説明

トイレ室の消臭システム及び消臭方法

【課題】本発明は、トイレ室内の臭気レベルに応じて消臭器と換気扇とを適宜作動させてトイレ室を快適に使用できるトイレ室の消臭システム及び消臭方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明のトイレ室の消臭システムは、消臭器1と、換気扇2と、制御装置3とを備える。制御装置3は、トイレ室9内の臭気レベルが設定臭気レベルBよりも高いとの判定をした場合に、消臭器の作動開始信号を消臭器1に送信して作動を開始させるとともに、消臭器の作動開始信号を送信した後におけるトイレ室9内の臭気レベルが、設定臭気レベルBより高いレベルの設定臭気レベルAよりも高いとの判定をした場合に、換気扇の作動開始信号を換気扇2に送信して作動を開始させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ室の消臭システム及び消臭方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、トイレ室を消臭するものとして、例えばトイレ室内に設置した臭いセンサによりトイレ室の臭気を検出して検出信号を、送受信手段を通じて情報制御機に格納しトイレ機器環境の情報とし、脱臭手段(消臭器)や換気手段(換気扇)を適切に動作させるトイレ装置が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−89908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、例えばトイレ室が冷房又は暖房によって温度調整されている場合に、その温度調整された空気が、換気扇の作動によって外に出てしまう。その一方、消臭器のみを作動させたのでは、臭気レベルが高いような場合には、臭気が感じられない程度まで消臭するのに時間を要してしまい、トイレ室を快適に使用し難いという問題点がある。
【0004】
本発明は、トイレ室内の臭気レベルに応じて消臭器と換気扇とを適宜作動させてトイレ室を快適に使用できるトイレ室の消臭システム及び消臭方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1は、トイレ室内の消臭を行う消臭器と、前記トイレ室内の換気を行う換気扇と、それらの消臭器と換気扇とに制御信号を送信可能な制御装置とを備えたトイレ室の消臭システムであって、前記制御装置は、前記トイレ室内の臭気レベルが第1設定臭気レベルよりも高いか否かを判定する第1臭気レベル判定部によって、前記臭気レベルが第1設定臭気レベルよりも高いとの判定をした場合に、その判定に基づいて、消臭器に作動開始信号を送信するとともに、前記消臭器に作動開始信号を送信した後における前記トイレ室内の臭気レベルが、第1設定臭気レベルより高いレベルの第2設定臭気レベルよりも高いか否かを判定する第2臭気レベル判定部によって、前記第2設定臭気レベルよりも高いとの判定をした場合に、その判定に基づいて、換気扇に作動開始信号を送信することを特徴とするトイレ室の消臭システムを提供する。
【0006】
請求項2のように、前記制御装置は、前記換気扇に作動開始信号を送信した後における前記トイレ室内の臭気レベルが前記第2設定臭気レベルよりも高い状態を維持しているか否かを判定する高臭気レベル維持判定部によって、前記第2設定臭気レベルよりも高い状態を維持していないとの判定をした場合に、その判定に基づいて、換気扇に作動停止信号を送信することが好ましい。
【0007】
