説明

トレー、内視鏡洗浄消毒装置

【課題】コンパクトに保管することができるとともに、確実に、トレー内の残液を除水することができる構成を具備するトレーを提供する。
【解決手段】内視鏡10が載置される底面部12と、底面部12に対し、平面視した状態で重畳する第1の位置と、底面部12の平面方向Mにおいて、少なくとも一部が底面部12の外周12yから離間する第2の位置とに可動自在であるとともに、第2の位置において内視鏡10が載置される可動部材14と、可動部材14から、高さ方向Hに起立する壁面部13と、を具備し、可動部材14は、内視鏡10を非収容の際、第1の位置まで可動され底面部12の外周12yに対し壁面部13を当接させ、内視鏡10を収容する際、第2の位置まで可動され、平面視した状態において、第1の位置よりも内視鏡10の収容面積を大きくすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被洗浄消毒物が収容されるトレー、内視鏡洗浄消毒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡は、医療分野及び工業用分野において広く利用されている。医療分野において用いられる内視鏡は、細長い挿入部を体腔内に挿入することによって、体腔内の臓器を観察したり、必要に応じて内視鏡が具備する処置具の挿通チャンネル内に挿入した処置具を用いて各種処置をしたりすることができる。
【0003】
医療分野の内視鏡は、特に検査及び治療を目的として体腔内に挿入されて使用されるものであるため、使用後、再度使用するためには洗浄消毒が必要となる。この使用済みの内視鏡を洗浄消毒する方法としては、例えば、内視鏡洗浄消毒装置(以下、単に洗浄消毒装置と称す)を用いて行う方法が周知である。
【0004】
洗浄消毒装置を用いれば、内視鏡は、洗浄消毒装置の洗浄消毒槽内にセットされるのみで、内視鏡に対して、自動的に、洗浄、消毒、濯ぎ及び水切り等(以下、洗浄消毒工程と称す)を行うことができる。この際、内視鏡は、該内視鏡の外表面のみならず、内視鏡が内部に有する既知の送気送水管路、処置具挿通管路等の内視鏡管路内も洗浄消毒される。また、洗浄消毒装置は、内視鏡に限らず、他の医療器具も洗浄消毒することができる。以下、洗浄消毒装置によって洗浄消毒されるものを被洗浄消毒物と称す。
【0005】
ところで、洗浄消毒装置を用いて、被洗浄消毒物、例えば内視鏡を洗浄消毒する際、内視鏡を専用のトレーに収容した後、トレーを洗浄消毒槽に収容することにより、内視鏡を洗浄消毒槽に収容する手法が周知である。
【0006】
即ち、内視鏡を、洗浄消毒槽内において、トレーに収容したままでトレーとともに洗浄消毒する手法が周知である。このようにトレーを用いれば、作業者は、トレーを把持するのみで、洗浄消毒工程の前後において、洗浄消毒槽に対する細長な内視鏡の搬入性及び搬出性が向上する。また、蒸気滅菌装置に対する細長な滅菌物の搬入性及び搬出性を向上させるトレーも周知である。
【0007】
このように、装置に対する搬入性及び搬出性を向上させるトレーは、例えば特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2007−54343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、トレー内に収容された被洗浄消毒物に対して洗浄消毒処理をするため、トレーの底部には、該トレー内に洗浄液、消毒液、濯ぎ水等の液体を導入するとともに、トレー内の液体の排出を促進するための孔部が形成されているのが一般的である。
【0009】
しかしながら、孔部が形成されていたとしても、トレー内には被洗浄消毒物が収容されているため、洗浄消毒工程終了後、トレー内における被洗浄消毒物との接触部位に、濯ぎ水の残液が残留しやすくなってしまうといった問題がある。これは、蒸気滅菌装置を用いた滅菌処理工程後であっても同様である。
【0010】
よって、洗浄消毒工程や滅菌処理終了後、トレーを槽から取り出すと、孔部を介してトレーから残液が装置外に垂れてしまう場合があり、改善が望まれていた。
【0011】
このような事情に鑑み、上述した特許文献1では、トレーに該トレーを傾ける足部が形成されており、該足部を用いてトレーを傾けることにより、孔部からのトレーの水捌けを向上させる手法が開示されているが、このような手法を用いても、トレーに溜まった残液を確実にトレーから排出することは難しいといった問題がある。
【0012】
また、洗浄消毒工程や滅菌処理工程終了後は、トレーを洗浄消毒槽から取り出した後、トレーから被洗浄消毒物が取り出され、トレーは、平積みされて保管されるのが一般的であるが、このような保管方法では、積み重ねられるトレーの数が制限されてしまうといった問題がある。よって、最大に積み重ねた後は、トレーをまた別の場所で積み重ねる必要があり、トレーの保管スペースが大きくなってしまうといった問題があった。
【0013】
このような問題に鑑み、上述した特許文献1には、高さ方向に収縮自在なことにより、高さ方向においてコンパクトに収納することができるトレーが開示されているが、該トレーは、高さ方向へ収縮することはできるが、平面視した状態におけるトレーの外形は一定であることから、トレーの外形に沿った保管スペースは最低限必要なため、コンパクトにトレーを保管することは、矢張り難しいといった問題があった。
