説明

データ作成支援システム

【課題】 Webページの作成、または編集を容易に行うことができると共に、作成したWebページを所望の相手に公開可能なデータ作成支援システムを提供する。
【解決手段】Webページ作成プログラム46A(第1のプログラム)、一時記憶領域であるメモリに記憶されている画像データおよび文字データ、または文字データを抽出するメモリ共有プログラム46B(第2のプログラム)、これらのプログラムとWebページを作成するための情報をクライアント端末へ送信する送信制御部44A(第1の送信制御部)、公開対象ユーザ、公開期間、および重要度のいずれか1つ、または複数がクライアント端末から送信されてきた場合、その情報からWebページの公開対象とするユーザ、公開期間、および重要度のいずれか1つ、または複数を設定するデータベース制御部44Cを有するホームページ作成支援システム10とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ作成支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
個人、または企業がホームページなどを作成して公開する場合、ホームページ作成用のアプリケーションプログラムを用いてHTML(HyperText Markup Language)などでWebページを作成すると共に、FTP(File Transfer Protocol)などのファイル転送プログラムを用いてその作成したデータをクライアント端末からWebサーバにアップロードする方法が知られている。また、ホームページ作成支援サイトへ接続してホームページを作成し、その作成したデータをクライアント端末からWebサーバへアップロードできるサービスも知られている(たとえば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】バリアフリー・ホームページ作成システム/オープンセサミ[平成22年12月24日検索] インターネットURL:http://sesames.jp/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1に開示されるサービスでは、ユーザがWebブラウザに表示された画像挿入ボタンをクリックすると、ファイル選択ダイアログが開き、クライアント端末のフォルダ構造が表示される。そして、ユーザが特定のフォルダに記憶された特定の画像データを選択すると、その選択された画像データが編集画面内に貼り付けられる。そして、ユーザはこの画像に対して、回転、拡大、縮小、およびトリミングなどの簡単な編集を行うことができる。すなわち、非特許文献1に開示されるサービスでは、クライアント端末に専用のアプリケーションプログラムをセットアップすることなく、容易にホームページを作成することが可能である。
【0005】
しかしながら、非特許文献1に開示されるサービスでは、作成するホームページに挿入できる図形の画像データ(たとえば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、GIF(Graphics
Interchange Format)、およびBMP(BitMap)形式の画像データなど)がクライアント端末のハードディスクなどの外部記憶装置に記憶されている必要があり、他のアプリケーションプログラムで作成され、メモリなどの主記憶装置に一時的に記憶されている画像データを用いることはできない。
【0006】
また、ユーザがホームページを作成する際に、複数の言語に対応したホームページを容易に作成することはできない。
【0007】
また、ユーザがそのアップロードしたHTMLなどで記述されたホームページについて、特定のユーザに対してのみ公開すると共に、その公開が許可された特定のユーザからホームページの評価を知ることはできない。
【0008】
本発明は、上述した従来の問題点のいずれかの1つを少なくとも解決するためになされたものであり、Webページの作成、または編集を容易に行うことができると共に、作成したWebページを所望の相手に公開可能なデータ作成支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するため、本発明の一側面に係るデータ作成支援システムは、クライアント端末においてWebページを構成するデータを生成する第1のプログラムと、クライアント端末の一時的な記憶領域であるメモリに記憶されている画像データおよび文字データ、またはメモリに記憶されている文字データを抽出する第2のプログラムと、クライアント端末からの要求に応じて、第1のプログラム、第2のプログラム、およびWebページを作成するための情報を送信する第1の送信制御部と、クライアント端末からWebページの公開対象とするユーザ、公開期間、および重要度を示す情報のいずれか1つ、または複数が送信されてきた場合、その送信されてきた情報に基づいて、Webページの公開対象とするユーザ、公開期間、および重要度を示す情報のいずれか1つ、または複数を設定するデータベース制御部とを有する。
