データ記録装置、データ記録方法及び半導体装置
【課題】つなぎ記録の確認時間を減少でき、つなぎ記録により誤り訂正不能な状態が発生しても当該光ディスク自体を回復させることを可能にする。
【解決手段】記録媒体に所定の記録単位でデータとその誤り訂正符号とを記録する記録技術において、所定事象の発生に起因してデータ記録途中で記録を一旦停止した後につなぎ記録を行った場合(104)、当該つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止し、そのつなぎ記録箇所のデータの正否を検証する(105)。その検証結果が異常であるとき、交替エリアへの書き込みを行って(107)から次の記録を再開することが可能である。つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止して検証を行うから、異常があっても当該記録単位のデータはデータバッファ等に残っているからである。ディスク全体を逐一検証するわけではないから、つなぎ記録の確認時間を減少させることができる。
【解決手段】記録媒体に所定の記録単位でデータとその誤り訂正符号とを記録する記録技術において、所定事象の発生に起因してデータ記録途中で記録を一旦停止した後につなぎ記録を行った場合(104)、当該つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止し、そのつなぎ記録箇所のデータの正否を検証する(105)。その検証結果が異常であるとき、交替エリアへの書き込みを行って(107)から次の記録を再開することが可能である。つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止して検証を行うから、異常があっても当該記録単位のデータはデータバッファ等に残っているからである。ディスク全体を逐一検証するわけではないから、つなぎ記録の確認時間を減少させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に所定の記録単位でデータを記録する技術、特につなぎ記録を制御する技術に関し、例えば光ディスクの記録再生装置に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
つなぎ記録について記載された文献として例えば特許文献1がある。本文献では、記録媒体に情報を書き込む際に書きつなぎを行ったときに、当該記録媒体における書きつなぎ開始位置の前後において、情報を正しく書き込めたか否かを検証する検証手段を設けるようにしたことにより、書きつなぎに起因する書き込みエラーの有無及びこれに伴う再生エラーの発生の有無を、検証手段の検証結果に基づいて容易かつ確実に検出することができ、かくして情報書き込みの信頼性を格段的に向上させ得る記録装置を実現できる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−266350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光ディスクの代表例としてCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu−ray Disc)がある。これらの光ディスクのデータ記録再生装置では、誤り訂正符号を用いてデータの誤り訂正を行う。例えば、BDの誤り訂正ブロックは64kバイトのデータを単位に構成されており、このデータに付加されている誤り訂正符号は例えばReed−Solomon Codeである。データは、1バイト単位に区切られ、データ216バイトに対して誤り訂正符号32バイトが付加される。この216バイト+32バイト=248バイトをコードワードと呼び、コードワードを304個集めたデータにインタリーブが施されて152×496バイトのECCブロック(クラスタ)が構成される。
【0005】
データ記録を行うには、まずホストコンピュータから送られたデータをスクランブルし、誤り訂正符号を付加した後、インタリーブ、1−7PP(Parity Preserve)変調を行って光ディスクに記録する。
【0006】
データ記録再生装置がホストコンピュータからデータ記録を指示された場合、送られたデータを全て記録終了したら、ホストコンピュータに対して記録終了を報告する。もしも、記録中に異常が発生し、送られたデータの記録が途中で中断した場合は、ホストコンピュータに対して記録失敗を報告する。
【0007】
この記録失敗を防ぐ方法として、例えば、ホストコンピュータからのデータ転送が間に合わずに記録を中断するバッファアンダーランと呼ばれる現象が発生した場合、データ転送が再開された後に記録を再開する、つなぎ記録と呼ばれる記録方法がある。また、記録中に装置に衝撃が与えられてトラックが外れるというような、サーボ外れの原因により途中で記録を中断した場合に、記録条件が改善された後に中断した場所から記録を再開する方法があり、こちらもつなぎ記録と呼ばれる。これらつなぎ記録の内、バッファアンダーラン以外の原因によるつなぎ記録はBD−R(Blue-ray Disc Recordable)に代表されるようなライトワンスディスクに対して意義のある処理であり、BD−RE(Blue-ray Disc Rewritable)やのような書換え可能なディスクでは行われない。書き換え可能な場合には途中で異常があったとしても当該異常個所を含むECCブロックの先頭から書き換えを行えば済むからである。
【0008】
これらのつなぎ記録を行った場合、通常はつなぎ記録箇所の確認は行わずに、ホストコンピュータから送られたデータを全て記録終了すれば、ホストコンピュータに対して記録終了を報告する。このため、後になって当該BD−Rを再生する際に、つなぎ記録実施箇所のデータが訂正不能のために再生できない可能性もある。例えば、バッファアンダーランが原因で記録中断した場合は、BD−R規格に定められたECCブロックの繋ぎ目の位置であるリンキング位置でつなぎ記録が発生するのに対して、サーボ外れが原因で突発的に記録中断した場合は、上記リンキング位置とは無関係につなぎ記録が発生するという違いがある。バッファアンダーランの場合はアンダーランを生ずるECCブロック(クラスタ)の記録まで行ったとことで一旦記録を中断すればよいからである。また、バッファアンダーランが原因で記録中断した場合とサーボ外れが原因で記録中断した場合は記録状態も大きく異なり、一般にサーボ外れが原因で記録中断した場合はバッファアンダーランが原因で記録中断した場合に比べて記録中断前の記録状態が悪い。この違いはBD−R再生時にエラーレートの違いとなって現れ、サーボ外れが原因のつなぎ記録では誤り訂正不能が発生することがより多くなると考えられる。BD−R規格に定められたリンキング位置でのつなぎ記録はリンキング(Linking)記録と呼ぶこともあり、BD−Rの記録に関してはこれを他と区別するために以下、リンキング記録と呼ぶ。
【0009】
この不都合を解消する技術として特許文献1に記載の技術を採用可能である。特許文献1ではホストコンピュータから送られたデータを全て記録終了した後に、つなぎ記録を行った箇所のデータを全て再生し、正しく再生できた時のみホストコンピュータにデータの書き込み終了を通知し、これ以外のときには書き込みエラーをホストコンピュータに通知するようにしている。
【0010】
しかしながら、特許文献1の技術では確認の結果、誤り訂正不能が発生したことをユーザが知ることができるが、最早当該光ディスク自体の回復を行うことはできない。データバッファの記憶容量には限界があるため、ほとんどの場合、書き込みデータは最早データバッファに残っていないと考えられるからである。 また、特許文献1は全てのつなぎ記録あるいはリンキング記録箇所を確認するため、記録した光ディスクの信頼性を向上させることができるが、つなぎ記録あるいはリンキング記録を多数行った場合は確認に時間を要する。例えば、高倍速記録を実施する光ディスク記録装置では、光ディスク全面を同一速度でCLV(Constant Linear Velocity)記録することは少なく、可変速度でCAV(Constant Angular Velocity)記録することが多い。このため、記録途中で記録パラメータを変更する必要があり、その際にリンキング記録を行うことが一般的である。この様な場合も含めて全て確認を行っていたのでは処理に時間がかかり過ぎる。サーボ外れ等によるつなぎ記録のように誤り訂正不能が発生することがより多くなると考えられる場合に特に着眼することも必要である。
【0011】
本発明の目的は、つなぎ記録の確認時間を減少でき、つなぎ記録により誤り訂正不能な状態が発生しても当該光ディスク自体を回復させることが可能なデータ記録装置、データ記録方法及び半導体装置を提供することにある。
【0012】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0014】
すなわち、記録媒体に所定の記録単位でデータとその誤り訂正符号とを記録する記録技術において、所定の事象の発生に起因して記録単位の記録開始位置でない箇所で記録を一旦停止した後につなぎ記録を行った場合に、当該つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止して、そのつなぎ記録箇所のデータの正否を検証する。
【0015】
その検証結果が異常であるときに、交替エリアへの書き込みを行ってから次の記録を再開することが可能である。つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止して検証を行うから、異常があっても当該記録単位のデータはデータバッファ等に残っているからである。
【発明の効果】
【0016】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0017】
すなわち、つなぎ記録の確認時間を減少でき、つなぎ記録により誤り訂正不能な状態が発生しても当該光ディスク自体を回復させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は実施の形態1に係るデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2A】図2Aは実施例の形態1におけるつなぎ記録のベリファイOKの場合のデータ記録順序を示した説明図である。
【図2B】図2Bは実施例の形態1におけるつなぎ記録のベリファイNGの場合のデータ記録順序を示した説明図である。
【図3A】図3AはBD−Rに代表される光ディスクのレイアウトを示す説明図である。
【図3B】図3BはBD−Rに代表される光ディスクのレイアウトにおいてデータエリア内にスペアエリアが存在しない場合の例を示す説明図である。
【図3C】図3CはBD−Rに代表される光ディスクのレイアウトにおいてホストアプリケーションが欠陥管理を行う場合を示す説明図である。
【図4】図4は実施の形態1における記録処理とつなぎ記録の動作フローチャートである。
【図5】図5はBD−Rのライトコマンドを示す説明図である。
【図6A】図6Aは実施の形態1のライトコマンドを使用したシーケンシャル記録とつなぎ記録の動作の前半のフローチャートである。
【図6B】図6Bは実施の形態1のライトコマンドを使用したシーケンシャル記録とつなぎ記録の動作の後半のフローチャートである。
【図7】図7は実施に形態2に係るデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図8A】図8Aは実施の形態2のライトコマンドを使用したシーケンシャル記録とつなぎ記録の動作の前半のフローチャートである。
【図8B】図8Bは実施の形態2のライトコマンドを使用したシーケンシャル記録とつなぎ記録の動作の後半のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0020】
〔1〕<つなぎ記録の直後に当該クラスタのベリファイ>
本発明の代表的な実施の形態に係るディスクドライブ装置(図1の100及び2、図7の101及び2)は、記録媒体(1)に所定の記録単位でデータを記録する装置であって、外部から入力されたデータに誤り訂正符号を付加して前記記録単位のデータに変換する手段と、記録媒体から読み出された記録単位のデータをその誤り訂正符号により誤り訂正して読み出しデータに変換する手段とを有するデータ変換部(3〜13)と、記録媒体に対するデータの記録と再生の制御及び前記データ変換部に対する動作の制御を行う制御部(14,15)とを有する。前記制御部は、所定の事象の発生に起因して前記記録単位の記録開始位置でない箇所で記録を停止した後に停止位置からデータの記録を再開するつなぎ記録の制御を行い、つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止し、つなぎ記録箇所のデータを前記データ変換部を用いて検証する(図4のステップ103〜105)。
【0021】
上記より、つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止して検証を行うから、異常があっても当該記録単位のデータはデータバッファ等に残っている。したがって、その検証結果が異常であるときに、交替エリアへの書き込みを行ってから次の記録を再開することが可能である。
【0022】
〔2〕<クラスタ単位の誤り数によるつなぎ記録の正否判別>
項1のディスクドライブ装置(図1の100及び2)において、前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータの検証として、つなぎ記録箇所を含む記録単位におけるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理を行ない、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす。
【0023】
ECCブロック(クラスタ)単位での全体的な誤り数によってつなぎ記録の正否を簡単に判別することができる。
【0024】
〔3〕<つなぎ箇所近傍フレームの誤り訂正後データの誤り数によるつなぎ記録の正否判別>
項1のディスクドライブ装置(図7の101及び2)において、前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータの検証として、つなぎ記録箇所を含む記録単位における当該つなぎ箇所近傍のフレームに含まれるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理を行ない、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす。
【0025】
クラスタのような記録単位の内つなぎ箇所近傍のフレーム(レコーディングフレーム)に含まれるデータの誤り数に着目することによって繋ぎ記録の正否を正確に判別可能になる。
【0026】
〔4〕<誤り訂正配列の不一致箇所の配列に対するインタリーブ>
項3のディスクドライブ装置において、前記変換部は、前記記録単位のデータに変換するとき、外部から入力されたデータに誤り訂正符号を付加してインタリーブを施し(12)、前記読み出しデータに変換するとき、記録媒体から読み出された記録単位のデータのインタリーブを解除し(6)、インタリーブが解除された誤り訂正前のデータと当該記録単位のデータの書き込みに用いたデータとを比較して誤り訂正配列の不一致箇所の配列を生成し(30)、生成された不一致箇所の配列を上記インタリーブと同じアルゴリズムでインタリーブを施してフレーム配列の不一致箇所情報を生成する(31)。前記制御部は、生成されたフレーム配列の不一致箇所情報に基づいて、つなぎ記録箇所前後のフレームに含まれるデータ不一致数が閾値以下であるかどうか否かを判別する。
【0027】
これにより、インタリーブされたデータの内つなぎ箇所近傍のフレーム(レコーディングフレーム)に含まれるデータの誤り数に基づいて繋ぎ記録の正否を正確に判別することができる。
【0028】
〔5〕<検証結果正常後の記録再開>
項1乃至4の何れかのディスクドライブ装置において、前記制御部は前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が正常であるとき、次の記録単位のデータに対する記録を再開する(ステップ108)。
【0029】
〔6〕<検証結果異常時の交替エリアへの書き込み>
項5のディスクドライブ装置において、前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が異常であるとき、当該つなぎ記録に係る記録単位のデータを交替エリアに書き込んでから(ステップ107)、次の記録単位のデータに対する記録を再開する(ステップ108)。
【0030】
ディスクドライブ装置はつなぎ記録の異常に対して自律的に交替エリアへの書き込みを行うことができる。
【0031】
〔7〕<検証結果異常時のホスト装置への通知>
項5のディスクドライブ装置において、前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が異常であるとき、外部にエラー(図6Aのステップ215)を通知する。
【0032】
つなぎ記録の異常に対してエラー通知を受けたホスト装置等にリカバリの処理を委ねることができる。
【0033】
〔8〕<つなぎ記録の直後に当該クラスタのベリファイ>
本発明の別の実施の形態に係るデータ記録方法は、記録媒体に所定の記録単位でデータとその誤り訂正符号とを記録する記録方法であって、所定の事象の発生に起因して前記記録単位の記録開始位置でない箇所で記録を一旦停止した後につなぎ記録を行った場合に、当該つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止する処理と、つなぎ記録箇所のデータの正否を検証する処理(ステップ103〜105)と、を含む。
【0034】
上記方法によれば、つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止して検証を行うから、異常があっても当該記録単位のデータはデータバッファ等に残っている。したがって、その検証結果が異常であるときに、交替エリアへの書き込みを行ってから次の記録を再開することが可能である。
【0035】
〔9〕<クラスタ全体の誤り数によるつなぎ記録の正否判別>
項8のデータ記録方法において、前記検証する処理は、つなぎ記録箇所を含む記録単位におけるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理であり(ステップ211)、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす。
【0036】
ECCブロックであるクラスタ単位での全体的な誤り数によってつなぎ記録の正否を簡単に判別することができる。
