説明

ドア用静電容量動作型センサ

2線アダプタ回路は、電流シャントモニタと、電流シャントモニタの出力の急激な変化を感知するための回路と、電源と、電流シャントモニタを介して負荷に電源を接続させる2線電線管とを含み、電流シャントモニタの出力の急激な変化を感知するための回路は、急激な変化を感知すると、第三の電線に、確定されたディジタル信号を出力するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、リモート感知回路の負荷の変化に応じて、確定されたディジタル信号を生成するための電気回路に関し、たとえば、車両ドアに関連する、乗客の存在を感知する回路を有する大量旅客輸送車両に適用される。電気回路は、車両制御コンピュータに対し、確定されたディジタル入力を生成する。
【0002】
関連技術の説明
本出願は、大量旅客輸送車両のドア近傍における乗客の存在を感知することに関する。先行技術は、本出願人の同時継続中の出願第11/084,789号、発明の名称“Capacitance Activated Switch Device”に記載され、参照することにより本明細書に組み入れられる。その中で説明されているように、車両運転者が特定のドアを、乗客がドア側に搭載されたスイッチ、たとえば機械操作タッチバーに接触することによってそのドアを開けることが可能な状態にすることができることは一般的である。本出願人の同時継続中の出願では、交番電界に進入する乗客の存在を感知する、ドアに取り付けられた静電容量動作型スイッチ装置を記載している。電線管は、スイッチに電力を供給する。電線管を用いて、ドア近傍に乗客がいることを知らせる。電線管は、ドアのヒンジ端に沿った限定されたスペースを通して入れられる。スペースはまた、ドア自体に取り付けられた回路用にも限定される。本発明によれば、搭載されているドア又はリモートセンサ回路への2線式電力リード線を用いることによってこれらのスペースの限定に対処し、ドア近傍の乗客の存在を知らせる。
【0003】
発明の概要
簡潔には、本発明の一つの態様では、2線アダプタが提供される。2線電線管は、電流シャントモニタを介して、負荷に電源を接続させる。負荷によって引き出される電流の変化による電流シャントモニタの出力の急激な変化を感知するための回路が提供される。急激な変化を感知するための回路は、急激な変化を感知すると、第三の電線に、確定されたディジタル信号を出力するように構成される。
【0004】
簡潔には、本発明の別の態様では、電圧レギュレータ及び感知回路を含むリモート回路と、電流シャントモニタ及び電流シャントモニタの出力の急激な変化を感知するための回路とを含む2線アダプタ回路とを有する報知回路が提供される。2線電線管は、電流シャントモニタと並列な抵抗器を介して、リモート回路の電圧レギュレータに、電源を接続させる。リモート回路内の感知回路は、シャント抵抗器に電圧レギュレータの出力を接続させて、感知状態を検出すると、電圧レギュレータに付加的な電流ドレーンを設定する。電圧レギュレータの付加的な電流ドレーンによる電流シャントモニタの出力の急激な変化を感知するための回路は、急激な変化を感知すると、確定されたディジタル信号を出力するように構成される。好ましくは、報知回路は、確定されたディジタル信号出力を受信するように接続された高位側及び低位側ドライバ回路をさらに含む。
【0005】
本発明のさらなる別の態様では、報知回路は、電圧レギュレータと、交番電界の静電容量の変化を感知するための回路とを含むリモート回路を含む電界感知回路を含む。2線アダプタ回路は、電流シャントモニタと、電流シャントモニタの出力の急激な変化を感知するための回路とを含む。2線電線管は、電流シャントモニタと並列な抵抗器を介して、リモート回路の電圧レギュレータに、電源を接続させる。リモート回路内の感知回路は、シャント抵抗器に電圧レギュレータの出力を接続させて、感知された状態が検出されると、電圧レギュレータに付加的な電流ドレーンを設定する。電圧レギュレータの付加的な電流ドレーンによる、電流シャントモニタの出力の急激な変化を感知するための回路は、急激な変化を感知すると、第三の電線に、確定されたディジタル信号を出力するように構成される。
【0006】
本発明のまた別の態様では、大量旅客輸送車両上の制御コンピュータへの入力を生成するための報知回路は、大量旅客輸送車両のドア近傍の乗客の存在を感知するための電界感知回路を含み、電圧レギュレータと、車両ドアに関連する交番電界中の静電容量の変化を感知するための回路とを含む。2線アダプタ回路は、車両ドアの上に位置付けられ、電流シャントモニタと、電流シャントモニタの出力の急激な変化を感知するための回路とを含む。2線電線管は、電源に接続可能であり、電流シャントモニタに並列な抵抗器を介して、ドアの上から感知回路の電圧レギュレータに延伸する。感知回路は、シャント抵抗器に電圧レギュレータの出力を接続させて、車両ドア近傍の乗客を検出すると、電圧レギュレータに付加的な電流ドレーンを設定する。電圧レギュレータの付加的な電流ドレーンによる、電流シャントモニタの出力の急激な変化を感知するための回路は、急激な変化を感知すると、第三の電線に、確定されたディジタル信号を出力するように構成される。