【0010】
また、本発明の一側面は、上述した構成に加えて、クライアント端末が、第2のプログラムによってメモリに一時的に記憶された文字データを抽出すると共に、その抽出した文字データを所定の言語へ翻訳する処理要求を送信してきた場合、文字データを所定の言語に翻訳する翻訳処理部と、翻訳処理部により翻訳された文字データをクライアント端末へ送信する第2の送信制御部とを有することが好ましい。
【0011】
また、本発明の一側面に係るデータ作成支援システムは、上述した構成に加えて、第1のプログラムは、クライアント端末を、翻訳処理部により翻訳された文字データを、第1の送信制御部から送信されたWebページを構成するための情報に基づいて表示される編集画面の所定領域に表示させる表示制御部として機能させることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、Webページの作成、または編集を容易に行うことができると共に、作成したWebページを所望の相手に公開可能なデータ作成支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のデータ作成支援システムの一実施の形態に係るホームページ作成支援システムの全体構成を含む図である。
【図2】図1に示すWebサーバ、Webアプリケーションサーバ、データベースサーバ、およびクライアント端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図1に示すホームページ作成支援システムの主な機能構成を説明するための図である。
【図4】図1に示すクライアント端末の主な機能構成を説明するための図である。
【図5】クライアント端末とWebサーバとの間における処理の流れを説明するフローチャートである。
【図6】図1のWebサーバからクライアント端末へ送信されるHTMLフォームに基づいて表示されるホームページ作成用フォームの一例を示す図である。
【図7】クライアント端末におけるホームページの作成手順を示すフローチャートである。
【図8】クライアント端末におけるホームページの作成手順を示すフローチャートである。
【図9】図1のWebサーバからクライアント端末へ送信されるHTMLフォームに基づいて表示されるホームページ作成用フォームの一例を示す図である。
【図10】図1のWebサーバからクライアント端末へ送信されるデータに基づいて表示される画面の一例を示す図である。
【図11】図1のWebサーバからクライアント端末へ送信されるデータに基づいて表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のデータ作成支援システムの一実施の形態に係るホームページ作成支援システム10について図面を参照しながら説明する。しかしながら、本発明に係るデータ作成支援システムは、このホームページ作成支援システム10の実施の形態に限定されるものではない。
【0015】
(ホームページ作成支援システム10のシステム構成)
図1は、本発明のデータ作成支援システムの一実施の形態に係るホームページ作成支援システム10の全体構成を含む図である。図1に示すように、ホームページ作成支援システム10は、1以上のコンピュータがLAN(Local Area Network)で接続されて構成され、例えば、Webサーバ12、Webアプリケーションサーバ14、およびデータベースサーバ16を備えている。また、ホームページ作成支援システム10は、クライアント端末20と所定のネットワーク30(たとえば、インターネットなどのネットワーク)およびファイアウォール40を介して接続されている。なお、ファイアウォール40は、IPアドレス、またはポート番号におけるフィルタリングを行うことが可能なコンピュータ又はソフトウェアである。
【0016】
Webサーバ12は、クライアント端末20にインストールされているクライアントソフトウェア(たとえば、Webブラウザなど)との間でHTML、DHTML(Dynamic HTML)、XML(Extensible Markup Language)などにより記述されたWebページ情報をHTTP(Hypertext Transfer Protocol)によって配信する機能を有する。また、Webサーバ12は、Webアプリケーションサーバ14あるいはデータベースサーバ16による処理の結果として出力される情報などをHTTPによって配信する機能を有する。また、Webサーバ12は、クライアント端末20にインストールされているクライアントソフトウェアからの要求に応じて、Webアプリケーションサーバ14またはデータベースサーバ16が有する特定のプログラムを起動させて、クライアント端末20から送信される要求に合致した特定の処理を実行させる機能を有する。
【0017】