【0037】
〔10〕<つなぎ箇所近傍フレームの誤り訂正後データの誤り数によるつなぎ記録の正否判別>
項8のデータ記録方法において、前記検証する処理は、つなぎ記録箇所を含む記録単位における当該つなぎ箇所近傍のフレームに含まれるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理であり(ステップ211A)、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす。
【0038】
クラスタのような記録単位の内つなぎ箇所近傍のフレーム(レコーディングフレーム)に含まれるデータの誤り数に着目することによって繋ぎ記録の正否を正確に判別可能になる。
【0039】
〔11〕<誤り訂正配列の不一致箇所の配列に対するインタリーブ>
項10のデータ記録方法において、前記検証する処理は、外部から入力されたデータに誤り訂正符号が付加されインタリーブが施されて記録媒体に書き込まれたデータを読み出すとき、記録媒体から読み出された記録単位のデータのインタリーブを解除し、インタリーブが解除された誤り訂正前のデータと当該記録単位のデータの書き込みに用いたデータとを比較して誤り訂正配列の不一致箇所の配列を生成し、生成された不一致箇所の配列を上記インタリーブと同じアルゴリズムでインタリーブを施してフレーム配列の不一致箇所情報を生成し、生成されたフレーム配列の不一致箇所情報に基づいて、つなぎ記録箇所前後のフレームに含まれるデータ不一致数が閾値以下であるかどうか否かを判別する処理である(ステップ211A)。
【0040】
これにより、インタリーブされたデータの内つなぎ箇所近傍のフレーム(レコーディングフレーム)に含まれるデータの誤り数に基づいて繋ぎ記録の正否を正確に判別することができる。
【0041】
〔12〕<検証結果正常後の記録再開>
項8乃至11の何れかのデータ記録方法において、前記検証処理により前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が正常であるとき、次の記録単位のデータに対する記録を再開する処理(ステップ216)をさらに含む。
【0042】
〔13〕<検証結果異常時の交替エリアへの書き込み>
項12のデータ記録方法において、前記検証処理により前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が異常であるとき、当該つなぎ記録に係る記録単位のデータを交替エリアに書き込む処理(ステップ214)と、次の記録単位のデータに対する記録を再開する処理(ステップ216)とを更に含む。
【0043】
つなぎ記録の異常に対して自律的に後退エリアへの書き込みを行うことができる。
【0044】
〔14〕<検証結果異常時のホストへの通知>
項12のデータ記録方法において、前記検証処理により前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が異常であるとき、ホスト装置にエラーを通知する(ステップ215)。
【0045】
つなぎ記録の異常に対してエラー通知を受けたホスト装置にリカバリの処理を委ねることができる。
【0046】
〔15〕<つなぎ記録の直後に当該クラスタのベリファイ>
本発明の更に別の実施の形態に係る半導体装置(図1の100、図7の101)は記録媒体に所定の記録単位でデータを記録するための制御を行う。この半導体装置は、外部から入力されたデータに誤り訂正符号を付加して前記記録単位のデータに変換する手段と、記録媒体から読み出された記録単位のデータをその誤り訂正符号により誤り訂正して読み出しデータに変換する手段とを有するデータ変換部(3〜13)と、記録媒体に対するデータの記録と再生の制御及び前記データ変換部に対する動作の制御を行う制御部(14,15)とを有する。前記制御部は、所定の事象の発生に起因して前記記録単位の記録開始位置でない箇所で記録を停止した後に停止位置からデータの記録を再開するつなぎ記録の制御を行い、つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止し、つなぎ記録箇所のデータを前記データ変換部を用いて検証する(ステップ103〜105)。
【0047】
上記より、つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止して検証を行うから、異常があっても当該記録単位のデータはデータバッファ等に残っている。したがって、その検証結果が異常であるときに、交替エリアへの書き込みを行ってから次の記録を再開することが可能である。
【0048】
〔16〕<クラスタ単位の誤り数によるつなぎ記録の正否判別>
項15の半導体装置(図1の100)において、前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータの検証として、つなぎ記録箇所を含む記録単位におけるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理を行ない、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす。
【0049】
ECCブロック(クラスタ)単位での全体的な誤り数によってつなぎ記録の正否を簡単に判別することができる。
【0050】
〔17〕<つなぎ箇所近傍フレームの誤り訂正後データの誤り数によるつなぎ記録の正否判別>
項15の半導体装置(図7の101)において、前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータの検証として、つなぎ記録箇所を含む記録単位における当該つなぎ箇所近傍のフレームに含まれるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理を行ない、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす。
【0051】
クラスタのような記録単位の内つなぎ箇所近傍のフレーム(レコーディングフレーム)に含まれるデータの誤り数に着目することによって繋ぎ記録の正否を正確に判別可能になる。
【0052】
〔18〕<誤り訂正配列の不一致箇所の配列に対するインタリーブ>
項17の半導体装置において、前記変換部は、前記記録単位のデータに変換するとき、外部から入力されたデータに誤り訂正符号を付加してインタリーブを施し(12)、前記読み出しデータに変換するとき、記録媒体から読み出された記録単位のデータのインタリーブを解除し(6)、インタリーブが解除された誤り訂正前のデータと当該記録単位のデータの書き込みに用いたデータとを比較して誤り訂正配列の不一致箇所の配列を生成し(30)、生成された不一致箇所の配列を上記インタリーブと同じアルゴリズムでインタリーブを施してフレーム配列の不一致箇所情報を生成する(31)。前記制御部は、生成されたフレーム配列の不一致箇所情報に基づいて、つなぎ記録箇所前後のフレームに含まれるデータ不一致数が閾値以下であるかどうか否かを判別する。
【0053】
これにより、インタリーブされたデータの内つなぎ箇所近傍のフレーム(レコーディングフレーム)に含まれるデータの誤り数に基づいて繋ぎ記録の正否を正確に判別することができる。
【0054】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0055】
《実施の形態1》
図1には実施の形態1に係るディスクドライブ装置としてのデータ記録再生装置の構成が例示される。1はデータ記録媒体、例えばBD−Rである。なお、以下の説明においては、光ディスク1として説明する。データ記録媒体は、必ずしも光ディスクに限定されるものではなく、その他の誤り訂正符号が記録される記録媒体であってもよい。
【0056】
100は光ディスク1に所定の記録単位でデータを記録し再生するための制御を行うディスクコントローラであって半導体装置によって構成される。200は前記ディスクコントローラ100に接続されたホスト装置としてのホストコンピュータである。半導体装置100は特に制限されないが、単結晶シリコンのような1個の半導体基板に相補型MOS集積回路製造技術によって形成される。ディスクコントローラ100は、ホストコンピュータ200から入力されたデータに誤り訂正符号を付加して前記記録単位のデータに変換する手段と、記録媒体から読み出された記録単位のデータをその誤り訂正符号により誤り訂正して外部に読み出すデータに変換する手段とを有するデータ変換部と、光ディスク1に対するデータの記録と再生の制御及び前記データ変換部に対する動作の制御を行う制御部とを有する。
【0057】
前記データ変換部は、特に制限されないが、増幅回路(AFE)3、データ復調回路(DEMOD)4、アドレス復調回路(ADEMOD)5、デインタリーブ回路(DEINTLV)6、RAM7、誤り訂正および誤り訂正符号付加回路(ECC)8、デスクランブル回路(DECSR)9、ホストコンピュータ20に接続されるインタフェース回路(IF)10、スクランブル回路(SCR)11、インタリーブ回路(INTLV)12、及びデータ変調回路(MOD)13を有する。前記制御部は、特に制限されないが、命令を実行する中央処理装置(CPU)14及びサーボ回路(SERVO)15を有する。
【0058】
光ピックアップ2は、光ディスク1から信号を読み出して増幅回路3に送る。また、データ変調回路13から送られた変調信号を光ディスク1に記録する。変調信号の例としては、17PP変調信号がある。以下の説明は17PP変調信号を例に説明する。
【0059】
増幅回路3は、光ピックアップ2を介して光ディスク1から読み出した再生信号を増幅してデータ復調回路4に送る。また、光ピックアップ2を介して光ディスク1から読み出したWobble信号を増幅してアドレス復調回路5に送る。また、サーボ信号を生成してサーボ回路15に送る。増幅回路3は、例えば、AFE(Analog Front End)によって実装する。
【0060】
データ復調回路4は、入力信号を17PP復調してデインタリーブ回路6に送る。
【0061】
アドレス復調回路5は、入力信号からアドレスを復調して変調回路13およびCPU14に送る。また、サーボ回路15からのサーボ外れ信号16を受け取った際のアドレスを記憶する。アドレス情報の例としては、ADIP(Address In Pre-groove)がある。
【0062】
デインタリーブ回路6は、データ復調回路6から送られたデータのインタリーブを解き、RAM7に書き込む。
【0063】
RAM7は、誤り訂正用メモリ、誤り訂正符号付加用メモリ、およびバッファメモリとして使用される。RAM7は、SRAM、DRAM等で実装するが、その他同様の機能の持つメモリ回路で代替してもよい。
【0064】
誤り訂正および誤り訂正符号付加回路8は、RAM7からデータを読み出して誤り訂正を行いRAM7に書き込む。また、誤り訂正結果19をCPU14に送る。また、誤り訂正および誤り訂正符号付加回路8は、RAM7から読み出されたデータに対する誤り訂正符号を生成し、RAM7に書き込む。
【0065】
デスクランブル回路9は、誤り訂正が完了したデータのスクランブルを解いてインタフェース回路10に送る。
【0066】
インタフェース回路10は、デスクランブル回路9から送られたデータをホストコンピュータに送る。また、ホストコンピュータから送られたデータをスクランブル回路11に送る。インタフェース回路10は、例えばSATA(Serial Advanced Technology Attachment)その他の転送方式に準拠したデータ転送を行う。
【0067】
スクランブル回路11は、インタフェース回路10から送られたデータにスクランブルを施しRAM7に書き込む。
【0068】
インタリーブ回路12は、RAM7から読み出したデータにインタリーブを施し、データ変調回路13に送る。
【0069】
データ変調回路13は、インタリーブ回路12から送られたデータを17PP変調して光ピックアップ2に送る。記録指示はCPU14から受け、アドレス復調回路5によるタイミング信号に同期させてデータ変調を行う。
【0070】
CPU14は、データ記録装置の記録処理、再生処理の制御を行う。(例えば記録処理では、アドレス復調回路5から得たアドレスによりサーボ回路15を介して光ピックアップ2を目的位置に移動させ、データ変調回路13に記録指示を行い、光ピックアップ2を介して光ディスク1にデータを記録する。また、サーボ回路15からサーボ外れ信号16を受け取った場合につなぎ記録処理を行う。)なお、CPUでなくとも、任意の制御回路や、ASIC等の専用回路を用いてもよい。
【0071】
サーボ回路15は、増幅回路3にて生成されたサーボ信号により光ピックアップ2を制御する。また、サーボが外れた場合にはサーボ外れ信号16を出力する。
17はCPU14からインタフェース回路10に対するエラー信号を示す。CPU14はインタフェース回路10に対してエラー信号17を送ることができ、その場合インタフェース回路10はホストコンピュータにエラーを返す。
【0072】
次に、光ディスク1にデータを記録する場合のデータ記録装置の動作を説明する。 データ記録装置は、インタフェース回路10を介してホストコンピュータから送られたデータに、まずスクランブル回路11でスクランブルを施してRAM7に格納する。次に、データ記録装置は、誤り訂正および誤り訂正符号付加回路8によりRAM7に格納したデータに誤り訂正符号付加を行う。次に、データ記録装置は、誤り訂正符号付加が完了したデータにインタリーブ回路12でインタリーブを施し、データ変調回路13に送る。そして次に、データ記録装置は、データ変調回路13から光ピックアップ2に17PP変調信号を送り、光ディスク1に記録する。
【0073】
なお、光ディスク1にデータを記録する前にデータ記録装置は、アドレス復調回路5から得たアドレスによりサーボ回路15を介して光ピックアップ2を記録目的位置に移動させておく。
【0074】
もしも、記録中にサーボ外れが発生した場合は、サーボ回路15から出力されるサーボ外れ信号16により、CPU14は一旦記録処理を停止させ、アドレス復調回路5はサーボ外れ発生アドレスを記憶しておき、その後つなぎ記録を行う。つなぎ記録では光ピックアップ2をサーボ外れ発生アドレスの手前に移動させ、一旦記録停止させた場所から記録を再開する。当該ブロックの記録が終了したら再び記録を停止し、ベリファイを行う。ベリファイは誤り訂正および誤り訂正符号付加回路8の誤り訂正結果によりエラー判定する。エラー判定は予め決められた誤り数の閾値により、誤り訂正不能よりも厳しい判定を行うことが一般的である。
【0075】
ベリファイOKの場合は記録を再開する。ベリファイNGの場合は交替処理を行った後に記録を再開する。また、ベリファイNGの場合にホストコンピュータにエラーを返すことも可能である。
【0076】
次に、光ディスク1からデータを再生する場合のデータ記録装置の動作を説明する。
【0077】
データ記録装置は、光ピックアップ2を介して光ディスク1から読み出した信号を増幅回路3で増幅し、データ復調回路4でデータ復調を行い、デインタリーブ回路6でインタリーブを解き、RAM7に格納する。次に、データ記録装置は、誤り訂正および誤り訂正符号付加回路8によりRAM7に格納したデータの誤り訂正を行う。次に、データ記録装置は、誤り訂正が完了したデータに対してデスクランブル回路9でスクランブルを解き、インタフェース回路10を介してホストコンピュータに送る。
【0078】
なお、光ディスク1からデータを再生する前にデータ記録装置は、アドレス復調回路5から得たアドレスによりサーボ回路15を介して光ピックアップ2を再生目的位置に移動させておく。
【0079】
もしも、データ再生中に誤り訂正不能が発生した場合は、CPU14は一旦再生処理を停止させ、リトライを行う。
【0080】
図2A及び図2Bは図1のデータ記録再生装置において、つなぎ記録のデータ記録順序をECCブロック単位(クラスタ)で示す説明図である。図2A及び図2B共に、…ブロックn−2、n−1、nの順にデータ記録中にブロックnの途中でサーボ外れが発生した場合の例を示しており、一旦記録処理を停止して(ステップ1)、次につなぎ記録箇所からデータ記録を再開し、ブロックnの記録が終了したら再び記録を停止し(ステップ2)、ブロックnのベリファイを行う(ステップ3)。ここで、図2AはベリファイOKの例、図2BはベリファイNGの例である。
【0081】
図2AはベリファイOKのため、ブロックn+1から記録を再開する(ステップ4)。図2BはベリファイNGのため、ブロックnの交替処理を行う。交替エリアにブロックnを記録し(ステップ4)、次にブロックn+1から記録を再開する(ステップ5)。
【0082】
データ記録中のサーボ外れによる記録停止をつなぎ記録により救うと、逆に再生時のリードエラーを増加させて光ディスクの信頼性を低下させる恐れがある。しかし、本発明ではつなぎ記録直後につなぎ記録箇所のベリファイを行うため、記録終了時にはベリファイまで完了しており、光ディスクの信頼性を向上させることが可能となる。更にベリファイエラーが発生した場合は交替処理を行うことができるため、ディスクの記録失敗を防ぐことが可能となる。また、つなぎ記録箇所のブロックについてのみベリファイを行うため、ユーザにベリファイを意識させないという効果もある。また、ベリファイエラーが発生した場合にホストコンピュータ200にエラーを返すこともできるため、ユーザがエラー発生を知ることができる。あるいは、ホストアプリケーションが欠陥管理を行うこともできる。
【0083】
図3AにBD−Rに代表される光ディスク1のレイアウトを示す。光ディスク1は内周側から外周側に向かって、リードインエリア、データエリア、リードアウトエリアを有し、リードインエリアからリードアウトエリアまで連続した物理アドレス(Physical Sector Number)が割り振られる。
【0084】
データの記録及び再生はデータエリアに対して行われる。このデータエリアは、スペアエリア1、ユーザデータエリア、及びスペアエリア2に分割される。ユーザデータエリアは、ユーザデータを格納するために用意された領域である。このユーザデータエリアに含まれる各セクタには論理アドレス(Logical Block Address)が割り当てられており、ユーザはその論理アドレスを用いて光ディスクにアクセスし、データの記録及び再生を行う。スペアエリア1およびスペアエリア2は、ユーザデータエリア内に欠陥があった場合に、データの交替を行うための領域である。
BD−Rなどの情報記録媒体には、記録されたデータの信頼性を確保するための一手段として、欠陥管理が適用されている。この欠陥管理では、ユーザデータエリア内の欠陥ブロックと、この欠陥ブロックに代えて使用するスペアエリア内の交替ブロックとを関連つけてなる欠陥リストを情報記録媒体の所定の交替領域に記録しておき、その後の情報記録、再生時に前記欠陥リストを参照することで欠陥部分の使用を避けるように制御するものである。
