トランスファ装置
【課題】トランスファ装置の駆動装置をコンパクトに設計できるようにすることである。
【解決手段】一対の各ビーム1の一端側を、3次元の任意の方向に回動可能で、伸縮駆動される互いに交差する3本の伸縮アーム3a、3b、3cで、他端側を、任意の方向に回動可能で、伸縮駆動される互いに交差する2本の伸縮アーム3a、3bで固定面33に連結し、これらの伸縮アーム3a、3b、3cの伸縮駆動によって、ビーム1に進退動作、開閉動作および昇降動作の3次元動作をさせることにより、大寸法となる直線駆動装置を不要として、トランスファ装置の駆動装置をコンパクトに設計できるようにした。
【解決手段】一対の各ビーム1の一端側を、3次元の任意の方向に回動可能で、伸縮駆動される互いに交差する3本の伸縮アーム3a、3b、3cで、他端側を、任意の方向に回動可能で、伸縮駆動される互いに交差する2本の伸縮アーム3a、3bで固定面33に連結し、これらの伸縮アーム3a、3b、3cの伸縮駆動によって、ビーム1に進退動作、開閉動作および昇降動作の3次元動作をさせることにより、大寸法となる直線駆動装置を不要として、トランスファ装置の駆動装置をコンパクトに設計できるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスファプレスに配列された複数の金型にワークを順送りするトランスファ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鍛造プレス等のトランスファプレスには、ワークの送り方向に配列された複数の金型の前後に、ワークを前後方向からクランプする複数組のフィンガを設けた一対の平行なビームを送り方向に延びるように配置し、この金型の前後に配置した一対のビームを、送り方向への進退動作、前後方向への開閉動作、および上下方向への昇降動作の3次元動作をさせるように駆動し、フィンガでクランプしたワークを配列された金型に順送りするトランスファ装置を備えたものがある(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
特許文献1、2に記載されたトランスファ装置では、一対のビームの進退動作、開閉動作および昇降動作の3次元動作の駆動を、いずれもサーボモータの回転を直線運動に変換するねじ機構を用いた直線駆動装置で行うようにしている。これらの各動作の駆動装置は、通常、トランスファプレスのワークの供給端側と排出端側のプレス本体の外側に配置され、送り方向に延びる各ビームの両端部を支持して駆動するようになっている。進退動作の駆動装置は、ビームの一端側のみに配置され、他端側は支持機構のみを設けたものもある。
【0004】
特許文献1に記載されたものは、一対のビームを3次元動作させる各サーボモータを各ビームで共通のものとし、サーボモータの設置個数を減らしている。また、特許文献2に記載されたものは、ねじ機構にボールねじを用いるとともに、3次元動作させる各サーボモータを各ビームで独立のものとして、トランスファプレスのワークの供給端側と排出端側とに前後方向でスペースを開け、ワークの搬出入装置の設置スペースを確保できるようにしている。
【0005】
また、特許文献3に記載されたものは、ビームを回動自在なリンクバーで進退動作駆動体に連結し、特許文献1、2に記載されたものと同様の直線駆動装置で駆動される開閉動作と昇降動作に伴う進退方向の位置ずれを、この位置ずれと反対方向に進退動作駆動体を移動させて補正する位置ずれ補正手段を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−175030号公報
【特許文献2】特開2005−279675号公報
【特許文献3】特開平6−31360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、2に記載されたトランスファ装置は、一対のビームを進退動作、開閉動作および昇降動作させる各駆動装置を、サーボモータの回転を直線運動に変換するねじ機構を用いた直線駆動装置としているので、これらの直線駆動装置が大寸法のものとなり、コンパクトな設計を阻害する問題がある。
【0008】
また、特許文献3に記載されたトランスファ装置は、ビームを回動自在なリンクバーで進退動作駆動体に連結しているので、進退動作駆動体は、特許文献1、2に記載されたものよりはコンパクトに設計できるが、開閉動作と昇降動作の各駆動体は、特許文献1、2に記載されたものと同じ直線駆動装置であるので、やはりコンパクトな設計を実現することはできない。
【0009】
そこで、本発明の課題は、トランスファ装置の駆動装置をコンパクトに設計できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、ワークの送り方向に配列された複数の金型の前後に、ワークを前後方向からクランプする複数組のフィンガを設けた一対の平行なビームをワークの送り方向に延びるように配置し、この金型の前後に配置した一対のビームを、前記送り方向への進退動作、前後方向への開閉動作、および上下方向への昇降動作の3次元動作をさせるように駆動して、前記フィンガでクランプしたワークを配列された金型に順送りするトランスファ装置において、少なくとも一方の前記ビームの少なくとも一端側を、伸縮駆動され、互いに交差する2本の伸縮アームで固定部に連結し、これらの伸縮アームの前記ビーム側と固定部側との各連結部を回動自在とした構成を採用した。