【0007】
詳細な説明
さらなる特徴、他の目的及び利点は、図面を参照してなされた以下に続く詳細な説明から明らかとなろう。
【0008】
図2を参照すると、低レベルの電界に進入する対象を感知し、電界内に移動してくる対象によって生じる静電容量の負荷を測定する電界イメージング装置に基づくリモート静電容量タッチセンサ回路が図示されている。P1及びP2における2線入力は、電圧制御部U21を介して、リモート回路に電力を供給する。集積回路U21と関連するのは、コンデンサC21、C24及びC25、並びに抵抗器R25及びR26である。集積回路U22(Freescale社より販売されているMC33794)は、タッチセンサ回路のほとんどの機能を提供する。低周波数の正弦波は、集積回路U22によって生成され、電極E1及びE2による容量に印加される。集積回路U22と関連するのは、コンデンサC211、C212、C213、C214及びC23、並びに抵抗器R21である。U22によって検出されたディジタル化された静電容量は、静電容量の急激な変化を検出するためのマイクロコントローラU23によって処理される。集積回路U23と関連するのは、コンデンサC26及びC29、並びにインダクタL21である。ここまでは、図2の回路は基本的には、上記に示した本出願人の同時継続中の出願に記載されたものである。対象物の存在が検出されると、電圧レギュレータU21の出力は抵抗器R23を通して分流する。抵抗器R23の抵抗値は、電圧レギュレータに、小さいが有意に増大した負荷を供給するように選択される。抵抗器R23の存在は、本出願にとって新しい特徴である。図2に関連して記載された具体的な実施形態では、抵抗器R23の抵抗は475オームに設定され、増大した負荷は約20mAになる。
【0009】
ここで図1を参照すると、本発明の2線式アダプタ回路の実施形態が示されている。電源はVbatで示されている。電源は、マイクロコントローラU13に電力供給する電源レギュレータU11及びシャントモニタIC U12に給電する。電圧レギュレータU11に関連するのは、コンデンサC11及びC13である。マイクロコントローラU13に関連するのは、コンデンサC15及びC16、並びにインダクタL11である。シャントモニタU12に関連するのは、コンデンサC17及びC18である。電流シャントモニタU12は、小型抵抗器R13の両側に接続される。電源は、端子TB1+及びTB2+に接続され、たとえば、これらはそれから、2線の電線管を通して、図2に示された感知回路のそれぞれの電圧レギュレータに接続される。端子TB1+及びTB1−は、たとえば、輸送車両の両開き型ドアの一方の感知回路に対応する。端子TB2+及びTB2−は、他方のドアに対応する。
【0010】
好ましい実施形態では、U16は、R13と、TB1+及びTB2+との間に配置される。R13を通って引き出される電流が、TB1+又はTB2+における偶発的な短絡のために過剰になった場合、マイクロコントローラU13は、R13が破壊されることを防止するイネーブルピン2EN又はU16を引き上げることによって、R13を切り離すことができる。
【0011】
図1に示すように、この具体的な実施形態での電流シャントモニタの出力電圧は、抵抗器R13の両端で感知される電圧降下の20倍である。抵抗器R13を通る電流が20mAに変化した場合、出力電圧は400mVに変化する。
【0012】
図3に示すように、シャントモニタのアナログ出力は、マイクロコントローラU13によって繰り返しディジタル化されてローリングするメモリに保存され、短期間にわたる傾向を観察することができ、急激な変化を認識することができるようになる。さまざまな要因、たとえばバッテリ電圧のドリフト、抵抗器R13の温度、又は図2に示す回路に対する温度の影響による、抵抗器R13を通る電流の漸進的な変化は、結果的にマイクロコントローラからの出力を生じさせない。マイクロコントローラが出力を発生させるとき、これは、高位側及び低位側のドライバU14及びU15の両方を作動させる。通常、それらの一方のみが車両コンピュータと接続される(車両コンピュータの論理入力要求に依存する)。
【0013】
輸送車両のドアとともに用いられる静電容量動作型スイッチを伴う2線アダプタ回路について記載してきた。しかし、任意の装置(近接スイッチ、ホールスイッチ等)が、2線アダプタ回路を用いてもよいことが明らかであろう。
【0014】
