説明

ドアクローザー付きドア用ディレイ装置、ディレイ装置付きドアクローザー及びディレイ装置を備えたドアクローザー付きドア

【課題】ドアクローザー付ドアを開いて所定時間経過後にドアを自動的に閉じることができると共に、ドアクローザーが建造物内に埋設されて露出していない場合にも施工できるドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供する。
【解決手段】ドアクローザーを備えたドア2が第1の所定角度Aに開かれたことを検知する第1センサーと、ドア2の回転軸3の回転のロック・解除を電気的に行なうロックユニット7と、タイマーと、第1センサー、ロックユニット7及びタイマーに接続され、第1センサー及びタイマーからの信号に基づきロックユニット7を制御する制御手段とを備えたドアクローザー付きドア用ディレイ装置5を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアを開いた時に、ドアの作動をロックすると共に、所定時間経過後にロックを解除してドアを自動的に閉じることができるドアクローザー付きドア用ディレイ装置、ディレイ装置付きドアクローザー及びディレイ装置を備えたドアクローザー付きドアに関する。
【背景技術】
【0002】
此種従来のドアクローザー付きドアとして、本願出願人は既に特願2005−308456及び特願2005−356164を出願している。
特願2005−308456は、遊星ギアユニット及びゼンマイ等を用いたディレイ機構をドアクローザーに設けることにより、ドアを開いてから所定時間経過後にドアを自動的に閉じるように構成したものである。
【0003】
一方、特願2005−356164は、ソレノイド及びタイマー等を用いたディレイ機構をドアクローザーに設けることにより、ドアを開いてから所定時間経過後にドアを自動的に閉じるように構成したものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した特願2005−308456及び特願2005−356164は、いずれもドアを開いた時に、ドアの作動をロックすると共に、所定時間経過後にロックを解除してドアを自動的に閉じることができるドアクローザーである。
特に、特願2005−356164は、前述の効果に加え、簡素、且つ、安価なドアクローザーを提供できる。
【0005】
然しながら、前記ドアクローザーは、何れもディレイ機構をドアクローザーに設けるものであり、ドアクローザーにディレイ機構を取付けることで、外観的に好ましくない場合が発生することもあり、或いは、ドアクローザーがドア内、壁内、天井内、或いは床面下に埋設されて露出していない場合は、ドアクローザーにディレイ機構を設けることが困難な場合が発生する。
【0006】
以上の現状に鑑み、本発明は、ドアクローザー付ドアを開いて所定時間経過後にドアを自動的に閉じることができると共に、ドアクローザーが建造物内に埋設されて露出していない場合にも施工できるドアクローザー付きドア用ディレイ装置、ディレイ装置付きドアクローザー及びディレイ装置を備えたドアクローザー付きドアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、ドアクローザーを備えたドアが第1の所定角度に開かれたことを検知する第1センサーと、前記ドアの回転軸の回転のロック・解除を電気的に行なう電気的ロック・解除手段と、タイマーと、前記第1センサー、電気的ロック・解除手段及び前記タイマーに接続され、前記第1センサー及び前記タイマーからの信号に基づき前記電気的ロック・解除手段を制御する制御手段とを備え、前記ドアが第1の所定角度に開かれると、前記電気的ロック・解除手段が前記ドアの回転軸の回転を規制すると共に、前記第1センサーの検知信号により、前記制御手段が前記タイマーを作動させ、第1所定時間経過後、前記タイマーからの信号に基づき、前記制御手段が、前記電気的ロック・解除手段に制御信号を送出し、前記電気的ロック・解除手段による前記ドアの回転軸の回転規制を解除するように構成したことを特徴とするドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供するものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記ドアが第2の所定角度に開かれたことを検知する第2センサーを備え、前記第2センサーは前記制御手段に接続され、前記ドアが第2の所定角度に開かれると、前記電気的ロック・解除手段が前記ドアの回転軸の回転を規制すると共に、前記第2センサーの検知信号により、前記制御手段が前記タイマーを作動させるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供するものである。
【0009】
請求項3に係る発明は、前記ドアの回転角度を連続的に検知する回転角度検出センサーを備えると共に、前記制御手段に、演算手段を備え、前記制御手段は、前記回転角度センサーによって、前記ドアが前記第1の所定角度を超えて前記第2の所定角度未満の角度に開いて停止したことを検知した時、前記タイマーにドアの停止時間を計測させ、前記演算手段によって、前記タイマーの計測時間に所定の係数を乗じて遅延延長時間を求め、前記ドアが前記第1の所定角度に戻って停止したことを検知した時、前記タイマーをリセットして時間計測を開始させ、前記タイマーが前記第1所定時間である遅延時間に前記遅延延長時間を加えた合計遅延時間を計測した時、前記電気的ロック・解除手段に制御信号を送出し、前記電気的ロック・解除手段による前記ドアの回転軸の回転規制を解除するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供するものである。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記電気的ロック・解除手段は、前記ドアの回転軸に固設され、前記回転軸の回転をロックするためのロックプレートと、前記ロックプレートの下面に形成された凹部に嵌入自在のボールと、前記ボールを付勢するバネと、前記バネを押圧自在のロックピンと、前記ロックピンを出入させるソレノイドとを備え、前記バネ及び前記ロックピンの付勢によって前記凹部に前記ボールを圧接することにより前記ロックプレートの回転を規制し、前記ソレノイドの付勢によって、前記ロックピンの付勢を解除し又は弱め、前記ロックプレートの回転の規制を解除するように構成したことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供するものである。
【0011】
請求項5に係る発明は、前記電気的ロック・解除手段は、前記ドアの回転軸に固設され、前記回転軸の回転をロックするためのロックプレートと、ハウジング内に収納されて前記ロックプレートの下面に形成された凹部に嵌入自在のロック体と、前記ロック体を付勢する前バネと、前記ハウジング内を摺動自在で、且つ、前記前バネを押圧自在のロックピストンと、前記ロックピストンを付勢する後バネと、前記ハウジング内に出入して前記ロックピストンの摺動を規制する可動ピンと、前記可動ピンを出入させるソレノイドとを備え、前記ソレノイドによって前記可動ピンがハウジング内に突出した時、前記ロックピストンの摺動を規制し、前記ソレノイドによって前記可動ピンがハウジング内に突出しない時、前記ロックピストンは摺動の規制を解除されるように構成したことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供するものである。
【0012】
請求項6に係る発明は、前記制御手段に接続される報知手段と、前記ドアの閉状態を検知する第3センサーを備え、前記制御手段が、前記第1センサー、前記第2センサー、前記第3センサー又は前記タイマーの信号の少なくとも1つに基づき、前記報知手段を作動させるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供するものである。
【0013】
請求項7に係る発明は、前記制御手段は、前記回転角度センサーによって、前記ドアが前記第1の所定角度を超えて前記第2の所定角度未満の角度に開いて停止したことを検知した時、ドアの停止時間中、前記報知手段を一定間隔で作動させ、或いは、音声により一定間隔で時間を通知するように構成されたことを特徴とする請求項3乃至6のうちいずれか一に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供するものである。
【0014】
請求項8に係る発明は、前記制御手段は、前記第1センサー、前記第2センサー、前記第3センサー又は前記タイマーからの受信信号の少なくとも1つを区別すべく、前記報知手段を互いに異なる音で作動させるように構成されていることを特徴とする請求項6又は7記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供するものである。
【0015】
請求項9に係る発明は、前記タイマーは、前記制御手段が前記第1センサー、又は、前記第2センサーから信号を受信した時、前記制御手段の制御により計測を開始し、前記制御手段は、前記タイマーが第2所定時間を計測終了した時までに、前記制御手段が前記第3センサーからの信号を受信しなかった時、前記報知手段に警報を発生させるように構成されていることを特徴とする請求項6乃至8のうちいずれか一に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供するものである。
【0016】
請求項10に係る発明は、ドアクローザーを備えたドアの回転軸に固設される主ギアと、前記主ギアに噛合する従ギアが固設された外ケースと、前記外ケースの上部に設けられ、付勢されたロックピンと、前記外ケース内に回転自在に内蔵され、且つ、建造物にブラケットを介して固設された内ケースと、前記内ケースに設けられたロックプレートと、前記内ケース内に収納されたクラッチと、回転数を増減する遊星ギアユニットと、前記遊星ギアユニットの回転により巻き上げられるゼンマイと、前記ゼンマイの巻き戻しにより回転し、前記ロックピンのロックを第3所定時間経過後に解除するタイマープレートとを備え、前記ドアが開かれると、前記ドアの回転軸の回転を一定時間規制し、前記ドアの閉じ動作開始を一定時間遅延させるように構成したことを特徴とするドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供するものである。
【0017】
請求項11に係る発明は、前記ドアが第1の所定角度に開かれた時、前記ロックピンの下端部が嵌入自在のロック孔が前記ロックプレートに開穿され、前記ロック孔に嵌入自在の凸部が前記タイマープレートの上面に形成され、前記ロック孔に前記ロックピンが嵌入した時、前記タイマープレートの回転により、第3所定時間経過後に前記ロック孔に前記タイマープレートの凸部が嵌入し、前記ロックピンを押し上げ、ドアのロックを解放するように構成されていることを特徴とする請求項10記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供するものである。
