説明

データ位相同期装置およびデータ位相同期方法

【課題】簡易な構成でデータ位相の同期をとることが可能なデータ位相同期装置を得ること。
【解決手段】デリミタ値、トレーニングパタンフレーム番号に対応するカウンタ値、反転カウンタ値を含むトレーニングパタンフレームを生成するトレーニングパタンフレーム合成部14と、トレーニングパタンフレームを複数のレーン内のデータに同期して挿入する選択部15と、受信データに挿入されたトレーニングパタンフレームからデリミタ値を検出し、フレーム位相を判定するデリミタ検出部18と、フレーム位相に基づいてトレーニングパタンフレーム番号を再生するカウンタ再生部19と、フレーム位相およびトレーニングパタンフレーム番号に基づいてレーン毎のスキュー量を推定するスキュー推定部20と、レーン毎のスキュー量に基づいてレーン間のスキューを打ち消す制御を行うデスキュー制御部21と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信システムなどのデジタル伝送システムに適用されるパラレル信号通信におけるデータ位相同期装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データの高速転送を行うために、信号のクロック周波数を上げ、さらに、複数の信号に並列化することでクロック周期あたりの転送データ量を増加させることが一般に行われている。このようなパラレル通信によって高速化した場合、各々の信号線間でのデータ伝播時間差によるデータ位相のずれ(スキュー)やパラレル展開されたデータの多重分離位相(トリビュタリ)同期が問題となるため、データ位相を揃える回路が必要となる。
【0003】
データ位相を同期させる方法として、下記特許文献1および2において、回路規模が大きい受信パターン判定回路を設けて、データ位相を判定するために想定される最大のデータ位相差に比例する長さの同期パターンを検出する技術が開示されている。例えば、下記特許文献1では、MLD(Multi Lane Distribution)、SFI−5(Serdes Framer Interface Level 5)、およびVSR5(Very Short Reach Interface Level 5)による方式を用いており、また、下記特許文献2では、データの始点と終点がクロックの立ち上がりエッジに合うディレイ値を求めるデータ位相同期回路について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−016791号公報
【特許文献2】特開2004−127147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術によれば、データ位相を判定するために想定される最大のデータ位相差の倍以上に相当する長大な同期パターンを検出するために、大容量の受信データ保持回路、または受信データを蓄積させずに長大なパターンを多段に分割して随時処理する高速なパイプライン処理回路のような受信パターン判定回路を必要とする。そのため、回路規模が大きくなり複雑になる、という問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、回路規模が小さく簡易な構成でデータ位相の同期をとることが可能なデータ位相同期装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数のレーンを用いてパラレルにデータ通信を行うパラレル信号通信において、各レーン間のデータ位相の同期をとるデータ位相同期装置であって、トレーニングパタンフレームの境界を示すデリミタ値、トレーニングパタンフレーム番号に対応するカウンタ値、および前記カウンタ値に対してビット反転を施した反転カウンタ値を含むトレーニングパタンフレームを生成するトレーニングパタンフレーム合成手段と、前記トレーニングパタンフレームを複数のレーン内のデータに同期して挿入する選択手段と、前記レーン毎に伝送されて受信したデータを同期して記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された受信データに挿入されたトレーニングパタンフレームからデリミタ値を検出し、検出したデリミタ値の位置が示すフレーム位相を判定するデリミタ検出手段と、前記フレーム位相に基づいて、前記カウンタ値または前記反転カウンタ値に対応するトレーニングパタンフレーム番号を再生するカウンタ再生手段と、前記フレーム位相および前記トレーニングパタンフレーム番号に基づいて、レーン毎のスキュー量を推定するスキュー