説明

トランスジェニック植物の潜在生産能力の改善利用方法

本発明は、トランスジェニック植物の潜在生産能力の改善された使用方法に関し、該植物は、有効量の少なくとも1つの式(I)の化合物で処理される


(式中、RおよびAは、本明細書に示される意味を有する。)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスジェニック植物の潜在生産能力の利用を改善する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、農業におけるトランスジェニック植物の割合は、これまで地域的な差異が依然として顕著であるものの、著しく増大している。したがって、例えば米国におけるトランスジェニックトウモロコシの割合は、2001年以来、26%から52%と2倍に増大しているが、トランスジェニックトウモロコシは、ドイツでは実際的な重要性が殆どない。しかし他の欧州諸国、例えばスペインでは、トランスジェニックトウモロコシの割合は、既に約12%になっている。
【0003】
トランスジェニック植物は主に、起こり得る生産手段の投入を最小限にして、最も望ましい方式でそれぞれの植物種の潜在生産能力を利用するために使用される。植物の遺伝子修飾の目的は、特に、幾つかの害虫または有害生物または除草剤および非生物的ストレス(例えば干ばつ、熱または高い塩濃度)に対して、植物において抵抗性を発生させることである。例えば、選択されたビタミンもしくは油の含量などの特定の質または生成物の特性を高めるため、または幾つかの線維特性を改善するために、植物を遺伝子修飾することも可能である。
【0004】
除草剤への抵抗性または耐性は、例えば、特定の除草剤を解毒するための酵素を発現させるために、遺伝子を有用な植物に組み込むことによって実現することができ、その結果、広葉雑草および雑草を制御するためのこれらの除草剤の存在下でも、これらの植物の比較的容易な成長が可能になる。列挙され得る例には、除草活性のある化合物グリホサート(Roundup(登録商標))、(Roundup Ready(登録商標)、Monsanto)または除草剤としてのグルホシネートもしくはオキシニル(oxynil)に耐性のあるワタ種またはトウモロコシ種がある。
【0005】
より最近では、2つ以上の遺伝子修飾(「積重ね(stacked)トランスジェニック植物」または多重(multiply)トランスジェニック作物)を含む有用な植物の開発も進められている。したがって、例えばMonsantoは、ヨーロピアンコーンボーラー(European corn borer)(オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis))およびウェスタンコーンルートワーム(Western corn rootworm)(ジアブロチカ・ビルギフェラ(Diabrotica virgifera))に抵抗性のある多重トランスジェニックトウモロコシ種を開発している。また、ウェスタンコーンルートワームおよびオオタバコガ(cotton bollworm)に抵抗性があり、除草剤Roundup(登録商標)にも耐性があるトウモロコシおよびワタ作物が知られている。
【0006】
今回、有用なトランスジェニック植物の潜在生産能力の利用は、該植物を以下に定義の1つまたは複数の式(I)の化合物で処理することによってさらに改善できることが見出された。ここで「処理」という用語は、これらの活性化合物と少なくとも1つの植物部分との接触をもたらすあらゆる手段を含む。「植物部分」は、苗条、葉、花および根などの植物のあらゆる地上および地下部分および組織、例えば葉、針葉、柄、茎、花、子実体、実および種子、ならびに根、塊茎および根茎を意味すると理解されたい。植物部分には、収穫された材料ならびに栄養および生殖繁殖材料、例えば挿木、塊茎、根茎、かき苗(slip)および種子も含まれる。
【0007】
式(I)の化合物
【0008】
【化1】

[式中、
Aは、ピリド−2−イルもしくはピリド−4−イルを表し、またはフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチルもしくはトリフルオロメトキシによって6位において場合によって置換されているピリド−3−イルを表し、または塩素もしくはメチルによって6位において場合によって置換されているピリダジン−3−イルを表し、またはピラジン−3−イルを表し、または2−クロロピラジン−5−イルを表し、または塩素もしくはメチルによって2位において場合によって置換されている1,3−チアゾール−5−イルを表し、または
Aは、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル(フッ素および/または塩素によって場合によって置換されている)、C−C−アルキルチオ(フッ素および/または塩素によって場合によって置換されている)またはC−C−アルキルスルホニル(フッ素および/または塩素によって場合によって置換されている)によって場合によって置換されているピリミジニル、ピラゾリル、チオフェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4−トリアゾリルまたは1,2,5−チアジアゾリル基を表し、
または
Aは、基
【0009】
【化2】

(式中、Xは、ハロゲン、アルキルまたはハロアルキルを表し、
Yは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アジドまたはシアノを表す。)を表し、
は、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロシクロアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキルまたはハロシクロアルキルアルキルを表す。]
およびそれらの殺虫作用は、従来技術から知られている(欧州特許第0 539 588号明細書、国際公開第2007/115644号、国際公開第2007/115643号、国際公開第2007/115646号参照)。
【0010】
これらの文献から、当業者は、式(I)の化合物の調製方法および使用方法、ならびに式(I)の化合物の作用を知ることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許第0 539 588号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/115644号
【特許文献3】国際公開第2007/115643号
【特許文献4】国際公開第2007/115646号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の式(I)の化合物の好ましい下位群を以下に列挙する。
【0013】
Aは、好ましくは6−フルオロピリド−3−イル、6−クロロピリド−3−イル、6−ブロモピリド−3−イル、6−メチルピリド−3−イル、6−トリフルオロメチルピリド−3−イル、6−トリフルオロメトキシピリド−3−イル、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル、6−メチル−1,4−ピリダジン−3−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルまたは2−メチル−1,3−チアゾール−5−イル、2−クロロピリミジン−5−イル、2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イル、5,6−ジフルオロピリド−3−イル、5−クロロ−6−フルオロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−フルオロピリド−3−イル、5−ヨード−6−フルオロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、5,6−ジクロロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イル、5−ヨード−6−クロロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イル、5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イル、5,6−ジブロモピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ヨードピリド−3−イル、5−クロロ−6−ヨードピリド−3−イル、5−ブロモ−6−ヨードピリド−3−イル、5−メチル−6−フルオロピリド−3−イル、5−メチル−6−クロロピリド−3−イル、5−メチル−6−ブロモピリド−3−イル、5−メチル−6−ヨードピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−フルオロピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−クロロピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−ブロモピリド−3−イルまたは5−ジフルオロメチル−6−ヨードピリド−3−イルを表す。
【0014】
は、好ましくは、場合によってフッ素置換されたC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルアルキルまたはC−C−アルコキシを表す。
【0015】
Aは、特に好ましくは、基6−フルオロピリド−3−イル、6−クロロピリド−3−イル、6−ブロモピリド−3−イル、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル、2−クロロピリミジン−5−イル、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、5,6−ジクロロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イル、5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イル、5,6−ジブロモピリド−3−イル、5−メチル−6−クロロピリド−3−イル、5−クロロ−6−ヨードピリド−3−イルまたは5−ジフルオロメチル−6−クロロピリド−3−イル基を表す。
【0016】
は、特に好ましくは、メチル、メトキシ、エチル、プロピル、ビニル、アリル、プロパルギル、シクロプロピル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチルまたは2−フルオロシクロプロピルを表す。
【0017】
Aは、特に非常に好ましくは、基6−フルオロピリド−3−イル、6−クロロピリド−3−イル、6−ブロモピリド−3−イル、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルまたは5,6−ジクロロピリド−3−イルを表す。
【0018】
は、特に非常に好ましくは、メチル、シクロプロピル、メトキシ、2−フルオロエチルまたは2,2−ジフルオロエチルを表す。
【0019】
Aは、最も好ましくは、基6−クロロピリド−3−イルまたは5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0020】
は、最も好ましくは、メチル、2−フルオロエチルまたは2,2−ジフルオロエチルを表す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
式(I)の化合物の代表的な群において、Aは6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0022】
【化3】

【0023】
式(I)の化合物のさらなる代表的な群において、Aは6−ブロモピリド−3−イルを表す。
【0024】
【化4】

【0025】
式(I)の化合物のさらなる代表的な群において、Aは6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イルを表す。
【0026】
【化5】

【0027】
式(I)の化合物のさらなる代表的な群において、Aは2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルを表す。
【0028】
【化6】

【0029】
式(I)の化合物のさらなる代表的な群において、Aは5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0030】
【化7】

【0031】
式(I)の化合物のさらなる代表的な群において、Aは5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イルを表す。
【0032】
【化8】

【0033】
式(I)の化合物のさらなる代表的な群において、Aは5,6−ジクロロピリド−3−イルを表す。
【0034】
【化9】

【0035】
式(I)の化合物のさらなる代表的な群において、Rはメチルを表す。
【0036】
式(I)の化合物のさらなる代表的な群において、Rはエチルを表す。
【0037】
式(I)の化合物のさらなる代表的な群において、Rはシクロプロピルを表す。
【0038】
式(I)の化合物のさらなる代表的な群において、Rは2−フルオロエチルを表す。
【0039】
式(I)の化合物のさらなる代表的な群において、Rは2,2−ジフルオロエチルを表す。
【0040】
一般に先に列挙した、または好ましい範囲において列挙した基の定義および例示は、所望に応じて、即ち特定の好ましい範囲の間を含み、互いに組み合わせることができる。
【0041】
本発明によれば、好ましいのは、好ましいものとして先に列挙した定義の組合せが存在する式(I)の化合物である。
【0042】
本発明によれば、特に好ましいのは、特に好ましいものとして先に列挙した定義の組合せが存在する式(I)の化合物である。
【0043】
本発明によれば、特に非常に好ましいのは、特に非常に好ましいものとして先に列挙した定義の組合せが存在する式(I)の化合物である。
【0044】
式(I)の化合物の好ましい下位群は、式(I−a)の化合物である。
【0045】
【化10】

式中、
Bは、ピリド−2−イルもしくはピリド−4−イルを表し、またはフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチルもしくはトリフルオロメトキシによって6位において場合によって置換されているピリド−3−イルを表し、または塩素もしくはメチルによって6位において場合によって置換されているピリダジン−3−イルを表し、またはピラジン−3−イルを表し、または2−クロロピラジン−5−イルを表し、または塩素もしくはメチルによって2位において場合によって置換されている1,3−チアゾール−5−イルを表し、
は、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロシクロアルキルまたはハロシクロアルキルアルキルを表す。
【0046】
前述および後述の式(I−a)において列挙した基の好ましい置換基または範囲を以下に示す。
【0047】
Bは、好ましくは、6−フルオロピリド−3−イル、6−クロロピリド−3−イル、6−ブロモピリド−3−イル、6−メチルピリド−3−イル、6−トリフルオロメチルピリド−3−イル、6−トリフルオロメトキシピリド−3−イル、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル、6−メチル−1,4−ピリダジン−3−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルまたは2−メチル−1,3−チアゾール−5−イルを表す。
【0048】
は、好ましくは、フッ素置換されたC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキルまたはC−C−シクロアルキルアルキルを表す。
【0049】
Bは、特に好ましくは、基6−フルオロピリド−3−イル、6−クロロピリド−3−イル、6−ブロモピリド−3−イル、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルを表す。
【0050】
は、特に好ましくは、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2−フルオロシクロプロピルを表す。
【0051】
Bは、特に非常に好ましくは、基6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0052】
は、特に非常に好ましくは、2−フルオロエチルまたは2,2−ジフルオロエチルを表す。
【0053】
式(I−a)の化合物の代表的な群において、Bは6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0054】
【化11】

【0055】
式(I−a)の化合物のさらなる代表的な群において、Bは6−ブロモピリド−3−イルを表す。
【0056】
【化12】

【0057】
式(I−a)の化合物のさらなる代表的な群において、Bは6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イルを表す。
【0058】
【化13】

【0059】
式(I−a)の化合物のさらなる代表的な群において、Rは2−フルオロエチルを表す。
【0060】
式(I−a)の化合物のさらなる代表的な群において、Rは2,2−ジフルオロエチルを表す。
【0061】
式(I)の化合物のさらに好ましい下位群は、式(I−b)の化合物である。
【0062】
【化14】

式中、
Dは、基
【0063】
【化15】

を表し、式中、
XおよびYは、前述の意味を有し、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたはアルコキシを表す。
【0064】
前述および後述の式(I−b)において列挙した基の好ましい置換基または範囲を以下に示す。
【0065】
Dは、好ましくは基5,6−ジフルオロピリド−3−イル、5−クロロ−6−フルオロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−フルオロピリド−3−イル、5−ヨード−6−フルオロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、5,6−ジクロロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イル、5−ヨード−6−クロロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イル、5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イル、5,6−ジブロモピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ヨードピリド−3−イル、5−クロロ−6−ヨードピリド−3−イル、5−ブロモ−6−ヨードピリド−3−イル、5−メチル−6−フルオロピリド−3−イル、5−メチル−6−クロロピリド−3−イル、5−メチル−6−ブロモピリド−3−イル、5−メチル−6−ヨードピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−フルオロピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−クロロピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−ブロモピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−ヨードピリド−3−イルの1つを表す。
【0066】
は、好ましくはC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニルまたはC−C−シクロアルキルを表す。
【0067】
Dは、特に好ましくは、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、5,6−ジクロロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イル、5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イル、5,6−ジブロモピリド−3−イル、5−メチル−6−クロロピリド−3−イル、5−クロロ−6−ヨードピリド−3−イルまたは5−ジフルオロメチル−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0068】
は、特に好ましくは、C−C−アルキルを表す。
【0069】
Dは、特に非常に好ましくは、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イルまたは5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イルを表す。
【0070】
は、特に非常に好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ビニル、アリル、プロパルギルまたはシクロプロピルを表す。
【0071】
Dは、最も好ましくは、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0072】
は、最も好ましくは、メチルまたはシクロプロピルを表す。
【0073】
式(I−b)の化合物のさらなる代表的な群において、Dは5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0074】
【化16】