【0011】
すなわち、少なくとも一方のビームの少なくとも一端側を、伸縮駆動され、互いに交差する2本の伸縮アームで固定部に連結し、これらの伸縮アームの前記ビーム側と固定部側との各連結部を回動自在とすることにより、大寸法となる直線駆動装置を減らして、トランスファ装置の駆動装置をコンパクトに設計できるようにした。
【0012】
前記2本の伸縮アームを、前記送り方向、前後方向および上下方向のうちの2方向を包含する少なくとも2次元平面内で回動可能とし、これらの伸縮アームの伸縮駆動によって、前記進退動作、開閉動作および昇降動作の3次元動作のうちの、前記回動可能とした2次元平面内に包含される2方向への2次元動作をさせることにより、伸縮アームの伸縮ストロークを短くすることができる。
【0013】
前記2本の伸縮アームは、3次元の任意の方向に回動可能とすることができる。
【0014】
前記ビームの少なくとも一端側を、前記互いに交差する2本の伸縮アームを包含する2次元平面と交差するもう1本の前記伸縮アームで固定部に連結して、これらの3本の伸縮アームを、3次元の任意の方向に回動可能とし、これらの伸縮アームの伸縮駆動によって、前記ビームに前記進退動作、開閉動作および昇降動作の3次元動作をさせることにより、直線駆動装置をさらに減らして、トランスファ装置の駆動装置をよりコンパクトに設計することができる。
【0015】
前記ビームの他端側も、互いに交差する2本の前記伸縮アームで固定部に連結し、これらの少なくとも2本の伸縮アームを3次元の任意の方向に回動可能とすることにより、直線駆動装置を不要として、トランスファ装置をさらにコンパクトに設計することができる。
【0016】
前記伸縮アームを3次元空間で任意の方向に回動可能とする手段は、前記伸縮アームの両端部を、球面と凹球面座を係合させる球面継手で回動可能に前記ビーム側と固定部側とに連結するものとするとよい。
【0017】
前記伸縮アームを伸縮駆動する手段は、アームの長手方向に向けて組み込んだ伸縮駆動されるシリンダとすることができる。
【0018】
前記伸縮駆動されるシリンダを、サーボモータの回転で伸縮駆動される電動サーボシリンダとすることにより、伸縮アームの伸縮駆動を精度よく行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るトランスファ装置は、少なくとも一方のビームの少なくとも一端側を、伸縮駆動され、互いに交差する2本の伸縮アームで固定部に連結し、これらの伸縮アームの前記ビーム側と固定部側との各連結部を回動自在としたので、大寸法となる直線駆動装置を減らして、トランスファ装置の駆動装置をコンパクトに設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態のトランスファ装置を示す平面図
【図2】図1の正面図
【図3】図1のビームを示す外観斜視図
【図4】図3のビームの3次元動作を説明する動作線図
【図5】(a)〜(f)は、図3のビームの3次元動作を行うときの伸縮アームの駆動形態を説明する模式図
【図6】図3のビームの変形例を示す外観斜視図
【図7】第2の実施形態のビームを示す外観斜視図
【図8】(a)〜(f)は、図7のビームの3次元動作を行うときの伸縮アームの駆動形態を説明する模式図
【図9】図7のビームの変形例を示す外観斜視図
【図10】第3の実施形態のトランスファ装置のビームを示す外観斜視図
【図11】(a)〜(f)は、図10のビームの3次元動作を行うときの伸縮アームの駆動形態を説明する模式図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図5は、第1の実施形態を示す。このトランスファ装置は鍛造用トランスファプレスに装備されたものであり、図1および図2に示すように、プレス本体31のワークWの送り方向に配列された複数の金型32の前後に、ワークWを前後方向からクランプする複数組のフィンガ2を設けた一対の平行なビーム1が送り方向に延びるように配置され、この一対のビーム1を、送り方向への進退動作、前後方向への開閉動作、および上下方向への昇降動作の3次元動作をするように駆動して、供給端側に配置される搬入装置からワークWを受け取り、受け取ったワークWをフィンガ2でクランプして配列された各金型32に順送りして、加工されたワークWを排出端側に配置される搬出装置に受け渡す。
【0022】
図3に示すように、前記一対の各ビーム1は、一端側を互いに交差する3本の伸縮アーム3a、3b、3cで、他端側を互いに交差する2本の伸縮アーム3a、3bで、両端側に設けられた固定部としての水平な固定面33に連結されている。各伸縮アーム3a、3b、3cは3次元の任意の方向に回動可能に、球面と凹球面座を係合させる球面継手4で、両端側をビーム1側と固定面33側とに回動自在に連結され、サーボモータ(図示省略)の回転で伸縮駆動される電動サーボシリンダ5がアームの長手方向に向けて組み込まれている。また、伸縮アーム3aは、相手方のビーム1との対向方向外側へ斜め下向きに、伸縮アーム3bは、相手方のビーム1との対向方向内側へ斜め下向きに、伸縮アーム3cは、ビーム1の長手方向外側へ斜め下向きに、それぞれ四隅のポスト31aの外側に設けられた水平な固定面33に連結されている。
【0023】
