説明

トンネル施工用反力受け部材

【課題】 狭い親トンネルから分岐トンネルを施工する際に、分岐トンネルの施工効率を高める上で有利なトンネル施工用反力受け部材を提供すること。
【解決手段】 反力受け部材52は、後胴50の内部に挿入される輪郭で形成され、互いに環状を呈して対向する前基板部54および後基板部56と、前基板部54および後基板部56の周方向に間隔をおいた箇所で前後に延在しそれら前基板部54および後基板部56を連結する複数の柱部材58とを備えている。反力受け部材52は後胴50に組み込まれ、シールドマシン19の前進に伴って親トンネル12内に露出し、親トンネル12内のスペースを占める。複数本の柱部材58と後基板部56の箇所を外すことで、反力受け部材52の側方および軸方向に開放状の開口60が形成され、この開口60からシールドマシン19の内部への資機材の搬入や掘削土の排出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親トンネルから分岐させる形で新たなトンネルを構築する場合に、効率的な施工を行なう上で有利なトンネル施工用反力受け部材に関する。
【背景技術】
【0002】
既に設置されたトンネル内で、新たなトンネルを分岐施工するための掘削機械を組み立て、一部が完成した状態で地山中に押し出し、逐次、組立と押出しを繰り返して掘削機械の発進を完了させる方法がある(特許文献1、特許文献2)。
しかしながら、親トンネルの径が比較的小さい場合、既に設置された親トンネルから新たなトンネルを分岐施工することは、狭隘な空間における非常に効率の悪い作業の連続となる。
【特許文献1】特開2003−278482
【特許文献2】特開2003−336480
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、通常のシールド発進においては、組み立てたシールド機後方に仮セグメント接続用のリング状反力受け部材を設置して推進できるが、下水道トンネルなどのように親トンネルの径が比較的小さい場合、制限された狭いスペースにおいて分割サイズでのシールド機の搬入とならざるを得ない。
そして、分割してシールド機を搬入しても、この分割されたシールド機の後方スペースに余裕がなく、セグメント接続用リング状反力受け部材を設置すると、資機材(セグメント等)搬入や掘削土搬出(特に泥土圧)が非常に困難となる。
【0004】
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、狭い親トンネルから分岐トンネルを施工する際に、分岐トンネルの施工効率を高める上で有利なトンネル施工用反力受け部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため本発明は、カッターやその駆動部が設けられた前胴と、この前胴に続きその内周面の周方向に間隔をおいた複数箇所にそれぞれ推進用のジャッキが設けられた中胴と、この中胴に続きセグメントリング組み立て用のエレクターが設けられると共に組み立てられたセグメントリングの外周面に当接して地下水の侵入を阻止する止水部材が内周面に設けられた後胴から構成される泥土圧式のシールドマシンを用いて、既に設置された親トンネルから新たな分岐トンネルを施工する際に用いられる鋼製の反力受け部材であって、前記反力受け部材は、前記後胴の内部に挿入される輪郭で形成され、互いに環状を呈して対向する前基板部および後基板部と、前記前基板部および後基板部の周方向に間隔をおいた箇所で前後に延在しそれら前基板部および後基板部を連結する複数の柱部材とを備え、前記複数の柱部材のうちの少なくとも2本以上の柱部材は前記前基板部に対して着脱可能に設けられ、かつ、前記少なくとも2本以上の柱部材が連結された前記後基板部の部分は、残りの前記後基板部の部分に対して着脱可能に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、反力受け部材を利用して反力を受けつつシールドマシンを前進させる。
シールドマシンが前進していくと、反力受け部材は親トンネル内に露出し、親トンネル内のスペースを占めることになるが、複数本の柱部材とそれら柱部材が連結された後基板部の箇所を外すことで開口が形成される。
したがって、シールドマシンの後方に、セグメントなどの資機材搬入のためのスペースを確保する余裕はないものの、この開口からシールドマシンの内部への資機材の搬入が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、分岐トンネルの施工手順の概略は、次の通りである。