【0018】
請求項12に係る発明は、前記ドアが第2の所定角度に開かれた時、第2ロックピンが嵌入するロック穴が、前記ロックプレートの上面に形成されていることを特徴とする請求項10又は11記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供するものである。
【0019】
請求項13に係る発明は、前記ドアが第1の所定角度に開かれたことを検知する第1センサーと、前記ドアが閉じたことを検知する第3センサーと、タイマーと、報知手段と、前記第1センサー、第3センサー、タイマー及び報知手段に接続される制御手段とを備え、前記制御手段は、前記第1センサーの検知信号受信後、前記タイマーの計測による第4所定時間内に前記第3センサーの検知信号を受信しない場合、前記報知手段を作動させることを特徴とする請求項10乃至12のうちいずれか一に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供するものである。
【0020】
請求項14に係る発明は、前記ドアが第2の所定角度に開かれたことを検知する第2センサーを備え、前記第2センサーは前記制御手段に接続され、前記制御手段は前記第2センサーの信号を受信した後、前記タイマーの計測による第4所定時間内に前記第3センサーの信号を受信しない場合、前記報知手段を作動させることを特徴とする請求項13に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供するものである。
【0021】
請求項15に係る発明は、油圧シリンダとピストンとを備えたドアクローザーに於いて、前記ピストン側面に複数の歯が連続的に形成された噛合部と、前記噛合部に噛合自在の噛合突部が先端部に形成され、前記噛合突部が前記油圧シリンダ内に出入自在のロックピンと、前記ロックピンを前記油圧シリンダ内に出入させるロッドと、前記ロッドを押圧自在のメイン・ソレノイドユニットと、押圧された前記ロッドを押圧位置に保持自在のサブ・ソレノイドユニットと、ドアの回転角度を連続的に検知する回転角度検出センサーと、時間を計測するタイマーと、前記メイン・ソレノイドユニット、前記サブ・ソレノイドユニット、回転角度検出センサー及びタイマーに夫々接続され、前記メイン・ソレノイドユニット、前記サブ・ソレノイドユニット、及びタイマーを制御する制御手段とを備え、前記回転角度検出センサーによりドアが任意の角度に開状態で回転停止したことが検知された時、前記制御手段は、前記タイマーに停止時間を計測させ、前記計測時間が第5所定時間以上で第6所定時間未満の時間であった時、ドアが閉じ始めた時、前記メイン・ソレノイドユニットを作動させ、前記メイン・ソレノイドユニットは、その作動により、前記ロッドを押圧し、前記ロックピンの噛合突部を前記ピストンの噛合部に噛合させ、一方、前記ロッドが押圧された時、前記サブ・ソレノイドユニットは前記ロッドを押圧された位置に保持して、前記ピストン及び前記ドアを回転停止状態に維持し、他方、前記制御手段は、前記メイン・ソレノイドユニットを作動させた時、前記タイマーをリセットして時間計測を開始させ、前記タイマーが第7所定時間である遅延時間を計測した時、前記サブ・ソレノイドユニットを付勢して、前記ロッドの保持を解放し、前記ピストン及びドアの停止状態を解放するように構成したことを特徴とするディレイ装置付きドアクローザーを提供するものである。
【0022】
請求項16に係る発明は、前記制御手段は、演算手段を備え、前記回転角度検出センサーによりドアが任意の角度に開状態で回転停止したことが検知された時、前記制御手段は、前記タイマーに時間計測を開始させ、ドアが閉じ始めるまでの前記タイマーの計測時間が前記第6所定時間以上であった時、前記演算手段によって、前記第6所定時間を超える時間に所定の係数を乗じて遅延延長時間を求め、一方、前記制御手段は、ドアが閉じ始めた時、前記メイン・ソレノイドユニットを作動させると共に、前記タイマーをリセットして時間計測を開始させ、前記タイマーが前記第7所定時間である遅延時間に前記遅延延長時間を加えた合計遅延時間を計測終了した時、前記サブ・ソレノイドユニットを付勢するように構成されていることを特徴とする請求項15記載のディレイ装置付きドアクローザーを提供するものである。
【0023】
請求項17に係る発明は、前記制御手段に人感センサーを接続し、前記第7所定時間である遅延時間又は前記合計遅延時間計測中に、人感センサーによって、人を感知した場合は、前記制御手段により、前記第7所定時間である遅延時間又は前記合計遅延時間の残り時間と、予め定めた第8所定時間である人感遅延時間とを比較し、比較結果による長い時間を残り遅延時間として前記タイマーに計測させ、前記タイマーが前記残り遅延時間を計測終了した時、前記サブ・ソレノイドユニットを付勢するように構成され、ドアの閉回転中に、人感センサーによって、人を感知した場合は、前記制御手段により、前記メイン・ソレノイドユニットを付勢して、直ちにドアの回転を止めると共に、前記タイマーに前記第8所定時間である人感遅延時間の計測を開始させ、前記タイマーが前記第8所定時間を計測終了した時、前記サブ・ソレノイドユニットを付勢するように構成されていることを特徴とする請求項15又は16記載のディレイ装置付きドアクローザーを提供するものである。
【0024】
請求項18に係る発明は、請求項1乃至14のうち少なくとも一に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置をドアの回転軸に連結して備え、或いは、請求項15乃至17のうち少なくとも一に記載のディレイ装置付きドアクローザーを備えたことを特徴とするドアクローザー付きドアを提供するものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明の請求項1記載の発明によれば、ドアクローザーを備えたドアが第1の所定角度に開かれたことを検知する第1センサーと、前記ドアの回転軸の回転のロック・解除を電気的に行なう電気的ロック・解除手段と、タイマーと、前記第1センサー、電気的ロック・解除手段及び前記タイマーに接続され、前記第1センサー及び前記タイマーからの信号に基づき前記電気的ロック・解除手段を制御する制御手段とを備え、前記ドアが第1の所定角度に開かれると、前記電気的ロック・解除手段が前記ドアの回転軸の回転を規制すると共に、前記第1センサーの検知信号により、前記制御手段が前記タイマーを作動させ、第1所定時間経過後、前記タイマーからの信号に基づき、前記制御手段が、前記電気的ロック・解除手段に制御信号を送出し、前記電気的ロック・解除手段による前記ドアの回転軸の回転規制を解除するように構成したドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供するので、ディレイ装置によって、ドアを開いて第1所定時間経過後にドアを自動的に閉じることができると共に、ディレイ装置を簡素、且つ、安価に製作できる。
【0026】
請求項2記載の発明によれば、前記ドアが第2の所定角度に開かれたことを検知する第2センサーを備え、前記第2センサーは前記制御手段に接続され、前記ドアが第2の所定角度に開かれると、前記電気的ロック・解除手段が前記ドアの回転軸の回転を規制すると共に、前記第2センサーの検知信号により、前記制御手段が前記タイマーを作動させるように構成されているので、請求項1記載の発明の効果に加え、ドアが第2の所定角度に開かれた時、ドアを開いた状態に維持することができる。
【0027】
請求項3記載の発明によれば、前記ドアの回転角度を連続的に検知する回転角度検出センサーを備えると共に、前記制御手段に、演算手段を備え、前記制御手段は、前記回転角度センサーによって、前記ドアが前記第1の所定角度を超えて前記第2の所定角度未満の角度に開いて停止したことを検知した時、前記タイマーにドアの停止時間を計測させ、前記演算手段によって、前記タイマーの計測時間に所定の係数を乗じて遅延延長時間を求め、前記ドアが前記第1の所定角度に戻って停止したことを検知した時、前記タイマーをリセットして時間計測を開始させ、前記タイマーが前記第1所定時間である遅延時間に前記遅延延長時間を加えた合計遅延時間を計測した時、前記電気的ロック・解除手段に制御信号を送出し、前記電気的ロック・解除手段による前記ドアの回転軸の回転規制を解除するように構成したので、請求項1又は2記載の発明の効果に加え、ドア操作者がドアを第1の所定角度を超えて第2の所定角度未満の角度に開いて停止している時間に比例させて、ドアの閉じ開始動作の遅延時間を延長させることができる。
【0028】
請求項4記載の発明によれば、前記電気的ロック・解除手段は、前記ドアの回転軸に固設され、前記回転軸の回転をロックするためのロックプレートと、前記ロックプレートの下面に形成された凹部に嵌入自在のボールと、前記ボールを付勢するバネと、前記バネを押圧自在のロックピンと、前記ロックピンを出入させるソレノイドとを備え、前記バネ及び前記ロックピンの付勢によって前記凹部に前記ボールを圧接することにより前記ロックプレートの回転を規制し、前記ソレノイドの付勢によって、前記ロックピンの付勢を解除し又は弱め、前記ロックプレートの回転の規制を解除するように構成したので、請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、電気的ロック・解除手段を簡素、且つ、安価に製作できる。
【0029】
請求項5記載の発明によれば、前記電気的ロック・解除手段は、前記ドアの回転軸に固設され、前記回転軸の回転をロックするためのロックプレートと、ハウジング内に収納されて前記ロックプレートの下面に形成された凹部に嵌入自在のロック体と、前記ロック体を付勢する前バネと、前記ハウジング内を摺動自在で、且つ、前記前バネを押圧自在のロックピストンと、前記ロックピストンを付勢する後バネと、前記ハウジング内に出入して前記ロックピストンの摺動を規制する可動ピンと、前記可動ピンを出入させるソレノイドとを備え、前記ソレノイドによって前記可動ピンがハウジング内に突出した時、前記ロックピストンの摺動を規制し、前記ソレノイドによって前記可動ピンがハウジング内に突出しない時、前記ロックピストンは摺動の規制を解除されるように構成したので、請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、電気的ロック・解除手段を簡素、且つ、安価に製作できると共に、電気的ロック・解除手段の省電力化が可能になる。
【0030】
