説明

トンネルの施工方法及びこれが実施されるトンネル

【課題】 簡易な構造で安価であり、トンネルのモニタを実質的に行うことの可能なトンネルの施工方法及びこれが実施されるトンネルを提供すること。
【解決手段】 トンネル内壁に鋼管膨張型の超音波式軸力計測ロックボルト10を打設しトンネル内壁の変位によりロックボルトに発生する軸力をモニタしながらトンネルを掘削する。上記ロックボルトが膨張可能な鋼管20と複数の標点55を有する軸力計測用の計測棒50とを備える。ロックボルトを支保工の一部としてトンネル内壁に打設すると共に膨張させて地山と密着させる。そして、このロックボルトに生じる軸力分布を支保工の設計に反映させる。打設・膨張後、ロックボルトに発生する軸力のモニタを開始し、計測棒の露出部である入射部11から超音波を入射させると共に標点55から反射波の受信時間差を求めることにより軸力分布を算定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルの施工方法及びこれが実施されるトンネルに関する。さらに詳しくは、トンネル内壁に鋼管膨張型の超音波式軸力計測ロックボルトを打設しトンネル内壁の変位により前記ロックボルトに発生する軸力をモニタしながらトンネルを掘削するトンネルの施工方法及びこれが実施されるトンネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のトンネル施工方法及び軸力計測方法に用いられるロックボルトとしては、次の特許文献1,2に記載のものが知られている。また、超音波を利用した軸力計測が可能なロックボルトとしては、特許文献3,4に記載のものが知られている。
【特許文献1】実開平4−38541号
【特許文献2】特開2004−37227号
【特許文献3】特開2006−3323号
【特許文献4】特開2006−3324号
【0003】
しかし、特許文献1に記載のものはモルタルが硬化するまで時間を要するため、直ちに計測することが不能であり、特許文献2に記載のものも詳細な軸力分布が計測しがたく、また、いずれも配線が必要で計測に時間を要して高価であった。その結果、トンネルの一部断面に散点的に用いられるB計測にのみ実施されるに留まり、日常管理としてのA計測によるトンネルのモニタには適用されていなかった。また、特許文献3,4のものはいずれも超音波の計測が必ずしも円滑に行えなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、簡易な構造で安価であり、トンネルのモニタを実質的に行うことの可能なトンネルの施工方法及びこれが実施されるトンネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係るトンネルの施工方法の特徴は、トンネル内壁に鋼管膨張型の超音波式軸力計測ロックボルトを打設しトンネル内壁の変位により前記ロックボルトに発生する軸力をモニタしながらトンネルを掘削する方法であって、前記ロックボルトが膨張可能な鋼管と複数の標点を有する軸力計測用の計測棒とを備え、前記ロックボルトを支保工の一部としてトンネル内壁に打設すると共に膨張させて地山と密着させ、このロックボルトに生じる軸力分布を前記支保工の設計に反映させることにある。
【0006】
ところで、支保工の設計には仕様設計の他に性能設計がある。仕様設計とは事前に用意した支保パターンを地山に応じて適切に選択すればよい。一方、性能設計とは、トンネル構造物の性能を要求事項として設計することをいう。本方法によれば、軸力の適切なモニタによりトンネル全線の軸力分布が把握できることから、仕様設計のみならず性能設計にも応用することが可能である。
【0007】
打設・膨張後、前記ロックボルトに発生する軸力のモニタを開始し、前記計測棒の露出部である入射部から超音波を入射させると共に標点から反射波の受信時間差を求めることにより、前記軸力分布を算定することができ、施工時の仕様設計が容易となる。なお、膨張後モニタは直ちに開始することが望ましい。
【0008】
