説明

データ転送装置、データ転送方法及びデータ転送プログラム

【課題】各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチを切り替え、効率的なデータ転送を行うことが可能なデータ転送装置を提供する。
【解決手段】各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチ(100−1〜n:nは、任意の整数)を有し、そのスイッチ(100−1〜n)を用いてデータ転送を行うデータ転送装置(1)であり、データ転送装置(1)は、物理回線を収容するインタフェース(200−1〜n)と接続している。そして、データ転送装置(1)は、インタフェース(200−1〜n)の物理回線種別に応じて、データ転送に使用するスイッチ(100−1〜n)を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ転送装置、データ転送方法及びデータ転送プログラムに関し、特に、各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチを有し、その複数のスイッチを用いてデータ転送を行うことが可能なデータ転送装置、データ転送方法及びデータ転送プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、2G、3Gなどの無線基地局であるBTS(Base Transceiver Station)と、基地局制御装置であるBSC(Base Station Controller)/RNC(Radio Network Controller)と、を結ぶアクセスネットワーク、所謂、モバイルバックホールにおいて、ネットワーク設備・運用の効率化を目的としたAll-IP化の動きがある。このため、既存のネットワークを保存しながらIP化へマイグレーションするためのソリューションが要求されている。
【0003】
一方で、マイグレーションの過渡期においては、TDM(Time Division Multiple)データと、パケットデータと、の両方のデータ転送処理が必要であり、設備効率化の観点から、両方のデータを効率的に収容、かつ、交換することが可能可能なデータ転送装置が必要となる。
【0004】
このため、各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチを切り替え、効率的なデータ転送を行うことが可能な制御方法の開発が必要視されることになる。
【0005】
なお、一般的なデータ転送装置は、TDMデータ、パケットデータ、をどちらかのデータに変換し、データ転送を行っている。
【0006】
しかしながら、例えば、TDMデータをパケット化し、パケットデータに変換し、パケットスイッチを用いてデータ転送を行う方式の場合には、TDMデータをパケット化する際に、遅延や揺らぎが発生することになる。
【0007】
このため、パケットデータを受信する受信側の装置にパケットバッファを搭載し、上述した遅延や揺らぎを補正する必要がある。
【0008】
また、TDMデータをパケット化する際のオーバーヘッドも大きく、非効率的な方式となる。さらに、非同期なパケットになってしまうため、同期クロック送信にも問題が生じることになる。
【0009】
また、パケットデータをTDMデータに変換し、TDMスイッチを用いてデータ転送を行う方式の場合には、データ転送を行わない状態でも、TDMの帯域を消費してしまうことになる。
【0010】
なお、本発明より先に出願された技術文献として、接続回線の種別を判定し、その接続回線に対応したインタフェースに自動的に接続する回線インタフェース装置について開示された文献がある(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
また、1つのネットワークをパケットベースの通信と、TDMベースの通信と、に兼用することが可能なノード装置について開示された文献がある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平11−69391号公報
【特許文献2】特開2003−259471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
なお、上記特許文献1は、接続回線から得られる信号を基に、接続回線の種別を判定し、接続回線に対応したインタフェースに自動的に接続するように制御するものである。
【0014】
このため、上記特許文献1には、物理回線を収容するインタフェースと接続し、データ転送に使用するスイッチを、インタフェースの物理回線種別に応じて切り替えることについては何ら記載もその必要性についても示唆されていない。
【0015】
また、上記特許文献1には、物理回線を収容するインタフェースと接続し、データ転送に使用するスイッチを、その物理回線単位に切り替えることについても何ら記載もその必要性についても示唆されていない。
【0016】
