説明

トラックエラー測定及び回復

【課題】新規且つ改善された、トラックエラー測定及び回復の提供。
【解決手段】トラック値を測定する方法が示される。トラック値はトラック誤登録に関係し、当該トラックの条件を評価するため、トラック値限界と比較される(430)。実施形態の例において、トラック値は、トラック内の以前のウェッジからの多数の位置エラー信号の関数として決定される(410、420)。セルフサーボ書き込み動作中に、トラック値及びトラック値限界は、選択的に回復動作を行うために用いられる(440)。実施形態の例において、トラック値限界は動的に調節される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックエラー測定及び回復に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクドライブは、情報記憶装置である。ディスクドライブは回転スピンドルに固定された1枚以上のディスクと、それぞれのディスクの表面からデータを表す情報を読み出すための、及び/又は、それぞれのディスクの表面にデータを書き込むための、少なくとも一つのヘッドを含む。ヘッドは、ボイスコイルモータ(voice coil motor)によって駆動され得るアクチュエータに連結されたサスペンションによって支持される。ディスクドライブの制御電子回路は、電気信号をボイスコイルモータに提供して、ディスク上のトラック内でのデータ読み出し及び書き込みのために、ヘッドをディスク上の所望の位置に移動させる。
【0003】
サーボウェッジ(servo wedges)は一般に、動作中にディスク表面上で読み出し/書き込みヘッドを探すため、ディスク表面に書き込まれる。ディスク上ではトラックは決して完全な円ではないため、トラック誤登録(track mis-registration)(TMR)の量が測定され、セルフサーボ書き込み(self-servo writing)の質といったドライブ内の多数の動作を評価するのに用いられる。その他のTMRデータの使用は、ウェッジオフセットリダクションフィールド(wedge offset reduction field)の評価を含む。セルフサーボ書き込みやウェッジオフセットリダクション等の所定のドライブ機能に関し、トラックについて最も有用な統計情報を与えるTMRの測定基準を得ることが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、新規且つ改善された、トラックエラー測定及び回復を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の態様を含む。
【0006】
(1)ディスク表面上でトラックのセルフサーボ書き込みを行うことと、
前記トラック内の多数のウェッジについてPESを決定することと、
多数のウェッジからの多数のPES値の関数として、前記トラックについてトラック値を計算することと、
前記トラックについて計算されたトラック値を、トラック値限界と比較することと、
比較に基づいて回復動作を実行することと、
を具備する方法。
【0007】
(2)前記多数のウェッジからの多数のPES値の関数として、前記トラックについてトラック値を計算することは、ディスク表面の一回転における全てのウェッジからの各PES値の関数として、前記トラックについてトラック値を計算することを含む、(1)に記載の方法。
【0008】
(3)前記トラック値を計算することは、前記多数のPES値内の個々のPESそれぞれの二乗の和を計算することを含む、(1)に記載の方法。
【0009】
(4)前記トラック値を計算することは、前記多数のPES値内の個々のPESそれぞれの二乗の和の平方根を計算することを含む、(1)に記載の方法。
【0010】
(5)前記トラック値を計算することは、前記多数のPES値のうちの個々のPESそれぞれの二乗の和の平方根の3倍を計算することを含む、(1)に記載の方法。
【0011】
(6)前記回復動作を実行することは、前記トラックを再書き込みすることを含む、(1)に記載の方法。
【0012】
(7)前記回復動作を実行することは、前記トラックをまず消去して、それから当該トラックの再書き込みを行うことを含む、(1)に記載の方法。
【0013】
(8)更なるトラック補正因子を反復して計算及び精密化することと、いったん前記トラック値が前記トラック値限界よりも小さくなれば反復を終了させることとを更に含む、(1)に記載の方法。
【0014】
(9)前記トラック補正因子を反復して計算及び精密化することは、ウェッジオフセットリダクションフィールドデータを反復して計算及び精密化することを含む、(8)に記載の方法。
【0015】
(10)ディスク表面上でトラックのセルフサーボ書き込みを行うことと、
前記トラック内の多数のウェッジについてPESを決定することと、
多数のウェッジからの多数のPES値の関数として、前記トラックについてトラック値を計算することと、
前記トラックについて計算されたトラック値を、トラック値限界と比較することと、
比較に基づいて回復動作を実行することと、
多数の以前のトラックからのトラック値に基づいて、セルフサーボ書き込みが進行すると前記トラック値限界を修正することと、
を具備する方法。
【0016】
(11)前記トラック値限界を修正することは、高許容範囲を示すドライブについて、厳しく制御された限界へ当該トラック値限界を低減させることを含む、(10)に記載の方法。
【0017】
(12)前記トラック値限界を修正することは、低許容範囲を示すドライブについて、緩く制御された限界へ当該トラック値限界を増大させることを含む、(10)に記載の方法。
【0018】
