有し、管理システム30Aは、システム処理部31と、データインターフェース装置通信処理部32Aと、を備えている。
管理システム30Aにおいて、システム処理部31は、データ60Aを任意のタイミングで取り込み使用する。
【0057】
データインターフェース装置通信処理部32Aは、システム処理部31からの要求に応じて、管理システム共通通信処理部13にデータ送信要求を入力し、管理システム共通通信処理部13からデータ60Aを受信してシステム処理部31に受け渡す。
【0058】
同様に、管理システム40Aは、システム処理部41と、データインターフェース装置通信処理部42A、とを備え、管理システム50Aは、システム処理部51と、データインターフェース装置通信処理部52A、とを備えている。
管理システム40A、50内の各部の機能は、上述した管理システム30A内の各部の機能と同一である。
【0059】
この発明の実施の形態2(図3)に係るデータインターフェース装置10Aは、データ収集システム20Aからデータ60Aを受信する受信処理手段(データ収集システム通信処理部11A)と、データ収集システム20Aから受信したデータ60Aを格納する格納手段(データ格納メモリ部12A)と、データ60Aを使用する管理システム30A、40A、60Aからデータ60Aの送信要求を受付けたときに、格納手段に格納されたデータ60Aを管理システム30A、40A、60Aに送信する送信処理手段(管理システム共通通信処理部13および管理部14)と、受信処理手段、格納手段および送信処理手段を管理接続する管理手段(管理部14)とを備えている。
【0060】
すなわち、データインターフェース装置10Aは、データ60Aを生成するデータ収集システム20Aと、データ60Aを使用する管理システム30A、40A、60Aと、の間に介在されており、データ収集システム20Aと管理システム30A、40A、60Aとの間でデータ60Aの受け渡しのために動作させるデータ伝送通信処理を不要とするための通信処理手段を備えている。
【0061】
データ伝送通信処理を不要とするための通信処理手段は、データ収集システム20Aに接続された受信処理手段(データ収集システム通信処理部11Aおよび管理部14)と、管理システム30A、40A、60Aに接続された送信処理手段(管理システム共通通信処理部13および管理部14)とを含む。
【0062】
また、この発明の実施の形態2(図3)に係るデータ伝送システムは、データ60Aを生成するデータ収集システム20Aと、データ60Aを使用する管理システム30A、40A、60Aとを備えたデータ伝送システムにおいて、データ収集システム20Aと管理システム30A、40A、60Aとの間に、前述のデータインターフェース装置10Aを介在させることができる。
【0063】
このように、プロセスデータ60に代えて、データ60Aを伝送対象とした場合にも、データインターフェース装置10Aおよびデータ伝送システムにおいて、前述と同等の作用効果を奏することは言うまでもない。
また、前述と同様に、データインターフェース装置10AをPLCにより構成してもよい。
【符号の説明】
【0064】
10 プロセスデータインターフェース装置、10A データインターフェース装置、11 プロセスデータ収集システム通信処理部、11A データ収集システム通信処理部、12 プロセスデータ格納メモリ部、12A データ格納メモリ部、13 管理システム共通通信処理部、14 管理部、20 プロセスデータ収集システム、20A データ収集システム、21 プロセスデータ収集処理部、21A データ収集処理部、22、32、42、52 プロセスデータインターフェース装置通信処理部、22A、32A、42A、52A データインターフェース装置通信処理部、30、40、50、30A、40A、50A 管理システム、31、41、51 システム処理部、60 プロセスデータ、60A データ(管理システムデータ)、70 データ伝送路(LAN)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを収集するデータ収集システムと前記データを使用する管理システムとの間に介在されたデータインターフェース装置であって、
前記データ収集システムと前記管理システムとの間で前記データの受け渡しのために動作させるデータ伝送通信処理の構築を不要とするための通信処理手段を備え、
前記通信処理手段は、
前記データ収集システムに接続された受信処理手段と、
前記管理システムに接続された送信処理手段と
を含むことを特徴とするデータインターフェース装置。
【請求項2】
前記通信処理手段は、
前記データ収集システムから受信したすべてのデータを格納する格納手段と、
前記受信処理手段、前記格納手段および前記送信処理手段を管理接続する管理手段と、を含み、
前記受信処理手段は、前記データ収集システムから前記データを受信し、
前記送信処理手段は、前記管理システムから所要データの送信要求を受付けたときに、前記格納手段に格納されたデータのうちの前記所要データを前記管理システムに送信することを特徴とする請求項1に記載のデータインターフェース装置。
【請求項3】
前記送信処理手段は、前記管理システムに対して標準の通信処理により前記データを送信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデータインターフェース装置。
【請求項4】
前記受信処理手段は、前記データ収集システムの通信処理変更に応じて、前記データ収集システムとの間の通信処理を変更することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のデータインターフェース装置。
【請求項5】
前記通信処理手段は、PLCにより構成されたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のデータインターフェース装置。
【請求項6】
前記データは、プラント設備からの計測値を含むプロセスデータであることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のデータインターフェース装置。
【請求項7】
データを収集するデータ収集システムと、前記データを使用する管理システムとを備えたデータ伝送システムにおいて、
前記データ収集システムと前記管理システムとの間に、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のデータインターフェース装置を介在させたことを特徴とするデータ伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−253558(P2012−253558A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124456(P2011−124456)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】