推定手段と、前記レーン毎のスキュー量に基づいて、レーン間のスキューを打ち消す制御を行うデスキュー制御手段と、前記デスキュー制御手段の制御に基づいて、各レーンにおいてスキューを打ち消す処理を行う位相調整手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、回路規模が小さく簡易な構成でデータ位相の同期をとることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、デジタル伝送システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、データ位相同期装置を適用したデジタル伝送システムの構成例を示す図である。
【図3】図3は、データ位相同期処理を示すフローチャートである。
【図4】図4は、トレーニングパタンフレームの構成例を示す図である。
【図5】図5は、トレーニングパタンフレームの受信キャプチャデータの例を示す図である。
【図6】図6は、デリミタ値の検出方法を示す図である。
【図7】図7は、デジタル伝送システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明にかかるデータ位相同期装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態におけるデジタル伝送システムの構成例を示す図である。デジタル伝送システムは、分離部1と、FIFO(First In First Out)部2と、シリアライザ部3と、デシリアライザ部4と、多重部5と、を備える。
【0012】
図1において、分離部1は、合計帯域40Gbps級の高速電気信号に対し、伝送フレームのデマッピング処理や誤り訂正復号化といった諸々のデータ処理が施された多数の比較的低速な信号を出力する。シリアライザ部3は、これらの信号をより高速な16レーンの伝送電気信号に変換する。そして、デシリアライザ部4は、これら各々のレーンにより伝送された信号を、改めて変調データ処理に適したより低速な信号に変換する。最終的に、多重部5が、高速なシリアル電気信号として出力する。
【0013】
このシリアル電気信号は、図示されていない伝送光信号に電気光変換され、光ファイバにより伝送される。ここで、シリアライザ部3におけるパラレル−シリアル変換、およびデシリアライザ部4におけるシリアル−パラレル変換時のデータ多重分離位相(トリビュタリ)は、通常各々のレーンやパラレル展開信号毎に異なり、さらに、シリアライザ部3あるいはデシリアライザ部4の電源投入やリセットの度に不規則に変化する。その結果、シリアライザ部3のパラレル側でのデータビットの並び方と、デシリアライザ部4のパラレル側でのデータビットのレーン間での相対的な並び方が、各レーンの起動や初期化毎に変化することとなり、これら複数の要因が合算されてレーン間のデータ位相差であるスキューが発生する。
【0014】
一方、デジタル伝送システムでは、送信あるいは受信データのレーン間の遅延時間差を変化させることができるFIFO部2、および図示しない遅延回路やPLL等のクロック位相調整回路により、セットアップおよびホールドタイムが満たされ、1クロック周期毎に送信されるビット値の二重取り込みや取り込み抜けは生じないように構成されている。
【0015】
つぎに、データ位相同期装置を適用したデジタル伝送システムについて説明する。図2は、データ位相同期装置を適用したデジタル伝送システムの構成例を示す図である。データ位相同期装置を適用したデジタル伝送システムは、分離部1と、シリアライザ部3と、デシリアライザ部4と、多重部5と、デリミタ生成部11と、ビット反転部12と、カウンタ生成部13と、トレーニングパタンフレーム合成部14と、選択部15と、FIFO部16と、記憶部17と、デリミタ検出部18と、カウンタ再生部19と、スキュー推定部20と、デスキュー制御部21と、バレルシフタ部22と、を備える。
【0016】
つづいて、データ位相同期装置を適用したデジタル伝送システムにおけるデータ位相同期処理について説明する。図3は、データ位相同期処理を示すフローチャートである。まず、デリミタ生成部11は、トレーニングパタンフレームの境界を示す2Byteのデリミタ値を生成する。カウンタ生成部13は、トレーニングパタンフレーム番号に対応する1Byteのカウンタ値(ビット非反転カウンタ値)を生成する。ビット反転部12は、前記カウンタ生成部13が生成したカウンタ値の1Byteのビット反転カウンタ値を生成する。そして、トレーニングパタンフレーム合成部14が、前記デリミタ値、前記ビット非反転カウンタ値、前記ビット反転カウンタ値を合成し、トレーニングパタンフレームを生成する(ステップS1)。