【0085】
リードインエリアには管理情報エリアが存在する。この管理情報エリアにはユーザデータエリアの開始アドレスやスペアエリアのサイズ、あるいは前記欠陥リストなどが格納されている。
【0086】
また、BD−Rでは使用目的に応じてスペアエリアのサイズをユーザが指定できるようになっている。図3Bはデータエリア内にスペアエリアが存在しない例であり、データエリアの全領域をユーザデータエリアとして使用することができる。この場合、ユーザデータエリア内の欠陥を交替することが出来ない反面、図3Aよりも多くのユーザデータを記録することが出来るというメリットがある。
【0087】
スペアエリアの有無やサイズは、ユーザデータの記録に先立って行われるフォーマット処理により決定される。
【0088】
他の光ディスク1の例としては、DVD−RやDVD+R(以下、DVD±R)のように、規格上、スペアエリアを有さないディスクもあり、そのレイアウトは図3Bのようになっている。これらのディスクでは、ホストアプリケーションが欠陥管理を行うことにより、ユーザデータエリア内に欠陥ブロックを交替させることも可能である。
【0089】
図3Cにホストアプリケーションが欠陥管理を行う例を示す。ホストアプリケーションがユーザデータエリア内の欠陥を検出した場合は、同じくユーザデータエリアを使用して交替を行う。また、ホストアプリケーションは記録したデータ(コンテンツ)のユーザデータエリア上のアドレス(論理アドレス)情報とともに、欠陥ブロックと、当該欠陥ブロックに対応する交替ブロックとをファイル管理情報にて管理する。
【0090】
次に、図4を用いて、記録処理と前記つなぎ記録に関わる動作フローについて説明する。
【0091】
最初のステップ100にて記録処理が開始されると、データ記録装置はステップ101において記録を開始する。
【0092】
このステップ101では、アドレス復調回路5から得たアドレスによりサーボ回路15を介して光ピックアップ2を目的位置に移動させ、データ変調回路13に記録指示を行い、光ピックアップ2を介して光ディスク1にデータを記録する。記録開始後はステップ102に移行する。ステップ102では、記録中にサーボ外れが発生していないかの判定を行う。ここでは、サーボ回路15からサーボ外れ信号16がCPU14に入力されることでサーボ外れの検出を行う。サーボ外れ信号16が入力されていると、ここでの判定が肯定され、ステップ103に移行する。
【0093】
このステップ103では、記録処理を一旦停止させる。同時に、アドレス復調回路5がサーボ外れ発生アドレスを記憶する。このステップ103が図2Aおよび図2Bのステップ1に相当する。
【0094】
次のステップ104では、つなぎ記録を行う。このつなぎ記録では光ピックアップ2をサーボ外れ発生アドレスの手前に移動させ、一旦記録停止させた場所から記録を再開する。このステップ104が図2Aおよび図2Bのステップ2に相当する。当該ブロックの記録が終了したら再び記録を停止し、ステップ105に移行する。このステップ105では、つなぎ記録を行ったブロックNに対してベリファイを実施する。このベリファイ処理では、光ピックアップ2を介して光ディスク1から読み出した信号を増幅回路3で増幅し、データ復調回路4でデータ復調を行い、デインタリーブ回路6でインタリーブを解き、RAM7に格納する。
【0095】
次に、データ記録装置は、誤り訂正および誤り訂正符号付加回路8によりRAM7に格納したデータの誤り訂正を行う。このステップ105が図2Aおよび図2Bのステップ3に相当する。ステップ105を行った後は、ステップ106へ移行する。ステップ106ではベリファイの結果を判定する。ベリファイは誤り訂正および誤り訂正符号付加回路8の誤り訂正結果によりエラー判定する。エラー判定は予め決められた誤り数の閾値により、誤り訂正不能よりも厳しい判定を行うことが一般的である。すなわち、つなぎ記録を行った場合は、その直後につなぎ記録箇所のベリファイを行うため、つなぎ記録の信頼性を向上させることが出来る。このエラー判定の結果OKである場合はステップ108へ移行する。
【0096】
ステップ108では、次のブロックN+1から記録を再開する。このステップ108が図2Aのステップ4に相当する。ステップ108を行った後は、ステップ109へ移行する。
【0097】
一方、ステップ106において、エラー判定の結果がNGであった場合はステップ107へ移行する。ステップ107ではブロックNの交替処理を行う。このステップ107では前記欠陥リストを参照してスペアエリア内の空きブロックMをブロックNの交替先ブロックとして割り当てた後に、交替先ブロックMを記録する。このステップ107が図2Bのステップ4に相当する。すなわち、ベリファイの結果がNGであった場合に、当該つなぎ記録ブロックの交替を行うことで、ディスクの記録失敗を防ぐことが可能となる。交替先ブロックMへの記録が完了したらステップ108へ移行する。
【0098】
次のステップ108では、ブロックN+1から記録を再開する。このステップ108が図2Bのステップ5に相当する。ステップ108を行った後は、ステップ109へ移行する。
【0099】
一方、ステップ102において、記録中にサーボ外れが発生していなかった場合はステップ102からステップ108のつなぎ記録処理をスキップして、ステップ109へ移行する。
【0100】
ステップ109では、記録が停止したかどうかの判定を行う。ここでの記録停止判定は、RAM7に記録すべきデータがなくなったことによる記録停止の判定である。記録停止していない場合は、ここでの判定は否定されてステップ102へ戻り、再び記録中にサーボ外れが発生していないかの判定を行う。
【0101】
一方、ステップ109において、記録が停止している場合は、ステップ110へ移行し、記録処理を終了する。
【0102】
以上、本発明のデータ記録装置では、つなぎ記録を行った直後に当該つなぎ記録ブロックのベリファイを行う(ステップ105)。従って、記録終了時にはベリファイまで完了しており、光ディスクの信頼性を向上させることが可能となる。また、ベリファイの結果、判定エラーとなった場合(ステップ106のNO)に交替処理を行うため(ステップ107)、ディスクの記録失敗を防ぐことが可能となる。
【0103】
次に、ホストアプリケーションからの要求により、光ディスク1にユーザデータを記録する際の動作について説明する。
【0104】
ホストアプリケーションは図5に示すライトコマンド(Write Command)を使用してデータを記録装置に転送する。ライトコマンドはデータを記録するディスク上のアドレス情報である論理アドレス、転送長(セクタ単位)の他、StreamingやVNRなど、用途に応じたいくつかの記録モードを含む。
【0105】
Streamingは、記録データの信頼性よりもシームレスに記録することを優先する場合に用いられる記録モードで、主にAV(Audio Vidual)コンテンツを記録する場合に使用される。一般的にAVコンテンツは、再生した音声や映像が感覚的に許容できる程度のデータの信頼性があれば良く、その代わり記録が中断されないことの方が重要である。そこで、AVコンテンツの記録を行う場合、ホストアプリケーションは、Streaming=1(以下、ストリーム記録)としてライトコマンドを発行する。この場合、データ記録装置はベリファイや、データの交替を行わない。また、すでに欠陥リストに登録されている欠陥ブロックに対する記録要求があった場合も、交替先ブロックではなく欠陥ブロックへ記録を行う。これはシーケンシャル記録動作において、ユーザデータエリアからスペアエリアへのアクセスに時間を要し、シームレスな記録が保障できなくなることを避けるためである。
【0106】
一方、BD−Rでは、Streaming=0(以下、通常記録)のライトコマンドにおいて、記録後に当該記録領域をベリファイし、記録データの信頼性を保障することが推奨されている。ホストアプリケーションからシーケンシャルな記録要求があった場合、データ記録装置は記録とベリファイを交互に繰り返すRAW(Read After Write)動作を行う。RAWは記録したデータの信頼性を保障できるが、ベリファイを伴わない記録と比較すると2倍以上の処理時間を要する。
【0107】
このため、BD−Rでは、欠陥管理そのものは行うが記録後のベリファイ処理を必要としない記録モードとしてVNR(Verify Not Required)が用意されている。VNR=1の場合、シーケンシャル記録要求に対してデータ記録装置はRAWを行わないためストリーム記録と同じ処理時間で記録を行うことが出来る。ただし、ストリーム記録との違いは、ディスク上の傷等により記録が出来ない場合、スペアエリアへの交替を行う。また、すでに欠陥リストに登録されている欠陥ブロックに対する記録があった場合は交替先ブロックへ記録する。
【0108】
なお、DVD±Rは、前述したように、スペアエリアが存在せず、データ記録装置は欠陥管理を行わない。従って、Streaming=0の記録要求においてもRAWは行われないのが一般的であり、記録処理に要する時間はStreaming設定如何によらず同じである。
【0109】
次に、以上説明したライトコマンドを使用したシーケンシャル記録と、前記つなぎ記録の動作フローを、図6Aおよび図6Bを用いて説明する。
【0110】
ここで、ホストアプリケーションは論理アドレスをインクリメントしながらライトコマンドを連続的に発行するものとする。データ記録装置はインタフェース回路10を介してRAM7にデータを格納し、RAM7にデータがFullとなると記録処理を開始する。また、記録処理中はRAM7にデータが格納可能かどうかを常に監視し、データを格納可能であった場合はホストアプリケーションからデータを受信するものとする。
【0111】
最初のステップ200にて記録処理が開始されると、データ記録装置はステップ201でストリーム記録であるかどうかを判定する。ライトコマンドのStreaming設定が「0」であった場合、ここでの判定は否定され、ステップ202に移行する。
【0112】
次のステップ202ではRAWが要求されているかどうかを判定する。ライトコマンドのVNR設定が「0」であった場合、ここでの判定は肯定され、ステップ203に移行する。
【0113】
このステップ203では記録停止アドレスADR(Stop)を設定する。RAWでは記録とベリファイが交互に行われる。その処理単位の下限は光ディスク1への記録サイズ(ブロック)である。この処理単位が小さければ、記録とベリファイ(RAW)が頻繁に切り替わることになる。この切り替わりが増えるとシークや記録ターゲットアドレスへの回転待ちが増えるため全体の処理速度は遅くなる。一方、前記処理単位の上限はRAM7に格納できるユーザデータのサイズ(ブロック数)である。これは、ベリファイが完了するまでは正しく記録できたかどかが分からないため、記録が完了してもベリファイが完了するまではデータを保持しておく必要があるためである。すなわち、RAWでは、この処理単位で記録が中断される。ここで、記録開始アドレスをADR(Start)、前記処理単位をSIZE(Unit)とした場合、記録停止アドレスADR(Stop)は、
ADR(Stop)=ADR(Start)+SIZE(Unit)
となる。データ記録装置はADR(Stop)で記録を停止するよう、あらかじめデータ変調回路13に対して設定を行う。この場合、データ変調回路13は記録アドレスがADR(Stop)に到達したら記録を停止する。
【0114】
一方、ステップ201においてストリーム記録が要求されていた場合、またはステップ202においてRAWが要求されていなかった場合はステップ204に移行する。このステップ204では、停止アドレスADR(Stop)に「FFFFFFFFh」を設定する。RAWを行わない場合は記録処理を中断する必要がなく、RAM7に未記録のデータが存在する限り記録を続ければよい。本実施例において、値「FFFFFFFFh」を設定するとことはデータ変調回路13が記録アドレスによる記録の停止を行わないことを意味する。
【0115】
以上、ステップ203、またはステップ204にて記録停止アドレスを設定した後、ステップ205に移行する。
【0116】
ステップ205ではアドレスADR(Start)から記録を開始する。このステップ205は、図4におけるステップ101と同じである。ステップ205を行った後は、ステップ206へ移行する。
【0117】
ステップ206では、記録中にサーボ外れが発生していないかの判定を行う。このステップ206は、図4におけるステップ102と同じである。ステップ206において、サーボ外れ信号16が入力されていると、ここでの判定が肯定され、ステップ207に移行する。
【0118】
次のステップ207とステップ208は、それぞれ、図4におけるステップ103とステップ104と同じである。ステップ208において、当該ブロックの記録が終了したら再び記録を停止し、ステップ209に移行する。
【0119】
ステップ209ではストリーム記録であるかどうかを判定する。ストリーム記録が要求されていなければ、ここでの判定は否定されステップ210に移行する。
【0120】
ステップ210ではライトコマンドのVNR設定が「1」であるかどうかを判定する。前述したように、VNR=1であった場合はRAWを行わないため、つなぎ記録を行ったブロックNが正しく読み出せるかどうかの信頼性に問題が残る。そこで、VNR=1のライトコマンドであった場合に、ステップ211へ移行する。
【0121】
このステップ211では、つなぎ記録を行ったブロックNに対してベリファイを実施する。このステップ211は、図4におけるステップ105と同じである。ステップ211を行った後は、ステップ212へ移行する。
【0122】
ステップ212ではベリファイの結果を判定する。このステップ212は、図4におけるステップ106と同じである。ステップ212のベリファイ処理において、エラー判定の結果OKである場合はステップ216へ移行する。
【0123】
ステップ216では、次のブロックN+1から記録を再開する。このステップ216は、図4におけるステップ108と同じである。ステップ216を行った後は、ステップ217へ移行する。
【0124】
一方、ステップ212において、エラー判定の結果がNGであった場合はステップ213へ移行する。ステップ213では、光ディスク1にスペアエリアが存在するかどうかを判定する。このステップ213では光ディスク1の管理情報を参照してスペアエリアが存在するかどうかを判定する。スペアエリアが存在する場合は、ここでの判定が肯定されて、ステップ214へ移行する。
【0125】
ステップ214ではブロックNの交替処理を行う。このステップ214は、図4におけるステップ107と同じである。ステップ214を行った後は、ステップ216へ移行する。次のステップ216では、次のブロックN+1から記録を再開する。このステップ216は、図4におけるステップ108と同じである。
【0126】
一方、ステップ213において、光ディスク1にスペアエリアが存在しない場合は、ステップ213の判定が否定されて、ステップ215へ移行する。
【0127】
ステップ215では、ホストアプリケーションにエラーを報告する。すなわち、つなぎ記録後のベリファイ処理において、エラー判定の結果がNGであった場合にホストアプリケーションにエラーを報告することで、ユーザにとって、記録は出来たのに書いたデータが読めない(データロスト)という不具合を回避することが出来る。また、例えば図3Cに示すように、ホストアプリケーションが欠陥管理を行う場合は、記録エラーを報告することでホストアプリケーションに交替処理を促すことも出来る。ホストアプリケーションへのエラー報告を行った後はステップ226へ移行し、記録処理を終了する。
【0128】
ここで、ステップ209においてストリーム記録が要求されていた場合は、つなぎ記録後のベリファイ処理(ステップ211からステップ215)をスキップして、ステップ216へ移行する。すなわち、ストリーム記録では、データの信頼性よりもシームレスな記録が優先されるため、つなぎ記録後のベリファイ処理を行わない。
【0129】
また、ステップ210においてVNR=0であった場合(RAWが要求されている場合)は、つなぎ記録後のベリファイ処理(ステップ211からステップ215)をスキップして、ステップ216へ移行する。すなわち、RAWが要求されている場合は、後述するステップ220から223のベリファイ処理にて、つなぎ記録ブロックNを含む全記録領域のベリファイを行うため、ステップ211のベリファイが不要となる。さらに、ステップ206において、記録中にサーボ外れが発生していなかった場合はステップ207からステップ216のつなぎ記録処理をスキップして、ステップ217へ移行する。
【0130】
次に、ステップ217では、記録が停止したかどうかの判定を行う。ここでの記録停止判定は、RAWが要求されている場合においては、ステップ203にて設定した記録停止アドレスADR(Stop)に到達したことによる記録停止の判定、あるいはホストアプリケーションからライトコマンドが発行されなくなり、RAM7に記録すべきデータがなくなったことによる記録停止の判定である。また、RAWが要求されていない場合においてはRAM7に記録すべきデータがなくなったことによる記録停止の判定である。このステップ217において、記録停止していない場合は、ここでの判定は否定されてステップ206へ戻る。ステップ206では、再び記録中にサーボ外れが発生していないかの判定を行う。
【0131】
一方、ステップ217において、記録が停止していた場合はステップ218へ移行する。ステップ218では、ストリーム記録であるかどうかを判定する。ライトコマンドのStreaming設定が「0」であった場合、ここでの判定は否定され、ステップ219に移行する。
【0132】
次のステップ219ではRAWが要求されているかどうかを判定する。ライトコマンドのVNR設定が「0」であった場合、ここでの判定は肯定され、ステップ220に移行する。ステップ220では、記録領域のベリファイを開始する。ここでは、アドレス復調回路5から得たアドレスによりサーボ回路15を介して光ピックアップ2をADR(Start)へ移動させ、データ復調回路4に再生指示を行い、光ピックアップ2を介して光ディスク1からデータを再生する。ベリファイは誤り訂正および誤り訂正符号付加回路8の誤り訂正結果によりエラー判定する。
【0133】
次のステップ221では、ベリファイの完了を待つ。ベリファイが完了するとステップ222へ移行する。
ステップ222では、欠陥ブロックが検出されたかどうかを判定する。本ベリファイ処理では1ブロック再生が完了する毎に前記エラー判定を行い、ブロックごとの判定結果を保存しておく。ベリファイの結果、エラー判定となったブロックがあった場合は、ステップ223へ移行する。