本発明の請求項3は、前記課題を解決するために、トイレ室内の消臭を行う消臭器と、前記トイレ室内の換気を行う換気扇と、それらの消臭器と換気扇とに制御信号を送信可能な制御装置とを用いてトイレ室内の消臭を行うトイレ室の消臭方法であって、前記制御装置に、前記トイレ室内の臭気レベルが第1設定臭気レベルよりも高いか否かを判定させ、前記臭気レベルが第1設定臭気レベルよりも高いとの判定をした場合に、その判定に基づいて、消臭器に作動開始信号を送信させるとともに、前記消臭器に作動開始信号を送信した後における前記トイレ室内の臭気レベルが、第1設定臭気レベルより高いレベルの第2設定臭気レベルよりも高いか否かを判定させ、前記第2設定臭気レベルよりも高いとの判定をした場合に、その判定に基づいて、換気扇に作動開始信号を送信させることを特徴とするトイレ室の消臭方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1及び請求項3によれば、例えばトイレ室内の臭気が感じられる程度の臭気レベルを予め第1設定臭気レベルに設定しておき、トイレ室内の臭気がその第1設定臭気レベルよりも高い場合に、制御装置は、まず、消臭器に作動開始信号を送信するため、換気扇を作動させずに済み、経済的なものにできる。又、例えばトイレ室が冷房又は暖房によって温度調整されている場合に、その温度調整された空気が、換気扇の作動によって外に出てしまうようなことを防止できる。
【0009】
一方、例えば消臭器を作動した後に、トイレ室内の臭気レベルが更に高くなって第1設定臭気レベルより高いレベルの第2設定臭気レベルよりも高くなった場合には、制御装置は、換気扇に作動開始信号を送信することにより、消臭器の作動に加えて換気扇を作動させる。従って、トイレ室内の臭気レベルを短時間で低くできる。
【0010】
請求項2によれば、制御装置は、換気扇に作動開始信号を送信した後におけるトイレ室内の臭気レベルが第2設定臭気レベルよりも高い状態を維持していないとの判定をした場合、換気扇に作動停止信号を送信することにより、換気扇の作動を停止させる。従って、例えばトイレ室内の臭気レベルが、第1設定臭気レベルよりも高いが第2設定臭気レベル以下のような低臭気レベルの場合には、消臭器の作動だけで消臭を行うことができ、経済的なものにできるとともに、トイレ室の冷房又は暖房によって温度調整された空気を、換気扇の作動によって外に出てしまうようなことを極力抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態のトイレ室の消臭システムを施したトイレ室の概略図、図2は、同システムに用いられる消臭器を説明するためのブロック図、図3は、同システムに用いられる制御装置を説明するためのブロック図、図4は、同システムに用いられる換気扇を説明するためのブロック図である。
【0013】
本発明のトイレ室の消臭システムは、図1に示すように、トイレ室9内の消臭を行う消臭器1と、トイレ室9内の換気を行う換気扇2と、それらの消臭器1と換気扇2とに制御信号を有線又は無線によって(この実施形態では無線)送信可能な制御装置3とを備えている。
【0014】
消臭器1は、この実施形態では、図示しないフィルタを備えた、いわゆるフィルタ式のもので、消臭器1の通電による作動に伴い臭い分子をフィルタに吸着して分解するものが用いられている。尚、本システムに用いられる消臭器1の種類等は、特に限定されず、適宜変更できる。例えば触媒を用いるもの、あるいは、オゾンを用いるもの等、従来から消臭器として使用されているものを用いることができ、適宜変更できる。
【0015】
又、消臭器1は、図2に示すように、消臭器作動開始部11と、消臭器作動停止部12と、受信部13とを備えている。
【0016】
受信部13は、例えば後述する制御信号である消臭器の作動開始信号、消臭器の作動停止信号を制御装置3から受信する。
【0017】
消臭器作動開始部11は、制御装置3から消臭器の作動開始信号を受信した場合に、その消臭器の作動開始信号に基づいて消臭器1の作動を開始させる。
【0018】
消臭器作動停止部12は、制御装置3から消臭器の作動停止信号を受信した場合に、その消臭器の作動停止信号に基づいて消臭器1の作動を停止させる。
【0019】
又、消臭器1は、図示しないが、記録装置であるメモリ、制御装置であるCPU、制御装置3と通信するため通信インターフェース等を備えている。
【0020】
そして、上記CPUは、図2の消臭器作動開始部11、消臭器作動停止部12、受信部13として機能する。
【0021】
次に、制御装置3について説明する。この実施形態の制御装置3は、図3に示すように第1臭気レベル判定部31と、第2臭気レベル判定部32と、高臭気レベル維持判定部33と、低臭気レベル維持判定部34と、送信部35とを備えている。