【0014】
本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、コンパクトに保管することができるとともに、確実に、トレー内の残液を除水することができる構成を具備するトレー、内視鏡洗浄消毒装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため本発明によるトレーは、被洗浄消毒物が収容されるトレーであって、前記被洗浄消毒物が載置される底面部と、前記底面部に対し、平面視した状態で重畳する第1の位置と、前記底面部の平面方向において、少なくとも一部が前記底面部の外周から離間する第2の位置とに可動自在であるとともに、前記第2の位置において前記被洗浄消毒物が載置される可動部材と、前記可動部材から、前記平面方向に垂直な高さ方向に起立する壁面部と、を具備し、前記可動部材は、前記被洗浄消毒物を非収容の際、前記第1の位置まで可動され前記底面部の外周に対し前記壁面部を当接させ、前記被洗浄消毒物を収容する際、前記第2の位置まで可動され、平面視した状態において、前記第1の位置よりも前記被洗浄消毒物の収容面積を大きくすることを特徴とする。
【0016】
また、本発明による内視鏡洗浄消毒装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトレーが洗浄消毒槽に収容自在であるとともに、前記トレーに収容された前記被洗浄消毒物を洗浄消毒する内視鏡洗浄消毒装置であって、前記可動部材が前記第2の位置に可動された状態で、前記トレーは、前記洗浄消毒槽に収容されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、コンパクトに保管することができるとともに、確実に、トレー内の残液を除水することができる構成を具備するトレー、内視鏡洗浄消毒装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。尚、以下に示す実施の形態においては、トレーに収容される被洗浄消毒物は、内視鏡を例に挙げて説明する。また、トレーは、洗浄消毒装置に用いるものとして説明する。
【0019】
(第1実施の形態)
図1は、本実施の形態のトレーを具備する洗浄消毒装置を示す斜視図である。
図1に示すように、洗浄消毒装置1は、装置本体2と、この装置本体2の上面に開閉自在なことにより、装置本体2が具備する洗浄消毒槽6の内視鏡10の収容口6sを開閉自在な蓋体であるトップカバー3とにより主要部が構成されている。
【0020】
装置本体2の外表面には、スタート指示、ストップ指示、各種工程表示、経過時間表示、洗浄消毒工程の設定、ユーザIDの設定等の各種操作を行える操作パネル4が配設されている。尚、操作パネル4は、トップカバー3に設けられていても構わない。
【0021】
また、装置本体2の操作パネル4が設けられた外表面には、操作者によって非接触で近づけられたIDカード20内のユーザIDの情報を受信するアンテナ7が設けられている。尚、アンテナ7も、装置本体2の他の外表面の部位に設けられていても構わないし、トップカバー3に設けられていても構わない。
【0022】
装置本体2の上部に、水道栓から延出されたホースが接続される図示しない給水口が設けられている。このことにより、洗浄消毒槽6には、濯ぎ水として利用される他、洗浄液及び消毒液を希釈するための水道水が、ホース及び給水口を介して水道栓から供給されるようになっている。
【0023】
装置本体2の上面部には、被洗浄消毒物である挿入部10s及び操作部10tを具備する内視鏡10が収容されたトレー11が収容される洗浄消毒槽6が形成されている。トレー11は、洗浄消毒槽6に対する内視鏡10の搬入搬出性を高めるとともに、洗浄消毒槽6に内視鏡10を収容した際、内視鏡10が、洗浄消毒槽6に直接接触することを防ぐものである。また、トレー11は、内視鏡10を洗浄消毒する際、洗浄消毒槽6内において、内視鏡10とともに洗浄消毒される。尚、トレー11の詳しい構成については、後述する。
【0024】
また、洗浄消毒槽6に、該洗浄消毒槽6内に、洗浄液、消毒液、濯ぎ水等の液体を供給する用の供給ノズル9が設けられている。供給ノズル9から、洗浄消毒槽6内に、水流を伴った液体が供給されることにより、洗浄消毒槽6内に収容された内視鏡10の外表面は洗浄消毒される。
【0025】
さらに、洗浄消毒槽6に、該洗浄消毒槽6に載置された内視鏡10の内部に具備された図示しない処置具挿通用管路や送気送水用管路等の各種内視鏡管路内を洗浄消毒するため、上述した液体を、内視鏡管路内に供給する図示しない液体供給部材や、処置具挿通用管路内を擦り洗いするため、処置具挿通用管路内に洗浄用ブラシを自動的に挿抜する図示しないブラシカセット等が設けられている。
【0026】
また、装置本体2において、洗浄消毒槽6の底部近傍に、アンテナ5が設けられている。アンテナ5は、洗浄消毒槽6に、トレー11が収容された際、内視鏡10、トレー11毎に設けられた図示しないIDタグから、被洗浄消毒物固有の識別情報を非接触で読み取るものである。
【0027】