また、トンネル内壁の変位が発生する箇所に少なくとも前記ロックボルトを打設することで、より効率的且つ正確にトンネルの施工品質を確認することができる。
【0009】
そして、前記鋼管膨張型の超音波式軸力計測ロックボルトの他にモルタルにて固着する他のロックボルトを同断面に用いることで、コスト削減を効率的に達成することが可能となる。
【0010】
上記いずれかに記載のトンネルの施工方法が実施されるトンネルの特徴は、前記鋼管膨張型の超音波式軸力計測ロックボルトが、膨張可能な鋼管と標点を備えた軸力計測用の計測棒とを備えたことにある。
【発明の効果】
【0011】
上記本発明に係る各特徴によれば、簡易な構造で安価であり、トンネルのモニタを実質的に行うことの可能なトンネルの施工方法及びこれが実施されるトンネルを提供することが可能となった。
【0012】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。図1は本発明の軸力計測に用いる鋼管膨張式のロックボルト10と軸力計測装置1とを示す。軸力計測装置1は、超音波をロックボルト10へ送受信する探触子2と、超音波を発信及び受信するパルサー・レシーバー3と、信号を制御すると共に受信信号を処理・表示するPC(パーソナルコンピュータ)4及びモニター5を備えている。
【0014】
ロックボルト10は、管体である異形管20の両端に注水側スリーブ30,封止側スリーブ40を溶接又は溶着(以下、「溶接等」とする。)し、さらに、異形管20内に配設された計測棒50を有してなる。異形管20は、図2に示すように、溶融メッキ鋼管を扁平にすると共に略C字型に形成したものであり、ロックボルト10の端部近傍では各断面位置で扁平度合いが異なっている。全長の端部では屈曲外面21,屈曲内面22が近接しており、同図(a)の位置では管内部23が膨大し凹部26が縮小している。管内部23への注水時に開口部25を介して屈曲内面22が同図(b)の如く膨大する。
【0015】
計測棒50は、鋼材やアルミニウムで構成されており、図1に示すように、注水側スリーブ30及び封止側スリーブ40の中心を通ると共に異形管20の凹部26に配設され、リング状スペーサー59を介して注水側スリーブ30及び封止側スリーブ40内に固定されている。このリング状スペーサー59の外縁は溶接部58hで固着されている。
【0016】
計測棒50の両端あるいは一部がロックボルト10の異形管20あるいはスリーブ30,40等に溶接等あるいは接着により固着される場合は、管体20の削孔101に対する押圧力により、固着されていない部分も含めて計測棒50のほぼ全長が管体20と事実上一体化される。
【0017】
略C字型の異形管20先端は注水側スリーブ30の孔に挿入され、その先端部において溶接部で注水側スリーブ30に固着される。異形管20の他端も封止側スリーブ40に対して同様に溶接等される。注水側スリーブ30の側部及び屈曲外面21には注水孔34が貫通形成され、外部から水がこの注水孔34を通じて管内部23に供給される。
【0018】
注水側スリーブ30内の計測棒50は、入射側である始端面51が注水側スリーブ30の外側端59xよりも突出し、超音波を計測棒50に対して入射させることができる。リング状スペーサー59は溶接部58hにより計測棒50に固着される。
【0019】
他方、封止側スリーブ40内の計測棒50は、端部に設けられたねじ部58jとナット58kよりなる締付固定手段58xによりリング状スペーサー59に固着される。この締付固定手段58xは、入射された超音波を減衰させノイズの原因となるが、入射部11となる始端面51から十分に離れており、封止側スリーブ40において締付固定手段58xにより固着させたとしても、相対的にノイズは小さくなる。よって、ノイズの影響を排除して且つ、計測棒50の取付作業性を向上させることができる。なお、締付固定手段58xはねじ部58j、ナット58kに限らず、ラッチ手段等様々な手段を採り得、これらを解放することで、計測棒50を異形管20に対して着脱することができる。
【0020】