【0134】
ステップ223では、欠陥ブロックをスペアエリアに交替を行う。ここでは、ベリファイ処理においてエラー判定された全ブロックの交替処理を行う。交替処理完了後はステップ224へ移行する。
【0135】
一方、ステップ222において、欠陥ブロックが検出されていなければ、ステップ223の交替処理をスキップし、ステップ224へ移行する。
【0136】
ステップ224では、記録開始アドレスADR(Start)を更新する。すなわち、記録停止アドレスADR(Stop)を新たな記録開始アドレスに設定する。
【0137】
また、ステップ218においてストリーム記録が要求されていた場合、またはステップ219においてRAWが要求されていなかった場合は、ステップ220からステップ224のベリファイ処理をスキップして、ステップ225へ移行する。
【0138】
次のステップ225では、RAM7に未記録のデータが存在するかどうかを判定する。未記録のデータが存在する場合、ステップ201に移行し、再び記録処理を行う。
【0139】
未記録のデータが存在しなければ、ステップ226へ移行し、記録処理を終了する。
【0140】
以上、本発明のデータ記録装置では、つなぎ記録を行った直後に当該つなぎ記録ブロックのベリファイを行う(ステップ211)。従って、記録終了時にはベリファイまで完了しており、光ディスクの信頼性を向上させることが可能となる。また、ベリファイの結果、判定エラーとなった場合(ステップ212のNO)に交替処理を行うため(ステップ214)、ディスクの記録失敗を防ぐことが可能となる。
【0141】
さらに、前記つなぎ記録直後のベリファイ(ステップ211)をRAWが要求されていない場合(ステップ210のYES)に実施し、RAWが要求されている場合(ステップ210のNO)は、通常のRAWの一連の動作にてベリファイを行う(ステップ220、221)ことにより、ホストアプリケーションの記録モード(RAW設定)に依存しないベリファイを実現することが出来る。
【0142】
例えば、つなぎ記録直後のベリファイを行わない(ステップ211からステップ215が存在しない)従来装置では、つなぎ記録ブロックNのベリファイはステップ220、221のRAW動作におけるベリファイのみである。すなわち、RAWが要求されていない場合はつなぎ記録ブロックNに対するベリファイは行われない。また、RAWにおけるベリファイ処理は記録した領域の全てに対して行うものであり、つなぎ記録箇所に限ってベリファイを行うことはない。
【0143】
なお、本動作フローでは、ステップ210においてVNR=1の場合に限り、つなぎ記録直後のベリファイ(ステップ211)を行うとしたが、このステップ210の判定はスキップしても良い。
【0144】
また、本発明のデータ記録装置ではストリーム記録が要求されている場合(ステップ209のYES)、すなわちデータの信頼性よりもシームレスな記録が優先される場合に、つなぎ記録後のベリファイ(ステップ211)を行わないため、ユーザの用途に応じた記録処理に対応できる。
【0145】
また、本動作フローでは、ステップ206においてサーボ外れを検出するものとしたが、記録停止の要因としてはサーボ外れ以外の要因であっても良い。例えば、記録データのアドレスにノイズ等による誤りがあった場合も記録を停止してつなぎ記録を行うことも可能である。
【0146】
また、本動作フローでは、ステップ208においてつなぎ記録が発生したブロックNのみを記録するとしたが、これに限定するものではなく、記録ブロックNを含む複数のブロックを記録しても良い。
【0147】
以上の構成により実施の形態1は、つなぎ記録直後につなぎ記録箇所のベリファイを行うことにより、光ディスクの信頼性を向上させることが可能となる。更にベリファイエラーが発生した場合は交替処理を行うことができるため、ディスクの記録失敗を防ぐことが可能となる。また、つなぎ記録箇所のブロックについてのみベリファイを行うため、ユーザにベリファイを意識させないという効果もある。また、ベリファイエラーが発生した場合にホストコンピュータにエラーを返すこともできるため、ユーザがエラー発生を知ることができる。あるいは、ホストアプリケーションが欠陥管理を行うことができる。
【0148】
《実施の形態2》
図7は実施の形態2に係るディスクドライブ装置としてのデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。図1で説明した構成要素と同一機能を有するものには同じ参照符号を付してその詳細な説明を省略する。実施の形態2において、半導体集積回路化されたディスクコントローラ101は、前記ディスクコントローラ100に対してつなぎ記録の処理に際して用いられるデータ比較回路(COMP)30とインタリーブ回路(INTLV)31を新たに備える。
【0149】
データ比較回路30は、ホストコンピュータ200から送られてRAM7に格納されている誤り訂正符号付加が完了したデータと、光ディスクから読み出されてRAM7に格納されている誤り訂正前のデータを比較し、ECC配列の一致/不一致箇所情報をRAM7に書き込む。ECC配列の一致/不一致箇所情報は、クラスタを構成するコードワード配列における各データの一致又は不一致箇所を示す情報である。
【0150】
インタリーブ回路31は、データ比較回路30により書き込まれたECC配列の一致/不一致箇所情報をRAM7から読み出してインタリーブを施すことによりレコーディングフレーム(Recording Frame)配列の不一致箇所情報に変換する。レコーディングフレーム配列における各データの一致又は不一致箇所を示す情報である。このレコーディングフレーム配列の一致/不一致箇所情報からレコーディングフレーム単位のエラー情報が得られるため、このエラー情報によりベリファイの判定を行う。
【0151】
次に、記録中にサーボ外れが発生した場合のデータ記録装置の動作を説明する。もしも、記録中にサーボ外れが発生した場合は、サーボ回路15から出力されるサーボ外れ信号16により、CPU14は一旦記録処理を停止させ、アドレス復調回路5はサーボ外れ発生アドレスを記憶しておく。次に光ピックアップ2をサーボ外れ発生アドレスの手前に移動させ、一旦記録停止させた場所から記録を再開する。当該ブロックの記録が終了したら再び記録を停止し、ベリファイを行う。ベリファイはインタリーブ回路31によるレコーディングフレーム単位のエラー情報から、予め定められたつなぎ記録箇所周辺のレコーディングフレームに含まれる不一致数の閾値により判定を行う。
【0152】
ベリファイOKの場合は記録を再開する。ベリファイNGの場合は交替処理を行った後に記録を再開する。
なお、DVDにはインタリーブが存在せず、ECC配列とレコーディングフレーム配列が等しいため、つなぎ記録箇所周辺の内符号パリティPI(Parity Inner)のエラー情報により同様のベリファイを行うことが可能である。つなぎ記録箇所周辺のPI系列の誤り訂正不能行数に予め閾値を決めておき、これにより判定を行う。
【0153】
次に、ライトコマンドを使用したシーケンシャル記録と、つなぎ記録の動作フローを、図8A及び図8Bを用いて説明する。
【0154】
ステップ200からステップ209までは実施の形態1の図6Aと同一であるため説明を省略する。ステップ209ではストリーム記録であるかどうかを判定する。ストリーム記録が要求されていなければ、ここでの判定は否定されステップ211Aに移行する。
【0155】
このステップ211Aでは、つなぎ記録を行ったブロックNに対してベリファイを実施する。通常のRAWにおけるベリファイ(ステップ220、221)では記録ブロック単位のエラー判定であるのに対し、このベリファイではレコーディングフレーム単位のエラー判定を行う。このように、第2の実施例は通常のRAWにおけるベリファイとつなぎ記録後のベリファイとでエラー判定の方法が異なるため、RAWが要求されている、いないにかかわらずつなぎ記録直後のベリファイ(ステップ211A)を行う。ステップ211Aを行った後は、ステップ212へ移行する。
【0156】
ステップ212からステップ226までは実施の形態1の図6A及び図6Bと同一であるため説明を省略する。
【0157】
以上の構成により実施の形態2では、つなぎ記録直後につなぎ記録箇所のベリファイを行うことにより、光ディスクの信頼性を向上させることが可能となる。更にベリファイエラーが発生した場合は交替処理を行うことができるため、ディスクの記録失敗を防ぐことが可能となる。また、つなぎ記録箇所のブロックについてのみベリファイを行うため、ユーザにベリファイを意識させないという効果もある。また、ベリファイエラーが発生した場合にホストコンピュータにエラーを返すこともできるため、ユーザがエラー発生を知ることができる。あるいは、ホストアプリケーションが欠陥管理を行うことができる。
【0158】
本実施の形態2によると、つなぎ記録箇所周辺のレコーディングフレームの記録状態によりベリファイOK/NGを判定するため、クラスタ全体のエラー数でベリファイOK/NGを判定する実施の形態1より正確にベリファイ判定を行うことが可能となる。
【0159】
なお、本発明は上記した実施の形態で説目した内容に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0160】
例えば、上記各実施の形態では、データ記録媒体として光ディスク1を例として説明したが、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で種々に変形して実施することができるものである。光ディスクもBD−Rに限定されずDVD−Rなどであってもよい。
【0161】
また、上記各実施の形態では、データ記録再生装置を例にして説明したが、データ記録装置であってもよい。
【0162】
また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0163】
また、上記の各構成は、それらの一部又は全部が、ハードウェアで構成されても、プロセッサでプログラムが実行されることにより実現されるように構成されてもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0164】
1…光ディスク
2…光ピックアップ
3…増幅回路
4…データ復調回路
5…アドレス復調回路
6…デインタリーブ回路
7…RAM
8…誤り訂正および誤り訂正符号付加回路
9…デスクランブル回路
10…インタフェース回路
11…スクランブル回路
12…インタリーブ回路
13…データ変調回路
14…CPU
15…サーボ回路
16…サーボ外れ信号
17…エラー信号
19…誤り訂正結果信号
30…データ比較回路
31…インタリーブ回路
100,101…ディスクコントローラ
200…ホストコンピュータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に所定の記録単位でデータを記録する技術、特につなぎ記録を制御する技術に関し、例えば光ディスクの記録再生装置に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
つなぎ記録について記載された文献として例えば特許文献1がある。本文献では、記録媒体に情報を書き込む際に書きつなぎを行ったときに、当該記録媒体における書きつなぎ開始位置の前後において、情報を正しく書き込めたか否かを検証する検証手段を設けるようにしたことにより、書きつなぎに起因する書き込みエラーの有無及びこれに伴う再生エラーの発生の有無を、検証手段の検証結果に基づいて容易かつ確実に検出することができ、かくして情報書き込みの信頼性を格段的に向上させ得る記録装置を実現できる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−266350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光ディスクの代表例としてCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu−ray Disc)がある。これらの光ディスクのデータ記録再生装置では、誤り訂正符号を用いてデータの誤り訂正を行う。例えば、BDの誤り訂正ブロックは64kバイトのデータを単位に構成されており、このデータに付加されている誤り訂正符号は例えばReed−Solomon Codeである。データは、1バイト単位に区切られ、データ216バイトに対して誤り訂正符号32バイトが付加される。この216バイト+32バイト=248バイトをコードワードと呼び、コードワードを304個集めたデータにインタリーブが施されて152×496バイトのECCブロック(クラスタ)が構成される。
【0005】
データ記録を行うには、まずホストコンピュータから送られたデータをスクランブルし、誤り訂正符号を付加した後、インタリーブ、1−7PP(Parity Preserve)変調を行って光ディスクに記録する。
【0006】
データ記録再生装置がホストコンピュータからデータ記録を指示された場合、送られたデータを全て記録終了したら、ホストコンピュータに対して記録終了を報告する。もしも、記録中に異常が発生し、送られたデータの記録が途中で中断した場合は、ホストコンピュータに対して記録失敗を報告する。
【0007】
この記録失敗を防ぐ方法として、例えば、ホストコンピュータからのデータ転送が間に合わずに記録を中断するバッファアンダーランと呼ばれる現象が発生した場合、データ転送が再開された後に記録を再開する、つなぎ記録と呼ばれる記録方法がある。また、記録中に装置に衝撃が与えられてトラックが外れるというような、サーボ外れの原因により途中で記録を中断した場合に、記録条件が改善された後に中断した場所から記録を再開する方法があり、こちらもつなぎ記録と呼ばれる。これらつなぎ記録の内、バッファアンダーラン以外の原因によるつなぎ記録はBD−R(Blue-ray Disc Recordable)に代表されるようなライトワンスディスクに対して意義のある処理であり、BD−RE(Blue-ray Disc Rewritable)やのような書換え可能なディスクでは行われない。書き換え可能な場合には途中で異常があったとしても当該異常個所を含むECCブロックの先頭から書き換えを行えば済むからである。
【0008】
これらのつなぎ記録を行った場合、通常はつなぎ記録箇所の確認は行わずに、ホストコンピュータから送られたデータを全て記録終了すれば、ホストコンピュータに対して記録終了を報告する。このため、後になって当該BD−Rを再生する際に、つなぎ記録実施箇所のデータが訂正不能のために再生できない可能性もある。例えば、バッファアンダーランが原因で記録中断した場合は、BD−R規格に定められたECCブロックの繋ぎ目の位置であるリンキング位置でつなぎ記録が発生するのに対して、サーボ外れが原因で突発的に記録中断した場合は、上記リンキング位置とは無関係につなぎ記録が発生するという違いがある。バッファアンダーランの場合はアンダーランを生ずるECCブロック(クラスタ)の記録まで行ったとことで一旦記録を中断すればよいからである。また、バッファアンダーランが原因で記録中断した場合とサーボ外れが原因で記録中断した場合は記録状態も大きく異なり、一般にサーボ外れが原因で記録中断した場合はバッファアンダーランが原因で記録中断した場合に比べて記録中断前の記録状態が悪い。この違いはBD−R再生時にエラーレートの違いとなって現れ、サーボ外れが原因のつなぎ記録では誤り訂正不能が発生することがより多くなると考えられる。BD−R規格に定められたリンキング位置でのつなぎ記録はリンキング(Linking)記録と呼ぶこともあり、BD−Rの記録に関してはこれを他と区別するために以下、リンキング記録と呼ぶ。
【0009】
この不都合を解消する技術として特許文献1に記載の技術を採用可能である。特許文献1ではホストコンピュータから送られたデータを全て記録終了した後に、つなぎ記録を行った箇所のデータを全て再生し、正しく再生できた時のみホストコンピュータにデータの書き込み終了を通知し、これ以外のときには書き込みエラーをホストコンピュータに通知するようにしている。
【0010】
しかしながら、特許文献1の技術では確認の結果、誤り訂正不能が発生したことをユーザが知ることができるが、最早当該光ディスク自体の回復を行うことはできない。データバッファの記憶容量には限界があるため、ほとんどの場合、書き込みデータは最早データバッファに残っていないと考えられるからである。 また、特許文献1は全てのつなぎ記録あるいはリンキング記録箇所を確認するため、記録した光ディスクの信頼性を向上させることができるが、つなぎ記録あるいはリンキング記録を多数行った場合は確認に時間を要する。例えば、高倍速記録を実施する光ディスク記録装置では、光ディスク全面を同一速度でCLV(Constant Linear Velocity)記録することは少なく、可変速度でCAV(Constant Angular Velocity)記録することが多い。このため、記録途中で記録パラメータを変更する必要があり、その際にリンキング記録を行うことが一般的である。この様な場合も含めて全て確認を行っていたのでは処理に時間がかかり過ぎる。サーボ外れ等によるつなぎ記録のように誤り訂正不能が発生することがより多くなると考えられる場合に特に着眼することも必要である。
【0011】
本発明の目的は、つなぎ記録の確認時間を減少でき、つなぎ記録により誤り訂正不能な状態が発生しても当該光ディスク自体を回復させることが可能なデータ記録装置、データ記録方法及び半導体装置を提供することにある。
【0012】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0014】
すなわち、記録媒体に所定の記録単位でデータとその誤り訂正符号とを記録する記録技術において、所定の事象の発生に起因して記録単位の記録開始位置でない箇所で記録を一旦停止した後につなぎ記録を行った場合に、当該つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止して、そのつなぎ記録箇所のデータの正否を検証する。
【0015】
その検証結果が異常であるときに、交替エリアへの書き込みを行ってから次の記録を再開することが可能である。つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止して検証を行うから、異常があっても当該記録単位のデータはデータバッファ等に残っているからである。
【発明の効果】
【0016】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0017】