さらに、装置本体2内に、洗浄消毒槽6に対し液体等を循環させる、電磁弁、逆止弁等が介装された管路網、ポンプ、及びコンプレッサ(いずれも図示されず)等が配設されている。また、装置本体2内には、上述した電磁弁、ポンプ、コンプレッサ等の電気部品を上記各種工程のプログラミングに従って駆動停止させる制御部100も配設されている。尚、液体は、装置本体2に配設された図示しない各種タンク内に貯留されている。尚、その他の洗浄消毒装置1の構成は、周知であるため、その説明は省略する。
【0028】
次に、トレー11の構成について、図2〜図5を用いて説明する。図2は、図1のトレーを示す拡大斜視図、図3は、図2中のIII-III線に沿うトレーの断面図、図4は、図2の可動部材の固定機構を示す部分斜視図、図5は、図2の可動部材が、第1の位置から第2の位置までの間において可動自在な状態を概略的に示す平面図である。
【0029】
図2に示すように、トレー11は、底面部12と可動部材14と壁面部13とにより主要部が構成されている。
【0030】
底面部12は、平面視した状態で、略四角状に形成されており、洗浄消毒される内視鏡10が載置される部位となっている。底面部12の外周12yの各辺には、底面部12の平面方向Mに沿って、外周12yから底面部12の中心方向に、例えば2本ずつ第1のガイド溝15が形成されている。即ち、第1のガイド溝15は、底面部12の外周12yにおいて開口している。
【0031】
底面部12の第1のガイド溝15によって形成された側面12sに、図3に示すように、第1のガイド溝15に沿った平面方向Mに垂直な高さ方向Hの断面がコの字状の第2のガイド溝12hが、平面方向Mに沿って形成されている。
【0032】
可動部材14は、後述する第2の位置P2において洗浄消毒される内視鏡10が載置される部位となっており、平面方向Mにおいて、第1のガイド溝15と同じ長さに形成されており、図3に示すように、腕部14tが第2のガイド溝12hに嵌入されていることにより、図5に示すように、第1のガイド溝15に対し、平面方向Mにスライド可動自在に嵌入されている。
【0033】
具体的には、可動部材14は、図5に示すように、第1のガイド溝15も含めた底面部12に対し平面視した状態で重畳する位置、即ち、可動部材14の平面方向Mの先端14sが、第1のガイド溝15によって形成された底面部12の端面12gに当接する位置、言い換えれば、壁面部13が外周12yに当接する位置である第1の位置P1と、平面方向Mにおいて、可動部材14の少なくとも一部が、外周12yから平面方向Mにおいて、後端14v側に離間する第2の位置P2との間において、第1のガイド溝15に平面方向Mにスライド可動自在に嵌入されている。
【0034】
尚、第2の位置P2は、図5に示すように、壁面部13が、外周12yに最も近接する位置から、外周12yから平面方向Mに最も離間する位置までにおける可動領域R内の任意の位置に設定可能である。
【0035】
図4に示すように、可動部材14の腕部14tの高さ方向Hの上面14jに、固定部材を構成する、例えば断面三角状の複数の突起部25が平面方向Mに沿って連続的に形成されており、底面部12の第2のガイド溝12hが形成された部位12mにおける上面12kに、固定部材を構成する、例えば断面三角状の突起26tを具備する爪部26が形成されている。
【0036】
爪部26は、突起26tが、可動部材14の腕部14tの複数の突起部25によって形成された複数の谷部のいずれかに嵌合自在なことにより、平面方向Mにおいて、スライド可動自在な可動部材14を、第1の位置P1または可動領域Rにおける任意の第2の位置P2に固定することができるようになっている。
【0037】
また、突起26tと複数の突起部25の谷部との嵌合は、図4に示すように、作業者が、部位12mにおける解除領域12mkを押圧して、可動部材14を平面方向Mにスライドさせることにより、解除自在となっている。よって、作業者は、可動部14の平面方向Mへのスライド移動をやめ、解除領域12mkの押圧をやめれば、突起26tと突起部25の谷部とが嵌合し、可動部14は固定されるようになっている。
【0038】
壁面部13は、図2、図5に示すように、可動部材14の平面方向Mの後端14vから高さ方向Hに起立して設けられている。壁面部13は、トレー11に収容された内視鏡10が、トレー11から落ちてしまうのを防止する部材である。
【0039】
次に、このように構成された本実施の形態の作用について説明する。
先ず、使用後の内視鏡10を洗浄消毒する際は、作業者は、トレー11を、平面視した状態で最も内視鏡10の収容面積が大きくなるよう変形させる。具体的には、解除領域12mkを押圧して、全ての可動部材14を、平面方向Mにおいて、第1のガイド溝15内を、壁面部13が外周12yから平面方向Mに最も離間する第2の位置P2までスライド可動させる。
【0040】
その後、作業者は、解除領域12mkの押圧をやめ、腕部14tに形成された複数の突起部25の谷部に、爪部26の突起26tを嵌合させることにより、可動部材14を壁面部13が外周12yから平面方向Mに最も離間する第2の位置P2に固定する。
【0041】
その結果、トレー11は、平面視した状態で、可動部材14が第1の位置P1に位置していた場合よりも内視鏡10の収容面積が大きくなり、最も内視鏡10の収容面積が大きくなる。
