説明

トリガスイッチ

【課題】防水性を確保することができるトリガスイッチを実現する。
【解決手段】本発明に係る防水スイッチ1は、防水ケース2を構成するケース部品6およびカバー部品7と、操作部3とを備え、操作部3の変位に応じて、防水ケース2の内圧が変化し、ケース部品6は、防水ケース2の内圧の変化によって変形しない非弾性体からなり穴部8aを有するケース基体8と、穴部8aを塞ぎ内圧の変化に応じて変形可能な弾性体で構成される内圧調整部9とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリガスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、スイッチを内蔵する防水ケースと、スイッチの操作に用いられる操作部とを備えるトリガスイッチがある。例えば、操作部が、防水ケースの内部側に押し込まれることにより、スイッチのON/OFFを切り換える。例えば、特許文献1には、一般的なトリガスイッチが開示されている。
【0003】
このように、気密性を有する防水ケースでは、操作ストロークの分だけ防水ケースの内部に押し込まれる操作部によって、防水ケースの内圧が変化する。小型の防水ケースでは、内蔵する部品によって内部の空間が狭くなっているので、内圧変化も大きくなる。防水ケースの内圧変化は、防水ケースの防水性・防塵性に影響を及ぼすおそれがある。また、防水ケースの内圧変化が、操作部の押し込み操作にも影響する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−110271号公報(2001年4月20日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のトリガスイッチでは、トリガスイッチの操作が、防水ケースの防水性・防塵性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0006】
スイッチを内蔵する防水ケースは、防水性を確保するために、防水ケースの組合わせ部分および防水ケースと操作部との境界等に、ガスケットまたはパッキン等のシール部材が配置される。そのため、防水ケースは気密性をも有する。
【0007】
このように、気密性を有する防水ケースでは、操作ストロークの分だけ防水ケースの内部に押し込まれる(または引き出される)操作部によって、防水ケースの内圧が変化する。小型の防水ケースでは、内蔵する部品によって内部の空間が狭くなっているので、内圧変化も大きくなる。防水ケースの内圧変化は、防水ケースの防水性・防塵性に影響を及ぼすおそれがある。例えば、操作部が防水ケースの外部側へ引き戻されるときに、防水ケースの組合わせ部分に付着した水滴を、防水ケースの内部に吸い込んでしまうという問題が発生しうる。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、防水性を確保することができるトリガスイッチを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るトリガスイッチは、ケース部材と、カバー部材と、操作に用いられる操作部とを備えるトリガスイッチであって、上記ケース部材と、上記カバー部材とは、組み合わされて防水ケースを構成し、上記操作部は、上記防水ケースの内部側に変位するよう操作可能であり、上記操作部の変位に応じて、上記防水ケースの内圧が変化し、上記ケース部材は、上記防水ケースの内圧の変化によって変形しない非弾性体からなるケース基体を備え、上記ケース基体は、穴部を有し、上記ケース基体には、上記穴部を塞ぎ上記防水ケースの内圧の変化に応じて変形可能な弾性体で構成される変形部が設けられていることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、ケース基体は、非弾性体からなるので、防水ケースの内圧の変化によって変形しない。一方、変形部は、弾性体からなるので、防水ケースの内圧の変化に応じて変形可能である。よって、操作部が変位したときに変形部が変形することにより、防水ケースの内圧の変化を調整することができる。そのため、内圧の変化によって防水性が低下することを防ぐことができる。
【0011】
また、上記ケース部材は、上記ケース基体と上記カバー部材との間に配置されるシール部材を備え、上記シール部材および上記変形部は、同じ弾性体で構成され、かつ、上記ケース部材の同じ側から見える位置に、上記ケース基体と一体に成形されている構成であってもよい。
【0012】
上記の構成によれば、防水性を確保するためのシール部材と、上記変形部とが、ケース基体と一体になるよう成形されている。このシール部材および変形部は、ケース部材の同じ側(同じ方向)から見える位置に成形されているので、ケース基体に対してシール部材および変形部を、同時に成形することができる。そのため、例えば従来のようにシール部材および変形部の部品が分かれていて、それらを個別に製造する場合に比べて、製造工程を簡略化することができる。上記の構成によれば、ケース基体とシール部材と変形部とが1つの部品として一体に成形されているので、防水ケースを組み立てる工程およびその部品管理も容易になる。