すなわち、つなぎ記録の確認時間を減少でき、つなぎ記録により誤り訂正不能な状態が発生しても当該光ディスク自体を回復させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は実施の形態1に係るデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2A】図2Aは実施例の形態1におけるつなぎ記録のベリファイOKの場合のデータ記録順序を示した説明図である。
【図2B】図2Bは実施例の形態1におけるつなぎ記録のベリファイNGの場合のデータ記録順序を示した説明図である。
【図3A】図3AはBD−Rに代表される光ディスクのレイアウトを示す説明図である。
【図3B】図3BはBD−Rに代表される光ディスクのレイアウトにおいてデータエリア内にスペアエリアが存在しない場合の例を示す説明図である。
【図3C】図3CはBD−Rに代表される光ディスクのレイアウトにおいてホストアプリケーションが欠陥管理を行う場合を示す説明図である。
【図4】図4は実施の形態1における記録処理とつなぎ記録の動作フローチャートである。
【図5】図5はBD−Rのライトコマンドを示す説明図である。
【図6A】図6Aは実施の形態1のライトコマンドを使用したシーケンシャル記録とつなぎ記録の動作の前半のフローチャートである。
【図6B】図6Bは実施の形態1のライトコマンドを使用したシーケンシャル記録とつなぎ記録の動作の後半のフローチャートである。
【図7】図7は実施に形態2に係るデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図8A】図8Aは実施の形態2のライトコマンドを使用したシーケンシャル記録とつなぎ記録の動作の前半のフローチャートである。
【図8B】図8Bは実施の形態2のライトコマンドを使用したシーケンシャル記録とつなぎ記録の動作の後半のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0020】
〔1〕<つなぎ記録の直後に当該クラスタのベリファイ>
本発明の代表的な実施の形態に係るディスクドライブ装置(図1の100及び2、図7の101及び2)は、記録媒体(1)に所定の記録単位でデータを記録する装置であって、外部から入力されたデータに誤り訂正符号を付加して前記記録単位のデータに変換する手段と、記録媒体から読み出された記録単位のデータをその誤り訂正符号により誤り訂正して読み出しデータに変換する手段とを有するデータ変換部(3〜13)と、記録媒体に対するデータの記録と再生の制御及び前記データ変換部に対する動作の制御を行う制御部(14,15)とを有する。前記制御部は、所定の事象の発生に起因して前記記録単位の記録開始位置でない箇所で記録を停止した後に停止位置からデータの記録を再開するつなぎ記録の制御を行い、つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止し、つなぎ記録箇所のデータを前記データ変換部を用いて検証する(図4のステップ103〜105)。
【0021】
上記より、つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止して検証を行うから、異常があっても当該記録単位のデータはデータバッファ等に残っている。したがって、その検証結果が異常であるときに、交替エリアへの書き込みを行ってから次の記録を再開することが可能である。
【0022】
〔2〕<クラスタ単位の誤り数によるつなぎ記録の正否判別>
項1のディスクドライブ装置(図1の100及び2)において、前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータの検証として、つなぎ記録箇所を含む記録単位におけるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理を行ない、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす。
【0023】
ECCブロック(クラスタ)単位での全体的な誤り数によってつなぎ記録の正否を簡単に判別することができる。
【0024】
〔3〕<つなぎ箇所近傍フレームの誤り訂正後データの誤り数によるつなぎ記録の正否判別>
項1のディスクドライブ装置(図7の101及び2)において、前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータの検証として、つなぎ記録箇所を含む記録単位における当該つなぎ箇所近傍のフレームに含まれるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理を行ない、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす。
【0025】
クラスタのような記録単位の内つなぎ箇所近傍のフレーム(レコーディングフレーム)に含まれるデータの誤り数に着目することによって繋ぎ記録の正否を正確に判別可能になる。
【0026】
〔4〕<誤り訂正配列の不一致箇所の配列に対するインタリーブ>
項3のディスクドライブ装置において、前記変換部は、前記記録単位のデータに変換するとき、外部から入力されたデータに誤り訂正符号を付加してインタリーブを施し(12)、前記読み出しデータに変換するとき、記録媒体から読み出された記録単位のデータのインタリーブを解除し(6)、インタリーブが解除された誤り訂正前のデータと当該記録単位のデータの書き込みに用いたデータとを比較して誤り訂正配列の不一致箇所の配列を生成し(30)、生成された不一致箇所の配列を上記インタリーブと同じアルゴリズムでインタリーブを施してフレーム配列の不一致箇所情報を生成する(31)。前記制御部は、生成されたフレーム配列の不一致箇所情報に基づいて、つなぎ記録箇所前後のフレームに含まれるデータ不一致数が閾値以下であるかどうか否かを判別する。
【0027】
これにより、インタリーブされたデータの内つなぎ箇所近傍のフレーム(レコーディングフレーム)に含まれるデータの誤り数に基づいて繋ぎ記録の正否を正確に判別することができる。
【0028】
〔5〕<検証結果正常後の記録再開>
項1乃至4の何れかのディスクドライブ装置において、前記制御部は前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が正常であるとき、次の記録単位のデータに対する記録を再開する(ステップ108)。
【0029】
〔6〕<検証結果異常時の交替エリアへの書き込み>
項5のディスクドライブ装置において、前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が異常であるとき、当該つなぎ記録に係る記録単位のデータを交替エリアに書き込んでから(ステップ107)、次の記録単位のデータに対する記録を再開する(ステップ108)。
【0030】
ディスクドライブ装置はつなぎ記録の異常に対して自律的に交替エリアへの書き込みを行うことができる。
【0031】
〔7〕<検証結果異常時のホスト装置への通知>
項5のディスクドライブ装置において、前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が異常であるとき、外部にエラー(図6Aのステップ215)を通知する。
【0032】
つなぎ記録の異常に対してエラー通知を受けたホスト装置等にリカバリの処理を委ねることができる。
【0033】
〔8〕<つなぎ記録の直後に当該クラスタのベリファイ>
本発明の別の実施の形態に係るデータ記録方法は、記録媒体に所定の記録単位でデータとその誤り訂正符号とを記録する記録方法であって、所定の事象の発生に起因して前記記録単位の記録開始位置でない箇所で記録を一旦停止した後につなぎ記録を行った場合に、当該つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止する処理と、つなぎ記録箇所のデータの正否を検証する処理(ステップ103〜105)と、を含む。
【0034】
上記方法によれば、つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止して検証を行うから、異常があっても当該記録単位のデータはデータバッファ等に残っている。したがって、その検証結果が異常であるときに、交替エリアへの書き込みを行ってから次の記録を再開することが可能である。
【0035】
〔9〕<クラスタ全体の誤り数によるつなぎ記録の正否判別>
項8のデータ記録方法において、前記検証する処理は、つなぎ記録箇所を含む記録単位におけるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理であり(ステップ211)、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす。
【0036】
ECCブロックであるクラスタ単位での全体的な誤り数によってつなぎ記録の正否を簡単に判別することができる。
【0037】
〔10〕<つなぎ箇所近傍フレームの誤り訂正後データの誤り数によるつなぎ記録の正否判別>
項8のデータ記録方法において、前記検証する処理は、つなぎ記録箇所を含む記録単位における当該つなぎ箇所近傍のフレームに含まれるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理であり(ステップ211A)、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす。
【0038】
クラスタのような記録単位の内つなぎ箇所近傍のフレーム(レコーディングフレーム)に含まれるデータの誤り数に着目することによって繋ぎ記録の正否を正確に判別可能になる。
【0039】
〔11〕<誤り訂正配列の不一致箇所の配列に対するインタリーブ>
項10のデータ記録方法において、前記検証する処理は、外部から入力されたデータに誤り訂正符号が付加されインタリーブが施されて記録媒体に書き込まれたデータを読み出すとき、記録媒体から読み出された記録単位のデータのインタリーブを解除し、インタリーブが解除された誤り訂正前のデータと当該記録単位のデータの書き込みに用いたデータとを比較して誤り訂正配列の不一致箇所の配列を生成し、生成された不一致箇所の配列を上記インタリーブと同じアルゴリズムでインタリーブを施してフレーム配列の不一致箇所情報を生成し、生成されたフレーム配列の不一致箇所情報に基づいて、つなぎ記録箇所前後のフレームに含まれるデータ不一致数が閾値以下であるかどうか否かを判別する処理である(ステップ211A)。
【0040】
これにより、インタリーブされたデータの内つなぎ箇所近傍のフレーム(レコーディングフレーム)に含まれるデータの誤り数に基づいて繋ぎ記録の正否を正確に判別することができる。
【0041】
〔12〕<検証結果正常後の記録再開>
項8乃至11の何れかのデータ記録方法において、前記検証処理により前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が正常であるとき、次の記録単位のデータに対する記録を再開する処理(ステップ216)をさらに含む。
【0042】
〔13〕<検証結果異常時の交替エリアへの書き込み>
項12のデータ記録方法において、前記検証処理により前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が異常であるとき、当該つなぎ記録に係る記録単位のデータを交替エリアに書き込む処理(ステップ214)と、次の記録単位のデータに対する記録を再開する処理(ステップ216)とを更に含む。
【0043】
つなぎ記録の異常に対して自律的に後退エリアへの書き込みを行うことができる。
【0044】
〔14〕<検証結果異常時のホストへの通知>
項12のデータ記録方法において、前記検証処理により前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が異常であるとき、ホスト装置にエラーを通知する(ステップ215)。
【0045】
つなぎ記録の異常に対してエラー通知を受けたホスト装置にリカバリの処理を委ねることができる。
【0046】
〔15〕<つなぎ記録の直後に当該クラスタのベリファイ>
本発明の更に別の実施の形態に係る半導体装置(図1の100、図7の101)は記録媒体に所定の記録単位でデータを記録するための制御を行う。この半導体装置は、外部から入力されたデータに誤り訂正符号を付加して前記記録単位のデータに変換する手段と、記録媒体から読み出された記録単位のデータをその誤り訂正符号により誤り訂正して読み出しデータに変換する手段とを有するデータ変換部(3〜13)と、記録媒体に対するデータの記録と再生の制御及び前記データ変換部に対する動作の制御を行う制御部(14,15)とを有する。前記制御部は、所定の事象の発生に起因して前記記録単位の記録開始位置でない箇所で記録を停止した後に停止位置からデータの記録を再開するつなぎ記録の制御を行い、つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止し、つなぎ記録箇所のデータを前記データ変換部を用いて検証する(ステップ103〜105)。
【0047】
上記より、つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止して検証を行うから、異常があっても当該記録単位のデータはデータバッファ等に残っている。したがって、その検証結果が異常であるときに、交替エリアへの書き込みを行ってから次の記録を再開することが可能である。
【0048】
〔16〕<クラスタ単位の誤り数によるつなぎ記録の正否判別>
項15の半導体装置(図1の100)において、前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータの検証として、つなぎ記録箇所を含む記録単位におけるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理を行ない、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす。
【0049】
ECCブロック(クラスタ)単位での全体的な誤り数によってつなぎ記録の正否を簡単に判別することができる。
【0050】
〔17〕<つなぎ箇所近傍フレームの誤り訂正後データの誤り数によるつなぎ記録の正否判別>
項15の半導体装置(図7の101)において、前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータの検証として、つなぎ記録箇所を含む記録単位における当該つなぎ箇所近傍のフレームに含まれるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理を行ない、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす。
【0051】
クラスタのような記録単位の内つなぎ箇所近傍のフレーム(レコーディングフレーム)に含まれるデータの誤り数に着目することによって繋ぎ記録の正否を正確に判別可能になる。
【0052】
〔18〕<誤り訂正配列の不一致箇所の配列に対するインタリーブ>
項17の半導体装置において、前記変換部は、前記記録単位のデータに変換するとき、外部から入力されたデータに誤り訂正符号を付加してインタリーブを施し(12)、前記読み出しデータに変換するとき、記録媒体から読み出された記録単位のデータのインタリーブを解除し(6)、インタリーブが解除された誤り訂正前のデータと当該記録単位のデータの書き込みに用いたデータとを比較して誤り訂正配列の不一致箇所の配列を生成し(30)、生成された不一致箇所の配列を上記インタリーブと同じアルゴリズムでインタリーブを施してフレーム配列の不一致箇所情報を生成する(31)。前記制御部は、生成されたフレーム配列の不一致箇所情報に基づいて、つなぎ記録箇所前後のフレームに含まれるデータ不一致数が閾値以下であるかどうか否かを判別する。
【0053】
これにより、インタリーブされたデータの内つなぎ箇所近傍のフレーム(レコーディングフレーム)に含まれるデータの誤り数に基づいて繋ぎ記録の正否を正確に判別することができる。
【0054】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0055】
《実施の形態1》
図1には実施の形態1に係るディスクドライブ装置としてのデータ記録再生装置の構成が例示される。1はデータ記録媒体、例えばBD−Rである。なお、以下の説明においては、光ディスク1として説明する。データ記録媒体は、必ずしも光ディスクに限定されるものではなく、その他の誤り訂正符号が記録される記録媒体であってもよい。
【0056】
100は光ディスク1に所定の記録単位でデータを記録し再生するための制御を行うディスクコントローラであって半導体装置によって構成される。200は前記ディスクコントローラ100に接続されたホスト装置としてのホストコンピュータである。半導体装置100は特に制限されないが、単結晶シリコンのような1個の半導体基板に相補型MOS集積回路製造技術によって形成される。ディスクコントローラ100は、ホストコンピュータ200から入力されたデータに誤り訂正符号を付加して前記記録単位のデータに変換する手段と、記録媒体から読み出された記録単位のデータをその誤り訂正符号により誤り訂正して外部に読み出すデータに変換する手段とを有するデータ変換部と、光ディスク1に対するデータの記録と再生の制御及び前記データ変換部に対する動作の制御を行う制御部とを有する。
【0057】
前記データ変換部は、特に制限されないが、増幅回路(AFE)3、データ復調回路(DEMOD)4、アドレス復調回路(ADEMOD)5、デインタリーブ回路(DEINTLV)6、RAM7、誤り訂正および誤り訂正符号付加回路(ECC)8、デスクランブル回路(DECSR)9、ホストコンピュータ20に接続されるインタフェース回路(IF)10、スクランブル回路(SCR)11、インタリーブ回路(INTLV)12、及びデータ変調回路(MOD)13を有する。前記制御部は、特に制限されないが、命令を実行する中央処理装置(CPU)14及びサーボ回路(SERVO)15を有する。
【0058】
光ピックアップ2は、光ディスク1から信号を読み出して増幅回路3に送る。また、データ変調回路13から送られた変調信号を光ディスク1に記録する。変調信号の例としては、17PP変調信号がある。以下の説明は17PP変調信号を例に説明する。
【0059】
増幅回路3は、光ピックアップ2を介して光ディスク1から読み出した再生信号を増幅してデータ復調回路4に送る。また、光ピックアップ2を介して光ディスク1から読み出したWobble信号を増幅してアドレス復調回路5に送る。また、サーボ信号を生成してサーボ回路15に送る。増幅回路3は、例えば、AFE(Analog Front End)によって実装する。