また、上記特許文献2は、パケットベースの通信と、TDMベースの通信と、に兼用するための機構をインタフェース回路に搭載している。このため、上記特許文献2の技術では、インタフェース回路内の構成が複雑になってしまうことになる。
【0017】
また、上記特許文献2は、パケットベースの通信と、TDMベースの通信と、の切り替え制御を、オペレータの指令、または、トラフィック状態情報の分析結果に応じて行うように構成している。
【0018】
このため、上記特許文献2には、物理回線を収容するインタフェースと接続し、データ転送に使用するスイッチを、インタフェースの物理回線種別に応じて切り替えることについては何ら記載もその必要性についても示唆されていない。
【0019】
また、上記特許文献2には、物理回線を収容するインタフェースと接続し、データ転送に使用するスイッチを、その物理回線単位に切り替えることについては何ら記載もその必要性についても示唆されていない。
【0020】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上述した課題である、各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチを切り替え、効率的なデータ転送を行うことが可能なデータ転送装置、データ転送方法及びデータ転送プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
【0022】
本発明にかかるデータ転送装置は、
各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチを有し、前記スイッチを用いてデータ転送を行うデータ転送装置であって、
前記データ転送装置は、物理回線を収容するインタフェースと接続しており、
前記インタフェースの物理回線種別に応じて、データ転送に使用するスイッチを切り替える切替手段を有することを特徴とする。
【0023】
また、本発明にかかるデータ転送装置は、
各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチを有し、前記スイッチを用いてデータ転送を行うデータ転送装置であって、
前記データ転送装置は、物理回線を収容するインタフェースと接続しており、
データ転送に使用するスイッチを前記物理回線単位に切り替える切替手段を有することを特徴とする。
【0024】
<データ転送方法>
また、本発明にかかるデータ転送方法は、
各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチを有し、前記スイッチを用いてデータ転送を行うデータ転送装置で行うデータ転送方法であって、
前記データ転送装置は、物理回線を収容するインタフェースと接続しており、
前記インタフェースの物理回線種別に応じて、データ転送に使用するスイッチを切り替える切替工程を、前記データ転送装置が行うことを特徴とする。
【0025】
また、本発明にかかるデータ転送方法は、
各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチを有し、前記スイッチを用いてデータ転送を行うデータ転送装置で行うデータ転送方法であって、
前記データ転送装置は、物理回線を収容するインタフェースと接続しており、
データ転送に使用するスイッチを前記物理回線単位に切り替える切替工程を、前記データ転送装置が行うことを特徴とする。
【0026】
<データ転送プログラム>
また、本発明にかかるデータ転送プログラムは、
各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチを有し、前記スイッチを用いてデータ転送を行うデータ転送装置に実行させるデータ転送プログラムであって、
前記データ転送装置は、物理回線を収容するインタフェースと接続しており、
前記インタフェースの物理回線種別に応じて、データ転送に使用するスイッチを切り替える切替処理を、前記データ転送装置に実行させることを特徴とする。
【0027】
また、本発明にかかるデータ転送プログラムは、
各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチを有し、前記スイッチを用いてデータ転送を行うデータ転送装置に実行させるデータ転送プログラムであって、
前記データ転送装置は、物理回線を収容するインタフェースと接続しており、
データ転送に使用するスイッチを前記物理回線単位に切り替える切替処理を、前記データ転送装置に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチを切り替え、データ転送を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本実施例のデータ転送装置(1)の構成を示す図である。
【図2】第1の実施例のデータ転送装置(1)の構成を示す図である。
【図3】第1の実施例のデータ転送装置(1)における一連の制御動作を示すフロチャートである。