親トンネルの壁面にエントランスリングを固定する。次に、シールド機の前胴のみをエントランスリングの内側に配置する。次に、親トンネルの壁面で反力を受けつつ前胴を前進させて掘削を開始し、前胴を前進させて親トンネル内にスペースが生じたならば、前胴に中胴を連結する。次に、親トンネルの壁面で反力を受けつつ前胴および中胴を前進させて掘削を行い、親トンネル内にスペースが生じたならば、中胴に後胴を連結する。本発明の反力受け部材はこの後胴の内部に組み込んでおくものである。
以下、上述の施工手順の順に説明していく。
【0008】
図1は親トンネルおよびエントランスリングの断面正面図、図2はエントランスリングの後部の説明図、図3は親トンネルおよびエントランスリングの断面平面図を示す。
図面において符号12は既に施工された親トンネルを示し、符号14はそのトンネル壁を示し、トンネル壁14は円筒状を呈し、本実施の形態では、トンネルは下水道用のものである。
また、符号16は、親トンネル12から新たな分岐トンネル18を施工する際に用いられるエントランスリング、符号20は、分岐トンネル18を施工する際に用いる泥土圧式のシールドマシン19(図6参照)の前胴を示している。
図6に示すように、シールドマシン19は前胴20と、この前胴20に続く中胴40、中胴40に続く後胴50から構成されている。
前胴20には、カッター20Aやその駆動部20B、土砂排出用のスクリューコンベア20C(図4参照)などが配置されている。
中胴40には、推進用ジャッキ42(図5参照)などが配置され、中胴40は前胴20に対して折曲可能に連結され進路を湾曲させる際に機能する箇所でもある。
後胴50には、セグメントリング組み立て用のエレクターなどが設置され、その内部で順次セグメントリングを組み立てていく箇所である。
【0009】
なお、シールドマシンは、前胴と後胴とで構成されているという場合もあり、この場合には、前記後胴が、本実施の形態の中胴40と後胴50で構成されることになる。
本実施の形態では、中胴40と後胴50は、共に前後に結合された2つの筒体で構成され、図5、図6に示すように、中胴40の後方の筒体44と、後胴50の前方の筒体44は共通であり、この共通の筒体44の前半部が中胴40の後部を構成し、共通の筒体44の後半部が後胴50の前部を構成している。
分岐トンネル18を施工する際、スペースの問題からシールドマシン19全体を親トンネル12内に搬入できず、まずは前胴20のみの搬入となる。
【0010】
エントランスリング16は、筒状の前部30と、前部30に続く筒状の後部32とを有している。
前部30と後部32とは共に鋼製で、分岐トンネル18を施工する際に用いる泥土圧式のシールドマシン19よりも大きな寸法の均一の内径で形成され、また、その外周面が単一の円筒面上を延在するように設けられている。
前部30は、環板状の基部30Aと、基部30Aの左右両側から前方に突出する左右の側面部30Bと、左右の側面部30Bの間の上下部に設けられた前方に開放状の切り欠き30Cとを有している。
左右の側面部30Bと切り欠き30Cは、左右の側面部30Bの縁の全域が親トンネル12のトンネル壁14の円筒状の内周面に当接される形状で形成されている。
左右の側面部30Bの縁は、開口すべきトンネル壁14の内面に、例えば、溶接により固定される。
左右の側面部30Bには開口3002が設けられ、開口3002にアクリルなどの合成樹脂からなる透明板3004が取着され、透明板3004により前部30の外側から内側箇所の視認を可能とした透明窓30Dが構成されている。
【0011】
後部32は、前部30の基部30Aに連続する環板状に設けられ、少なくともその周方向の一部32Aが残りの部分32Bに対して着脱可能に設けられている。
一部32Aを残りの部分32Bから外した際に、残りの部分32Bには側方に開放状の開口32Cが形成される。
開口32Cの高さは、分岐トンネル18を施工するシールドマシン19の直径よりも大きい高さHを有している。
また、後部32の内面全域には、シールドマシン19の胴体に弾接しシールドマシン19の胴体をつたって親トンネル12の内部に入ろうとする地下水を止水するための止水部材34が取着されている。
【0012】
本実施の形態では、まず、分岐トンネル18を施工すべき親トンネル12内の箇所にエントランスリング16を搬入し、エントランスリング16の左右の側面部30Bの縁を、トンネル壁14の内面に、例えば、溶接により固定する。
次に、後部32の周方向の一部32Aを取り外し、残りの部分32Bに開口32Cを露出させておく。