Webアプリケーションサーバ14は、Webサーバ12が受信したクライアント端末20から処理要求に応じたWebアプリケーションを起動して、特定の処理を行って、その処理結果をWebサーバ12へ出力する機能を有する。本実施例におけるWebアプリケーションには、特定の外国語への翻訳処理機能を有し、クライアント端末20から受信したテキストデータに含まれる文章(文字データ)を翻訳するアプリケーションを実現するプログラム(以下、翻訳処理プログラムという)と、クライアント端末20で作成したWebページの公開条件、評価などを設定するアプリケーションを実現するプログラム(以下、公開設定プログラムという)とが含まれている。なお、本実施例のWebアプリケーションサーバ14は、翻訳処理プログラムおよび公開設定プログラムが少なくとも含まれているものとするが、本発明において、これらのいずれか一方のみを有するWebアプリケーションサーバ14としてもよい。
【0018】
データベースサーバ16は、Webサーバ12が受信したクライアント端末20から処理要求に応じて、不図示のデータベースに蓄積された情報を検索する機能、検索結果をWebサーバ12へ出力する機能、所定のデータベースに情報を記憶する機能などを有する。
【0019】
図1に示すように、本実施例に示すWebサーバ12、Webアプリケーションサーバ14、およびデータベースサーバ16は、それぞれ別のコンピュータにより構成されているが、これら複数のサーバ機能を備える単一のコンピュータより構成されるものとしてもよい。また、ホームページ作成支援システム10は、ファイアウォール40の機能を有するサーバを含んで実現するようにしてもよい。また、本実施例において、クライアント端末20をホームページ作成支援システム10に含めることとしてもよい。
【0020】
(各装置のハードウェア構成)
図2は、図1に示すWebサーバ12、Webアプリケーションサーバ14、データベースサーバ16およびクライアント端末20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
Webサーバ12、Webアプリケーションサーバ14、データベースサーバ16およびクライアント端末20は、CPU(Central Processing Unit)22と、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置(メモリ)24と、ハードディスクなどの外部記憶装置26と、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力インタフェース28と、ディスプレイ、スピーカなどの出力インタフェース32と、LANボードなどの通信インタフェース34がシステムバス36を介してそれぞれ電気的に接続されている。Webサーバ12、データベースサーバ16、Webアプリケーションサーバ14およびクライアント端末20の各CPU22は、外部記憶装置26に記憶されたOS、その他のプログラムを主記憶装置24に読み出して実行することにより、後述の各種処理をそれぞれ実現する。
【0022】
(ホームページ作成支援システム10の機能構成)
図3は、図1に示すホームページ作成支援システム10の主な機能構成を説明するための図である。図3に示すように、ホームページ作成支援システム10は、通信部42と、制御部44と、記憶部46とから構成される。なお、通信部42は、図2に示した通信インタフェース34に相当するため、その説明を省略する。
【0023】
制御部44は、情報送受信制御部44A、プログラム起動制御部44B、データベース制御部44Cを主要な構成要素としている。なお、情報送受信制御部44Aは、図1に示すWebサーバ12により実現される機能と、プログラム起動制御部44Bは、図1に示すWebアプリケーションサーバ14により実現される機能と、データベース制御部44Cは、図1に示すデータベースサーバ16により実現される機能とそれぞれ対応している。
【0024】
情報送受信制御部44Aは、クライアント端末20にインストールされたWebブラウザからの処理要求を受け、プログラム起動制御部44Bにその処理の実行を依頼する。情報送受信制御部44Aから処理を依頼されたプログラム起動制御部44Bは、記憶部46に記憶されているプログラム(たとえば、翻訳処理プログラム46C、公開設定プログラム46Dなど)を起動して、その処理を実行させる。そして、プログラム起動制御部44Bにより起動されたプログラムは、データベース制御部44Cを介して各種データベース46Eに接続し、情報の登録、変更、削除などの各種処理を実行する。そして、プログラム起動制御部44Bにより起動されたプログラムが実行することによって得られた情報は、情報送受信制御部44Aを介してクライアント端末20にインストールされたWebブラウザへ送信されたり、その情報が各種データベース46Eに反映されたりする。
【0025】