(13)前記トラック値限界を修正することは、前記ディスク表面の内径において厳しく制御された限界から、前記ディスク表面の外径においてより緩く制御された限界へと、当該トラック値限界を変動させることを含む、(10)に記載の方法。
【0019】
(14)多数の以前のトラックからのトラック値に基づいて、セルフサーボ書き込みが進行すると前記トラック値限界を修正することは、多数の以前のトラックからのトラック値のローパスフィルタに基づいて修正することを含む、(10)に記載の方法。
【0020】
(15)多数の以前のトラックからのトラック値に基づいて、セルフサーボ書き込みが進行すると前記トラック値限界を修正することは、多数の以前のトラックからのトラック値の平均に基づいて修正することを含む、(10)に記載の方法。
【0021】
(16)ハードディスクと、
前記ハードディスク上のトラックを追う読み出し/書き込みヘッドと、
メディアに記憶され前記ハードディスクドライブシステムに連結されたコンピュータ読み取り可能な命令であって、当該命令が実行されると前記読み出し/書き込みヘッドに
前記ハードディスク上でトラックのセルフサーボ書き込みを行うことと、
前記トラック内の多数のウェッジについてPESを決定することと、
多数のウェッジからの多数のPES値の関数として、前記トラックについてトラック値を計算することと、
前記トラックについて計算されたトラック値を、トラック値限界と比較することと、
比較に基づいて回復動作を実行することと、
を含む多数の動作を行わせる命令と、
を具備するハードディスクドライブシステム。
【0022】
(17)前記コンピュータ読み取り可能な命令は、前記ハードディスクドライブシステム内のメディアに記憶される、(16)に記載のハードディスクドライブシステム。
【0023】
(18)前記メディアは、フラッシュメモリを含む、(17)に記載のハードディスクドライブシステム。
【0024】
(19)多数の以前のトラックからのトラック値に基づいて、セルフサーボ書き込みが進行すると前記トラック値限界を修正するためのコンピュータ読み取り可能な命令を更に含む、(16)に記載のハードディスクドライブシステム。
【0025】
(20)更なるトラック補正因子を反復して計算及び精密化するためのコンピュータ読み取り可能な命令、及びいったん前記トラック値が前記トラック値限界よりも小さくなれば反復を終了させるためのコンピュータ読み取り可能な命令を更に含む、(16)に記載のハードディスクドライブシステム。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、新規且つ改善された、トラックエラー測定及び回復を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下では、本発明の実施形態の各例が図面を参照して説明される。
【0028】
図1は、本発明の様々な実施形態を用いるディスクドライブ100の分解図である。ハウジングベース(housing base)104とハウジングカバー(housing cover)106を含むハウジング(housing)102が図示されている。図示されたハウジングベース104はベースキャスティング(base casting)であるが、他の実施形態においては、ハウジングベース104は、ディスクドライブ100の組み立てに先立って、あるいは組み立て中に組み立てられる別個の要素を備えてもよい。ディスク120は、スピンドルモータ(spindle motor)によって回転されるハブ(hub)すなわちスピンドル(spindle)122に取り付けられる。ディスク120は、クランプ(clamp)121によってハブあるいはスピンドル122に取り付けられ得る。ディスクは、一定の、もしくは毎分3600未満から15000回転より大きい値にわたる範囲の可変レートで回転させられてもよい。より高速な回転速度も将来には予想されている。スピンドルモータはハウジングベース104に接続される。ディスク120は、軽アルミ合金、セラミック/ガラス又は他の適当な基板から製造可能で、ディスクの片面又は両面に磁性材料が沈着されている。磁性層は、トランスデューシングヘッド(transducing head)146を介して転送されるデータを記憶するための磁化の小領域を含む。トランスデューシングヘッド146は、ディスク120からデータを読み出し、ディスク120にデータを書き込むように構成された磁気トランスデューサ(magnetic transducer)を含む。他の実施形態では、トランスデューシングヘッド146は、別個の読み出し素子と書き込み素子を含む。例えば、この別個の読み出し素子は、MRヘッドとして知られる磁気抵抗ヘッドであってもよい。多数のヘッド146による構成も用いられ得ることも理解されよう。トランスデューシングヘッド146は、スライダ165に付随する。
【0029】
回転アクチュエータ130は、ベアリング132によってハウジングベース104に軸支されて取り付けられ、ディスク120の内径(ID)と、ディスク120の外径(OD)付近に配置されたランプ(ramp)150との間を、弧を描いてスウィープ(sweep)する。ハウジング104に取り付けられるのは、上部及び下部磁気リターンプレート(magnet return plate)110と少なくとも1つの磁石であり、ボイスコイルモータ(voice coil motor)(VCM)112の静止部を共に形成する。ボイスコイル(voice coil)134は、回転アクチュエータ130に取り付けられ、VCM112のエアギャップ(air gap)内に配置される。回転アクチュエータ130は、ベアリング132を軸にして回転する。これは、所定の極性の電流がボイスコイル134に流されると一方向に加速し、当該所定の極性が逆転すると逆方向に加速して、アクチュエータ130及びディスク120に対する取り付けられたトランスデューシングヘッド146の位置の制御を可能とする。VCM112は、サーボシステム(servo system)に連結され、サーボシステムは、トランスデューシングヘッド146によってディスク120から読み出された位置決めデータを用いて、ディスク120上の複数のトラックのうちの一つ上でのトランスデューシングヘッド146の位置を決定する。サーボシステムは、ボイスコイル134に流すのに適切な電流を決定し、電流ドライバ(current driver)及び関連する回路を用いてボイスコイル134に電流を流す。サーボシステムはまた、軸方向の過剰加速度(excessive accelerations)を決定するためにも使用され得る。