本発明はこのように、特許法によって求められる詳細および特定性において定義され、特許証による所望の保護対象は、特許請求の範囲に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一つの実施形態の2線アダプタ回路の回路図である。
【図2】本発明の一つの実施形態のリモート静電容量感知回路の回路図である。
【図3】図1のマイクロコントローラU13に保存されたプログラムの、簡略化されたフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧レギュレータ及び感知回路を含むリモート回路と、
電流シャントモニタと、前記電流シャントモニタの出力の急激な変化を感知するための回路とを含む2線アダプタ回路と、
電源と、
前記電流シャントモニタと並列な抵抗器を介して、前記リモート回路の前記電圧レギュレータに、前記電源を接続させる2線電線管とを含み、
前記リモート回路内の前記感知回路が、シャント抵抗器に前記電圧レギュレータの出力を接続させて、感知状態を検出すると、前記電圧レギュレータに付加的な電流ドレーンを設定し、
前記電圧レギュレータの前記付加的な電流ドレーンによる、前記電流シャントモニタの出力の前記急激な変化を感知するための前記回路が、前記急激な変化を感知すると、確定されたディジタル信号を出力するように構成される、報知回路。
【請求項2】
前記電流シャントモニタの出力の急激な変化を感知するための前記回路から、ディジタル信号出力を受信するように接続された高位側及び低位側ドライバ回路をさらに含む、請求項1記載の報知回路。
【請求項3】
電流シャントモニタと、前記電流シャントモニタの出力の急激な変化を感知するための回路とを含む2線アダプタ回路であって、
電源と、
前記電流シャントモニタを介して、負荷に前記電源を接続させる2線電線管とを含み、
前記電流シャントモニタの出力の前記急激な変化を感知するための前記回路が、前記急激な変化を感知すると、第三の電線に、確定されたディジタル信号を出力するように構成される、2線アダプタ回路。
【請求項4】
電圧レギュレータと、交番電界中の静電容量の変化を感知するための回路とを含むリモート回路と、
電流シャントモニタと、前記電流シャントモニタの出力の急激な変化を感知するための回路とを含む2線アダプタ回路と、
電源と、
前記電流シャントモニタと並列な抵抗器を介して、前記リモート回路の前記電圧レギュレータに、前記電源を接続させる2線電線管とを含み、
前記リモート回路内の前記感知回路が、シャント抵抗器に前記電圧レギュレータの出力を接続させて、感知状態を検出すると、前記電圧レギュレータに付加的な電流ドレーンを設定し、
前記電圧レギュレータの前記付加的な電流ドレーンによる、前記電流シャントモニタの出力の前記急激な変化を感知するための前記回路が、前記急激な変化を感知すると、第三の電線に、確定されたディジタル信号を出力するように構成される、報知回路。
【請求項5】
大量旅客輸送車両のドア近傍の乗客の存在を検出するための電界感知回路を含んで、大量旅客輸送車両上の制御コンピュータへの入力を生成するための報知回路であって、
電圧レギュレータと、前記車両ドアに関連する交番電界中の静電容量の変化を感知するための回路とを含む回路と、
電流シャントモニタと、前記電流シャントモニタの出力の急激な変化を感知するための回路とを含む、前記車両ドアの上に位置付けられた2線アダプタ回路と、
前記ドアの上から延伸し、前記電流シャントモニタに並列な抵抗器を介して、電源及び前記回路の前記電圧レギュレータに接続可能である2線電線管とを含み、
前記感知回路が、シャント抵抗器に前記電圧レギュレータの出力を接続させて、前記車両ドア近傍の乗客を検出すると、前記電圧レギュレータに付加的な電流ドレーンを設定し、
前記電圧レギュレータの前記付加的な電流ドレーンによる、前記電流シャントモニタの出力の前記急激な変化を感知するための前記回路が、前記急激な変化を感知すると、第三の電線に、確定されたディジタル信号を出力するように構成される、報知回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−534655(P2009−534655A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506535(P2009−506535)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/009315
【国際公開番号】WO2007/127094
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(506190681)ワブテク・ホールディング・コーポレイション (13)
【氏名又は名称原語表記】WABTEC HOLDING CORP.
【住所又は居所原語表記】1001 Air Brake Avenue, Wilmerding, PA 15148, U.S.A.
【Fターム(参考)】