図4は、前記一対のビーム1の進退動作、開閉動作および昇降動作の3次元動作のサイクルを3次元的に表示した動作線図である。この動作線図は、左右方向を進退方向、奥行方向を開閉方向、上下方向を昇降方向としており、サイクル動作の向きを矢印で示す。このサイクル動作のスタート点を、ビーム1が左下の後退位置で下降して開いた状態とすると、動作の順序は以下の通りである。
・動作の順序:閉(クランプ)→上昇→前進→下降→開(アンクランプ)→後退
なお、この3次元動作では、図4の動作線図で動作が切り替わるコーナ部を丸めて示すように、前進動作と後退動作の前後期に、開閉動作または昇降動作を同時に行い、サイクル時間を短縮するようにしている。
【0024】
図5(a)〜(f)は、上述した3次元動作を行うときの各伸縮アーム3a、3b、3cの駆動形態を説明する模式図である。なお、この模式図では、3本の伸縮アーム3a、3b、3cを連結した一端側を排出端側、2本の伸縮アーム3a、3bを連結した他端側を供給端側としているが、供給端側と排出端側は逆にしてもよい。
【0025】
図5(a)は、前記サイクル動作のスタート点の状態であり、各ビーム1の対向方向外側の伸縮アーム3aよりも内側の伸縮アーム3bが伸長されるとともに、長手方向外側の伸縮アーム3cが伸長されて、各伸縮アーム3a、3bが供給端側へ回動し、一対のビーム1が後退して下降した位置で開いている。つぎに、図5(b)に示すように、対向方向外側の伸縮アーム3aが伸張されるとともに、内側の伸縮アーム3bが短縮されて、これらの伸長度合いが逆になり、一対のビーム1が閉じて、フィンガ2でワークWをクランプする。このとき、伸縮アーム3cは、ビーム1の下降位置を保持するように追従的に伸縮される。
【0026】
こののち、図5(c)に示すように、各伸縮アーム3a、3bが伸長されて、一対のビーム1が上昇する。このとき、伸縮アーム3cも追従するように伸長される。つぎに、図5(d)に示すように、伸縮アーム3cが短縮されて、各伸縮アーム3a、3bが排出端側へ傾斜するように回動し、一対のビーム1が前進する。このとき、各伸縮アーム3a、3bは、ビーム1の上昇位置を保持するように追従的に伸縮される。
【0027】
こののち、図5(e)に示すように、各伸縮アーム3a、3bが短縮されて、一対のビーム1が下降する。このとき、伸縮アーム3cも追従するように短縮される。つぎに、図5(f)に示すように、対向方向外側の伸縮アーム3aが短縮されるとともに、内側の伸縮アーム3bが伸張されて、これらの伸長度合いが逆になり、一対のビーム1が開いて、ワークWをアンクランプする。このときも、伸縮アーム3cは、ビーム1の下降位置を保持するように追従的に伸縮される。最後に、伸縮アーム3cが伸長されて、各伸縮アーム3a、3bが供給端側へ傾斜するように回動し、図5(a)に示したスタート点の状態に戻る。
【0028】
このように、対向方向の各伸縮アーム3a、3bは、開閉動作と昇降動作のときに主体的に駆動され、進退動作のときは追従的に駆動される。一方、長手方向の伸縮アーム3cは、進退動作のときに主体的に駆動され、開閉動作と昇降動作のときには追従的に駆動される。
【0029】
図6は、第1の実施形態のトランスファ装置の変形例を示す。この変形例では、ビーム1の両端側に、それぞれ対向方向外側と内側の伸縮アーム3a、3bと長手方向の伸縮アーム3cが連結されており、進退動作の駆動を両端側の2本の伸縮アーム3cで行う点が異なる。その他の部分は第1の実施形態のものと同じであり、3次元動作を行う各伸縮アーム3a、3b、3cの駆動形態も、基本的には、図5(a)〜(f)に示したものと同じである。
【0030】
図7および図8は、第2の実施形態を示す。このトランスファ装置は、図7に示すように、前記一端側の長手方向外側の伸縮アーム3cが、略水平方向に向けて、垂直な固定面34に連結されている点が異なる。その他の部分は、第1の実施形態のものと同じである。
【0031】
図8(a)〜(f)は、前記3次元動作を行うときの各伸縮アーム3a、3b、3cの駆動形態を説明する模式図である。この駆動形態は、伸縮アーム3cが、略水平方向に向けて伸縮されること以外は、図5(a)〜(f)に示した第1の実施形態のものと同じであり、対向方向の各伸縮アーム3a、3bは、開閉動作と昇降動作のときに主体的に駆動され、長手方向の伸縮アーム3cは、進退動作のときに主体的に駆動される。
【0032】
図9は、第2の実施形態のトランスファ装置の変形例を示す。この変形例では、長手方向の伸縮アーム3cが、ビーム1の長手方向内側に向けて、垂直な固定面34に連結されている点が異なる。その他の部分は第2の実施形態のものと同じであり、3次元動作を行う各伸縮アーム3a、3b、3cの駆動形態も、伸縮アーム3cの伸縮の向きが逆になるのみで、基本的には、図8(a)〜(f)に示したものと同じである。
【0033】
図10および図11は、第3の実施形態を示す。このトランスファ装置は、図10に示すように、前記ビーム1の両端側が、対向方向外側と内側へ斜め下向きに向けた互いに交差する2本ずつの伸縮アーム6a、6bで、両端側に設けられた水平な固定面33に連結されている。ビーム1の両端部には、ビーム1を送り方向へスライド案内するガイド筒7が外嵌され、各伸縮アーム6a、6bは、ビーム1側をガイド筒7に外嵌されたリング継手8で、固定面33側をピン継手9で回動自在に連結され、前後方向と昇降方向を包含するビーム1と直角な2次元平面内で回動可能とされ、電動サーボシリンダ5で伸縮駆動される。また、一端側のガイド筒7には直動シリンダ10が取り付けられており、ガイド筒7に案内されたビーム1を送り方向へ直線駆動するようになっている。この実施形態では、直動シリンダ10は排出端側のガイド筒7に取り付けられている。