【0042】
また、この際、可動部材14が、壁面部13が外周12yから平面方向Mに最も離間する第2の位置P2まで移動したことにより、可動部材14の先端14sと底面部12の端面12gとの間には、第1のガイド溝15による大きな空間が形成されている。
【0043】
トレー11を、平面視した状態で最も内視鏡10の収容面積が大きくなるよう変形させた後、作業者は、トレー11の底面部12及び可動部材14上に、内視鏡10を載置する。即ち、トレー11に内視鏡10を収容する。
【0044】
次いで、作業者は、トレー11を、装置本体2の洗浄消毒槽6に収容し、装置本体2に対し、トップカバー3を閉成した後、操作パネル4を操作して、洗浄消毒装置1を用いた内視鏡10の洗浄消毒を行う。
【0045】
内視鏡10の洗浄消毒終了後、作業者は、洗浄消毒槽6からトレー11を取り出す。この際、トレー11内の残液は、トレー11に形成された第1のガイド溝15による排出空間から洗浄消毒槽6内に排出されていることから、洗浄消毒槽6からトレー11を取り出したとしても、残液がトレー11から漏れてしまうことがない。
【0046】
その後、トレー11から内視鏡10を取り出した後、トレー11を保管するため、作業者は、トレー11を、平面視した状態で最も内視鏡10の収容面積が小さくなるよう変形させる。
【0047】
具体的には、作業者は、解除領域12mkを押圧して、第2の位置P2における突起26tと複数の突起部25の谷部との嵌合を、可動部材14を平面方向Mの先端14s側にスライドさせることにより解除して、可動部材14を、壁面部13が外周12yに当接する第1の位置P1までスライド可動させる。
【0048】
可動部材14を、第1の位置P1までスライド可動させた後、作業者は、解除領域12mkの押圧をやめ、第1の位置P1において突起26tと複数の突起部25の谷部とを嵌合させて、可動部材14を第1の位置P1に固定する。この状態において、トレー11の外形は、平面視した状態で、底面部12の外形と等しくなる。
【0049】
最後に、作業者は、可動部材14を第1の位置P1に固定した状態で、トレー11を、保管場所に収容する。
【0050】
このように、本実施の形態においては、内視鏡10を収容して内視鏡10を洗浄消毒する場合には、トレー11の可動部材14を、壁面部13が外周12yから最も離間する第2の位置P2まで移動させて、トレー11の内視鏡10の収容面積を、平面視した状態で最も大きくするとし、内視鏡10を取り出してトレー11を保管する場合には、トレー11の可動部材14を第1の位置P1まで移動させて、トレー11の内視鏡10の収容面積を、平面視した状態で最も小さくすると示した。
【0051】
このことによれば、洗浄消毒終了後、トレー11内の残液は、トレー11において、可動部材14を壁面部13が外周12yから最も離間する第2の位置P2に固定したことに起因して形成された第1のガイド溝15による大きな排出空間から確実に洗浄消毒槽6に排出することができるため、洗浄消毒終了後、トレー11を洗浄消毒槽6から取り出しても、トレー11内の残液が垂れてしまうことが防止される。
【0052】
また、トレー11を使用しない際は、可動部材14を第1の位置P1に固定することにより、トレー11の内視鏡10の収容面積を最も小さくすることができることから、即ち、平面視した状態でトレー11の外形を最も小さくすることができることから、コンパクトにトレー11を保管することができる。
【0053】
以上から、コンパクトに保管することができるとともに、確実に、トレー11内の残液を除水することができる構成を具備するトレー11、洗浄消毒装置1を提供することができる。
【0054】
尚、以下、変形例を示す。本実施の形態においては、可動部材14を、壁面部13が、外周12yから最も離間する第2の位置P2に固定して、内視鏡10の収容面積を最も大きくした後、洗浄消毒槽6にトレー11を収容すると示した。
【0055】
これに限らず、可動部材14を、壁面部13が外周12yから最も離間する位置以外の可動領域R内の任意の第2の位置P2まで可動させて位置を固定した後、洗浄消毒槽6内にトレー11を収容しても構わない。
【0056】
尚、壁面部13が外周12yから最も離間する位置以外の可動領域R内の任意の第2の位置P2に可動部材14の位置を固定する場合であっても、突起26tと複数の突起部25の谷部とを嵌合させることにより、可動部材14の位置固定を行うことができる。
【0057】
即ち、壁面部13が外周12yから最も離間する位置以外の第2の位置P2に可動部材14を固定すると、本実施の形態よりも第1のガイド溝15による排出空間が小さくなることから除水効果は小さくなるといった欠点はあるが、必ずしも内視鏡10の収容面積を最大にして、洗浄消毒槽6にトレー11を収容する必要はない。
【0058】
また、以下、図6、図7を用いて別の変形例を示す。図6は、ピンを用いて可動部材の位置固定を行う変形例を示す部分斜視図、図7は、ねじを用いて可動部材の位置固定を行う変形例を示す部分斜視図である。
【0059】
本実施の形態においては、可動部材14を第1の位置P1または第2の位置P2の任意の位置に固定する際、突起26tと複数の突起部25の谷部とを嵌合させることにより行うと示した。