記憶部46には、Webページ作成プログラム46A、メモリ共有プログラム46B、翻訳処理プログラム46C、公開設定プログラム46Dおよび各種データベース46Eが記憶されている。なお、Webページ作成プログラム46A、メモリ共有プログラム46B、翻訳処理プログラム46C、公開設定プログラム46Dおよび各種データベース46Eについての詳細は後述する処理と共に説明する。なお、図3に示す各種データベース46Eは、図2に示す外部記憶装置26ではなく、たとえば、同一のLAN内に接続される不図示のNAS(Network Attached Storage)などのストレージ装置を設けて、このNASに各種のデータベース46Eが構築され、データベースサーバ16がそのNASに接続することで各種データベース46Eを利用できるように構成してもよい。
【0026】
図4は、図1に示すクライアント端末20の主な機能構成を説明するための図である。図4に示すように、クライアント端末20は、通信部52、制御部54、表示部56、入力部58、プログラム記憶領域60、一時記憶領域62を主要な構成要素とする。なお、図4に示す通信部52は、表示部56、入力部58は、図2に示す通信インタフェース34、出力インタフェース32、入力インタフェース28にそれぞれ相当するため、説明を省略または適宜簡略化する。
【0027】
制御部54は、情報送受信制御部54A、情報入出力制御部54B、および情報表示制御部54Cを主要な構成要素としている。なお、情報送受信制御部54A、情報入出力制御部54B、および情報表示制御部54Cは、図2に示すCPU22がWebブラウザプログラム60Aを主記憶装置24に読み込んで起動することにより実現される。
【0028】
プログラム記憶領域60は、図2に示す外部記憶装置26に設けられている。プログラム記憶領域60には、Webブラウザプログラム60A、アプリケーションプログラム60B、OS,API(Application Programming Interface)60Cが記憶されている。
【0029】
一時記憶領域62は、図2に示す主記憶装置24に設けられている。一時記憶領域62には、アプリケーションプログラム60Bを用いて作成されたテキストデータ62A(文字データ)、画像データ62Bが記憶されている。なお、図4ではテキストデータ62A(文字データ)、画像データ62Bの両方が記憶されている例を図示したが、アプリケーションプログラム60Bを用いて作成されるデータは、テキストデータ62A(文字データ)および画像データ62Bのいずれか一方であってもよい。
【0030】
図5は、図1に示すクライアント端末20とWebサーバ12との間における通信処理の流れを説明するフローチャートである。
【0031】
Webサーバ12は、ホームページ作成用のデータ(以下、ホームページ作成用のデータを「HTMLフォーム」という)についての送信リクエストがクライアント端末20の情報送受信制御部54Aから送信されると(S10)、そのクライアント端末20にHTMLフォームなどを送信する(S12)。この結果、クライアント端末20の情報表示制御部54Cにより、ディスプレイなどの出力インタフェース32に、ホームページ作成用フォーム70が表示される(S14)。
【0032】
図6は、図1のWebサーバ12からクライアント端末20へ送信されるHTMLフォームに基づいて表示されるホームページ作成用フォーム70の一例を示す図である。なお、S12において、図6に示すホームページ作成用フォーム70を構成するHTMLフォーム以外に送信されるデータには、たとえば、Java(登録商標)Scriptなどのスクリプト言語によって記述されたライブラリを含むWebページ作成プログラム46A、メモリ共有プログラム46B(図3)などがある。
【0033】
クライアント端末20の情報送受信制御部54Aは、Webページ作成プログラム46Aに従い、所定のプログラムが記憶されているか否かをチェックする(S16)。情報送受信制御部54Aは、所定のプログラムが存在しないことが判明した場合、その所定のプログラムの送信要求をWebサーバ12に送信する(S18)。そして、情報送受信制御部54Aは、Webサーバ12から所定のプログラムが送信されると(S20)、これを外部記憶装置26の所定の領域に記憶する(S22)。ここで、所定のプログラムとしては、編集用プログラム、送信用プログラム、および添付ファイル用プログラムがある(詳細は後述する)。なお、Webページ作成プログラム46Aがクライアント端末に送信されるタイミングで編集用プログラム、送信用プログラム、および添付ファイル用プログラムも同時に送信されるようにしてもよい。
【0034】
クライアント端末20では情報入出力制御部54Bにより編集用プログラムが起動され(S24)、ユーザは編集画面72を通じて画像データ、テキストデータの入力、または編集作業が実行される(S26)。また、ユーザがホームページ上にファイルのダウンロードコーナーの設置を希望する場合、添付ファイル用プログラムが起動され(S28)、任意のファイルが選択される(S30)。そして、ユーザがホームページ作成用フォーム70上で編集結果の登録を選択すると、送信用プログラムが起動し(S32)、編集済の画像データ、テキストデータ、または添付ファイルをWebサーバ12に送信する(S34)。