計測棒50の適宜箇所には図3(a)(b)に示すように標点として複数の切欠55(N1−4)が形成されている。各切欠N1−4は、それぞれが、計測棒50の円周方向に連続的に切り欠かれた溝であり、縦壁部55が長手方向に直交する方向に切り立っている。幅Wは信号の反射には大きな影響を及ぼさず、より終端面52側の切欠ほど深さtを大きくすることで、始端面51で受信される信号のレベルを各切欠N1−4間で同レベルとなるように調節することが可能となる。表面に多くの凹凸が存在すると、超音波の減衰の激しいことが実験により確認されたので、計測棒50の表面は切欠以外平坦となっている。
【0021】
なお、各切欠N1−4は、図3(c)の如く計測棒50の全周でなく周部の一部にのみ形成してもよい。この場合、各切欠N1−4はそれぞれが一対ずつロックボルト10の中心軸に対し点対称的に設けられ、異なる長手方向位置において位相が異なるように配置され、が中間部の切欠N1−4及び終端面52からの反射波を確実に検出できるように構成してある。
【0022】
また、図3(d)に示すように、各切欠55(N1〜N4)は、計測棒50の長手方向に直交する方向に切り込みを入れ形成された縦壁部56と、その縦壁部56に対しテーパー状に削られた平坦部57とより形成してもよい。入射部11である始端面51より入射された超音波の一部Saは、ほぼ垂直である縦壁部56で大幅に反射される一方、終端面52により反射された反射波Sbは、平坦部57では大きく反射せずに切欠N1〜N4を通過するので、中間部の切欠N1−4及び終端面52からの反射波を確実に検出できる。なお、標点は切欠以外に凹部や突起でもよいが、垂直部分を有する切欠を設けた場合が超音波の反射を最も明瞭に検出することができる。
【0023】
設置に際しては、トンネル外壁100の適宜箇所に形成された挿入孔101にロックボルト10を挿入する。挿入時は図2(a)の如く、挿入孔101と異形管20との間に隙間103が残存している。その後、注水側スリーブ30にシールヘッドを取り付けて水を注水孔34から管内部23内に加圧注水する。この注水により異形管20は、図2(b)の如く膨張し、隙間103は殆ど無くなって挿入孔101に異形管20外面が密着することになり、これにより摩擦力が作用してロックボルト10の挿入孔101への定着が完了する。注水側スリーブ30の近傍にはベアリングプレート15が介挿され、実質的にトンネル外壁100を支持する。
【0024】
計測に際しては、計測棒50の始端面51に探触子2を接触媒質を介して接触させ、超音波を入射すると共に各標点N1〜N4及び終端面52からの反射波を受信する。超音波の発信時刻と受信時刻の差と音速を掛け合わせることにより、図3(b)に示す各標点N1−4、終端面52からの反射波の往復距離L1〜5が算出できる。また、各L1〜5間の差分を求めることで、標点間距離SC1〜5を算出でき、予め求めておいた各距離L1〜5、SC1〜5との比較を行うことで、ロックボルト10の伸長の度合いを求めることができる。
【0025】
その具体的な手順としては、超音波の発信時刻と図3(b)に示す各標点N1−4及び終端面52から反射してくる反射波の受信時刻の差から伝播時間Ti(iは区間番号)が求められる。次に、隣接する区間の伝播時間の差Ti−Ti-1から区間伝播時間が算出できる。上記の手順に基づいて、ロックボルト打設直後に各標点区間SC1〜5の各区間伝播時間を初期値として計測する。打設後随時に各区間伝播時間を同様に計測して、それぞれ初期値に対する変化率(区間伝播時間変化率dD)を求める。予め求めておいた軸力と区間伝播時間変化率dDとの相関関係から、各区間の軸力が算定できる。実験によれば、横波の場合は1MHz,2MHz(低周波領域)で反射検出が良好であったが、縦波の場合は5MHz(高周波領域)で反射波検出が良好となることが判明した。なお、超音波音速は材料の温度によっても変動するため、上記処理において、周囲環境に合わせた温度補正が必要となる場合がある。
【0026】