【0030】
サーボシステムの一つのタイプは組み込みのサーボシステムであり、各ディスク表面上のトラックがデータを表す情報の記憶に用いられ、ここには、サーボ情報(servo information)の小セグメント(segment)が含まれる。実際には、図1に示すよりも更に多数のサーボウェッジが存在し得るということは、留意されるべきである。説明を簡単化するため、一枚のディスク120が図示されているが、ドライブ100は2枚以上のディスク120を含んでもよい。
【0031】
図2は、少なくとも一つのサーボウェッジ128を有するディスク120の一部分を示す。各サーボウェッジ128は、磁化の領域あるいは光学徴表(optical indicia)等の他の徴表(indicia)として記憶された情報を含む。回転するディスク120の表面がトランスデューシングヘッド146の下を通過すると、各サーボウェッジ128に含まれるサーボパターン200は、トランスデューシングヘッド146によって読み出される。サーボパターン200は、データフィールド264に含まれるデータセクタの識別に使用可能な情報を含むことができる。例えば、サーボパターン200は、プリアンブル(preamble)202、サーボアドレスマーク(servo address mark)(SAM)204、トラック識別番号(track identification number)206等のデジタル情報を含むことができる。サーボパターン200はサーボバースト(servo burst)のセットも含む。図2の例に示すように、サーボサーストのセットは、Aサーボバースト、Bサーボバースト、Cサーボバースト及びDサーボバーストを含んでもよい。この例では、AサーボバーストとBサーボバーストの間にサーボバーストエッジ(servo burst edge)210があり、CサーボバーストとDサーボバーストの間にサーボバーストエッジ220がある。この例に示されたパターンは、直交型のパターンである。実施形態によっては、ディスクドライブは、各サーボウェッジ128内に、各タイプのサーボバーストの単一列を含む。各列は、ディスクの放射部(radial)に対応する。実施形態によっては、サーボウェッジ128は、ウェッジ番号(wedge number)等の他の情報も含む。他の情報はインデックスウェッジ(wedge #0)を指定するためのシングルビットであってもよい。あるいはSAMが別のパターン(サーボインデックスマーク(servo index mark)すなわちSIMと呼ばれる)に置き換えられてもよく、また、ウェッジはウェッジ番号の低次の数ビット、あるいは完全なウェッジ番号を含んでもよい。
【0032】
サーボバーストには、多くの異なるパターンがある。図3は、ヌルパターンに関連する他のサーボバーストパターンを示す。このパターンは4つのサーボバーストを示し、ディスク上のサーボウェッジ128のように、各サーボウェッジにおいてディスク上にAB+、AB−、CD+、及びCD−サーボバーストによるいくつかの放射直線を作り出すために、列として繰り返されてもよいことが理解される。サーボバーストパターンは結果として、ヌルパターンでは、AB+及びAB−サーボバースト間のサーボバーストエッジ310を与え、CD+及びCD−サーボバースト間のサーボバーストエッジ320を与える。
【0033】
ドライブの一例では、サーボバーストエッジのうちの一つが、トラックの中心に、又はトラックの中心から既知の距離にあってもよい。一例において、サーボパターンが読み出されて復調され、選択されたサーボバーストエッジからの距離が決定される。トラックの中心又はサーボバーストエッジからの距離を示す位置エラー信号(position error signal)(PES)が生成されて、読み出しヘッド又は書き込みヘッドを所望のトラックの中心上の位置に移動させるために用いられる。
【0034】
PESデータは、ハードドライブ内での多くの動作のために用いられる。このような動作の一つは、セルフサーボ書き込み中である。セルフサーボ書き込み動作においては、サーボウェッジ128は、製造段階でハードドライブによって書き込まれる。この処理において書き込まれるサーボウェッジ128は、後に、読み出し及び書き込みといったデータオペレーションに用いられる。セルフサーボ書き込み動作の一例では、連続するトラックは、所望のウェッジ数に応じて、一回転毎に関連する数のサーボウェッジによって書き込まれる。一例において、連続するトラックは、ディスク内径(disk ID)からディスク外径(disk OD)に向かって書き込まれるが、本発明はこれに限定されるものではない。最終的に書き込まれたトラックが容認可能な許容限度内にあることを保証するには、連続する各トラックの正確な配置(placement)及び形状(geometry)等をモニタすることが望ましい。
【0035】