請求項6記載の発明によれば、前記制御手段に接続される報知手段と、前記ドアの閉状態を検知する第3センサーを備え、前記制御手段が、前記第1センサー、前記第2センサー、前記第3センサー又は前記タイマーの信号の少なくとも1つに基づき、前記報知手段を作動させるように構成されたので、請求項1乃至5のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、報知手段によって、第1センサー、第2センサー、第3センサー又はタイマーの信号の発信を知らせることができる。
【0031】
請求項7記載の発明によれば、前記制御手段は、前記回転角度センサーによって、前記ドアが前記第1の所定角度を超えて前記第2の所定角度未満の角度に開いて停止したことを検知した時、ドアの停止時間中、前記報知手段を一定間隔で作動させ、或いは、音声により一定間隔で時間を通知するように構成されたので、請求項3乃至6のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、ドア操作者に、ドアの停止時間を知らせることができ、ドア操作者は、ドアの遅延延長時間の設定を容易に行なうことができる。
【0032】
請求項8記載の発明によれば、前記制御手段は、前記第1センサー、前記第2センサー、前記第3センサー又は前記タイマーからの受信信号の少なくとも1つを区別すべく、前記報知手段を互いに異なる音で作動させるように構成されているので、請求項6又は7記載の発明の効果に加え、報知手段が異なる音で作動することにより、第1センサー、第2センサー、第3センサー又はタイマーからの発信信号を区別することができる。
【0033】
請求項9記載の発明によれば、前記タイマーは、前記制御手段が前記第1センサー、又は、前記第2センサーから信号を受信した時、前記制御手段の制御により計測を開始し、前記制御手段は、前記タイマーが第2所定時間を計測終了した時までに、前記制御手段が前記第3センサーからの信号を受信しなかった時、前記報知手段に警報を発生させるように構成されているので、請求項6乃至8のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、ドアが一定時間以上開放状態にある時、警報を鳴らすことができる。
【0034】
請求項10記載の発明によれば、ドアクローザーを備えたドアの回転軸に固設される主ギアと、前記主ギアに噛合する従ギアが固設された外ケースと、前記外ケースの上部に設けられ、付勢されたロックピンと、前記外ケース内に回転自在に内蔵され、且つ、建造物にブラケットを介して固設された内ケースと、前記内ケースに設けられたロックプレートと、前記内ケース内に収納されたクラッチと、回転数を増減する遊星ギアユニットと、前記遊星ギアユニットの回転により巻き上げられるゼンマイと、前記ゼンマイの巻き戻しにより回転し、前記ロックピンのロックを第3所定時間経過後に解除するタイマープレートとを備え、前記ドアが開かれると、前記ドアの回転軸の回転を一定時間規制し、前記ドアの閉じ動作開始を一定時間遅延させるように構成したドアクローザー付きドア用ディレイ装置を提供するので、ドアを開いて第3所定時間経過後にドアを自動的に閉じることができると共に、ディレイ装置はドアクローザーに設けないので、ドアクローザーがドア内、壁内、天井或いは床面下に埋設されて露出していない場合にも施工できる。又、前記ディレイ装置が機械的に構成されるので、電気の配線等が不要になる。
【0035】
請求項11記載の発明によれば、前記ドアが第1の所定角度に開かれた時、前記ロックピンの下端部が嵌入自在のロック孔が前記ロックプレートに開穿され、前記ロック孔に嵌入自在の凸部が前記タイマープレートの上面に形成され、前記ロック孔に前記ロックピンが嵌入した時、前記タイマープレートの回転により、第3所定時間経過後に前記ロック孔に前記タイマープレートの凸部が嵌入し、前記ロックピンを押し上げ、ドアのロックを解放するように構成されているので、請求項10記載の発明の効果に加え、ドアのロックを第3所定時間後解放することができる。
【0036】
請求項12記載の発明によれば、前記ドアが第2の所定角度に開かれた時、第2ロックピンが嵌入するロック穴が、前記ロックプレートの上面に形成されているので、請求項10又は11記載の発明の効果に加え、ドアを第2の所定角度でロックすることができる。
【0037】
請求項13記載の発明によれば、前記ドアが第1の所定角度に開かれたことを検知する第1センサーと、前記ドアが閉じたことを検知する第3センサーと、タイマーと、報知手段と、前記第1センサー、第3センサー、タイマー及び報知手段に接続される制御手段とを備え、前記制御手段は、前記第1センサーの検知信号受信後、前記タイマーの計測による第4所定時間内に前記第3センサーの検知信号を受信しない場合、前記報知手段を作動させるので、請求項10乃至12のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、ドアが第1の所定角度に開かれて第4所定時間内にドアが閉じない場合、警報を鳴らすことができる。
【0038】
請求項14記載の発明によれば、前記ドアが第2の所定角度に開かれたことを検知する第2センサーを備え、前記第2センサーは前記制御手段に接続され、前記制御手段は前記第2センサーの信号を受信した後、前記タイマーの計測による第4所定時間内に前記第3センサーの信号を受信しない場合、前記報知手段を作動させるので、請求項13に記載の発明の効果に加え、ドアが第2の所定角度に開かれて第4所定時間内にドアが閉じない場合、警報を鳴らすことができる。
【0039】
請求項15記載の発明によれば、油圧シリンダとピストンとを備えたドアクローザーに於いて、前記ピストン側面に複数の歯が連続的に形成された噛合部と、前記噛合部に噛合自在の噛合突部が先端部に形成され、前記噛合突部が前記油圧シリンダ内に出入自在のロックピンと、前記ロックピンを前記油圧シリンダ内に出入させるロッドと、前記ロッドを押圧自在のメイン・ソレノイドユニットと、押圧された前記ロッドを押圧位置に保持自在のサブ・ソレノイドユニットと、ドアの回転角度を連続的に検知する回転角度検出センサーと、時間を計測するタイマーと、前記メイン・ソレノイドユニット、前記サブ・ソレノイドユニット、回転角度検出センサー及びタイマーに夫々接続され、前記メイン・ソレノイドユニット、前記サブ・ソレノイドユニット、及びタイマーを制御する制御手段とを備え、前記回転角度検出センサーによりドアが任意の角度に開状態で回転停止したことが検知された時、前記制御手段は、前記タイマーに停止時間を計測させ、前記停止時間の計測時間が第5所定時間以上で第6所定時間未満の時間であった時、ドアが閉じ始めた時、前記メイン・ソレノイドユニットを作動させ、前記メイン・ソレノイドユニットは、その作動により、前記ロッドを押圧し、前記ロックピンの噛合突部を前記ピストンの噛合部に噛合させ、一方、前記ロッドが押圧された時、前記サブ・ソレノイドユニットは前記ロッドを押圧された位置に保持して、前記ピストン及び前記ドアを回転停止状態に維持し、他方、前記制御手段は、前記メイン・ソレノイドユニットを作動させた時、前記タイマーをリセットして時間計測を開始させ、前記タイマーが第7所定時間である遅延時間を計測した時、前記サブ・ソレノイドユニットを付勢して、前記ロッドの保持を解放し、前記ピストン及びドアの停止状態を解放するように構成したディレイ装置付きドアクローザーを提供するので、ドアを任意の位置に開けて第5所定時間以上で第6所定時間未満の時間回転停止させた時、任意の位置で、ドアを第7所定時間ロック(ドアの閉じ開始動作を遅延)することができると共に、ディレイ装置付きドアクローザーを簡素、且つ、安価に製作できる。
【0040】
請求項16記載の発明によれば、前記制御手段は、演算手段を備え、前記回転角度検出センサーによりドアが任意の角度に開状態で回転停止したことが検知された時、前記制御手段は、前記タイマーに時間計測を開始させ、ドアが閉じ始めるまでの前記タイマーの計測時間が前記第6所定時間以上であった時、前記演算手段によって、前記第6所定時間を超える時間に所定の係数を乗じて遅延延長時間を求め、一方、前記制御手段は、ドアが閉じ始めた時、前記メイン・ソレノイドユニットを作動させると共に、前記タイマーをリセットして時間計測を開始させ、前記タイマーが前記第7所定時間である遅延時間に前記遅延延長時間を加えた合計遅延時間を計測終了した時、前記サブ・ソレノイドユニットを付勢するように構成されているので、請求項15記載の発明の効果に加え、ドア操作者が任意の角度に開いて、停止させることにより、その停止時間に比例させて、ドアの閉じ開始動作の遅延延長時間を容易に設定することができる。
【0041】
請求項17記載の発明によれば、前記制御手段に人感センサーを接続し、前記第7所定時間である遅延時間又は前記合計遅延時間計測中に、人感センサーによって、人を感知した場合は、前記制御手段により、前記第7所定時間である遅延時間又は前記合計遅延時間の残り時間と、予め定めた第8所定時間である人感遅延時間とを比較し、比較結果による長い時間を残り遅延時間として前記タイマーに計測させ、前記タイマーが前記残り遅延時間を計測終了した時、前記サブ・ソレノイドユニットを付勢するように構成され、ドアの閉回転中に、人感センサーによって、人を感知した場合は、前記制御手段により、前記メイン・ソレノイドユニットを付勢して、直ちにドアの回転を止めると共に、前記タイマーに前記第8所定時間である人感遅延時間の計測を開始させ、前記タイマーが前記第8所定時間を計測終了した時、前記サブ・ソレノイドユニットを付勢するように構成されているので、請求項15又は16記載の発明の効果に加え、人を感知した場合は、ドアの閉じ動作を遅延させて人の安全を確保することができると共に、ドアの閉じ動作時に人を感知した場合は、ドアの閉じ動作を止めることができ、更に、所定時間後に自動的にドアの閉じ動作を再開させることができる。
【0042】
請求項18記載の発明によれば、請求項1乃至14のうち少なくとも一に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置をドアの回転軸に連結して備え、或いは、請求項15乃至17のうち少なくとも一に記載のディレイ装置付きドアクローザーを備えたドアクローザー付きドアを提供するので、請求項1乃至17のうちいずれか一に記載の効果を奏するドアクローザー付きドアを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2に於いて、1は、本発明の第1実施例のドアクローザー付きドアを示し、ドアクローザー付きドア1は、ドア2を閉じる方向に付勢するドアクローザー(図示せず。)を備え、ドア2の回転軸3下端部近傍の床面4下に、ドア2の回転軸3の回転を一定時間(第1所定時間)規制した後、解除する機能を備えたディレイ装置5が回転軸3に連結して設けられる。尚、ディレイ装置5が設けられる場所は、床面4下に限定されず、壁或いは天井等の建造物に設けられても良い。
【0044】