【0060】
データ復調回路4は、入力信号を17PP復調してデインタリーブ回路6に送る。
【0061】
アドレス復調回路5は、入力信号からアドレスを復調して変調回路13およびCPU14に送る。また、サーボ回路15からのサーボ外れ信号16を受け取った際のアドレスを記憶する。アドレス情報の例としては、ADIP(Address In Pre-groove)がある。
【0062】
デインタリーブ回路6は、データ復調回路6から送られたデータのインタリーブを解き、RAM7に書き込む。
【0063】
RAM7は、誤り訂正用メモリ、誤り訂正符号付加用メモリ、およびバッファメモリとして使用される。RAM7は、SRAM、DRAM等で実装するが、その他同様の機能の持つメモリ回路で代替してもよい。
【0064】
誤り訂正および誤り訂正符号付加回路8は、RAM7からデータを読み出して誤り訂正を行いRAM7に書き込む。また、誤り訂正結果19をCPU14に送る。また、誤り訂正および誤り訂正符号付加回路8は、RAM7から読み出されたデータに対する誤り訂正符号を生成し、RAM7に書き込む。
【0065】
デスクランブル回路9は、誤り訂正が完了したデータのスクランブルを解いてインタフェース回路10に送る。
【0066】
インタフェース回路10は、デスクランブル回路9から送られたデータをホストコンピュータに送る。また、ホストコンピュータから送られたデータをスクランブル回路11に送る。インタフェース回路10は、例えばSATA(Serial Advanced Technology Attachment)その他の転送方式に準拠したデータ転送を行う。
【0067】
スクランブル回路11は、インタフェース回路10から送られたデータにスクランブルを施しRAM7に書き込む。
【0068】
インタリーブ回路12は、RAM7から読み出したデータにインタリーブを施し、データ変調回路13に送る。
【0069】
データ変調回路13は、インタリーブ回路12から送られたデータを17PP変調して光ピックアップ2に送る。記録指示はCPU14から受け、アドレス復調回路5によるタイミング信号に同期させてデータ変調を行う。
【0070】
CPU14は、データ記録装置の記録処理、再生処理の制御を行う。(例えば記録処理では、アドレス復調回路5から得たアドレスによりサーボ回路15を介して光ピックアップ2を目的位置に移動させ、データ変調回路13に記録指示を行い、光ピックアップ2を介して光ディスク1にデータを記録する。また、サーボ回路15からサーボ外れ信号16を受け取った場合につなぎ記録処理を行う。)なお、CPUでなくとも、任意の制御回路や、ASIC等の専用回路を用いてもよい。
【0071】
サーボ回路15は、増幅回路3にて生成されたサーボ信号により光ピックアップ2を制御する。また、サーボが外れた場合にはサーボ外れ信号16を出力する。
17はCPU14からインタフェース回路10に対するエラー信号を示す。CPU14はインタフェース回路10に対してエラー信号17を送ることができ、その場合インタフェース回路10はホストコンピュータにエラーを返す。
【0072】
次に、光ディスク1にデータを記録する場合のデータ記録装置の動作を説明する。 データ記録装置は、インタフェース回路10を介してホストコンピュータから送られたデータに、まずスクランブル回路11でスクランブルを施してRAM7に格納する。次に、データ記録装置は、誤り訂正および誤り訂正符号付加回路8によりRAM7に格納したデータに誤り訂正符号付加を行う。次に、データ記録装置は、誤り訂正符号付加が完了したデータにインタリーブ回路12でインタリーブを施し、データ変調回路13に送る。そして次に、データ記録装置は、データ変調回路13から光ピックアップ2に17PP変調信号を送り、光ディスク1に記録する。
【0073】
なお、光ディスク1にデータを記録する前にデータ記録装置は、アドレス復調回路5から得たアドレスによりサーボ回路15を介して光ピックアップ2を記録目的位置に移動させておく。
【0074】
もしも、記録中にサーボ外れが発生した場合は、サーボ回路15から出力されるサーボ外れ信号16により、CPU14は一旦記録処理を停止させ、アドレス復調回路5はサーボ外れ発生アドレスを記憶しておき、その後つなぎ記録を行う。つなぎ記録では光ピックアップ2をサーボ外れ発生アドレスの手前に移動させ、一旦記録停止させた場所から記録を再開する。当該ブロックの記録が終了したら再び記録を停止し、ベリファイを行う。ベリファイは誤り訂正および誤り訂正符号付加回路8の誤り訂正結果によりエラー判定する。エラー判定は予め決められた誤り数の閾値により、誤り訂正不能よりも厳しい判定を行うことが一般的である。
【0075】
ベリファイOKの場合は記録を再開する。ベリファイNGの場合は交替処理を行った後に記録を再開する。また、ベリファイNGの場合にホストコンピュータにエラーを返すことも可能である。
【0076】
次に、光ディスク1からデータを再生する場合のデータ記録装置の動作を説明する。
【0077】
データ記録装置は、光ピックアップ2を介して光ディスク1から読み出した信号を増幅回路3で増幅し、データ復調回路4でデータ復調を行い、デインタリーブ回路6でインタリーブを解き、RAM7に格納する。次に、データ記録装置は、誤り訂正および誤り訂正符号付加回路8によりRAM7に格納したデータの誤り訂正を行う。次に、データ記録装置は、誤り訂正が完了したデータに対してデスクランブル回路9でスクランブルを解き、インタフェース回路10を介してホストコンピュータに送る。
【0078】
なお、光ディスク1からデータを再生する前にデータ記録装置は、アドレス復調回路5から得たアドレスによりサーボ回路15を介して光ピックアップ2を再生目的位置に移動させておく。
【0079】
もしも、データ再生中に誤り訂正不能が発生した場合は、CPU14は一旦再生処理を停止させ、リトライを行う。
【0080】
図2A及び図2Bは図1のデータ記録再生装置において、つなぎ記録のデータ記録順序をECCブロック単位(クラスタ)で示す説明図である。図2A及び図2B共に、…ブロックn−2、n−1、nの順にデータ記録中にブロックnの途中でサーボ外れが発生した場合の例を示しており、一旦記録処理を停止して(ステップ1)、次につなぎ記録箇所からデータ記録を再開し、ブロックnの記録が終了したら再び記録を停止し(ステップ2)、ブロックnのベリファイを行う(ステップ3)。ここで、図2AはベリファイOKの例、図2BはベリファイNGの例である。
【0081】
図2AはベリファイOKのため、ブロックn+1から記録を再開する(ステップ4)。図2BはベリファイNGのため、ブロックnの交替処理を行う。交替エリアにブロックnを記録し(ステップ4)、次にブロックn+1から記録を再開する(ステップ5)。
【0082】
データ記録中のサーボ外れによる記録停止をつなぎ記録により救うと、逆に再生時のリードエラーを増加させて光ディスクの信頼性を低下させる恐れがある。しかし、本発明ではつなぎ記録直後につなぎ記録箇所のベリファイを行うため、記録終了時にはベリファイまで完了しており、光ディスクの信頼性を向上させることが可能となる。更にベリファイエラーが発生した場合は交替処理を行うことができるため、ディスクの記録失敗を防ぐことが可能となる。また、つなぎ記録箇所のブロックについてのみベリファイを行うため、ユーザにベリファイを意識させないという効果もある。また、ベリファイエラーが発生した場合にホストコンピュータ200にエラーを返すこともできるため、ユーザがエラー発生を知ることができる。あるいは、ホストアプリケーションが欠陥管理を行うこともできる。
【0083】
図3AにBD−Rに代表される光ディスク1のレイアウトを示す。光ディスク1は内周側から外周側に向かって、リードインエリア、データエリア、リードアウトエリアを有し、リードインエリアからリードアウトエリアまで連続した物理アドレス(Physical Sector Number)が割り振られる。
【0084】
データの記録及び再生はデータエリアに対して行われる。このデータエリアは、スペアエリア1、ユーザデータエリア、及びスペアエリア2に分割される。ユーザデータエリアは、ユーザデータを格納するために用意された領域である。このユーザデータエリアに含まれる各セクタには論理アドレス(Logical Block Address)が割り当てられており、ユーザはその論理アドレスを用いて光ディスクにアクセスし、データの記録及び再生を行う。スペアエリア1およびスペアエリア2は、ユーザデータエリア内に欠陥があった場合に、データの交替を行うための領域である。
BD−Rなどの情報記録媒体には、記録されたデータの信頼性を確保するための一手段として、欠陥管理が適用されている。この欠陥管理では、ユーザデータエリア内の欠陥ブロックと、この欠陥ブロックに代えて使用するスペアエリア内の交替ブロックとを関連つけてなる欠陥リストを情報記録媒体の所定の交替領域に記録しておき、その後の情報記録、再生時に前記欠陥リストを参照することで欠陥部分の使用を避けるように制御するものである。
【0085】
リードインエリアには管理情報エリアが存在する。この管理情報エリアにはユーザデータエリアの開始アドレスやスペアエリアのサイズ、あるいは前記欠陥リストなどが格納されている。
【0086】
また、BD−Rでは使用目的に応じてスペアエリアのサイズをユーザが指定できるようになっている。図3Bはデータエリア内にスペアエリアが存在しない例であり、データエリアの全領域をユーザデータエリアとして使用することができる。この場合、ユーザデータエリア内の欠陥を交替することが出来ない反面、図3Aよりも多くのユーザデータを記録することが出来るというメリットがある。
【0087】
スペアエリアの有無やサイズは、ユーザデータの記録に先立って行われるフォーマット処理により決定される。
【0088】
他の光ディスク1の例としては、DVD−RやDVD+R(以下、DVD±R)のように、規格上、スペアエリアを有さないディスクもあり、そのレイアウトは図3Bのようになっている。これらのディスクでは、ホストアプリケーションが欠陥管理を行うことにより、ユーザデータエリア内に欠陥ブロックを交替させることも可能である。
【0089】
図3Cにホストアプリケーションが欠陥管理を行う例を示す。ホストアプリケーションがユーザデータエリア内の欠陥を検出した場合は、同じくユーザデータエリアを使用して交替を行う。また、ホストアプリケーションは記録したデータ(コンテンツ)のユーザデータエリア上のアドレス(論理アドレス)情報とともに、欠陥ブロックと、当該欠陥ブロックに対応する交替ブロックとをファイル管理情報にて管理する。
【0090】
次に、図4を用いて、記録処理と前記つなぎ記録に関わる動作フローについて説明する。
【0091】
最初のステップ100にて記録処理が開始されると、データ記録装置はステップ101において記録を開始する。
【0092】
このステップ101では、アドレス復調回路5から得たアドレスによりサーボ回路15を介して光ピックアップ2を目的位置に移動させ、データ変調回路13に記録指示を行い、光ピックアップ2を介して光ディスク1にデータを記録する。記録開始後はステップ102に移行する。ステップ102では、記録中にサーボ外れが発生していないかの判定を行う。ここでは、サーボ回路15からサーボ外れ信号16がCPU14に入力されることでサーボ外れの検出を行う。サーボ外れ信号16が入力されていると、ここでの判定が肯定され、ステップ103に移行する。
【0093】
このステップ103では、記録処理を一旦停止させる。同時に、アドレス復調回路5がサーボ外れ発生アドレスを記憶する。このステップ103が図2Aおよび図2Bのステップ1に相当する。
【0094】
次のステップ104では、つなぎ記録を行う。このつなぎ記録では光ピックアップ2をサーボ外れ発生アドレスの手前に移動させ、一旦記録停止させた場所から記録を再開する。このステップ104が図2Aおよび図2Bのステップ2に相当する。当該ブロックの記録が終了したら再び記録を停止し、ステップ105に移行する。このステップ105では、つなぎ記録を行ったブロックNに対してベリファイを実施する。このベリファイ処理では、光ピックアップ2を介して光ディスク1から読み出した信号を増幅回路3で増幅し、データ復調回路4でデータ復調を行い、デインタリーブ回路6でインタリーブを解き、RAM7に格納する。
【0095】
次に、データ記録装置は、誤り訂正および誤り訂正符号付加回路8によりRAM7に格納したデータの誤り訂正を行う。このステップ105が図2Aおよび図2Bのステップ3に相当する。ステップ105を行った後は、ステップ106へ移行する。ステップ106ではベリファイの結果を判定する。ベリファイは誤り訂正および誤り訂正符号付加回路8の誤り訂正結果によりエラー判定する。エラー判定は予め決められた誤り数の閾値により、誤り訂正不能よりも厳しい判定を行うことが一般的である。すなわち、つなぎ記録を行った場合は、その直後につなぎ記録箇所のベリファイを行うため、つなぎ記録の信頼性を向上させることが出来る。このエラー判定の結果OKである場合はステップ108へ移行する。
【0096】
ステップ108では、次のブロックN+1から記録を再開する。このステップ108が図2Aのステップ4に相当する。ステップ108を行った後は、ステップ109へ移行する。
【0097】
一方、ステップ106において、エラー判定の結果がNGであった場合はステップ107へ移行する。ステップ107ではブロックNの交替処理を行う。このステップ107では前記欠陥リストを参照してスペアエリア内の空きブロックMをブロックNの交替先ブロックとして割り当てた後に、交替先ブロックMを記録する。このステップ107が図2Bのステップ4に相当する。すなわち、ベリファイの結果がNGであった場合に、当該つなぎ記録ブロックの交替を行うことで、ディスクの記録失敗を防ぐことが可能となる。交替先ブロックMへの記録が完了したらステップ108へ移行する。
【0098】
次のステップ108では、ブロックN+1から記録を再開する。このステップ108が図2Bのステップ5に相当する。ステップ108を行った後は、ステップ109へ移行する。
【0099】
一方、ステップ102において、記録中にサーボ外れが発生していなかった場合はステップ102からステップ108のつなぎ記録処理をスキップして、ステップ109へ移行する。
【0100】
ステップ109では、記録が停止したかどうかの判定を行う。ここでの記録停止判定は、RAM7に記録すべきデータがなくなったことによる記録停止の判定である。記録停止していない場合は、ここでの判定は否定されてステップ102へ戻り、再び記録中にサーボ外れが発生していないかの判定を行う。
【0101】
一方、ステップ109において、記録が停止している場合は、ステップ110へ移行し、記録処理を終了する。
【0102】
以上、本発明のデータ記録装置では、つなぎ記録を行った直後に当該つなぎ記録ブロックのベリファイを行う(ステップ105)。従って、記録終了時にはベリファイまで完了しており、光ディスクの信頼性を向上させることが可能となる。また、ベリファイの結果、判定エラーとなった場合(ステップ106のNO)に交替処理を行うため(ステップ107)、ディスクの記録失敗を防ぐことが可能となる。
【0103】
次に、ホストアプリケーションからの要求により、光ディスク1にユーザデータを記録する際の動作について説明する。
【0104】
ホストアプリケーションは図5に示すライトコマンド(Write Command)を使用してデータを記録装置に転送する。ライトコマンドはデータを記録するディスク上のアドレス情報である論理アドレス、転送長(セクタ単位)の他、StreamingやVNRなど、用途に応じたいくつかの記録モードを含む。
【0105】
Streamingは、記録データの信頼性よりもシームレスに記録することを優先する場合に用いられる記録モードで、主にAV(Audio Vidual)コンテンツを記録する場合に使用される。一般的にAVコンテンツは、再生した音声や映像が感覚的に許容できる程度のデータの信頼性があれば良く、その代わり記録が中断されないことの方が重要である。そこで、AVコンテンツの記録を行う場合、ホストアプリケーションは、Streaming=1(以下、ストリーム記録)としてライトコマンドを発行する。この場合、データ記録装置はベリファイや、データの交替を行わない。また、すでに欠陥リストに登録されている欠陥ブロックに対する記録要求があった場合も、交替先ブロックではなく欠陥ブロックへ記録を行う。これはシーケンシャル記録動作において、ユーザデータエリアからスペアエリアへのアクセスに時間を要し、シームレスな記録が保障できなくなることを避けるためである。
【0106】
一方、BD−Rでは、Streaming=0(以下、通常記録)のライトコマンドにおいて、記録後に当該記録領域をベリファイし、記録データの信頼性を保障することが推奨されている。ホストアプリケーションからシーケンシャルな記録要求があった場合、データ記録装置は記録とベリファイを交互に繰り返すRAW(Read After Write)動作を行う。RAWは記録したデータの信頼性を保障できるが、ベリファイを伴わない記録と比較すると2倍以上の処理時間を要する。
【0107】
このため、BD−Rでは、欠陥管理そのものは行うが記録後のベリファイ処理を必要としない記録モードとしてVNR(Verify Not Required)が用意されている。VNR=1の場合、シーケンシャル記録要求に対してデータ記録装置はRAWを行わないためストリーム記録と同じ処理時間で記録を行うことが出来る。ただし、ストリーム記録との違いは、ディスク上の傷等により記録が出来ない場合、スペアエリアへの交替を行う。また、すでに欠陥リストに登録されている欠陥ブロックに対する記録があった場合は交替先ブロックへ記録する。
【0108】
なお、DVD±Rは、前述したように、スペアエリアが存在せず、データ記録装置は欠陥管理を行わない。従って、Streaming=0の記録要求においてもRAWは行われないのが一般的であり、記録処理に要する時間はStreaming設定如何によらず同じである。
【0109】
次に、以上説明したライトコマンドを使用したシーケンシャル記録と、前記つなぎ記録の動作フローを、図6Aおよび図6Bを用いて説明する。
【0110】
ここで、ホストアプリケーションは論理アドレスをインクリメントしながらライトコマンドを連続的に発行するものとする。データ記録装置はインタフェース回路10を介してRAM7にデータを格納し、RAM7にデータがFullとなると記録処理を開始する。また、記録処理中はRAM7にデータが格納可能かどうかを常に監視し、データを格納可能であった場合はホストアプリケーションからデータを受信するものとする。
【0111】