図4は、本発明の一実施形態に係る、連続するトラックの正確な配置及び形状等をモニタするため、セルフ書き込み動作においてPESデータを用いる方法の一例を示す。動作410では、PES数(PES number)が、セルフサーボ書き込み動作中の、トラック内の多数の個々のウェッジについて決定される。一例において、多数のPES値は、ディスクの一回転における多数のウェッジについてのPES値を全て含む。一回転における全ウェッジよりは少ないながら、多数のPES値を用いる他の実施形態もまた、本発明の範囲内である。
【0036】
動作420では、多数のウェッジからの多数のPES値の関数として、トラック値(track value)が計算される。多数のPESウェッジデータを用いることにより、結果として得られるトラック値は、個々のウェッジだけでなくトラック全体についてより有用な性能指数を与える。多数のウェッジからの多数のPES値の関数であるトラック値の一例は、個々のPES値それぞれの二乗の和を含み、以下の式のように表される。
【数1】

【0037】
他に考え得る多数のPES値の関数は、個々のPES値の二乗が合計された量の平方根を含み、以下の式のように表される。
【数2】

【0038】
更に他に考え得る多数のPES値の関数は、個々のPES値の二乗平均平方根を含み、以下の式のように表される。
【数3】

【0039】
更に他に考え得る多数のPES値の関数は、個々のPES値の二乗平均平方根の3倍を含み、以下の式のように表される。
【数4】

【0040】
本発明の開示を利用する当業者は、多数のPESの関数には数多くの関数があり得、セルフサーボ書き込み中にトラックをより良く描写するのに有用である、ということを認識するであろう。多数のPES値の二乗の和といった関数、又は二乗和に関係する関数は有用であるが、これは、トラック誤登録(track mis-registration)(TMR)として知られる量に対して測定可能であるためである。3σTMRは、TMRの量に対して統計的に有用な値であるが、3を乗じ、ウェッジの数(n)で割るといった数学的演算をなくすことにより、3を乗じること、(n)で割ることといった演算のための更なるプロセッサ時間無しにTMRに直接的に関係するトラック値が決定される。
【0041】
図5の動作430には、計算されたトラック値とトラック値限界(track value limit)とを比較することが挙げられる。上述のように、多数のPES値に基づいて、トラック値はTMRに関係付けられている。トラック値を容認可能な所定のトラック値限界と比較することにより、それぞれトラックは、容認可能な位置的及び幾何的許容範囲内にあるかを決定するために、引き続いて評価される。一実施形態において、トラック値限界は書き込まれた全トラックに対して同じである。他の実施形態では、トラック値限界はトラックが異なれば変動する。
【0042】
トラック値限界の変動の一例は、ディスクのID又はその近傍においてより厳しく制御された限界を有すること、及びディスクのOD又はその近傍においてトラック値をあまり厳しく制御されない限界に変動させること含む。多くの場合、ディスクのIDに近いトラックの位置決め、配置等を制御することは物理的により容易である。従って、一例において、セルフサーボ書き込み動作中に、ID又はその近傍において、より厳しく制御されたトラック値限界を維持することができる。同様に、ディスクのODに近いトラックの位置決め、配置等を制御することは、物理的にはより困難である。従って、一例において、セルフサーボ書き込み動作中に、OD又はその近傍において、より緩やかに制御されたトラック値限界が維持される。
【0043】
トラック値限界の変動の他の例は、セルフサーボ書き込み動作中に、厳しい許容範囲を示すドライブについて、トラック値限界を動的にきつくすることを含む。反対に、トラック値限界の変動の一例は、セルフサーボ書き込み動作中に、より大きな変動を示すドライブについて、トラック値限界を動的に緩和することを含む。
【0044】
セルフサーボ書き込み動作中のドライブの許容範囲を評価する一つの方法は、(上述のように、関数の例を用いて計算された)前のトラックについてトラック値をチェックすることを含む。計算されたトラック値はTMRに直接的に関係するため、トラック値は、セルフサーボ書き込み動作中に、個々のドライブがそれぞれの許容値にどれだけ近く動作しているかを示す。セルフサーボ書き込み動作が進行する際の評価の一例は、前のトラックの量についてトラック値を平均することを含む。トラック値が全て充分に小さければ、トラック値限界をより厳しい制御へと下方に調節することができる。同様に、トラック値が全て大きければ、トラック値限界をより緩やかに制御された基準へと調節できる。前のトラック値を平均することが述べられたが、ローパスフィルタリング等の他の数学的演算もまた、本発明の範囲内にある。
【0045】
動作440には、トラック値がトラック値限界以上であるなら、回復動作(recovery action)を実行することが挙げられる。トラックが許容範囲外にあると判断されると直ちに、回復動作が実行されることにより、当該トラックが修復され得、セルフサーボ書き込み動作において、許容不能なトラック誤登録値は続くトラックには伝播しない。
【0046】
回復動作の一例は、トラックを再書き込みすることを含む。回復動作の他の例は、まずトラックを消去すること、そしてトラックを再書き込みすることを含む。他の回復動作、あるいは複数の回復動作を組合せることも本発明の範囲内である。
【0047】
図5は、図2及び図3で説明されたサーボ情報を有するディスクを含む、図1に示すドライブと同様のディスクドライブ500のブロック図を示す。一例において、ディスクドライブ500は、上記図4に関して説明されたセルフサーボ書き込み動作を行うための、ハードドライブ500内のメディア内に記憶された命令を含む。他の例では、ハードドライブ500外部のメディア内に命令が記憶され、当該命令は、セルフサーボ書き込み中にアクセスされるのみである。