【0022】
第1臭気レベル判定部31は、トイレ室内の臭気が、第1設定臭気レベルとしての設定臭気レベルBよりも高いか否かを、トイレ室内に設置された臭いセンサ4(図1に図示)による検出データに基づいて判定する。
【0023】
臭いセンサ4は、この実施形態では、半導体ガスセンサが用いられている。この半導体ガスセンサは、例えば臭気ガスの濃度に対応して電気抵抗が変化する構造を有し、その電気抵抗の変化を電圧に変換することによって、ガス濃度を電気的に検出するように構成されたものである。
【0024】
尚、臭いセンサ4は、半導体ガスセンサのものに限らず、例えば水晶振動子式ガスセンサ、即ち、水晶振動子の表面に貼り付けた臭い感応膜に、臭い分子が吸着するとその膜の質量が増加し、それに比例して低下する水晶振動子の共振周波数の低下量を測定することによって臭いの濃度を測るものであっても良い。
【0025】
そして、この臭いセンサ4は、この実施形態では、図1に示すように、トイレ室9内の壁面に、トイレ使用者がトイレ室9に設けられた便器91に着座した際の顔(鼻)とほぼ同じ高さ位置に設置されている。ただし、臭いセンサ4の設置位置は、特に限定されず、例えば便器の一部に設置する等、適宜変更できる。
【0026】
設定臭気レベルBは、通常の人が臭いを弱く感じる程度の臭気レベルとして予め設定されたもので、そのレベルに対応した上記臭いセンサ4による値が該当する。
【0027】
そして、トイレ室内の臭気レベルが設定臭気レベルBよりも高い場合(臭気レベル>設定臭気レベルB、以下、低臭気レベル維持判定部34において同じ)、第1臭気レベル判定部31は、トイレ室内の臭気レベルが設定臭気レベルBよりも高いとの判定をし、その判定に基づいて、消臭器の作動開始信号を生成する。
【0028】
一方、トイレ室内の臭気レベルが設定臭気レベルBよりも高くない場合(臭気レベル≦設定臭気レベルB、以下、低臭気レベル維持判定部34において同じ)、第1臭気レベル判定部31は、トイレ室内の臭気レベルが設定臭気レベルBよりも高くないとの判定をする。
【0029】
第2臭気レベル判定部32は、上記消臭器の作動開始信号を送信した後におけるトイレ室9内の臭気レベルが、第2設定臭気レベルとしての設定臭気レベルAよりも高いか否かを、上記臭いセンサ4による検出データに基づいて判定する。
【0030】
この設定臭気レベルAは、上記設定臭気レベルBよりも臭気のレベルを高くして予め設定されたもので、そのレベルに対応した上記臭いセンサ4による値が該当する。この実施形態では、通常の人が臭いを、上記設定臭気レベルBの場合よりも強く感じる程度の臭いのレベルである。
【0031】
そして、トイレ室内の臭気レベルが設定臭気レベルAよりも高くない場合(臭気レベル≦設定臭気レベルA、以下、高臭気レベル維持判定部33において同じ)には、第2臭気レベル判定部32は、臭気レベルが設定臭気レベルAよりも高くないとの判定を行う。
【0032】
一方、トイレ室内の臭気レベルが設定臭気レベルAよりも高い場合(臭気レベル>設定臭気レベルA、以下、高臭気レベル維持判定部33において同じ)、第2臭気レベル判定部32は、臭気レベルが設定臭気レベルAよりも高いとの判定を行う。
【0033】
又、上記設定臭気レベルAよりも高いとの判定を行った場合、制御装置3は、その判定に基づいて、換気扇の作動開始信号を生成する。
【0034】
高臭気レベル維持判定部33は、上記換気扇の作動開始信号を送信した後におけるトイレ室9内の臭気レベルが未だ設定臭気レベルAよりも高い高臭気レベルの状態を維持しているか否かを判定するもので、具体的には、トイレ室内の臭気レベルが設定臭気レベルAよりも高いか否かを、上記臭いセンサ4による検出データに基づいて判定する。
【0035】
そして、トイレ室内の臭気レベルが未だ設定臭気レベルAよりも高い場合、高臭気レベル維持判定部33は、臭気レベルが未だ設定臭気レベルAよりも高い状態を維持しているとの維持判定を行う。一方、トイレ室内の臭気レベルが設定臭気レベルAよりも高くない場合、臭気レベルが設定臭気レベルAよりも高い状態を維持していないとの判定を行う。
