説明

データ処理装置、データ処理方法、及びプログラム

【課題】トランスポートストリームに対して文字ストリームを追加し、文字ストリームをOSD表示するための属性情報を変更することで、OSDに文字表示が追加されたトランスポートストリームに変更するデータ処理装置を得る。
【解決手段】データ処理装置1は、通信ネットワーク4を介してトランスポートストリーム信号S11を受信する受信部110と、文字ストリームS20を生成する生成部123と、文字ストリームS20に基づいて、PMTを変更する変更部122と、TSパケット群S12に文字ストリームS20を挿入することにより、文字ストリームS20を含んだTSパケット群S15を生成する挿入部124と、トランスポートストリーム信号S16を、放送データを表示する表示装置3に対して出力する送信部140とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送通信における伝送規格であるトランスポートストリームにおけるデータ処理装置、データ処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送などのトランスポートストリームを用いた通信規格では、放送信号には放送データ以外にも字幕ストリームやセクションデータが付加されている。これらの放送データやシステムデータは、OSD(On Screen Display)表示器によって画面に映し出され、ユーザは放送を視聴、及びOSDの操作をすることができる。
【0003】
下記特許文献1には、トランスポートストリームを受け取ったOSD表示器が、表示されるOSDを制御する技術が開示されている。OSD表示器はデータコンテンツの記述にマークアップ言語を用いることで、映像データの復号化を必要とせず、データコンテンツをOSDに表示させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3790761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
TS(Transport Stream)パケットの伝送データ記憶域であるペイロードは、伝送段階でスクランブル化されており、トランスポートストリームは伝送途中で変更や追加をすることを前提として作られてはいないものである。したがって、ペイロードに含まれる字幕ストリームやセクションデータを変更するには、一度トランスポートストリームにかけられているスクランブルを解除する必要があった。したがって、OSD表示に文字を追加するなどのデータの変更は、煩わしいものであった。
【0006】
本発明の目的は、トランスポートストリームに対して、文字ストリームを追加し、文字ストリームをOSD表示するための属性情報を変更することで、OSDに文字表示が追加されたトランスポートストリームに変更するデータ処理装置、データ処理方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係るデータ処理装置は、放送データが格納された複数のパケットと、前記複数のパケット各々の属性情報が格納されたパケットとを含む第1のトランスポートストリームを、通信ネットワークを介して受信する受信手段と、文字ストリームを生成する生成手段と、前記文字ストリームに基づいて、前記属性情報を変更する変更手段と、前記第1のトランスポートストリームに前記文字ストリームを挿入することにより、第2のトランスポートストリームを生成する挿入手段と、前記第2のトランスポートストリームを、前記放送データを表示する表示手段に対して出力する出力手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
第1の態様に係るデータ処置装置によれば、第1のトランスポートストリームに対して、文字ストリームを追加し、文字ストリームをOSD表示するための属性情報を変更することで、第2のトランスポートストリームを受け取った表示手段は、追加された文字を表示することが可能となる。
【0009】
本発明の第2の態様に係るデータ処理装置は、第1の態様に係るデータ処理装置において特に、前記挿入手段は、前記文字ストリームをパケットに格納し、当該パケットと前記第1のトランスポートストリームのnullパケットとを置換することにより、前記第2のトランスポートストリームを生成することを特徴としている。
【0010】
第2の様態に係るデータ処理装置によれば、追加する文字ストリームが、元々伝送されるnullパケットに置換されるため、トランスポートストリームの伝送効率の悪化を招くことなく、文字ストリームを追加することが可能となる。さらに、文字ストリームを追加しても伝送するパケット数は変化しないので、トランスポートストリームのクロック・リカバリー機能のためにパケット数の調整を行う必要がない。
【0011】
本発明の第3の態様に係るデータ処理装置は、第1又は第2の態様に係るデータ処理装置において特に、前記第1のトランスポートストリームにおいて、前記属性情報の部分にはスクランブルはかけられておらず、前記属性情報以外の部分にはスクランブルがかけられていることを特徴としている。
【0012】
第3の態様に係るデータ処理装置によれば、属性情報以外の部分の放送データはスクランブル化されているため、放送データ送信元の意図に反する視聴を防ぐことができる。さらに、属性情報の部分にはスクランブルがかけられていないため、属性情報を変更する際に、スクランブル解除処理を実行する必要がない。
【0013】
