データ再生回路およびデータ再生装置
【課題】 デジタルPLLを用いながら、処理速度の高速化を円滑に図り得るデータ再生回路およびデータ再生装置を提供する。
【解決手段】 ADC30から出力されるデジタルデータは、一旦、メモリ70に格納された後、デジタルPLL41、デジタルイコライザ51および2値化回路61からなる第1の信号処理系と、デジタルPLL42、デジタルイコライザ52および2値化回路62からなる第2の信号処理系にデータユニット毎に順番に出力され、第1の信号処理系と第2の信号処理系によって並列的に処理される。このため、A/Dサンプリングするための固定クロックよりも数段低い周波数の動作クロックにて、第1の信号処理系と第2の信号処理系を動作させることができる。この動作クロックの周波数f2は、最も低くは、固定クロックの周波数f1の1/2をやや越える程度とすることができる。
【解決手段】 ADC30から出力されるデジタルデータは、一旦、メモリ70に格納された後、デジタルPLL41、デジタルイコライザ51および2値化回路61からなる第1の信号処理系と、デジタルPLL42、デジタルイコライザ52および2値化回路62からなる第2の信号処理系にデータユニット毎に順番に出力され、第1の信号処理系と第2の信号処理系によって並列的に処理される。このため、A/Dサンプリングするための固定クロックよりも数段低い周波数の動作クロックにて、第1の信号処理系と第2の信号処理系を動作させることができる。この動作クロックの周波数f2は、最も低くは、固定クロックの周波数f1の1/2をやや越える程度とすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ再生回路およびデータ再生装置に関するものであって、特に、デジタルPLL(Phase Lock Loop)の処理速度を高速化する際に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
ディスク再生装置のPLLとして、従来より、アナログ方式のPLLが用いられている。しかし、アナログ方式のPLLは、ノイズによる影響を受け易く、また、温度変化等の環境変化に弱いといった欠点を有している。これに対し、デジタル方式のPLLは、ノイズによる影響を受け難く、温度変化等の環境変化にも特性が左右され難い。また、高集積化を図りやすくLSIに実装する際に有利であるとのメリットを有している。
【0003】
図15に、デジタルPLLを内蔵するディスク再生装置の構成例を示す。
【0004】
ディスク1に記録されたデータは、光ピックアップ2によって読み取られる。光ピックアップ2は、ディスク1からの反射光を光検出器にて受光して再生RF信号を生成し、生成した再生RF信号を増幅回路10に出力する。
【0005】
増幅回路10は、光ピックアップ2から供給される再生RF信号を増幅してアナログBPF20に出力する。アナログBPF20は、再生RF信号のノイズ成分を除去してADC30に出力する。ADC30は、固定クロック(周波数:f1)に応じて再生RF信号をサンプリングし、サンプル値をデジタルデータに変換してデジタルPLL40に出力する。
【0006】
デジタルPLL40は、ADC30から入力されるデジタルデータに補間処理を施して、適正サンプリングタイミングにおけるデジタルデータ(リサンプルデータ)を生成し、生成したリサンプルデータをデジタルイコライザ50に出力する。
【0007】
デジタルイコライザ50は、デジタルPLL40から供給されるリサンプルデータに波形等化処理を施して2値化回路60に出力する。2値化回路60は、デジタルイコライザ50から供給されたリサンプルデータを復号して1、0の2値化データを生成出力する。ここで、2値化回路60は、復号処理として、たとえば、ビタビ復号処理を実行する。
【特許文献1】特許第333609号公報
【特許文献2】特開2000−149436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、光ディスクおよびそのドライブ装置においては、ディスクの高密度化および高容量化とともに、再生速度の高速化(4倍速、8倍速、等)が求められている。再生速度の高速化は、特に、PC(Personal Computer)用途としてドライブ装置を用いる場合に、高い付加価値を与える。
【0009】
しかし、このように高速化を図ろうとする場合、デジタルPLLの処理速度が一つの問題となる。デジタルPLLでは、データ補間処理において多値演算が行われるため、演算コストが大きくなる。特に、IIR型(帰還型)のループフィルタを用いて位相差データのフィルタリングを行うと、ループフィルタの演算コストがかなり大きくなり、動作クロックの周波数を大きく引き上げることができない。このため、PLLにおける処理の高速化が阻害される。
【0010】
そこで、本発明は、デジタルPLLを用いながら、処理速度の高速化を円滑に図り得るデータ再生回路およびデータ再生装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題に鑑み本発明は、それぞれ以下の特徴を有する。
【0012】
第1の発明は、デジタルPLLを用いるデータ再生回路において、A/D(Analog to Digital)変換されたデジタルデータを格納するメモリと、前記メモリから読み出されたデジタルデータに位相情報に基づく補間処理を施して正規のサンプリングタイミングにおけるデジタルデータを取得する複数のデジタルPLLと、前記メモリに格納されたデジタルデータを所定のデータユニットずつ順次前記複数のデジタルPLLに振り分けて供給する制御回路とを有することを特徴とする。
【0013】
第2の発明は、第1の発明に係るデータ再生回路において、前記制御回路は、前記一のデジタルPLLにて処理される前記データユニットを当該デジタルPLLに供給するに先立って当該データユニットの直前のデータユニットの一部を当該デジタルPLLに供給することを特徴とする。
【0014】
第3の発明は、第2の発明に係るデータ再生回路において、前記制御回路は、前記直前のデータユニットの終端部のデジタルデータを前記一のデジタルPLLに供給することを特徴とする。
【0015】
第4の発明は、第1ないし第3の発明のうち何れか一つの発明に係るデータ再生回路において、前記一のデジタルPLLにて用いられる位相情報を、当該デジタルPLL以外の他のデジタルPLLにおける初期の位相情報として用いることを特徴とする。
【0016】
第5の発明は、第4の発明に係るデータ再生回路において、前記一のデジタルPLLにて用いられる位相情報を、当該デジタルPLLにて処理される前記データユニットに続くデータユニットを処理するデジタルPLLの初期の位相情報として用いることを特徴とする。
【0017】
第6の発明は、デジタルPLLを内蔵するデータ再生装置において、A/D(Analog to Digital)変換されたデジタルデータを格納するメモリと、前記メモリから読み出されたデジタルデータに位相情報に基づく補間処理を施して正規のサンプリングタイミングにおけるデジタルデータを取得する複数のデジタルPLLと、前記メモリに格納されたデジタルデータを所定のデータユニットずつ順次前記複数のデジタルPLLに振り分けて供給する制御回路と、前記複数のデジタルPLLから出力されるデジタルデータを処理して1系統の2値化データを生成する信号処理回路とを有することを特徴とする。
【0018】
第7の発明は、第6の発明に係るデータ再生装置において、前記制御回路は、前記一のデジタルPLLにて処理される前記データユニットを当該デジタルPLLに供給するに先立って当該データユニットの直前のデータユニットの一部を当該デジタルPLLに供給することを特徴とする。
【0019】
第8の発明は、第7の発明に係るデータ再生装置において、前記制御回路は、前記直前のデータユニットの終端部のデジタルデータを前記一のデジタルPLLに供給することを特徴とする。
【0020】
第9の発明は、第6ないし第8の発明のうち何れか一つの発明に係るデータ再生装置において、前記一のデジタルPLLにて用いられる位相情報を、当該デジタルPLL以外の他のデジタルPLLにおける初期の位相情報として用いることを特徴とする。
【0021】
第10の発明は、第9の発明に係るデータ再生装置において、前記一のデジタルPLLにて用いられる位相情報を、当該デジタルPLLにて処理される前記データユニットに続くデータユニットを処理するデジタルPLLの初期の位相情報として用いることを特徴とする。
【0022】
第11の発明は、第6ないし第10の発明のうち何れか一つの発明に係るデータ再生装置において、前記信号処理回路は、前記複数のデジタルPLLに対応して配された複数のデジタルイコライザを有することを特徴とする。