【0036】
又、高臭気レベル維持判定部33が上記維持していないとの判定を行った場合、制御装置3は、その判定に基づいて、換気扇の作動停止信号を生成する。
【0037】
低臭気レベル維持判定部34は、第2臭気レベル判定部32によって臭気レベルが設定臭気レベルAよりも高くないとの判定を行った後、又は、高臭気レベル維持判定部33によって維持していないとの判定を行った後におけるトイレ室内の臭気レベルが設定臭気レベルBよりも高い状態を維持しているか否かを、上記臭いセンサ4による検出データに基づいて判定する。
【0038】
そして、トイレ室内の臭気レベルが設定臭気レベルBよりも高い場合、低臭気レベル維持判定部34は、臭気レベルが設定臭気レベルBよりも高い状態を維持しているとの維持判定を行う。一方、トイレ室内の臭気レベルが設定臭気レベルBよりも高くない場合、上記状態を維持していないとの判定を行う。
【0039】
又、低臭気レベル維持判定部34が上記維持していないとの判定を行った場合には、制御装置3は、その判定に基づいて、消臭器の作動停止信号を生成する。
【0040】
送信部35は、例えば制御信号である消臭器の作動開始信号や消臭器の作動停止信号を消臭器1に送信する。又、送信部35は、例えば制御信号である換気扇の作動開始信号や換気扇の作動停止信号を換気扇2に送信する。
【0041】
又、制御装置3は、図示しないが、記録装置であるメモリ、制御装置であるCPU、表示装置である表示部、消臭器1及び換気扇2と通信するため通信インターフェース等を備えている。
【0042】
そして、上記CPUは、図3の第1臭気レベル判定部31、第2臭気レベル判定部32、高臭気レベル維持判定部33、低臭気レベル維持判定部34、送信部35として機能する。
【0043】
次に、換気扇2について説明する。この実施形態の換気扇2は、図1に示すように回転可能に設置されたファン20を備え、トイレ室9の側壁の上部に配置されている。又、換気扇2は、図4に示すように換気扇作動開始部21と、換気扇作動停止部22と、受信部23とを備えている。
【0044】
換気扇作動開始部21は、上記換気扇の作動開始信号を制御装置3から受信した場合に、その作動開始信号に基づいて、換気扇2を作動させる、即ち、ファン20を回転させる。
【0045】
換気扇作動停止部22は、上記換気扇の作動停止信号を制御装置3から受信した場合に、その作動停止信号に基づいて、換気扇2の作動を停止させる、即ち、ファン20の回転を停止させる。
【0046】
受信部23は、例えば制御信号である換気扇の作動開始信号、換気扇の作動停止信号を制御装置3から受信する。
【0047】
又、換気扇2は、図示しないが、記録装置であるメモリ、制御装置であるCPU、制御装置3と通信するため通信インターフェース等を備えている。
【0048】
そして、上記CPUは、図4の換気扇作動開始部21、換気扇作動停止部22、受信部23として機能する。
【0049】
次に、本システムの動作について、図5、図6に基づいて説明する。尚、説明の都合上、トイレ室9内における臭いがほとんどない状態から説明する。
【0050】
まず、制御装置3は、トイレ室9内の臭気レベルが、設定臭気レベルBよりも高いか否かを、臭いセンサ4によって検出された検出データに基づいて判定する(図5、ステップS1)。
【0051】
このステップS1において、設定臭気レベルBよりも高くないとの判定をした場合、制御装置3は、制御を戻す。
【0052】
一方、ステップS1において、設定臭気レベルBよりも高いとの判定をした場合、制御装置3は、消臭器の作動開始信号を生成して消臭器1に送信する。
【0053】
例えば図6に示すように、制御装置3は、時刻t1で、臭気レベルが設定臭気レベルBよりも高いとの判定をし、消臭器の作動開始信号を生成して消臭器1に送信する。
【0054】
作動開始信号を受信した消臭器1は、受信したその作動開始信号に基づいて、作動を開始する(図5、ステップS2)。
【0055】