【0075】
式(I−b)の化合物のさらなる代表的な群において、Dは5,6−ジクロロピリド−3−イルを表す。
【0076】
【化17】

【0077】
式(I−b)の化合物のさらなる代表的な群において、Dは5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0078】
【化18】

【0079】
式(I−b)の化合物のさらなる代表的な群において、Dは5−メチル−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0080】
【化19】

【0081】
式(I−b)の化合物のさらなる代表的な群において、Dは5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イルを表す。
【0082】
【化20】

【0083】
式(I−b)の化合物のさらなる代表的な群において、Dは5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イルを表す。
【0084】
【化21】

【0085】
式(I−b)の化合物のさらなる代表的な群において、Dは5−クロロ−6−ヨードピリド−3−イルを表す。
【0086】
【化22】

【0087】
式(I−b)の化合物のさらなる代表的な群において、Rはメチルを表す。
【0088】
式(I−b)の化合物のさらなる代表的な群において、Rはエチルを表す。
【0089】
式(I−b)の化合物のさらなる代表的な群において、Rはシクロプロピルを表す。
【0090】
式(I)の化合物のさらに好ましい下位群は、式(I−c)の化合物である。
【0091】
【化23】

式中、
Eは、基
【0092】
【化24】

を表し、式中、
XおよびYは、前述の意味を有し、
は、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロシクロアルキルまたはハロシクロアルキルアルキルを表す。
【0093】
前述および後述の式(I−c)において列挙した基の好ましい置換基または範囲を以下に示す。
【0094】
Eは、好ましくは基5,6−ジフルオロピリド−3−イル、5−クロロ−6−フルオロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−フルオロピリド−3−イル、5−ヨード−6−フルオロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、5,6−ジクロロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イル、5−ヨード−6−クロロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イル、5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イル、5,6−ジブロモピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ヨードピリド−3−イル、5−クロロ−6−ヨードピリド−3−イル、5−ブロモ−6−ヨードピリド−3−イル、5−メチル−6−フルオロピリド−3−イル、5−メチル−6−クロロピリド−3−イル、5−メチル−6−ブロモピリド−3−イル、5−メチル−6−ヨードピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−フルオロピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−クロロピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−ブロモピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−ヨードピリド−3−イルの1つを表す。
【0095】
は、好ましくは、フッ素置換されたC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキルまたはC−C−シクロアルキルアルキルを表す。
【0096】
Eは、特に好ましくは2−クロロピリミジン−5−イル、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、5,6−ジクロロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イル、5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イル、5,6−ジブロモピリド−3−イル、5−メチル−6−クロロピリド−3−イル、5−クロロ−6−ヨードピリド−3−イルまたは5−ジフルオロメチル−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0097】
は、特に好ましくは、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2−フルオロシクロプロピルを表す。
【0098】
Eは、特に非常に好ましくは、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0099】
は、特に非常に好ましくは、2−フルオロエチルまたは2,2−ジフルオロエチルを表す。
【0100】
式(I−c)の化合物のさらなる代表的な群において、Eは5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0101】
【化25】

【0102】
式(I−c)の化合物のさらなる代表的な群において、Eは5,6−ジクロロピリド−3−イルを表す。
【0103】
【化26】

【0104】
式(I−c)の化合物のさらなる代表的な群において、Eは5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0105】
【化27】

【0106】
式(I−c)の化合物のさらなる代表的な群において、Eは5−メチル−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0107】
【化28】

【0108】
式(I−c)の化合物のさらなる代表的な群において、Eは5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イルを表す。
【0109】
【化29】

【0110】
式(I−c)の化合物のさらなる代表的な群において、Eは5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イルを表す。
【0111】
【化30】

【0112】
式(I−c)の化合物のさらなる代表的な群において、Eは5−クロロ−6−ヨードピリド−3−イルを表す。
【0113】
【化31】

【0114】
式(I−c)の化合物のさらなる代表的な群において、Rは2−フルオロエチルを表す。
【0115】
式(I−c)の化合物のさらなる代表的な群において、Rは2,2−ジフルオロエチルを表す。
【0116】
式(I)の化合物の好ましい下位群は、式(I−d)の化合物である。
【0117】
【化32】

式中、
Gは、ピリド−2−イルもしくはピリド−4−イルを表し、またはフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチルもしくはトリフルオロメトキシによって6位において場合によって置換されているピリド−3−イルを表し、または塩素もしくはメチルによって6位において場合によって置換されているピリダジン−3−イルを表し、またはピラジン−3−イルを表し、または2−クロロピラジン−5−イルを表し、または塩素もしくはメチルによって2位において場合によって置換されている1,3−チアゾール−5−イルを表し、
は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキルまたはC−C−アルコキシを表す。
【0118】
前述および後述の式(I−d)において列挙した基の好ましい置換基または範囲を以下に示す。
【0119】
Gは、好ましくは、6−フルオロピリド−3−イル、6−クロロピリド−3−イル、6−ブロモピリド−3−イル、6−メチル−ピリド−3−イル、6−トリフルオロメチルピリド−3−イル、6−トリフルオロメトキシピリド−3−イル、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル、6−メチル−1,4−ピリダジン−3−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルまたは2−メチル−1,3−チアゾール−5−イルを表す。
【0120】
は、好ましくは、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニル、C−C−アルキニルまたはC−C−シクロアルキルを表す。
【0121】
Gは、特に好ましくは、基6−フルオロピリド−3−イル、6−クロロピリド−3−イル、6−ブロモピリド−3−イル、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルを表し、
は、特に好ましくは、メチル、メトキシ、エチル、プロピル、ビニル、アリル、プロパルギルまたはシクロプロピルを表す。
【0122】
Gは、特に非常に好ましくは、基6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0123】
は、特に非常に好ましくは、メチルまたはシクロプロピルを表す。
【0124】
式(I−d)の化合物のさらなる代表的な群において、Gは6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0125】
【化33】

【0126】
式(I−d)の化合物のさらなる代表的な群において、Gは6−ブロモピリド−3−イルを表す。
【0127】
【化34】

【0128】
式(I−d)の化合物のさらなる代表的な群において、Gは6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イルを表す。
【0129】
【化35】

【0130】
式(I−d)の化合物のさらなる代表的な群において、Gは2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルを表す。
【0131】
【化36】

【0132】
式(I−d)の化合物のさらなる代表的な群において、Gは6−フルオロピリド−3−イルを表す。
【0133】
【化37】

【0134】
式(I−d)の化合物のさらなる代表的な群において、Gは6−トリフルオロメチルピリド−3−イルを表す。
【0135】
【化38】

【0136】
式(I−d)の化合物のさらなる代表的な群において、Gは6−フルオロピリド−3−イルを表す。
【0137】
【化39】

【0138】
式(I−d)の化合物のさらなる代表的な群において、Rはメチルを表す。
【0139】
式(I−d)の化合物のさらなる代表的な群において、Rはシクロプロピルを表す。
【0140】
特に、一般式(I)の以下の化合物を挙げることができる。
【0141】
化合物(I−1)、4−{[(6−ブロモピリド−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オンは、式
【0142】
【化40】

を有し、これは国際特許出願国際公開第2007/115644号から知られている。
【0143】
化合物(I−2)、4−{[(6−フルオロピリド−3−イル)メチル](2,2−ジフルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オンは、式
【0144】
【化41】

を有し、これは国際特許出願国際公開第2007/115644号から知られている。
【0145】
化合物(I−3)、4−{[(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オンは、式
【0146】
【化42】

を有し、これは国際特許出願国際公開第2007/115644号から知られている。
【0147】
化合物(I−4)、4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オンは、式
【0148】
【化43】

を有し、これは国際特許出願国際公開第2007/115644号から知られている。
【0149】
化合物(I−5)、4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](2,2−ジフルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オンは、式
【0150】
【化44】

を有し、これは国際特許出願国際公開第2007/115644号から知られている。
【0151】
化合物(I−6)、4−{[(6−クロロ−5−フルオロピリド−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オンは、式
【0152】
【化45】

を有し、これは国際特許出願国際公開第2007/115643号から知られている。
【0153】
化合物(I−7)、4−{[(5,6−ジクロロピリド−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オンは、式
【0154】
【化46】

を有し、これは国際特許出願国際公開第2007/115646号から知られている。
【0155】
化合物(I−8)、4−{[(6−クロロ−5−フルオロピリド−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オンは、式
【0156】
【化47】

を有し、これは国際特許出願国際公開第2007/115643号から知られている。
【0157】
化合物(I−9)、4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オンは、式
【0158】
【化48】

を有し、これは欧州特許第0 539 588号明細書から知られている。
【0159】
化合物(I−10)、4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オンは、式
【0160】
【化49】