【0023】
第12の発明は、第11の発明に係るデータ再生装置において、前記信号処理回路は、前記複数のデジタルイコライザに対応して配された複数の2値化回路を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、複数のデジタルPLLによって並列的に処理が行われるため、それぞれのデジタルPLLに入力される動作クロックの周波数を、A/Dサンプリング周波数に比べて数段低く設定することができる。たとえば、2つのデジタルPLLを配する場合には、A/Dサンプリング周波数の1/2をやや越える程度にまで、デジタルPLLの動作クロック周波数を低減させることができる。
【0025】
従って、本発明によれば、ディスク再生装置の倍速化に応じて円滑に、PLLの処理速度を高めることができる。
【0026】
また、第2、第3の発明および第7、第8の発明の発明によれば、処理対象のデータユニットを処理するに先立ってPLLの位相引き込みが行われるため、処理対象のデータユニットに対する処理を安定化させることができる。特に、第3および第8の発明によれば、直前のデータユニットの終端部のデジタルデータを用いて位相引き込みが行われるため、処理対象のデータユニットに対する処理に移行する際には、それに応じた位相に引き込みがなされている。よって、処理対象のデータユニットに対する処理を当初から安定して行うことができる。
【0027】
さらに、第4、第5の発明および第9、第10の発明の発明によれば、一のデジタルPLL回路にて取得した位相情報を、他のデジタルPLLにおける初期位相として用いることにより、位相引き込みの迅速化を図ることができる。特に、一のデジタルPLL回路にて取得した位相情報を、次のデータユニットを処理するデジタルPLLの初期位相として用いる場合には、適正位相に対する初期位相の誤差を小さく抑えることができるため、さらなる位相引き込みの迅速化を図ることができる。
【0028】
本発明の特徴は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。なお、以下の実施の形態には、2つのデジタルPLLを用いて並列処理を行う場合の実施形態が示されている。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を具体化する際の一つの例示であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
【0030】
図1に、実施の形態に係るディスク再生装置の構成を示す。なお、上記従来例で示した図15の構成と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0031】
図において、メモリ70は、メモリコントローラ80からの制御を受けて、ADC30から入力されるデジタルデータを順次記憶する。また、記憶したデジタルデータを、所定単位のデータユニット毎に、デジタルPLL41またはデジタルPLL42の何れか一方に出力する。メモリコントローラ80は、メモリ70に対する書き込み制御を行うとともに、タイミングコントローラ90からの指令に応じて、メモリ70に対する読み出し制御を行う。
【0032】
タイミングコントローラ90は、デジタルPLL41、42に対するデジタルデータの読み出しタイミングを規定する指令をメモリコントローラ80に出力するとともに、デジタルPLL41、デジタルイコライザ51、2値化回路61から構成される第1の信号処理系と、デジタルPLL42、デジタルイコライザ52、2値化回路62から構成される第2の信号処理系に対し、動作タイミングを規定する指令を出力する。さらに、タイミングコントローラ90は、第1の信号処理系(2値化回路61)から入力される2値化データと第2の信号処理系(2値化回路62)から入力される2値化データの何れか一方を選択して一系統化するための、データ選択タイミングを規定する指令をセレクタ100に出力する。
【0033】
セレクタ100は、第1の信号処理系および第2の処理系から入力される2値化データをバッファリングするとともに、タイミングコントローラ90からの指令に応じて何れか一方のデータを選択し、これらを1系統化して、後段回路(復調回路、等)に出力する。
【0034】
デジタルPLL41、デジタルイコライザ51および2値化回路61から構成される第1の信号処理系と、デジタルPLL42、デジタルイコライザ52および2値化回路62から構成される第2の信号処理系は、上記図15におけるデジタルPLL40、デジタルイコライザ50および2値化回路60から構成される信号処理系と同様の処理を行う。
【0035】
なお、本実施の形態では、後述の如く、第1の信号処理系と第2の信号処理系によって並列的に信号処理が行われる。このため、A/Dサンプリングするための固定クロックよりも数段低い周波数の動作クロックにて、第1の信号処理系と第2の信号処理系を動作させることができる。すなわち、第1の信号処理系と第2の信号処理系に入力される動作クロックの周波数f2は、固定クロックの周波数f1に比べて、f2<f1となっている。この動作クロックの周波数f2は、最も低くは、f1/2をやや越える程度とすることができる。
【0036】
図2に、デジタルPLL41とデジタルPLL42の構成を示す。
【0037】
デジタルPLL41、42は、それぞれ、データ補間回路411、421、デジタル位相比較器412、422、ループフィルタ413、423および補間位相情報発生器414、424から構成されている。
【0038】
データ補間回路411、421は、メモリ70から入力されるデジタルデータと、補間位相情報発生器414、424から入力される位相情報(PH2)を用いて、データ補間タイミング(リサンプルタイミング)におけるデータ(リサンプルデータ)を算出し、算出したリサンプルデータをデジタルイコライザ51、52に出力する。
【0039】
デジタル位相比較器412、422は、データ補間回路411、421から供給されるリサンプルデータをもとに、図3に示す如く、再生信号波形のエッジ、すなわち、再生信号波形とスライスレベル(ゼロレベル)の交点位置を判別し、判別したエッジの位置と、これを挟む前後のリサンプルタイミングの中間タイミングとの間の位相差(ΔP)を検出して、これを、ループフィルタ413、423に出力する。
【0040】
ループフィルタ413、423は、位相差データ(ΔP)の高周波成分を遮断して直流化し、これを補間位相情報発生器414、424に出力する。
【0041】
補間位相情報発生器414、424は、ループフィルタ413、423から供給されたデータ(位相差データ)に応じて、上記エッジの位相差を補償するよう、リサンプルタイミングの周期を調整し、調整後のリサンプルタイミングの周期を示す位相情報(PH2)(図3参照)をデータ補間回路411、421に出力する。
【0042】
図4は、データ補間回路411、421における処理動作を示すものである。
【0043】
データ補間回路411、421は、メモリ70から入力されるデジタルデータ(以下、“ADデータ”と称する)と、これを1クロック遅延させたADデータとの間で補間処理を行う。同図では、一連のA/Dデータ(D0、D1、…)のうち、D2−D3間、D5−D6間、D9−D10間、D11−D12間、D14−D15間にて補間が行われ、リサンプルデータが生成されている。
【0044】
図5に、補間処理の具体的内容を示す。
【0045】
補間処理においては、ADデータの各タイミングにおける位相PH0と補間位相情報発生器414、424から供給される位相PH2が大小比較され、その結果に応じて、リサンプルデータが生成される。
【0046】
図5を参照して、たとえば、ADデータ(D0)のタイミングにおける位相PH0がPH0=0であるとすると、次のADデータ(D1)のタイミングにおける位相PH0は、一つ前のADデータ(D0)における位相PH0(=0)に動作クロックの周期PH1を加算したもの(=0+PH1)として求められる。求められた位相PH0は、補間位相情報発生器414、424から供給される位相PH2と比較される。このとき、PH0≦PH2であれば、補間は行われない。図5の場合、ADデータ(D1)のタイミングにおける位相PH0(=0+PH1)は、PH0<PH2であるので、このタイミングにおいては、補間は行われない。
【0047】
