説明

データ収集システム及びデータ収集方法

【課題】本発明は、親ノードが複数の子ノードからデータを収集する無線通信ネットワークにおいて、親ノードが効率よくデータを要求することにより、データの収集の効率を上げる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、データを作成する複数の子ノード3と、複数の子ノード3が作成したデータを収集する親ノード1と、親ノード1からのデータ収集要求に応じて、複数の子ノード3のうち自己と通信可能である通信可能子ノード3から無線通信により、通信可能子ノード3が作成したデータを取得し、親ノード1に無線通信により、通信可能子ノード3が作成したデータを提供する複数の中間ノード2と、を備えることを特徴とするデータ収集システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親ノードが複数の子ノードからデータを収集するデータ収集システム及びデータ収集方法において、無線通信ネットワークの負荷を軽減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
親ノードが複数の子ノードからデータを収集する無線通信ネットワークが知られている。特許文献1では、各子ノードは、自己と通信可能な他の子ノードについて、親ノードまでの中継回数を記憶している。そして、各子ノードは、親ノードにデータを送信するときに、自己と通信可能な他の子ノードのうち、親ノードまでの中継回数が最も少ない他の子ノードにデータを中継する。よって、データの収集の効率を上げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−4975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、複数の子ノードが親ノードに効率よくデータを送信する技術は開示されているが、親ノードが複数の子ノードに効率よくデータを要求する技術は開示されていない。よって、特許文献1では、データの収集の効率をより上げることができない。
【0005】
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、親ノードが複数の子ノードからデータを収集する無線通信ネットワークにおいて、親ノードが効率よくデータを要求することにより、データの収集の効率を上げる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、データを作成する複数の子ノードから、複数の中間ノードを介して、データを収集する親ノードへデータが中継される。各中間ノードは、親ノードからのデータ収集要求に応じて、自己と通信可能である通信可能子ノードから無線通信により、通信可能子ノードが作成したデータを取得し、親ノードに無線通信により、通信可能子ノードが作成したデータを提供するようにした。
【0007】
具体的には、本発明は、データを作成する複数の子ノードと、前記複数の子ノードが作成したデータを収集する親ノードと、前記親ノードからのデータ収集要求に応じて、前記複数の子ノードのうち自己と通信可能である通信可能子ノードから無線通信により、前記通信可能子ノードが作成したデータを取得し、前記親ノードに無線通信により、前記通信可能子ノードが作成したデータを提供する複数の中間ノードと、を備えることを特徴とするデータ収集システムである。
【0008】
また、本発明は、親ノードは、複数の中間ノードに対して、複数の子ノードの作成したデータを前記複数の子ノードから前記親ノードへ中継するように、データ中継要求を発行し、前記各中間ノードは、前記データ中継要求に従って、前記複数の子ノードのうち前記各中間ノードと通信可能である通信可能子ノードに対して、前記通信可能子ノードの作成したデータを前記通信可能子ノードから前記各中間ノードへ提供するように、データ提供要求を発行し、前記通信可能子ノードは、前記データ提供要求に従って、前記通信可能子ノードの作成したデータを前記各中間ノードに無線通信により提供し、前記各中間ノードは、前記通信可能子ノードから提供されたデータを、前記親ノードに無線通信により中継することを特徴とするデータ収集方法である。
【0009】