【0013】
また、上記ケース基体は、複数の上記穴部を有し、上記ケース部材は、上記複数の穴部に対応する複数の上記変形部を備える構成であってもよい。
【0014】
上記の構成によれば、ケース部材は、複数の上記穴部に対応する複数の変形部を備えるので、個々の穴部および変形部を小さくすることができる。そのため、軟らかい変形部を傷付きにくくすることができる。
【0015】
また、上記ケース基体は、硬質樹脂からなり、上記変形部および上記シール部材は、熱可塑性エラストマーからなる構成であってもよい。
【0016】
上記の構成によれば、ケース基体は、防水ケース内部の空間を確保することができ、変形部は防水ケースの内圧を調整することができる。
【0017】
また、上記穴部は、長径が5mm以下、かつ、短径が1mm以上であってもよい。
【0018】
上記の構成によれば、変形部が小さいので、指等によって変形部が傷つけられにくくなり、防水性を向上することができる。
【0019】
また、上記変形部は、上記防水ケースの外側の表面よりも内側になる位置に形成されている構成であってもよい。
【0020】
上記の構成によれば、変形部は防水ケースの外側の表面よりも内側に凹んだ位置に形成されているので、軟らかい変形部を硬いケース基体によって保護することができる。
【0021】
上記トリガスイッチのケース部材は、穴部を有する上記ケース基体を、非弾性体材料によって成形する第1成形工程と、上記ケース部材と上記防水ケースを構成するカバー部材との間に配置される上記シール部材と、上記穴部を塞ぐ変形部とを、上記ケース基体と一体になるように、弾性体材料によって成形する第2成形工程とによって製造することができる。
【0022】
上記の構成によれば、ケース基体は、非弾性体からなるので、防水ケースの内圧の変化によって変形しない。一方、変形部は、弾性体からなるので、防水ケースの内圧の変化に応じて変形可能である。よって、変形部が変形することにより、防水ケースの内圧の変化を調整することができる。そのため、内圧の変化によって防水性が低下することを防ぐことができる。また、第2成形工程において、防水性を確保するためのシール部材と、上記変形部とを、ケース基体に対して同時に成形することができる。
【0023】
また、上記第1成形工程においては、第1金型と第2金型とを用いて上記ケース基体の成形を行い、上記第2成形工程においては、上記第1金型と第3金型とを用いて上記シール部材と上記変形部との成形を行う構成であってもよい。
【0024】
上記の構成によれば、第1成形工程と第2成形工程において、第1金型を共通に用いて、第2金型と第3金型との違いによって、シール部材および変形部を同時に成形することができる。また、このようにして成形されるシール部材および変形部は、ケース部材の同じ側(第2金型および第3金型側)から見える位置に成形される。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るトリガスイッチは、ケース部材と、カバー部材と、操作に用いられる操作部とを備えるトリガスイッチであって、上記ケース部材と、上記カバー部材とは、組み合わされて防水ケースを構成し、上記操作部は、上記防水ケースの内部側に変位するよう操作可能であり、上記操作部の変位に応じて、上記防水ケースの内圧が変化し、上記ケース部材は、上記防水ケースの内圧の変化によって変形しない非弾性体からなるケース基体を備え、上記ケース基体は、穴部を有し、上記ケース基体には、上記穴部を塞ぎ上記防水ケースの内圧の変化に応じて変形可能な弾性体で構成される変形部が設けられていることを特徴としている。
【0026】
よって、操作部が変位したときに変形部が変形することにより、防水ケースの内圧の変化を調整することができる。そのため、内圧の変化によって防水性が低下することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態に係る防水スイッチの概略構成を示す斜視図である。
【図2】上記防水スイッチの概略構成を示す正面図である。
【図3】図2のA−A切断線における断面を示す断面図である。
【図4】ケース部品の概略構成を示す斜視図である。
【図5】上記ケース部品の製造工程のフローを示す図である。
【図6】第1成形工程において、ケース基体を射出成形する際の金型の配置を示す断面図である。
【図7】第2成形工程において、内圧調整部およびシール部材を射出成形する際の金型の配置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
<防水スイッチの構造>