次のADデータ(D2)のタイミングにおいても、同様に、このADデータ(D2)のタイミングにおける位相PH0が、一つ前のADデータ(D1)における位相PH0(=0+PH1)に動作クロックの周期PH1を加算したもの(=0+PH1+PH1)として求められ、これが、補間位相情報発生器414、424から供給される位相PH2と比較される。この場合も、ADデータ(D2)のタイミングにおける位相PH0(=0+PH1+PH1)は、PH0<PH2であるので、このタイミングにおいても、補間は行われない。
【0048】
さらに、次のADデータ(D3)のタイミングにおいても、同様に、このADデータ(D3)のタイミングにおける位相PH0が、一つ前のADデータ(D2)における位相PH0(=0+PH1+PH1)に動作クロックの周期PH1を加算したもの(=0+PH1+PH1+PH1)として求められ、これが、補間位相情報発生器414、424から供給される位相PH2と比較される。この場合、ADデータ(D3)のタイミングにおける位相PH0(=0+PH1+PH1+PH1)は、PH0>PH2の関係にあるので、このADデータ(D3)のタイミングにおいて、補間が行われる。
【0049】
この場合、ADデータ(D3)のタイミングにおける位相PH0(=0+PH1+PH1+PH1)から位相PH2が減算され、減算結果(=0+PH1+PH1+PH1−PH2)が、このADデータ(D3)のタイミングにおける位相PH0に再設定される。そして、図5の左上に示すように、D2とD3の値と、PH0とPH1とを用いながら、比例計算によりXが求められ、求めたXをD2に加算して、ADデータ(D3)のタイミングからPH0だけ戻ったリサンプルタイミングにおけるリサンプルデータが求められる。
【0050】
次のADデータ(D4)のタイミングにおいては、一つ前のADデータ(D3)にて求めた位相PH0(=0+PH1+PH1+PH1−PH2)にA/Dクロックの周期PH1が加算され、当該ADデータ(D4)における位相が求められる。そして、上記と同様に、この位相が、補間位相情報発生器414、424から供給される位相PH2と大小比較され、補間の要否が判別される。以下、同様にして、各タイミングにおける処理が行われる。
【0051】
図6に、かかる補間処理の流れを示す。
【0052】
位相PH0がセットされた後(S101)、次のクロックタイミングが到来すると(S102)、位相PH0にクロック周期PH1が加算され、新たな位相PH0がセットされる(S103)。そして、セットされた位相PH0が、補間位相情報発生器414、424から供給される位相PH2と大小比較される(S104)。ここで、PH0>PH2でなければ(S104:N)、S102に戻り、次のクロックタイミングの到来に応じて、PH0=PH0+PH1が実行される(S103)。この処理は、PH0>PH2となるまで実行される(S104)。
【0053】
PH0>PH2となると(S104:Y)、PH0=PH0−PH2が実行され、当該クロックタイミングにおける位相PH0が算出される(S105)。そして、上記の如くして、再設定された位相PH0と、当該リサンプルタイミングの前後のADデータからリサンプルデータが算出される(S106)。S105にて算出された位相PH0は、当該クロックタイミングにおける位相に再設定される(S101)。その後、S102に進み、同様の処理が実行される。
【0054】
次に、第1の処理系と第2の処理系における並列処理について、図7ないし図9を参照して説明する。
【0055】
なお、以下では、各処理系にて処理される一定サイズのADデータの固まりをデータユニットと称する。各データユニットには、便宜上、処理順序を示すための符号(n)が付されている。また、以下では、第1の処理系におけるデジタルPLL41をD−PLL(1)として示し、第2の処理系におけるデジタルPLL42をD−PLL(2)として示す。
【0056】
ディスク1に対するデータ読み出しが開始されると、再生RF信号が順次A/D変換され、図7の(1)に示す如く、メモリ70に対するデータ書き込みが開始される。かかる書き込みによって、メモリ70に一定量のデータが格納されると、メモリ70からデータユニット(0)のADデータが順次D−PLL(1)に出力され、第1の処理系による処理が開始される。
【0057】
しかる後、メモリ70にさらに一定量のデータが書き込まれると、同図の(2)に示す如く、データユニット(0)に続くデータユニット(1)のADデータがメモリ70から順次D−PLL(2)に出力され、第2の処理系による処理が開始される。このとき、データユニット(0)のADデータは、引き続きD−PLL(1)に出力され、第1の処理系によって並列処理される。データユニット(0)のADデータは、同図の(3)に示す如く、当該ユニットのADデータが全て処理されるまでD−PLL(1)に順次出力され処理される。
【0058】
しかして、データユニット(0)のADデータに対する処理が終了すると、図8の(4)に示す如く、次のデータユニット(2)に対する処理の助走期間として、データユニット(1)の一部がメモリ70からD−PLL(1)に出力され、第1の処理系によって処理される。かかる助走期間における処理は、たとえば、データユニット(1)の終端部のADデータを用いて行われる。かかる助走期間の処理によって、D−PLL(1)における位相引き込みが行われ、次のデータユニット(2)に対する処理が安定して行われる。なお、このとき、データユニット(1)に対する第2の処理系の処理が並行して行われる。
【0059】
かかる助走期間が終了すると、図8の(5)に示す如く、データユニット(2)のADデータがメモリ70から順次D−PLL(1)に出力され、第1の処理系による処理が開始される。このとき、データユニット(1)のADデータは、引き続きD−PLL(2)に出力され、第2の処理系によって並列処理される。この並列処理は、同図の(6)に示す如く、データユニット(1)に対する処理が完了するまで行われる。
【0060】
しかして、データユニット(1)のADデータに対する処理が終了すると、図9の(7)に示す如く、次のデータユニット(3)に対する処理の助走期間として、データユニット(2)の一部がメモリ70からD−PLL(2)に出力され、第2の処理系によって処理される。かかる助走期間における処理は、上述の如く、たとえば、データユニット(2)の終端部のADデータを用いて行われる。かかる助走期間の処理によって、D−PLL(2)における位相引き込みが行われ、次のデータユニット(3)に対する処理が安定して行われる。なお、このとき、データユニット(2)に対する第1の処理系の処理が並行して行われる。
【0061】
かかる助走期間が終了すると、図9の(8)に示す如く、データユニット(3)のADデータがメモリ70から順次D−PLL(2)に出力され、第2の処理系による処理が開始される。このとき、データユニット(2)のADデータは、引き続きD−PLL(1)に出力され、第1の処理系によって並列処理される。この並列処理は、同図の(9)に示す如く、データユニット(2)に対する処理が完了するまで行われる。
【0062】
以下、同様にして、第1の処理系と第2の処理系における並列処理が行われる。その後、メモリ70の最終アドレスまでADデータが書き込まれると、先頭アドレスに戻って、順次、ADデータが上書きされる。同様に、第1の処理系と第2の処理系における並列処理によってメモリ70の最終アドレスまで処理がなされると、先頭アドレスに戻って、上書きされたADデータに対する並列処理が行われる。
【0063】
以上、本実施の形態によれば、第1の信号処理系と第2の信号処理系によって並列的に信号処理が行われるため、第1の信号処理系と第2の信号処理系に入力される動作クロックの周波数f2を、固定クロックの周波数f1に対し、f1/2をやや越える程度にまで低減させることができる。従って、本実施の形態によれば、デジタルPLL、デジタルイコライザおよび2値化回路による高速処理を実現することができ、ディスク再生装置の倍速化を円滑に図ることができる。
【0064】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、この他にも種々の変更が可能なものである。
【0065】
たとえば、上記実施の形態では、デジタルPLL41、42にて個別に位相情報(PH2)を設定するようにしたが、図10および図11に示すように、一方で設定した位相情報(PH2)を、次のデータユニットを処理する他方のデジタルPLLに供給し、この位相を初期値として、PLLの引き込みを行うようにすることもできる。こうすると、PLLを早期に安定化させることができ、助走期間を短くすることができる。
【0066】