次に、分岐トンネル18を施工する際に用いる泥土圧式シールドマシン19の前胴20のみを親トンネル12内に搬入し、開口32Cから後部32の残りの部分32Bの内側に配置する。
そして、前胴20を後部32の残りの部分32Bの内側に配置したならば、取り外した周方向の一部32Aを残りの部分32Bに対して取り付け、後部32を組み立てる。
【0013】
次に、シールドマシン19の前胴20の背面と、エントランスリング16が設置された箇所と反対側のトンネル壁14との間に、架台を介して複数のジャッキを配置し、ジャッキにより推進力を前胴20に与え、カッター20Aの回転により掘削しつつ前胴20を前進させていく。この場合の架台は、従来公知の様々な部材が採用可能である。
この掘削状況は、透明窓30Dから視認可能であり、スクリューコンベア内の土圧、排土量の調整や、複数のジャッキのうちのどのジャッキにより大きな力を発揮させるなど、掘削状況に応じて様々な処置がとられる。
【0014】
そして、前胴20を前進させ、親トンネル12内で前胴20の背面にスペースが生じたならば、図4、図5に示すように、エントランスリング16内で前胴20に中胴40を組み付け、今度は前胴20および中胴40を前進させていく。
より詳細には、上述したように、中胴40は、前後に結合された2つの筒体40A、44を有し、前胴20の背面のスペースの関係上、図4に示すように、まずは前方の筒体40Aのみが前胴20に組み付けられて前進され、さらに、スペースが生じたならば、図5に示すように、筒体40Aに後方の筒体44が組み付けられて前進される。
なお、この場合の推進力は、図4に示すように、前胴20あるいは中胴40の背面に対向するトンネル壁14箇所に設置された架台46と、前胴20あるいは中胴40の背面に配置された複数のジャッキ48と、架台46とジャッキ48間に掛け渡された反力受け部材49を介して与えられる。
【0015】
一方、図4、図5に示すように、スクリュウコンベア20Cで切羽土圧を保持しつつカッタヘッドチャンバーC内の掘削土を排出するが、シールドマシン20を分割して搬入するため、スクリュウコンベア20Cも分割して搬入し組み立てていかなければならない。
そのため、スクリュウコンベア20Cを図6に示す正規の構造に組上げるまでの掘削において切羽の安定を図ることが困難となり、地盤改良等の補助工法を必要とする。
そこで、本実施の形態では、カッタヘッド隔壁部(カッタヘッドチャンバーCとスクリュウコンベア20Cの境界面)にシャッターゲート2002を装備し、ゲート開度によりカッタヘッドチャンバーC内の土圧を調整するようにし、補助工法を不要として切羽の安定を図るようにしている。
また、図4に示すように、スクリュウコンベア20Cの管体が短い過程では、管体の端部にボールバルブ2004を装備し、スクリュウコンベア20C内の土圧および排土量を調整するようにしている。
なお、スクリューコンベア20Cの管体や、その内部のスクリューも継ぎ足されていくが、この場合、管体を単に分解したのでは、土砂が親トンネル12内に溢れ出るので、この場合にシャッターゲート2002が閉じられ、土砂の流出を防止しつつ管体やスクリューの継ぎ足しが行なわれる。
また、スクリュウコンベア20Cらの排土はバキューム装置による吸引あるいはベルコンにて搬送される。
【0016】
また、前胴20のみの前進や、あるいは前胴20および中胴40の前進のように、正規の構造に組上げる前でシールドマシン20の機長が短い状態での押出しでは、シールドマシン20の設置圧が小さく、シールドマシン20の重心が発進架台より前方になり、シールドマシン20が前傾し易くなる。
そこで、図7に示すように、複数の推進ジャッキ48のうち下段部のジャッキ48Aを推進用に使用し、上段部のジャッキ48Bをリリーフ圧調整可能にすることで、シールドマシン20の姿勢制御を行い、掘進中の重心バランスの不具合による前傾を防止するようにしている。
【0017】
図5に示すように、筒体40Aに後方の筒体44が組み付けられて前進され、筒体44の後方にスペースが生じたならば、例えば、筒体44をエントランスリング16に固定しておき、後胴50を親トンネル12内に搬入し、後胴50を筒体44に結合する。
そして、後胴50を搬入する際に、本実施の形態の反力受け部材52をこの後胴50の内部に組み込んでおく。
図8(A)は反力受け部材の側面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(A)のC矢視図を示す。
反力受け部材52は、後胴50の内部に挿入される輪郭で形成され、互いに環状を呈して対向する前基板部54および後基板部56と、前基板部54および後基板部56の周方向に間隔をおいた箇所で前後に延在しそれら前基板部54および後基板部56を連結する複数の柱部材58とを備えている。