最初のステップ200にて記録処理が開始されると、データ記録装置はステップ201でストリーム記録であるかどうかを判定する。ライトコマンドのStreaming設定が「0」であった場合、ここでの判定は否定され、ステップ202に移行する。
【0112】
次のステップ202ではRAWが要求されているかどうかを判定する。ライトコマンドのVNR設定が「0」であった場合、ここでの判定は肯定され、ステップ203に移行する。
【0113】
このステップ203では記録停止アドレスADR(Stop)を設定する。RAWでは記録とベリファイが交互に行われる。その処理単位の下限は光ディスク1への記録サイズ(ブロック)である。この処理単位が小さければ、記録とベリファイ(RAW)が頻繁に切り替わることになる。この切り替わりが増えるとシークや記録ターゲットアドレスへの回転待ちが増えるため全体の処理速度は遅くなる。一方、前記処理単位の上限はRAM7に格納できるユーザデータのサイズ(ブロック数)である。これは、ベリファイが完了するまでは正しく記録できたかどかが分からないため、記録が完了してもベリファイが完了するまではデータを保持しておく必要があるためである。すなわち、RAWでは、この処理単位で記録が中断される。ここで、記録開始アドレスをADR(Start)、前記処理単位をSIZE(Unit)とした場合、記録停止アドレスADR(Stop)は、
ADR(Stop)=ADR(Start)+SIZE(Unit)
となる。データ記録装置はADR(Stop)で記録を停止するよう、あらかじめデータ変調回路13に対して設定を行う。この場合、データ変調回路13は記録アドレスがADR(Stop)に到達したら記録を停止する。
【0114】
一方、ステップ201においてストリーム記録が要求されていた場合、またはステップ202においてRAWが要求されていなかった場合はステップ204に移行する。このステップ204では、停止アドレスADR(Stop)に「FFFFFFFFh」を設定する。RAWを行わない場合は記録処理を中断する必要がなく、RAM7に未記録のデータが存在する限り記録を続ければよい。本実施例において、値「FFFFFFFFh」を設定するとことはデータ変調回路13が記録アドレスによる記録の停止を行わないことを意味する。
【0115】
以上、ステップ203、またはステップ204にて記録停止アドレスを設定した後、ステップ205に移行する。
【0116】
ステップ205ではアドレスADR(Start)から記録を開始する。このステップ205は、図4におけるステップ101と同じである。ステップ205を行った後は、ステップ206へ移行する。
【0117】
ステップ206では、記録中にサーボ外れが発生していないかの判定を行う。このステップ206は、図4におけるステップ102と同じである。ステップ206において、サーボ外れ信号16が入力されていると、ここでの判定が肯定され、ステップ207に移行する。
【0118】
次のステップ207とステップ208は、それぞれ、図4におけるステップ103とステップ104と同じである。ステップ208において、当該ブロックの記録が終了したら再び記録を停止し、ステップ209に移行する。
【0119】
ステップ209ではストリーム記録であるかどうかを判定する。ストリーム記録が要求されていなければ、ここでの判定は否定されステップ210に移行する。
【0120】
ステップ210ではライトコマンドのVNR設定が「1」であるかどうかを判定する。前述したように、VNR=1であった場合はRAWを行わないため、つなぎ記録を行ったブロックNが正しく読み出せるかどうかの信頼性に問題が残る。そこで、VNR=1のライトコマンドであった場合に、ステップ211へ移行する。
【0121】
このステップ211では、つなぎ記録を行ったブロックNに対してベリファイを実施する。このステップ211は、図4におけるステップ105と同じである。ステップ211を行った後は、ステップ212へ移行する。
【0122】
ステップ212ではベリファイの結果を判定する。このステップ212は、図4におけるステップ106と同じである。ステップ212のベリファイ処理において、エラー判定の結果OKである場合はステップ216へ移行する。
【0123】
ステップ216では、次のブロックN+1から記録を再開する。このステップ216は、図4におけるステップ108と同じである。ステップ216を行った後は、ステップ217へ移行する。
【0124】
一方、ステップ212において、エラー判定の結果がNGであった場合はステップ213へ移行する。ステップ213では、光ディスク1にスペアエリアが存在するかどうかを判定する。このステップ213では光ディスク1の管理情報を参照してスペアエリアが存在するかどうかを判定する。スペアエリアが存在する場合は、ここでの判定が肯定されて、ステップ214へ移行する。
【0125】
ステップ214ではブロックNの交替処理を行う。このステップ214は、図4におけるステップ107と同じである。ステップ214を行った後は、ステップ216へ移行する。次のステップ216では、次のブロックN+1から記録を再開する。このステップ216は、図4におけるステップ108と同じである。
【0126】
一方、ステップ213において、光ディスク1にスペアエリアが存在しない場合は、ステップ213の判定が否定されて、ステップ215へ移行する。
【0127】
ステップ215では、ホストアプリケーションにエラーを報告する。すなわち、つなぎ記録後のベリファイ処理において、エラー判定の結果がNGであった場合にホストアプリケーションにエラーを報告することで、ユーザにとって、記録は出来たのに書いたデータが読めない(データロスト)という不具合を回避することが出来る。また、例えば図3Cに示すように、ホストアプリケーションが欠陥管理を行う場合は、記録エラーを報告することでホストアプリケーションに交替処理を促すことも出来る。ホストアプリケーションへのエラー報告を行った後はステップ226へ移行し、記録処理を終了する。
【0128】
ここで、ステップ209においてストリーム記録が要求されていた場合は、つなぎ記録後のベリファイ処理(ステップ211からステップ215)をスキップして、ステップ216へ移行する。すなわち、ストリーム記録では、データの信頼性よりもシームレスな記録が優先されるため、つなぎ記録後のベリファイ処理を行わない。
【0129】
また、ステップ210においてVNR=0であった場合(RAWが要求されている場合)は、つなぎ記録後のベリファイ処理(ステップ211からステップ215)をスキップして、ステップ216へ移行する。すなわち、RAWが要求されている場合は、後述するステップ220から223のベリファイ処理にて、つなぎ記録ブロックNを含む全記録領域のベリファイを行うため、ステップ211のベリファイが不要となる。さらに、ステップ206において、記録中にサーボ外れが発生していなかった場合はステップ207からステップ216のつなぎ記録処理をスキップして、ステップ217へ移行する。
【0130】
次に、ステップ217では、記録が停止したかどうかの判定を行う。ここでの記録停止判定は、RAWが要求されている場合においては、ステップ203にて設定した記録停止アドレスADR(Stop)に到達したことによる記録停止の判定、あるいはホストアプリケーションからライトコマンドが発行されなくなり、RAM7に記録すべきデータがなくなったことによる記録停止の判定である。また、RAWが要求されていない場合においてはRAM7に記録すべきデータがなくなったことによる記録停止の判定である。このステップ217において、記録停止していない場合は、ここでの判定は否定されてステップ206へ戻る。ステップ206では、再び記録中にサーボ外れが発生していないかの判定を行う。
【0131】
一方、ステップ217において、記録が停止していた場合はステップ218へ移行する。ステップ218では、ストリーム記録であるかどうかを判定する。ライトコマンドのStreaming設定が「0」であった場合、ここでの判定は否定され、ステップ219に移行する。
【0132】
次のステップ219ではRAWが要求されているかどうかを判定する。ライトコマンドのVNR設定が「0」であった場合、ここでの判定は肯定され、ステップ220に移行する。ステップ220では、記録領域のベリファイを開始する。ここでは、アドレス復調回路5から得たアドレスによりサーボ回路15を介して光ピックアップ2をADR(Start)へ移動させ、データ復調回路4に再生指示を行い、光ピックアップ2を介して光ディスク1からデータを再生する。ベリファイは誤り訂正および誤り訂正符号付加回路8の誤り訂正結果によりエラー判定する。
【0133】
次のステップ221では、ベリファイの完了を待つ。ベリファイが完了するとステップ222へ移行する。
ステップ222では、欠陥ブロックが検出されたかどうかを判定する。本ベリファイ処理では1ブロック再生が完了する毎に前記エラー判定を行い、ブロックごとの判定結果を保存しておく。ベリファイの結果、エラー判定となったブロックがあった場合は、ステップ223へ移行する。
【0134】
ステップ223では、欠陥ブロックをスペアエリアに交替を行う。ここでは、ベリファイ処理においてエラー判定された全ブロックの交替処理を行う。交替処理完了後はステップ224へ移行する。
【0135】
一方、ステップ222において、欠陥ブロックが検出されていなければ、ステップ223の交替処理をスキップし、ステップ224へ移行する。
【0136】
ステップ224では、記録開始アドレスADR(Start)を更新する。すなわち、記録停止アドレスADR(Stop)を新たな記録開始アドレスに設定する。
【0137】
また、ステップ218においてストリーム記録が要求されていた場合、またはステップ219においてRAWが要求されていなかった場合は、ステップ220からステップ224のベリファイ処理をスキップして、ステップ225へ移行する。
【0138】
次のステップ225では、RAM7に未記録のデータが存在するかどうかを判定する。未記録のデータが存在する場合、ステップ201に移行し、再び記録処理を行う。
【0139】
未記録のデータが存在しなければ、ステップ226へ移行し、記録処理を終了する。
【0140】
以上、本発明のデータ記録装置では、つなぎ記録を行った直後に当該つなぎ記録ブロックのベリファイを行う(ステップ211)。従って、記録終了時にはベリファイまで完了しており、光ディスクの信頼性を向上させることが可能となる。また、ベリファイの結果、判定エラーとなった場合(ステップ212のNO)に交替処理を行うため(ステップ214)、ディスクの記録失敗を防ぐことが可能となる。
【0141】
さらに、前記つなぎ記録直後のベリファイ(ステップ211)をRAWが要求されていない場合(ステップ210のYES)に実施し、RAWが要求されている場合(ステップ210のNO)は、通常のRAWの一連の動作にてベリファイを行う(ステップ220、221)ことにより、ホストアプリケーションの記録モード(RAW設定)に依存しないベリファイを実現することが出来る。
【0142】
例えば、つなぎ記録直後のベリファイを行わない(ステップ211からステップ215が存在しない)従来装置では、つなぎ記録ブロックNのベリファイはステップ220、221のRAW動作におけるベリファイのみである。すなわち、RAWが要求されていない場合はつなぎ記録ブロックNに対するベリファイは行われない。また、RAWにおけるベリファイ処理は記録した領域の全てに対して行うものであり、つなぎ記録箇所に限ってベリファイを行うことはない。
【0143】
なお、本動作フローでは、ステップ210においてVNR=1の場合に限り、つなぎ記録直後のベリファイ(ステップ211)を行うとしたが、このステップ210の判定はスキップしても良い。
【0144】
また、本発明のデータ記録装置ではストリーム記録が要求されている場合(ステップ209のYES)、すなわちデータの信頼性よりもシームレスな記録が優先される場合に、つなぎ記録後のベリファイ(ステップ211)を行わないため、ユーザの用途に応じた記録処理に対応できる。
【0145】
また、本動作フローでは、ステップ206においてサーボ外れを検出するものとしたが、記録停止の要因としてはサーボ外れ以外の要因であっても良い。例えば、記録データのアドレスにノイズ等による誤りがあった場合も記録を停止してつなぎ記録を行うことも可能である。
【0146】
また、本動作フローでは、ステップ208においてつなぎ記録が発生したブロックNのみを記録するとしたが、これに限定するものではなく、記録ブロックNを含む複数のブロックを記録しても良い。
【0147】
以上の構成により実施の形態1は、つなぎ記録直後につなぎ記録箇所のベリファイを行うことにより、光ディスクの信頼性を向上させることが可能となる。更にベリファイエラーが発生した場合は交替処理を行うことができるため、ディスクの記録失敗を防ぐことが可能となる。また、つなぎ記録箇所のブロックについてのみベリファイを行うため、ユーザにベリファイを意識させないという効果もある。また、ベリファイエラーが発生した場合にホストコンピュータにエラーを返すこともできるため、ユーザがエラー発生を知ることができる。あるいは、ホストアプリケーションが欠陥管理を行うことができる。
【0148】
《実施の形態2》
図7は実施の形態2に係るディスクドライブ装置としてのデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。図1で説明した構成要素と同一機能を有するものには同じ参照符号を付してその詳細な説明を省略する。実施の形態2において、半導体集積回路化されたディスクコントローラ101は、前記ディスクコントローラ100に対してつなぎ記録の処理に際して用いられるデータ比較回路(COMP)30とインタリーブ回路(INTLV)31を新たに備える。
【0149】
データ比較回路30は、ホストコンピュータ200から送られてRAM7に格納されている誤り訂正符号付加が完了したデータと、光ディスクから読み出されてRAM7に格納されている誤り訂正前のデータを比較し、ECC配列の一致/不一致箇所情報をRAM7に書き込む。ECC配列の一致/不一致箇所情報は、クラスタを構成するコードワード配列における各データの一致又は不一致箇所を示す情報である。
【0150】
インタリーブ回路31は、データ比較回路30により書き込まれたECC配列の一致/不一致箇所情報をRAM7から読み出してインタリーブを施すことによりレコーディングフレーム(Recording Frame)配列の不一致箇所情報に変換する。レコーディングフレーム配列における各データの一致又は不一致箇所を示す情報である。このレコーディングフレーム配列の一致/不一致箇所情報からレコーディングフレーム単位のエラー情報が得られるため、このエラー情報によりベリファイの判定を行う。
【0151】
次に、記録中にサーボ外れが発生した場合のデータ記録装置の動作を説明する。もしも、記録中にサーボ外れが発生した場合は、サーボ回路15から出力されるサーボ外れ信号16により、CPU14は一旦記録処理を停止させ、アドレス復調回路5はサーボ外れ発生アドレスを記憶しておく。次に光ピックアップ2をサーボ外れ発生アドレスの手前に移動させ、一旦記録停止させた場所から記録を再開する。当該ブロックの記録が終了したら再び記録を停止し、ベリファイを行う。ベリファイはインタリーブ回路31によるレコーディングフレーム単位のエラー情報から、予め定められたつなぎ記録箇所周辺のレコーディングフレームに含まれる不一致数の閾値により判定を行う。
【0152】
ベリファイOKの場合は記録を再開する。ベリファイNGの場合は交替処理を行った後に記録を再開する。
なお、DVDにはインタリーブが存在せず、ECC配列とレコーディングフレーム配列が等しいため、つなぎ記録箇所周辺の内符号パリティPI(Parity Inner)のエラー情報により同様のベリファイを行うことが可能である。つなぎ記録箇所周辺のPI系列の誤り訂正不能行数に予め閾値を決めておき、これにより判定を行う。
【0153】
次に、ライトコマンドを使用したシーケンシャル記録と、つなぎ記録の動作フローを、図8A及び図8Bを用いて説明する。
【0154】
ステップ200からステップ209までは実施の形態1の図6Aと同一であるため説明を省略する。ステップ209ではストリーム記録であるかどうかを判定する。ストリーム記録が要求されていなければ、ここでの判定は否定されステップ211Aに移行する。
【0155】
このステップ211Aでは、つなぎ記録を行ったブロックNに対してベリファイを実施する。通常のRAWにおけるベリファイ(ステップ220、221)では記録ブロック単位のエラー判定であるのに対し、このベリファイではレコーディングフレーム単位のエラー判定を行う。このように、第2の実施例は通常のRAWにおけるベリファイとつなぎ記録後のベリファイとでエラー判定の方法が異なるため、RAWが要求されている、いないにかかわらずつなぎ記録直後のベリファイ(ステップ211A)を行う。ステップ211Aを行った後は、ステップ212へ移行する。
【0156】
ステップ212からステップ226までは実施の形態1の図6A及び図6Bと同一であるため説明を省略する。
【0157】
以上の構成により実施の形態2では、つなぎ記録直後につなぎ記録箇所のベリファイを行うことにより、光ディスクの信頼性を向上させることが可能となる。更にベリファイエラーが発生した場合は交替処理を行うことができるため、ディスクの記録失敗を防ぐことが可能となる。また、つなぎ記録箇所のブロックについてのみベリファイを行うため、ユーザにベリファイを意識させないという効果もある。また、ベリファイエラーが発生した場合にホストコンピュータにエラーを返すこともできるため、ユーザがエラー発生を知ることができる。あるいは、ホストアプリケーションが欠陥管理を行うことができる。
【0158】
本実施の形態2によると、つなぎ記録箇所周辺のレコーディングフレームの記録状態によりベリファイOK/NGを判定するため、クラスタ全体のエラー数でベリファイOK/NGを判定する実施の形態1より正確にベリファイ判定を行うことが可能となる。
【0159】
なお、本発明は上記した実施の形態で説目した内容に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0160】
例えば、上記各実施の形態では、データ記録媒体として光ディスク1を例として説明したが、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で種々に変形して実施することができるものである。光ディスクもBD−Rに限定されずDVD−Rなどであってもよい。
【0161】
また、上記各実施の形態では、データ記録再生装置を例にして説明したが、データ記録装置であってもよい。
【0162】
また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0163】