この効果は、ディスク上において連続した位置から取得したデータユニットにデジタルPLL41、42にて並列処理を掛ける場合に顕著なものとなる。すなわち、連続した位置からデータユニットを取得する場合、位相PH2適正値は、両データユニット間において、それほど大きくは変わらないものとなる。よって、この場合に、一方の位相情報を他方の位相情報の初期値として用いると、位相の引き込みを迅速化することができる。
【0067】
また、上記実施の形態では、第1および第2の信号処理系にてデータの2値化まで行った後、セレクタ100によってこれらを1系統化するようにしたが、図12に示すように、デジタルイコライザ51、52までを2系統とすることもでき、さらに、図13に示すように、デジタルPLL41、42までを2系統とすることもできる。こうすると、上記に比べ、2値化回路およびデジタルイコライザを一つ省略することができるため、回路規模を小さくすることができる。
【0068】
ただし、この場合には、多値演算を実行する2値化回路とデジタルイコライザを高周波のクロックf1にて動作させる必要があるため、処理の迅速化が阻害される惧れがある。処理の迅速化を図るためには、上記実施の形態のように、データの2値化まで2系統化するのが好ましい。
【0069】
なお、高い倍率にて倍速再生を行う場合には、図14に示すように、光ピックアップ2からのレーザ光を2光束化し、各光束のレーザ光をディスク径方向に異なるトラックに同時に照射して、これらトラックの情報を同時に読み出すようにすることもできる。この場合、各光束に対応する光検出器が光ピックアップ2内に個別に配され、それぞれの光検出器にて生成された再生RF信号が、それぞれ、増幅回路11、12に出力される。そして、アナログBPF21、22にてノイズ成分が除去された後、ADC31、32にてADデータに変換され、メモリ70に書き込まれる。
【0070】
本実施の形態では、このように高い倍率にて倍速再生が行われたときにも、破綻なく信号処理を行うことができる。上記実施の形態では、デジタルPLLから2値化回路までの信号処理系を2系統としたが、3系統以上の信号処理系を準備して並列処理を行うようにすることにより、更なる処理の高速化を図ることができる。
【0071】
なお、3系統以上の信号処理系を準備する場合にも、上記図10および図11の場合と同様に、デジタルPLL間で位相情報を受け渡すようにすることもできる。この場合、最も好ましくは、一のデジタルPLL回路にて取得した位相情報(PH2)を、次のデータユニットを処理するデジタルPLLに順次受け渡すようにするのが良いが、このように順次受け渡す方法に代えて、一のデジタルPLL回路にて取得した位相情報(PH2)を、次のデータユニットを処理するデジタルPLLのみならず、その他のデジタルPLLにも並行して受け渡すようにしても良い。
【0072】
たとえば、第1、第2および第3の信号処理系が準備されている場合、第1の信号処理系のデジタルPLLにて取得された位相情報(PH2)を、第2の信号処理系におけるデジタルPLLのみならず、第3の信号処理系のデジタルPLLにも受け渡すようにする。この場合、第3の信号処理系のデジタルPLLに受け渡される位相情報(PH2)は、順次受け渡す場合に比べ、適正位相に対する誤差がやや大きくなるが、上記の如くディスク上の連続した位置からデータユニットを順次読み出す場合には、この誤差もそれほど大きなものとはならない。よって、この場合も、第3の信号処理系におけるPLL回路においても、位相引き込みの迅速化を図ることができる。
【0073】
この他、上記実施の形態では、セレクタ100にデータをバッファリングさせ、これを順次読み出すことにより、データを一系統化させるようにしたが、メモリ70の別領域にデータを書き戻し、ここから順次読み出すことによりデータを一系統化するようにすることもできる。
【0074】
本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】実施の形態に係るディスク再生装置の構成を示す図
【図2】実施の形態に係るデジタルPLL回路の構成を示す図
【図3】実施の形態に係る位相PH2の調整処理を説明する図
【図4】実施の形態に係るデータ補間回路の処理動作を説明する図
【図5】実施の形態に係るデータ補間回路の処理動作を説明する図
【図6】実施の形態に係る補間処理の流れを示すフローチャート
【図7】実施の形態に係る並列処理の流れを説明する図
【図8】実施の形態に係る並列処理の流れを説明する図
【図9】実施の形態に係る並列処理の流れを説明する図
【図10】他の実施の形態に係るデジタルPLL回路の構成を示す図
【図11】他の実施の形態に係る並列処理の流れを説明する図
【図12】他の実施の形態に係るディスク再生装置の構成を示す図
【図13】他の実施の形態に係るディスク再生装置の構成を示す図
【図14】他の実施の形態に係るディスク再生装置の構成を示す図
【図15】従来例に係るディスク再生装置の構成を示す図
【符号の説明】
【0076】
41、42 … デジタルPLL
51、52 … デジタルイコライザ
61、62 … 2値化回路
70 … メモリ
80 … メモリコントローラ
90 … タイミングコントローラ
100 … セレクタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ再生回路およびデータ再生装置に関するものであって、特に、デジタルPLL(Phase Lock Loop)の処理速度を高速化する際に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
ディスク再生装置のPLLとして、従来より、アナログ方式のPLLが用いられている。しかし、アナログ方式のPLLは、ノイズによる影響を受け易く、また、温度変化等の環境変化に弱いといった欠点を有している。これに対し、デジタル方式のPLLは、ノイズによる影響を受け難く、温度変化等の環境変化にも特性が左右され難い。また、高集積化を図りやすくLSIに実装する際に有利であるとのメリットを有している。
【0003】
図15に、デジタルPLLを内蔵するディスク再生装置の構成例を示す。
【0004】
ディスク1に記録されたデータは、光ピックアップ2によって読み取られる。光ピックアップ2は、ディスク1からの反射光を光検出器にて受光して再生RF信号を生成し、生成した再生RF信号を増幅回路10に出力する。
【0005】
増幅回路10は、光ピックアップ2から供給される再生RF信号を増幅してアナログBPF20に出力する。アナログBPF20は、再生RF信号のノイズ成分を除去してADC30に出力する。ADC30は、固定クロック(周波数:f1)に応じて再生RF信号をサンプリングし、サンプル値をデジタルデータに変換してデジタルPLL40に出力する。
【0006】
デジタルPLL40は、ADC30から入力されるデジタルデータに補間処理を施して、適正サンプリングタイミングにおけるデジタルデータ(リサンプルデータ)を生成し、生成したリサンプルデータをデジタルイコライザ50に出力する。
【0007】
デジタルイコライザ50は、デジタルPLL40から供給されるリサンプルデータに波形等化処理を施して2値化回路60に出力する。2値化回路60は、デジタルイコライザ50から供給されたリサンプルデータを復号して1、0の2値化データを生成出力する。ここで、2値化回路60は、復号処理として、たとえば、ビタビ復号処理を実行する。
【特許文献1】特許第333609号公報
【特許文献2】特開2000−149436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、光ディスクおよびそのドライブ装置においては、ディスクの高密度化および高容量化とともに、再生速度の高速化(4倍速、8倍速、等)が求められている。再生速度の高速化は、特に、PC(Personal Computer)用途としてドライブ装置を用いる場合に、高い付加価値を与える。
【0009】
しかし、このように高速化を図ろうとする場合、デジタルPLLの処理速度が一つの問題となる。デジタルPLLでは、データ補間処理において多値演算が行われるため、演算コストが大きくなる。特に、IIR型(帰還型)のループフィルタを用いて位相差データのフィルタリングを行うと、ループフィルタの演算コストがかなり大きくなり、動作クロックの周波数を大きく引き上げることができない。このため、PLLにおける処理の高速化が阻害される。
【0010】
そこで、本発明は、デジタルPLLを用いながら、処理速度の高速化を円滑に図り得るデータ再生回路およびデータ再生装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題に鑑み本発明は、それぞれ以下の特徴を有する。