前記ディレイ装置5は、ドア2が図1(a)に示す第1の所定角度A(例えば90度)に開かれたことを検知する第1センサー6と、ドア2の回転のロック・解除を電気的に行なう電気的ロック・解除手段であるロックユニット7と、図3に示すタイマー8と、前記第1センサー6、ロックユニット7及びタイマー8に接続され、第1センサー6及びタイマー8からの信号に基づきロックユニット7を制御する中央演算装置等を備えた制御回路からなる制御手段9とを備えている。
【0045】
更に、前記ディレイ装置5は、ドア2が第2の所定角度B(例えば110度)に開かれたことを検知する第2センサー10を備え、第2センサー10は制御手段9に接続されている。
【0046】
又、ロックユニット7は、ドア2の回転軸3下端部に固設され、回転軸3の回転をロックするための略円盤状のロックプレート21と、図4に示す如く、ロックプレート21の下面に形成された凹部22に嵌入自在のボール23と、ボール23を付勢するバネ24と、バネ25aによって付勢され、バネ24を押圧自在のロックピン25と、ロックピン25を出入させるソレノイド26とを備え、バネ24及びロックピン25の付勢によって凹部22にボール23を圧接することによりロックプレート21の回転を規制し、ソレノイド26の付勢によって、ロックピン25の付勢を解除し又は弱め、ロックプレート21の回転の規制を解除するように構成されている。
【0047】
そして、前記ロックプレート21の外周部の一部には図2に示す如く前記第1センサー6及び第2センサー10の検知目標となる凸部21aが突設している。
尚、前記凹部22は、ドア2が第1の所定角度Aに開かれた時、ボール23が嵌入できる位置(第1の所定角度用位置)と、ドア2が第2の所定角度Bに開かれた時、ボール23が嵌入できる位置(第2の所定角度用位置)に形成されている。
【0048】
更に又、前記ディレイ装置5は、制御手段9に接続されるブザー及び/又は警報器から成る音声報知手段27と、ドア2の閉状態を検知する第3センサー28を備え、制御手段9が、前記第1センサー6、第2センサー10、第3センサー28又は前記タイマー8の信号の少なくとも1つに基づき、前記音声報知手段27を作動させるように構成されている。尚、前記音声報知手段27に代えて、又は、加えて、他の報知手段、例えば、光、電話、メール等の報知手段を設けても良い。
【0049】
前記第1センサー6,第2センサー10,第3センサー28は、前記凸部21aの回転エリアの下方近傍の適宜位置に配置され、具体的には、第1センサー6は、ドア2が第1の所定角度A(90度)回転した時の凸部21aの位置を検出する位置に配置され、第2センサー10は、ドア2が第2の所定角度B(110度)回転した時の凸部21aの位置を検出する位置に配置され、第3センサー28は、ドア2が閉じた時の凸部21aの位置を検出する位置に配置される。
【0050】
そして、前記制御手段9は、前記第1センサー6、第2センサー10、第3センサー28又はタイマー8からの受信信号の少なくとも1つを区別すべく、音声報知手段27を互いに異なる音で作動させるように構成されてもよい。
又、前記タイマー8は、制御手段9が第1センサー6、又は、第2センサー10から信号を受信した時、制御手段9の制御により比較的長い所定の時間(後述する第2所定時間)の計測を開始し、タイマー8が計測を終了した時までに、制御手段9が第3センサー28からの信号を受信しなかった時、制御手段9は音声報知手段27に警報を発生させるように構成されている。
【0051】
而して、前記ドアクローザー付きドア1のドア2を図1に示す第1の所定角度A(90度)開くと、ドア2と共に回転軸3が回転し、回転軸3に固設されたロックプレート21も回転する。ドア2が第1の所定角度Aに開かれた時、ボール23の上端部がバネ24及びロックピン25に付勢されてロックプレート21の凹部22に嵌入する。
【0052】
これによって、ボール23が凹部22から外れにくくなり、ロックプレート21の回転を規制する。即ち、ドア2は第1の所定角度A(90度)開いた状態でロックされる。
【0053】
一方、前記ロックプレート21に設けられた凸部21aが第1センサー6に検出され、第1センサー6の検出信号が制御手段9に送られる。制御手段9は、第1センサー6からの信号を受信すると、タイマー8の計測を開始させ、タイマー8が予め定められた第1所定時間を計測すると、タイマー8からの第1所定時間計測終了の信号に基づき、制御手段9は、ソレノイド26を付勢する。
【0054】
ソレノイド26が付勢されると、ロックピン25の付勢を解除し又は弱め、ロックプレート21の回転の規制を解除する。即ち、ボール23の凹部22内に圧接される力が弱まり、ボール23が外れやすくなり、ドアクローザーの作動力、及び、ドア2の自重等によりドア2が閉まる方向に力が働き、その力によってボール23が凹部22から外れ、ドア2は閉まる方向に回転する。
ドア2が閉まると第3センサー28が凸部21aを検知し、検知信号を制御手段9に送信する。
【0055】
又、タイマー8は、第1所定時間計測終了後も計測を続行し、第1所定時間よりも長い予め定められた第2所定時間を計測終了した時、第2所定時間の終了検知信号を制御手段9に送信する。制御手段9は、この検知信号を受信するまでに、前記第3センサー28からの信号を受信しなかった時、音声報知手段27に警報を鳴動させるように制御信号を送信する。
これによって、ドア2が開いた後、ドア2が閉じないままになっているというトラブルを警告することができる。
【0056】
尚、前述のディレイ装置に於いて、第1センサー6、第2センサー10、第3センサー28又はタイマー8の信号の発信があった場合、制御手段9の制御によって音声報知手段27を、適宜、通知音として作動させることができる。
又、第1センサー6、第2センサー10、第3センサー28又はタイマー8の信号を区別するため、前記音声報知手段27を異なる音で作動させることができる。
【0057】
斯くして、前記ドアクローザー付きドア1は、ドア2の回転軸3の回転を一定時間規制した後、解除するディレイ装置5をドア2の回転軸3下端部近傍の床面4下に設けたので、ディレイ装置5によって、ドア2を開いて第1所定時間経過後にドア2を自動的に閉じることができると共に、ディレイ装置5は、ドアクローザーに直接とりつけないので、ドアクローザーがドア2内又は壁内或いは床面4下に埋設されて露出しない場合にも施工できる。
【0058】
又、ドア2を開いて第1所定時間経過後にドア2を自動的に閉じることができることにより、物品の搬入時等に利便性が高く、更に、身体障害者、高齢者、車椅子等の通行時の安全性を高めることができる。
更に、ドア2を第1所定時間経過後に自動的に閉じることにより、冷暖房等の空調のロスを無くすことができ、冷暖房等の費用節減を図れると共に、地球温暖化防止にも貢献することができる。
又、前記ディレイ装置5及びロックユニット7は簡素な構成であるので、容易、且つ、安価に製作できる。
更に、ドア2が一定時間(第2所定時間)以上開放状態にある時、警報を鳴らすことができる。
【0059】
次に、前記ドアクローザー付きドア1のドア2を図1に示す第2の所定角度B(110度)開く場合について説明する。
ドア2を第2の所定角度Bまで開く時、ドア2は第1の所定角度A(90度)開かれた時点で、ボール23の上端部がバネ24及びロックピン25に付勢されてロックプレート21の第1の所定角度A用凹部22に嵌入する。一方、前記第1センサー6により、ロックプレート21の外周部に設けられた凸部21aが検出され、その検出信号が制御手段9に送られ、制御手段9はタイマー8を作動させる。
【0060】
しかし、ドア2は第2の所定角度B方向に開かれる力によってボール23が凹部22から外れ、ドア2は第2の所定角度Bまで開く方向に回転する。
【0061】
そして、ドア2が第2の所定角度B開かれた時、ボール23の上端部がバネ24に付勢されてロックプレート21の第2の所定角度B用凹部22に嵌入する。そして、ロックピン25及びバネ24の付勢によりボール23が凹部22内に強く圧接される。これによって、ボール23が凹部22から外れにくくなり、ロックプレート21の回転を規制する。これによって、ドア2は、第2の所定角度Bに開いた状態で維持される。
【0062】
一方、ロックプレート21の外周部に設けられた凸部21aが第2センサー10に検出され、第2センサー10の検出信号が制御手段9に送られる。
前記制御手段9は、第2センサー10からの信号を受信すると、タイマー8の計測を開始させる。尚、タイマー8が作動中である場合は、その計測をクリアし、改めてタイマー8の計測を開始させる。この場合、タイマー8は比較的長時間である第2所定時間又は予め定められた他の所定時間を計測し、計測が終了した時、計測終了検知信号を制御手段9に送信する。制御手段9は、この計測終了検知信号を受信する前に前記第3センサー28からの信号を受信しない場合、受信した計測終了検知信号に基づき、音声報知手段27に制御信号を送信し、音声報知手段27は警報を発生する。尚、この場合、前記制御手段9は前記ソレノイド26を付勢しない。
【0063】
これによって、ドア2が開いた後、ドア2が比較的長時間閉じないままになっているというトラブルを警告することができる。
【0064】
尚、ドア2は、手で閉める方向に動かすと、その力でボール23が凹部22から外れ、閉めることができる。但し、ドア2は、前記第1の所定角度Aの位置で、ボール23の上端部がバネ24及びロックピン25に付勢されてロックプレート21の第1の所定角度A用凹部22に嵌入する。
しかし、ドア2は手で閉める力によってボール23が凹部22から外れ、ドア2は閉じる方向に回転する。
一方、前記第1センサー6により、ロックプレート21の外周部に設けられた凸部21aが検出され、その検出信号が制御手段9に送られるが、制御手段9は内蔵する図示しない適宜判断処理によりタイマー8に制御信号を送出しない。
【0065】
斯くして、前記ドアクローザー付きドア1は、ドア2を第2の所定角度Bに開くと開放状態を維持することができる。更に、開放状態が比較的長時間続いた場合は、警報を鳴らして知らせることができる。
【0066】
尚、前記ドアクローザー付きドア1に於いては、第2センサー10を設けたが第2センサー10を不要として、その代わりに図示しない選択スイッチを設け、選択スイッチによって、前記ソレノイド26の付勢を一定時間後に「解除する」、又は「解除しない」を選択できるように構成し、前記「解除しない」を選択し、前記ドア2が第1の所定角度開いた時、ドア2を開放状態に維持させることも可能である。
【0067】
又、前述したディレイ装置5の制御回路の変形例として、前記ディレイ装置5の図3に示す制御回路に加えて、ドアの回転角度を連続的に検知する二点鎖線で示す回転角度検出センサー29を備えると共に、制御手段9に、二点鎖線で示す演算手段30を備えた構成にしても良い。
【0068】