そして、消臭器1の作動開始信号を送信した後のトイレ室9の臭気レベルが設定臭気レベルAよりも高いか否かを、検出センサ4によって検出された検出データに基づいて判定する(図5、ステップS3)。
【0056】
このステップS3において、制御装置3が、設定臭気レベルAよりも高くないとの判定をした場合、後述のステップS7に移る。
【0057】
一方、ステップS3において、臭気レベルが設定臭気レベルAよりも高いとの判定をした場合、制御装置3は、換気扇の作動開始信号を生成して換気扇2に送信する。
【0058】
例えば図6に示すように、時刻t2で、制御装置3は、臭気レベルが設定臭気レベルAよりも高くなったとの判定をし換気扇の作動開始信号を生成して換気扇2に送信する。尚、このステップS3が、図3の第2臭気レベル判定部32に対応する。
【0059】
作動開始信号を受信した換気扇2は、ファン20の作動を開始する(図5、ステップS4)。
【0060】
次に、制御装置3は、換気扇2に作動開始信号を送信した後の臭気レベルが未だ設定臭気レベルAよりも高い状態を維持しているか否かを、検出センサ4によって検出された検出データに基づいて判定する(図5、ステップS5)。
【0061】
このステップS5において、臭気レベルが設定臭気レベルAよりも高い状態を維持しているとの維持判定をした場合、制御装置3は、制御を戻し、臭気レベルが設定臭気レベルA以下になるのを待つ。
【0062】
一方、ステップS5において、臭気レベルが未だ設定臭気レベルAよりも高い状態を維持していないとの判定をした場合、制御装置3は、その判定に基づいて、換気扇の作動停止信号を生成して換気扇2に送信する。
【0063】
例えば図6に示すように、時刻t3で、制御装置3は、臭気レベルが設定臭気レベルAよりも高い状態を維持していないとの判定をし、換気扇の作動停止信号を生成して換気扇2に送信する。尚、このステップS5が、図3の高臭気レベル維持判定部33に対応する。
【0064】
換気扇の作動停止信号を受信した換気扇2は作動を停止する(図5、ステップS6)。
【0065】
そして、制御装置3は、トイレ室9内の臭気レベルが、設定臭気レベルBよりも高い状態を維持しているか否かを、臭いセンサ4によって検出された検出データに基づいて判定する(図5、ステップS7)。
【0066】
このステップS7において、トイレ室9内の臭気レベルが、設定臭気レベルBよりも高い状態を維持しているとの判定をした場合、制御装置3は、制御を上記ステップS3に戻す。
【0067】
一方、ステップS7において、トイレ室9内の臭気レベルが、設定臭気レベルBよりも高い状態を維持していないとの判定をした場合、制御装置3は、その判定に基づいて、消臭器の作動停止信号を生成して消臭器1に送信する。
【0068】
例えば図6に示すように、時刻t4で、制御装置3は、トイレ室9内の臭気レベルが設定臭気レベルBよりも高い状態を維持していないとの判定をし、消臭器の作動停止信号を生成して消臭器1に送信する。尚、このステップS7が、図3の低臭気レベル維持判定部34に対応する。
【0069】
消臭器の作動開始信号を受信した消臭器1は、その作動停止信号に基づいて作動を停止する(図5、ステップS8)。
【0070】
尚、上記実施形態では、制御装置3を、消臭器1や換気扇2と別途に設けたものとしているが、例えば消臭器1又は換気扇2に組み込んで付設したものとしても良く、適宜変更できる。
【0071】
又、上記実施形態では、設定臭気レベルBを、通常の人が臭いを弱く感じる程度の臭気レベルに、設定臭気レベルAを、通常の人が臭いを、設定臭気レベルBの場合よりも強く感じる程度の臭気レベルに、夫々設定しているが、この形態のものに限らず、設定臭気レベルA及び設定臭気レベルBを任意に設定できる。
【0072】
また、上記実施形態では、臭気レベルを、設定臭気レベルAと設定臭気レベルBとの2段階に設定しているが、3段階以上に設定するようにしても良い。
【0073】
例えば、臭気レベルの高い順に、設定臭気レベルA、設定臭気レベルB、設定臭気レベルCとするとともに、換気扇を、ファンの1分間当たりの回転数に応じて、段階1と、その段階1よりも回転数の多い段階2との切り替え可能な2段階に設定する。