【0034】
図11(a)〜(f)は、前記3次元動作を行うときの各伸縮アーム6a、6bと直動シリンダ10の駆動形態を説明する模式図である。図11(a)は、前記サイクル動作のスタート点の状態であり、各ビーム1の対向方向外側の伸縮アーム6aよりも内側の伸縮アーム6bが伸長されるとともに、直動シリンダ10が供給端側へ駆動され、一対のビーム1が後退して下降した位置で開いている。つぎに、図11(b)に示すように、対向方向外側の伸縮アーム6aが伸張されるとともに、内側の伸縮アーム6bが短縮されて、これらの伸長度合いが逆になり、一対のビーム1が閉じて、フィンガ2でワークWをクランプする。
【0035】
こののち、図11(c)に示すように、各伸縮アーム6a、6bが伸長されて、一対のビーム1が上昇し、続いて、図11(d)に示すように、直動シリンダ10が排出端側へ駆動されて、一対のビーム1が前進する。
【0036】
こののち、図11(e)に示すように、各伸縮アーム6a、6bが短縮されて、一対のビーム1が下降し、続いて、図11(f)に示すように、対向方向外側の伸縮アーム6aが短縮されるとともに、内側の伸縮アーム6bが伸張されて、これらの伸長度合いが逆になり、一対のビーム1が開いて、ワークWをアンクランプする。最後に、直動シリンダ10が供給端側へ駆動されて、図11(a)に示したスタート点の状態に戻る。
【0037】
上述した第3の実施形態では、各伸縮アーム6a、6bを、前後方向と昇降方向を包含する2次元平面内で回動可能として、開閉動作と昇降動作の2次元動作をさせるようにしたが、これらの各伸縮アーム6a、6bを、進退方向と昇降方向を包含する垂直な2次元平面内で回動可能とすれば、進退動作と昇降動作をさせることができ、進退方向と開閉方向を包含する水平な2次元平面内で回動可能とすれば、進退動作と開閉動作をさせることができる。なお、これらの2次元動作で残される3次元目の動作は、第3の実施形態で用いた直動シリンダ10等の直線駆動装置で行うことができる。3次元目の動作が開閉動作または昇降動作である場合は、これらの動作を駆動する直線駆動装置をビームの両端側に設けるとよい。
【0038】
上述した各実施形態では、伸縮アームを伸縮駆動する手段を電動サーボシリンダとしたが、油圧シリンダ等の他のシリンダや、ラックピニオン機構等とすることもできる。
【0039】
また、上述した各実施形態では、ビームの両端側に回動可能な伸縮アームを連結して、3次元動作を行なわせるようにしたが、ビームの一端側にのみ回動可能な伸縮アームを連結して、他端側は、特許文献1、2に記載されたような直線駆動装置で駆動することもできる。
【符号の説明】
【0040】
1 ビーム
2 フィンガ
3a、3b、3c 伸縮アーム
4 球面継手
5 電動サーボシリンダ
6a、6b 伸縮アーム
7 ガイド筒
8 リング継手
9 ピン継手
10 直動シリンダ
31 プレス本体
31a ポスト
32 金型
33、34 固定面
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスファプレスに配列された複数の金型にワークを順送りするトランスファ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鍛造プレス等のトランスファプレスには、ワークの送り方向に配列された複数の金型の前後に、ワークを前後方向からクランプする複数組のフィンガを設けた一対の平行なビームを送り方向に延びるように配置し、この金型の前後に配置した一対のビームを、送り方向への進退動作、前後方向への開閉動作、および上下方向への昇降動作の3次元動作をさせるように駆動し、フィンガでクランプしたワークを配列された金型に順送りするトランスファ装置を備えたものがある(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
特許文献1、2に記載されたトランスファ装置では、一対のビームの進退動作、開閉動作および昇降動作の3次元動作の駆動を、いずれもサーボモータの回転を直線運動に変換するねじ機構を用いた直線駆動装置で行うようにしている。これらの各動作の駆動装置は、通常、トランスファプレスのワークの供給端側と排出端側のプレス本体の外側に配置され、送り方向に延びる各ビームの両端部を支持して駆動するようになっている。進退動作の駆動装置は、ビームの一端側のみに配置され、他端側は支持機構のみを設けたものもある。
【0004】
特許文献1に記載されたものは、一対のビームを3次元動作させる各サーボモータを各ビームで共通のものとし、サーボモータの設置個数を減らしている。また、特許文献2に記載されたものは、ねじ機構にボールねじを用いるとともに、3次元動作させる各サーボモータを各ビームで独立のものとして、トランスファプレスのワークの供給端側と排出端側とに前後方向でスペースを開け、ワークの搬出入装置の設置スペースを確保できるようにしている。
【0005】
また、特許文献3に記載されたものは、ビームを回動自在なリンクバーで進退動作駆動体に連結し、特許文献1、2に記載されたものと同様の直線駆動装置で駆動される開閉動作と昇降動作に伴う進退方向の位置ずれを、この位置ずれと反対方向に進退動作駆動体を移動させて補正する位置ずれ補正手段を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−175030号公報