【0012】
第1の発明は、デジタルPLLを用いるデータ再生回路において、A/D(Analog to Digital)変換されたデジタルデータを格納するメモリと、前記メモリから読み出されたデジタルデータに位相情報に基づく補間処理を施して正規のサンプリングタイミングにおけるデジタルデータを取得する複数のデジタルPLLと、前記メモリに格納されたデジタルデータを所定のデータユニットずつ順次前記複数のデジタルPLLに振り分けて供給する制御回路とを有することを特徴とする。
【0013】
第2の発明は、第1の発明に係るデータ再生回路において、前記制御回路は、前記一のデジタルPLLにて処理される前記データユニットを当該デジタルPLLに供給するに先立って当該データユニットの直前のデータユニットの一部を当該デジタルPLLに供給することを特徴とする。
【0014】
第3の発明は、第2の発明に係るデータ再生回路において、前記制御回路は、前記直前のデータユニットの終端部のデジタルデータを前記一のデジタルPLLに供給することを特徴とする。
【0015】
第4の発明は、第1ないし第3の発明のうち何れか一つの発明に係るデータ再生回路において、前記一のデジタルPLLにて用いられる位相情報を、当該デジタルPLL以外の他のデジタルPLLにおける初期の位相情報として用いることを特徴とする。
【0016】
第5の発明は、第4の発明に係るデータ再生回路において、前記一のデジタルPLLにて用いられる位相情報を、当該デジタルPLLにて処理される前記データユニットに続くデータユニットを処理するデジタルPLLの初期の位相情報として用いることを特徴とする。
【0017】
第6の発明は、デジタルPLLを内蔵するデータ再生装置において、A/D(Analog to Digital)変換されたデジタルデータを格納するメモリと、前記メモリから読み出されたデジタルデータに位相情報に基づく補間処理を施して正規のサンプリングタイミングにおけるデジタルデータを取得する複数のデジタルPLLと、前記メモリに格納されたデジタルデータを所定のデータユニットずつ順次前記複数のデジタルPLLに振り分けて供給する制御回路と、前記複数のデジタルPLLから出力されるデジタルデータを処理して1系統の2値化データを生成する信号処理回路とを有することを特徴とする。
【0018】
第7の発明は、第6の発明に係るデータ再生装置において、前記制御回路は、前記一のデジタルPLLにて処理される前記データユニットを当該デジタルPLLに供給するに先立って当該データユニットの直前のデータユニットの一部を当該デジタルPLLに供給することを特徴とする。
【0019】
第8の発明は、第7の発明に係るデータ再生装置において、前記制御回路は、前記直前のデータユニットの終端部のデジタルデータを前記一のデジタルPLLに供給することを特徴とする。
【0020】
第9の発明は、第6ないし第8の発明のうち何れか一つの発明に係るデータ再生装置において、前記一のデジタルPLLにて用いられる位相情報を、当該デジタルPLL以外の他のデジタルPLLにおける初期の位相情報として用いることを特徴とする。
【0021】
第10の発明は、第9の発明に係るデータ再生装置において、前記一のデジタルPLLにて用いられる位相情報を、当該デジタルPLLにて処理される前記データユニットに続くデータユニットを処理するデジタルPLLの初期の位相情報として用いることを特徴とする。
【0022】
第11の発明は、第6ないし第10の発明のうち何れか一つの発明に係るデータ再生装置において、前記信号処理回路は、前記複数のデジタルPLLに対応して配された複数のデジタルイコライザを有することを特徴とする。
【0023】
第12の発明は、第11の発明に係るデータ再生装置において、前記信号処理回路は、前記複数のデジタルイコライザに対応して配された複数の2値化回路を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、複数のデジタルPLLによって並列的に処理が行われるため、それぞれのデジタルPLLに入力される動作クロックの周波数を、A/Dサンプリング周波数に比べて数段低く設定することができる。たとえば、2つのデジタルPLLを配する場合には、A/Dサンプリング周波数の1/2をやや越える程度にまで、デジタルPLLの動作クロック周波数を低減させることができる。
【0025】
従って、本発明によれば、ディスク再生装置の倍速化に応じて円滑に、PLLの処理速度を高めることができる。
【0026】
また、第2、第3の発明および第7、第8の発明の発明によれば、処理対象のデータユニットを処理するに先立ってPLLの位相引き込みが行われるため、処理対象のデータユニットに対する処理を安定化させることができる。特に、第3および第8の発明によれば、直前のデータユニットの終端部のデジタルデータを用いて位相引き込みが行われるため、処理対象のデータユニットに対する処理に移行する際には、それに応じた位相に引き込みがなされている。よって、処理対象のデータユニットに対する処理を当初から安定して行うことができる。
【0027】
さらに、第4、第5の発明および第9、第10の発明の発明によれば、一のデジタルPLL回路にて取得した位相情報を、他のデジタルPLLにおける初期位相として用いることにより、位相引き込みの迅速化を図ることができる。特に、一のデジタルPLL回路にて取得した位相情報を、次のデータユニットを処理するデジタルPLLの初期位相として用いる場合には、適正位相に対する初期位相の誤差を小さく抑えることができるため、さらなる位相引き込みの迅速化を図ることができる。
【0028】
本発明の特徴は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。なお、以下の実施の形態には、2つのデジタルPLLを用いて並列処理を行う場合の実施形態が示されている。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を具体化する際の一つの例示であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
【0030】
図1に、実施の形態に係るディスク再生装置の構成を示す。なお、上記従来例で示した図15の構成と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0031】
図において、メモリ70は、メモリコントローラ80からの制御を受けて、ADC30から入力されるデジタルデータを順次記憶する。また、記憶したデジタルデータを、所定単位のデータユニット毎に、デジタルPLL41またはデジタルPLL42の何れか一方に出力する。メモリコントローラ80は、メモリ70に対する書き込み制御を行うとともに、タイミングコントローラ90からの指令に応じて、メモリ70に対する読み出し制御を行う。
【0032】
タイミングコントローラ90は、デジタルPLL41、42に対するデジタルデータの読み出しタイミングを規定する指令をメモリコントローラ80に出力するとともに、デジタルPLL41、デジタルイコライザ51、2値化回路61から構成される第1の信号処理系と、デジタルPLL42、デジタルイコライザ52、2値化回路62から構成される第2の信号処理系に対し、動作タイミングを規定する指令を出力する。さらに、タイミングコントローラ90は、第1の信号処理系(2値化回路61)から入力される2値化データと第2の信号処理系(2値化回路62)から入力される2値化データの何れか一方を選択して一系統化するための、データ選択タイミングを規定する指令をセレクタ100に出力する。
【0033】
セレクタ100は、第1の信号処理系および第2の処理系から入力される2値化データをバッファリングするとともに、タイミングコントローラ90からの指令に応じて何れか一方のデータを選択し、これらを1系統化して、後段回路(復調回路、等)に出力する。
【0034】
デジタルPLL41、デジタルイコライザ51および2値化回路61から構成される第1の信号処理系と、デジタルPLL42、デジタルイコライザ52および2値化回路62から構成される第2の信号処理系は、上記図15におけるデジタルPLL40、デジタルイコライザ50および2値化回路60から構成される信号処理系と同様の処理を行う。
【0035】
なお、本実施の形態では、後述の如く、第1の信号処理系と第2の信号処理系によって並列的に信号処理が行われる。このため、A/Dサンプリングするための固定クロックよりも数段低い周波数の動作クロックにて、第1の信号処理系と第2の信号処理系を動作させることができる。すなわち、第1の信号処理系と第2の信号処理系に入力される動作クロックの周波数f2は、固定クロックの周波数f1に比べて、f2<f1となっている。この動作クロックの周波数f2は、最も低くは、f1/2をやや越える程度とすることができる。