を有し、これは欧州特許第0 539 588号明細書から知られている。
【0161】
好ましいのは、前述の式(I−a)、(I−b)、(1−c)および(I−d)の化合物からなる群から選択される式(I)の化合物である。
【0162】
さらに好ましいのは、前述の式(I−a)、(I−b)および(I−c)の化合物からなる群から選択される式(I)の化合物である。
【0163】
特に好ましいのは、Aが、基6−フルオロピリド−3−イル、6−クロロピリド−3−イル、6−ブロモピリド−3−イル、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルおよび5,6−ジクロロピリド−3−イルから選択され、Rが、基メチル、シクロプロピル、メトキシ、2−フルオロエチルまたは2,2−ジフルオロエチルから選択される式(I)の化合物である。
【0164】
特に非常に好ましいのは、式(I−1)、(I−2)、(I−3)、(I−4)、(I−5)、(I−6)、(I−7)、(I−8)、(I−9)および(I−10)の化合物からなる群から選択される式(I)の化合物である。
【0165】
本発明によれば、「アルキル」は、1から6個、好ましくは1から4個の炭素原子を有する直鎖または分岐脂肪族炭化水素を表す。適切なアルキル基は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−、イソ−、sec−またはtert−ブチル、ペンチルまたはヘキシルである。アルキル基は、非置換であってよく、またはここに列挙した置換基の少なくとも1つによって置換されている。
【0166】
本発明によれば、「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を有する直鎖または分岐炭化水素を表す。アルケニル基の二重結合は、非共役であってよく、または不飽和結合もしくは基と共役している。2から6個または3から6個の炭素原子を有するアルケニル基が好ましい。適切なアルケニル基は、例えばビニルまたはアリルである。アルケニル基は、非置換であってよく、またはここに列挙した置換基の少なくとも1つによって置換されている。
【0167】
本発明によれば、「アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合を有する直鎖または分岐炭化水素を表す。アルキニル基の三重結合は、非共役であってよく、または不飽和結合もしくは基と共役している。2から6個または3から6個の炭素原子を有するアルキニル基が好ましい。適切なアルキニル基は、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、メチルプロピニル、4−メチル−1−ブチニル、4−プロピル−2−ペンチニルおよび4−ブチル−2−ヘキシニルである。アルキニル基は、非置換であってよく、またはここに列挙した置換基の少なくとも1つによって置換されている。
【0168】
本発明によれば、「シクロアルキル」は、3から6個の炭素原子を有する環式炭化水素を表す。適切なシクロアルキル基は、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。シクロアルキル基は、非置換であってよく、またはここに列挙した置換基の少なくとも1つによって置換されている。
【0169】
本発明によれば、「アルコキシ」は、1から6個の炭素原子、好ましくは1から4個の炭素原子を有するアルコキシ基を表す。適切なアルコキシ基は、例えばメチルオキシ、エチルオキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−、iso−、sec−またはtert−ブチルオキシ、ペンチルオキシまたはヘキシルオキシである。アルコキシ基は、非置換であってよく、またはここに列挙した置換基の少なくとも1つによって置換されている。
【0170】
本発明によれば、「アルキルアミノ」は、1から6個の炭素原子、好ましくは1から4個の炭素原子を有するアルキルアミノ基を表す。適切なアルキルアミノ基は、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、i−プロピルアミノ、n−、iso−、sec−もしくはtert−ブチルアミノ、ペンチルアミノまたはヘキシルアミノである。アルキルアミノ基は、非置換であってよく、またはここに列挙した置換基の少なくとも1つによって置換されている。
【0171】
本発明によれば、「複素環化合物」は、好ましくは3から14個、特に好ましくは3から10個、特に非常に好ましくは5から6個の炭素原子を有する環式炭化水素を表し、これは、例えば窒素、酸素または硫黄などの少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、定法によって調製することができる。複素環化合物は、飽和および不飽和結合または基を含有することができ、これらは、さらなる不飽和結合または基とさらに共役している。適切な複素環化合物は、例えばオキシラン、アジリジン、アゼチジン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テトラヒドロフラン−2−オン、カプロラクタム;例えば2H−ピロール、4H−ピラン、1,4−ジヒドロピリジンなどの不飽和複素環化合物;ならびに例えばピロール、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、オキサチアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、プリン、プテリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジンおよびフェナジンなどのヘテロアリールである。複素環化合物は、非置換であってよく、またはここに列挙した置換基の少なくとも1つによって置換されている。
【0172】
本発明によれば、「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくはフッ素、塩素または臭素を表す。
【0173】
本発明によれば、「ハロアルキル」は、少なくとも1つの水素原子がハロゲンによって置換されている、1から6個、好ましくは1から4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。適切なハロアルキル基は、例えばCHF、CHF、CF、CFCl、CFCl、CCl、CFBr、CFCF、CFHCF、CHCF、CHCHF、CHCHF、CFClCF、CClCF、CFCH、CFCHF、CFCHF、CFCFCl、CFCFBr、CFHCH、CFHCHF、CHFCF、CHFCFCl、CHFCFBr、CFClCF、CClCF、CFCFCF、CHCHCHF、CHCHFCH、CHCFCF、CFCHCF、CFCFCH、CHFCFCF、CFCHFCF、CFCFCHF、CFCFCHF、CFCFCFCl、CFCFCFBr、1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル、ペンタフルオロエチル、1−(ジフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル、2−ブロモ−1,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル、1−(ジフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチルである。ハロアルキル基は、非置換であってよく、またはここに列挙した置換基の少なくとも1つによって置換されている。
【0174】
本発明によれば、「アリール」は、6から10個、好ましくは6個の炭素原子を有するアリール基を表す。適切なアリール基は、例えばフェニルまたはナフチルである。アリール基は、非置換であってよく、またはここに列挙した置換基の少なくとも1つによって置換されている。
【0175】
好ましいのは、殺虫作用のある化合物の2つ以上、好ましくは2つまたは3つ、特に好ましくは2つの混合物である。
【0176】
本発明によって提案される方法によれば、トランスジェニック植物、特に有用な植物は、農業生産性を高めるために、式(I)の化合物で処理される。本発明の目的では、トランスジェニック植物は、施肥の結果物ではない少なくとも1つの遺伝子または遺伝子フラグメントを含有する植物である。この遺伝子または遺伝子フラグメントは、同じ属種の別の植物から、異なる属種の植物からだけでなく、動物界または微生物(ウイルスを含む)(「外来遺伝子」)からの生物に起源または由来することができ、および/または適切な場合には、天然に生じる配列と比較される突然変異を既に有していてもよい。本発明によれば、合成遺伝子を使用することも可能であり、これは本明細書の「外来遺伝子」という用語にも含まれる。異なる起源の2つ以上の外来遺伝子をコードするトランスジェニック植物も可能である。
【0177】
本発明の目的では、「外来遺伝子」はさらに、トランスジェニック植物において幾つかの生物学的または化学的機能または活性を有する核酸配列を含むことを特徴とする。一般にこれらの遺伝子は、例えば酵素もしくはリボザイムなどの生体触媒をコードし、または例えば内因性タンパク質の発現を制御するための促進剤もしくは停止剤などの調節配列を含む。しかしこの目的を達成するために、これらの遺伝子は、例えば抑制物質または誘導物質などの調節タンパク質をコードすることもできる。さらに外来遺伝子は、例えばシグナルペプチドをコードするトランスジェニック植物の遺伝子産物の標的位置を提供することもできる。外来遺伝子は、例えばアンチセンスRNAなどの阻害剤をコードすることもできる。
【0178】
当業者は、トランスジェニック植物の多種多様な生成方法、ならびに遺伝子形質転換およびクローニングのための標的突然変異の方法を、例えばWillmitzer、1993年、Transgenic plantsから:Biotechnology、A Multivolume Comprehensive Treatise、Rehmら(編集)、第2巻、627−659頁、VCH Weinheim、ドイツにおいて容易に知ることができる。
【0179】
有用な植物の複雑な遺伝子操作の良好な例は、いわゆるGURT技術(「遺伝子利用制限技術(Genetic Use Restriction Technologies)」)であり、これは、問題のトランスジェニック植物種の繁殖の技術的な制御を可能にするものである。この目的を達成するために、一般に2つまたは3つの外来遺伝子を有用な植物にクローニングし、これによって、外部刺激の適用後の複雑な相互反応において、そうでなければ発生する胚の死滅をもたらすカスケードが誘発される。この目的を達成するために、外部刺激(例えば、活性化合物または別の化学的もしくは非生物的刺激)は、例えば抑制物質と相互反応することができ、次いでその抑制物質は、リコンビナーゼの発現をそれ以上抑制しなくなり、その結果、そのリコンビナーゼは阻害剤を開裂し、したがって胚を死滅させる毒素を発現させることができる。この種のトランスジェニック植物の例は、米国特許第5,723,765号明細書または米国特許第5,808,034号明細書に開示されている。
【0180】
したがって当業者には、外来調節遺伝子の組込み、および適切な場合にはこのようにして媒介された内因性遺伝子もしくは遺伝子配列の過剰発現、抑制もしくは阻害により、または外来遺伝子もしくはそれらのフラグメントの存在もしくは発現により修飾された特性を有するトランスジェニック植物を発生させる方法が知られている。
【0181】
先に既に論じた通り、本発明の方法によって、トランスジェニック植物の潜在生産能力をより良好に利用することができる。一方このことは、適切な場合、本発明に従って使用できる活性化合物の適用率を、例えば使用する用量を低減するまたは適用回数を低減することによって低減できるということに基づくことができる。一方、適切な場合には、有用な植物の収率を、量的および/または質的に増大することができる。このことは特に、生物的または非生物的ストレスに対してトランスジェニックにより発生させた抵抗性の場合に当てはまる。例えば、式(I)の化合物が使用される場合、該化合物は、幾つかの場合、害虫に対する活性化合物の所望の作用を著しく低減することなく、殺虫剤の用量を致死未満量に制限することを可能にし得る。
【0182】
植物属種または植物種、それらの生息地および成長条件(土、気候、植生期間、栄養)に応じて、これらの相乗作用は変わり得、多種多様であり得る。したがって例えば、通常予期される効果を上回る、本発明に従って使用される化合物および組成物の低い適用率および/または活性範囲の拡大および/または活性の増大、より良好な植物の成長、高温または低温に対する高い耐性、干ばつまたは水分もしくは土壌の塩分に対する高い耐性、高い開花度、より容易な収穫、熟成の促進、より高い収穫率、収穫産物のより高い品質および/またはより高い栄養価、収穫産物の高い保存性および/または処理可能性が可能となる。
【0183】
これらの利点は、使用できる式(I)の化合物と、トランスジェニック植物の遺伝子修飾のそれぞれの作用原理との間で、本発明に従って達成される相乗作用の結果である。収率または品質の増大と同時に、相乗作用の結果としての生産手段のこの低減は、大きな経済的および生態学的利点に関連する。
【0184】
トランスジェニック植物分野の業者に公知の例の一覧と、植物において影響を受けるそれぞれの構造または列挙した植物の遺伝子修飾によって発現するタンパク質を、表1にまとめる。ここで、問題の構造または発現原理は、各場合、特定のストレス因子に対する耐性という意味の特定の特性によってグループ分けされている。類似の一覧(表3)も同様に、作用原理の例、それによって誘発される耐性および可能性がある有用な植物を、わずかに異なる配置でまとめている。本発明の処理に適したトランスジェニック植物のさらなる例を、表4にまとめる。
【0185】
有利な一実施形態では、式(I)の化合物は、Bt毒素をコードする少なくとも1つの遺伝子または遺伝子フラグメントを含むトランスジェニック植物を処理するために使用される。Bt毒素は、結晶性毒素(Cry)または細胞溶解性毒素(Cyt)の群のいずれかに属する土壌細菌バシラス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)に起源または由来するタンパク質である。細菌においてBt毒素は、元来プロトキシンとして形成され、アルカリ媒体において、例えば幾つかの摂取昆虫の消化管において初めてそれらの活性な形態に代謝される。そこで、活性な毒素は、次いで細胞表面において幾つかの炭化水素構造と結合し、細胞溶解をもたらし得る細胞の浸透ポテンシャルを破壊する細孔を形成させる。その結果、昆虫が死滅する。Bt毒素は特に、あらゆる成長段階の、即ち卵幼虫からそれらの若年形態を介してそれらの成虫形態までの鱗翅目(蝶類)、同翅目、双翅目および甲虫目(甲虫)からの特定の有害な属種に対して活性である。
【0186】
Bt毒素をコードする遺伝子配列、それらの部分、またはBt毒素に由来するペプチドもしくはタンパク質を、遺伝子技術を用いて農業的に有用な植物にクローニングして、Bt毒素に感受性のある害虫に対して内因性抵抗性を有するトランスジェニック植物を発生させ得ることが長らく知られている。本発明の目的では、少なくとも1つのBt毒素またはそれに由来するタンパク質をコードするトランスジェニック植物を、「Bt植物」と定義する。
【0187】
かかるBt植物の「第1世代」は一般に、特定の毒素を形成することができる遺伝子のみを含み、したがって、ある群の病原菌に対してのみ抵抗性を付与する。Cry1Ab毒素を形成する遺伝子を含む市販のトウモロコシ種の例は、ヨーロピアンコーンボーラーに対して抵抗性がある、Monsanto製の「YieldGard(登録商標)」である。その一方、Btワタ種(Bollgard(登録商標))において、鱗翅目の科に由来する他の病原菌に対する抵抗性は、Cry1Ac毒素を形成する遺伝子のクローニングにより導入することによって発生する。他のトランスジェニック作物植物も同様に、甲虫目から、病原菌に対して活性を有するBt毒素を形成する遺伝子を発現する。言及され得る例には、Cry3A毒素を形成することができ、したがってコロラドジャガイモハムシに抵抗性があるBtジャガイモ種「NewLeaf(登録商標)」(Monsanto)およびCry3Bb1毒素を形成することができ、したがってウェスタンコーンルートワームの様々な属種に対して保護されるトランスジェニックトウモロコシ種「YieldGard(登録商標)」(Monsanto)がある。
【0188】
「第2世代」では、少なくとも2つの外来遺伝子を発現または含む前述の多重トランスジェニック植物が発生した。
【0189】
本発明によれば、鱗翅目、甲虫目および双翅目に対して特に効果的な、Cry科の群に由来するBt毒素を有するトランスジェニック植物が好ましい(例えばCrickmoreら、1998年、Microbial.Mol.Biol.Rev.62:807−812頁参照)。そのタンパク質をコードする遺伝子の例は、cry1Aa1、cry1Aa2、cry1Aa3、cry1Aa4、cry1Aa5、cry1Aa6、cry1Aa7、cry1Aa8、cry1Aa9、cry1Aa10、cry1Aa11 cry1Ab1、cry1Ab2、cry1Ab3、cry1Ab4、cry1Ab5、cry1Ab6、cry1Ab7、cry1Ab8、cry1Ab9、cry1Ab10、cry1Ab11、cry1Ab12、cry1Ab13、cry1Ab14、cry1Ac1、cry1Ac2、cry1Ac3、cry1Ac4、cry1Ac5、cry1Ac6、cry1Ac7、cry1Ac8、cry1Ac9、cry1Ac10、cry1Ac11、cry1Ac12、cry1Ac13、cry1Ad1、cry1Ad2、cry1Ae1、cry1Af1、cry1Ag1、cry1Ba1、cry1Ba2、cry1Bb1、cry1Bc1、cry1Bd1、cry1Be1、cry1Ca1、cry1Ca2、cry1Ca3、cry1Ca4、cry1Ca5、cry1Ca6、cry1Ca7、cry1Cb1、cry1Cb2、cry1Da1、cry1Da2、cry1Db1、cry1Ea1、cry1Ea2、cry1Ea3、cry1Ea4、cry1Ea5、cry1Ea6、cry1Eb1、cry1Fa1、cry1Fa2、cry1Fb1、cry1Fb2、cry1Fb3、cry1Fb4、cry1Ga1、cry1Ga2、cry1Gb1、cry1Gb2、cry1Ha1、cry1Hb1、cry1Ia1、cry1Ia2、cry1Ia3、cry1Ia4、cry1Ia5、cry1Ia6、cry1Ib1、cry1Ic1、cry1Id1、cry1Ie1、cry1I−様、cry1Ja1、cry1Jb1、cry1Jc1、cry1Ka1、cry1−様、cry2Aa1、cry2Aa2、cry2Aa3、cry2Aa4、cry2Aa5、cry2Aa6、cry2Aa7、cry2Aa8、cry2Aa9、cry2Ab1、cry2Ab2、cry2Ab3、cry2Ac1、cry2Ac2、cry2Ad1、cry3Aa1、cry3Aa2、cry3Aa3、cry3Aa4、cry3Aa5、cry3Aa6、cry3Aa7、cry3Ba1、cry3Ba2、cry3Bb1、cry3Bb2、cry3Bb3、cry3Ca1、cry4Aa1、cry4Aa2、cry4Ba1、cry4Ba2、cry4Ba3、cry4Ba4、cry5Aa1、cry5Ab1、cry5Ac1、cry5Ba1、cry6Aa1、cry6Ba1、cry7Aa1、cry7Ab1、cry7Ab2、cry8Aa1、cry8Ba1、cry8Ca1、cry9Aa1、cry9Aa2、cry9Ba1、cry9Ca1、cry9Da1、cry9Da2、cry9Ea1、cry9様、cry10Aa1、cry10Aa2、cry11Aa1、cry11Aa2、cry11Ba1、cry11Bb1、cry12Aa1、cry13Aa1、cry14Aa1、cry15Aa1、cry16Aa1、cry17Aa1、cry18Aa1、cry18Ba1、cry18Ca1、cry19Aa1、cry19Ba1、cry20Aa1、cry21Aa1、cry21Aa2、cry22Aa1、cry23Aa1、cry24Aa1、cry25Aa1、cry26Aa1、cry27Aa1、cry28Aa1、cry28Aa2、cry29Aa1、cry30Aa1、cry31Aa1、cyt1Aa1、cyt1Aa2、cyt1Aa3、cyt1Aa4、cyt1Ab1、cyt1Ba1、cyt2Aa1、cyt2Ba1、cyt2Ba2、cyt2Ba3、cyt2Ba4、cyt2Ba5、cyt2Ba6、cyt2Ba7、cyt2Ba8、cyt2Bb1である。