【0017】
トレーニングパタンフレーム合成部14は、生成したトレーニングパタンフレームを選択部15へ出力し、選択部15が、各レーンの送信側パラレル信号(データ)にトレーニングパタンフレームを挿入する(ステップS2)。トレーニングパタンフレームが挿入されたデータは、FIFO部16、シリアライザ部3、デシリアライザ部4を経由して、前述のスキューが重乗された上で受信され、記憶部17が、各レーンで同期して、受信データを受信キャプチャデータとして記憶する(ステップS3)。
【0018】
記憶部17に記憶されたこの受信キャプチャデータに対して、デリミタ検出部18が、トレーニングパタンフレーム内のデリミタ値を検出し、その検出したデリミタ値の位置に基づいてフレーム位相を判定する(ステップS4)。つぎに、カウンタ再生部19が、フレーム位相に基づいて、分断して取り込まれたカウンタ値(ビット非反転カウンタ値、ビット反転カウンタ値)より対応するトレーニングパタンフレーム番号を再生する(ステップS5)。つぎに、スキュー推定部20が、前記フレーム位相および再生されたトレーニングパタンフレーム番号に基づいて、レーン毎のスキュー量を推定する(ステップS6)。そして、デスキュー制御部21が、前記レーン毎のスキュー量に基づいて、レーン間のスキューを打ち消す(デスキュー)制御を行う(ステップS7)。これにより、デスキュー制御部21は、FIFO部16や、シリアライザ部3およびデシリアライザ部4のパラレル側でのデータ多重分離位相を移すことができるバレルシフタ部22等の調整回路を、スキューの影響を打ち消すよう適切に設定することができる。その結果、各レーン間のデータ位相の同期をとることができる。
【0019】
つぎに、本実施の形態で用いるトレーニングパタンフレームについて説明する。図4は、本実施の形態におけるトレーニングパタンフレームの構成例を示す図である。トレーニングパタンフレームは、先頭を示すデリミタ値として2Byteの値0xF6、0x28を置き、その後続にフレーム番号(i)に対応する1Byteのビット反転カウンタ値と、1Byteのビット非反転カウンタ値を配置している。フレーム番号(i)のトレーニングパタンフレームの後続には、フレーム番号(i+1)のトレーニングパタンフレームが続き、フレーム番号が最終値に到達後は初期値に回帰し、以後循環的にインクリメントされる。
【0020】
ここで、非反転カウンタ値の系列としては、任意の1Byte値の系列を選択することができ、単なる0x00から0xFFまでの2進数列でもよいし、0x01から0x0Aまでの短い2進数列や、グレイコード、より一般的には全てのカウンタ値に対して各々対応するフレーム番号(i)が定まる系列であればどのようなものでも選択することができる。ビット反転カウンタ値は、通常、単にビット非反転カウンタ値の値を文字通りビット単位で反転しただけのもので十分であるが、ビット順を入れ替えてもよいし、ビット反転カウンタ値とビット非反転カウンタ値の配置を入れ替えるなどしてもよい。デリミタ値も、0xF6、0x28に限らず適切な値を選択することが可能であり、これらデリミタ値、ビット反転カウンタ値、およびビット非反転カウンタ値のビット長も、想定されるスキュー量など必要に応じた適切な値で設計することが可能である。
【0021】
図5は、トレーニングパタンフレームの受信キャプチャデータの例を示す図である。レーン毎に、4Byteの受信キャプチャデータ長に対して、4Byte長のトレーニングパタンフレーム列が、任意のデータ位相で取り込まれることが次の3つの場合に分けられることを示すものである。
【0022】
(1)Case1として、受信キャプチャデータに対して、着目するトレーニングパタンフレーム(i)のビット反転カウンタ値および非反転カウンタ値は分断されずに取り込まれるものの、デリミタ値は分断されて取り込まれる場合である。
【0023】
(2)Case2として、受信キャプチャデータに対して、着目するトレーニングパタンフレーム(i)のビット非反転カウンタ値および後続のトレーニングパタンフレーム(i+1)のデリミタ値は分断されずに取り込まれるものの、ビット反転カウンタ値は分断されて取り込まれる場合である。
【0024】
(3)Case3として、受信キャプチャデータに対して、着目するトレーニングパタンフレーム(i)の後続のトレーニングパタンフレーム(i+1)のデリミタ値およびビット反転カウンタ値は分断されずに取り込まれるものの、ビット非反転カウンタ値は分断されて取り込まれる場合である。