本発明の第4の態様に係るデータ処理方法は、(A)放送データが格納された複数のパケットと、前記複数のパケット各々の属性情報が格納されたパケットとを含む第1のトランスポートストリームを、通信ネットワークを介して受信するステップと、(B)文字ストリームを生成するステップと、(C)前記文字ストリームに基づいて、前記属性情報を変更するステップと、(D)前記第1のトランスポートストリームに前記文字ストリームを挿入することにより、第2のトランスポートストリームを生成するステップと、(E)前記第2のトランスポートストリームを、前記放送データを表示する表示手段に対して出力するステップとを備えることを特徴としている。
【0014】
第4の態様に係るデータ処理方法によれば、第1のトランスポートストリームに対して、文字ストリームを追加し、文字ストリームをOSD表示するための属性情報を変更することで、第2のトランスポートストリームを受け取った表示手段は、簡単に追加された文字を表示することが可能となる。
【0015】
本発明の第5の態様に係るプログラムは、コンピュータに放送データを処理させるためのプログラムであって、前記コンピュータに、(A)放送データが格納された複数のパケットと、前記複数のパケット各々の属性情報が格納されたパケットとを含む第1のトランスポートストリームを、通信ネットワークを介して受信するステップと、(B)文字ストリームを生成するステップと、(C)前記文字ストリームに基づいて、前記属性情報を変更するステップと、(D)前記第1のトランスポートストリームに前記文字ストリームを挿入することにより、第2のトランスポートストリームを生成するステップと、(E)前記第2のトランスポートストリームを、前記放送データを表示する表示手段に対して出力するステップとを実行させることを特徴としている。
【0016】
第5の態様に係るプログラムによれば、コンピュータに対して、第1のトランスポートストリームに対して文字ストリームを追加させ、さらに、文字ストリームをOSD表示するための属性情報を変更させることで、表示手段によって、文字を追加表示させることのできる第2のトランスポートストリームを得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、トランスポートストリームに対して、文字ストリームを追加し、文字ストリームをOSD表示するための属性情報を変更することで、OSDに文字表示が追加されたトランスポートストリームに変更することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係るデータ処理装置を用いた通信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るデータ処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】プログラムを実行することによって信号処理部において実現される機能を示す機能ブロック図である。
【図4】データ処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】TSパケットとPESパケットの内容データに関する図である。
【図6】同期型PESのデータ構造例を示した図である。
【図7】非同期型PESのデータ構造例を示した図である。
【図8】字幕におけるPESパケットの設定パラメータ例を示した図である。
【図9】文字スーパーにおけるPESパケットの設定パラメータ例を示した図である。
【図10】字幕のデータグループのデータパラメータの例を示した図である。
【図11】変更するPMTの構造の例を示した図である。
【図12】PMTに記述するストリームタイプの割り当てを示した図である。
【図13】ストリームの多重化に関して模式的に表した比較図である。
【図14】本発明の実施例の構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の実施例に係るHGWの機能ブロック図である。
【図16】字幕における字幕管理データのパラメータの例を示した図である。
【図17】文字スーパーにおける字幕管理データのパラメータの例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一または相応する要素を示すものとする。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係るデータ処理装置1を用いた通信システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示すように通信システムは、放送データを送信するデータ送信装置2(IP放送局又はVODサーバ等)と、IPネットワーク等の通信ネットワーク4を介してデータ送信装置2に接続されたデータ処理装置1と、データ処理装置1に接続されたテレビ等の表示装置3とを備えて構成されている。但し、データ処理装置1は表示装置3に内蔵されていてもよい。データ処理装置1は、データ送信装置2と表示装置3との間で放送データを中継するとともに、詳細は後述するように、データ送信装置2から受信した放送データに対して新たな情報を付加することが可能である。
【0021】
図2は、本発明の実施の形態に係るデータ処理装置1の構成を示すブロック図である。データ処理装置1は、受信部110、CPU等の信号処理部120、半導体メモリ等の記憶部130、送信部140を備えている。また、データ処理装置1への入力は受信部110の入力に接続されている。受信部110からの出力は、信号処理部120の入力に接続されている。信号処理部120の出力は記憶部130の入力と送信部140の入力とに接続されている。記憶部130の出力は信号処理部120の入力に接続されている。そして、送信部140の出力は、データ処理装置1の出力となる。