【図4】第2の実施例のデータ転送装置(1)の構成を示す図である。
【図5】第3の実施例のデータ転送装置(1)における一連の制御動作を示すフロチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
まず、図1を参照しながら、本実施例のデータ転送装置(1)の概要について説明する。
【0031】
本実施例におけるデータ転送装置(1)は、各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチ(100−1〜n:nは、任意の整数)を有し、そのスイッチ(100−1〜n)を用いてデータ転送を行うデータ転送装置である。なお、データ転送装置(1)は、物理回線を収容するインタフェース(200−1〜n:nは、任意の整数)と接続している。
【0032】
そして、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、インタフェース(200−1〜n)の物理回線種別に応じて、データ転送に使用するスイッチ(100−1〜n)を切り替えることを特徴とする。
【0033】
また、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、データ転送に使用するスイッチ(100−1〜n)を、インタフェース(200−1〜n)の物理回線単位に切り替えることを特徴とする。
【0034】
詳細には、制御部(300)が、インタフェース(200−1〜n)の物理回線種別を取得し、該取得した物理回線種別を特定する。そして、切替部(400)は、制御部(300)により特定した物理回線種別に応じて、スイッチ(100−1〜n)を切り替えることになる。
【0035】
これにより、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチ(2、3)を切り替え、データ転送を行うことが可能となる。以下、添付図面を参照しながら、本実施例のデータ転送装置(1)について詳細に説明する。
【0036】
<データ転送装置:1の構成>
まず、図2を参照しながら、本実施例におけるデータ転送装置(1)の構成について説明する。
【0037】
本実施例におけるデータ転送装置(1)は、インタフェース回路(5−1〜n:nは、任意の整数)から入力されたデータの転送を行うものである。
【0038】
なお、データ転送装置(1)は、図2に示すように、インタフェース回路(5−1〜n)と、CPU(6)と、接続している。
【0039】
また、データ転送装置(1)は、パケットスイッチ(2)と、TDMスイッチ(3)と、パケット/TDMセレクタ回路(4)と、を有して構成している。
【0040】
パケットスイッチ(2)は、パケットデータの転送処理を行うものである。なお、本実施例のパケットスイッチ(2)は、パケット/TDMセレクタ回路(4)と接続している。
【0041】
TDMスイッチ(3)は、TDMデータの転送処理を行うものである。なお、本実施例のTDMスイッチ(3)は、パケット/TDMセレクタ回路(4)と接続している。
【0042】
パケット/TDMセレクタ回路(4)は、CPU(6)からの設定内容に従い、パケットスイッチ(2)と、TDMスイッチ(3)と、のスイッチを切り替えるものである。
【0043】
そして、パケット/TDMセレクタ回路(4)は、インタフェース回路(5−1〜n)から入力されるパケットデータをそのままパケットスイッチ(2)に転送したり、インタフェース回路(5−1〜n)から入力されるTDMデータをそのままTDMスイッチ(3)に転送したりすることになる。
【0044】
また、パケット/TDMセレクタ回路(4)は、パケットスイッチ(2)から転送されてきたパケットデータをそのままインタフェース回路(5−1〜n)に転送したり、TDMスイッチ(3)から転送されてきたTDMデータをそのままインタフェース回路(5−1〜n)に転送したりすることになる。
【0045】
なお、本実施例のパケット/TDMセレクタ回路(4)は、パケットスイッチ(2)、TDMスイッチ(3)、インタフェース回路(5−1〜n)、CPU(6)と接続している。
【0046】
インタフェース回路(5−1〜n)は、物理回線単位のインタフェース回路である。なお、本実施例のインタフェース回路(5−1〜n)は、回路内に、物理回線種別情報を格納している。物理回線種別情報とは、インタフェース回路の物理回線種別を特定するための情報であり、例えば、Ether回線や、TDM回線が挙げられる。
【0047】
なお、本実施例のインタフェース回路(5−1〜n)は、パケット/TDMセレクタ回
路(4)、CPU(6)と接続している。
【0048】
CPU(6)は、インタフェース回路(5−1〜n)から物理回線種別情報を読み込み、その物理回線種別情報を基に、インタフェース回路(5−1〜n)の物理回線種別を特定する。そして、CPU(6)は、その物理回線種別に応じて、パケット/TDMセレクタ回路(4)のセレクタ回路の切り替えを行うことになる。