図1は、本実施形態の防水スイッチ(トリガスイッチ)1の概略構成を示す斜視図である。図2は、本実施形態の防水スイッチ1の概略構成を示す正面図である。防水スイッチ1は、スイッチおよびスイッチに接続された配線基板を内蔵する防水ケース2と、防水ケース2の外側からスイッチのON/OFFを切り換えるための操作部3とを含む。
【0030】
操作部3は、防水ケース2の側面に備えられており、挿入部4を備える。図2では、挿入部4を透視して図示している。挿入部4は、防水ケース2の内部側へ変位可能であり、操作部3が防水ケース2側に押し込まれるよう利用者に操作されることにより、挿入部4は、防水ケース2の内部に押し込まれる。また、挿入部4は、防水性を確保するために、蛇腹状のシールブーツ5によって覆われている。また、挿入部4および他の部品(配線等)が防水ケース2に挿入される箇所においても、パッキンまたはガスケット等により、防水性および気密性が確保されている。
【0031】
防水ケース2は、複数のケース部材が組み合わされて構成される。ここでは、防水ケース2は、ケース部材として、ケース部品6とカバー部品7とを含む。ケース部品とカバー部品とは、単に分かりやすいように呼び分けているだけで、逆であっても構わない。
【0032】
図3は、図2のA−A切断線における断面を示す断面図である。なお、図3において、防水ケース2に内蔵されるスイッチ等の部品20は簡略化して描いている。また、図4は、ケース部品6の概略構成を示す斜視図である。ケース部品6は、直方体の一面が開放された形状のケース基体8と、1つ以上(ここでは4つ)の内圧調整部(変形部)9と、シール部材10とを備える。
【0033】
ケース基体8は、防水ケース2の内圧の変化によって変形しない程度に硬い非弾性体からなる。ここでは、ケース基体8は、PBT(ポリブチレンテレフタラート)で成形された部材である。図1〜図3に示すように、ケース基体8は、カバー部品7とは反対側の面に、貫通孔である4つの穴部8aを有する。各穴部8aの直径は、3mmである。
【0034】
4つの内圧調整部9は、それぞれ直径約3mmの半球状の膜である。4つの内圧調整部9は、それぞれケース基体8の4つの穴部8aを塞ぐように形成されている。内圧調整部9は、防水ケース2の内圧の変化に応じて変形可能な程度に軟らかい弾性体からなる。ここでは、内圧調整部9は、熱可塑性エラストマーで成形された、より具体的にはポリエステル系エラストマーで成形された部材である。そのため、操作部3が押し込まれることにより防水ケース2の内部の圧力が上昇すると、内圧調整部9は、防水ケース2の外側に膨らむように変形する。よって、防水ケース2の内側の容積を増加させ内圧を調整することができる。また、内圧調整部9は、ケース基体8と一体になるよう2色成形されている。図4に示すように、4つの内圧調整部9は、互いに繋がっていても構わないし、互いに分離されていてもよい。
【0035】
シール部材10は、ケース基体8におけるケース部品6とカバー部品7とを接続する箇所に配置され、ケース部品6とカバー部品7との間の隙間をシールする部材である。シール部材10は、弾性体からなり、ここでは内圧調整部9と同じ材料であるポリエステル系エラストマーからなる。シール部材10は、ケース基体8と一体になるよう2色成形されている。ケース部品6とカバー部品7とが組み合わされたとき、シール部材10は、カバー部品7に圧接して変形することにより隙間をシールする。
【0036】
図4に示すように、ケース部品6は、非弾性体からなるケース基体8と、弾性体からなる内圧調整部9および弾性体からなるシール部材10とを含み、ケース基体8、内圧調整部9、およびシール部材10が2色成形によって一体に成形されている。非弾性体からなるケース基体8は、防水ケース2の内部の部品が収まる空間を確保し、保護する役割を果たす。内圧調整部9およびシール部材10は、熱可塑性エラストマーからなり、共にケース基体8の同じ方向(開放側:カバー部品7が配置される側)から見える位置に形成されている。よって、内圧調整部9およびシール部材10は、既に成形されたケース基体8上に同時に成形することができる。ケース部品6は、内圧調整部9およびシール部材10を備えるので、部品点数が少なくなり、部品管理が容易になる。また、防水ケース2の組立において、内圧調整部およびシール部材10をケース基体8に取り付ける必要がないため、組立工数を低減することができる。また、内圧調整部9が防水ケース2の内圧を調整することができるので、操作部の押し込みまたは引き出しによる内圧の変化を吸収し、その影響を小さくすることができる。それゆえ、例えば操作部を引き出したときにケース部材とカバー部材との隙間に付着した水滴等を吸い込むことを防止することができる。また、内圧調整部9は、温度の上昇等による内圧の変化も吸収することができる。よって、内圧の変化によって防水ケース2の防水性が低下することを防ぐことができる。
【0037】