【0036】
図2に、デジタルPLL41とデジタルPLL42の構成を示す。
【0037】
デジタルPLL41、42は、それぞれ、データ補間回路411、421、デジタル位相比較器412、422、ループフィルタ413、423および補間位相情報発生器414、424から構成されている。
【0038】
データ補間回路411、421は、メモリ70から入力されるデジタルデータと、補間位相情報発生器414、424から入力される位相情報(PH2)を用いて、データ補間タイミング(リサンプルタイミング)におけるデータ(リサンプルデータ)を算出し、算出したリサンプルデータをデジタルイコライザ51、52に出力する。
【0039】
デジタル位相比較器412、422は、データ補間回路411、421から供給されるリサンプルデータをもとに、図3に示す如く、再生信号波形のエッジ、すなわち、再生信号波形とスライスレベル(ゼロレベル)の交点位置を判別し、判別したエッジの位置と、これを挟む前後のリサンプルタイミングの中間タイミングとの間の位相差(ΔP)を検出して、これを、ループフィルタ413、423に出力する。
【0040】
ループフィルタ413、423は、位相差データ(ΔP)の高周波成分を遮断して直流化し、これを補間位相情報発生器414、424に出力する。
【0041】
補間位相情報発生器414、424は、ループフィルタ413、423から供給されたデータ(位相差データ)に応じて、上記エッジの位相差を補償するよう、リサンプルタイミングの周期を調整し、調整後のリサンプルタイミングの周期を示す位相情報(PH2)(図3参照)をデータ補間回路411、421に出力する。
【0042】
図4は、データ補間回路411、421における処理動作を示すものである。
【0043】
データ補間回路411、421は、メモリ70から入力されるデジタルデータ(以下、“ADデータ”と称する)と、これを1クロック遅延させたADデータとの間で補間処理を行う。同図では、一連のA/Dデータ(D0、D1、…)のうち、D2−D3間、D5−D6間、D9−D10間、D11−D12間、D14−D15間にて補間が行われ、リサンプルデータが生成されている。
【0044】
図5に、補間処理の具体的内容を示す。
【0045】
補間処理においては、ADデータの各タイミングにおける位相PH0と補間位相情報発生器414、424から供給される位相PH2が大小比較され、その結果に応じて、リサンプルデータが生成される。
【0046】
図5を参照して、たとえば、ADデータ(D0)のタイミングにおける位相PH0がPH0=0であるとすると、次のADデータ(D1)のタイミングにおける位相PH0は、一つ前のADデータ(D0)における位相PH0(=0)に動作クロックの周期PH1を加算したもの(=0+PH1)として求められる。求められた位相PH0は、補間位相情報発生器414、424から供給される位相PH2と比較される。このとき、PH0≦PH2であれば、補間は行われない。図5の場合、ADデータ(D1)のタイミングにおける位相PH0(=0+PH1)は、PH0<PH2であるので、このタイミングにおいては、補間は行われない。
【0047】
次のADデータ(D2)のタイミングにおいても、同様に、このADデータ(D2)のタイミングにおける位相PH0が、一つ前のADデータ(D1)における位相PH0(=0+PH1)に動作クロックの周期PH1を加算したもの(=0+PH1+PH1)として求められ、これが、補間位相情報発生器414、424から供給される位相PH2と比較される。この場合も、ADデータ(D2)のタイミングにおける位相PH0(=0+PH1+PH1)は、PH0<PH2であるので、このタイミングにおいても、補間は行われない。
【0048】
さらに、次のADデータ(D3)のタイミングにおいても、同様に、このADデータ(D3)のタイミングにおける位相PH0が、一つ前のADデータ(D2)における位相PH0(=0+PH1+PH1)に動作クロックの周期PH1を加算したもの(=0+PH1+PH1+PH1)として求められ、これが、補間位相情報発生器414、424から供給される位相PH2と比較される。この場合、ADデータ(D3)のタイミングにおける位相PH0(=0+PH1+PH1+PH1)は、PH0>PH2の関係にあるので、このADデータ(D3)のタイミングにおいて、補間が行われる。
【0049】
この場合、ADデータ(D3)のタイミングにおける位相PH0(=0+PH1+PH1+PH1)から位相PH2が減算され、減算結果(=0+PH1+PH1+PH1−PH2)が、このADデータ(D3)のタイミングにおける位相PH0に再設定される。そして、図5の左上に示すように、D2とD3の値と、PH0とPH1とを用いながら、比例計算によりXが求められ、求めたXをD2に加算して、ADデータ(D3)のタイミングからPH0だけ戻ったリサンプルタイミングにおけるリサンプルデータが求められる。
【0050】
次のADデータ(D4)のタイミングにおいては、一つ前のADデータ(D3)にて求めた位相PH0(=0+PH1+PH1+PH1−PH2)にA/Dクロックの周期PH1が加算され、当該ADデータ(D4)における位相が求められる。そして、上記と同様に、この位相が、補間位相情報発生器414、424から供給される位相PH2と大小比較され、補間の要否が判別される。以下、同様にして、各タイミングにおける処理が行われる。
【0051】
図6に、かかる補間処理の流れを示す。
【0052】
位相PH0がセットされた後(S101)、次のクロックタイミングが到来すると(S102)、位相PH0にクロック周期PH1が加算され、新たな位相PH0がセットされる(S103)。そして、セットされた位相PH0が、補間位相情報発生器414、424から供給される位相PH2と大小比較される(S104)。ここで、PH0>PH2でなければ(S104:N)、S102に戻り、次のクロックタイミングの到来に応じて、PH0=PH0+PH1が実行される(S103)。この処理は、PH0>PH2となるまで実行される(S104)。
【0053】
PH0>PH2となると(S104:Y)、PH0=PH0−PH2が実行され、当該クロックタイミングにおける位相PH0が算出される(S105)。そして、上記の如くして、再設定された位相PH0と、当該リサンプルタイミングの前後のADデータからリサンプルデータが算出される(S106)。S105にて算出された位相PH0は、当該クロックタイミングにおける位相に再設定される(S101)。その後、S102に進み、同様の処理が実行される。
【0054】
次に、第1の処理系と第2の処理系における並列処理について、図7ないし図9を参照して説明する。
【0055】
なお、以下では、各処理系にて処理される一定サイズのADデータの固まりをデータユニットと称する。各データユニットには、便宜上、処理順序を示すための符号(n)が付されている。また、以下では、第1の処理系におけるデジタルPLL41をD−PLL(1)として示し、第2の処理系におけるデジタルPLL42をD−PLL(2)として示す。
【0056】
ディスク1に対するデータ読み出しが開始されると、再生RF信号が順次A/D変換され、図7の(1)に示す如く、メモリ70に対するデータ書き込みが開始される。かかる書き込みによって、メモリ70に一定量のデータが格納されると、メモリ70からデータユニット(0)のADデータが順次D−PLL(1)に出力され、第1の処理系による処理が開始される。
【0057】
しかる後、メモリ70にさらに一定量のデータが書き込まれると、同図の(2)に示す如く、データユニット(0)に続くデータユニット(1)のADデータがメモリ70から順次D−PLL(2)に出力され、第2の処理系による処理が開始される。このとき、データユニット(0)のADデータは、引き続きD−PLL(1)に出力され、第1の処理系によって並列処理される。データユニット(0)のADデータは、同図の(3)に示す如く、当該ユニットのADデータが全て処理されるまでD−PLL(1)に順次出力され処理される。
【0058】
しかして、データユニット(0)のADデータに対する処理が終了すると、図8の(4)に示す如く、次のデータユニット(2)に対する処理の助走期間として、データユニット(1)の一部がメモリ70からD−PLL(1)に出力され、第1の処理系によって処理される。かかる助走期間における処理は、たとえば、データユニット(1)の終端部のADデータを用いて行われる。かかる助走期間の処理によって、D−PLL(1)における位相引き込みが行われ、次のデータユニット(2)に対する処理が安定して行われる。なお、このとき、データユニット(1)に対する第2の処理系の処理が並行して行われる。