【0049】
例えば、CPU(6)は、インタフェース回路(5−1〜n)から読み込んだ物理回線種別情報が、Ether回線である場合には、パケット/TDMセレクタ回路(4)がパケットスイッチ(2)と接続するように、パケット/TDMセレクタ回路(4)に選択設定を行う。
【0050】
また、CPU(6)は、インタフェース回路(5−1〜n)から読み込んだ物理回線種別情報が、TDM回線である場合には、パケット/TDMセレクタ回路(4)がTDMスイッチ(3)と接続するように、パケット/TDMセレクタ回路(4)に選択設定を行う。
【0051】
なお、上記したCPU(6)の処理は、組込みソフトウェアによって実現することも可能である。なお、本実施例のCPU(6)は、パケット/TDMセレクタ回路(4)、インタフェース回路(5−1〜n)と接続している。
【0052】
<処理動作>
次に、図3を参照しながら、本実施例におけるデータ転送装置(1)の処理動作について説明する。
【0053】
まず、CPU(6)は、インタフェース回路(5−1〜n)の物理回線種別情報を取得し(ステップS1)、その取得した物理回線種別情報を基に、インタフェース回路(5−1〜n)の回線種別判別を行う(ステップS2)。
【0054】
CPU(6)は、物理回線種別情報が、Ether回線であると判別した場合には、CPU(6)は、パケット/TDMセレクタ回路(4)がパケットスイッチ(2)と接続するように、パケット/TDMセレクタ回路(4)に選択設定を行う(ステップS3)。
【0055】
これにより、パケット/TDMセレクタ回路(4)は、インタフェース回路(5−1〜n)から入力されたデータがパケットデータの場合には、パケットデータのままパケットスイッチ(2)に転送することになる(ステップS5)。
【0056】
また、CPU(6)は、物理回線種別情報が、TDM回線であると判別した場合には、CPU(6)は、パケット/TDMセレクタ回路(4)がTDMスイッチ(3)と接続するように、パケット/TDMセレクタ回路(4)に選択設定を行う(ステップS4)。
【0057】
これにより、パケット/TDMセレクタ回路(4)は、インタフェース回路(5−1〜n)から入力されたデータがTDMデータの場合には、TDMデータのままTDMスイッチ(3)に転送することになる(ステップS6)。
【0058】
なお、上述した図3に示す処理は、物理回線単位に行うことになる。
【0059】
このように、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、パケットスイッチ(2)と、TDMスイッチ(3)と、の各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチ(2、3)を有して構成する。また、データ転送装置(1)は、物理回線を収容するインタフェース回路(5−1〜n)と接続して構成する。
【0060】
そして、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、インタフェース回路(5−1〜n)の物理回線種別に応じて、データ転送に使用するスイッチ(2、3)を切り替え、インタフェース回路(5−1〜n)から入力されたデータを、そのまま、スイッチ(2、または、3)に転送し、そのスイッチ(2、または、3)から転送されたデータを、そのまま、インタフェース回路(5−1〜n)に出力することになる。
【0061】
なお、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、物理回線種別がEther回線である場合には、データ転送に使用するスイッチをパケットスイッチ(2)に切り替え、インタフェース回路(5−1〜n)から入力されたパケットデータを、そのまま、パケットスイッチ(2)に転送し、そのパケットスイッチ(2)から転送されたパケットデータを、そのまま、インタフェース回路(5−1〜n)に出力することになる。
【0062】
また、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、物理回線種別がTDM回線である場合には、データ転送に使用するスイッチをTDMスイッチ(3)に切り替え、インタフェース回路(5−1〜n)から入力されたTDMデータを、そのまま、TDMスイッチ(3)に転送し、そのTDMスイッチ(3)から転送されたTDMデータを、そのまま、インタフェース回路(5−1〜n)に出力することになる。
【0063】
このため、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、帯域共有が可能なパケットスイッチ(2)と、少ない遅延と帯域保証を行うことが可能なTDMスイッチ(3)と、を搭載し、この2つの混在処理を実現することが可能となるため、TDMデータをパケット化する必要が無くなり、遅延や揺らぎを発生させることがない。その結果、遅延や揺らぎを補正するためのパケットバッファを設ける必要がなく、コストダウンを図ることが可能となる。