また、上記の各構成は、それらの一部又は全部が、ハードウェアで構成されても、プロセッサでプログラムが実行されることにより実現されるように構成されてもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0164】
1…光ディスク
2…光ピックアップ
3…増幅回路
4…データ復調回路
5…アドレス復調回路
6…デインタリーブ回路
7…RAM
8…誤り訂正および誤り訂正符号付加回路
9…デスクランブル回路
10…インタフェース回路
11…スクランブル回路
12…インタリーブ回路
13…データ変調回路
14…CPU
15…サーボ回路
16…サーボ外れ信号
17…エラー信号
19…誤り訂正結果信号
30…データ比較回路
31…インタリーブ回路
100,101…ディスクコントローラ
200…ホストコンピュータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に所定の記録単位でデータを記録する記録装置であって、
外部から入力されたデータに誤り訂正符号を付加して前記記録単位のデータに変換する手段と、記録媒体から読み出された記録単位のデータをその誤り訂正符号により誤り訂正して読み出しデータに変換する手段とを有するデータ変換部と、記録媒体に対するデータの記録と再生の制御及び前記データ変換部に対する動作の制御を行う制御部とを有し、
前記制御部は、所定の事象の発生に起因して前記記録単位の記録開始位置でない箇所で記録を停止した後に停止位置からデータの記録を再開するつなぎ記録の制御を行い、つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止し、つなぎ記録箇所のデータを前記データ変換部を用いて検証する、データ記録装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータの検証として、つなぎ記録箇所を含む記録単位におけるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理を行ない、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす、請求項1記載のデータ記録装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータの検証として、つなぎ記録箇所を含む記録単位における当該つなぎ箇所近傍のフレームに含まれるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理を行ない、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす、請求項1記載のデータ記録装置。
【請求項4】
前記変換部は、前記記録単位のデータに変換するとき、外部から入力されたデータに誤り訂正符号を付加してインタリーブを施し、前記読み出しデータに変換するとき、記録媒体から読み出された記録単位のデータのインタリーブを解除し、インタリーブが解除された誤り訂正前のデータと当該記録単位のデータの書き込みに用いたデータとを比較して誤り訂正配列の不一致箇所の配列を生成し、生成された不一致箇所の配列を上記インタリーブと同じアルゴリズムでインタリーブを施してフレーム配列の不一致箇所情報を生成し、
前記制御部は、生成されたフレーム配列の不一致箇所情報に基づいて、つなぎ記録箇所前後のフレームに含まれるデータ不一致数が閾値以下であるかどうか否かを判別する、請求項3記載のデータ記録装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が正常であるとき、次の記録単位のデータに対する記録を再開する、請求項1記載のデータ記録装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が異常であるとき、当該つなぎ記録に係る記録単位のデータを交替エリアに書き込んでから、次の記録単位のデータに対する記録を再開する、請求項5記載のデータ記録装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が異常であるとき、外部にエラーを通知する、請求項5に記載のデータ記録装置。
【請求項8】
記録媒体に所定の記録単位でデータとその誤り訂正符号とを記録する記録方法であって、
所定の事象の発生に起因して前記記録単位の記録開始位置でない箇所で記録を一旦停止した後につなぎ記録を行った場合に、当該つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止する処理と、つなぎ記録箇所のデータの正否を検証する処理と、を含むデータ記録方法。
【請求項9】
前記検証する処理は、つなぎ記録箇所を含む記録単位におけるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理であり、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす、請求項8記載のデータ記録方法。
【請求項10】
前記検証する処理は、つなぎ記録箇所を含む記録単位における当該つなぎ箇所近傍のフレームに含まれるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理であり、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす、請求項8記載のデータ記録方法。
【請求項11】
前記検証する処理は、外部から入力されたデータに誤り訂正符号が付加されインタリーブが施されて記録媒体に書き込まれたデータを読み出すとき、記録媒体から読み出された記録単位のデータのインタリーブを解除し、インタリーブが解除された誤り訂正前のデータと当該記録単位のデータの書き込みに用いたデータとを比較して誤り訂正配列の不一致箇所の配列を生成し、生成された不一致箇所の配列を上記インタリーブと同じアルゴリズムでインタリーブを施してフレーム配列の不一致箇所情報を生成し、生成されたフレーム配列の不一致箇所情報に基づいて、つなぎ記録箇所前後のフレームに含まれるデータ不一致数が閾値以下であるかどうか否かを判別する処理である、請求項10記載のデータ記録方法。
【請求項12】
前記検証処理により前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が正常であるとき、次の記録単位のデータに対する記録を再開する処理をさらに含む、請求項8記載のデータ記録方法。
【請求項13】
前記検証処理により前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が異常であるとき、当該つなぎ記録に係る記録単位のデータを交替エリアに書き込む処理と、次の記録単位のデータに対する記録を再開する処理とを更に含む、請求項12記載のデータ記録方法。
【請求項14】
前記検証処理により前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が異常であるとき、ホスト装置にエラーを通知する、請求項12に記載のデータ記録方法。
【請求項15】
記録媒体に所定の記録単位でデータを記録するための制御を行う半導体装置であって、
外部から入力されたデータに誤り訂正符号を付加して前記記録単位のデータに変換する手段と、記録媒体から読み出された記録単位のデータをその誤り訂正符号により誤り訂正して読み出しデータに変換する手段とを有するデータ変換部と、記録媒体に対するデータの記録と再生の制御及び前記データ変換部に対する動作の制御を行う制御部とを有し、
前記制御部は、所定の事象の発生に起因して前記記録単位の記録開始位置でない箇所で記録を停止した後に停止位置からデータの記録を再開するつなぎ記録の制御を行い、つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止し、つなぎ記録箇所のデータを前記データ変換部を用いて検証する、半導体装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータの検証として、つなぎ記録箇所を含む記録単位におけるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理を行ない、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす、請求項15記載の半導体装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータの検証として、つなぎ記録箇所を含む記録単位における当該つなぎ箇所近傍のフレームに含まれるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理を行ない、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす、請求項15記載の半導体装置。
【請求項18】
前記変換部は、前記記録単位のデータに変換するとき、外部から入力されたデータに誤り訂正符号を付加してインタリーブを施し、前記読み出しデータに変換するとき、記録媒体から読み出された記録単位のデータのインタリーブを解除し、インタリーブが解除された誤り訂正前のデータと当該記録単位のデータの書き込みに用いたデータとを比較して誤り訂正配列の不一致箇所の配列を生成し、生成された不一致箇所の配列を上記インタリーブと同じアルゴリズムでインタリーブを施してフレーム配列の不一致箇所情報を生成し、
前記制御部は、生成されたフレーム配列の不一致箇所情報に基づいて、つなぎ記録箇所前後のフレームに含まれるデータ不一致数が閾値以下であるかどうか否かを判別する、請求項17記載の半導体装置。
【請求項1】
記録媒体に所定の記録単位でデータを記録する記録装置であって、
外部から入力されたデータに誤り訂正符号を付加して前記記録単位のデータに変換する手段と、記録媒体から読み出された記録単位のデータをその誤り訂正符号により誤り訂正して読み出しデータに変換する手段とを有するデータ変換部と、記録媒体に対するデータの記録と再生の制御及び前記データ変換部に対する動作の制御を行う制御部とを有し、
前記制御部は、所定の事象の発生に起因して前記記録単位の記録開始位置でない箇所で記録を停止した後に停止位置からデータの記録を再開するつなぎ記録の制御を行い、つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止し、つなぎ記録箇所のデータを前記データ変換部を用いて検証する、データ記録装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータの検証として、つなぎ記録箇所を含む記録単位におけるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理を行ない、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす、請求項1記載のデータ記録装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータの検証として、つなぎ記録箇所を含む記録単位における当該つなぎ箇所近傍のフレームに含まれるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理を行ない、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす、請求項1記載のデータ記録装置。
【請求項4】
前記変換部は、前記記録単位のデータに変換するとき、外部から入力されたデータに誤り訂正符号を付加してインタリーブを施し、前記読み出しデータに変換するとき、記録媒体から読み出された記録単位のデータのインタリーブを解除し、インタリーブが解除された誤り訂正前のデータと当該記録単位のデータの書き込みに用いたデータとを比較して誤り訂正配列の不一致箇所の配列を生成し、生成された不一致箇所の配列を上記インタリーブと同じアルゴリズムでインタリーブを施してフレーム配列の不一致箇所情報を生成し、
前記制御部は、生成されたフレーム配列の不一致箇所情報に基づいて、つなぎ記録箇所前後のフレームに含まれるデータ不一致数が閾値以下であるかどうか否かを判別する、請求項3記載のデータ記録装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が正常であるとき、次の記録単位のデータに対する記録を再開する、請求項1記載のデータ記録装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が異常であるとき、当該つなぎ記録に係る記録単位のデータを交替エリアに書き込んでから、次の記録単位のデータに対する記録を再開する、請求項5記載のデータ記録装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が異常であるとき、外部にエラーを通知する、請求項5に記載のデータ記録装置。
【請求項8】
記録媒体に所定の記録単位でデータとその誤り訂正符号とを記録する記録方法であって、
所定の事象の発生に起因して前記記録単位の記録開始位置でない箇所で記録を一旦停止した後につなぎ記録を行った場合に、当該つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止する処理と、つなぎ記録箇所のデータの正否を検証する処理と、を含むデータ記録方法。
【請求項9】
前記検証する処理は、つなぎ記録箇所を含む記録単位におけるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理であり、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす、請求項8記載のデータ記録方法。
【請求項10】
前記検証する処理は、つなぎ記録箇所を含む記録単位における当該つなぎ箇所近傍のフレームに含まれるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理であり、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす、請求項8記載のデータ記録方法。
【請求項11】
前記検証する処理は、外部から入力されたデータに誤り訂正符号が付加されインタリーブが施されて記録媒体に書き込まれたデータを読み出すとき、記録媒体から読み出された記録単位のデータのインタリーブを解除し、インタリーブが解除された誤り訂正前のデータと当該記録単位のデータの書き込みに用いたデータとを比較して誤り訂正配列の不一致箇所の配列を生成し、生成された不一致箇所の配列を上記インタリーブと同じアルゴリズムでインタリーブを施してフレーム配列の不一致箇所情報を生成し、生成されたフレーム配列の不一致箇所情報に基づいて、つなぎ記録箇所前後のフレームに含まれるデータ不一致数が閾値以下であるかどうか否かを判別する処理である、請求項10記載のデータ記録方法。
【請求項12】
前記検証処理により前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が正常であるとき、次の記録単位のデータに対する記録を再開する処理をさらに含む、請求項8記載のデータ記録方法。
【請求項13】
前記検証処理により前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が異常であるとき、当該つなぎ記録に係る記録単位のデータを交替エリアに書き込む処理と、次の記録単位のデータに対する記録を再開する処理とを更に含む、請求項12記載のデータ記録方法。
【請求項14】
前記検証処理により前記つなぎ記録箇所のデータに対する検証の結果が異常であるとき、ホスト装置にエラーを通知する、請求項12に記載のデータ記録方法。
【請求項15】
記録媒体に所定の記録単位でデータを記録するための制御を行う半導体装置であって、
外部から入力されたデータに誤り訂正符号を付加して前記記録単位のデータに変換する手段と、記録媒体から読み出された記録単位のデータをその誤り訂正符号により誤り訂正して読み出しデータに変換する手段とを有するデータ変換部と、記録媒体に対するデータの記録と再生の制御及び前記データ変換部に対する動作の制御を行う制御部とを有し、
前記制御部は、所定の事象の発生に起因して前記記録単位の記録開始位置でない箇所で記録を停止した後に停止位置からデータの記録を再開するつなぎ記録の制御を行い、つなぎ記録に係る当該記録単位の記録終了位置で一旦記録を停止し、つなぎ記録箇所のデータを前記データ変換部を用いて検証する、半導体装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータの検証として、つなぎ記録箇所を含む記録単位におけるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理を行ない、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす、請求項15記載の半導体装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記つなぎ記録箇所のデータの検証として、つなぎ記録箇所を含む記録単位における当該つなぎ箇所近傍のフレームに含まれるデータの誤り数が予め定められた閾値以下であるかどうかを判別する処理を行ない、閾値以下であれば当該つなぎ記録は正常であるとみなす、請求項15記載の半導体装置。
【請求項18】
前記変換部は、前記記録単位のデータに変換するとき、外部から入力されたデータに誤り訂正符号を付加してインタリーブを施し、前記読み出しデータに変換するとき、記録媒体から読み出された記録単位のデータのインタリーブを解除し、インタリーブが解除された誤り訂正前のデータと当該記録単位のデータの書き込みに用いたデータとを比較して誤り訂正配列の不一致箇所の配列を生成し、生成された不一致箇所の配列を上記インタリーブと同じアルゴリズムでインタリーブを施してフレーム配列の不一致箇所情報を生成し、
前記制御部は、生成されたフレーム配列の不一致箇所情報に基づいて、つなぎ記録箇所前後のフレームに含まれるデータ不一致数が閾値以下であるかどうか否かを判別する、請求項17記載の半導体装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【公開番号】特開2011−227961(P2011−227961A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96682(P2010−96682)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]