【0018】
前基板部54および後基板部56は、分岐シールドのセグメント外径に内接する多角形あるいは同径相当の円形におさまる形状で形成されている。本実施の形態では、前基板部54および後基板部56は正八角形の枠をなすように設けられている。
すなわち、前基板部54は、図8(B)に示すように、正八角形の8つの辺をなす分割体5402がそれぞれ連結板5404によりボルト、ナットを介して着脱可能に連結されている。
また、後基板部56は、図8(C)に示すように、正八角形の8つの辺をなす分割体5602がそれぞれ連結板5604によりボルト、ナットを介して着脱可能に連結されている。
そして、柱部材58が8本設けられ、柱部材58は正八角形の8つの角部に位置するように設けられ、前基板部54および後基板部56に対してボルト、ナットを介して着脱可能に連結されている。
本実施の形態では、中胴40の推進用ジャッキ42(図5参照)と同軸上に柱部材58が位置するように、反力受け部材52は後胴50の内部に組み込まれる。
また、本実施の形態では、柱部材58はH型鋼で構成され、上述の連結板5604は、H型鋼の延在方向の一端に固定されている。
したがって、本実施の形態では、8本の柱部材58の全てが前基板部54に対して着脱可能に設けられており、また、取り外される柱部材58が後基板部56の部分、すなわち8つの分割体5602も、それぞれ残りの後基板部56の部分に対して着脱可能に設けられている。
【0019】
そして、少なくとも2本以上の柱部材58を前基板部54に対して取り外し、かつ、それら少なくとも2本以上の柱部材58が連結された後基板部56の部分を、残りの後基板部56の部分に対して取り外すことで、それら部材が取り外された箇所に、図6に示すように、シールドマシン19の内部への資機材の搬入用の開口60が形成されるように構成されている。
【0020】
図5に示すように後胴50を親トンネル12内に搬入し、図6に示すように、反力受け部材52が組み込まれた後胴50を筒体44に結合したならば、中胴40内の複数の推進用ジャッキ42を伸張して反力受け部材52の前基板部54に当接し、また、反力受け部材52の後基板部56とトンネル壁面14との間に架台64を配置する。
そして、シールドマシン19からの反力をそれら推進用ジャッキ42、反力受け部材52、架台64を介してトンネル壁面14で受けるようにしたならば、筒体44とエントランスリング16との固定を解除し、推進用ジャッキ42の伸縮と、架台64の重ね合わせによりシールドマシン19を前進させる。
そして、今度は、後胴50の内部でエレクターによセグメントリングを組み立てつつシールドマシン19を前進させ、組み立てたセグメントリングをエントランスリング16の内側の開口に固定したならば、エントランスリング16も取り外し、セグメントリングを組み立てつつシールドマシン19を前進させ、親トンネル12から分岐する分岐トンネル18を施工する。
反力受け部材52は、セグメントリングをエントランスリング16の内側の開口に固定した後に、エントランスリング16と共に撤去される。
【0021】
本実施の形態によれば次のような効果が奏される。
親トンネル12から分岐トンネル18を施工する際、図5、図6に示すように、狭小な発進位置となるため、初期掘進時におけるシールドマシン19の後方に、セグメントなどの資機材搬入のためのスペースや掘削土搬出のためのスペースを確保する余裕はない。
すなわち、通常のシールド発進では、シールドマシン19の後方に仮セグメント接続用のリング状反力受け部材を設置し推進するが、分岐トンネル18の場合、後方スペースに余裕がなくセグメント接続用リング状反力受け部材を設置すると、資機材搬入および掘削土搬出(特に泥土圧)が非常に困難となる。
本実施の形態では反力受け部材52が予め組み込まれた後胴50を筒体44に結合し、反力受け部材52を利用して反力を受けつつシールドマシン19を前進させる。
反力受け部材52はシールドマシン19と共に前進せず、親トンネル12内の当初の位置に留まり、親トンネル12内に露出して親トンネル12内のスペースを占めることになるが、複数本の柱部材58と複数の後基板部56の分割体5602を外すことで、反力受け部材52の側方および軸方向に開放状の開口60が形成される。
したがって、シールドマシン19の後方に、セグメントなどの資機材搬入のためのスペースや掘削土搬出のためのスペースを確保する余裕はないものの、この開口60からシールドマシン19の内部への資機材の搬入や掘削土の排出が可能となる。
【0022】