【0048】
一例が示されてはいるが、本発明の開示を利用する当業者は、図5に示す以外の他の装置や回路構成も可能であり、本発明の範囲内であることを認識するであろう。この図は、磁気ディスク512の上面の上方のヘッドスライダ520のみを示す。しかしながら、一例において、磁気記録層は磁気ディスクの各々の面に形成されている。ダウンヘッド(down head)及びアップヘッド(up head)が、磁気ディスクの上面及び下面の上にそれぞれ設けられていてもよい。ディスクドライブは、ヘッドディスクアッセンブリ(head disk assembly)(HDA)510と呼ばれる本体ユニット及びプリント基板(PCB)540を含む。
【0049】
図5に示すように、HDA510は、磁気ディスク512、磁気ディスク512を回転させるスピンドルモータ(spindle motor)514、読み出しヘッド及び書き込みヘッドを含むヘッドスライダ520、サスペンション/アクチュエータ・アーム518、VCM522、及び図示しないヘッド増幅器(head amplifier)を有する。ヘッドスライダ520には巨大磁気抵抗(GMR)素子といった読み出し素子、及び書き込み素子を含む読み出しヘッドが備えられる。
【0050】
ヘッドスライダ520は、サスペンション/アクチュエータ・アーム518上に設けられたジンバル(gimbal)によって伸縮自在に支持されてもよい。サスペンション/アクチュエータ・アーム518は、ピボット516に回転可能に取り付けられている。VCM522はピボット516周りにトルクを発生させ、サスペンション/アクチュエータ・アーム518が磁気ディスク512の半径方向にヘッドを動かす。サスペンション/アクチュエータ・アーム518からの回路は、フレキシブルケーブル(flexible cable)524を介してPCB540に接続される。
【0051】
上述のように、磁気記録層は磁気ディスク512の各面上に形成され、それぞれが円弧のような形状をもつサーボウェッジは、移動するヘッドの軌跡に対応するよう形成される。一例において、サーボウェッジによって形成される円弧の半径は、ピボットから磁気ヘッド素子への距離として与えられる。
【0052】
図示された実施形態の例では、いくつかの主要な電気的コンポーネント、いわゆるシステムLSIがPCB540上に取り付けられている。システムLSIはコントローラ554、読み出し/書き込みチャネルIC(read/write channel IC)560、及びモータドライバIC(motor driver IC)554を含む。一例におけるコントローラ554は、ディスクコントローラ(HDC)及びMPUと、ファームウェアを含む。MPUは、ドライブシステムの制御ユニットであり、ROM、RAM、CPU、及び本実施形態の例に係るヘッド位置決め制御システムを実施する論理処理ユニットを含む。論理処理ユニットは、高速計算を実行するハードウェア回路から成る演算処理ユニットである。論理処理回路のためのファームウェアは、ROMあるいはディスクドライブの他の場所に保存される。MPUは、ファームウェアに従ってドライブを制御する。
【0053】
ディスクコントローラ554は、ハードディスクドライブ内のインタフェースユニットであり、ディスクドライブとホスト(例えば、パーソナルコンピュータや携帯型音楽プレーヤ)間のインタフェースと、MPU、読み出し/書き込みチャネルIC560、及びモータドライバIC554との情報交換によりドライブ全体を管理する。
【0054】
読み出し/書き込みチャネルIC560は、読み出し/書き込み動作に関連するヘッド信号処理ユニット(head signal processing unit)である。読み出し/書き込みチャネルIC560は、読み出し/書き込みパス(read/write path)552及びサーボ復調器(servo demodulator)542を含んで図示される。読み出し/書き込みパス552は、ユーザデータとサーボデータの読み出し及び書き込みに使用可能であり、またサーボ復調に有用なフロントエンド回路(front end circuitry)を含んでもよい。読み出し/書き込みパス552はまた、セルフサーボ書き込みに用いられてもよい。ディスクドライブは他のコンポーネントをも含んでいるが、実施形態の各例を説明するのに必須ではないため図示されていないことには留意すべきである。
【0055】
サーボ復調器542は、サーボフェーズロックドループ(phase locked loop)(PLL)548、サーボ自動ゲイン制御(automatic gain control)(AGC)550、サーボフィールドディテクタ(field detector)544、及びレジスタスペース(register space)546を含んで図示される。サーボPLL548は、一般に、サーボ復調器542内で、1以上のタイミングあるいはクロック回路(図5には示されない)のための周波数及び位相の制御を提供するのに用いられる制御ループである。例えば、サーボPLL548は、タイミング信号を読み出し/書き込みパス552に提供することができる。サーボAGC550は、可変ゲイン増幅器(variable gain amplifier)を含み(又は駆動し)、複数のディスク512のうち1つ上のサーボウェッジが読み出されている時に、読み出し/書き込みパス552の出力をほぼ一定レベルに保つために用いられる。サーボフィールドディテクタ544は、SAM(Servo Address Mark)、トラック番号、第1サーボバースト(first servo burst)、及び第2サーボバースト(second servo burst)を含む、サーボウェッジの様々なサブフィールド(subfield)の検出及び/又は復調に用いられる。MPUは、様々なサーボ復調機能(例えば、決定、比較、特徴付け等)の実行に用いられ、サーボ復調器542の一部であるとも考えることができる。別の場合では、サーボ復調器542は、独自のマイクロプロセッサを持つことも可能である。