【特許文献2】特開2005−279675号公報
【特許文献3】特開平6−31360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、2に記載されたトランスファ装置は、一対のビームを進退動作、開閉動作および昇降動作させる各駆動装置を、サーボモータの回転を直線運動に変換するねじ機構を用いた直線駆動装置としているので、これらの直線駆動装置が大寸法のものとなり、コンパクトな設計を阻害する問題がある。
【0008】
また、特許文献3に記載されたトランスファ装置は、ビームを回動自在なリンクバーで進退動作駆動体に連結しているので、進退動作駆動体は、特許文献1、2に記載されたものよりはコンパクトに設計できるが、開閉動作と昇降動作の各駆動体は、特許文献1、2に記載されたものと同じ直線駆動装置であるので、やはりコンパクトな設計を実現することはできない。
【0009】
そこで、本発明の課題は、トランスファ装置の駆動装置をコンパクトに設計できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、ワークの送り方向に配列された複数の金型の前後に、ワークを前後方向からクランプする複数組のフィンガを設けた一対の平行なビームをワークの送り方向に延びるように配置し、この金型の前後に配置した一対のビームを、前記送り方向への進退動作、前後方向への開閉動作、および上下方向への昇降動作の3次元動作をさせるように駆動して、前記フィンガでクランプしたワークを配列された金型に順送りするトランスファ装置において、少なくとも一方の前記ビームの少なくとも一端側を、伸縮駆動され、互いに交差する2本の伸縮アームで固定部に連結し、これらの伸縮アームの前記ビーム側と固定部側との各連結部を回動自在とした構成を採用した。
【0011】
すなわち、少なくとも一方のビームの少なくとも一端側を、伸縮駆動され、互いに交差する2本の伸縮アームで固定部に連結し、これらの伸縮アームの前記ビーム側と固定部側との各連結部を回動自在とすることにより、大寸法となる直線駆動装置を減らして、トランスファ装置の駆動装置をコンパクトに設計できるようにした。
【0012】
前記2本の伸縮アームを、前記送り方向、前後方向および上下方向のうちの2方向を包含する少なくとも2次元平面内で回動可能とし、これらの伸縮アームの伸縮駆動によって、前記進退動作、開閉動作および昇降動作の3次元動作のうちの、前記回動可能とした2次元平面内に包含される2方向への2次元動作をさせることにより、伸縮アームの伸縮ストロークを短くすることができる。
【0013】
前記2本の伸縮アームは、3次元の任意の方向に回動可能とすることができる。
【0014】
前記ビームの少なくとも一端側を、前記互いに交差する2本の伸縮アームを包含する2次元平面と交差するもう1本の前記伸縮アームで固定部に連結して、これらの3本の伸縮アームを、3次元の任意の方向に回動可能とし、これらの伸縮アームの伸縮駆動によって、前記ビームに前記進退動作、開閉動作および昇降動作の3次元動作をさせることにより、直線駆動装置をさらに減らして、トランスファ装置の駆動装置をよりコンパクトに設計することができる。
【0015】
前記ビームの他端側も、互いに交差する2本の前記伸縮アームで固定部に連結し、これらの少なくとも2本の伸縮アームを3次元の任意の方向に回動可能とすることにより、直線駆動装置を不要として、トランスファ装置をさらにコンパクトに設計することができる。
【0016】
前記伸縮アームを3次元空間で任意の方向に回動可能とする手段は、前記伸縮アームの両端部を、球面と凹球面座を係合させる球面継手で回動可能に前記ビーム側と固定部側とに連結するものとするとよい。
【0017】
前記伸縮アームを伸縮駆動する手段は、アームの長手方向に向けて組み込んだ伸縮駆動されるシリンダとすることができる。
【0018】
前記伸縮駆動されるシリンダを、サーボモータの回転で伸縮駆動される電動サーボシリンダとすることにより、伸縮アームの伸縮駆動を精度よく行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るトランスファ装置は、少なくとも一方のビームの少なくとも一端側を、伸縮駆動され、互いに交差する2本の伸縮アームで固定部に連結し、これらの伸縮アームの前記ビーム側と固定部側との各連結部を回動自在としたので、大寸法となる直線駆動装置を減らして、トランスファ装置の駆動装置をコンパクトに設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態のトランスファ装置を示す平面図
【図2】図1の正面図
【図3】図1のビームを示す外観斜視図
【図4】図3のビームの3次元動作を説明する動作線図
【図5】(a)〜(f)は、図3のビームの3次元動作を行うときの伸縮アームの駆動形態を説明する模式図
【図6】図3のビームの変形例を示す外観斜視図
【図7】第2の実施形態のビームを示す外観斜視図
【図8】(a)〜(f)は、図7のビームの3次元動作を行うときの伸縮アームの駆動形態を説明する模式図
【図9】図7のビームの変形例を示す外観斜視図
【図10】第3の実施形態のトランスファ装置のビームを示す外観斜視図