【0190】
特に好ましいのは、亜科cry1、cry2、cry3、cry5およびcry9の遺伝子または遺伝子部分であり、特に好ましいのは、cry1Ab、cry1Ac、cry3A、cry3Bおよびcry9Cである。
【0191】
さらに、1つまたは複数のBt毒素に対する遺伝子に加えて、適切な場合、例えば、除草剤抵抗性のある(例えば、pat遺伝子またはbar遺伝子の発現により、グルホシネートまたはグリホサートに対して)プロテアーゼもしくはペプチド阻害剤(国際公開第A95/35031号など)を発現する遺伝子、または線虫、真菌もしくはウイルスに対して抵抗性をもつ(例えば、グルコナーゼ、キチナーゼを発現することによって)遺伝子も発現または含有する植物を使用することが好ましい。しかしこれらの植物は、それらの代謝特性において遺伝子修飾することもでき、その結果、それらは諸成分の量的および/または質的な変化を示す(例えばエネルギー、炭水化物、脂肪酸もしくは窒素の代謝を修飾することによって、またはこれらに影響を及ぼす代謝産物流によって(上を参照)。
【0192】
有用な植物への遺伝子修飾によって導入することができ、それら自体で、または組合せとして本発明の処理に適する作用原理の例の一覧を、表2にまとめる。見出し「AP」(活性原理)の下、この表は、それぞれの作用原理およびそれに関連する制御される害虫を含む。
【0193】
特に好ましい種では、本発明の方法は、トランスジェニック野菜、トウモロコシ、ダイズ植物、ワタ、タバコ、コメ、ジャガイモおよびテンサイ種を処理するために使用される。これらは、好ましくはBt植物である。
【0194】
野菜植物または野菜種は、例えば以下の有用な植物である。
【0195】
ジャガイモ:好ましくはデンプンジャガイモ、サツマイモおよび食卓用ジャガイモ、
根菜:好ましくはニンジン、カブ(スウェーデン、切り株のカブ(ブラッシカ・ラパ・バー・ラパ(Brassica rapa var.rapa))、春カブ、秋カブ(ブラッシカ・カンペストリス属種ラピフェラ(Brassica carnpestris ssp.rapifera))、ブラッシカ・ラパL.属種ラパf.テルトウィエンシス(Brassica rapa L.ssp.rapa f.teltowiensis))、フタナミソウ、キクイモ、根パセリ(turnip−rooted parsley)、パースニップ、ラディッシュおよびホースラディッシュ、
塊茎(tuber)野菜:好ましくはコールラビ、ビートルート、セロリアーク、ガーデンラディッシュ、
鱗茎(bulb)作物:好ましくは春タマネギ(scallion)、リーク(leek)およびタマネギ(植え付けタマネギおよび種子タマネギ)、
アブラナ(Brassica)野菜:好ましくはヘッド(headed)キャベツ(ホワイトキャベツ、レッドキャベツ、ケール、サボイキャベツ)、カリフラワー、ブロッコリー、カーリーケール、マロウステム(marrow−stem)ケール、ハマナおよび芽キャベツ、
果菜:好ましくはトマト(屋外トマト、完熟トマト、ビーフ(beef)トマト、温室トマト、カクテルトマト、工業用および生鮮市場用トマト)、メロン、ナス(eggplant)、ナス(aubergine)、ペッパー(スイートペッパーおよびホットペッパー、スパニッシュペッパー)、チリペパー、カボチャ、ズッキーニおよびキュウリ(屋外キュウリ、温室キュウリカラスウリおよびガーキン)、
豆類野菜:好ましくはツルナシインゲンマメ(緑および黄色斑点を有する栽培品種のソード(sword)マメ、ストリング(string)マメ、フラジョレット(flageolet)マメ、ワックスマメ、コーンマメとして)、ポール(pole)マメ(緑、青および黄色の鞘付き栽培品種のソードマメ、ストリングマメ、フラジョレットマメ、ワックスマメ)、ソラマメ(フィールドビーンズ、ウィンザー(Windsor)マメ、白および黒色斑点の花を有する栽培品種として)、エンドウマメ(ガラスマメ、ヒヨコマメ、マロウピー(marrow pea)、シェリングピー(shelling pea)、シュガーピー(sugar−pea)、スムース(smooth)ピー、薄緑および濃緑色の新鮮な果実を有する栽培品種)およびレンティル、
緑色野菜および茎菜:好ましくはハクサイ、ラウンドヘッド(round−headed)ガーデンレタス、カールレタス、ラムズ(lamb’s)レタス、アイスバーグレタス、ロメインレタス、オークリーフレタス、エンダイブ、ラディッキオ、ロロロッサ、ルッコラ(ruccola)レタス、チコリー、ホウレンソウ、フダンソウ(フダンソウの葉およびフダンソウの茎)およびパセリ、
他の野菜:好ましくはアスパラガス、ルバーブ、チャイブ、アーティチョーク、ミント種、ヒマワリ、フローレンスフェンネル、ディル、ガーデンクレス、マスタード、ポピーシード、ピーナッツ、ゴマおよびサラダチコリー。
【0196】
Bt野菜は、それらの例示的調製方法を含めて、例えばBartonら、1987年、Plant Physiol.85:1103−1109頁;Vaeckら、1987年、Nature 328:33−37頁;Fischhoffら、1987年、Bio/Technology 5:807−813頁に詳説されている。さらにBt野菜植物は、市販種、例えばジャガイモ栽培品種NewLeaf(登録商標)(Monsanto)として既に知られている。Bt野菜の調製は、米国特許第6,072,105号明細書にも記載されている。
【0197】
同様にBtワタは、例えば米国特許第A−5,322,938号明細書から原則として既に知られている。本発明の文脈において特に好ましいのは、商標NuCOTN33(登録商標)およびNuCOTN33B(登録商標)のBtワタである。
【0198】
Btトウモロコシの使用および調製も同様に、例えばIshida,Y.、Saito,H.、Ohta,S.、Hiei,Y.、Komari,T.およびKumashiro,T.(1996年)、High efficiency transformation of maize(Zea mayz L.)mediated by Agrobacterium tumefaciens、Nature Biotechnology 4:745−750頁から、既に長らく知られている。欧州特許第B−0485506号明細書にも、Btトウモロコシ植物の調製が記載されている。さらに、様々な種のBtトウモロコシが、例えば以下の名称で市販されている(各場合、社名(複数)は括弧に入れる):KnockOut(登録商標)(Novartis Seeds)、NaturGard(登録商標)(Mycogen Seeds)、Yieldgard(登録商標)(中でもNovartis Seeds、Monsanto、Cargill、Golden Harvest、Pioneer、DeKalb)、Bt−Xtra(登録商標)(DeKalb)およびStarLink(登録商標)(中でもAventis CropScience、Garst)。本発明の目的では、特に好ましいのは、以下のトウモロコシ栽培品種:KnockOut(登録商標)、NaturGard(登録商標)、Yieldgard(登録商標)、Bt−Xtra(登録商標)およびStarLink(登録商標)である。
【0199】
ダイズ植物についても、除草剤Liberty Link(登録商標)に対して抵抗性のある1つまたは複数の栽培品種Roundup(登録商標)Readyが入手可能であり、本発明に従って処理することができる。コメの場合、多数の「Golden Rice」系が入手可能であり、これらは同様に、トランスジェニック修飾が理由となり、高含量のプロビタミンAを有することを特徴とする。これらもまた、記載の利点を伴って本発明の方法によって処理することができる植物の例である。
【0200】
本発明の方法は、特に野菜、トウモロコシおよびワタに存在する多数の有害生物、特に昆虫およびクモ形類、特に非常に好ましくは昆虫を制御するのに適している。挙げられる害虫には以下が含まれる。
【0201】
シラミ目(Anoplura)(Phthiraptera)の、例えば、ダマリニア属種(Damalinia spp.)、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ペジクルス属種(Pediculus spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)。
【0202】
クモ綱(Arachnida)の、例えば、アカルス・シロ(Acarus siro)、アセリア・シェルドニ(Aceria sheldoni)、アクロプス属種(Aculops spp.)、アクルス属種(Aculus spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、アルガス属種(Argas spp.)、ボオフィルス属種(Boophilus spp.)、ブレビパルプス属種(Brevipalpus spp.)、ブリオビア・プラエチオサ(Bryobia praetiosa)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、デルマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニクス属種(Eotetranychus spp.)、エピトリメルス・ピリ(Epitrimerus pyri)、エウテトラニクス属種(Eutetranychus spp.)、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)、ヘミタルソネムス属種(Hemitarsonemus spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、ラトロデクツス・マクタンス(Latrodectus mactans)、メタテトラニクス属種(Metatetranychus spp.)、オリゴニクス属種(Oligonychus spp.)、オルニトドロス属種(Ornithodoros spp.)、パノニクス属種(Panonychus spp.)、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリフス属種(Rhizoglyphus spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、スコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ステノタルソネムス属種(Stenotarsonemus spp.)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)、テトラニクス属種(Tetranychus spp.)、バサテス・リコペルシシ(Vasates lycopersici)。
【0203】
ニマイガイ綱(Bivalva)の、例えば、ドレイセナ属種(Dreissena spp.)。
【0204】
キロポーダ目(Chilopoda)の、例えば、ゲオフィルス属種(Geophilus spp.)、スクチゲラ属種(Scutigera spp.)。
【0205】
甲虫目(Coleoptera)の、例えば、アカントセリデス・オブテクツス(Acanthoscelides obtectus)、アドレツス属種(Adoretus spp.)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アンフィマロン・ソルスチチアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、アノプロフォラ属種(Anoplophora spp.)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、ブルキジウス・オブテクツス(Bruchidius obtectus)、ブルクス属種(Bruchus spp.)、セウトリンクス属種(Ceuthorhynchus spp.)、クレオヌス・メンジクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリトラ・ゼアランジカ(Costelytra zealandica)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、クリプトリンクス・ラパチ(Cryptorhynchus lapathi)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)、エピラクナ属種(Epilachna spp.)、ファウスチヌス・クバエ(Faustinus cubae)、ジビウム・プシロイデス(Gibbium psylloides)、ヘテロニクス・アラトル(Heteronychus arator)、ヒラモルファ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、ヒポテネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステルナ・コンサングイネア(Lachnosterna consanguinea)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リキスス属種(Lixus spp.)、リクツス属種(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、ミグドルス属種(Migdolus spp.)、モノカムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクツス・キサントグラフス(Naupactus xanthographus)、ニプツス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、オリクテス・リノセロス(Oryctes rhinoceros)、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、オチオリンクス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、オキシセトニア・ジュクンダ(Oxycetonia jucunda)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロファガ属種(Phyllophaga spp.)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、プレムノトリペス属種(Premnotrypes spp.)、プシリオデス・クリソセファラ(Psylliodes chrysocephala)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ベントラリス(Rhizobius ventralis)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス属種(Sitophilus spp.)、スフェノホルス属種(Sphenophorus spp.)、ステルネクス属種(Sternechus spp.)、シンフィレテス属種(Symphyletes spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、チキウス属種(Tychius spp.)、キシロトレクス属種(Xylotrechus spp.)、ザブルス属種(Zabrus spp.)。
【0206】
トビムシ目(Collembola)の、例えば、オニキウルス・アルマツス(Onychiurus armatus)。
【0207】
ハサミムシ目(Dermaptera)の、例えば、フォルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia)。
【0208】
ジプロポーダ目(Diplopoda)の、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus)。
【0209】
双翅目(Diptera)の、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、カリホラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)、クリソミイア属種(Chrysomyia spp.)、コクリオミイア属種(Cochliomyia spp.)、コルジロビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クレクス属種(Culex spp.)、クテレブラ属種(Cuterebra spp.)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、ガストロフィルス属種(Gastrophilus spp.)、ヒレミイア属種(Hylemyia spp.)、ヒポボスカ属種(Hyppobosca spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、リリオミザ属種(Liriomyza spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、オシネラ・フリト(Oscinella frit)、ペゴミイア・ヒオシアミ(Pegomyia hyoscyami)、ホルビア属種(Phorbia spp.)、ストモキス属種(Stomoxys spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、タンニア属種(Tannia spp.)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、ウォールファールチア属種(Wohlfahrtia spp.)。