【0059】
かかる助走期間が終了すると、図8の(5)に示す如く、データユニット(2)のADデータがメモリ70から順次D−PLL(1)に出力され、第1の処理系による処理が開始される。このとき、データユニット(1)のADデータは、引き続きD−PLL(2)に出力され、第2の処理系によって並列処理される。この並列処理は、同図の(6)に示す如く、データユニット(1)に対する処理が完了するまで行われる。
【0060】
しかして、データユニット(1)のADデータに対する処理が終了すると、図9の(7)に示す如く、次のデータユニット(3)に対する処理の助走期間として、データユニット(2)の一部がメモリ70からD−PLL(2)に出力され、第2の処理系によって処理される。かかる助走期間における処理は、上述の如く、たとえば、データユニット(2)の終端部のADデータを用いて行われる。かかる助走期間の処理によって、D−PLL(2)における位相引き込みが行われ、次のデータユニット(3)に対する処理が安定して行われる。なお、このとき、データユニット(2)に対する第1の処理系の処理が並行して行われる。
【0061】
かかる助走期間が終了すると、図9の(8)に示す如く、データユニット(3)のADデータがメモリ70から順次D−PLL(2)に出力され、第2の処理系による処理が開始される。このとき、データユニット(2)のADデータは、引き続きD−PLL(1)に出力され、第1の処理系によって並列処理される。この並列処理は、同図の(9)に示す如く、データユニット(2)に対する処理が完了するまで行われる。
【0062】
以下、同様にして、第1の処理系と第2の処理系における並列処理が行われる。その後、メモリ70の最終アドレスまでADデータが書き込まれると、先頭アドレスに戻って、順次、ADデータが上書きされる。同様に、第1の処理系と第2の処理系における並列処理によってメモリ70の最終アドレスまで処理がなされると、先頭アドレスに戻って、上書きされたADデータに対する並列処理が行われる。
【0063】
以上、本実施の形態によれば、第1の信号処理系と第2の信号処理系によって並列的に信号処理が行われるため、第1の信号処理系と第2の信号処理系に入力される動作クロックの周波数f2を、固定クロックの周波数f1に対し、f1/2をやや越える程度にまで低減させることができる。従って、本実施の形態によれば、デジタルPLL、デジタルイコライザおよび2値化回路による高速処理を実現することができ、ディスク再生装置の倍速化を円滑に図ることができる。
【0064】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、この他にも種々の変更が可能なものである。
【0065】
たとえば、上記実施の形態では、デジタルPLL41、42にて個別に位相情報(PH2)を設定するようにしたが、図10および図11に示すように、一方で設定した位相情報(PH2)を、次のデータユニットを処理する他方のデジタルPLLに供給し、この位相を初期値として、PLLの引き込みを行うようにすることもできる。こうすると、PLLを早期に安定化させることができ、助走期間を短くすることができる。
【0066】
この効果は、ディスク上において連続した位置から取得したデータユニットにデジタルPLL41、42にて並列処理を掛ける場合に顕著なものとなる。すなわち、連続した位置からデータユニットを取得する場合、位相PH2適正値は、両データユニット間において、それほど大きくは変わらないものとなる。よって、この場合に、一方の位相情報を他方の位相情報の初期値として用いると、位相の引き込みを迅速化することができる。
【0067】
また、上記実施の形態では、第1および第2の信号処理系にてデータの2値化まで行った後、セレクタ100によってこれらを1系統化するようにしたが、図12に示すように、デジタルイコライザ51、52までを2系統とすることもでき、さらに、図13に示すように、デジタルPLL41、42までを2系統とすることもできる。こうすると、上記に比べ、2値化回路およびデジタルイコライザを一つ省略することができるため、回路規模を小さくすることができる。
【0068】
ただし、この場合には、多値演算を実行する2値化回路とデジタルイコライザを高周波のクロックf1にて動作させる必要があるため、処理の迅速化が阻害される惧れがある。処理の迅速化を図るためには、上記実施の形態のように、データの2値化まで2系統化するのが好ましい。
【0069】
なお、高い倍率にて倍速再生を行う場合には、図14に示すように、光ピックアップ2からのレーザ光を2光束化し、各光束のレーザ光をディスク径方向に異なるトラックに同時に照射して、これらトラックの情報を同時に読み出すようにすることもできる。この場合、各光束に対応する光検出器が光ピックアップ2内に個別に配され、それぞれの光検出器にて生成された再生RF信号が、それぞれ、増幅回路11、12に出力される。そして、アナログBPF21、22にてノイズ成分が除去された後、ADC31、32にてADデータに変換され、メモリ70に書き込まれる。
【0070】
本実施の形態では、このように高い倍率にて倍速再生が行われたときにも、破綻なく信号処理を行うことができる。上記実施の形態では、デジタルPLLから2値化回路までの信号処理系を2系統としたが、3系統以上の信号処理系を準備して並列処理を行うようにすることにより、更なる処理の高速化を図ることができる。
【0071】
なお、3系統以上の信号処理系を準備する場合にも、上記図10および図11の場合と同様に、デジタルPLL間で位相情報を受け渡すようにすることもできる。この場合、最も好ましくは、一のデジタルPLL回路にて取得した位相情報(PH2)を、次のデータユニットを処理するデジタルPLLに順次受け渡すようにするのが良いが、このように順次受け渡す方法に代えて、一のデジタルPLL回路にて取得した位相情報(PH2)を、次のデータユニットを処理するデジタルPLLのみならず、その他のデジタルPLLにも並行して受け渡すようにしても良い。
【0072】
たとえば、第1、第2および第3の信号処理系が準備されている場合、第1の信号処理系のデジタルPLLにて取得された位相情報(PH2)を、第2の信号処理系におけるデジタルPLLのみならず、第3の信号処理系のデジタルPLLにも受け渡すようにする。この場合、第3の信号処理系のデジタルPLLに受け渡される位相情報(PH2)は、順次受け渡す場合に比べ、適正位相に対する誤差がやや大きくなるが、上記の如くディスク上の連続した位置からデータユニットを順次読み出す場合には、この誤差もそれほど大きなものとはならない。よって、この場合も、第3の信号処理系におけるPLL回路においても、位相引き込みの迅速化を図ることができる。
【0073】
この他、上記実施の形態では、セレクタ100にデータをバッファリングさせ、これを順次読み出すことにより、データを一系統化させるようにしたが、メモリ70の別領域にデータを書き戻し、ここから順次読み出すことによりデータを一系統化するようにすることもできる。
【0074】
本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】実施の形態に係るディスク再生装置の構成を示す図
【図2】実施の形態に係るデジタルPLL回路の構成を示す図
【図3】実施の形態に係る位相PH2の調整処理を説明する図
【図4】実施の形態に係るデータ補間回路の処理動作を説明する図
【図5】実施の形態に係るデータ補間回路の処理動作を説明する図
【図6】実施の形態に係る補間処理の流れを示すフローチャート
【図7】実施の形態に係る並列処理の流れを説明する図
【図8】実施の形態に係る並列処理の流れを説明する図
【図9】実施の形態に係る並列処理の流れを説明する図
【図10】他の実施の形態に係るデジタルPLL回路の構成を示す図
【図11】他の実施の形態に係る並列処理の流れを説明する図
【図12】他の実施の形態に係るディスク再生装置の構成を示す図
【図13】他の実施の形態に係るディスク再生装置の構成を示す図
【図14】他の実施の形態に係るディスク再生装置の構成を示す図
【図15】従来例に係るディスク再生装置の構成を示す図
【符号の説明】
【0076】
41、42 … デジタルPLL
51、52 … デジタルイコライザ
61、62 … 2値化回路
70 … メモリ
80 … メモリコントローラ
90 … タイミングコントローラ