【図11】(a)〜(f)は、図10のビームの3次元動作を行うときの伸縮アームの駆動形態を説明する模式図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図5は、第1の実施形態を示す。このトランスファ装置は鍛造用トランスファプレスに装備されたものであり、図1および図2に示すように、プレス本体31のワークWの送り方向に配列された複数の金型32の前後に、ワークWを前後方向からクランプする複数組のフィンガ2を設けた一対の平行なビーム1が送り方向に延びるように配置され、この一対のビーム1を、送り方向への進退動作、前後方向への開閉動作、および上下方向への昇降動作の3次元動作をするように駆動して、供給端側に配置される搬入装置からワークWを受け取り、受け取ったワークWをフィンガ2でクランプして配列された各金型32に順送りして、加工されたワークWを排出端側に配置される搬出装置に受け渡す。
【0022】
図3に示すように、前記一対の各ビーム1は、一端側を互いに交差する3本の伸縮アーム3a、3b、3cで、他端側を互いに交差する2本の伸縮アーム3a、3bで、両端側に設けられた固定部としての水平な固定面33に連結されている。各伸縮アーム3a、3b、3cは3次元の任意の方向に回動可能に、球面と凹球面座を係合させる球面継手4で、両端側をビーム1側と固定面33側とに回動自在に連結され、サーボモータ(図示省略)の回転で伸縮駆動される電動サーボシリンダ5がアームの長手方向に向けて組み込まれている。また、伸縮アーム3aは、相手方のビーム1との対向方向外側へ斜め下向きに、伸縮アーム3bは、相手方のビーム1との対向方向内側へ斜め下向きに、伸縮アーム3cは、ビーム1の長手方向外側へ斜め下向きに、それぞれ四隅のポスト31aの外側に設けられた水平な固定面33に連結されている。
【0023】
図4は、前記一対のビーム1の進退動作、開閉動作および昇降動作の3次元動作のサイクルを3次元的に表示した動作線図である。この動作線図は、左右方向を進退方向、奥行方向を開閉方向、上下方向を昇降方向としており、サイクル動作の向きを矢印で示す。このサイクル動作のスタート点を、ビーム1が左下の後退位置で下降して開いた状態とすると、動作の順序は以下の通りである。
・動作の順序:閉(クランプ)→上昇→前進→下降→開(アンクランプ)→後退
なお、この3次元動作では、図4の動作線図で動作が切り替わるコーナ部を丸めて示すように、前進動作と後退動作の前後期に、開閉動作または昇降動作を同時に行い、サイクル時間を短縮するようにしている。
【0024】
図5(a)〜(f)は、上述した3次元動作を行うときの各伸縮アーム3a、3b、3cの駆動形態を説明する模式図である。なお、この模式図では、3本の伸縮アーム3a、3b、3cを連結した一端側を排出端側、2本の伸縮アーム3a、3bを連結した他端側を供給端側としているが、供給端側と排出端側は逆にしてもよい。
【0025】
図5(a)は、前記サイクル動作のスタート点の状態であり、各ビーム1の対向方向外側の伸縮アーム3aよりも内側の伸縮アーム3bが伸長されるとともに、長手方向外側の伸縮アーム3cが伸長されて、各伸縮アーム3a、3bが供給端側へ回動し、一対のビーム1が後退して下降した位置で開いている。つぎに、図5(b)に示すように、対向方向外側の伸縮アーム3aが伸張されるとともに、内側の伸縮アーム3bが短縮されて、これらの伸長度合いが逆になり、一対のビーム1が閉じて、フィンガ2でワークWをクランプする。このとき、伸縮アーム3cは、ビーム1の下降位置を保持するように追従的に伸縮される。
【0026】
こののち、図5(c)に示すように、各伸縮アーム3a、3bが伸長されて、一対のビーム1が上昇する。このとき、伸縮アーム3cも追従するように伸長される。つぎに、図5(d)に示すように、伸縮アーム3cが短縮されて、各伸縮アーム3a、3bが排出端側へ傾斜するように回動し、一対のビーム1が前進する。このとき、各伸縮アーム3a、3bは、ビーム1の上昇位置を保持するように追従的に伸縮される。
【0027】
こののち、図5(e)に示すように、各伸縮アーム3a、3bが短縮されて、一対のビーム1が下降する。このとき、伸縮アーム3cも追従するように短縮される。つぎに、図5(f)に示すように、対向方向外側の伸縮アーム3aが短縮されるとともに、内側の伸縮アーム3bが伸張されて、これらの伸長度合いが逆になり、一対のビーム1が開いて、ワークWをアンクランプする。このときも、伸縮アーム3cは、ビーム1の下降位置を保持するように追従的に伸縮される。最後に、伸縮アーム3cが伸長されて、各伸縮アーム3a、3bが供給端側へ傾斜するように回動し、図5(a)に示したスタート点の状態に戻る。
【0028】
このように、対向方向の各伸縮アーム3a、3bは、開閉動作と昇降動作のときに主体的に駆動され、進退動作のときは追従的に駆動される。一方、長手方向の伸縮アーム3cは、進退動作のときに主体的に駆動され、開閉動作と昇降動作のときには追従的に駆動される。
【0029】
図6は、第1の実施形態のトランスファ装置の変形例を示す。この変形例では、ビーム1の両端側に、それぞれ対向方向外側と内側の伸縮アーム3a、3bと長手方向の伸縮アーム3cが連結されており、進退動作の駆動を両端側の2本の伸縮アーム3cで行う点が異なる。その他の部分は第1の実施形態のものと同じであり、3次元動作を行う各伸縮アーム3a、3b、3cの駆動形態も、基本的には、図5(a)〜(f)に示したものと同じである。
【0030】