また、図5、図6に示すように、後胴50の内面には、シールドマシン19が前進していく際、後胴50の内部で組み立てたセグメントリングの外周に接触して親トンネル12内への地下水の浸入を阻止する鋼製のブラシなどからなる止水部材66が設けられている。そして、この止水部材66は、組み立てられたセグメントリングが後方に移動していくことから、先端が基端よりも後方に位置するように傾斜して設けられ、一般に硬く形成されている。
そのため、仮に、シールドマシン19に対向する親トンネル12内に、中胴40内の複数の推進用ジャッキ42に対向させて複数のジャッキを配置し、それらジャッキ伸張して推進用ジャッキ42に当接し、シールドマシン19の反力を受けることも考えられるが、このジャッキの伸張方向は止水部材66の傾きの方向と反対となり、止水部材66を損傷する虞がある。
これに対して、本実施の形態の反力受け部材52は、止水部材66に対して組み立てられたセグメントリングが移動する方向と同じ方向に移動するので、止水部材66を損傷することもない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】親トンネルおよびエントランスリングの断面正面図である。
【図2】エントランスリングの後部の説明図である。
【図3】親トンネルおよびエントランスリングの断面平面図である。
【図4】分岐トンネルの初期掘進時の説明図である。
【図5】反力受け部材が組み込まれた後胴の搬入時の説明図である。
【図6】反力受け部材が組み込まれた後胴の搬入時の説明図である。
【図7】シールドマシンの姿勢制御の説明図である。
【図8】(A)は反力受け部材の側面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(A)のC矢視図である。
【符号の説明】
【0024】
12……親トンネル、14……トンネル壁、16……エントランスリング、18……分岐トンネル、19……シールドマシン、50……後胴、52……反力受け部材、54……前基板部、56……後基板部、58……柱部材、60……開口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カッターやその駆動部が設けられた前胴と、この前胴に続きその内周面の周方向に間隔をおいた複数箇所にそれぞれ推進用のジャッキが設けられた中胴と、この中胴に続きセグメントリング組み立て用のエレクターが設けられると共に組み立てられたセグメントリングの外周面に当接して地下水の侵入を阻止する止水部材が内周面に設けられた後胴から構成される泥土圧式のシールドマシンを用いて、既に設置された親トンネルから新たな分岐トンネルを施工する際に用いられる鋼製の反力受け部材であって、
前記反力受け部材は、前記後胴の内部に挿入される輪郭で形成され、互いに環状を呈して対向する前基板部および後基板部と、前記前基板部および後基板部の周方向に間隔をおいた箇所で前後に延在しそれら前基板部および後基板部を連結する複数の柱部材とを備え、
前記複数の柱部材のうちの少なくとも2本以上の柱部材は前記前基板部に対して着脱可能に設けられ、かつ、前記少なくとも2本以上の柱部材が連結された前記後基板部の部分は、残りの前記後基板部の部分に対して着脱可能に設けられている、
ことを特徴とするトンネル施工用反力受け部材。
【請求項2】
前記少なくとも2本以上の柱部材が前記前基板部に対して取り外され、かつ、それら少なくとも2本以上の柱部材が連結された前記後基板部の部分が残りの前記後基板部の部分に対して取り外された状態で、それら取り外された箇所に、前記シールドマシン内部への資機材の搬入用の開口が形成されることを特徴とする請求項1記載のトンネル施工用反力受け部材。
【請求項3】
前記柱部材は、H型鋼で構成されていることを特徴とするトンネル施工用反力受け部材。
【請求項4】
前記複数の柱部材は、前記反力受け部材が前記後胴の内部に挿入された状態で、前記推進用のジャッキと同軸上に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1記載のトンネル施工用反力受け部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−262855(P2007−262855A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−92997(P2006−92997)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(302060926)株式会社フジタ (285)
【Fターム(参考)】