【0060】
これに限らず、図6に示すように、可動部材14の腕部14tに高さ方向Hに貫通する孔14aを形成するとともに、第2のガイド溝12hが形成された腕部14tに対向する底面部12の部位にも高さ方向Hに貫通する孔12aを、平面方向Mに沿って第1のガイド溝15の近傍に複数形成し、孔12aと孔14aとが平面視した状態で重畳する位置において、固定部材であるピン30を、孔12a、14aに対し、高さ方向Hに沿って、例えば下側から貫通させることにより、可動部材14を、第1の位置P1または第2の位置P2の任意の位置に固定しても構わない。
【0061】
尚、図6に示す構成では、底面部12に対し、孔12aが形成された平面方向Mの位置のみでしか、可動部材14の位置を固定することができないといった欠点がある。そこで、図7に示すように、第2のガイド溝12hが形成された腕部14tに対向する底面部12の部位に高さ方向Hに貫通するネジ孔12nを設け、該ネジ孔12nに固定部材であるネジ35を高さ方向Hに沿って螺合させて、ネジ35の先端35sを、腕部14tの外周面に押しつけることにより、可動部材14を、第1の位置P1または第2の位置P2の任意の位置に固定しても構わない。このような構成によれば、可動部材14を任意の位置で固定することができる。
【0062】
(第2実施の形態)
図8は、本実施の形態のトレーを、可動部材が第1の位置まで可動された状態で示す斜視図、図9は、図8の可動部材が、第2の位置まで可動された状態で示すトレーの斜視図、図10は、図8のトレーの一部を概略的に示す上面図、図11は、図9のトレーの一部を概略的に示す上面図、図12は、図10をXIIの方向からみたトレーの一部を示す図である。
【0063】
この第2実施の形態のトレーの構成は、上述した図1〜図5に示した第1実施の形態のトレーと比して、底面部及び可動部に複数の貫通孔が高さ方向に沿って形成されている点と、第2のガイド溝を不要とし、第1のガイド溝が、底面部の面内に形成されている点のみが異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0064】
図8に示すように、トレー51は、底面部52と可動部材54と壁面部53とにより主要部が構成されている。
【0065】
図9に示すように、底面部52は、平面視した状態で、略四角状に形成されており、洗浄消毒される内視鏡10が載置される部位となっている。底面部52の面内には、該底面部52の外周52yの辺毎に、平面方向Mに沿って、例えば1本ずつ第1のガイド溝55が形成されている。
【0066】
また、図10、図11に示すように、底面部52に、例えば平面方向Mに沿って、即ち第1のガイド溝55に沿って、高さ方向Hに貫通する複数の貫通孔52kが形成されているとともに、可動部材54の後述する第1の位置P1、第2の位置P2に相当する位置に可動部材54を位置決めする位置決め部材である位置決め孔57a〜57dが形成されている。尚、位置決め孔57a〜57dは、固定部材も構成している。
【0067】
可動部材54は、第2の位置P2において洗浄消毒される内視鏡10が載置される部位となっており、図10、図11に示すように、ガイド突起59が第1のガイド溝55に嵌入されていることにより、図8、図9に示すように、底面部52の高さ方向Hの上面において、スライド可動自在となっている。
【0068】
具体的には、可動部材54は、図8、図10に示すように、底面部52に対し平面視した状態で重畳する、具体的には、壁面部53が外周52yに当接する第1の位置P1と、平面方向Mにおいて、少なくとも一部が、底面部52の外周52yから離間する第2の位置P2との間において、底面部52の高さ方向Hの上面において、スライド可動自在となっている。
【0069】
尚、第2の位置P2は、可動部材54の平面方向Mの先端54sが、第1のガイド溝55の端面55gに最も近接する位置から、端面55gから平面方向Mに最も離間する位置までにおける可動領域R内の位置に設定可能である。言い換えれば、壁面部53が外周52yに最も近接する位置から、外周52yから最も離間する位置までにおける可動領域R内の位置に設定可能である。
【0070】
また、図10、図11に示すように、可動部材54にも、例えば平面方向Mに沿って、高さ方向Hに貫通する複数の貫通孔54kが形成されている。貫通孔54kは、第1の位置P1において、図10に示すように、底面部52の貫通孔52kと、平面視した状態で重ならない位置に形成されている。即ち、先端54sと第1のガイド溝55の端面55gと一致させた際、貫通孔54kは、貫通孔52kに対し、平面方向Mに位相がずれるよう形成されている。
【0071】
また、可動部材54の高さ方向Hの底面に、図10、図11に示すように、底面部52の位置決め孔57a〜57dに嵌入自在な位置決め部材である爪部56が形成されている。尚、爪部56は、固定部材も構成している。
【0072】
爪部56が位置決め孔57aに、図10、図12に示すように嵌入することにより、可動部材54は、第1の位置P1において、貫通孔52kと貫通孔54kとが平面視した状態でずれるように位置が固定される。また、爪部56が位置決め孔57b〜57dに、図11に示すように嵌入することにより、第2の位置P2において、貫通孔52kと貫通孔54kとが平面視した状態で重畳するように位置が固定される。