ここで、所謂NATM工法によるトンネル工事におけるロックボルトの設置とモニタリングの手順について図5〜8を参照しながら説明する。本工程の断面は図5に示すように形成され、穿孔位置110a〜mのうち、代表的な変位(荷重)箇所として、図中において符号110d、110jで示す位置に鋼管膨張ロックボルト10を挿入する。他の残余の穿孔位置には通常の鋼棒タイプのロックボルトを用いる。例えば、補助ベンチ付全断面工法(発破工法)の場合の工程は、削岩、ずり出し、吹付、ロックボルト設置、鋼製支保工設置を含む。
【0027】
まず、図6に示すように、ドリル201で、トンネルを掘削し、ずり出しを行い、図7の如く、地山100の山肌に吹き付けロボット205を利用してコンクリートを吹き付ける。吹付けコンクリート105の種類は湿式・乾式の双方を問わず使用することができる。そして、図8の如くドリル207を用いて適宜箇所の岩盤を穿孔し、上記鋼管膨張式ロックボルト10を挿入し、上述の手順で膨張させて定着させ、直ちに超音波計測を行う。
【0028】
上記鋼管膨張式ロックボルト10を変位(荷重)の最も大きな穿孔位置(ここでは110d、110j)に挿入して膨張させて定着させることで、地山が最も変形しやすい掘削直後の変形を抑制することができ、工事の安全性を向上させると共に、ロックボルトに係る荷重を直後からモニタすることが可能となる。図5の例では、例えば吹き付け後の鋼管膨張ロックボルト10の膨張と計測開始の時間は僅かで最も変形モニタの重要な時点の観察が可能となる。残余の部分は通常の鋼管膨張型ロックボルトを用いても良い。資材コスト優先の場合は、例えば図4に示すようなモルタルにて固着する他の種類のロックボルトを用いてもよい。施工時間の一例を挙げると、穿孔位置110d、110jへの穿孔及び計測開始はコンクリート吹き付け後、1カ所で5分−10分程度で完了する。このような時間の程度を「トンネルの掘削後直ちに」というものとする。
【0029】
例えば、鋼管膨張型ロックボルトを穿孔位置110d、110jに使用した場合、他の穿孔位置110a−c、110e−i、110k−mには図4の如き鋼棒ロックボルト20’を用いてもよい。このロックボルト20’は、雄ねじ部21aにナット21bを螺合させて拡大部を形成し、ベアリングプレート15にロックボルト20’を固着する。挿入孔101とロックボルト20’との間にはモルタル102が注入され、これによりロックボルト20’が固着される。モルタル102の硬化には最短でも約3時間程度を要する。
【0030】
上記断面は1掘進長である100〜200cm程度、例えば150cm程度毎に繰り返される。また、超音波による計測はロックボルトの設置後も適宜行われ、これにより軸力計測装置を通じてトンネルのモニタとしての計測が実施される。
【0031】
次に、本発明のさらに別の実施形態について説明する。なお、上述の実施形態と同様の部材には同じ符号を付すこととする。
【0032】
図9に示す実施形態において、ロックボルト10は、管体である異形管20の両端に注水側スリーブ30,封止側スリーブ40を溶接又は溶着(以下、「溶接等」とする。)し、さらに、異形管20に沿って対称に固着又は配設された一対の計測棒50,50を有してなる。
【0033】
計測棒50は、図9(a)に示すように、管体に沿って配設され、又は異形管20或いはスリーブ40或いはベアリングプレート15等のロックボルトの部材に適宜箇所で溶接等若しくは接着剤により固着される。計測棒50を固着する場合は、少なくとも計測棒50の両端部をロックボルトの異形管或いはロックボルトの部材に固着させるとよい。計測棒50の両端部を固着させることで、施工時のロックボルト10の取り扱いが容易となる。計測棒50が管体に沿って配設される場合は、管体20の削孔101に対する押圧力により管体20と計測棒50は事実上一体化される。
【0034】