【0035】
Webサーバ12は、送信された画像データに基づいてJPEGなどの画像ファイルを生成する(S36)。そして、Webサーバ12は、この画像ファイルおよび送信されたテキストデータに基づいてHTMLファイルを生成し(S38)、所定のディレクトリに保存する。つぎにWebサーバ12は、上記の画像ファイルおよび添付ファイルをWebアプリケーションサーバ14に送信すると共に(S40)、各ファイルの記憶先を示すパス名(URL)をデータベースサーバ16によって各種データベース46Eのうちの所定のデータベースに登録する(S42)。
【0036】
クライアント端末20側で編集されたホームページのアップロードが完了すると、各クライアント端末20からの閲覧が可能となる。すなわち、ユーザがクライアント端末20にインストールされたWebブラウザプログラム60Aを使用して、ホームページのURLを入力すると、Webサーバ12からHTMLファイルが送信されると同時に、必要な画像ファイルがクライアント端末20に送信され、目的のホームページがディスプレイなどの出力インタフェース32に表示される。また、このホームページに表示される添付ファイルボタンをユーザがクリックすると、Webサーバ12は、Webアプリケーションサーバ14へ対応の添付ファイルを送信し、外部記憶装置26に記憶される。
【0037】
(詳細な編集手順の説明)
図7および図8は、クライアント端末20におけるホームページの作成手順を示すフローチャートである。まず、クライアント端末20にインストールされたWebブラウザプログラム60Aにより、ホームページ作成用フォーム70がディスプレイなどの出力インタフェース32に表示されると同時に(S50)、Webサーバ12からダウンロードしたWebページ作成プログラム46Aおよびメモリ共有プログラム46Bが起動する(S52)。
【0038】
このWebページ作成プログラム46Aおよびメモリ共有プログラム46Bは、たとえば、ActiveX(登録商標)コントロールより構成される。ここでActiveX(登録商標)コントロールとは、米国Microsoft(登録商標)社が開発したソフトウェアの部品化技術であり、従来OLE(Object Linking and Embedding)コントロールと呼ばれていた技術に、インターネットに対応するための拡張を施したものを意味する。ActiveX(登録商標)コントロールはネットワーク30を通じてWebサーバ12からダウンロードされ、同社のWebブラウザであるInternet Explorer(登録商標)に機能を追加する形で使用される。また、OLEとは、Windows(登録商標)OSにおいて、各種アプリケーションプログラムソフト間で主記憶装置24に記憶されているデータを転送、または共有するための仕組みを指している。なお、Webページ作成プログラム46Aおよびメモリ共有プログラム46Bは、上述したActiveX(登録商標)コントロール以外のもので構成されてもよい。
【0039】
つぎにユーザが、編集画面72の挿入ボタン74をクリックし、不図示のプルダウンメニューから「画像」を選択すると(S54)、編集画面72内に画像編集領域76が表示される(S56)。この際ユーザは、編集画面72内に複数の画像編集領域76を表示させることもできる。ここでユーザが任意の画像編集領域76を選択し、マウスなどの入力インタフェース28を右クリックすることにより表示されるメニューの中から「貼り付け」を選択すると(S58)、Webページ作成プログラム46Aはクリップボード(主記憶装置24)に一時的に記憶された画像データを取り出し、画像編集領域76内に挿入(表示)させる(S60)。
【0040】
これに対しユーザは、選択された画像編集領域76の四隅および各辺の中点に現れる小さな矩形状のハンドルをマウスなどの入力インタフェース28を使用してドラッグすることにより、拡大、縮小、縦横比の変更といった簡単な編集作業を行うことができる。また、ユーザは、マウスなどの入力インタフェース28を使用して右クリックメニューを開き、回転、反転などの編集作業を行うことができる。
【0041】
つぎにユーザが、編集画面72の挿入ボタン74をマウスなどの入力インタフェース28を使用してクリックし、不図示のプルダウンメニューから「テキスト」を選択すると(S62)、編集画面72内にテキスト編集領域78が表示される(S64)。この場合もユーザは、編集画面72内に複数のテキスト編集領域78を表示させることができる。これに対しユーザは、任意のテキスト編集領域78をマウスなどの入力インタフェース28を使用してダブルクリックして入力待ち状態とした上で、キーボードなどの入力インタフェース28を使用して文字列を入力する(S66)。またユーザは、ホームページ作成用フォーム70内に設けられた各種の文字入力領域80に対して、ホームページのタイトルやカテゴリ、添付ファイルの名称、コメントなどの文字列を打鍵入力する。