【0025】
なお、後続のトレーニングパタンフレーム(i+1)のデリミタ値、ビット反転カウンタ値およびビット非反転カウンタ値が分断されずに取り込まれた場合(Case3´)についても、上記Case3と同様とする。
【0026】
図6は、デリミタ検出部18におけるデリミタ値の検出方法を示す図である。レーン毎に4Byteの受信キャプチャデータを2つ並べて配置し、時間的に早く取り込まれた図の左側から順に2Byteのデリミタ値と照合すると、受信キャプチャデータにおいてデリミタ値が分断されているか否かに関わらずデリミタ値と一致するビット系列が存在することが示されている。デリミタ検出部18は、このビット系列のうち、最初(左側)に一致したビット系列の位置に基づいて、受信キャプチャデータとして取り込まれたトレーニングパタンフレーム列のフレーム位相を判定することができる。
【0027】
これにより、着目するトレーニングパタンフレーム(i)のビット反転カウンタ値および非反転カウンタ値は分断されずに取り込まれるものの、デリミタ値は分断されて取り込まれる場合(Case1)は、ビット非反転カウンタ値をそのまま直接着目するトレーニングパタンフレームのトレーニングパタンフレーム番号(i)に対応させることができる。
【0028】
また、着目するトレーニングパタンフレーム(i)のビット非反転カウンタ値および後続のトレーニングパタンフレーム(i+1)のデリミタ値は分断されずに取り込まれるものの、ビット反転カウンタ値は分断されて取り込まれる場合(Case2)は、ビット非反転カウンタ値を再度ビット反転させ着目するトレーニングパタンフレームのトレーニングパタンフレーム番号(i)を得ることができる。
【0029】
また、着目するトレーニングパタンフレーム(i)の後続のトレーニングパタンフレーム(i+1)のデリミタ値およびビット反転カウンタ値は分断されずに取り込まれるものの、ビット非反転カウンタ値は分断されて取り込まれる場合(Case3)は、ビット非反転カウンタ値に対応するトレーニングパタンフレームのトレーニングパタンフレーム番号より1つ前のトレーニングパタンフレーム番号を求めることにより、着目するトレーニングパタンフレームのトレーニングパタンフレーム番号(i)を得ることができる。
【0030】
なお、デリミタ検出部18では、処理回路を簡約化するため、トレーニングパタンフレーム(i)のビット反転カウンタ値および非反転カウンタ値は分断されずに取り込まれるものの、デリミタ値は分断されて取り込まれる場合(Case1)においても、着目するトレーニングパタンフレーム(i)のビット非反転カウンタ値および後続のトレーニングパタンフレーム(i+1)のデリミタ値は分断されずに取り込まれるものの、ビット反転カウンタ値は分断されて取り込まれる場合(Case2)と同様に、ビット非反転カウンタ値により着目するトレーニングパタンフレームのトレーニングパタンフレーム番号(i)を求めてもよい。
【0031】
以上説明したように、本実施の形態では、デリミタ値およびカウンタ値からなるトレーニングパタンフレーム構造が前後のフレームで各々分断された状態で取り込まれる受信キャプチャデータにおいて、デリミタ値を検出してフレーム位相を判定し、フレーム位相からトレーニングパタンフレーム番号(i)を再生して、スキュー量を推定することとした。これにより、長大なスキュー量に対して回路規模が小さい簡易な記憶部17だけを備える構成であってもスキュー量の推定を行うことができ、適切にスキューを打ち消すデスキュー設定を行うことができ、その結果、各レーン間のデータ位相の同期をとることができる。
【0032】
また、ビット非反転カウンタ値とビット反転カウンタ値の組合せにより合計のカウンタ値の「0」と「1」のビット数が等しくなるため、本実施の形態に示すように、「0」と「1」のビット数が等しいデリミタ値を選択することによって、トレーニングパタンフレーム毎においても「0」と「1」のビット数が等しくなり、各レーンのシリアル伝送信号のDCバランスが最適な値に保たれるためAC結合回路など用いたシリアル伝送路にも対応することができる。なお、デリミタ値において、「0」と「1」のビット数のそれぞれの合計が1つ違いにした場合においても、同等の効果を得ることができる。
【0033】
さらに、ビット非反転カウンタ値とビット反転カウンタ値の組み合せにより、デリミタ値の誤検出を回避することができるため、リトライ制御を含む複雑かつ確率的な収束の不確実さを持つスキュー量判定アルゴリズムを必要とせず、簡易で小型の回路により長大なスキュー量の判定を一意に行うことができる。
【0034】
実施の形態2.