100 … セレクタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A/D(Analog to Digital)変換されたデジタルデータを格納するメモリと、
前記メモリから読み出されたデジタルデータに位相情報に基づく補間処理を施して正規のサンプリングタイミングにおけるデジタルデータを取得する複数のデジタルPLLと、
前記メモリに格納されたデジタルデータを所定のデータユニットずつ順次前記複数のデジタルPLLに振り分けて供給する制御回路と、
を有することを特徴とするデータ再生回路。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ再生回路において、
前記制御回路は、前記一のデジタルPLLにて処理される前記データユニットを当該デジタルPLLに供給するに先立って当該データユニットの直前のデータユニットの一部を当該デジタルPLLに供給する、
ことを特徴とするデータ再生回路。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ再生回路において、
前記制御回路は、前記直前のデータユニットの終端部のデジタルデータを前記一のデジタルPLLに供給する、
ことを特徴とするデータ再生回路。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載のデータ再生回路において、
前記一のデジタルPLLにて用いられる位相情報を、当該デジタルPLL以外の他のデジタルPLLにおける初期の位相情報として用いる、
ことを特徴とするデータ再生回路。
【請求項5】
請求項4に記載のデータ再生回路において、
前記一のデジタルPLLにて用いられる位相情報を、当該デジタルPLLにて処理される前記データユニットに続くデータユニットを処理するデジタルPLLの初期の位相情報として用いる、
ことを特徴とするデータ再生回路。
【請求項6】
A/D(Analog to Digital)変換されたデジタルデータを格納するメモリと、
前記メモリから読み出されたデジタルデータに位相情報に基づく補間処理を施して正規のサンプリングタイミングにおけるデジタルデータを取得する複数のデジタルPLLと、
前記メモリに格納されたデジタルデータを所定のデータユニットずつ順次前記複数のデジタルPLLに振り分けて供給する制御回路と、
前記複数のデジタルPLLから出力されるデジタルデータを処理して1系統の2値化データを生成する信号処理回路と、
を有することを特徴とするデータ再生装置。
【請求項7】
請求項6に記載のデータ再生装置において、
前記制御回路は、前記一のデジタルPLLにて処理される前記データユニットを当該デジタルPLLに供給するに先立って当該データユニットの直前のデータユニットの一部を当該デジタルPLLに供給する、
ことを特徴とするデータ再生装置。
【請求項8】
請求項7に記載のデータ再生装置において、
前記制御回路は、前記直前のデータユニットの終端部のデジタルデータを前記一のデジタルPLLに供給する、
ことを特徴とするデータ再生装置。
【請求項9】
請求項6ないし8の何れか一項に記載のデータ再生装置において、
前記一のデジタルPLLにて用いられる位相情報を、当該デジタルPLL以外の他のデジタルPLLにおける初期の位相情報として用いる、
ことを特徴とするデータ再生装置。
【請求項10】
請求項9に記載のデータ再生装置において、
前記一のデジタルPLLにて用いられる位相情報を、当該デジタルPLLにて処理される前記データユニットに続くデータユニットを処理するデジタルPLLの初期の位相情報として用いる、
ことを特徴とするデータ再生装置。
【請求項11】
請求項6ないし10の何れか一項に記載のデータ再生装置において、
前記信号処理回路は、前記複数のデジタルPLLに対応して配された複数のデジタルイコライザを有する、
ことを特徴とするデータ再生装置。
【請求項12】
請求項11に記載のデータ再生装置において、
前記信号処理回路は、前記複数のデジタルイコライザに対応して配された複数の2値化回路を有する、
ことを特徴とするデータ再生装置。
【請求項1】
A/D(Analog to Digital)変換されたデジタルデータを格納するメモリと、
前記メモリから読み出されたデジタルデータに位相情報に基づく補間処理を施して正規のサンプリングタイミングにおけるデジタルデータを取得する複数のデジタルPLLと、
前記メモリに格納されたデジタルデータを所定のデータユニットずつ順次前記複数のデジタルPLLに振り分けて供給する制御回路と、
を有することを特徴とするデータ再生回路。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ再生回路において、
前記制御回路は、前記一のデジタルPLLにて処理される前記データユニットを当該デジタルPLLに供給するに先立って当該データユニットの直前のデータユニットの一部を当該デジタルPLLに供給する、
ことを特徴とするデータ再生回路。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ再生回路において、
前記制御回路は、前記直前のデータユニットの終端部のデジタルデータを前記一のデジタルPLLに供給する、
ことを特徴とするデータ再生回路。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載のデータ再生回路において、
前記一のデジタルPLLにて用いられる位相情報を、当該デジタルPLL以外の他のデジタルPLLにおける初期の位相情報として用いる、
ことを特徴とするデータ再生回路。
【請求項5】
請求項4に記載のデータ再生回路において、
前記一のデジタルPLLにて用いられる位相情報を、当該デジタルPLLにて処理される前記データユニットに続くデータユニットを処理するデジタルPLLの初期の位相情報として用いる、
ことを特徴とするデータ再生回路。
【請求項6】
A/D(Analog to Digital)変換されたデジタルデータを格納するメモリと、
前記メモリから読み出されたデジタルデータに位相情報に基づく補間処理を施して正規のサンプリングタイミングにおけるデジタルデータを取得する複数のデジタルPLLと、
前記メモリに格納されたデジタルデータを所定のデータユニットずつ順次前記複数のデジタルPLLに振り分けて供給する制御回路と、
前記複数のデジタルPLLから出力されるデジタルデータを処理して1系統の2値化データを生成する信号処理回路と、
を有することを特徴とするデータ再生装置。
【請求項7】
請求項6に記載のデータ再生装置において、
前記制御回路は、前記一のデジタルPLLにて処理される前記データユニットを当該デジタルPLLに供給するに先立って当該データユニットの直前のデータユニットの一部を当該デジタルPLLに供給する、
ことを特徴とするデータ再生装置。
【請求項8】
請求項7に記載のデータ再生装置において、
前記制御回路は、前記直前のデータユニットの終端部のデジタルデータを前記一のデジタルPLLに供給する、
ことを特徴とするデータ再生装置。
【請求項9】
請求項6ないし8の何れか一項に記載のデータ再生装置において、
前記一のデジタルPLLにて用いられる位相情報を、当該デジタルPLL以外の他のデジタルPLLにおける初期の位相情報として用いる、
ことを特徴とするデータ再生装置。
【請求項10】
請求項9に記載のデータ再生装置において、
前記一のデジタルPLLにて用いられる位相情報を、当該デジタルPLLにて処理される前記データユニットに続くデータユニットを処理するデジタルPLLの初期の位相情報として用いる、
ことを特徴とするデータ再生装置。
【請求項11】
請求項6ないし10の何れか一項に記載のデータ再生装置において、
前記信号処理回路は、前記複数のデジタルPLLに対応して配された複数のデジタルイコライザを有する、
ことを特徴とするデータ再生装置。
【請求項12】
請求項11に記載のデータ再生装置において、
前記信号処理回路は、前記複数のデジタルイコライザに対応して配された複数の2値化回路を有する、
ことを特徴とするデータ再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−26505(P2007−26505A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205167(P2005−205167)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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