【0073】
尚、爪部56の位置決め孔57への嵌入は、作業者が、爪部56における解除領域56mを押圧して、可動部材54を平面方向Mにスライドさせることにより、解除可能となっている。よって、作業者は、可動部材54を平面方向Mへスライド移動させた後、爪部56が位置決め孔57b〜57dのいずれかと重なる位置において解除領域56mの押圧をやめれば、爪部56が位置決め孔57b〜57dのいずれかと嵌合し、可動部材54は固定されるようになっている。
【0074】
壁面部53は、図8、図9に示すように、可動部材54の平面方向Mの後端54vから高さ方向Hに起立して設けられている。壁面部53は、トレー51に収容された内視鏡10が、トレー51から落ちてしまうのを防止する部材である。
【0075】
次に、このように構成された本実施の形態の作用について説明する。
先ず、使用後の内視鏡10を洗浄消毒する際は、作業者は、トレー51を、平面視した状態で最も内視鏡10の収容面積が大きくなるよう変形させる。具体的には、解除領域56mを押圧して、全ての可動部材54を、平面方向Mにおいて、壁面部53が外周52yから最も離間する第2の位置P2までスライド可動させる。その後、図11に示すように、解除領域56mの押圧をやめ、爪部56を、位置決め孔57dに嵌入させることにより、可動部材54を壁面部53が外周52yから最も離間する第2の位置に固定する。
【0076】
その結果、トレー51は、平面視した状態で、可動部材54が第1の位置P1に位置していた場合よりも内視鏡10の収容面積が大きくなり、最も内視鏡10の収容面積が大きくなる。また、この際、図11に示すように、貫通孔52kと貫通孔54kとは、平面視した状態において重畳している。よって、この状態において、重畳した貫通孔52は、排出空間として機能する。
【0077】
トレー51を、平面視した状態で最も内視鏡10の収容面積が大きくなるよう変形させた後、作業者は、トレー51の底面部52及び可動部材54上に、内視鏡10を載置する。即ち、トレー51に内視鏡10を収容する。
【0078】
その後、作業者は、トレー51を、装置本体2の洗浄消毒槽6に収容し、装置本体2に対し、トップカバー3を閉成した後、操作パネル4を操作して、洗浄消毒装置1を用いた内視鏡10の洗浄消毒を行う。
【0079】
内視鏡10の洗浄消毒終了後、作業者は、洗浄消毒槽6からトレー51を取り出す。この際、トレー51内の残液は、トレー51において、平面視した状態で重畳している貫通孔52k及び貫通孔54kから洗浄消毒槽6内に排出されていることから、洗浄消毒槽6からトレー51を取り出したとしても、残液がトレー51から漏れてしまうことがない。
【0080】
次いで、トレー51から内視鏡10を取り出した後、トレー51を保管するため、作業者は、トレー51を、平面視した状態で最も内視鏡10の収容面積が小さくなるよう変形させる。
【0081】
具体的には、作業者は、第2の位置P2における位置決め孔57dへの爪部56の嵌入を、解除領域56mを押圧して、可動部材54を平面方向Mにおける先端54s側にスライドさせることにより解除して、可動部材54を、壁面部53が外周52yに当接する第1の位置P1までスライド可動させる。
【0082】
可動部材54を、第1の位置P1までスライド可動させた後、作業者は、図10に示すように、解除領域56mの押圧をやめ、第1の位置P1において爪部56を位置決め孔57aに嵌入させて、可動部材54を第1の位置P1に固定する。
【0083】
この状態において、トレー51の外形は、図8に示すように、平面視した状態で、底面部52の外形と等しくなる。また、第1の位置P1においては、貫通孔52kと貫通孔54kとは、平面視した状態でずれて位置する。このことにより、トレー51内に残液があったとしても、トレー51から、貫通孔52kと貫通孔54kとのいずれかを介してトレー51外に残液が漏れてしまうことがない。
【0084】
最後に、作業者は、可動部材54を第1の位置P1に固定した状態で、トレー51を、保管場所に収容する。
【0085】
このように、本実施の形態においては、内視鏡10を収容して内視鏡10を洗浄消毒する場合には、トレー51の可動部材54を、壁面部53が外周52yから最も離間する第2の位置P2まで移動させて、トレー51の内視鏡10の収容面積を、平面視した状態で最も大きくするとし、内視鏡10を取り出してトレー51を保管する場合には、トレー51の可動部材54を第1の位置P1まで移動させて、トレー51の内視鏡10の収容面積を、平面視した状態で最も小さくすると示した。
【0086】
また、本実施の形態においては、第2の位置P2においては、貫通孔52kと貫通孔54kとを平面視した状態で重畳させ、貫通孔52kに排出空間を形成するとし、第1の位置P1においては、貫通孔52kと貫通孔54kとは平面視した状態でずれて位置すると示した。
【0087】
このことによれば、洗浄消毒終了後、トレー51内の残液は、トレー51において、可動部材54が第2の位置P2に位置することに起因して、平面視した状態で重畳する貫通孔52k及び貫通孔54kから確実に洗浄消毒槽6に排出することができるため、洗浄消毒終了後、トレー51を洗浄消毒槽6から取り出しても、トレー11内の残液が垂れてしまうことが防止される。