【0064】
また、インタフェース回路(5−1〜n)での処理が、パケットデータの処理、または、TDMデータの処理のどちらか一方の処理だけを行うことになるため、インタフェース回路(5−1〜n)内の構成を簡素化することが可能となる。
【0065】
また、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、TDMデータをパケット化する必要が無いため、オーバーヘッドを発生させないようにすることが可能となる。また、同期クロック送信も容易に行うことが可能となる。
【0066】
また、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、パケットデータをTDM伝送する必要がないため、データ未転送時にTDM帯域を消費しないようにすることが可能となる。
【0067】
従って、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、パケットトラフィックデータ、及び、TDMトラフィックデータの効率的なデータ転送を行うことが可能となる。
【0068】
また、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、物理回線単位に、パケット/TDMセレクタ回路(4)を切り替えることで、パケット/TDMセレクタ回路(4)の切替処理を簡易的に行うことが可能となる。
【0069】
また、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、インタフェース回路(5−1〜n)の物理回線種別に応じて、データ転送に使用するスイッチ(2、3)を切り替えているため、ハードウェア的に大幅な回路変更を行うことなく、物理回線種別を追加することが可能となる。
【0070】
(第2の実施例)
次に、第2の実施例について説明する。
【0071】
第2の実施例におけるデータ転送装置(1)は、インタフェース回路(5−1〜n)の物理回線種別に応じて、パケットスイッチ(2)と、TDMスイッチ(3)と、ATM(Asynchronous Transfer Mode)スイッチ(8)と、を切り替えることを特徴とする。
【0072】
これにより、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、パケットトラフィックデータ、TDMトラフィックデータ、ATMトラフィックデータの効率的なデータ転送を行うことが可能となる。以下、図4、図5を参照しながら、第2の実施例のデータ転送装置(1)について説明する。
【0073】
本実施例のデータ転送装置(1)は、図4に示すように、パケットスイッチ(2)と、TDMスイッチ(3)と、ATMスイッチ(8)と、パケット/TDM/ATMセレクタ回路(7)と、を有して構成している。
【0074】
このように、本実施例のデータ交換装置(1)は、ATMスイッチ(8)を有して構成している。
【0075】
なお、ATMスイッチ(8)は、ATMデータの転送処理を行うものである。なお、本実施例のATMスイッチ(8)は、パケット/TDM/ATMセレクタ回路(7)と接続している。
【0076】
なお、パケット/TDM/ATMセレクタ回路(7)は、CPU(6)からの設定内容に従い、パケットスイッチ(2)と、TDMスイッチ(3)と、ATMスイッチ(8)と、のスイッチを切り替えるものである。
【0077】
そして、パケット/TDM/ATMセレクタ回路(7)は、第1の実施例のパケット/TDMセレクタ回路(4)の機能に加え、インタフェース回路(5−1〜n)から入力されるATMデータをそのままATMスイッチ(8)に転送したり、ATMスイッチ(8)から転送されるATMデータをそのままインタフェース回路(5−1〜n)に転送したりすることになる。
【0078】
なお、本実施例のインタフェース回路(5−1〜n)は、回路内に、Ether回線や、TDM回線、ATM回線等の物理回線種別を特定するための物理回線種別情報を格納している。
【0079】
<処理動作>
次に、図5を参照しながら、本実施例におけるデータ転送装置(1)の処理動作について説明する。
【0080】
まず、CPU(6)は、インタフェース回路(5−1〜n)の物理回線種別情報を取得し(ステップA1)、その取得した物理回線種別情報を基に、インタフェース回路(5−1〜n)の回線種別判別を行う(ステップA2)。
【0081】
CPU(6)は、物理回線種別情報が、Ether回線であると判別した場合には、CPU(6)は、パケット/TDM/ATMセレクタ回路(7)がパケットスイッチ(2)と接続するように、パケット/TDM/ATMセレクタ回路(7)に選択設定を行う(ステップA3)。
【0082】
これにより、パケット/TDM/ATMセレクタ回路(7)は、インタフェース回路(5−1〜n)から入力されたデータがパケットデータの場合には、パケットデータのままパケットスイッチ(2)に転送することになる(ステップA6)。
【0083】