図9(a)(b)では、計測棒50の始端と終端をそれぞれ注水側スリーブ30及び封止側スリーブ40の外に配置させてある。計測棒50は注水側スリーブ30を貫通させる大孔16に連続する大孔16の近傍の小孔17からベアリングプレート15を貫通すると共にその外表面から始端面51を若干突出させてある。この僅かな突出により、注水側スリーブ30へ連結する注水用継手(図示省略)と計測棒50との干渉を防止ししつつ、探触子2の接触を可能としている。注水側スリーブ30と計測棒50との間にはスペーサー53を配置してある。また、異形管20の注水側スリーブ30近傍と封止側スリーブ40の外面との2カ所において、溶接部58を必要最低限の部位とすることで、計測棒50から異形管20への超音波漏洩を抑制してある。
【0035】
超音波減衰が大きな障害とならない場合には、鋼管膨張型ロックボルトと計測棒50との一体化をより高める意味で、図9(c)に示す実施形態を採用してもよい。この実施例では、計測棒50の挿入孔側先端部にねじ部58fを設け、ナット58gによりベアリングプレート15に計測棒50を固着しても構わない。計測棒50のベアリングプレート15に対する締付固定手段58xは、ねじ部58f、ナット58gの他、ラッチ手段等様々な機械を採用し得る。
【0036】
上記第一実施形態では、異形管20は膨張時に拡大変形する凹部26に一本の計測棒50を配置した。しかし、変形の対称性を保つため、前記計測棒50を膨張後の管体20について複数本をほぼ均等配置するとよい。
【0037】
この場合、例えば、計測棒を3本用いる場合は120度間隔で均等割り付けするとよい。また、図10(a)(b)の如く一対の計測棒50a,50bを双方とも凹部26外に配置してもよく、図10(c)(d)の如く一方の計測棒50aを凹部26内に、他方を凹部26外に配置してもよい。さらに、図10(e)(f)に示す如く、一対の凹部26,26に2本の計測棒50a,50bを配置してもよい。
【0038】
上記各実施形態では、入射部11である始端面51を計測棒50の長手方向に垂直な平面として構成した。しかし、横波を円滑に入射させたい場合には図11の如く始端面51aを計測棒50の長手方向に傾斜状に形成してもよい。
【0039】
上記実施形態では、計測棒50を中央部も詰まった棒として表現した。しかし、この計測棒50は異形管20に比較して中身が詰まった棒との意味合いでの概念であるため、超音波が十分伝達できる限りにおいて中央部に長手方向に沿う空洞が存在してもよい。計測棒50の中央部に長手方向に沿う空洞が存在する場合には、その空洞に温度センサを挿入して各部位の温度を計測し温度補正を考慮したより精度の高い軸力計測を行うことができる。
【0040】
上記実施形態では、ロックボルトの軸力計測方法として表現したが、本発明はロックボルトの伸長計測方法とも表現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、トンネル施工法の一種である所謂NATM工法に用いられるロックボルトの軸力を計測するトンネルの施工方法及びこれが実施されるトンネルとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】ロックボルトの断面図及び軸力計測装置のブロック図である。
【図2】(a)(b)はロックボルトの図1における断面図等であり、(a)はB−B断面図、(b)は膨張後のB−B断面図である。
【図3】(a)は計測棒と切り欠きとの関係を示す側面図、(b)は計測棒の全長における切り欠き位置を示す側面図、(c)は計測棒と切り欠きとの関係を示す計測棒の軸心に直交する断面図、(d)は切り欠きの部分拡大図である。である。
【図4】鋼棒タイプのロックボルトの断面図である。
【図5】トンネルの断面である。
【図6】削岩時の施工状況を示し、(a)はトンネル延長方向に対する直交方向での縦断面図、(b)は水平断面図、(c)は(a)に直交する断面の縦断面図である。
【図7】コンクリート吹付け時の施工状況を示し、(a)はトンネル延長方向に対する直交方向での縦断面図、(b)は水平断面図、(c)は(a)に直交する断面の縦断面図である。
【図8】穿孔時の施工状況を示し、(a)はトンネル延長方向に対する直交方向での縦断面図、(b)は水平断面図、(c)は(a)に直交する断面の縦断面図である。