【0210】
マキガイ綱(Gastropoda)の、例えば、アリオン属種(Arion spp.)、ビオムファラリア属種(Biomphalaria spp.)、ブリヌス属種(Bulinus spp.)、デロセラス属種(Deroceras spp.)、ガルバ属種(Galba spp.)、リムナエア属種(Lymnaea spp.)、オンコメラニア属種(Oncomelania spp.)、スクシネア属種(Succinea spp.)。
【0211】
ゼンチュウ綱(Helminths)の、例えば、アンシロストマ・ズオデナレ(Ancylostoma duodenale)、アンシロストマ・セイラニクム(Ancylostoma ceylanicum)、アシロストマ・ブラジリエンシス(Acylostoma braziliensis)、アンシロストマ属種(Ancylostoma spp.)、アスカリス・ルブリコイデス(Ascaris lubricoides)、アスカリス属種(Ascaris spp.)、ブルギア・マライ(Brugia malayi)、ブルギア・チモリ(Brugia timori)、ブノストムム属種(Bunostomum spp.)、カベルチア属種(Chabertia spp.)、クロノルキス属種(Clonorchis spp.)、コオペリア属種(Cooperia spp.)、ジクロコエリウム属種(Dicrocoelium spp)、ジクチオカウルス・フィラリア(Dictyocaulus filaria)、ジフィロボトリウム・ラツム(Diphyllobothrium latum)、ドラクンクルス・メジネンシス(Dracunculus medinensis)、エキノコックス・グラヌロスス(Echinococcus granulosus)、エキノコックス・ムルチロクラリス(Echinococcus multilocularis)、エンテロビウス・ベルミクラリス(Enterobius vermicularis)、ファシオラ属種(Faciola spp.)、ハエモンクス属種(Haemonchus spp.)、ヘテラキス属種(Heterakis spp.)、ヒメノレピス・ナナ(Hymenolepis nana)、ヒオストロングルス属種(Hyostrongulus spp.)、ロア・ロア(Loa Loa)、ネマトジルス属種(Nematodirus spp.)、オエソファゴストムム属種(Oesophagostomum spp.)、オピストロキス属種(Opisthorchis spp.)、オンコセルカ・ボルブルス(Onchocerca volvulus)、オステルタギア属種(Ostertagia spp.)、パラゴニムス属種(Paragonimus spp.)、シストソメン属種(Schistosomen spp.)、ストロンギロイデス・フエレボルニ(Strongyloides fuelleborni)、ストロンギロイデス・ステルコラリス(Strongyloides stercoralis)、ストロニロイデス属種(Stronyloides spp.)、タエニア・サギナタ(Taenia saginata)、タエニア・ソリウム(Taenia solium)、トリキネラ・スピラリス(Trichinella spiralis)、トリキネラ・ナチバ(Trichinella nativa)、トリキネラ・ブリトビ(Trichinella britovi)、トリキネラ・ネルソニ(Trichinella nelsoni)、トリキネラ・プセウドプシラリス(Trichinella pseudopsiralis)、トリコストロングルス属種(Trichostrongulus spp.)、トリクリス・トリクリア(Trichuris trichuria)、ウケレリア・バンクロフチ(Wuchereria bancrofti)。
【0212】
さらにまた、エイメリア(Eimeria)などの原生動物も防除することができる。
【0213】
ヘテロプテラ目(Heteroptera)の、例えば、アナサ・トリスチス(Anasa tristis)、アンテスチオプシス属種(Antestiopsis spp.)、ブリスス属種(Blissus spp.)、カロコリス属種(Calocoris spp.)、カムピロンマ・リビダ(Campylomma livida)、カベレリウス属種(Cavelerius spp.)、シメクス属種(Cimex spp.)、クレオンチアデス・ジルツス(Creontiades dilutus)、ダシヌス・ピペリス(Dasynus piperis)、ジケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)、ジコノコリス・ヘウェチ(Diconocoris hewetti)、ジスデルクス属種(Dysdercus spp.)、エウシスツス属種(Euschistus spp.)、エウリガステル属種(Eurygaster spp.)、ヘリオペルチス属種(Heliopeltis spp.)、ホルシアス・ノビレルス(Horcias nobilellus)、レプトコリサ属種(Leptocorisa spp.)、レプトグロスス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リグス属種(Lygus spp.)、マクロペス・エクスカバツス(Macropes excavatus)、ミリダエ(Miridae)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエバルス属種(Oebalus spp.)、ペントミダエ(Pentomidae)、ピエスマ・クワドラタ(Piesma quadrata)、ピエゾドルス属種(Piezodorus spp.)、プサルス・セリアツス(Psallus seriatus)、プセウドアシスタ・ペルセア(Pseudacysta persea)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、サフルベルゲラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノホラ属種(Scotinophora spp.)、ステファニチス・ナシ(Stephanitis nashi)、チブラカ属種(Tibraca spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)。
【0214】
同翅目(Homoptera)の、例えば、アシルトシポン属種(Acyrthosipon spp.)、アエネオラミア属種(Aeneolamia spp.)、アゴノセナ属種(Agonoscena spp.)、アレウロデス属種(Aleurodes spp.)、アレウロロブス・バロデンシス(Aleurolobus barodensis)、アレウロトリクスス属種(Aleurothrixus spp.)、アムラスカ属種(Amrasca spp.)、アヌラフィス・カルズイ(Anuraphis cardui)、アオニジエラ属種(Aonidiella spp.)、アファノスチグマ・ピリ(Aphanostigma piri)、アフィス属種(Aphis spp.)、アルボリジア・アピカリス(Arboridia apicalis)、アスピジエラ属種(Aspidiella spp.)、アスピジオツス属種(Aspidiotus spp.)、アタヌス属種(Atanus spp.)、アウラコルツム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア属種(Bemisia spp.)、ブラキカウズス・ヘリクリシイ(Brachycaudus helichrysii)、ブラキコルス属種(Brachycolus spp.)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、カリジポナ・マルギナタ(Calligypona marginata)、カルネオセファラ・フルギダ(Carneocephala fulgida)、セラトバクナ・ラニゲラ(Ceratovacuna lanigera)、セルコピダエ(Cercopidae)、セロプラステス属種(Ceroplastes spp.)、カエトシフォン・フラゲホリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、キオナスピス・テガレンシス(Chionaspis tegalensis)、クロリタ・オヌキイ(Chlorita onukii)、クロマフィス・ジュグランジコラ(Chromaphis juglandicola)、クリソムファルス・フィクス(Chrysomphalus ficus)、シカズリナ・ムビラ(Cicadulina mbila)、ココミチルス・ハリイ(Coccomytilus halli)、コクス属種(Coccus spp.)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ダルブルス属種(Dalbulus spp.)、ジアレウロデス属種(Dialeurodes spp.)、ジアホリナ属種(Diaphorina spp.)、ジアスピス属種(Diaspis spp.)、ドラリス属種(Doralis spp.)、ドロシカ属種(Drosicha spp.)、ジサフィス属種(Dysaphis spp.)、ジスミコクス属種(Dysmicoccus spp.)、エンポアスカ属種(Empoasca spp.)、エリオソマ属種(Eriosoma spp.)、エリトロネウラ属種(Erythroneura spp.)、エウセリス・ビロバツス(Euscelis bilobatus)、ゲオコクス・コフェアエ(Geococcus coffeae)、ホマロジスカ・コアグラタ(Homalodisca coagulata)、ヒアロプテルス・アルンジニス(Hyalopterus arundinis)、イセリア属種(Icerya spp.)、イジオセルス属種(Idiocerus spp.)、イジオスコプス属種(Idioscopus spp.)、ラオデルファクス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)、レカニウム属種(Lecanium spp.)、レピドサフェス属種(Lepidosaphes spp.)、リパフィス・エリシミ(Lipaphis erysimi)、マクロシフム属種(Macrosiphum spp.)、マハナルバ・フィムブリオラタ(Mahanarva fimbriolata)、メラナフィス・サッカリ(Melanaphis sacchari)、メトカルフィエラ属種(Metcalfiella spp.)、メトポロフィウム・ジロズム(Metopolophium dirhodum)、モネリア・コスタリス(Monellia costalis)、モネリオプシス・ペカニス(Monelliopsis pecanis)、ミズス属種(Myzus spp.)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、ネホテチキス属種(Nephotettix spp.)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、オンコメトピア属種(Oncometopia spp.)、オルテジア・プラエロンガ(Orthezia praelonga)、パラベミシア・ミリカエ(Parabemisia myricae)、パラトリオザ属種(Paratrioza spp.)、パルラトリア属種(Parlatoria spp.)、ペムフィグス属種(Pemphigus spp.)、ペレグリヌス・マイジス(Peregrinus maidis)、フェナコクス属種(Phenacoccus spp.)、フロエオミズス・パセリニイ(Phloeomyzus passerinii)、フォロドン・フムリ(Phorodon humuli)、フィロキセラ属種(Phylloxera spp.)、ピンナスピス・アスピジストラエ(Pinnaspis aspidistrae)、プラノコクス属種(Planococcus spp.)、プロトプルビナリア・ピリホルミス(Protopulvinaria pyriformis)、プセウダウラカスピス・ペンタゴナ(Pseudaulacaspis pentagona)、プセウドコクス属種(Pseudococcus spp.)、プシラ属種(Psylla spp.)、プテロマルス属種(Pteromalus spp.)、ピリラ属種(Pyrilla spp.)、クアドラスピジオツス属種(Quadraspidiotus spp.)、クエサダ・ギガス(Quesada gigas)、ラストロコクス属種(Rastrococcus spp.)、ロパロシフム属種(Rhopalosiphum spp.)、サイセチア属種(Saissetia spp.)、スカフォイデス・チタヌス(Scaphoides titanus)、シザフィス・グラミヌム(Schizaphis graminum)、セレナスピズス・アルチクラツス(Selenaspidus articulatus)、ソガタ属種(Sogata spp.)、ソガテラ・フルシフェラ(Sogatella furcifera)、ソガトデス属種(Sogatodes spp.)、スチクトセファラ・フェスチナ(Stictocephala festina)、テナラファラ・マラエンシス(Tenalaphara malayensis)、チノカリス・カリアエフォリアエ(Tinocallis caryaefoliae)、トマスピス属種(Tomaspis spp.)、トキソプテラ属種(Toxoptera spp.)、トリアレウロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオザ属種(Trioza spp.)、チフロシバ属種(Typhlocyba spp.)、ウナスピス属種(Unaspis spp.)、ビテウス・ビチホリイ(Viteus vitifolii)。
【0215】
ハチ目(Hymenoptera)の、例えば、ジプリオン属種(Diprion spp.)、ホプロカンパ属種(Hoplocampa spp.)、ラシウス属種(Lasius spp.)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ベスパ属種(Vespa spp.)。
【0216】
ワラジムシ目(Isopoda)の、例えば、アルマジリジウム・ブルガレ(Armadillidium vulgare)、オニスクス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber)。
【0217】
シロアリ目(Isoptera)の、例えば、レチクリテルメス属種(Reticulitermes spp.)、オドントテルメス属種(Odontotermes spp.)。
【0218】
鱗翅目(Lepidoptera)の、例えば、アクロニクタ・マジョル(Acronicta major)、アエジア・レウコメラス(Aedia leucomelas)、アグロチス属種(Agrotis spp.)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア属種(Anticarsia spp.)、バラトラ・ブラシカエ(Barathra brassicae)、ブクラトリクス・ツルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、キロ属種(Chilo spp.)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロセルス属種(Cnaphalocerus spp.)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エフェスチア・クエフニエラ(Ephestia kuehniella)、エウプロクチス・クリソルホエア(Euproctis chrysorrhoea)、エウキソア属種(Euxoa spp.)、フェルチア属種(Feltia spp.)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)、ヘリオチス属種(Heliothis spp.)、ホフマノフィラ・プセウドスプレテラ(Hofmannophila pseudospretella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)、ヒポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、ラフィグマ属種(Laphygma spp.)、リトコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、リトファネ・アンテナタ(Lithophane antennata)、ロキサグロチス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)、リマントリア属種(Lymantria spp.)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)、モシス・レパンダ(Mocis repanda)、ミチムナ・セパラタ(Mythimna separata)、オリア属種(Oria spp.)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、パノリス・フラメア(Panolis flammea)、ペクチノホラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス属種(Pieris spp.)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プロデニア属種(Prodenia spp.)、プセウダレチア属種(Pseudaletia spp.)、プセウドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、ピラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)、テルメシア・ゲマタリス(Thermesia gemmatalis)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)、トルトリクス・ビリダナ(Tortrix viridana)、トリコプルシア属種(Trichoplusia spp.)。
【0219】
バッタ目(Orthoptera)の、例えば、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、グリロタルパ属種(Gryllotalpa spp.)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロクスタ属種(Locusta spp.)、メラノプルス属種(Melanoplus spp.)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、シストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria)。