【0042】
つぎにユーザが、ホームページ作成用フォーム70内に設けられた添付ファイル欄の参照ボタン82をクリックすると(S68)、添付ファイル用プログラムが起動し(S70)、ファイル選択ダイアログ(図示省略)をディスプレイなどの出力インタフェース32に表示させる(S72)。この添付ファイル用プログラムも、たとえば、ActiveX(登録商標)コントロールによって構成されるが、それ以外のものであってもよい。これに対しユーザが、外部記憶装置26内の所定ディレクトリに記憶された特定ファイルを選択すると(S74)、添付ファイル用プログラムは添付ファイル60を外部記憶装置26から取得する(S76)。
【0043】
つぎにユーザがホームページ作成用フォーム70内に設けられたプレビューボタン84をクリックすると(S78)、Webページ作成プログラム46Aは、画像編集領域76に表示された主記憶装置24に画像データをJPEGなどのファイルに書き出し、外部記憶装置26の所定領域にこの画像ファイルを記憶する(S80)。つぎにWebページ作成プログラム46Aは、ユーザの編集内容を反映させたHTMLファイルを生成し(S82)、Webブラウザプログラム60Aを介してディスプレイなどの出力インタフェース32にプレビュー画面(図示省略)を表示させる(S84)。この結果、ユーザは作成途中のホームページのイメージを容易に確認することができる。このHTMLファイル中には、上述した画像ファイルへのリンク情報も埋め込まれているため、プレビュー画面においては編集中の画像イメージも表示される。
【0044】
内容の確認を行った後、ユーザがプレビュー画面の閉じボタンをクリックすると(S86)、プレビュー画面が閉じると同時に、Webページ作成プログラム46Aによって上記の画像ファイル62がクライアント端末の外部記憶装置26上から削除される(S88)。この後ユーザは、元のホームページ作成用フォーム70に戻り、画像や文字の編集を続けることができる。なお、S88の画像ファイルを削除する処理がなくてもよい。
【0045】
ホームページの編集を終了したユーザが登録ボタン86をクリックすると(S90)、送信用プログラムが起動し(S92)、Webページ作成プログラム46AからHTMLフォーム70を通じて入力されたテキストデータと画像データを取得する共に、添付ファイル用プログラムからユーザが選択した添付ファイル60を取得する(S94)。つぎに送信用プログラムは、HTTPプロトコルに従い、各データおよびファイルをWebサーバ12に送信する(S96)。この送信用プログラムも、たとえば、ActiveX(登録商標)コントロールによって構成されるが、それ以外のものであってもよい。
【0046】
(翻訳処理)
図7および図8で説明した編集手順において、たとえば、テキスト編集領域78に入力された日本語の文章を所定の言語(たとえば、英語、中国語など)へ翻訳したい場合に、ユーザが翻訳ボタン75をクリックすると、そのテキスト編集領域78に入力された文字データがWebサーバ12へ送信され、Webアプリケーションサーバ14の翻訳処理プログラム46Cが起動される。起動された翻訳処理プログラム46Cによって所定の言語へ翻訳され、その翻訳されたテキスト情報を受け取ったWebサーバ12が、そのテキスト情報をクライアント端末20へ送信すると、図9に示すように、テキスト編集領域78に翻訳された中国語の文章が表示される。これにより、同じデザインで文章のみが他の言語へ翻訳された画面を容易に作成でき、複数の言語に対応したホームページを容易に作成したい場合には便利なものとなる。
【0047】
(公開、評価の設定処理)
図7および図8で説明した編集手順において、たとえば、作成したWebページを特定のユーザ(たとえば、同一会社に属する自分の上司など)にのみ公開し、評価をしてもらいたい場合、登録ボタン86をクリックして、Webサーバ12へ登録要求が送信されると、公開設定プログラム46Dが起動される。起動された公開設定プログラム46Dによって、たとえば、その作成したWebページへの接続を許可するユーザを設定する画面(不図示、以下、「接続許可設定画面」という。)、その作成したWebページの重要度を設定できる画面(不図示、以下、「重要度設定画面」という。)を表示するための情報がそれぞれ生成される。Webサーバ12は、Webアプリケーションサーバ14から受信した、それらの画面を表示するための情報をクライアント端末20へ送信する。クライアント端末20のWebブラウザプログラム60Aは、Webサーバ12から送信された情報に基づいて接続許可設定画面および重要度設定画面を表示する。そして、Webページを作成したユーザは、それらの画面の表示事項に従って、特定のユーザに対するアクセス許可および作成したWebページの重要度を設定することができる。なお、接続許可設定画面および重要度設定画面は、一つの画面内に表示されてもよいし、遷移するように順番に表示されてもよい。
【0048】