【0088】
また、トレー51を使用しない際は、可動部材54を第1の位置P1に固定することにより、トレー51の内視鏡10の収容面積を最も小さくすることができることから、コンパクトにトレー51を保管することができる。
【0089】
また、平面視した状態で貫通孔52kと貫通孔54kとはずれて位置することから、トレー51を持ち運ぶ際またはトレー51を保管している際、トレー51内の残液がトレー51から貫通孔52kと貫通孔54kとのいずれかを介して、トレー51外に漏れてしまうことがない。
【0090】
以上から、コンパクトに保管することができるとともに、確実に、トレー内の残液を除水することができる構成を具備するトレー51、洗浄消毒装置1を提供することができる。
【0091】
尚、以下、変形例を示す。本実施の形態においては、可動部材54を、壁面部53が外周52yから最も離間する第2の位置P2に固定して、内視鏡10の収容面積を最も大きくした後、洗浄消毒槽6にトレー51を収容すると示したが、これに限らず、解除領域56mを押圧して、可動部材54を、壁面部53が外周52yから最も離間する位置以外の可動領域R内の任意の第2の位置P2まで可動させて位置を固定した後、即ち、解除領域56mの押圧をやめ、爪部56を、位置決め孔57b、57cに嵌入させて位置を固定した後、洗浄消毒槽6内にトレー51を収容しても構わない。即ち、必ずしも内視鏡10の収容面積を最大にして、洗浄消毒槽6にトレー51を収容する必要はない。
【0092】
また、以下、図13を用いて別の変形例を示す。図13は、壁面部の高さを高さ方向に可動自在とした変形例を示す斜視図である。
【0093】
上述した第1実施の形態及び第2の実施の形態においては、可動部材14、54が平面方向Mにおいて可動自在であると示したが、これに加え、図13に示すように、壁面部63が高さ方向Hに可動自在であっても構わない。
【0094】
具体的には、図13に示すように、壁面部63は、内部に、高さ方向Hに沿った有底穴63hを有しており、有底穴63h内には、第2の可動部材64が有底穴63hから高さ方向H上方に突出自在に設けられている。
【0095】
尚、第2の可動部材64の上端部64jの有底穴63hの底部からの高さ方向Hへの最大突出高さは、内視鏡10の挿入部10sの2倍の高さに略等しいか、挿入部10sの2倍以上の高さに規定される。これは、トレー11、51内において、挿入部10sは、巻回されるとともに、重畳して収容されることがあるためである。
【0096】
また、第2の可動部材64は、有底穴63hから高さ方向Hにおいて突出した状態において、該突出高さが固定自在である。この固定は、例えば第2の可動部材64の側面64kに、上述した第1実施の形態において示した断面三角状の複数の突起部25を設け、壁面部63内の側面64kに対向する側面に、上述した第1実施の形態において示した爪部26を設け、爪部26の突起26tを複数の突起部25の谷部に嵌合させることにより、実現することができる。
【0097】
よって、このように構成された壁面部63を有するトレーにおいては、内視鏡10をトレーに収容する際は、第2の可動部材64の上端部64jが、有底穴63hから高さ方向Hに突出した状態で、突起26tと複数の突起部25の谷部とを嵌合させ、第2の可動部材64を突出させた状態で固定して用いるとともに、トレーを保管する際は、有底穴63h内に第2の可動部材64を収容して、突起26tと複数の突起部25の谷部とを嵌合させ、第2の可動部材64を有底穴63h内に収容した状態で固定して保管する。このことによれば、保管の際、上述した第1及び第2実施の形態に示したトレーよりも、壁面部63の高さを低くして保管することができる。
【0098】
以上、説明したように、このような構成によれば、壁面部63の高さが、第2の可動部材64によって、高さ方向Hに可動自在となることから、よりコンパクトにトレー11、51を保管することができる。
【0099】
また、以下、図14を用いて別の変形例を示す。図14は、壁面部を傾倒自在とした変形例を示す斜視図である。
【0100】
上述した第1実施の形態及び第2の実施の形態においては、可動部材14、54が平面方向Mにおいて可動自在であると示したが、これに加えて、図14に示すように、壁面部73が傾倒自在であっても構わない。
【0101】
このような構成によれば、トレー11、51内に内視鏡10を収容する際には、壁面部73を底面部72に対して起立させて、従来と同じ壁面部として用い、トレー11、51を保管する際には、壁面部73を倒して、底面部72に壁面部73を接触させることにより、壁面部73をよりコンパクトに収容することが可能となる。
【0102】
尚、壁面部73を底面部72に対して起立させた状態において、壁面部73を固定する構成としては、壁面部73を樹脂から構成することにより、樹脂の弾性を用いて固定する他、いかなる構成であっても構わない。
【0103】
また、上述した第1実施の形態及び第2の実施の形態においては、トレー11、51に収容される被洗浄消毒物は、内視鏡10を例に挙げて説明したが、内視鏡10に限らず、内視鏡10操作用のリモコンや、他の医療用処置具であっても構わないということは勿論である。