【0220】
ノミ目(Siphonaptera)の、例えば、セラトフィルス属種(Ceratophyllus spp.)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)。
【0221】
コムカデ目(Symphyla)、例えば、スクチゲレラ・イマクラタ(Scutigerella immaculata)。
【0222】
アザミウマ目(Thysanoptera)の、例えば、バリオトリプス・ビフォルミス(Baliothrips biformis)、エネオトリプス・フラベンス(Enneothrips flavens)、フランクリニエラ属種(Frankliniella spp.)、ヘリオトリプス属種(Heliothrips spp.)、ヘルシノトリプス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)、カコトリプス属種(Kakothrips spp.)、リピフォロトリプス・クルエンタツス(Rhipiphorothrips cruentatus)、シロトトリプス属種(Scirtothrips spp.)、タエニオトリプス・カルダモニ(Taeniothrips cardamoni)、トリプス属種(Thrips spp.)。
【0223】
シミ目(Thysanura)の、例えば、レピスマ・サカリナ(Lepisma saccharina)。
【0224】
植物寄生性線虫としては、例えば、以下のものを挙げることができる:アングイナ属種(Anguina spp.)、アフェレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)、ベロノアイムス属種(Belonoaimus spp.)、ブルサフェレンクス属種(Bursaphelenchus spp.)、ジチレンクス・ジプサシ(Ditylenchus dipsaci)、グロボデラ属種(Globodera spp.)、ヘリオコチレンクス属種(Heliocotylenchus spp.)、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)、ロンギドルス属種(Longidorus spp.)、メロイドギネ属種(Meloidogyne spp.)、プラチレンクス属種(Pratylenchus spp.)、ラドホルス・シミリス(Radopholus similis)、ロチレンクス属種(Rotylenchus spp.)、トリコドルス属種(Trichodorus spp.)、チレンコリンクス属種(Tylenchorhynchus spp.)、チレンクルス属種(Tylenchulus spp.)、チレンクルス・セミペネトランス(Tylenchulus semipenetrans)、キシフィネマ属種(Xiphinema spp.)。
【0225】
Bt野菜、Btトウモロコシ、Btワタ、Btダイズ、BtタバコならびにBtコメ、BtテンサイまたはBtジャガイモの処理のための本発明の方法は、アブラムシ(アフィジナ(Aphidina))、コナジラミ(トリアレウロデス(Trialeurodes))、アザミウマ(チサノプテラ(Thysanoptera))、ハダニ(アラクニダ(Arachnida))、カイガラムシ(soft scale insect)またはコナカイガラムシ(それぞれココイダエ(Coccoidae)およびプセウドココイダエ(Pseudococcoidae))の制御に特に適している。
【0226】
本発明に従って使用できる活性化合物は、溶液、エマルション、湿潤性粉末、水および油性懸濁液、粉末、粉塵、ペースト、可溶性粉末、可溶性顆粒、散布用顆粒、サスポエマルション濃縮液、活性化合物を含浸させた天然化合物、活性化合物を含浸させた合成物質、肥料ならびにポリマー物質としてのマイクロカプセルなどの通常の配合物として使用することができる。
【0227】
これらの製剤は、既知方法で、例えば、適切な場合には、界面活性剤(即ち、乳化剤および/または分散剤および/または泡形成剤)を使用して、該活性化合物を増量剤(即ち、液体溶媒および/または固体担体)と混合することにより調製する。上記製剤は、適切なプラントで調製するまたは、施用前もしくは施用中に調製する。
【0228】
湿潤性粉末は、水に均一に分散することができ、活性化合物に加えて、希釈剤または不活性物質と共に、湿潤剤、例えばポリエトキシ化アルキルフェノール、ポリエトキシ化脂肪アルコール、アルキルスルホネートまたはアルキルフェニルスルホネートおよび分散剤、例えばリグニンスルホン酸ナトリウム、2,2’−ジナフチルメタン−6,6’−ジスルホン酸ナトリウムも含む調製剤である。
【0229】
粉塵は、細かく分布した固体物質、例えばタルク、カオリン、ベントナイト、パイロフィライト(pyrophillite)または珪藻土などの天然粘土を伴う活性化合物を粉砕することによって得られる。顆粒は、活性化合物を、吸着可能な粒状不活性材料上にスプレーすることによって、または活性化合物濃縮液を、砂、カオリナイトもしくは粒状不活性材料などの担体物質の表面に、接着剤、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムまたは鉱油を用いて塗布することによって調製することができる。適切な活性化合物は、肥料顆粒の調製に通常の方式で、所望に応じて肥料との混合物として顆粒化することもできる。
【0230】
補助剤として使用するのに適しているものは、当該組成物自体および/またはそれから誘導される調製物(例えば、散布液、種子粉衣など)に特定の特性、例えば、特定の技術的特性および/または、さらに、特定の生物学的特性などを付与するのに適した物質である。適切な典型的な補助剤は、増量剤、溶媒および担体である。
【0231】
適切な増量剤は、例えば、水、極性および非極性の有機化学的液体、例えば、芳香族炭化水素および非芳香族炭化水素(例えば、パラフィン類、アルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類、クロロベンゼン類);アルコール類およびポリオール類(これらは、適切な場合には、置換されていてもよく、エーテル化されていてもよく、および/または、エステル化されていてもよい。);ケトン類(例えば、アセトン、シクロヘキサノン)、エステル類(これは、脂肪類および油類を包含する。)および(ポリ)エーテル類;置換されていないおよび置換されているアミン類、アミド類、ラクタム類(例えば、N−アルキルピロリドン類)およびラクトン類;スルホン類およびスルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)の類から選ばれたものである。
【0232】
使用する増量剤が水である場合は、例えば、有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。本質的に、適切な液体溶媒は、芳香族化合物、例えば、キシレン、トルエンまたはアルキルナフタレン類、塩素化芳香族化合物および塩素化脂肪族炭化水素類、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類または塩化メチレン、脂肪族炭化水素類、例えば、シクロヘキサンまたはパラフィン類、例えば、石油留分、鉱油および植物油、アルコール類、例えば、ブタノールまたはグリコールおよびさらにそれらのエーテル類およびエステル類、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルスルホキシドなどであり、さらに、水も適している。
【0233】
適切な固体担体は、例えば、アンモニウム塩、および、粉砕された天然鉱物、例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイトまたは珪藻土、および、粉砕された合成鉱物、例えば、微粉シリカ、アルミナおよびシリケートなどであり;顆粒剤に適する固体担体は、例えば、粉砕して分別した天然石、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石および苦灰岩、ならびに、さらに、無機および有機の粗挽き粉からなる合成顆粒や、有機材料、例えば、紙、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸およびタバコの葉柄などからなる顆粒などであり;適切な乳化剤および/または泡形成剤は、例えば、非イオン性およびアニオン性の乳化剤、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフェート類、アリールスルホネート類、および、さらに、タンパク質加水分解物などであり;適切な分散剤は、非イオン性および/またはイオン性の物質、例えば、アルコール−POEおよび/または−POPエーテル類、酸および/またはPOP−POEエステル類、アルキルアリールおよび/またはPOP−POEエーテル類、脂肪−および/またはPOP−POE付加体、POE−および/またはPOP−ポリオール誘導体、POE−および/またはPOP−ソルビタンもしくは糖付加体、アルキルもしくはアリールのスルフェート類、アルキルもしくはアリールのスルホネート類およびアルキルもしくはアリールのホスフェート類またはそれらの対応するPOエーテル付加体の類から選ばれたものである。さらに、適切なオリゴマーまたはポリマー、例えば、ビニルモノマーから誘導されたもの、アクリル酸から誘導されたもの、EOおよび/またはPOの単独または例えば(ポリ)アルコール類もしくは(ポリ)アミン類と組み合わせたものから得られたもの。さらに、リグニンおよびそのスルホン酸誘導体、未変性セルロースおよび変性セルロース、芳香族および/または脂肪族スルホン酸ならびにそれらのホルムアルデヒドとの付加体なども使用することができる。
【0234】
上記製剤において、粘着付与剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、粉末、顆粒またはラテックスの形態にある天然ポリマーおよび合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコールおよびポリ酢酸ビニル、ならびに、天然のリン脂質、例えば、セファリンおよびレシチン、および、合成リン脂質などを使用することができる。
【0235】
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタンおよびプルシアンブルー(Prussian Blue)、ならびに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料および金属フタロシアニン染料、ならびに、微量栄養素、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩および亜鉛塩などを使用することができる。
【0236】
可能な別の添加剤は、芳香物質、場合により改質されていてもよい鉱油および植物油、蝋、ならびに、栄養素(微量栄養素を包含する。)、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩および亜鉛塩などである。
【0237】
安定剤(例えば、低温安定剤)、防腐剤、酸化防止剤、光安定剤、または、化学的および/もしくは物理的安定性を向上させるための別の作用剤も存在させることができる。
【0238】
これらの個々の種類の配合物は、原則として公知であり、例えば「Pesticides Formulations」、第2版、Marcel Dekker N.Y.;Martens、1979年、「Spray Drying Handbook」、第3版、G.Goodwin Ltd.Londonに記載されている。
【0239】
専門的な一般知識に基づいて、当業者は、適切な配合補助剤を選択することができる(この文脈では、例えば、Watkins、「Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers」、第2版、Darland Books、Caldwell N.J.参照)。
【0240】
好ましい実施形態では、植物または植物部分は、本発明に従って、油系懸濁濃縮液で処理される。有利な懸濁濃縮液は、国際公開第2005/084435号(欧州特許第1 725 104A2号明細書)から知られている。この懸濁濃縮液は、少なくとも1つの室温で固体の活性な農薬物質、少なくとも1つの「閉じた」浸透剤、少なくとも1つの野菜油もしくは鉱油、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤および/または少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、ならびに場合によって乳化剤、発泡防止剤、保存剤、抗酸化剤、着色剤および/または不活性な充填材料の群からの1つまたは複数の添加剤からなる。懸濁濃縮液の好ましい実施形態は、前述の国際公開第2005/084435号に記載されている。本開示の目的を達成するために、両方の文献を、参照によってそれらの全体を本明細書に組み込む。
【0241】
さらに好ましい一実施形態では、植物または植物部分は、本発明に従って、アンモニウムまたはホスホニウム塩、および適切な場合には浸透剤を含む組成物で処理される。有利な組成物は、既に公開されている欧州特許07109732.3号ではなく、国際公開第2007/068355号から知られている。これらの組成物は、少なくとも1つの式(I)の化合物および少なくとも1つのアンモニウムまたはホスホニウム塩、ならびに適切な場合には浸透剤からなる。好ましい実施形態は、既に公開されている欧州特許07109732.3号ではなく、国際公開第2007/068355号に記載されている。本開示の目的を達成するために、これらの文献を、参照によってそれらの全体を本明細書に組み込む。
【0242】
一般に配合物は、0.01重量%から98重量%、好ましくは0.5重量%から90重量%の活性化合物を含む。湿潤性粉末では、活性化合物の濃度は、例えば約10重量%から90重量%であり、100重量%までの残りは通常の配合成分からなる。乳化できる濃縮液の場合、活性化合物の濃度は、約5重量%から80重量%であり得る。殆どの場合、粉塵の形態の配合物は、5重量%から20重量%の活性化合物を含み、スプレー用溶液は、約2重量%から20重量%を含む。顆粒の場合、活性化合物の含量は、その活性化合物が液体で存在するか、または固体形態で存在するか、およびどの顆粒補助剤、充填剤等が使用されるかに部分的に依存する。
【0243】
必要な適用率は、中でも温度および湿度などの外部条件によっても変わり得る。適用率は、広範な制限内で変わることができ、例えば0.1g/hおよび5.0kg/ha以上の間の活性物質である。しかしこれらは、好ましくは0.1g/haおよび1.0kg/haの間である。Bt野菜と殺虫剤の相乗効果により、特に好ましいのは、0.1g/haから500g/haの適用率である。
【0244】
式(I)の化合物については、好ましいのは、10g/haから500g/haの適用率であり、特に好ましいのは10g/haから200g/haである。
【0245】
本発明の方法の具体的な一実施形態では、式(I)の化合物は、0.1g/haから5.0kg/ha、好ましくは0.1g/haから500g/ha、特に好ましくは50g/haから500g/ha、特に好ましくは50g/haから200g/haの適用率で使用される。
【0246】
それらの市販配合物において、およびこれらの配合物から調製した使用形態において、本発明の活性化合物は、殺虫剤、誘引剤、滅菌剤、ダニ駆除剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節物質または除草剤などの他の活性化合物との混合物として存在することができる。
【0247】
特に好ましい混合成分は、例えば、以下の化合物である。
殺菌剤:
核酸合成の阻害薬
ベナラキシル、ベナラキシル−M、ブピリメート、キララキシル(chiralaxyl)、クロジラコン、ジメチリモール、エチリモール、フララキシル、ヒメキサゾール、メタラキシル、メタラキシル−M、オフラセ、オキサジキシル、オキソリン酸;
有糸分裂および細胞分裂の阻害薬
ベノミル、カルベンダジム、ジエトフェンカルブ、フベリダゾール、ペンシクロン、チアベンダゾール、チオファネート−メチル、ゾキサミド(zoxamide);
呼吸鎖複合体I/IIの阻害薬
ジフルメトリム;
ビキサフェン(bixafen)、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム(fenfuram)、フルオピラム(fluopyram)、フルトラニル、フラメトピル、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンチオピラド、チフルザミド、N−[2−(1,3−ジメチルブチル)フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
呼吸鎖複合体IIIの阻害剤
アミスルブロム、アゾキシストロビン、シアゾファミド、ジモキシストロビン、エネストロビン(enestrobin)、ファモキサドン、フェンアミドン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピラクロストロビン、ピリベンカルブ、ピコキシストロビン、トリフロキシストロビン
デカップラー
ジノカップ、フルアジナム;
ATP産生の阻害薬
酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ、シルチオファム;
アミノ酸生合成およびタンパク質生合成の阻害薬
アンドプリム、ブラストサイジン−S、シプロジニル、カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩水和物、メパニピリム、ピリメタニル;
シグナル伝達の阻害薬
フェンピクロニル、フルジオキソニル、キノキシフェン;
脂質および膜合成の阻害薬
クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン、
アンプロピルホス(ampropylfos)、アンプロピルホスカリウム(potassium−ampropylfos)、エジフェンホス、イプロベンホス(IBP)、イソプロチオラン、ピラゾホス、
トルクロホス−メチル、ビフェニル、
ヨードカルブ(iodocarb)、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩;
エルゴステロール生合成の阻害薬
フェンヘキサミド、
アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、スピロキサミン、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ボリコナゾール、イマザリル、硫酸イマザリル、オキシポコナゾール、フェナリモール、フルルプリミドール、ヌアリモール、ピリフェノックス、トリホリン、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、ビニコナゾール、