【図9】(a)はさらに別の実施形態におけるロックボルトの断面図及び軸力計測装置のブロック図、(b)はロックボルトのA方向視正面図、(c)はさらに別の実施形態における計測棒の挿入孔近傍の拡大図である。
【図10】ロックボルトの別の実施形態における断面図等であり、(a)は図2のB−B断面相当図、(b)は(a)の膨張後の図、(c)は他の実施形態を示す図2のB−B断面相当図、(d)は(c)の膨張後の図、(e)は他の実施形態を示す図2のB−B断面相当図、(f)は(e)の膨張後の図である。
【図11】計測棒の始端面の別の実施形態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0043】
1:軸力計測装置、2:探触子、3:パルサー・レシーバー、4:PC、5:モニター、10:ロックボルト、11:入射部、12:端部、15:ベアリングプレート、16:大孔、17:小孔、20:異形管、21:屈曲外面、22:屈曲内面、23:管内部、30:注水側スリーブ、31:スリーブ先端、32:スリーブ側部、33:凹部、34:注水孔、40:封止側スリーブ、50:計測棒、51:始端面、52:終端面、53:スペーサー、55:切欠、56:縦壁部、57:平坦部、58,58a〜c,58h:溶接部、58g,58k:ナット、58f,58j:ねじ部、58x:締付固定手段、59:リング状スペーサー、59x:外面、100:トンネル壁 、101:挿入孔、103:隙間、105:吹付けコンクリート、110a〜m:穿孔位置、N1−4:標点(切欠)SC1−5:標点間距離、Sa:超音波の一部、Sb:反射波

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル内壁に鋼管膨張型の超音波式軸力計測ロックボルトを打設しトンネル内壁の変位により前記ロックボルトに発生する軸力をモニタしながらトンネルを掘削するトンネルの施工方法であって、
前記ロックボルトが膨張可能な鋼管と複数の標点を有する軸力計測用の計測棒とを備え、前記ロックボルトを支保工の一部としてトンネル内壁に打設すると共に膨張させて地山と密着させ、このロックボルトに生じる軸力分布を前記支保工の設計に反映させることを特徴とするトンネルの施工方法。
【請求項2】
打設・膨張後、前記ロックボルトに発生する軸力のモニタを開始し、前記計測棒の露出部である入射部から超音波を入射させると共に標点から反射波の受信時間差を求めることにより前記軸力分布を算定することを特徴とする請求項1記載のトンネルの施工方法。
【請求項3】
トンネル内壁の変位が発生する箇所に少なくとも前記ロックボルトを打設することを特徴とする請求項1又は2記載のトンネルの施工方法。
【請求項4】
前記鋼管膨張型の超音波式軸力計測ロックボルトの他にモルタルにて固着する他のロックボルトを同断面に用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトンネルの施工方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のトンネルの施工方法が実施されるトンネルであって、前記鋼管膨張型の超音波式軸力計測ロックボルトが、膨張可能な鋼管と標点を備えた軸力計測用の計測棒とを備えたことを特徴とするトンネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−308990(P2007−308990A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−139964(P2006−139964)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(000121844)応用地質株式会社 (36)
【出願人】(000235532)非破壊検査株式会社 (49)
【出願人】(391007460)名古屋道路エンジニア株式会社 (47)
【出願人】(000004581)日新製鋼株式会社 (1,178)
【出願人】(592260572)日新鋼管株式会社 (26)
【Fターム(参考)】