この構成によれば、親ノードは、複数の子ノードに対してデータ収集要求を発行するのではなく、複数の中間ノードに対してデータ収集要求を発行する。中間ノードの台数が子ノードの台数より少ない場合には、データ収集時間を短縮することができる。
【0010】
また、本発明は、前記親ノードは、前記各中間ノードのまとめて提供するデータの取得先である子ノードの台数の上限を最大取得数として前記各中間ノードに通知し、前記各中間ノードからまとめて提供されたデータの取得先である子ノードの台数が前記最大取得数であるときに、前記通信可能子ノードのうちデータの取得されていない子ノードからデータを取得するように、前記各中間ノードに要求することを特徴とするデータ収集システムである。
【0011】
また、本発明は、前記親ノードは、前記各中間ノードのまとめて提供するデータの取得先である子ノードの台数の上限を最大取得数として前記各中間ノードに通知し、前記各中間ノードからまとめて提供されたデータの取得先である子ノードの台数が前記最大取得数であるときに、前記通信可能子ノードのうちデータの取得されていない子ノードからデータを取得するように、前記各中間ノードに要求することを特徴とするデータ収集方法である。
【0012】
この構成によれば、中間ノードは子ノードから取得したデータをまとめて親ノードに提供するため、無線通信ネットワークのうち親ノードに近い部分でデータ通信回数を軽減することができる。さらに、中間ノードがまとめて親ノードに提供するデータの取得先である子ノードの台数は最大取得数に制限されるため、無線ネットワークのうち親ノードに近い部分でデータが輻輳することを防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、親ノードが複数の子ノードからデータを収集する無線通信ネットワークにおいて、親ノードが効率よくデータを要求することにより、データの収集の効率を上げる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のデータ収集システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の親ノードの処理内容を示すフローチャートである。
【図3】本発明の中間ノードの処理内容を示すフローチャートである。
【図4】最大取得数が3である場合の処理内容を示す図である。
【図5】最大取得数が2である場合の処理内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。
【0016】
(データ収集システムの構成)
図1は、本発明のデータ収集システムの構成を示す図である。データ収集システムは、親ノード1、中間ノード2−1、2−2、2−3、2−4、2−5及び子ノード3−1、3−2、3−3、3−4、3−5、3−6、3−7、3−8、3−9から構成される。
【0017】
複数の子ノード3は、データを作成し、親ノード1は、複数の子ノード3が作成したデータを収集する。複数の中間ノード2は、親ノード1からのデータ収集要求に応じて、複数の子ノード3のうち自己と通信可能である通信可能子ノード3から無線通信により、通信可能子ノード3が作成したデータを取得し、親ノード1に無線通信により、通信可能子ノード3が作成したデータを提供する。複数の子ノード3の下流に不図示の通信装置が配置され、当該不図示の通信装置がデータを作成するときは、複数の子ノード3は当該不図示の通信装置から親ノード1へデータを中継する複数の中間ノード2としても機能する。
【0018】
親ノード1は、各中間ノード2に対して、データ収集要求及びデータ収集処理を一連の処理として実行する。つまり、親ノード1は、ある中間ノード2に対して、データ収集要求及びデータ収集処理を一連の処理として実行した後で、他の中間ノード2に対して、データ収集要求及びデータ収集処理を一連の処理として実行する。
【0019】
親ノード1は、各中間ノード2のまとめて提供するデータの取得先である子ノード3の台数の上限を最大取得数として各中間ノード2に通知する。親ノード1は、各中間ノード2からまとめて提供されたデータの取得先である子ノード3の台数が最大取得数であるときに、通信可能子ノード3のうちデータの取得されていない子ノード3からデータを取得するよう各中間ノード2に要求する。つまり、親ノード1は、ある中間ノード2がまとめてデータを取得した子ノード3の台数が最大取得数に等しければ、その中間ノード2は通信可能な子ノード3の一部からデータを取得していない可能性がある、と判断する。そして、親ノード1は、ある中間ノード2がまとめてデータを取得した子ノード3の台数が最大取得数に満たなければ、その中間ノード2は通信可能な子ノード3の全てからデータを取得したあるいは通信可能な子ノード3を有していない、と判断する。