アルジモルフ、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、スピロキサミン、
ナフチフィン、ピリブチカルブ、テルビナフィン;
細胞壁合成の阻害薬
ベンチアバリカルブ、ビアラホス、ジメトモルフ、フルモルフ(flumorph)、イプロバリカルブ、ポリオキシン、ポリオキソリム、バリダマイシンA;
メラニン生合成の阻害薬
カルプロパミド(capropamid)、ジクロシメット、フェノキサニル、フタリド(phthalid)、ピロキロン、トリシクラゾール;
抵抗性誘導薬
アシベンゾラル−S−メチル、プロベナゾール、チアジニル;
多部位
カプタホール、キャプタン、クロロタロニル、銅塩、例えば、水酸化銅、ナフテン酸銅、塩基性塩化銅、硫酸銅、酸化銅、オキシン銅およびボルドー液、ジクロフルアニド、ジチアノン、ドジン、ドジン遊離塩基、ファーバム、ホルペット、フルオロホルペット、グアザチン、酢酸グアザチン、イミノクタジン、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、マンカッパー、マンコゼブ、マネブ、メチラム、メチラム亜鉛(metiram zinc)、プロピネブ、硫黄および多硫化カルシウム含有硫黄剤、チラム、トリルフルアニド、ジネブ、ジラム;
作用機序未知
アミブロムドール(amibromdol)、ベンチアゾール、ベトキサジン(bethoxazin)、カプシマイシン(capsimycin)、カルボン、キノメチオネート、クロロピクリン、クフラネブ、シフルフェナミド、シモキサニル、ダゾメット、デバカルブ(debacarb)、ジクロメジン、ジクロロフェン、ジクロラン、ジフェンゾコート、ジフェンゾコートメチル硫酸塩、ジフェニルアミン、エタボキサム、フェリムゾン、フルメトベル、フルスルファミド、フルオピコリド、フルオロイミド、フォセチル−Al、ヘキサクロロベンゼン、8−ヒドロキシキノリン硫酸、イプロジオン、イルママイシン、イソチアニル、メタスルホカルブ、メトラフェノン、メチルイソチオシアネート、ミルディオマイシン、ナタマイシン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ニトロタル−イソプロピル、オクチリノン、オキサモカルブ(oxamocarb)、オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、ペンタクロロフェノールおよび塩、2−フェニルフェノールおよび塩、ピペラリン(piperalin)、プロパノシン−ナトリウム(propanosine−sodium)、プロキナジド、ピロールニトリン、キントゼン、テクロフタラム、テクナゼン、トリアゾキシド、トリクラミド、ザリラミド、および、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、N−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−エチル−4−メチルベンゼンスルホンアミド、2−アミノ−4−メチル−N−フェニル−5−チアゾールカルボキサミド、2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド、3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチルイソオキサゾリジン−3−イル]ピリジン、シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)シクロヘプタノール、2,4−ジヒドロ−5−メトキシ−2−メチル−4−[[[[1−[3(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン]アミノ]オキシ]メチル]フェニル]−3H−1,2,3−トリアゾール−3−オン(185336−79−2)、1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル、3,4,5−トリクロロ−2,6−ピリジンジカルボニトリル、2−[[[シクロプロピル[(4−メトキシフェニル)イミノ]メチル]チオ]メチル]−α−(メトキシメチレン)ベンズ酢酸メチル、4−クロロ−α−プロピニルオキシ−N−[2−[3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル]エチル]ベンズアセトアミド、(2S)−N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、5−クロロ−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、5−クロロ−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−N−[(1R)−1,2,2−トリメチルプロピル][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、5−クロロ−N−[(1R)−1,2−ジメチルプロピル]−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、N−[1−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)エチル]−2,4−ジクロロニコチンアミド、N−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)メチル−2,4−ジクロロニコチンアミド、2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピルベンゾピラノン−4−オン、N−{(Z)−[(シクロプロピルメトキシ)イミノ][6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]メチル}−2−ベンズアセトアミド、N−(3−エチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル)−3−ホルミルアミノ−2−ヒドロキシベンズアミド、2−[[[[1−[3(1−フルオロ−2−フェニルエチル)オキシ]フェニル]エチリデン]アミノ]オキシ]メチル]−α−(メトキシイミノ)−N−メチル−αE−ベンズアセトアミド、N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−lH−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)シクロプロパンカルボキサミド、1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル−1H−イミダゾール−1−カルボン酸、O−[1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル]−1H−イミダゾール−1−カルボチオ酸、2−(2−{[6−(3−クロロ−2−メチルフェノキシ)−5−フルオロピリミジン−4−イル]オキシ}フェニル)−2−(メトキシイミノ)−N−メチルアセトアミド。
【0248】
殺細菌剤:
ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅および別の銅剤。
【0249】
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤:
アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬
カーバメート系
例えば、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブフェンカルブ、ブタカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、ジメチラン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メタム−ナトリウム、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカルブ、プロメカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブ、トリアザメート;
有機リン系
例えば、アセフェート、アザメチホス、アジンホス(−メチル、−エチル)、ブロモホス−エチル、ブロムフェンビンホス(−メチル)、ブタチオホス、カズサホス、カルボフェノチオン、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス(−メチル/−エチル)、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、クロルフェンビンホス、デメトン−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオキサベンゾホス、ダイスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、ヨードフェンホス、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、O−サリチル酸イソプロピル、イソオキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシデメトン−メチル、パラチオン(−メチル/−エチル)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスホカルブ(phosphocarb)、ホキシム、ピリミホス(−メチル/−エチル)、プロフェノホス、プロパホス、プロペタムホス、プロチオホス、プロトエート、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、ピリダチオン(pyridathion)、キナルホス、セブホス(sebufos)、スルホテップ、スルプロホス、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン;
ナトリウムチャンネルモジュレーター/電位依存性ナトリウムチャンネル遮断薬
ピレスロイド系
例えば、アクリナトリン、アレスリン(d−シス−トランス、d−トランス)、β−シフルトリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリン−S−シクロペンチル異性体、ビオエタノメトリン(bioethanomethrin)、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、クロバポルトリン(chlovaporthrin)、シス−シペルメトリン、シス−レスメトリン、シス−ペルメトリン、クロシトリン(clocythrin)、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン(α−、β−、θ−、ζ−)、シフェノトリン、デルタメトリン、エムペントリン(1R異性体)、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンフルトリン(fenfluthrin)、フェンプロパトリン、フェンピリトリン、フェンバレレート、フルブロシトリネート(flubrocythrinate)、フルシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルバリネート、フブフェンプロックス(fubfenprox)、γ−シハロトリン、イミプロトリン、カデトリン、λ−シハロトリン、メトフルトリン、ペルメトリン(シス−、トランス−)、フェノトリン(1R−トランス異性体)、プラレトリン、プロフルトリン、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ピレスメトリン、ピレトリン、レスメトリン、RU15525、シラフルオフェン、タウ−フルバリネート、テフルトリン、テラレトリン、テトラメトリン(1R異性体)、トラロメトリン、トランスフルトリン、ZXI8901、ピレトリン類(除虫菊(pyrethrum));
DDT;
オキサジアジン系
例えば、インドキサカルブ;
セミカルバゾン系
例えば、メタフルミゾン(BAS3201);
アセチルコリン受容体作動薬/拮抗薬
クロロニコチニル系
例えば、アセタミプリド、AKD1022、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、イミダクロチズ、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、チアメトキサム;
ニコチン、ベンスルタップ、カルタップ;
アセチルコリン受容体モジュレーター
スピノシン系
例えば、スピノサド、スピネトラム;
GABA制御塩化物チャンネル拮抗薬
有機塩素系
例えば、カンフェクロル、クロルダン、エンドスルファン、γ−HCH、HCH、ヘプタクロル、リンダン、メトキシクロル;
フィプロール系
例えば、アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、バニリプロール(vaniliprole);
塩化物チャンネル活性化剤
メクチン系
例えば、アバメクチン、エマメクチン、エマメクチン安息香酸塩、イベルメクチン、レピメクチン、ミルベマイシン;
幼若ホルモンミメティクス
例えば、ジオフェノラン、エポフェノナン(epofenonane)、フェノキシカルブ、ハイドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェン、トリプレン(triprene);
エクジソン作動薬/ディスラプター
ジアシルヒドラジン系
例えば、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド;
キチン生合成阻害薬
ベンゾイル尿素系
例えば、ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ペンフルロン(penfluron)、テフルベンズロン、トリフルムロン;
ブプロフェジン;
シロマジン;
酸化的リン酸化阻害薬、ATPディスラプター
ジアフェンチウロン
有機スズ化合物
例えば、アゾシクロチン、シヘキサチン、酸化フェンブタスズ;
H−プロトン勾配を遮断することにより作用する酸化的リン酸化デカップラー
ピロール系
例えば、クロルフェナピル;
ジニトロフェノール系
例えば、ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ、DNOC、メプチルジノカップ;
Site−I電子伝達阻害薬
METI系
例えば、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド;
ヒドラメチルノン;
ジコホル;
Site−II電子伝達阻害薬
ロテノン;
Site−III電子伝達阻害薬
アセキノシル、フルアクリピリム;
昆虫消化管膜の微生物ディスラプター
バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)株
脂質合成阻害薬
テトロン酸系
例えば、スピロジクロフェン、スピロメシフェン(spiromesifen);
テトラミン酸系
例えば、スピロテトラマト(spirotetramate)、シス−3−(2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−8−メトキシ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン;
カルボキサミド系
例えば、フロニカミド;
オクトパミン作用薬
例えば、アミトラズ;
マグネシウム刺激ATPアーゼの阻害薬
プロパルギット;
ネライストキシン類似体
例えば、チオシクラムシュウ酸水素塩(thiocyclam hydrogen oxalate)、チオスルタップ−ナトリウム(thiosultap−sodium);
リアノジン受容体作動薬
ベンゾジカルボキサミド系
例えば、フルベンジアミド;
アントラニルアミド系
例えば、リナキシピル(Rynaxypyr)(3−ブロモ−N−{4−クロロ−2−メチル−6−[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル}−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド)、シアザピル(Cyazapyr)(ISO提案)(3−ブロモ−N−{4−シアノ−2−メチル−6−[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル}−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド)(国際公開第2004067528号から公知)。
生物学的薬剤、ホルモンまたはフェロモン
アザジラクチン、バシルス属種(Bacillus spec.)、ベアウベリア属種(Beauveria spec.)、コドレモン(codlemone)、メタリジウム属種(Metarrhizium spec.)、パエシロマイセス属種(Paecilomyces spec.)、チューリンギエンシン(thuringiensin)、ベルチシリウム属種(Verticillium spec.);
作用機序が知られていないまたは特定されていない活性化合物
燻蒸剤
例えば、リン化アルミニウム、臭化メチル、フッ化スルフリル;
摂食阻害薬
例えば、氷晶石(cryolite)、フロニカミド、ピメトロジン;
ダニ成長阻害薬
例えば、クロフェンテジン、エトキサゾール、ヘキシチアゾクス;
アミドフルメト、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ベンゾオキシメート、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、ブプロフェジン、キノメチオネート、クロルジメホルム、クロロベンジレート、クロロピクリン、クロチアゾベン(clothiazoben)、シクロプレン(cycloprene)、シフルメトフェン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル(fentrifanil)、フルベンジミン、フルフェネリム、フルテンジン(flutenzin)、ゴシプルレ(gossyplure)、ヒドラメチルノン、ジャポニルレ(japonilure)、メトキサジアゾン、石油、ピペロニルブトキシド、オレイン酸カリウム、ピリダリル、スルフルラミド、テトラジホン、テトラスル、トリアラセン、ベルブチン(verbutin)またはシフルメトフェン、シアノピラフェン。
【0250】
別の既知化合物(例えば、除草剤、肥料、成長調節剤、薬害軽減剤、情報化学物質)との混合物も可能であり、または、植物の特性を改善する作用薬との混合物も可能である。
【0251】
市販されている製剤から調製した使用形態の上記活性化合物の含有量は、0.00000001重量%から95重量%の活性化合物、好ましくは、0.00001重量%から1重量%の活性化合物であることができる。
【0252】
【表1】

















