【0074】
そして、設定臭気レベルCより高く設定臭気レベルB以下の場合は、消臭器を作動させ、設定臭気レベルBより高く設定臭気レベルA以下の場合は、消臭器を作動させるとともに、換気扇を段階1で作動させる。また、設定臭気レベルAより高い場合は、消臭器を作動させるとともに、換気扇を段階2で作動させる。
【0075】
また、上記実施形態では、消臭器の作動開始と作動停止、換気扇の作動開始と作動停止を、夫々、同じ臭気レベルで行っているが、別個独立に設定した臭気レベルで行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施の形態の消臭システムを施したトイレ室の概略図である。
【図2】同システムに用いられる消臭器を説明するためのブロック図である。
【図3】同システムに用いられる制御装置を説明するためのブロック図である。
【図4】同システムに用いられる換気扇を説明するためのブロック図である。
【図5】本発明のシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】臭気レベルと、消臭器と、換気扇との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0077】
1 消臭器
2 換気扇
3 制御装置
9 トイレ室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ室内の消臭を行う消臭器と、前記トイレ室内の換気を行う換気扇と、それらの消臭器と換気扇とに制御信号を送信可能な制御装置とを備えたトイレ室の消臭システムであって、
前記制御装置は、前記トイレ室内の臭気レベルが第1設定臭気レベルよりも高いか否かを判定する第1臭気レベル判定部によって、前記臭気レベルが第1設定臭気レベルよりも高いとの判定をした場合に、その判定に基づいて、消臭器に作動開始信号を送信するとともに、前記消臭器に作動開始信号を送信した後における前記トイレ室内の臭気レベルが、前記第1設定臭気レベルより高いレベルの第2設定臭気レベルよりも高いか否かを判定する第2臭気レベル判定部によって、前記第2設定臭気レベルよりも高いとの判定をした場合に、その判定に基づいて、換気扇に作動開始信号を送信することを特徴とするトイレ室の消臭システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記換気扇に作動開始信号を送信した後における前記トイレ室内の臭気レベルが前記第2設定臭気レベルよりも高い状態を維持しているか否かを判定する高臭気レベル維持判定部によって、前記第2設定臭気レベルよりも高い状態を維持していないとの判定をした場合に、その判定に基づいて、換気扇に作動停止信号を送信することを特徴とする請求項1記載のトイレ室の消臭システム。
【請求項3】
トイレ室内の消臭を行う消臭器と、前記トイレ室内の換気を行う換気扇と、それらの消臭器と換気扇とに制御信号を送信可能な制御装置とを用いてトイレ室内の消臭を行うトイレ室の消臭方法であって、
前記制御装置に、前記トイレ室内の臭気レベルが第1設定臭気レベルよりも高いか否かを判定させ、前記臭気レベルが第1設定臭気レベルよりも高いとの判定をした場合に、その判定に基づいて、消臭器に作動開始信号を送信させるとともに、前記消臭器に作動開始信号を送信した後における前記トイレ室内の臭気レベルが、第1設定臭気レベルより高いレベルの第2設定臭気レベルよりも高いか否かを判定させ、前記第2設定臭気レベルよりも高いとの判定をした場合に、その判定に基づいて、換気扇に作動開始信号を送信させることを特徴とするトイレ室の消臭方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−156489(P2009−156489A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−332761(P2007−332761)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】