【0056】
読み出し/書き込みパス552がサーボデータを読んでいる時のために、1以上のレジスタ(例えばレジスタスペース546内)が適切なサーボAGC値(例えばゲイン値、フィルタ係数、フィルタ蓄積パス(filter accumulation path)等)の記憶に用いられ得、読み出し/書き込みパス552がユーザデータを読んでいる時のために、1以上のレジスタが適切な値(例えばゲイン値、フィルタ係数、フィルタ蓄積パス等)を記憶するのに用いられ得る。制御信号は、読み出し/書き込みパス552のカレントモードに従い、適切なレジスタを選択するのに用いられ得る。記憶されたサーボAGC値は、動的に更新可能である。例えば、読み出し/書き込みパス552がサーボデータを読んでいる時に用いられる記憶されたサーボAGC値は、更なるサーボウェッジが読み出されるたびに更新され得る。このような方法で、直近に読み出されたサーボウェッジについて決定されたサーボAGC値は、次のサーボウェッジが読み出される際には、始動サーボAGC値となり得る。
【0057】
読み出し/書き込みパス552は、磁気ディスク512への情報の書き込み及び磁気ディスク512からの情報の読み出し処理に用いられる電子回路を含む。MPUは、サーボ制御アルゴリズムを実行することができ、このため、サーボコントローラと称される。あるいは、別個のマイクロプロセッサ又はデジタル信号プロセッサ(図示せず)がサーボコントロール機能を実行することもできる。
【0058】
ディスクドライブ500の特定のブロック図が一例として示されて説明されたが、本発明はこれに限定されない。本発明の開示を利用する当業者は、回路素子や配置等の他の構成も本発明の範囲内にあることを認識するであろう。
【0059】
図6は、本発明の一実施形態に係る、更なるトラック補正因子を決定する方法600のフローチャートである。一例では、更なるトラック補正因子(track correction factor)は、ウェッジオフセットリダクションフィールド(wedge offset reduction field)(WORF)におけるデータを含む。本発明の一実施形態に係るWORF値の一例は、サーボウェッジにおいて書き込まれたサーボパターンに関連する書き込みランアウト(written in run out)についてのエラー補正値(error correction value)である。方法600は、サーボコントロールシステムの逆インパルス応答関数(inverse impulse response function)の決定612を含む。方法600はまた、方法600の起動ごとの、初期ゲイン及び初期WORF値の設定610を含む。初期WORF値は、他のWORF値がない場合には、ゼロに設定可能である。あるいは初期WORF値は、反復可能な書き込みランアウト(written in repeatable run out)(WRRO)が隣接トラック位置についても類似であると知られているなら、前のトラックからの最終WORF値といったゼロではない値にも設定できる。初期WORF値はまた、同じトラックの直前のサーボウェッジについて決定されたWORF値であってもよい。
【0060】
方法600はまた、トラック周りのサーボウェッジごとにPESを連続的に保存すること614を含む。これらの値は、サーボウェッジのサーボ情報に関連するWRROを決定することの一部として全PES値の畳み込みを実行するために用いられる。すなわち、「i番目」の回転についてWORFi(n)を用いてウェッジnごとのPESがバッファに記憶される。現在のウェッジnに先立つ、一回の全回転におけるウェッジに関連するPES値は、バッファに記憶される。
【0061】
一実施形態において、デコードされたPESは、トラック周りのサーボウェッジごとに連続的に環状バッファに保存される。環状バッファを用いると、あるトラックについてトラック周りのウェッジそれぞれに関連するPESについての全ての値を、当該環状バッファから読み出すことができる。方法600では、個々のサーボウェッジnについてのWORF値は、参照数字616で示されるように、システムの逆インパルス応答を用いて、次のサーボウェッジに先立つ最後の回転についてのPESの循環畳み込み(CONVi(n)で示される)として計算される。
【0062】
方法600はまた、参照数字618で示されるように、循環畳み込みCONVi(n)に可変ゲインGを乗じることを含む。可変ゲインGは、実施形態によっては、現在のWORF計算手順の開始から処理されたウェッジの数mの関数である。ゲインGは、現在のWORF計算手順中に得られるレベルトラック誤登録(TMR)あるいは反復可能なランアウト(RRO)の関数であってもよい。TMRあるいはRROの現在レベルがより高ければより高いゲインGの値が正当化され、一方、TMRあるいはRROのレベルがより低ければより低いゲインGの値が正当化され得る。ゲインGはまた、以下の式に等しい、現在の回転数の関数であってもよい。
【数5】

【0063】
ここでRevは、現在のWORF計算手順の開始からのディスクの全回転の数である。他の関数も同様に可能である。サーボトラックのWORFの正確な評価に対して、WORFの畳み込み、及び非反復ランアウト(non-repeatable run out)(NRRO)の低減された効果を保証するため、ゲインの値は、処理されたウェッジ数mが大きくなるのに対して減少していくべきである。この可変ゲイン反復手順は、インパルス応答測定及び/又はモデリングエラーに対して、またPESデコーディング及び制御システムの非線形性に対してより感度が低い。