また、CPU(6)は、物理回線種別情報が、ATM回線であると判別した場合には、CPU(6)は、パケット/TDM/ATMセレクタ回路(7)がATMスイッチ(8)と接続するように、パケット/TDM/ATMセレクタ回路(7)に選択設定を行う(ステップA4)。
【0084】
これにより、パケット/TDM/ATMセレクタ回路(7)は、インタフェース回路(5−1〜n)から入力されたデータがATMデータの場合には、ATMデータのままATMスイッチ(8)に転送することになる(ステップA7)。
【0085】
また、CPU(6)は、物理回線種別情報が、TDM回線であると判別した場合には、CPU(6)は、パケット/TDM/ATMセレクタ回路(7)がTDMスイッチ(3)と接続するように、パケット/TDM/ATMセレクタ回路(7)に選択設定を行う(ステップA5)。
【0086】
これにより、パケット/TDM/ATMセレクタ回路(7)は、インタフェース回路(5−1〜n)から入力されたデータがTDMデータの場合には、TDMデータのままTDMスイッチ(3)に転送することになる(ステップA8)。
【0087】
なお、上述した図5に示す処理は、物理回線単位に行うことになる。
【0088】
このように、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、パケットスイッチ(2)と、TDMスイッチ(3)と、ATMスイッチ(8)と、の各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチ(2、3、8)を有して構成する。また、データ転送装置(1)は、物理回線を収容するインタフェース回路(5−1〜n)と接続して構成する。
【0089】
そして、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、インタフェース回路(5−1〜n)の物理回線種別に応じて、データ転送に使用するスイッチ(2、3、8)を切り替え、インタフェース回路(5−1〜n)から入力されたデータを、そのまま、スイッチ(2、3、8、の何れか1つ)に転送し、そのスイッチ(2、3、8、の何れか1つ)から転送されたデータを、そのまま、インタフェース回路(5−1〜n)に出力することになる。
【0090】
なお、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、上述した第1の実施例の機能に加え、物理回線種別がATM回線である場合には、データ転送に使用するスイッチをATMスイッチ(8)に切り替え、インタフェース回路(5−1〜n)から入力されたATMデータを、そのまま、ATMスイッチ(8)に転送し、そのATMスイッチ(8)から転送されたATMデータを、そのまま、インタフェース回路(5−1〜n)に出力することになる。
【0091】
これにより、本実施例におけるデータ転送装置(1)は、パケットトラフィックデータ、TDMトラフィックデータ、ATMトラフィックデータの効率的なデータ転送を行うことが可能となる。
【0092】
なお、上述する実施例は、本発明の好適な実施例であり、上記実施例のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において当業者が上記実施例の修正や代用を行い、種々の変更を施した形態を構築することは可能である。
【0093】
例えば、上述した実施例におけるインタフェース回路(5−1〜n)として、カード(パッケージ)型のインタフェース回路を適用し、セレクタ回路(4、7)の切り替えを、カード(パッケージ)間で行うように構築することも可能である。
【0094】
また、上述した実施例におけるデータ転送装置(1)やCPU(6)における制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0095】
なお、ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0096】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。
【0097】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送したりし、コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0098】
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って、時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【0099】
また、上記実施例で説明したデータ転送装置(1)は、複数の装置の論理的集合構成にしたり、各構成の装置が同一筐体内に存在する構成にしたりするように構築することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明にかかるデータ転送装置、データ転送方法及びデータ転送プログラムは、既存のネットワークを保存しながら異なるネットワークに統合化する際の用途に適用可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 データ転送装置