【0020】
図1の矢印は、いずれのノードどうしが通信可能であるかを示す。具体的には、親ノード1は、中間ノード2−1、2−2と通信可能である。中間ノード2−1は、親ノード1及び中間ノード2−2、2−3と通信可能である。中間ノード2−2は、親ノード1及び中間ノード2−1、2−3、2−4、2−5と通信可能である。中間ノード2−3は、中間ノード2−1、2−2、2−4及び子ノード3−1、3−2、3−3と通信可能である。中間ノード2−4は、中間ノード2−2、2−3、2−5及び子ノード3−3、3−4、3−5、3−6と通信可能である。中間ノード2−5は、中間ノード2−2、2−4及び子ノード3−6、3−7、3−8、3−9と通信可能である。
【0021】
つまり、ある子ノード3から親ノード1への通信経路は複数存在する。ただし、当該複数の通信経路のうち中継回数が少なく通信状態が良い通信経路が選択される。そして、子ノード3−3からは中間ノード2−3、2−4がデータを取得することができ、子ノード3−6からは中間ノード2−4、2−5がデータを取得することができる。親ノード1、各中間ノード2及び各子ノード3は、データ収集処理に先立って、特許文献1に記載の先行技術などを利用して、上述のデータ収集システムの構成を知得している。
【0022】
以下では、まず最大取得数が3である場合の処理内容を説明し、次に最大取得数が2である場合の処理内容を説明する。図2は、本発明の親ノードの処理内容を示すフローチャートであり、図3は、本発明の中間ノードの処理内容を示すフローチャートであり、図2及び図3のフローチャートは、上述の両者の場合で共通する。
【0023】
(最大取得数が3である場合の処理内容)
図4は、最大取得数が3である場合の処理内容を示す図である。手順1では、親ノード1は、中間ノード2−1にポーリングするとき、いずれの子ノード3からもデータを収集していない旨の取得リストを中間ノード2−1に送信する(ステップS1)。このように、親ノード1は、中間ノード2−1に対して、子ノード3の作成したデータを子ノード3から親ノード1へ中継するように、データ中継要求を発行する。中間ノード2−1は、親ノード1から要求を受信し(ステップS21)、隣接する子ノード3がないことを確認し(ステップS22においてNO)、親ノード1に処理の結果を送信する(ステップS27)。親ノード1は、中間ノード2−1から結果を受信する(ステップS2)。動作した中間ノード2は中間ノード2−1である。親ノード1は、一部の中間ノード2にポーリングを終了していない(ステップS3においてNO)。
【0024】
手順2では、親ノード1は、中間ノード2−2にポーリングするとき、いずれの子ノード3からもデータを収集していない旨の取得リストを中間ノード2−2に送信する(ステップS1)。中間ノード2−2は、親ノード1から要求を受信し(ステップS21)、隣接する子ノード3がないことを確認し(ステップS22においてNO)、親ノード1に処理の結果を送信する(ステップS27)。親ノード1は、中間ノード2−2から結果を受信する(ステップS2)。動作した中間ノード2は中間ノード2−2である。親ノード1は、一部の中間ノード2にポーリングを終了していない(ステップS3においてNO)。
【0025】
手順3では、親ノード1は、中間ノード2−3にポーリングするとき、いずれの子ノード3からもデータを収集していない旨の取得リストを中間ノード2−3に送信する(ステップS1)。中間ノード2−3は、親ノード1から要求を受信し(ステップS21)、隣接する子ノード3として子ノード3−1、3−2、3−3があることを確認する(ステップS22においてYES)。中間ノード2−3は、取得リストを参照することにより、子ノード3−1からいずれの中間ノード2によっても未だデータが取得されていないことを確認し(ステップS23においてNO)、子ノード3−1からデータを取得する(ステップS24)。中間ノード2−3は、一部の隣接する子ノード3に対して処理を終了していないことを確認し(ステップS25においてNO)、最大取得数の隣接する子ノード3からデータを取得していないことを確認する(ステップS26においてNO)。