このようにWebページに対して設定された情報は、各種データベース46に含まれる特定のデータベースに登録され、その登録された設定情報に基づいて、Webサーバ12がそのWebページを公開する。そして、Webサーバ12が、接続要求を送信してきたクライアント端末20に対して認証画面(不図示)を送信し、その認証画面において入力された認証情報に基づいて、接続が許可されたWebページのリスト情報と、そのリスト情報に含まれるWebページの重要度を示す情報とが含まれる画面(たとえば図10の重要度という項目)を表示する。このように、接続が許可されたWebページについての重要度を明示することで、明示された重要度に応じて、閲覧するか否かを容易に決定することができる。
【0049】
また、Webサーバ12は、クライアント端末20からの要求に応じて、Webアプリケーションサーバ14の公開設定プログラム46Dを起動させて、作成されたWebページの評価、コメントを登録できるウィンドウ(たとえば、図11の画面90)を生成する、または評価されたWebページの一覧を表示するウィンドウ(たとえば、図11の画面91)を生成し、クライアント端末20のディスプレイなどの出力インタフェースへ表示させることができる。このように、作成されたWebページについての評価、コメントなどを登録できるようにすることで、これらの情報を、そのWebページの作成者側へ簡単にフィードバックすることができる。
【0050】
なお、公開設定プログラム46Dの機能によって、公開するWebページの公開時期をユーザがクライアント端末20を操作して指定できるようにしてもよい。さらに、作成したWebページについて、所定のブラウザで閲覧したときに表示される画面について公開設定プログラム46Dによってプレビューできる機能を有するようにしてもよい。具体的には、図6に示すプレビューボタン84がクリックされた場合に、公開設定プログラム46Dによってブラウザを選択できる画面(不図示)を生成し、その画面において表示されるブラウザ(バージョンも含む)を指定してもらうようにする。そして、公開設定プログラム46Dによって、指定されたブラウザによりそのWebページを実際に表示させ、その表示させた画面情報のみをクライアント端末20側に提示するようにしてもよい。これにより、ユーザは、作成したWebページの実際の出来栄えを様々なブラウザで確認することができるようになる。
【0051】
(変形例)
以上、本発明のデータ作成支援システムの一実施の形態としてのホームページ作成支援システム10を説明したが、本発明のデータ作成支援システムは上述した実施例に限定されない。たとえば、翻訳ボタン75がクリックされた場合、テキスト編集領域78に入力された日本語の文章以外に、文字入力領域80に入力された文章についても翻訳するようにしてもよい。また、Webページ作成用プログラム46Aに翻訳する言語が使用される国または地域において不適切とされる色が含まれているか否かを判定する機能を追加し、翻訳ボタン75がクリックされて翻訳処理がなされる際に、自動的にその判定を行って、不適切であると判定された場合に他の色へ変換する、またはその色が不適切である可能性があることを示す文章が記載されたウィンドウ画面をポップアップすることよりユーザに対してその旨を警告するようにしてもよい。
【0052】
また、たとえば、図6、図9に示した編集画面72においてヘッダー、フッターを持たせるようにしてもよい。これにより、たとえば、米国Microsoft(登録商標)社のWORD(登録)が有する機能と同様にヘッダー、フッター領域を使用して、日時情報、ページ数情報を追記するなどの様々な作業を行うことが可能となる。
【0053】
また、たとえば、図6、図9に示したホームページ作成用フォーム70において、プレビューボタン84、登録ボタン86に加えて、作成したHTMLファイルを仮保存できる仮保存ボタン(不図示)を設けるようにしてもよい。これにより、同じようなデザインのHTMLファイルを複数作成する必要が有る場合(たとえば、季節によりWebページを変更するような場合)に、共通するデザイン部分を仮保存しておくことで、容易にこれを流用することができ、便利なものとなる。
【0054】
また、たとえば、小売販売を業として行うユーザが商品陳列をした画面情報を作成する際に、陳列する棚毎に画像データを容易に貼り付けることができるように、陳列する棚と同様の配置構成を有する画像編集領域76が設けられた編集画面72を生成するようにしてもよい。
【0055】
本発明のデータ作成支援システムの一実施の形態に係るホームページ作成支援システム10にあっては、上記のようにWebページ作成プログラム46Aがたとえば、OLE機能を有したActiveX(登録商標)コントロールによって構成されているため、Webブラウザベースでホームページを編集中に、他のアプリケーションプログラムによって作成され、クリップボードに一時的に記憶された画像データ、文字データを、ファイルに書き出すまでもなく画像編集領域76内に直接貼り付けることが可能となり、編集効率を飛躍的に高めることができる。