また、防水ケース2では、複数の穴部8aに内圧調整部9が設けられている。内圧調整部9を複数設けることで、防水ケース2の内圧調整の能力を確保しながら、個々の内圧調整部9のサイズを小さくすることができる。内圧調整部9は、比較的軟らかい弾性体で構成されるので、指または工具等によって傷つけられやすい。しかしながら、個々の内圧調整部9を小さくすることにより、指等によって傷付けられにくくすることができる。また、ケース基体8の表面より内圧調整部9を凹ませて形成することにより、より傷付きにくくすることができる。内圧調整部9が指等で傷つけられにくくするために、内圧調整部9が外部から露出するサイズ(すなわちケース基体8の表面に設けられる穴部8aの直径)は、5mm以下、1mm以上であることが好ましい。また、ケース基体8の表面に設けられる穴部が長方形等である場合、その長径が5mm以下、かつその短径が1mm以上であることが好ましい。なお、穴の形状および、穴を塞ぐ内圧調整部9の形状は任意である。
【0038】
<ケース部品の製造工程>
ケース部品6の製造工程は、ケース基体8を成形する第1成形工程、および、ケース基体8と一体になるよう内圧調整部9およびシール部材10を成形する第2成形工程とを含む。図5は、ケース部品6の製造工程のフローを示す図である。
【0039】
図6は、第1成形工程において、ケース基体8を射出成形する際の金型の配置を示す断面図である。なお、図6は、ケース基体8において穴部が形成される(すなわち内圧調整部9が形成される)位置の断面を示す。
【0040】
第1成形工程では、凹型の第1金型11と凸型の第2金型12とを組合わせる(S1)。第1金型11と第2金型12とは、ケース基体8の形状を規定する。第1金型11と第2金型12との間に形成されるキャビティに、加熱したPBTを充填する(S2)。これによって、非弾性体であるPBTからなるケース基体8が成形される。このとき、内圧調整部9およびシール部材10が形成される予定の位置には、第2金型が配置されている。
【0041】
この後、第1金型11から第2金型12が取り外される(S3)。ただし、成形されたケース基体8は、第1金型11に付着したままである。
【0042】
次に、第1金型11およびそれに付着するケース基体8に、第3金型13を組合わせる(S4)。
【0043】
図7は、第2成形工程において、内圧調整部9およびシール部材10を射出成形する際の金型の配置を示す断面図である。図7は、図6と同じ断面を示す。
【0044】
第2成形工程では、凹型の第1金型11と凸型の第3金型13とを組合わせる。第3金型は、第2金型12における内圧調整部9およびシール部材10に当たる部分が欠けている形状を有する。そのため、第1金型とケース基体8と第3金型13とを組合わせたときにできるキャビティは、内圧調整部9およびシール部材10の形状を規定する。第1金型11およびケース基体8と第3金型13との間に形成されるキャビティに、加熱した熱可塑性のポリエステル系エラストマーを充填する(S5)。ポリエステル系エラストマーは、PBTに対する熱融着性に優れる。これによって、弾性体であるポリエステル系エラストマーからなる内圧調整部9およびシール部材10が、ケース基体8と一体になるように成形される。これで、ケース基体8と、内圧調整部9およびシール部材10とが一体になったケース部品6が形成される。なお、内圧調整部9およびシール部材10は、ケース基体8の第3金型13側に位置する。すなわち、内圧調整部9およびシール部材10は、同じ方向から見える箇所に位置する。そのため、第3金型を用いて内圧調整部9およびシール部材10を同時に成形することができる。
【0045】
この後、第1金型11から第2金型12が取り外され、さらに第1金型からケース部品6が取り外される(S6)。
【0046】
なお、上記では、ケース部品に内圧調整部およびシール部材が一体に成形される場合について説明したが、内圧調整部およびシール部材は、カバー部品に一体に成形されていてもよい。
【0047】
<材質例>
なお、ケース部品6を構成する弾性体としては、非晶性樹脂、結晶性樹脂、ポリマーアロイ、および熱硬化性樹脂等の硬質樹脂を用いることができる。
【0048】
非晶性樹脂の具体例として、ポリカーボネート樹脂(PC)、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA))、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE、PPE/PS)、および、オレフィン系樹脂等が挙げられる。スチレン系樹脂の具体例として、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル・エチレン・スチレン(AES)樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂、汎用ポリスチレン(GPPS)樹脂、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)樹脂等が挙げられる。オレフィン系樹脂の具体例として、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)等が挙げられる。