而して、前記制御回路の変形例の構成に於いて、制御手段9は、回転角度センサー29によって、ドア2が第1の所定角度を超えて第2の所定角度未満の角度に開いて停止したことを検知した時、タイマー8にドア2の停止時間を計測させ、演算手段30によって、タイマー8の計測時間に所定の係数を乗じて遅延延長時間(ドアの閉じ開始動作の遅延延長時間)を求め、ドア2が第1の所定角度に戻って停止したことを検知した時、タイマー8をリセットして時間計測を開始させ、タイマー8が第1所定時間である遅延時間に前記遅延延長時間を加えた合計遅延時間を計測した時、電気的ロック・解除手段であるロックユニット7のソレノイド26に制御信号を送出し、ロックユニット7によるドア2の回転軸3の回転規制を解除する。
【0069】
斯くして、前記制御回路の変形例の構成に於いて、ドア操作者がドア2を第1の所定角度を超えて第2の所定角度未満の角度に開いて停止させている時間に比例させて、ドアの閉じ開始動作の遅延時間を延長させることができる。即ち、ドア操作者がドア操作時に、ドア2の遅延延長時間を任意に設定できる。
【0070】
又、その場合に、前記制御手段9は、回転角度センサー29によって、ドア2が第1の所定角度を超えて第2の所定角度未満の角度に開いて停止したことを検知した時、ドア2の停止時間中、音声報知手段27を一定間隔で作動させ、或いは、音声により一定間隔で時間を通知するように構成しても良い。
然る時は、ドア操作者に、ドア2がドア2が第1の所定角度を超えて第2の所定角度未満の角度に開いて停止している時間を知らせることができ、ドア操作者は、ドアの遅延延長時間の設定を容易に行なうことができる。
前述した変形例の制御回路によると、第1の所定角度で前記ドア2を第1所定時間遅延させることができ、第2の所定角度で前記ドア2を開放状態に維持させることができ、第1の所定角度を超えて第2の所定角度未満の角度で、ドア2の閉じ開始動作の遅延時間を任意に設定できる。
【0071】
図5に於いて、31は、本発明の第2実施例のドアクローザー付きドアを示している。
ドアクローザー付きドア31は、前記ドアクローザー付きドア(図1に於いて1)に設けられたディレイ装置(図1に於いて5)の電気的ロック・解除手段であるロックユニット(図1に於いて7)に代えて省電力型の電気的ロック・解除手段であるロックユニット32を設けたものである。
【0072】
前記ロックユニット32は、ドア2の回転軸3に固設され、回転軸3の回転をロックするためのロックプレート21と、図6に示すように、ハウジング33内に収納されてロックプレート21の下面に形成された凹部22に嵌入自在のロック体34と、ロック体34を付勢する前バネ35と、ハウジング33内に形成された円柱状空間33aを摺動自在で、且つ、前バネ35を押圧自在のロックピストン36と、ロックピストン36を付勢する後バネ37と、ハウジング33内に出入してロックピストン36の摺動を規制する可動ピン38と、前記可動ピン38を出入させるソレノイド39とを備えている。
【0073】
そして、好適には、前記前バネ35は比較的硬い(弾性率の高い)バネで形成され、前記後バネ37は比較的柔らかい(弾性率の低い)バネで形成されている。
【0074】
又、前記ソレノイド39は、前記可動ピン38をハウジング内に突出させるように作動する図示しない第1ソレノイドと、可動ピン38をハウジング内に突出させないように引き込み作動する第2ソレノイドとを備えている。
或いは、前記ソレノイド39のプラス極とマイナス極を切り替える図示しないスイッチング装置が設けられ、スイッチング装置の切換によって、可動ピン38を出入させるように構成されている。
何れの場合においても、ソレノイド39は、可動ピン38を出入させる時のみ付勢され、可動ピン38が静止状態に於いては、付勢されない、即ち、電源OFFの状態にあり、省電力化されている。又、可動ピン38は静止状態に於いてはその状態が維持される。
【0075】
更に、前記ロックユニット32は、図7(a)に示す如く、可動ピン38がハウジング33内に突出していない場合、ロックピストン36が摺動可能となり、前記ロック体34がロックプレート21に押された時、ロック体34の後退を前バネ35と後バネ37との反力によって支えるように構成されている。
従って、可動ピン38がハウジング33内に突出していない場合、前バネ35と後バネ37の反力は比較的弱く、即ち、前バネ35と後バネ37との直列方向の組合せによる弾性率は比較的に弱いのでロック体34が後退し易く、ロックプレート21の凹部22から外れやすくなっている。
【0076】
一方、前記ロックユニット32は、図7(b)に示す如く、可動ピン38がハウジング33内に突出している場合、ロックピストン36の後方への摺動が可動ピン38で規制され、前記ロック体34がロックプレート21に押された時、ロック体34の後退を前バネ35のみの反力によって支えるように構成されている。
従って、可動ピン38がハウジング33内に突出している場合、前バネ35の反力は比較的強く、即ち、前バネ35のみの弾性率は比較的に高いのでロック体34の後退が抑止されロックプレート21の凹部22から外れにくくなる構成となっている。
【0077】
而して、ロックユニット32のソレノイド39の付勢を制御することにより、ロック体34を第1実施例の前記ロックユニット7のボール23と同様に作動させれば、ロックユニット32はロックユニット7と同様の作用効果が期待できる。
【0078】
斯くして、第2実施例のドアクローザー付きドア31は、ロックユニット32を簡素、且つ、安価に製作できると共に、電気的ロック・解除手段の省電力化が可能になる。
【0079】
図8及び図9に於いて、41は本発明の第3実施例のドアクローザー付きドアを示し、ドアクローザー付きドア41は、ドア2を閉じる方向に付勢するドアクローザー(図示せず。一般に、ドア2の回転軸に設けられる。)を備え、ドア2の回転軸3下端部近傍の床面4下に埋設されたケース42内に、ドア2の回転軸3の回転を一定時間規制した後、解除するディレイ装置43が設けられる。
【0080】
前記ディレイ装置43は、ドア2の回転軸3下端部に固設される主ギア44と、主ギア44に噛合する従ギア47が固設された外ケース45と、外ケース45の上部に設けられ、付勢されるロックピン46と、前記ケース42にブラケット45aを介して固設されると共に、外ケース45内に回転自在に内装される内ケース48と、内ケース48の上端に設けられたロックプレート49と、内ケース48内に収納されたクラッチ50と、回転数を増減する増減速遊星ギアユニット51,52と、前記増速遊星ギアユニット51の回転により巻き上げられるゼンマイ53と、ゼンマイ53の巻き戻しにより回転し、ロックピン46のロックを予め定められた第3所定時間経過後に解除するタイマープレート54とを備えている。尚、前記主ギア44と、従ギア47の回転数比は1:1に設定され、増速遊星ギアユニット51の回転数比は1:16、減速遊星ギアユニット52の回転数比は4:1に設定されている。
【0081】
又、前記内ケース48は、上下内ケース61,62から成り、上内ケース61内には、ゼンマイ53と、バネ64と、減速遊星ギアユニット52と、タイマープレート54とが、下方から上方に向かって順次内装され、バネ64によって減速遊星ギアユニット52と、タイマープレート54とは上方に付勢され、タイマープレート54は、前記ロックプレート49に圧接されており、下内ケース62内には増速遊星ギアユニット51が内装されている。又、下内ケース62の下端部には、下方に突設する爪65が設けられている。
【0082】
更に又、前記増速遊星ギアユニット51は、上段遊星ギアユニット66と、下段遊星ギアユニット67の二段で構成され、前記上内ケース61の底部に形成された開口部61aを介して、前記ゼンマイ53の回転軸68に接合自在に形成されている。
【0083】
又、前記減速遊星ギアユニット52は、ゼンマイ53の巻き戻し回転に対し、タイマープレート54の回転数を減少させるように構成されている。
【0084】
更に、前記増速遊星ギアユニット51の下方には、前記クラッチ50を構成する上下段クラッチプレート69,70が、中間に介装されたバネ71によって互いに離反する方向に付勢されて配設され、上段クラッチプレート69には、上方に突設する爪72が設けられ、下段クラッチプレート70下端部外周部には下方に突設する鋸歯状の爪73が配設され、一方、外ケース45の内底部上面には爪73に歯合し、下段クラッチプレート70の一方向の回転を許容し、反対方向の回転を規制する爪74が形成されている。
【0085】
更に又、ロックピン46と、ロックプレート49と、タイマープレート54とで、ロック・解除機構75を構成している。
【0086】
そして、前記ロックプレート49には、ドア2が第1の所定角度、例えば、90度開いた時、ロックピン46を嵌入させるロック孔76が開穿されている。
一方、タイマープレート54の上面にもロック孔76に嵌入自在の凸部77が上方に向かって突設されている。
【0087】
而して、図8乃至図10に従い、前記ドアクローザー付きドア41の作動を説明すると、ドア2が第1の所定角度、例えば、90度開かれると、回転軸3と共に主ギア44が1/4回転し、主ギア44の回転により、従ギア47が回転し、従ギア47に固設された外ケース45が1/4回転する。
【0088】
この時、外ケース45はロックプレート49に対して1/4回転し、ロックピン46がロックプレート49のロック孔76内に嵌まり、外ケース45の回転がロックされ、ドア2の回転がロックされる。
【0089】
一方、ドア2が90度開かれることによって、前記外ケース45は内ケース48に対して1/4回転し、外ケース45に設けた爪74と下段クラッチプレート70に設けた爪73とが歯合することにより、上下段クラッチプレート70,69を介して増速遊星ギアユニット51が回転し、即ち、上下段遊星ギアユニット66,67が回転し、これによって、ゼンマイ53が4回転巻き上げられる。
【0090】
又、増速遊星ギアユニット51の回転により減速遊星ギアユニット52が回転し、減速遊星ギアユニット52の回転によってタイマープレート54が1回転し、タイマープレート54の凸部77がロックプレート49のロック孔76から外れる。
【0091】
更に、外ケース45が1/4回転終了した時、下内ケース62の爪65に上段クラッチプレート69の爪72が係合して上段クラッチプレート69が押し下げられ、それによって、増速遊星ギアユニット51の中心軸51aと上段クラッチプレート69との係合が外れる。
【0092】
増速遊星ギアユニット51が、上段クラッチプレート69から外れることによって、巻き上げられたゼンマイ53が4回転巻き戻しされると、タイマープレート54が逆方向に1回転する。この時、タイマープレート54がロックプレート49に押され、タイマープレート54から突設する凸部77がロックプレート49に圧接されているため、タイマープレート54は緩慢に回転し、この回転時間がタイマー時間(第3所定時間)として利用される。そして、タイマープレート54の凸部77がロック孔76に嵌まり、凸部77がロックピン46を押し上げることによりロックピン46が持ち上がる。
【0093】