【数6】

【0064】
参照数字620に示されるように、現在のウェッジnについて計算されたWORF値はそれから、既存のWORF値に加算され、次回にウェッジnについてPESが計算される場合に、WORF補正(WORF correction)として用いられる。この成分は、以下の数学的関係によって示される。
【数7】

【0065】
次に、参照数字622に示されるように、最終条件が満たされかを判断するのに決定木が用いられる。方法600についての最終条件は、独立の回転数である。一実施形態において、WORF計算方法600は、図4等において上記各実施形態で説明されたトラック値が、トラック値限界より小さくなった後に終了する。
【0066】
最終条件が満たされない場合は、参照数字624で示すように、ウェッジ数mの値をインクリメントして次のウェッジに進み、参照数字626で示すように、ゲインGが調節されて614の処理に移る。
【0067】
図7は、一実施形態において、図4からの上述の方法を実行するコンピュータシステムのブロック図である。一実施形態において、当該コンピュータシステムは、ハードドライブ内のメディアに記憶された、上述の図4に示す方法を実行するための命令を含んだハードドライブを含む。
【0068】
一般的な計算装置710は、プロセッシングユニット702、メモリ704、リムーバブルストレージ(removable storage)712、及びノンリムーバブルストレージ(non-removable storage)714を物理的に含んでもよい。メモリ704は、揮発性メモリ706及び不揮発性メモリ708を含んでもよい。計算装置710は、揮発性メモリ706と不揮発性メモリ708、リムーバブルストレージ712とノンリムーバブルストレージ714といった多様なコンピュータ読取り可能なメディアを含む計算環境を物理的に含まずとも、このような計算環境へのネットワークを介したアクセスを有してもよい。
【0069】
コンピュータストレージはRAM、ROM、消去可能PROM(EPROM)と電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリや他のメモリ技術、CD−ROM、DVD、その他の光学ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージやその他の磁気ストレージ装置、あるいはその他のコンピュータ読取り可能な命令を記憶できるメディアを含む。
【0070】
計算装置710は、入力716、出力718、及び通信接続720を含む計算環境を含んでも、あるいはこのような計算環境へのアクセスを有してもよい。入力716の一つは、キーボード、マウス、その他の選択装置であり得る。通信接続720はまた、ディスプレイのようなグラフィカルユーザインタフェースを含んでも良い。計算装置710は、1以上のリモート装置(remote devices)と接続するのに、通信接続を用いてネットワーク化された環境において動作してもよい。リモート装置は、パーソナルコンピュータ(PC)、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス(peer device)や他の一般的なネットワークノード(network node)等を含んでもよい。通信接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)や他のネットワークを含んでもよい。
【0071】
コンピュータ読取り可能なメディアに記憶されたコンピュータ読取り可能な命令は、計算装置710のプロセッシングユニット702によって実行可能である。ハードドライブ、CD−ROM、フラッシュメモリ及びRAMは、コンピュータ読取り可能なメディアを含む物品の例である。例えば、本発明の教示に従い、セルフサーボ書き込み動作を実行可能なコンピュータプログラムが含まれてもよい。更に、ウェッジオフセットリダクションフィールドといったトラック補正因子を決定するため、コンピュータプログラムがコンピュータ読み取り可能なメディアに記憶されてもよい。
【0072】
上述の特定の実施形態の説明は、本発明の一般的な性質を効果的に明らかにしており、現在の知識の適用により、包括的な概念から逸脱することなく、様々な応用のために容易に修正及び/又は適合が可能である。従って、このような適合及び修正は、開示された実施形態の等価物の意義及び範囲内に包括されることが意図されている。
【0073】
本明細書において採用された語法や用語は、説明を目的とするものであり、限定のためではないということが理解される。従って本発明は、添付の請求項の精神と範囲内に含まれるこのような代替物、修正、等価物、及び変形全てを包含することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】実施形態の一例による、磁気記録再生装置(ハードディスクドライブ)の分解図。
【図2】実施形態の一例による、サーボパターンを有する、図1に示されるディスクドライブのディスクの部分詳細図。
【図3】実施形態の一例による、サーボバーストの他の配置の表現。
【図4】実施形態の一例による、セルフサーボ書き込み方法のフローチャート。
【図5】実施形態の一例による、ハードディスクドライブのブロック図。
【図6】実施形態の一例による、トラック補正因子決定方法のフローチャート。
【図7】実施形態の各例によって説明される方法及び装置を実施するためのコンピュータシステムのブロック図の例。
【符号の説明】
【0075】