図7は、本実施の形態の適用に係るデジタル伝送システムの構成例を示す図である。実施の形態1における図1に対応するものである。デジタル伝送システムは、分離部1と、FIFO部2と、シリアライザ部3と、2つのデシリアライザ部4と、2つのバレルシフタ部22aと、2つの多重部5と、を備える。
【0035】
図7において、1つのシリアライザ部3に対して対応するシリアル伝送路が分岐しており、そのシリアル信号は複数のデシリアライザ部4により別個に受信される。このよう場合においても、実施の形態1と同様の方法により、データ位相同期装置を適用してスキュー量の推定を行うことができる。具体的には、図2と同様、デリミタ生成部11と、ビット反転部12と、カウンタ生成部13と、トレーニングパタンフレーム合成部14と、選択部15と、記憶部17と、デリミタ検出部18と、カウンタ再生部19と、スキュー推定部20と、デスキュー制御部21と、FIFO部2に替えてFIFO部16と、2つのバレルシフタ部22aに替えて2つのバレルシフタ部22と、を追加する構成とする。
【0036】
ここで、デスキュー制御部21におけるデスキュー設定の効果は、FIFO部16では分岐したレーンに共通に働く一方、バレルシフタ部22の効果は分岐したレーンに対して独立して働く。そのため、FIFO部16の回路規模をシリアライザ部3など分岐元に由来するスキュー量に対応する程度確保し、バレルシフタ部22の回路規模についてはデシリアライザ部4など分岐後のスキュー量に対応する程度に抑えることで、システム全体の回路規模を抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上のように、本発明にかかるデータ位相同期装置は、デジタル伝送システムに有用であり、特に、パラレルで信号を通信する場合に適している。
【符号の説明】
【0038】
1 分離部
2 FIFO部
3 シリアライザ部
4 デシリアライザ部
5 多重部
11 デリミタ生成部
12 ビット反転部
13 カウンタ生成部
14 トレーニングパタンフレーム合成部
15 選択部
16 FIFO部
17 記憶部
18 デリミタ検出部
19 カウンタ再生部
20 スキュー推定部
21 デスキュー制御部
22、22a バレルシフタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレーンを用いてパラレルにデータ通信を行うパラレル信号通信において、各レーン間のデータ位相の同期をとるデータ位相同期装置であって、
トレーニングパタンフレームの境界を示すデリミタ値、トレーニングパタンフレーム番号に対応するカウンタ値、および前記カウンタ値に対してビット反転を施した反転カウンタ値を含むトレーニングパタンフレームを生成するトレーニングパタンフレーム合成手段と、
前記トレーニングパタンフレームを複数のレーン内のデータに同期して挿入する選択手段と、
前記レーン毎に伝送されて受信したデータを同期して記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された受信データに挿入されたトレーニングパタンフレームからデリミタ値を検出し、検出したデリミタ値の位置が示すフレーム位相を判定するデリミタ検出手段と、
前記フレーム位相に基づいて、前記カウンタ値または前記反転カウンタ値に対応するトレーニングパタンフレーム番号を再生するカウンタ再生手段と、
前記フレーム位相および前記トレーニングパタンフレーム番号に基づいて、レーン毎のスキュー量を推定するスキュー推定手段と、
前記レーン毎のスキュー量に基づいて、レーン間のスキューを打ち消す制御を行うデスキュー制御手段と、
前記デスキュー制御手段の制御に基づいて、各レーンにおいてスキューを打ち消す処理を行う位相調整手段と、
を備えることを特徴とするデータ位相同期装置。
【請求項2】