【0022】
本発明の実施の形態に係るデータ処理装置1はコンピュータ装置であり、記憶部130に格納されたプログラム135を信号処理部120が読み込み、プログラム135を実行
することで、本発明の機能を実現させることができる。通信ネットワーク4からのトランスポートストリーム信号S11が受信部110に入力された場合、そのトランスポートストリーム信号S11は信号処理部120に入力され、記憶部130に書き込まれる。そして、信号処理部120は記憶部130からプログラム135を読み込み、プログラム135の命令に従って、記憶部130から読み出したトランスポートストリーム信号S11を処理していく。(以下、プログラムの読み込みと実行とを特に記載していない場合でも同様である。)
【0023】
図3は、プログラム135を実行することによって信号処理部120において実現される機能を示す機能ブロック図である。プログラム135が信号処理部120によって実現させる機能においては、信号処理部120への入力は抽出部121と挿入部124との入力になる。抽出部121の出力は変更部122の入力となる。変更部122の出力は挿入部124の入力となる。生成部123の出力は挿入部124と変更部122との入力となる。挿入部124の出力が信号処理部120の出力となる。
【0024】
次に、本発明の実施の形態に係るデータ処理装置1の動作の説明を、図4のフローチャートを用いて行う。本発明の実施の形態に係るデータ処理装置1は、トランスポートストリーム通信の中継を行う装置であり、データ処理装置1にはトランスポートストリーム信号S11が入力される。このトランスポートストリーム信号S11には、動画データを含むパケット、音声データを含むパケット、セクションデータなどを含むパケット、nullパケット、そしてPMT(Program Map Table)と呼ばれるトランスポートストリームの属性情報を含むパケットなどを有している。図5にトランスポートに含まれるパケットについて模式的に表した図を示す。図5で示すようにトランスポートストリームのデータ記憶域であるペイロードには、PES(Packetized Elementary Stream)のパケットを格納することができる。また、トランスポートストリームはPESには付属できないセクションデータを含むパケットも有している。
【0025】
まず、ステップSP100において、パケット通信によって伝送されてきたトランスポートストリーム信号S11は受信部110に入力される。受信部110はトランスポートストリーム信号S11を複数のTSパケットとして認識し、TSパケット群S12として出力する。
【0026】
次に、ステップSP200において、抽出部121はTSパケット群S12の中からPMTを含むパケットを探し出し、PMT情報を抽出する。抽出されたPMT情報はPMT情報信号S17として、変更部122に送られる。
【0027】
次に、ステップSP300において、生成部123は、OSDに表示される文字情報を含んだPESデータ形式の文字ストリームを生成し、文字ストリームS20として出力する。さらに、生成した文字ストリームのストリーム情報S20を出力する。この時の文字ストリームのPESデータ構造の例を図6、図7に示す。図6は同期型のPESのデータ構造であり、図7は非同期型のPESのデータ構造である。さらに、字幕におけるPESパケットの設定パラメータの例を図8に、文字スーパーにおけるPESパケットの設定パラメータの例を図9に示す。また、図8及び図9中にあげた字幕のデータグループのデータにおける、データパラメータの例を図10に示した。
【0028】
次に、ステップSP400において、生成部123より出力されたストリーム情報S18は、変更部122に入力される。そして変更部122は、このストリーム情報S18に基づいて、抽出部121より受け取ったPMT情報を変更する。変更するPMT情報の構造例を図11に示す。また、PMT情報に記述されるストリームタイプの割り当てを示した図を図12に示す。PMT情報の変更に際して、変更部122は文字ストリームのPI
D(Packet Identification)を追加し、情報追加の終わったPMTに応じたCRC(Cyclic Redundancy Check)を生成して、これを書き換える。その後、変更部122は変更が終了した新しいPMT情報S19を出力する。
【0029】
次に、ステップSP500において、変更部122から出力された新しいPMT情報S19は、挿入部124に入力される。また、生成部123で生成された文字ストリームS20も、挿入部124に入力される。挿入部124は、変更されたPMT情報を、TSパケット群S12の中の、抽出部121によって抽出された元のPMTを含んでいたパケットに挿入し、新しいPMT情報に書き換える。さらに挿入部124は、TSパケット群S12に文字ストリームS20を加え、新たなTSパケット群S15として出力する。
【0030】
挿入部124から新たなTSパケット群S15を受け取った送信部140は、パケット送信処理を行い、トランスポートストリーム信号S16として出力する。このトランスポートストリーム信号S16がデータ処理装置1の出力となる。
【0031】
データ処理装置1から出力された文字ストリームが追加されたトランスポートストリームは、OSD表示器に入力されると、まずトランスポートストリームのPAT(Program Association Table)が読み出され、PATに記載されたPMTのPIDにより、PMTが呼び出される。データ処理装置1の変更部122では、PMT自身のPID情報を変更することはないので、OSD表示器は元のトランスポートストリームと同様に、新たに挿入したPMT情報を読み込むことができる。
【0032】
次に、OSD表示器はPMT情報に記載された放送データのPIDにより、各放送データを呼び出す。このとき、本発明で追加された文字ストリームのPIDも呼び出すので、OSD表示器は新たにデータ処理装置1によって追加された文字ストリームを読み込み、OSDに表示することができる。
【0033】
以上のように、本発明の実施の形態に係るデータ処理装置1によれば、受信したトランスポートストリームに対して、復号処理を実行する前に、新たに文字ストリームを追加することができる。さらに、トランスポートストリームのOSD表示の制御情報が記載されたBML(Broadcast Markup Language)ファイルの変更を行わなくても、文字ストリームはOSD表示器に表示することができる。
【0034】
<第1の変形例>
第1の変形例に係るデータ処理装置1によれば、ステップSP500において、挿入部124が文字ストリームをTSパケット群S12に挿入するにあたって、ストリーム同士を多重化するのではなく、TSパケット群S12が有するnullパケットのペイロードと、文字ストリームのPESパケットデータとを置換する。一般的なストリーム同士の多重化した場合と、nullパケットに置換して挿入する場合とのTSパケットを模式的に表した図を図13に示す。なお、図13においてTSパケットのヘッダ部は省略してある。
【0035】
一般的なストリーム同士の多重化では、パケット同士を順番に多重にしていくので、ストリームの追加前と比べて伝送データ量が増えるのに対して、nullパケットに置換して挿入すると、ストリームの追加前と伝送データ量は変わらず、伝送効率の悪化を招くことなくストリームの追加が可能である。
【0036】
また、トランスポートストリーム通信では、送信側のクロックと受信側のクロックとを同期させるためにクロック・リカバリー機能が用いられる。このとき、一般的なストリーム同士の多重化を行うと、ストリーム中のパケット数が変わってしまうので、正しくクロ
ック・リカバリーするためには、改めてパケット数の調整などを行って同期をとる必要があるが、本発明の第1の変形例を用いれば、伝送するパケット数がデータ挿入の前と後とで変化しないため、改めてクロック・リカバリーのための調整を行う必要はない。
【0037】
<第2の変形例>
第2の変形例に係るデータ処理装置1によれば、トランスポートストリーム信号S11の放送データにはスクランブルがかけられているが、PMTにはスクランブルがかけられていない。したがって、抽出部121は特にスクランブルの解除といった複雑な処理をすることなくPMT情報を抽出することができ、挿入部124においても新たなPMT情報S19の挿入を行うことが出来る。
【0038】
ここでいうスクランブルとは、放送送信側が意図に反する視聴を防ぐ為に放送データを複雑化(ビット配列の並べ替えや、暗号化等)することである。スクランブルをかけられた放送データは、そのままでは読み取ることができない。そのため、スクランブルがかけられた放送データをデータ処理するためには、スクランブルを解除する必要がある。しかし、本発明の第2の変形例では、トランスポートストリームに表示文字の追加を行うにあたっても、スクランブルを解除する必要がない。
【0039】
<第3の変形例>
図14は本発明の第3の変形例を示したブロック図である。家庭内でデジタルテレビを視聴する際には、放送ネットワーク400から送られてくる放送信号をHGW(Home Gateway)500によって終端し、各デジタルテレビ300a、300b、300cに接続されたSTB(Set Top Box)200a、200b、200cにトランスポートストリーム信号を分配している。図14はデジタルテレビ三台に対して信号を三分配しているが、あくまで例示であり、分配数やデジタルテレビの台数は本発明で限定するものではない。
【0040】
ここで、STB200aとデジタルテレビ300aとの場合を用いて説明を行う。HGW500により分配されたトランスポートストリーム信号をSTB200aがデコードすることにより、デジタルテレビ300aにおいて、トランスポートストリームによって伝送された放送を視聴することができる。
【0041】
このとき、家庭内に設置された防犯センサー600によって異常が感知されたとき、異常感知信号がHGW500に送られる。HGW500には本発明の実施の形態に関わるデータ処理装置1が実装されており、防犯センサー600からの異常感知信号は生成部123に入力される。図15に、HGWにおける機能ブロック図を示す。
【0042】
異常感知信号が入力された生成部123は、「防犯センサーが異常を検知しました」という旨の文章を含む文字ストリームを生成し、データ処理装置1はその異常を知らせる文字ストリームをトランスポートストリームに追加する。このとき、文字ストリームのPESデータグループにおいてTMD(Time control Mode)及びDMF(Display Mode Flag)という項目で表示モードを設定しておく。図16に字幕における字幕管理データのPESパラメータ、図17に文字スーパーにおける字幕管理データのPESパラメータを示す。ここではリアルタイムに自動表示させるので、図17のTMDは‘01’、DMFは‘0000’と設定する。
【0043】
文字ストリームの追加されたトランスポートストリームは、通常の放送を行うトランスポートストリームと同様にSTB200aによってデコードされ、デジタルテレビ300aが受信する。このとき、デジタルテレビは文字ストリームのPESデータを読み込み、リアルタイムに自動表示するように、OSDを作動させる。こうして、文字ストリームによって追加された「防犯センサーが異常を検知しました」という旨の文字もデジタルテレ
ビ300aに表示されるので、デジタルテレビ300aの視聴者は防犯センサー600が異常を検知したことを知ることが可能である。
【0044】
第3の変形例では、HGW500が本発明の実施の形態に関わるデータ処理装置1を実装している場合を例示したが、本発明は実施の形態に関わるデータ処理装置1が実装されるべき機器について限定するものではない。さらにいえば、図14において、STB200aやSTB200b、STB200cにデータ処理装置1が実装されていた場合でも、同様の効果を得ることが可能である。
【0045】
また、本発明の適用例は防犯センサーに限るものではなく、火災報知器による火災検知や、インターホンによる来客を知らせるなどにも用いることができる。
【0046】
なお、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲にとって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0047】
1 データ処理装置
3 表示装置
4 通信ネットワーク
110 受信部
120 信号処理部
121 抽出部
122 変更部
123 生成部
124 挿入部
130 記憶部
135 プログラム
140 送信部
200a、200b、200c STB
300a、300b、300c デジタルテレビ
400 放送ネットワーク
500 HGW
600 防犯センサー



【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送データが格納された複数のパケットと、前記複数のパケット各々の属性情報が格納されたパケットとを含む第1のトランスポートストリームを、通信ネットワークを介して受信する受信手段と、
文字ストリームを生成する生成手段と、
前記文字ストリームに基づいて、前記属性情報を変更する変更手段と、
前記第1のトランスポートストリームに前記文字ストリームを挿入することにより、第2のトランスポートストリームを生成する挿入手段と、
前記第2のトランスポートストリームを、前記放送データを表示する表示手段に対して出力する出力手段と
を備える、データ処理装置。
【請求項2】
前記挿入手段は、前記文字ストリームをパケットに格納し、当該パケットと前記第1のトランスポートストリームのnullパケットとを置換することにより、前記第2のトラスポートストリームを生成する、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記第1のトランスポートストリームにおいて、前記属性情報の部分にはスクランブルはかけられておらず、前記属性情報以外の部分にはスクランブルがかけられている、請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
(A)放送データが格納された複数のパケットと、前記複数のパケット各々の属性情報が格納されたパケットとを含む第1のトランスポートストリームを、通信ネットワークを介して受信するステップと、
(B)文字ストリームを生成するステップと、
(C)前記文字ストリームに基づいて、前記属性情報を変更するステップと、
(D)前記第1のトランスポートストリームに前記文字ストリームを挿入することにより、第2のトランスポートストリームを生成するステップと、
(E)前記第2のトランスポートストリームを、前記放送データを表示する表示手段に対して出力するステップと
を備える、データ処理方法。
【請求項5】
コンピュータに放送データを処理させるためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(A)放送データが格納された複数のパケットと、前記複数のパケット各々の属性情報が格納されたパケットとを含む第1のトランスポートストリームを、通信ネットワークを介して受信するステップと、
(B)文字ストリームを生成するステップと、
(C)前記文字ストリームに基づいて、前記属性情報を変更するステップと、
(D)前記第1のトランスポートストリームに前記文字ストリームを挿入することにより、第2のトランスポートストリームを生成するステップと、
(E)前記第2のトランスポートストリームを、前記放送データを表示する表示手段に対して出力するステップと
を実行させる、プログラム。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−4274(P2011−4274A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146888(P2009−146888)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(502312498)住友電工ネットワークス株式会社 (212)
【Fターム(参考)】