図7および図8は、第2の実施形態を示す。このトランスファ装置は、図7に示すように、前記一端側の長手方向外側の伸縮アーム3cが、略水平方向に向けて、垂直な固定面34に連結されている点が異なる。その他の部分は、第1の実施形態のものと同じである。
【0031】
図8(a)〜(f)は、前記3次元動作を行うときの各伸縮アーム3a、3b、3cの駆動形態を説明する模式図である。この駆動形態は、伸縮アーム3cが、略水平方向に向けて伸縮されること以外は、図5(a)〜(f)に示した第1の実施形態のものと同じであり、対向方向の各伸縮アーム3a、3bは、開閉動作と昇降動作のときに主体的に駆動され、長手方向の伸縮アーム3cは、進退動作のときに主体的に駆動される。
【0032】
図9は、第2の実施形態のトランスファ装置の変形例を示す。この変形例では、長手方向の伸縮アーム3cが、ビーム1の長手方向内側に向けて、垂直な固定面34に連結されている点が異なる。その他の部分は第2の実施形態のものと同じであり、3次元動作を行う各伸縮アーム3a、3b、3cの駆動形態も、伸縮アーム3cの伸縮の向きが逆になるのみで、基本的には、図8(a)〜(f)に示したものと同じである。
【0033】
図10および図11は、第3の実施形態を示す。このトランスファ装置は、図10に示すように、前記ビーム1の両端側が、対向方向外側と内側へ斜め下向きに向けた互いに交差する2本ずつの伸縮アーム6a、6bで、両端側に設けられた水平な固定面33に連結されている。ビーム1の両端部には、ビーム1を送り方向へスライド案内するガイド筒7が外嵌され、各伸縮アーム6a、6bは、ビーム1側をガイド筒7に外嵌されたリング継手8で、固定面33側をピン継手9で回動自在に連結され、前後方向と昇降方向を包含するビーム1と直角な2次元平面内で回動可能とされ、電動サーボシリンダ5で伸縮駆動される。また、一端側のガイド筒7には直動シリンダ10が取り付けられており、ガイド筒7に案内されたビーム1を送り方向へ直線駆動するようになっている。この実施形態では、直動シリンダ10は排出端側のガイド筒7に取り付けられている。
【0034】
図11(a)〜(f)は、前記3次元動作を行うときの各伸縮アーム6a、6bと直動シリンダ10の駆動形態を説明する模式図である。図11(a)は、前記サイクル動作のスタート点の状態であり、各ビーム1の対向方向外側の伸縮アーム6aよりも内側の伸縮アーム6bが伸長されるとともに、直動シリンダ10が供給端側へ駆動され、一対のビーム1が後退して下降した位置で開いている。つぎに、図11(b)に示すように、対向方向外側の伸縮アーム6aが伸張されるとともに、内側の伸縮アーム6bが短縮されて、これらの伸長度合いが逆になり、一対のビーム1が閉じて、フィンガ2でワークWをクランプする。
【0035】
こののち、図11(c)に示すように、各伸縮アーム6a、6bが伸長されて、一対のビーム1が上昇し、続いて、図11(d)に示すように、直動シリンダ10が排出端側へ駆動されて、一対のビーム1が前進する。
【0036】
こののち、図11(e)に示すように、各伸縮アーム6a、6bが短縮されて、一対のビーム1が下降し、続いて、図11(f)に示すように、対向方向外側の伸縮アーム6aが短縮されるとともに、内側の伸縮アーム6bが伸張されて、これらの伸長度合いが逆になり、一対のビーム1が開いて、ワークWをアンクランプする。最後に、直動シリンダ10が供給端側へ駆動されて、図11(a)に示したスタート点の状態に戻る。
【0037】
上述した第3の実施形態では、各伸縮アーム6a、6bを、前後方向と昇降方向を包含する2次元平面内で回動可能として、開閉動作と昇降動作の2次元動作をさせるようにしたが、これらの各伸縮アーム6a、6bを、進退方向と昇降方向を包含する垂直な2次元平面内で回動可能とすれば、進退動作と昇降動作をさせることができ、進退方向と開閉方向を包含する水平な2次元平面内で回動可能とすれば、進退動作と開閉動作をさせることができる。なお、これらの2次元動作で残される3次元目の動作は、第3の実施形態で用いた直動シリンダ10等の直線駆動装置で行うことができる。3次元目の動作が開閉動作または昇降動作である場合は、これらの動作を駆動する直線駆動装置をビームの両端側に設けるとよい。
【0038】
上述した各実施形態では、伸縮アームを伸縮駆動する手段を電動サーボシリンダとしたが、油圧シリンダ等の他のシリンダや、ラックピニオン機構等とすることもできる。
【0039】
また、上述した各実施形態では、ビームの両端側に回動可能な伸縮アームを連結して、3次元動作を行なわせるようにしたが、ビームの一端側にのみ回動可能な伸縮アームを連結して、他端側は、特許文献1、2に記載されたような直線駆動装置で駆動することもできる。
【符号の説明】
【0040】
1 ビーム
2 フィンガ
3a、3b、3c 伸縮アーム
4 球面継手
5 電動サーボシリンダ
6a、6b 伸縮アーム
7 ガイド筒
8 リング継手
9 ピン継手
10 直動シリンダ
31 プレス本体
31a ポスト
32 金型
33、34 固定面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの送り方向に配列された複数の金型の前後に、ワークを前後方向からクランプする複数組のフィンガを設けた一対の平行なビームをワークの送り方向に延びるように配置し、この金型の前後に配置した一対のビームを、前記送り方向への進退動作、前後方向への開閉動作、および上下方向への昇降動作の3次元動作をさせるように駆動して、前記フィンガでクランプしたワークを配列された金型に順送りするトランスファ装置において、少なくとも一方の前記ビームの少なくとも一端側を、伸縮駆動され、互いに交差する2本の伸縮アームで固定部に連結し、これらの伸縮アームの前記ビーム側と固定部側との各連結部を回動自在としたことを特徴とするトランスファ装置。