【0104】
さらに、上述した第1実施の形態及び第2の実施の形態においては、トレー11、51は、洗浄消毒装置1に用いるものとして説明したが、蒸気滅菌装置や、他の装置に用いても構わないということは云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本実施の形態のトレーを具備する洗浄消毒装置を示す斜視図。
【図2】図1のトレーを示す拡大斜視図。
【図3】図2中のIII-III線に沿うトレーの断面図。
【図4】図2の可動部材の固定機構を示す部分斜視図。
【図5】図2の可動部材が、第1の位置から第2の位置までの間において可動自在な状態を概略的に示す平面図。
【図6】ピンを用いて可動部材の位置固定を行う変形例を示す部分斜視図。
【図7】ねじを用いて可動部材の位置固定を行う変形例を示す部分斜視図。
【図8】本実施の形態のトレーを、可動部材が第1の位置まで可動された状態で示す斜視図。
【図9】図8の可動部材が、第2の位置まで可動された状態で示すトレーの斜視図。
【図10】図8のトレーの一部を概略的に示す上面図。
【図11】図9のトレーの一部を概略的に示す上面図。
【図12】図10をXIIの方向からみたトレーの一部を示す図。
【図13】壁面部の高さを高さ方向に可動自在とした変形例を示す斜視図。
【図14】壁面部を傾倒自在とした変形例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0106】
1…洗浄消毒装置(内視鏡洗浄消毒装置)
10…内視鏡(被洗浄消毒物)
11…トレー
12…底面部
13…壁面部
12y…外周
14…可動部材
15…第1のガイド溝(排出空間)
25…突起部(固定部材)
26…爪部(固定部材)
30…ピン(固定部材)
35…ネジ(固定部材)
51…トレー
52…底面部
52k…孔(貫通孔)(排出空間)
52y…外周
53…壁面部
54…可動部材
54k…孔(貫通孔)
56…爪部(固定部材)
57a…位置決め孔(固定部材)
57b…位置決め孔(固定部材)
57c…位置決め孔(固定部材)
57d…位置決め孔(固定部材)
64…第2の可動部材
H…高さ方向
M…平面方向
P1…第1の位置
P2…第2の位置
R…可動領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄消毒物が収容されるトレーであって、
前記被洗浄消毒物が載置される底面部と、
前記底面部に対し、平面視した状態で重畳する第1の位置と、前記底面部の平面方向において、少なくとも一部が前記底面部の外周から離間する第2の位置とに可動自在であるとともに、前記第2の位置において前記被洗浄消毒物が載置される可動部材と、
前記可動部材から、前記平面方向に垂直な高さ方向に起立する壁面部と、
を具備し、
前記可動部材は、前記被洗浄消毒物を非収容の際、前記第1の位置まで可動され前記底面部の外周に対し前記壁面部を当接させ、前記被洗浄消毒物を収容する際、前記第2の位置まで可動され、平面視した状態において、前記第1の位置よりも前記被洗浄消毒物の収容面積を大きくすることを特徴とするトレー。
【請求項2】
前記第2の位置は、前記壁面部が前記底面部の前記外周に最も近接する位置から、前記壁面部が前記可動部材によって前記底面部の前記外周より前記平面方向に最も離間する位置までにおける可動領域内に位置しており
前記可動部材を、前記第1の位置または前記可動領域における任意の前記第2の位置に固定する固定部材をさらに具備していることを特徴とする請求項1に記載のトレー。
【請求項3】
前記可動部材が前記第2の位置まで移動した際、前記底面部に液体の排出空間が形成されることを特徴とする請求項2に記載のトレー。
【請求項4】
前記底面部及び前記可動部材には、複数の貫通孔が形成されており、
前記第1の位置において、前記底面部の前記貫通孔と前記可動部材の前記貫通孔とが、平面視した状態でずれるよう位置させるとともに、前記第2の位置において、前記底面部の前記貫通孔と前記可動部材の前記貫通孔とが、平面視した状態で重畳するよう位置させて前記排出空間を形成する位置決め部材をさらに具備していることを特徴とする請求項3に記載のトレー。
【請求項5】
前記壁面部を前記高さ方向に可動させる第2の可動部材をさらに具備していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトレー。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のトレーが洗浄消毒槽に収容自在であるとともに、前記トレーに収容された前記被洗浄消毒物を洗浄消毒する内視鏡洗浄消毒装置であって、
前記可動部材が前記第2の位置に可動された状態で、前記トレーは、前記洗浄消毒槽に収容されることを特徴とする内視鏡洗浄消毒装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−131328(P2009−131328A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−307925(P2007−307925)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】