【0253】
【表2】
































【0254】
【表3】





【0255】
【表4】



【実施例】
【0256】
本発明を、以下の非限定的な例によってより詳細に例示する。
【0257】
(実施例1)
鱗翅目抵抗性および除草剤抵抗性を有する個々に鉢に植えたトランスジェニックワタ植物(栽培品種DP444BG/RR)を、2つの複製でオオタバコガ(ヘリオティス・アルミゲラ(Heliothis armigera))の幼虫に対して処理する。適用は、所望の適用率でそれぞれの活性化合物を浸漬適用することによって実施する。
【0258】
所望の期間の後、殺滅(%)を決定する。100%は、全ての虫が死滅したことを意味し、0%は、虫が死滅しなかったことを意味する。
【0259】
ここで、本発明に従って処理しなかった対照植物と比較して、著しく改善された害虫制御を見ることができる。
【0260】
(実施例2)
各場合、鱗翅目抵抗性および除草剤抵抗性を有する5つのトランスジェニックトウモロコシ植物(栽培品種SGI1890 Hx×SGII847)の鉢を、2つの複製でヨトウムシ(スポドプテラ・フルギペルダ)に対して処理する。適用は、所望の適用率でそれぞれの活性化合物を浸漬適用することによって実施する。
【0261】
所望の期間の後、殺滅(%)を決定する。100%は、全ての虫が死滅したことを意味し、0%は、虫が死滅しなかったことを意味する。
【0262】
ここで、本発明に従って処理しなかった対照植物と比較して、著しく改善された害虫制御を見ることができる。
【0263】
(実施例3)
各場合、除草剤抵抗性を有する5つのトランスジェニックトウモロコシ植物(栽培品種FR1064LL×FR2108)の鉢を、2つの複製でヨトウムシ(スポドプテラ・フルギペルダ)に対して処理する。適用は、所望の適用率でそれぞれの活性化合物を浸漬適用することによって実施する。
【0264】
所望の期間の後、殺滅(%)を決定する。100%は、全ての虫が死滅したことを意味し、0%は、虫が死滅しなかったことを意味する。
【0265】
ここで、本発明に従って処理しなかった対照植物と比較して、著しく改善された害虫制御を見ることができる。
【0266】
(実施例4)
ワタのアフィス・ゴシピ(Aphis gossypii)
ワタアブラムシ(cotton aphid)(アフィス・ゴシピ)の混合集団が生息している、鱗翅目抵抗性および除草剤抵抗性を有する個々に鉢に植えたトランスジェニックワタ植物(栽培品種DP444 BG/RR)を、浸漬適用によって、それぞれの活性化合物で処理する。
【0267】
所望の期間の後、殺滅(%)を決定する。100%は、全てのアブラムシが死滅したことを意味し、0%は、アブラムシが死滅しなかったことを意味する。
【0268】
ここで、本発明に従って処理しなかった対照植物と比較して、著しく改善された害虫制御を見ることができる。
【0269】
【表5】

【0270】
(実施例5)
ワタのヘリオティス・アルミゲラ
鱗翅目抵抗性および除草剤抵抗性を有する個々に鉢に植えたトランスジェニックワタ植物(栽培品種DP444 BG/RR)を、2つの複製でオオタバコガ(ヘリオティス・アルミゲラ)に対して処理する。適用は、所望の適用率でそれぞれの活性化合物を浸漬適用することによって実施する。
【0271】
所望の期間の後、殺滅(%)を決定する。100%は、全ての虫が死滅したことを意味し、0%は、虫が死滅しなかったことを意味する。
【0272】
ここで、本発明に従って処理しなかった対照植物と比較して、著しく改善された害虫制御を見ることができる。
【0273】
【表7】

【0274】
(実施例6)
ワタのスポドプテラ・フルギペルダ
鱗翅目抵抗性および除草剤抵抗性を有する個々に鉢に植えたトランスジェニックワタ植物(栽培品種DP444 BG/RR)を、2つの複製でヨトウムシ(スポドプテラ・フルギペルダ)に対して処理する。適用は、所望の適用率でそれぞれの活性化合物を浸漬適用することによる。
【0275】
所望の期間の後、殺滅(%)を決定する。100%は、全ての虫が死滅したことを意味し、0%は、虫が死滅しなかったことを意味する。
【0276】
ここで、本発明に従って処理しなかった対照植物と比較して、著しく改善された害虫制御を見ることができる。
【0277】
【表8】

【0278】
(実施例7)
トウモロコシのジアブロチカ・バルテアタ
各場合、甲虫目、鱗翅目および/または除草剤抵抗性を有する5つのトランスジェニックトウモロコシ植物(栽培品種LH244RR×LH324およびHCL 201CRW2RR2×LH324)の鉢を、2つの複製でバンデッドキューカンバービートル(banded cucumber beetle)(ジアブロチカ・バルテアタ)の幼虫に対して処理する。適用は、所望の適用率でそれぞれの活性化合物を浸漬適用することによって実施する。
【0279】
所望の期間の後、殺滅(%)を決定する。100%は、全てのビートルの幼虫が死滅したことを意味し、0%は、ビートルの幼虫が死滅しなかったことを意味する。
【0280】
ここで、本発明に従って処理しなかった対照植物と比較して、著しく改善された害虫制御を見ることができる。
【0281】
【表10】

【0282】
(実施例8)
トウモロコシのスポドプテラ・エクシグア(exigua)
各場合、甲虫目、鱗翅目および/または除草剤抵抗性を有する5つのトランスジェニックトウモロコシ植物(栽培品種LH332RR×LH324BT、LH244RR×LH324、HC33CRW×LH287BTCRWおよびTR47×TR7322BT)の鉢を、2つの複製でビートのヨトウムシ(スポドプテラ・エクシグア)の幼虫に対して処理する。適用は、所望の適用率でそれぞれの活性化合物を浸漬適用することによって実施する。
【0283】
所望の期間の後、殺滅(%)を決定する。100%は、全ての虫が死滅したことを意味し、0%は、虫が死滅しなかったことを意味する。
【0284】
ここで、本発明に従って処理しなかった対照植物と比較して、著しく改善された害虫制御を見ることができる。
【0285】
【表11】

【0286】
(実施例9)
トウモロコシのスポドプテラ・フルギペルダ
各場合、甲虫目、鱗翅目および/または除草剤抵抗性を有する5つのトランスジェニックトウモロコシ植物(栽培品種HC33CRW×LH287BTCRW、TR47×TR7322BT)の鉢を、2つの複製でヨトウムシ(スポドプテラ・フルギペルダ)に対して処理する。適用は、所望の適用率でそれぞれの活性化合物を浸漬適用することによって実施する。
【0287】
所望の期間の後、殺滅(%)を決定する。100%は、全ての虫が死滅したことを意味し、0%は、虫が死滅しなかったことを意味する。
【0288】
ここで、本発明に従って処理しなかった対照植物と比較して、著しく改善された害虫制御を見ることができる。
【0289】
【表12】

【0290】
(実施例10)
トウモロコシのスポドプテラ・フルギペルダ(浸漬適用)
各場合、甲虫目、鱗翅目および除草剤抵抗性を有する5つのトランスジェニックワタ植物(栽培品種HC33CRW×LH287BTCRW、LH332RR×LH324BT、LH244RR×LH324およびFR1064LL×FR2108)の鉢を、2つの複製でヨトウムシ(スポドプテラ・フルギペルダ)に対して処理する。適用は、所望の適用率でそれぞれの活性化合物を浸漬適用することによって実施する。
【0291】
所望の期間の後、殺滅(%)を決定する。100%は、全ての虫が死滅したことを意味し、0%は、虫が死滅しなかったことを意味する。
【0292】
ここで、本発明に従って処理しなかった対照植物と比較して、著しく改善された害虫制御を見ることができる。
【0293】
【表14】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の少なくとも1つの式(I)の化合物で処理されることを特徴とするトランスジェニック植物の潜在生産能力の利用を改善する方法
【化1】

[式中、
Aは、ピリド−2−イルもしくはピリド−4−イルを表し、またはフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチルもしくはトリフルオロメトキシによって6位において場合によって置換されているピリド−3−イルを表し、または塩素もしくはメチルによって6位において場合によって置換されているピリダジン−3−イルを表し、またはピラジン−3−イルを表し、または2−クロロピラジン−5−イルを表し、または塩素もしくはメチルによって2位において場合によって置換されている1,3−チアゾール−5−イルを表し、または
Aは、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル(フッ素および/または塩素によって場合によって置換されている)、C−C−アルキルチオ(フッ素および/または塩素によって場合によって置換されている)またはC−C−アルキルスルホニル(フッ素および/または塩素によって場合によって置換されている)によって場合によって置換されているピリミジニル、ピラゾリル、チオフェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4−トリアゾリルまたは1,2,5−チアジアゾリル基を表し、
または
Aは、基
【化2】

(式中、Xは、ハロゲン、アルキルまたはハロアルキルを表し、
Yは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アジドまたはシアノを表す。)を表し、
は、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロシクロアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキルまたはハロシクロアルキルアルキルを表す。]。
【請求項2】
式(I)の化合物において、
Aが、基6−フルオロピリド−3−イル、6−クロロピリド−3−イル、6−ブロモピリド−3−イル、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル、2−クロロピリミジン−5−イル、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、5,6−ジクロロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イル、5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イル、5,6−ジブロモピリド−3−イル、5−メチル−6−クロロピリド−3−イル、5−クロロ−6−ヨードピリド−3−イルまたは5−ジフルオロメチル−6−クロロピリド−3−イルを表し、
が、メチル、メトキシ、エチル、プロピル、ビニル、アリル、プロパルギル、シクロプロピル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチルまたは2−フルオロシクロプロピルを表すことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式(I)の化合物において、
Aが、基6−フルオロピリド−3−イル、6−クロロピリド−3−イル、6−ブロモピリド−3−イル、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルまたは5,6−ジクロロピリド−3−イルを表し、
が、メチル、シクロプロピル、メトキシ、2−フルオロエチルまたは2,2−ジフルオロエチルを表すことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
式(I)の化合物が、式(I−1)、(I−2)、(I−3)、(I−4)、(I−5)、(I−6)、(I−7)、(I−8)、(I−9)および(I−10)の化合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記植物が、少なくとも1つの遺伝子修飾構造または表1の耐性を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記植物が、表3の少なくとも1つの修飾された作用原理を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記植物が、表4のトランスジェニック植物であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記植物が、表2の少なくとも1つの遺伝子修飾を含有することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記トランスジェニック植物が、Bt毒素をコードする少なくとも1つの遺伝子または遺伝子フラグメントを含有することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記トランスジェニック植物が、野菜植物、トウモロコシ植物、ダイズ植物、ワタ植物、タバコ植物、コメ植物、テンサイ植物、ナタネ植物またはジャガイモ植物であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
式(I)の化合物の使用形態が、少なくとも1つの混合相手との混合物として存在することを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2010−540475(P2010−540475A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526186(P2010−526186)
【出願日】平成20年9月13日(2008.9.13)
【国際出願番号】PCT/EP2008/007605
【国際公開番号】WO2009/043438
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】