100…ディスクドライブ、102…ハウジング、104…ハウジングベース、106…ハウジングカバー、110…磁気リターンプレート、112…ボイスコイルモータ、120…ディスク、121…クランプ、122…スピンドル、130…回転アクチュエータ、132…ベアリング、134…ボイスコイル、146…トランスデューシングヘッド、150…ランプ、165…スライダ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク表面上でトラックのセルフサーボ書き込みを行うことと、
前記トラック内の多数のウェッジについてPESを決定することと、
多数のウェッジからの多数のPES値の関数として、前記トラックについてトラック値を計算することと、
前記トラックについて計算されたトラック値を、トラック値限界と比較することと、
比較に基づいて回復動作を実行することと、
を具備する方法。
【請求項2】
前記多数のウェッジからの多数のPES値の関数として、前記トラックについてトラック値を計算することは、ディスク表面の一回転における全てのウェッジからの各PES値の関数として、前記トラックについてトラック値を計算することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トラック値を計算することは、前記多数のPES値内の個々のPESそれぞれの二乗の和を計算することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記トラック値を計算することは、前記多数のPES値内の個々のPESそれぞれの二乗の和の平方根を計算することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記トラック値を計算することは、前記多数のPES値のうちの個々のPESそれぞれの二乗の和の平方根の3倍を計算することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記回復動作を実行することは、前記トラックを再書き込みすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記回復動作を実行することは、前記トラックをまず消去して、それから当該トラックの再書き込みを行うことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
更なるトラック補正因子を反復して計算及び精密化することと、いったん前記トラック値が前記トラック値限界よりも小さくなれば反復を終了させることとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ディスク表面上でトラックのセルフサーボ書き込みを行うことと、
前記トラック内の多数のウェッジについてPESを決定することと、
多数のウェッジからの多数のPES値の関数として、前記トラックについてトラック値を計算することと、
前記トラックについて計算されたトラック値を、トラック値限界と比較することと、
比較に基づいて回復動作を実行することと、
多数の以前のトラックからのトラック値に基づいて、セルフサーボ書き込みが進行すると前記トラック値限界を修正することと、
を具備する方法。
【請求項10】
前記トラック値限界を修正することは、高許容範囲を示すドライブについて、厳しく制御された限界へ当該トラック値限界を低減させることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記トラック値限界を修正することは、低許容範囲を示すドライブについて、緩く制御された限界へ当該トラック値限界を増大させることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記トラック値限界を修正することは、前記ディスク表面の内径において厳しく制御された限界から、前記ディスク表面の外径においてより緩く制御された限界へと、当該トラック値限界を変動させることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
多数の以前のトラックからのトラック値に基づいて、セルフサーボ書き込みが進行すると前記トラック値限界を修正することは、多数の以前のトラックからのトラック値のローパスフィルタに基づいて修正することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
多数の以前のトラックからのトラック値に基づいて、セルフサーボ書き込みが進行すると前記トラック値限界を修正することは、多数の以前のトラックからのトラック値の平均に基づいて修正することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
ハードディスクと、
前記ハードディスク上のトラックを追う読み出し/書き込みヘッドと、
メディアに記憶され前記ハードディスクドライブシステムに連結されたコンピュータ読み取り可能な命令であって、当該命令が実行されると前記読み出し/書き込みヘッドに
前記ハードディスク上でトラックのセルフサーボ書き込みを行うことと、
前記トラック内の多数のウェッジについてPESを決定することと、
多数のウェッジからの多数のPES値の関数として、前記トラックについてトラック値を計算することと、
前記トラックについて計算されたトラック値を、トラック値限界と比較することと、
比較に基づいて回復動作を実行することと、
を含む多数の動作を行わせる命令と、
を具備するハードディスクドライブシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−245576(P2009−245576A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258510(P2008−258510)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】