【請求項2】
前記2本の伸縮アームを、前記送り方向、前後方向および上下方向のうちの2方向を包含する少なくとも2次元平面内で回動可能とし、これらの伸縮アームの伸縮駆動によって、前記進退動作、開閉動作および昇降動作の3次元動作のうちの、前記回動可能とした2次元平面内に包含される2方向への2次元動作をさせるようにした請求項1に記載のトランスファ装置。
【請求項3】
前記2本の伸縮アームを3次元の任意の方向に回動可能とした請求項1または2に記載のトランスファ装置。
【請求項4】
前記ビームの少なくとも一端側を、前記互いに交差する2本の伸縮アームを包含する2次元平面と交差するもう1本の前記伸縮アームで固定部に連結して、これらの3本の伸縮アームを、3次元の任意の方向に回動可能とし、これらの伸縮アームの伸縮駆動によって、前記ビームに前記進退動作、開閉動作および昇降動作の3次元動作をさせるようにした請求項1乃至3のいずれかに記載のトランスファ装置。
【請求項5】
前記ビームの他端側も、互いに交差する2本の前記伸縮アームで固定部に連結し、これらの少なくとも2本の伸縮アームを3次元の任意の方向に回動可能とした請求項4に記載のトランスファ装置。
【請求項6】
前記伸縮アームを3次元の任意の方向に回動可能とする手段が、前記伸縮アームの両端部を、球面と凹球面座を係合させる球面継手で回動可能に前記ビーム側と固定部側とに連結するものである請求項3乃至5のいずれかに記載のトランスファ装置。
【請求項7】
前記伸縮アームを伸縮駆動する手段を、アームの長手方向に向けて組み込んだ伸縮駆動されるシリンダとした請求項1乃至6のいずれかに記載のトランスファ装置。
【請求項8】
前記伸縮駆動されるシリンダを、サーボモータの回転で伸縮駆動される電動サーボシリンダとした請求項7に記載のトランスファ装置。
【請求項1】
ワークの送り方向に配列された複数の金型の前後に、ワークを前後方向からクランプする複数組のフィンガを設けた一対の平行なビームをワークの送り方向に延びるように配置し、この金型の前後に配置した一対のビームを、前記送り方向への進退動作、前後方向への開閉動作、および上下方向への昇降動作の3次元動作をさせるように駆動して、前記フィンガでクランプしたワークを配列された金型に順送りするトランスファ装置において、少なくとも一方の前記ビームの少なくとも一端側を、伸縮駆動され、互いに交差する2本の伸縮アームで固定部に連結し、これらの伸縮アームの前記ビーム側と固定部側との各連結部を回動自在としたことを特徴とするトランスファ装置。
【請求項2】
前記2本の伸縮アームを、前記送り方向、前後方向および上下方向のうちの2方向を包含する少なくとも2次元平面内で回動可能とし、これらの伸縮アームの伸縮駆動によって、前記進退動作、開閉動作および昇降動作の3次元動作のうちの、前記回動可能とした2次元平面内に包含される2方向への2次元動作をさせるようにした請求項1に記載のトランスファ装置。
【請求項3】
前記2本の伸縮アームを3次元の任意の方向に回動可能とした請求項1または2に記載のトランスファ装置。
【請求項4】
前記ビームの少なくとも一端側を、前記互いに交差する2本の伸縮アームを包含する2次元平面と交差するもう1本の前記伸縮アームで固定部に連結して、これらの3本の伸縮アームを、3次元の任意の方向に回動可能とし、これらの伸縮アームの伸縮駆動によって、前記ビームに前記進退動作、開閉動作および昇降動作の3次元動作をさせるようにした請求項1乃至3のいずれかに記載のトランスファ装置。
【請求項5】
前記ビームの他端側も、互いに交差する2本の前記伸縮アームで固定部に連結し、これらの少なくとも2本の伸縮アームを3次元の任意の方向に回動可能とした請求項4に記載のトランスファ装置。
【請求項6】
前記伸縮アームを3次元の任意の方向に回動可能とする手段が、前記伸縮アームの両端部を、球面と凹球面座を係合させる球面継手で回動可能に前記ビーム側と固定部側とに連結するものである請求項3乃至5のいずれかに記載のトランスファ装置。
【請求項7】
前記伸縮アームを伸縮駆動する手段を、アームの長手方向に向けて組み込んだ伸縮駆動されるシリンダとした請求項1乃至6のいずれかに記載のトランスファ装置。
【請求項8】
前記伸縮駆動されるシリンダを、サーボモータの回転で伸縮駆動される電動サーボシリンダとした請求項7に記載のトランスファ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−45891(P2011−45891A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194088(P2009−194088)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000142595)株式会社栗本鐵工所 (566)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000142595)株式会社栗本鐵工所 (566)
【Fターム(参考)】
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