ロックピン46が持ち上がると、ドア2の自重及びドアクローザーの作用によって、ロックピン46がロック孔76から抜け、ドア2が閉まり始める。この時、上段クラッチプレート69の爪72は係合して押し下げられたままで、下段クラッチプレート70の爪73が外ケース45に設けた爪74を乗り越えながら上下し外ケース45が回転して元の位置に戻る。尚、ドア2が閉じている時は、上段クラッチプレート69の爪72は係合して押し下げられたままであり、再度、ドア2を開き始めた時、上段クラッチプレート6は爪72の係合が外れ上昇する。
【0094】
斯くして、前記ドアクローザー付きドア41は、ディレイ装置43によって、ドア2を開いて第3所定時間経過後にドア2を自動的に閉じることができると共に、ディレイ装置3はドアクローザーに設けないので、ドアクローザーがドア2内又は壁内或いは床面下に埋設されて露出していない場合にも施工できる。又、前記ディレイ装置43は機械的に構成されるので、電気の配線等が不要になる。
【0095】
図11に於いて、81は、本発明の第3実施例のドアクローザー付きドア(図8に於いて41)のロック・解除機構(図10に於いて75)を改良したロック・解除機構であり、ドアクローザー付きドア(図8に於いて41)の機能に加えて、ドア(図8に於いて2)を第2の所定角度(例えば110度)に開いた時、ドアの開状態を維持させるようにしたものである。
【0096】
ロック・解除機構81は、ロックプレート49の所定位置に、ロック穴82を形成したものであり、ロック穴82は、ドアが第2の所定角度開いた時、前記ロックピン46と別に設けた第2ロックピン83を嵌入させるためロックプレート49上面に形成した穴である。従って、ドアが第2の所定角度開いた時、第2ロックピン83が位置する箇所にロック穴82は形成される。
【0097】
前記ロック・解除機構81によると、ドアを第2の所定角度開いた時は、第2ロックピン83の下端部がロック穴82に嵌入し、ドアは、開いた状態でロックされ、その状態が維持される。尚、ドアが前記第1の所定角度開いた時点で、ロックピン46がロック孔76内に嵌入するが、ドアを更に開く力でロックピン46はロック孔76から、抜け出し、ドアは第2の所定角度まで開くことができる。又、ドアが前記第1の所定角度開いた時点で、前記ロック・解除機構75及びディレイ装置43が作動するが、ロック・解除機構81はそれに影響されることなく前述のロック状態を維持する。
【0098】
ドアを閉じる時は、ドアを人手によって閉じる方向に作動させると、その作動力によって、第2ロックピン83がロック穴82から抜け出し、ドア2がドアクローザー本体3の作動によって閉じ始める。
【0099】
斯くして、前記ロック・解除機構81は、ドアを開く角度によって、ドアを開状態に維持することができ、又は、ドアを開いてから一定時間経過後に閉じることもできるので、極めて利便性が高いものである。
【0100】
図12に於いて、91は、前記ロック・解除機構81が取付けられたドアクローザー付きドアに付加して取り付けられる電気回路であり、電気回路91は、ドアが前記第1の所定角度に開いたことを検知する第1センサー92と、ドアが前記第2の所定角度に開いたことを検知する第2センサー93と、ドアが閉じたことを検知する第3センサー94と、タイマー95と、音声報知手段96とが、制御手段97に接続されて成るものである。尚、前記音声報知手段96は、限定されるものではなく、音声以外で報知する他の報知手段であっても良い。
【0101】
而して、制御手段97は、第1センサー92が、ドアが前記第1の所定角度に開いたことを検知した時、タイマー95を作動させ、タイマー95が計測する予め定められた第4所定時間{前記タイマープレート54の回転時間であるタイマー時間(第3所定時間)よりも長い時間に設定される。}内に、前記第3センサー94からの信号を受信しない時、前記音声報知手段96を作動させ、警報を鳴動させて、前記ディレイ装置43が作動異常であることを知らせる。
【0102】
又、制御手段97は、前記第2センサー93が、ドアが第2の所定角度に開いたことを検知した時、タイマー95を作動させ、タイマー95が計測する比較的長い第4所定時間内に、前記第3センサー94からの信号を受信しない時、前記音声報知手段96を作動させ、警報を鳴動させて、ドアの開放状態が比較的長時間続いていることを知らせる。
【0103】
斯くして、前記電気回路91は、前記ディレイ装置43の作動異常等を検知できる共に、ドアを長時間開放状態にした場合に音声報知手段96によって知らせることができ、ドアの安全性を高めることができる。
【0104】
尚、前記音声報知手段96に、通知用の比較的小さな音声を鳴動させることができるように構成し、前記第1センサー92、第2センサー93、第3センサー94及び前記タイマー95の1乃至複数のいずれかの信号に基づき、制御手段97によって音声報知手段96に通知用の音声を鳴動させても良く、更にそれらを区別すべく、異なる音声で鳴動させても良い。
【0105】
又、前記電気回路91には、音声報知手段96を設けたが、音声報知手段96に代えて照明や、電子メール、電話などで通知する装置を設けても良い。
更に、前記電気回路91には、第3センサー94を設けたが、第3センサー94をなくし、前記第1センサー92、第2センサー93が比較的長時間同じ状態を検知し続ける場合に警報を鳴らすように構成しても良い。
更に又、前記電気回路91から、第2センサー93をなくしたものを、前記ロック・解除機構75を備えたドアクローザー付きドア41に設けることも可能である。然る時は、前記第1センサー92及び第3センサー94の検知に基づく作用効果が期待できる。
【0106】
尚、前記ドアクローザー付きドア41は、上述の構成に限定されるものではなく、例えば、前記増減速遊星ギアユニット51,52に代えて、他の変速ギアを用いることも可能であり、然る時も、同様の効果が期待できる。
又、本発明の前記ロックユニット7、32又はディレイ装置43は、床面下に設けたが、前述したように、床面下に限定されず、天井、或いは、壁等の建造物に設けることも可能である。
更に、前記第3センサー28及び94は前述した箇所に限定されず、ドアの閉確認精度を上げるべく、ドア先端や、ドア枠等、他の適宜場所に設けることも可能である。
【0107】
図13に於いて、101は本発明の第4実施例のディレイ装置付きドアクローザーを示し、ディレイ装置付きドアクローザー101は、油圧シリンダ102とピストン103とを備えたドアクローザー機能を有しており、更に、ピストン103側面に複数の歯が連続的に形成された噛合部104と、噛合部104に噛合自在の噛合突部105が先端部に形成され、噛合突部105が油圧シリンダ102内に出入自在のロックピン106と、ロックピン106を油圧シリンダ102内に出入させるロッド107と、ロッド107を押圧自在のプッシュ型メイン・ソレノイドユニット108と、押圧されたロッド107を押圧位置に保持自在のプッシュ型サブ・ソレノイドユニット109と、ドア(図示せず)の回転角度を連続的に検知する回転角度検出センサー110とを備えている。
【0108】
前記ロッド107は、支点112に揺動自在に枢支され、前記ロッド107の先端部にはロックピン106の下端部が回転自在に枢支され、前記ロッド107の後端部にはブロック体113が固着されている。そして、ブロック体113の後端部には後方に向かって開放する凹部114が形成されると共に、上端部にも上方に向かって開放する凹部115が形成されている。
【0109】
そして、前記メイン・ソレノイドユニット108はブロック体113の上方に配置され、メイン・ソレノイドユニット108の付勢によって突出作動する可動ピン116の先端部が、前記ブロック体113の上端部に形成された凹部115内に挿入されており、前記サブ・ソレノイドユニット109はブロック体113の後方に配置され、サブ・ソレノイドユニット109の付勢によって後退方向に作動する可動体117の先端部が、前記ブロック体113の後端部に形成された凹部114内に挿入自在に形成され、可動体117は、バネ118によって、可動体117の先端部が凹部114内に挿入するように付勢されている。
【0110】
図14は、前記ロックピン106とピストン103との噛合状態と、ロックピン106とロッド107との結合状態を示している。
【0111】
又、前記ディレイ装置付きドアクローザー101は、図15に示す制御回路121を具備し、制御回路121は、制御手段122を備え、制御手段122に前記メイン・ソレノイドユニット108、サブ・ソレノイドユニット109、回転角度検出センサー110が夫々接続されると共に、時間を計測するタイマー123、人を感知する人感センサー124、及び、報知手段125が接続され、メイン・ソレノイドユニット108、サブ・ソレノイドユニット109、回転角度検出センサー110、タイマー123、人感センサー124及び報知手段125は、制御手段122によって制御されるように構成されている。尚、タイマー123は、制御手段122内に内蔵されても良い。
【0112】
而して、前記ディレイ装置付きドアクローザー101に於いて、回転角度検出センサー110によりドアが任意の角度に開状態で回転停止したことが検知された時、制御手段122は、タイマー123に停止時間を計測させ、停止時間の計測時間が第5所定時間(例えば2秒)以上で第6所定時間(例えば7秒)未満の時間であった時、ドアが閉じ始めた時、メイン・ソレノイドユニット108を作動させ、メイン・ソレノイドユニット108は、その作動により、可動ピン116を突出させ、可動ピン116は凹部115内に挿入されてロッド107を押圧し、押圧されたロッド107が支点112回りに揺動することにより、ロックピン106が上方に移動し、ロックピン106はその噛合突部105をピストン103の噛合部104に噛合させ、ピストン103の動きを停止させる。一方、ロッド107が可動ピン116によって押圧された時、サブ・ソレノイドユニット109はバネ118に付勢された可動体117の先端部が凹部114内に挿入されて、可動ピン116によってロッド107を停止状態に保持し、ピストン103を停止状態に維持し、それによってドアを回転停止状態に維持する。他方、制御手段122は、メイン・ソレノイドユニット108を作動させた時、タイマー123に時間計測を開始させ、タイマー123が予め定められた第7所定時間である遅延時間を計測した時、サブ・ソレノイドユニット109を付勢して、可動体117を後退させ、ロッド107の保持を解放し、それによってロックピン106が自重により下がることにより、ピストン103及びドアの停止状態を解放する。これによって、ドアは前記ディレイ装置付きドアクローザー101のドアクローザー機能により閉じる方向に回転する。
【0113】