2 パケットスイッチ
3 TDMスイッチ
4 パケット/TDMセレクタ回路
5−1〜n インタフェース回路
6 CPU
7 パケット/TDM/ATMセレクタ回路
8 ATMスイッチ
100−1〜n スイッチ
200−1〜n インタフェース
300 制御部
400 切替部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチを有し、前記スイッチを用いてデータ転送を行うデータ転送装置であって、
前記データ転送装置は、
物理回線を収容するインタフェースと、前記インタフェースに格納された物理回線種別情報を取得し、該取得した物理回線種別情報を基に、前記インタフェースの物理回線種別を特定する制御手段と、接続しており、
前記制御手段において特定した物理回線種別に応じて、データ転送に使用する前記スイッチを切り替え、前記インタフェースから入力されたデータを、そのまま前記スイッチに転送し、前記スイッチから転送されたデータを、そのまま前記インタフェースに出力、もしくは前記インタフェース間での切り替えを行ないデータを出力する切替手段を有することを特徴とするデータ転送装置。
【請求項2】
前記インタフェースは、物理回線単位のインタフェースであり、
前記制御手段は、物理回線単位に前記インタフェースの物理回線種別を特定し、
前記切替手段は、物理回線単位に前記スイッチを切り替えることを特徴とする請求項1記載のデータ転送装置。
【請求項3】
前記スイッチは、
パケットデータの転送処理を行うパケットスイッチと、
TDMデータの転送処理を行うTDMスイッチと、
ATMデータの転送処理を行うATMスイッチと、の少なくとも2つのスイッチであり、
前記切替手段は、
前記物理回線種別がEther回線である場合には、データ転送に使用する前記スイッチをパケットスイッチに切り替え、
前記物理回線種別がTDM回線である場合には、データ転送に使用する前記スイッチをTDMスイッチに切り替え、
前記物理回線種別がATM回線である場合には、データ転送に使用する前記スイッチをATMスイッチに切り替えることを特徴とする請求項1または2記載のデータ転送装置。
【請求項4】
前記インタフェースは、カード型のインタフェースであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のデータ転送装置。
【請求項5】
各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチを有し、前記スイッチを用いてデータ転送を行うデータ転送装置で行うデータ転送方法であって、
前記データ転送装置は、
物理回線を収容するインタフェースと、前記インタフェースに格納された物理回線種別情報を取得し、該取得した物理回線種別情報を基に、前記インタフェースの物理回線種別を特定する制御手段と、接続しており、
前記制御手段において特定した物理回線種別に応じて、データ転送に使用する前記スイッチを切り替え、前記インタフェースから入力されたデータを、そのまま前記スイッチに転送し、前記スイッチから転送されたデータを、そのまま前記インタフェースに出力、もしくは前記インタフェース間での切り替えを行ないデータを出力する切替工程を、前記データ転送装置が行うことを特徴とするデータ転送方法。
【請求項6】
各々異なるデータ転送処理を行う複数のスイッチを有し、前記スイッチを用いてデータ転送を行うデータ転送装置に実行させるデータ転送プログラムであって、
前記データ転送装置は、
物理回線を収容するインタフェースと、前記インタフェースに格納された物理回線種別情報を取得し、該取得した物理回線種別情報を基に、前記インタフェースの物理回線種別を特定する制御手段と、接続しており、
前記制御手段において特定した物理回線種別に応じて、データ転送に使用する前記スイッチを切り替え、前記インタフェースから入力されたデータを、そのまま前記スイッチに転送し、前記スイッチから転送されたデータを、そのまま前記インタフェースに出力、もしくは前記インタフェース間での切り替えを行ないデータを出力する切替処理を、前記データ転送装置に実行させることを特徴とするデータ転送プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−135053(P2012−135053A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−87012(P2012−87012)
【出願日】平成24年4月6日(2012.4.6)
【分割の表示】特願2007−151901(P2007−151901)の分割
【原出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】