【0056】
なお、Webサーバ12、Webアプリケーションサーバ14、およびデータベースサーバ16は、上述したホームページ作成支援システム10を構成する各装置であり、各装置を発明の一態様として捉えることも可能である。また、上述したホームページ作成支援システム10を構成する各装置として機能させるためのプログラム(第1のプログラムの一例としてのWebページ作成プログラム46A、第2のプログラムの一例としてのメモリ共有プログラム46B、翻訳処理プログラム46C、および公開設定プログラム46D)は、各装置が奏する効果と同様の効果を奏することができるため、これを発明の一態様として捉えることも可能である。また、上述した各装置により実行される動作の全てまたは一部は、データ作成支援方法としても捉えることが可能であり、そのようなデータ作成支援方法は、各装置が奏する効果と同様の効果を奏することができるため、これを発明の一態様として捉えることも可能である。
【符号の説明】
【0057】
10 ホームページ作成支援システム(データ作成支援システムの一例)、12 Webサーバ、14 Webアプリケーションサーバ、16 データベースサーバ、20 クライアント端末、22 CPU、24 主記憶装置、26 外部記憶装置、28 入力インタフェース、30 ネットワーク、32 出力インタフェース、 34通信インタフェース、40 ファイアウォール、42 通信部、44制御部、44A 情報送受信制御部(第1の送信制御部、第2の送信制御部の一例)、44B プログラム起動制御部(翻訳処理部の一例)、44C データベース制御部、46記憶部、46A Webページ作成プログラム(第1のプログラムの一例)、46B メモリ共有プログラム(第2のプログラムの一例)、46C 翻訳処理プログラム、46D 公開設定プログラム、46E 各種データベース、52 通信部、54 制御部、54A 情報送受信制御部、54B 情報入出力制御部、54C 情報表示制御部、56 表示部、58 入力部、60 プログラム記憶領域、60A Webブラウザプログラム、60B アプリケーションプログラム、60C OS,API、62 一時記憶領域、62A テキストデータ、62B 画像データ、70 ホームページ作成用フォーム、72 編集画面、74 挿入ボタン、75 翻訳ボタン、76 画像編集領域、78 テキスト編集領域、80 文字入力領域、82 参照ボタン、84 プレビューボタン、86 登録ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント端末においてWebページを構成するデータを生成する第1のプログラムと、
前記クライアント端末の一時的な記憶領域であるメモリに記憶されている画像データおよび文字データ、または前記メモリに記憶されている前記文字データを抽出する第2のプログラムと、
前記クライアント端末からの要求に応じて、前記第1のプログラム、前記第2のプログラム、および前記Webページを作成するための情報を送信する第1の送信制御部と、
前記クライアント端末から前記Webページの公開対象とするユーザ、公開期間、および重要度を示す情報のいずれか1つ、または複数が送信されてきた場合、その送信されてきた情報に基づいて、前記Webページの公開対象とするユーザ、公開期間、および重要度を示す情報のいずれか1つ、または複数を設定するデータベース制御部とを有することを特徴とするデータ作成支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ作成支援システムであって、
前記クライアント端末が、前記第2のプログラムによって前記メモリに一時的に記憶された前記文字データを抽出すると共に、その抽出した前記文字データを所定の言語へ翻訳する処理要求を送信してきた場合、前記文字データを前記所定の言語に翻訳する翻訳処理部と、
前記翻訳処理部により翻訳された前記文字データを前記クライアント端末へ送信する第2の送信制御部と、
を有することを特徴とするデータ作成支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ作成支援システムであって、
前記第1のプログラムは、
前記クライアント端末を、前記翻訳処理部により翻訳された文字データを、前記第1の送信制御部から送信されたWebページを構成するための情報に基づいて表示される編集画面の所定領域に表示させる表示制御部として機能させることを特徴とするデータ作成支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−203619(P2012−203619A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67207(P2011−67207)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】