尚、前記タイマー123による遅延延長時間計測中に、人感センサー124によって、人を感知した場合は、制御手段122により、第7所定時間である遅延時間の残り時間と、予め定めた第8所定時間である人感遅延時間とを比較し、比較結果による長い時間を残り遅延時間としてタイマーに計測させ、タイマーが残り遅延時間を計測終了した時、サブ・ソレノイドユニットを付勢する。そして、残り遅延時間計測中に、人を感知した場合も、同様の処理を繰り返して残り遅延時間を延長する。又、ドアの閉回転中に、人感センサー124によって、人を感知した場合は、制御手段122により、メイン・ソレノイドユニット108を付勢して、直ちにドアの回転を止めると共に、タイマー123に第8所定時間である人感遅延時間の計測を開始させ、タイマー123が第8所定時間を計測終了した時、サブ・ソレノイドユニット109を付勢する。
【0114】
又、前記報知手段125は、ドアが長時間、開状態にある場合に報知するものであるが、その構成、作用の説明は省略する。又、報知手段125は、回転角度センサー110によって、ドアが任意の角度に開状態で回転停止したことが検知された時、ドアの停止時間中、報知手段125を一定間隔で作動させ、或いは、音声により一定間隔で時間を通知するように構成しても良い。例えば、音声で例えば10秒、20秒、30秒と知らせるように構成してもよい。或いは、一定時間ごとにブザー音、点滅する光で知らせるなど、報知方法についてはその他の方法を用いても良い。
【0115】
斯くして、前記ディレイ装置付きドアクローザー101は、ドアを任意の位置に開けて第5所定時間回転停止させた時、更に第6所定時間回転停止させることができ、その第6所定時間経過後にドアを自動的に閉じることができると共に、ディレイ装置付きドアクローザーを簡素、且つ、安価に製作できる。
又、前記ディレイ装置付きドアクローザー101は、人を感知した場合、ドアの閉じ動作を遅延させて人の安全を確保することができる。
【0116】
図16に於いて、131は本発明の第5実施例の前記ディレイ装置付きドアクローザー101に備える制御回路を示している。
制御回路131は、前記制御回路(図15に於いて121)の前記制御手段122に、演算手段132を備えたものである。
【0117】
制御回路131は、前記制御回路(図15に於いて121)と同様の制御が可能であると共に、次のような制御が可能となる。
制御手段122は、回転角度検出センサー110によりドアが任意の角度に開状態で回転停止したことが検知された時、制御手段122は、タイマー123に時間計測を開始させ、ドアが閉じ始めるまでのタイマー123の計測時間が第6所定時間以上であった時、演算手段132によって、第6所定時間を超える時間に所定の係数を乗じて遅延延長時間を求め、一方、制御手段122は、ドアが閉じ始めた時、メイン・ソレノイドユニット108を作動させると共に、タイマー123をリセットして時間計測を開始させ、タイマー123が第7所定時間である遅延時間に遅延延長時間を加えた合計遅延時間を計測終了した時、サブ・ソレノイドユニット109を付勢するように構成されている。
【0118】
例えば、ドアの操作者がドアを任意開度(例えば80度以上)に開けて第6所定時間(例えば7秒)以上、例えば10秒間停止させて離すと、前記係数が「10」であった場合、第6所定時間の7秒を超える時間は3秒であり、計算 (10−7)秒×10により30秒間の遅延延長時間とすることができ、第7所定時間が10秒であった場合、計算 10秒+30秒により合計遅延時間を40秒とすることができる。同様にして、例えば、ドアを開けて20秒間停止させて離すと、前記係数が「10」であった場合、計算 10秒+(20−7)秒×10により140秒間の合計遅延時間とすることができる。
【0119】
尚、前記タイマー123による前記合計遅延時間計測中に、人感センサー124によって、人を感知した場合は、制御手段122により、前記合計遅延時間の残り時間と、予め定めた第8所定時間である人感遅延時間とを比較し、比較結果による長い時間を残り遅延時間としてタイマー123に計測させ、タイマー123が残り遅延時間を計測終了した時、サブ・ソレノイドユニット109を付勢する。又、ドアの閉回転中に、人感センサー124によって、人を感知した場合は、制御手段122により、メイン・ソレノイドユニット108を付勢して、直ちにドアの回転を止めると共に、タイマー123に第8所定時間である人感遅延時間の計測を開始させ、タイマー123が第8所定時間を計測終了した時、サブ・ソレノイドユニット109を付勢する。
【0120】
斯くして、制御回路131を備えたディレイ装置付きドアクローザーは、ドア操作者がドアを任意角度に開いて第6所定時間を超える任意の時間停止させた時、その第6所定時間を超える時間に比例させてドアの閉じ開始動作の遅延延長時間を制御することができる。
又、制御回路131を備えたディレイ装置付きドアクローザーは、人を感知した場合、ドアの閉じ動作を適宜遅延させて人の安全を確保することができる。
【0121】
図17は、前記制御回路121又は131を備えたディレイ装置付きドアクローザー101を床下に配設し、ドア2と組み合わせてドアクローザー付きドアとした状態を示す正面縦断面図である。
ディレイ装置付きドアクローザー101の回転軸141がドア2の回転軸3に連結されて、ディレイ装置付きドアクローザー101と、ドア2とが組み合わされる。
【0122】
図18は、前記制御回路121又は131を備えたディレイ装置付きドアクローザー101をドア2の上部に配設し、ドア2と組み合わせてドアクローザー付きドアとした斜視図である。
ディレイ装置付きドアクローザー101の回転軸がレバー142の基端部に固着され、レバー142の先端部がアーム143の基端部に回転自在に枢支され、アーム143の先端部が壁144に固定された壁固定用ステー145に回転自在に枢支されている。
【0123】
このように、前記制御回路121又は131を備えたディレイ装置付きドアクローザー101は、床下、或いは、ドア2の上部に配設することが可能であり、汎用性が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】(a)本発明の第1実施例のドアクローザー付きドアの平面図である。(b)本発明の第1実施例のドアクローザー付きドアの正面縦断面図である。
【図2】(a)図1に示したディレイ装置の取り付け状態を説明する平面図である。(b)図1に示したロックプレートの平面図である。
【図3】図1に示したドアクローザー付きドアの電気回路の概略図である。
【図4】図1に示したロックユニットの正面縦断面図である。
【図5】本発明の第2実施例のドアクローザー付きドアの正面従断面図である。
【図6】図5に示したロックユニットの正面縦断面図である。
【図7】(a)図6に示したロックユニットの可動ピンが引き込まれた状態の正面縦断面図である。(b)図6に示したロックユニットの可動ピンが突出した状態の正面縦断面図である。
【図8】(a)本発明の第3実施例のドアクローザー付きドアの正面従断面図である。(b)本発明の第3実施例のドアクローザー付きドアのディレイ装置の一部切欠平面図である。
【図9】図8に示したディレイ装置の拡大正面縦断面図である。
【図10】(a)〜(d)図8に示したドアクローザー付きドアのロック・解除機構の作動説明図である。
【図11】(a)〜(d)図8に示したロック・解除機構を改良したロック・解除機構の作動説明図である。
【図12】本発明の第3実施例のドアクローザー付きドアに付加して設けられる電気回路の概略図である。
【図13】(a)本発明の第4実施例のディレイ装置付きドアクローザーの平面縦断面図である。(b)本発明の第4実施例のディレイ装置付きドアクローザーの正面縦断面図である。
【図14】本発明の第4実施例のディレイ装置付きドアクローザーの拡大側面縦断面図である。
【図15】本発明の第4実施例のディレイ装置付きドアクローザーに備える制御回路図である。
【図16】本発明の第4実施例のディレイ装置付きドアクローザーに備える他の制御回路図である。
【図17】本発明の第4実施例のディレイ装置付きドアクローザーを床下に施工したドアクローザー付きドアの正面縦断面図である。
【図18】本発明の第4実施例のディレイ装置付きドアクローザーをドア上部に施工したドアクローザー付きドアの斜視図である。
【符号の説明】
【0125】
1,31,41 ドアクローザー付きドア
2 ドア
3 回転軸
5 ディレイ装置
6 第1センサー
8,95,123 タイマー
9,97,122 制御手段
10 第2センサー
21 ロックプレート
22 凹部
23 ボール
24 バネ
25,106 ロックピン
26,39 ソレノイド
28 第3センサー
29,110 回転角度検出センサー
30,132 演算手段
32 ロックユニット
33 ハウジング
34 ロック体
35 前バネ
36 ロックピストン
37 後バネ
38 可動ピン
43 ディレイ装置
44 主ギア
45 外ケース
46 ロックピン
47 従ギア
48 内ケース
49 ロックプレート
50 クラッチ
53 ゼンマイ
54 タイマープレート
76 ロック孔
77 凸部
82 ロック穴
83 第2ロックピン
92 第1センサー
93 第2センサー
94 第3センサー
101 ディレイ装置付きドアクローザー
102 油圧シリンダ
103 ピストン
104 噛合部
105 噛合突部
107 ロッド
108 メイン・ソレノイドユニット
109 サブ・ソレノイドユニット
124 人感センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアクローザーを備えたドアが第1の所定角度に開かれたことを検知する第1センサーと、前記ドアの回転軸の回転のロック・解除を電気的に行なう電気的ロック・解除手段と、タイマーと、前記第1センサー、電気的ロック・解除手段及び前記タイマーに接続され、前記第1センサー及び前記タイマーからの信号に基づき前記電気的ロック・解除手段を制御する制御手段とを備え、前記ドアが第1の所定角度に開かれると、前記電気的ロック・解除手段が前記ドアの回転軸の回転を規制すると共に、前記第1センサーの検知信号により、前記制御手段が前記タイマーを作動させ、第1所定時間経過後、前記タイマーからの信号に基づき、前記制御手段が、前記電気的ロック・解除手段に制御信号を送出し、前記電気的ロック・解除手段による前記ドアの回転軸の回転規制を解除するように構成したことを特徴とするドアクローザー付きドア用ディレイ装置。
【請求項2】
前記ドアが第2の所定角度に開かれたことを検知する第2センサーを備え、前記第2センサーは前記制御手段に接続され、前記ドアが第2の所定角度に開かれると、前記電気的ロック・解除手段が前記ドアの回転軸の回転を規制すると共に、前記第2センサーの検知信号により、前記制御手段が前記タイマーを作動させるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置。
【請求項3】