【0026】
中間ノード2−3は、子ノード3−2に対して、ステップS23においてNOと判断し、ステップS24を実行し、ステップS25においてNOと判断し、ステップS26においてNOと判断する。中間ノード2−3は、子ノード3−3に対して、ステップS23においてNOと判断し、ステップS24を実行し、ステップS25においてYESと判断する。このように、中間ノード2−3は、データ中継要求に従って、複数の子ノード3のうち中間ノード2−3と通信可能である通信可能子ノード3−1、3−2、3−3に対して、通信可能子ノード3−1、3−2、3−3の作成したデータを通信可能子ノード3−1、3−2、3−3から中間ノード2−3へ提供するように、データ提供要求を発行する。そして、通信可能子ノード3−1、3−2、3−3は、データ提供要求に従って、通信可能子ノード3−1、3−2、3−3の作成したデータを中間ノード2−3に無線通信により提供する。
【0027】
中間ノード2−3は、親ノード1に処理の結果を送信し、具体的には親ノード1に子ノード3−1、3−2、3−3からのデータを送信する(ステップS27)。親ノード1は、中間ノード2−3から結果を受信する(ステップS2)。このように、中間ノード2−3は、通信可能子ノード3−1、3−2、3−3から提供されたデータを、親ノード1に無線通信により中継する。中継回数が最も少ない通信経路は、親ノード1及び中間ノード2−1、2−3を経由する通信経路であり、動作した中間ノード2は中間ノード2−1、2−3である。親ノード1は、一部の中間ノード2にポーリングを終了していない(ステップS3においてNO)。
【0028】
手順4では、親ノード1は、中間ノード2−4にポーリングするとき、子ノード3−1、3−2、3−3からデータを収集した旨の取得リストを中間ノード2−4に送信する(ステップS1)。中間ノード2−4は、親ノード1から要求を受信し(ステップS21)、隣接する子ノード3として子ノード3−3、3−4、3−5、3−6があることを確認する(ステップS22においてYES)。中間ノード2−4は、取得リストを参照することにより、子ノード3−3からいずれかの中間ノード2により既にデータが取得されたことを確認し(ステップS23においてYES)、重複してデータを取得しない。中間ノード2−4は、一部の隣接する子ノード3に対して処理を終了していないことを確認し(ステップS25においてNO)、最大取得数の隣接する子ノード3からデータを取得していないことを確認する(ステップS26においてNO)。
【0029】
中間ノード2−4は、子ノード3−4、3−5に対して、ステップS23においてNOと判断し、ステップS24を実行し、ステップS25においてNOと判断し、ステップS26においてNOと判断する。中間ノード2−4は、子ノード3−6に対して、ステップS23においてNOと判断し、ステップS24を実行し、ステップS25においてYESと判断する。中間ノード2−4は、親ノード1に処理の結果を送信し、具体的には親ノード1に子ノード3−4、3−5、3−6からのデータを送信する(ステップS27)。親ノード1は、中間ノード2−4から結果を受信する(ステップS2)。中継回数が最も少ない通信経路は、親ノード1及び中間ノード2−2、2−4を経由する通信経路であり、動作した中間ノード2は中間ノード2−2、2−4である。親ノード1は、一部の中間ノード2にポーリングを終了していない(ステップS3においてNO)。
【0030】
手順5では、親ノード1は、中間ノード2−5にポーリングするとき、子ノード3−1、3−2、3−3、3−4、3−5、3−6からデータを収集した旨の取得リストを中間ノード2−5に送信する(ステップS1)。中間ノード2−5は、親ノード1から要求を受信し(ステップS21)、隣接する子ノード3として子ノード3−6、3−7、3−8、3−9があることを確認する(ステップS22においてYES)。中間ノード2−5は、取得リストを参照することにより、子ノード3−6からいずれかの中間ノード2により既にデータが取得されたことを確認し(ステップS23においてYES)、重複してデータを取得しない。中間ノード2−5は、一部の隣接する子ノード3に対して処理を終了していないことを確認し(ステップS25においてNO)、最大取得数の隣接する子ノード3からデータを取得していないことを確認する(ステップS26においてNO)。
【0031】
中間ノード2−5は、子ノード3−7、3−8に対して、ステップS23においてNOと判断し、ステップS24を実行し、ステップS25においてNOと判断し、ステップS26においてNOと判断する。中間ノード2−5は、子ノード3−9に対して、ステップS23においてNOと判断し、ステップS24を実行し、ステップS25においてYESと判断する。中間ノード2−5は、親ノード1に処理の結果を送信し、具体的には親ノード1に子ノード3−7、3−8、3−9からのデータを送信する(ステップS27)。親ノード1は、中間ノード2−5から結果を受信する(ステップS2)。中継回数が最も少ない通信経路は、親ノード1及び中間ノード2−2、2−5を経由する通信経路であり、動作した中間ノード2は中間ノード2−2、2−5である。親ノード1は、全ての中間ノード2にポーリングを終了している(ステップS3においてYES)。
【0032】
親ノード1は、全ての中間ノード2にポーリングを終了しており、全ての子ノード3からデータを収集している。よって、親ノード1は、データ収集処理を終了する。ただし、親ノード1は、図2(a)で示した1回目のポーリングを行うのみならず、図2(b)に示した2回目のポーリングを行ってもよい。2回目のポーリングは次に説明する。
【0033】
(最大取得数が2である場合の処理内容)
図5は、最大取得数が2である場合の処理内容を示す図である。最大取得数が2である場合の手順1、2は、最大取得数が3である場合の手順1、2とそれぞれ同様である。
【0034】
手順3では、親ノード1は、中間ノード2−3にポーリングするとき、いずれの子ノード3からもデータを収集していない旨の取得リストを中間ノード2−3に送信する(ステップS1)。中間ノード2−3は、親ノード1から要求を受信し(ステップS21)、隣接する子ノード3として子ノード3−1、3−2、3−3があることを確認する(ステップS22においてYES)。中間ノード2−3は、子ノード3−1に対して、ステップS23においてNOと判断し、ステップS24を実行し、ステップS25においてNOと判断し、ステップS26においてNOと判断する。中間ノード2−3は、子ノード3−2に対して、ステップS23においてNOと判断し、ステップS24を実行し、ステップS25においてNOと判断し、ステップS26においてYESと判断する。
【0035】
中間ノード2−3は、最大取得数の隣接する子ノード3−1、3−2からデータを取得している。中間ノード2−3は、親ノード1に処理の結果を送信し、具体的には親ノード1に子ノード3−1、3−2からのデータを送信する(ステップS27)。親ノード1は、中間ノード2−3から結果を受信する(ステップS2)。動作した中間ノード2は中間ノード2−1、2−3である。親ノード1は、一部の中間ノード2にポーリングを終了していない(ステップS3においてNO)。
【0036】
手順4では、親ノード1は、中間ノード2−4にポーリングするとき、子ノード3−1、3−2からデータを収集した旨の取得リストを中間ノード2−4に送信する(ステップS1)。中間ノード2−4は、親ノード1から要求を受信し(ステップS21)、隣接する子ノード3として子ノード3−3、3−4、3−5、3−6があることを確認する(ステップS22においてYES)。中間ノード2−4は、子ノード3−3に対して、ステップS23においてNOと判断し、ステップS24を実行し、ステップS25においてNOと判断し、ステップS26においてNOと判断する。中間ノード2−4は、子ノード3−4に対して、ステップS23においてNOと判断し、ステップS24を実行し、ステップS25においてNOと判断し、ステップS26においてYESと判断する。
【0037】
中間ノード2−4は、最大取得数の隣接する子ノード3−3、3−4からデータを取得している。中間ノード2−4は、親ノード1に処理の結果を送信し、具体的には親ノード1に子ノード3−3、3−4からのデータを送信する(ステップS27)。親ノード1は、中間ノード2−4から結果を受信する(ステップS2)。動作した中間ノード2は中間ノード2−2、2−4である。親ノード1は、一部の中間ノード2にポーリングを終了していない(ステップS3においてNO)。
【0038】
手順5では、親ノード1は、中間ノード2−5にポーリングするとき、子ノード3−1、3−2、3−3、3−4からデータを収集した旨の取得リストを中間ノード2−5に送信する(ステップS1)。中間ノード2−5は、親ノード1から要求を受信し(ステップS21)、隣接する子ノード3として子ノード3−6、3−7、3−8、3−9があることを確認する(ステップS22においてYES)。中間ノード2−5は、子ノード3−6に対して、ステップS23においてNOと判断し、ステップS24を実行し、ステップS25においてNOと判断し、ステップS26においてNOと判断する。中間ノード2−5は、子ノード3−7に対して、ステップS23においてNOと判断し、ステップS24を実行し、ステップS25においてNOと判断し、ステップS26においてYESと判断する。
【0039】
中間ノード2−5は、最大取得数の隣接する子ノード3−6、3−7からデータを取得している。中間ノード2−5は、親ノード1に処理の結果を送信し、具体的には親ノード1に子ノード3−6、3−7からのデータを送信する(ステップS27)。親ノード1は、中間ノード2−5から結果を受信する(ステップS2)。動作した中間ノード2は中間ノード2−2、2−5である。親ノード1は、全ての中間ノード2にポーリングを終了している(ステップS3においてNO)。
【0040】
親ノード1は、全ての中間ノード2にポーリングを終了しているが、一部の子ノード3からデータを収集していない。よって、親ノード1は、図2(a)で示した1回目のポーリングを行うのみならず、図2(b)に示した2回目のポーリングを行う。
【0041】
親ノード1は、中間ノード2−1、2−2からの結果を検索し(ステップS11)、中間ノード2−1、2−2は隣接する子ノード3を有さないと判断し(ステップS12においてNO)、中間ノード2−1、2−2にポーリングしない。親ノード1は、一部の中間ノード2に対して処理を終了していない(ステップS16においてNO)。
【0042】
手順6では、親ノード1は、中間ノード2−3からの結果を検索し(ステップS11)、中間ノード2−3は隣接する子ノード3を有すると判断し(ステップS12においてYES)、最大取得数の隣接する子ノード3からデータを取得したと判断する(ステップS13においてYES)。親ノード1は、中間ノード2−3は通信可能な子ノード3の一部からデータを取得していない可能性があると判断する。親ノード1は、中間ノード2−3にポーリングするとき、子ノード3−1、3−2、3−3、3−4、3−6、3−7からデータを収集した旨の取得リストを中間ノード2−3に送信する(ステップS14)。
【0043】
中間ノード2−3は、隣接する子ノード3−1、3−2、3−3からデータが取得されていると判断するため(ステップS23においてYES)、これらの子ノード3からデータを取得しない。中間ノード2−3は、最大取得数の隣接する子ノード3からデータを収集しないうちに(ステップS26においてNO)、全ての隣接する子ノード3に対して処理を終了する(ステップS25においてYES)。中間ノード2−3は、親ノード1に処理の結果を送信し、具体的には未取得のデータがない旨の結果を送信する(ステップS27)。親ノード1は、中間ノード2−3から結果を受信する(ステップS15)。動作した中間ノード2は中間ノード2−1、2−3である。親ノード1は、一部の中間ノード2に対して処理を終了していない(ステップS16においてNO)。
【0044】
手順7では、親ノード1は、中間ノード2−4からの結果を検索し(ステップS11)、中間ノード2−4は隣接する子ノード3を有すると判断し(ステップS12においてYES)、最大取得数の隣接する子ノード3からデータを取得したと判断する(ステップS13においてYES)。親ノード1は、中間ノード2−4は通信可能な子ノード3の一部からデータを取得していない可能性があると判断する。親ノード1は、中間ノード2−4にポーリングするとき、子ノード3−1、3−2、3−3、3−4、3−6、3−7からデータを収集した旨の取得リストを中間ノード2−4に送信する(ステップS14)。
【0045】
中間ノード2−4は、隣接する子ノード3−3、3−4、3−6からデータが取得されていると判断するため(ステップS23においてYES)、これらの子ノード3からデータを取得しない。中間ノード2−4は、隣接する子ノード3−5からデータが取得されていないと判断するため(ステップS23においてNO)、この子ノード3からデータを取得する(ステップS24)。中間ノード2−4は、最大取得数の隣接する子ノード3からデータを収集しないうちに(ステップS26においてNO)、全ての隣接する子ノード3に対して処理を終了する(ステップS25においてYES)。中間ノード2−4は、親ノード1に処理の結果を送信し、具体的には親ノード1に子ノード3−5からのデータを送信する(ステップS27)。親ノード1は、中間ノード2−4から結果を受信する(ステップS15)。動作した中間ノード2は中間ノード2−2、2−4である。親ノード1は、一部の中間ノード2に対して処理を終了していない(ステップS16においてNO)。
【0046】
手順8では、親ノード1は、中間ノード2−5からの結果を検索し(ステップS11)、中間ノード2−5は隣接する子ノード3を有すると判断し(ステップS12においてYES)、最大取得数の隣接する子ノード3からデータを取得したと判断する(ステップS13においてYES)。親ノード1は、中間ノード2−5は通信可能な子ノード3の一部からデータを取得していない可能性があると判断する。親ノード1は、中間ノード2−5にポーリングするとき、子ノード3−1、3−2、3−3、3−4、3−5、3−6、3−7からデータを収集した旨の取得リストを中間ノード2−5に送信する(ステップS14)。
【0047】
中間ノード2−5は、隣接する子ノード3−6、3−7からデータが取得されていると判断するため(ステップS23においてYES)、これらの子ノード3からデータを取得しない。中間ノード2−5は、隣接する子ノード3−8、3−9からデータが取得されていないと判断するため(ステップS23においてNO)、これらの子ノード3からデータを取得する(ステップS24)。中間ノード2−5は、全ての隣接する子ノード3に対して処理を終了したときに(ステップS25においてYES)、最大取得数の隣接する子ノード3からデータを収集している。中間ノード2−5は、親ノード1に処理の結果を送信し、具体的には親ノード1に子ノード3−8、3−9からのデータを送信する(ステップS27)。親ノード1は、中間ノード2−5から結果を受信する(ステップS15)。動作した中間ノード2は中間ノード2−2、2−5である。親ノード1は、全ての中間ノード2に対して処理を終了している(ステップS16においてYES)。
【0048】
親ノード1は、全ての中間ノード2に2回目のポーリングを終了しており、全ての子ノード3からデータを収集している。よって、親ノード1は、データ収集処理を終了する。ただし、親ノード1は、2回目のポーリングを行うのみならず、3回目のポーリングを行ってもよい。中間ノード2−3は、2回目のポーリングにおいて、隣接する子ノード3からデータを取得していないため(ステップS13においてNO)、親ノード1は、3回目のポーリングにおいて、中間ノード2−3にポーリングしない。中間ノード2−4は、2回目のポーリングにおいて、最大取得数に満たない1台の中間ノード3からデータを取得しているため(ステップS13においてNO)、親ノード1は、3回目のポーリングにおいて、中間ノード2−4にポーリングしない。中間ノード2−5は、2回目のポーリングにおいて、最大取得数に等しい2台の中間ノード3からデータを取得しているため(ステップS13においてYES)、親ノード1は、3回目のポーリングにおいて、中間ノード2−5にポーリングする(ステップS14)。
【0049】
(まとめ)
親ノード1は、複数の子ノード3に対してデータ収集要求を発行するのではなく、複数の中間ノード2に対してデータ収集要求を発行する。中間ノード2の台数が子ノード3の台数より少ない場合には、データ収集時間を短縮することができる。
【0050】
親ノード1は、全中間ノード2に対して、データ収集要求及びデータ収集処理を一斉に実行するのではなく、各中間ノード2に対して、データ収集要求及びデータ収集処理を一連の処理として実行する。そのため、無線通信ネットワークのうち親ノード1に近い部分でデータが輻輳することを防止することができる。
【0051】
親ノード1は、各中間ノード2のまとめて提供するデータの取得先である子ノード3の台数の上限を最大取得数として各中間ノード2に通知する。そのため、無線通信ネットワークのうち親ノード1に近い部分で、データ通信回数を軽減することができるとともに、データが輻輳することを防止することができる。ここで、親ノード1は、全ての子ノード3からデータを収集するまで、各中間ノード2にデータ収集要求を複数回にわたり発行することができる。このとき、親ノード1は、各中間ノード2の負荷を分散させるために、同一中間ノード2にデータ収集要求を連続して発行しないことが望ましい。ただし、親ノード1は、最大取得数に相当するデータを取得した中間ノード2が1台であれば、当該中間ノード2にデータ収集要求を連続して発行してもよい。
【0052】
親ノード1及び中間ノード2の間の通信並びに中間ノード2及び子ノード3の間の通信は、本実施形態では無線通信であったが、変形例として有線通信であってもよい。無線通信及び有線通信において、データ収集時間の短縮、データ通信回数の軽減及びデータ輻輳の防止を図ることができる。親ノード1及び中間ノード2が無線通信を利用する携帯端末である場合には、親ノード1及び中間ノード2は商用電源を利用せず電池などの電源を利用する。そのため、データ収集時間の短縮、データ通信回数の軽減及びデータ輻輳の防止を図ることができれば、これらの携帯端末の電池容量の減少を抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明のデータ収集システム及びデータ収集方法は、子ノードがデータを作成し親ノードがデータを収集する、無線通信及び有線通信を問わないマルチホップネットワーク及びメッシュネットワークなどに適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1:親ノード
2:中間ノード
3:子ノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを作成する複数の子ノードと、
前記複数の子ノードが作成したデータを収集する親ノードと、
前記親ノードからのデータ収集要求に応じて、前記複数の子ノードのうち自己と通信可能である通信可能子ノードから無線通信により、前記通信可能子ノードが作成したデータを取得し、前記親ノードに無線通信により、前記通信可能子ノードが作成したデータを提供する複数の中間ノードと、
を備えることを特徴とするデータ収集システム。
【請求項2】
前記親ノードは、前記各中間ノードのまとめて提供するデータの取得先である子ノードの台数の上限を最大取得数として前記各中間ノードに通知し、前記各中間ノードからまとめて提供されたデータの取得先である子ノードの台数が前記最大取得数であるときに、前記通信可能子ノードのうちデータの取得されていない子ノードからデータを取得するように、前記各中間ノードに要求することを特徴とする、請求項1に記載のデータ収集システム。
【請求項3】
親ノードは、複数の中間ノードに対して、複数の子ノードの作成したデータを前記複数の子ノードから前記親ノードへ中継するように、データ中継要求を発行し、
前記各中間ノードは、前記データ中継要求に従って、前記複数の子ノードのうち前記各中間ノードと通信可能である通信可能子ノードに対して、前記通信可能子ノードの作成したデータを前記通信可能子ノードから前記各中間ノードへ提供するように、データ提供要求を発行し、
前記通信可能子ノードは、前記データ提供要求に従って、前記通信可能子ノードの作成したデータを前記各中間ノードに無線通信により提供し、
前記各中間ノードは、前記通信可能子ノードから提供されたデータを、前記親ノードに無線通信により中継することを特徴とするデータ収集方法。
【請求項4】
前記親ノードは、前記各中間ノードのまとめて提供するデータの取得先である子ノードの台数の上限を最大取得数として前記各中間ノードに通知し、前記各中間ノードからまとめて提供されたデータの取得先である子ノードの台数が前記最大取得数であるときに、前記通信可能子ノードのうちデータの取得されていない子ノードからデータを取得するように、前記各中間ノードに要求することを特徴とする、請求項3に記載のデータ収集方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−65275(P2012−65275A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209907(P2010−209907)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】