【0049】
結晶性樹脂の具体例として、芳香族ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、生分解プラスティック、および、ポリアミド樹脂等が挙げられる。芳香族ポリエステル樹脂の具体例として、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、非結晶性共重合ポリエステル樹脂(PET−G)等が挙げられる。セルロース樹脂の具体例として、セルロースプロピオネート、セルロースアセテート等が挙げられる。生分解プラスティックの具体例として、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネートラクテート樹脂(PBSL)等が挙げられる。ポリアミド樹脂の具体例として、PA6、PA66、PA12、PA−等が挙げられる。
【0050】
ポリマーアロイの具体例として、PC/ABS樹脂、PC/PBT樹脂等が挙げられる。
【0051】
熱硬化性樹脂の具体例として、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0052】
また、内圧調整部9およびシール部材10としては、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、および、ナイロン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーを用いることができる。
【0053】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、防水ケースに利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 防水スイッチ(トリガスイッチ)
2 防水ケース
3 操作部
4 挿入部
5 シールブーツ
6 ケース部品(ケース部材)
7 カバー部品(カバー部材)
8 ケース基体
9 内圧調整部(変形部)
10 シール部材
11 第1金型
12 第2金型
13 第3金型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース部材と、カバー部材と、操作に用いられる操作部とを備えるトリガスイッチにおいて、
上記ケース部材と、上記カバー部材とは、組み合わされて防水ケースを構成し、
上記操作部は、上記防水ケースの内部側に変位するよう操作可能であり、
上記操作部の変位に応じて、上記防水ケースの内圧が変化し、
上記ケース部材は、上記防水ケースの内圧の変化によって変形しない非弾性体からなるケース基体を備え、
上記ケース基体は、穴部を有し、
上記ケース部材には、上記穴部を塞ぎ上記防水ケースの内圧の変化に応じて変形可能な弾性体で構成される変形部が設けられていることを特徴とするトリガスイッチ。
【請求項2】
上記ケース部材は、上記ケース基体と上記カバー部材との間に配置されるシール部材を備え、
上記シール部材および上記変形部は、同じ弾性体で構成され、かつ、上記ケース部材の同じ側から見える位置に、上記ケース基体と一体に成形されていることを特徴とする、請求項1に記載のトリガスイッチ。
【請求項3】
上記ケース基体は、複数の上記穴部を有し、
上記ケース部材は、上記複数の穴部に対応する複数の上記変形部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のトリガスイッチ。
【請求項4】
上記ケース基体は、硬質樹脂からなり、
上記変形部および上記シール部材は、熱可塑性エラストマーからなることを特徴とする請求項2に記載のトリガスイッチ。
【請求項5】
上記穴部は、長径が5mm以下、かつ、短径が1mm以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のトリガスイッチ。
【請求項6】
上記変形部は、上記防水ケースの外側の表面よりも内側になる位置に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のトリガスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−54310(P2013−54310A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194243(P2011−194243)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】