前記ドアの回転角度を連続的に検知する回転角度検出センサーを備えると共に、前記制御手段に、演算手段を備え、前記制御手段は、前記回転角度センサーによって、前記ドアが前記第1の所定角度を超えて前記第2の所定角度未満の角度に開いて停止したことを検知した時、前記タイマーにドアの停止時間を計測させ、前記演算手段によって、前記タイマーの計測時間に所定の係数を乗じて遅延延長時間を求め、前記ドアが前記第1の所定角度に戻って停止したことを検知した時、前記タイマーをリセットして時間計測を開始させ、前記タイマーが前記第1所定時間である遅延時間に前記遅延延長時間を加えた合計遅延時間を計測した時、前記電気的ロック・解除手段に制御信号を送出し、前記電気的ロック・解除手段による前記ドアの回転軸の回転規制を解除するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置。
【請求項4】
前記電気的ロック・解除手段は、前記ドアの回転軸に固設され、前記回転軸の回転をロックするためのロックプレートと、前記ロックプレートの下面に形成された凹部に嵌入自在のボールと、前記ボールを付勢するバネと、前記バネを押圧自在のロックピンと、前記ロックピンを出入させるソレノイドとを備え、前記バネ及び前記ロックピンの付勢によって前記凹部に前記ボールを圧接することにより前記ロックプレートの回転を規制し、前記ソレノイドの付勢によって、前記ロックピンの付勢を解除し又は弱め、前記ロックプレートの回転の規制を解除するように構成したことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置。
【請求項5】
前記電気的ロック・解除手段は、前記ドアの回転軸に固設され、前記回転軸の回転をロックするためのロックプレートと、ハウジング内に収納されて前記ロックプレートの下面に形成された凹部に嵌入自在のロック体と、前記ロック体を付勢する前バネと、前記ハウジング内を摺動自在で、且つ、前記前バネを押圧自在のロックピストンと、前記ロックピストンを付勢する後バネと、前記ハウジング内に出入して前記ロックピストンの摺動を規制する可動ピンと、前記可動ピンを出入させるソレノイドとを備え、前記ソレノイドによって前記可動ピンがハウジング内に突出した時、前記ロックピストンの摺動を規制し、前記ソレノイドによって前記可動ピンがハウジング内に突出しない時、前記ロックピストンは摺動の規制を解除されるように構成したことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置。
【請求項6】
前記制御手段に接続される報知手段と、前記ドアの閉状態を検知する第3センサーを備え、前記制御手段が、前記第1センサー、前記第2センサー、前記第3センサー又は前記タイマーの信号の少なくとも1つに基づき、前記報知手段を作動させるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記回転角度センサーによって、前記ドアが前記第1の所定角度を超えて前記第2の所定角度未満の角度に開いて停止したことを検知した時、ドアの停止時間中、前記報知手段を一定間隔で作動させ、或いは、音声により一定間隔で時間を通知するように構成されたことを特徴とする請求項3乃至6のうちいずれか一に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記第1センサー、前記第2センサー、前記第3センサー又は前記タイマーからの受信信号の少なくとも1つを区別すべく、前記報知手段を互いに異なる音で作動させるように構成されていることを特徴とする請求項6又は7記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置。
【請求項9】
前記タイマーは、前記制御手段が前記第1センサー、又は、前記第2センサーから信号を受信した時、前記制御手段の制御により計測を開始し、前記制御手段は、前記タイマーが第2所定時間を計測終了した時までに、前記制御手段が前記第3センサーからの信号を受信しなかった時、前記報知手段に警報を発生させるように構成されていることを特徴とする請求項6乃至8のうちいずれか一に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置。
【請求項10】
ドアクローザーを備えたドアの回転軸に固設される主ギアと、前記主ギアに噛合する従ギアが固設された外ケースと、前記外ケースの上部に設けられ、付勢されたロックピンと、前記外ケース内に回転自在に内蔵され、且つ、建造物にブラケットを介して固設された内ケースと、前記内ケースに設けられたロックプレートと、前記内ケース内に収納されたクラッチと、回転数を増減する遊星ギアユニットと、前記遊星ギアユニットの回転により巻き上げられるゼンマイと、前記ゼンマイの巻き戻しにより回転し、前記ロックピンのロックを第3所定時間経過後に解除するタイマープレートとを備え、前記ドアが開かれると、前記ドアの回転軸の回転を一定時間規制し、前記ドアの閉じ動作開始を一定時間遅延させるように構成したことを特徴とするドアクローザー付きドア用ディレイ装置。
【請求項11】
前記ドアが第1の所定角度に開かれた時、前記ロックピンの下端部が嵌入自在のロック孔が前記ロックプレートに開穿され、前記ロック孔に嵌入自在の凸部が前記タイマープレートの上面に形成され、前記ロック孔に前記ロックピンが嵌入した時、前記タイマープレートの回転により、第3所定時間経過後に前記ロック孔に前記タイマープレートの凸部が嵌入し、前記ロックピンを押し上げ、ドアのロックを解放するように構成されていることを特徴とする請求項10記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置。
【請求項12】
前記ドアが第2の所定角度に開かれた時、第2ロックピンが嵌入するロック穴が、前記ロックプレートの上面に形成されていることを特徴とする請求項10又は11記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置。
【請求項13】
前記ドアが第1の所定角度に開かれたことを検知する第1センサーと、前記ドアが閉じたことを検知する第3センサーと、タイマーと、報知手段と、前記第1センサー、第3センサー、タイマー及び報知手段に接続される制御手段とを備え、前記制御手段は、前記第1センサーの検知信号受信後、前記タイマーの計測による第4所定時間内に前記第3センサーの検知信号を受信しない場合、前記報知手段を作動させることを特徴とする請求項10乃至12のうちいずれか一に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置。
【請求項14】
前記ドアが第2の所定角度に開かれたことを検知する第2センサーを備え、前記第2センサーは前記制御手段に接続され、前記制御手段は前記第2センサーの信号を受信した後、前記タイマーの計測による第4所定時間内に前記第3センサーの信号を受信しない場合、前記報知手段を作動させることを特徴とする請求項13に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置。
【請求項15】
油圧シリンダとピストンとを備えたドアクローザーに於いて、前記ピストン側面に複数の歯が連続的に形成された噛合部と、前記噛合部に噛合自在の噛合突部が先端部に形成され、前記噛合突部が前記油圧シリンダ内に出入自在のロックピンと、前記ロックピンを前記油圧シリンダ内に出入させるロッドと、前記ロッドを押圧自在のメイン・ソレノイドユニットと、押圧された前記ロッドを押圧位置に保持自在のサブ・ソレノイドユニットと、ドアの回転角度を連続的に検知する回転角度検出センサーと、時間を計測するタイマーと、前記メイン・ソレノイドユニット、前記サブ・ソレノイドユニット、回転角度検出センサー及びタイマーに夫々接続され、前記メイン・ソレノイドユニット、前記サブ・ソレノイドユニット、及びタイマーを制御する制御手段とを備え、前記回転角度検出センサーによりドアが任意の角度に開状態で回転停止したことが検知された時、前記制御手段は、前記タイマーに停止時間を計測させ、前記停止時間の計測時間が第5所定時間以上で第6所定時間未満の時間であった時、ドアが閉じ始めた時、前記メイン・ソレノイドユニットを作動させ、前記メイン・ソレノイドユニットは、その作動により、前記ロッドを押圧し、前記ロックピンの噛合突部を前記ピストンの噛合部に噛合させ、一方、前記ロッドが押圧された時、前記サブ・ソレノイドユニットは前記ロッドを押圧された位置に保持して、前記ピストン及び前記ドアを回転停止状態に維持し、他方、前記制御手段は、前記メイン・ソレノイドユニットを作動させた時、前記タイマーをリセットして時間計測を開始させ、前記タイマーが第7所定時間である遅延時間を計測した時、前記サブ・ソレノイドユニットを付勢して、前記ロッドの保持を解放し、前記ピストン及びドアの停止状態を解放するように構成したことを特徴とするディレイ装置付きドアクローザー。
【請求項16】
前記制御手段は、演算手段を備え、前記回転角度検出センサーによりドアが任意の角度に開状態で回転停止したことが検知された時、前記制御手段は、前記タイマーに時間計測を開始させ、ドアが閉じ始めるまでの前記タイマーの計測時間が前記第6所定時間以上であった時、前記演算手段によって、前記第6所定時間を超える時間に所定の係数を乗じて遅延延長時間を求め、一方、前記制御手段は、ドアが閉じ始めた時、前記メイン・ソレノイドユニットを作動させると共に、前記タイマーをリセットして時間計測を開始させ、前記タイマーが前記第7所定時間である遅延時間に前記遅延延長時間を加えた合計遅延時間を計測終了した時、前記サブ・ソレノイドユニットを付勢するように構成されていることを特徴とする請求項15記載のディレイ装置付きドアクローザー。
【請求項17】
前記制御手段に人感センサーを接続し、前記第7所定時間である遅延時間又は前記合計遅延時間計測中に、人感センサーによって、人を感知した場合は、前記制御手段により、前記第7所定時間である遅延時間又は前記合計遅延時間の残り時間と、予め定めた第8所定時間である人感遅延時間とを比較し、比較結果による長い時間を残り遅延時間として前記タイマーに計測させ、前記タイマーが前記残り遅延時間を計測終了した時、前記サブ・ソレノイドユニットを付勢するように構成され、ドアの閉回転中に、人感センサーによって、人を感知した場合は、前記制御手段により、前記メイン・ソレノイドユニットを付勢して、直ちにドアの回転を止めると共に、前記タイマーに前記第8所定時間である人感遅延時間の計測を開始させ、前記タイマーが前記第8所定時間を計測終了した時、前記サブ・ソレノイドユニットを付勢するように構成されていることを特徴とする請求項15又は16記載のディレイ装置付きドアクローザー。
【請求項18】
請求項1乃至14のうち少なくとも一に記載のドアクローザー付きドア用ディレイ装置をドアの回転軸に連結して備え、或いは、請求項15乃至17のうち少なくとも一に記載のディレイ装置付きドアクローザーを備えたことを特徴とするドアクローザー付きドア。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate