説明

データ流出防止CDラベル

【課題】CD廃棄時のデータ流出を容易に防止するデータ流出防止CDラベルを提供する。
【解決手段】CDラベル1はCD2のデータ記録面(レーベル側)に貼り付けられ、中心穴aの近傍にICタグ3が埋め込まれ、中心穴aの内側に左右一対の余剰片bを突起している。また、TOC領域に対応する内周部11とデータ領域に対応する外周部12の境界に中心穴aと同心円をなすミシン目などの弱め線13が入れられる。CD2には暗号化されたデータCdが記録され、ICタグ3にはデータCdを解読するための秘密鍵KsとCD2を認識するためのIDが記録されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD−ROM、CD−R、CD−R/W、DVD−R、DVD−R/Wなどの光ディスク(以下、CDと呼ぶ)を廃棄する際に記録データが外部に流出したり、不正使用されないためにデータの読み取りを実質的に不能にするデータ流出防止CDラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、社会問題化している個人情報などが漏洩する原因は、パソコン利用者が廃棄したCDなどから流出するケースが非常に多い。
そのための対策として、CDに記録したデータをソフト的に消去する方法と、物理的に破壊する方法がある。
CDに記録したデータを「削除」や「フォーマット」でソフト的に消去しても、データが消えたように見えるだけで、実際は特殊なソフトを用いれば読み取ることができる。
そのためダミーデータを上書きして消去する方法もあるが、長時間を要する面倒な作業となる。
【0003】
CDに記録したデータを物理的に破壊する場合、通常はハサミやナイフでCDの表面にキズを付けてデータを読み取れないようにするが、確実性に乏しく、大量CDの廃棄には向いていない。
また、CDを折ったり破砕する方法もあるが、手間と費用が掛かり、リサイクルも困難になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は以上のような点であり、本発明は、CD廃棄時のデータ流出を容易に防止するデータ流出防止CDラベルを提供することを目的になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため本発明は、CDのデータ記録面に保護層と一体に貼付され、剥離すると保護層が破壊されてデータの読み取りが不能になることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、剥離すると保護層が破壊されてデータの読み取りが不能になるので、手間や費用を掛けずに簡単な操作でCDを廃棄する際のデータ流出を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0008】
図1と図2に、本発明を実施したCDラベルとCDの平面図と分解斜視図を示す。
CDラベル1は、CD2のデータ記録面(レーベル側)に貼り付けられ、中心穴aの近傍にICタグ3が埋め込まれ、中心穴aの内側に左右一対の余剰片bを突起している。
このようにICタグ3をできるだけ円の中心に近付け、余剰片bを左右対称に配置することで芯ブレを防止している。
また、TOC領域に対応する内周部11とデータ領域に対応する外周部12の境界に中心穴aと同心円をなすミシン目などの弱め線13が入れられる。
CD2には暗号化されたデータCdが記録され、ICタグ3にはデータCdを解読するための秘密鍵KsとCD2を認識するためのIDが記録されている。
ICタグ3にはアンテナをチップに内蔵するタイプと外付けするタイプがあるが、いずれのタイプを用いてもよい。
【0009】
図3に、本発明を実施したCDのデータ処理装置の構成図を示す。
データ処理装置は、パソコン4にリーダ/ライタ5とCDドライブ6を備え、ICタグ3をリーダ/ライタ5にかざしてIDと秘密鍵Ksを読み取り、CD2をCDドライブ6にセットして暗号化されたデータCdを読み取る。
あるいは、ICタグ3をリーダ/ライタ5にかざして秘密鍵Ksを書き込み、CD2をCDドライブ6にセットして暗号化されたデータCdを書き込む。
リーダ/ライタ5はCDドライブ6に内蔵することも可能で、その場合はCD2をCDドライブ6にセットしてICタグ3とCD2へのアクセスを同時に行うことができる。
【0010】
図4に、本発明を実施したCDの書き込み処理の流れ図を示す。
まず、CD2に記録すべきデータMdを秘密鍵Ksで暗号化して暗号文のデータCdに翻訳する(ステップ101)。
次に、リーダ/ライタ5を介して秘密鍵KsをICタグ3に書き込む(ステップ102)。
次に、CDドライブ6を介して暗号文のデータCdをCD2に書き込む(ステップ103)。
【0011】
図5に、本発明を実施したCDの読み込み処理の流れ図を示す。
まず、リーダ/ライタ5を介してICタグ3のIDと秘密鍵Ksを読み取る(ステップ201)。
次に、IDの正当性を認識してOKであればステップ203に進み、NGであればパソコン4の画面にエラーを表示して処理を終了する(ステップ202)。
次に、CDドライブ6を介してCD2のデータCdを読み取る(ステップ203)。
次に、データCdを秘密鍵Ksで復号化して平文のデータMdに復元する(ステップ204)。
【0012】
本発明を実施したデータ流出防止CDラベルは以上のような構成で、CD2を廃棄するときは、余剰片bを指で摘んでCDラベル1をCD2から引き剥がす。
これにより、弱め線13を境に内周部11の金属の保護層、反射層が一体になって樹脂の基板から剥離し、TOC領域が破壊される。
CDドライブ6がCD2を認識するときは、最初にTOC領域を読み取らなければならないため、TOC領域を破壊するとCD2を認識することができなくなる。
その結果、一般のCDドライブ6でのCD2の読み取りが不能になる。
また、CD2とICタグ3が分離され、別々に廃棄されるので、暗号文のデータCdを秘密鍵Ksで解読することができなくなる。
なお、TOC領域を破壊しただけでは特殊な方法で記録データを読み取られる危険性があるので、全データを破壊する場合は、弱め線13のないCDラベル1を貼付し、それをCD2から引き剥がすとTOC領域と一緒にデータ領域も破壊されるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明を実施したCDラベルとCDの平面図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】本発明を実施したCDのデータ処理装置の構成図である。
【図4】本発明を実施したCDの書き込み処理の流れ図である。
【図5】本発明を実施したCDの読み込み処理の流れ図である。
【符号の説明】
【0014】
1 CDラベル
11 内周部
12 外周部
13 弱め線
2 CD
3 ICタグ
4 パソコン
5 リーダ/ライタ
6 CDドライブ
a 中心穴
b 余剰片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CDのデータ記録面に保護層と一体に貼付され、
剥離すると保護層が破壊されてデータの読み取りが不能になることを特徴とするデータ流出防止CDラベル。
【請求項2】
ICタグを内蔵し、
CDのデータ記録面に保護層と一体に貼付され、
剥離すると保護層が破壊されてデータの読み取りが不能になることを特徴とするデータ流出防止CDラベル。
【請求項3】
前記ICタグが前記CDの中心穴の近傍に埋め込まれていることを特徴とする請求項2記載のデータ流出防止CDラベル。
【請求項4】
前記ICタグに秘密鍵が記録され、
この秘密鍵で暗号化されたデータが前記CDに記録されていることを特徴とする請求項2記載のデータ流出防止CDラベル。
【請求項5】
前記CDの中心穴の内側に余剰片を突起していることを特徴とする請求項1、2記載のデータ流出防止CDラベル。
【請求項6】
前記余剰片が左右対称に配置されていることを特徴とする請求項5記載のデータ流出防止CDラベル。
【請求項7】
前記CDのTOC領域に対応する内周部とデータ領域に対応する外周部の境界に中心穴と同心円をなす弱め線が入れられていることを特徴とする請求項1、2記載のデータ流出防止CDラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−18645(P2007−18645A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−201293(P2005−201293)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(504170816)株式会社ICブレインズ (20)
【出願人】(591144475)ドコモ・システムズ株式会社 (8)
【Fターム(参考)】