前記トレーニングパタンフレーム合成手段は、デリミタ値、トレーニングパタンフレーム番号に対応するカウンタ値、および、前記カウンタ値に対するビット反転およびビット順列交換を施した反転交換カウンタ値を含むトレーニングパタンフレームを生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ位相同期装置。
【請求項3】
前記デリミタ値は、当該デリミタ値を構成する0ビットおよび1ビットの数が同数、または1つ違いとする、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のデータ位相同期装置。
【請求項4】
前記位相調整手段を、各レーンにおいてデータ送信の前段およびデータ受信の後段に配置する、
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載のデータ位相同期装置。
【請求項5】
前記各レーンが複数に分岐されてデータ受信される場合、
さらに、
分岐された数と同数だけ、データ受信の後段に配置する前記位相調整手段を備える、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のデータ位相同期装置。
【請求項6】
複数のレーンを用いてパラレルにデータ通信を行うパラレル信号通信において、各レーン間のデータ位相の同期をとるデータ位相同期方法であって、
トレーニングパタンフレームの境界を示すデリミタ値、トレーニングパタンフレーム番号に対応するカウンタ値、および前記カウンタ値に対してビット反転を施した反転カウンタ値を含むトレーニングパタンフレームを生成するトレーニングパタンフレーム生成ステップと、
前記トレーニングパタンフレームを複数のレーン内のデータに同期して挿入するトレーニングパタンフレーム挿入ステップと、
前記レーン毎に伝送されて受信したデータを同期して記憶する受信データ記憶ステップと、
前記記憶された受信データに挿入されたトレーニングパタンフレームからデリミタ値を検出し、検出したデリミタ値の位置が示すフレーム位相を判定するデリミタ値検出ステップと、
前記フレーム位相に基づいて、前記カウンタ値または前記反転カウンタ値に対応するトレーニングパタンフレーム番号を再生するカウンタ値再生ステップと、
前記フレーム位相および前記トレーニングパタンフレーム番号に基づいて、レーン毎のスキュー量を推定するスキュー推定ステップと、
前記レーン毎のスキュー量に基づいて、各レーン間のスキューを打ち消す処理を行うデスキューステップと、
を含むことを特徴とするデータ位相同期方法。
【請求項7】
前記トレーニングパタンフレーム合成ステップでは、デリミタ値、トレーニングパタンフレーム番号に対応するカウンタ値、および、前記カウンタ値に対するビット反転およびビット順列交換を施した反転交換カウンタ値を含むトレーニングパタンフレームを生成する、
ことを特徴とする請求項6に記載のデータ位相同期方法。
【請求項8】
前記デリミタ値は、当該デリミタ値を構成する0ビットおよび1ビットの数が同数、または1つ違いとする、
ことを特徴とする請求項6または7に記載のデータ位相同期方法。
【請求項9】
前記デスキューステップでは、各レーンにおいてデータ送信の前段およびデータ受信の後段において位相調整を行う、
ことを特徴とする請求項6、7または8に記載のデータ位相同期方法。
【請求項10】
前記各レーンが複数に分岐されてデータ受信される場合、
前記デスキューステップでは、分岐されたデータを受信したそれぞれの受信先の後段において位相調整を行う、
ことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載のデータ位相同期方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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