説明

ドア装置

【課題】ドアパネルの振動を抑えるための制振装置を削減できるドア装置を提供する。
【解決手段】油圧ショベルのサイドドアのフレームよりストライカ44を突設し、ドアパネルに、ストライカ44と係合してドアパネルの開閉方向および上下方向の動きを規制する係合解除可能なラッチ機構部43を設ける。ストライカ44およびラッチ機構部43は、ドアパネルの開閉方向の動きを規制する部分に、上下方向の動きを規制する部分を一体に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアパネルにラッチ機構部が設けられたドア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図15は、作業機械としての油圧ショベル10を示し、下部走行体11に上部旋回体12が旋回可能に設けられ、この上部旋回体12上にキャブ13、作業装置14、エンジンなどの動力装置15が搭載されている。動力装置15は、上部カバー16およびサイドドア17などにより覆われている。これらの上部カバー16およびサイドドア17は、機体側のフレームにヒンジにより開閉自在に取付けられている。これらのサイドドア17などは、基本的にはラッチ装置18により機体側のフレームに閉じ状態で固定される(例えば、特許文献1、2、3参照)。
【0003】
この種の作業機械のサイドドア17においては、車両に発生する衝撃などによりサイドドア17にも大きな振動が発生する。
【0004】
そこで、図15に示されるようにサイドドア17には、上下振動を抑えるための制振装置19が、ラッチ装置18とは別部品として取付けられている。
【0005】
すなわち、従来のラッチ装置18は、図16に示されるサイドドア17に取付けられたラッチ機構部18aと、図17に示される機体側のフレームに取付けられたストライカ18bとが、単に閉じ状態を保持するように係合するものであり、このラッチ装置18にはサイドドア17のドア荷重による上下振動を抑える制振機能がないので、図18に示されるように、サイドドア17に取付けられた振止部品19aを、機体側のフレームに取付けられた上下振動規制体19bと嵌合させることで、サイドドア17の上下振動を抑えるようにした制振装置がある。
【0006】
このような上下振動を抑える制振装置としては、2つのドアの重ね合わされた部分を同時に振れ止めするものや(例えば、特許文献1参照)、ドア側のストッパ部材を機体側のフレームのストッパ受けと嵌合させるものもある(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
また、上下振動を抑制するための制振装置として、フレーム側から突設されたプランジャと、ドア側の受け部材とを係合させるものがある。これらの制振装置は、車両のクラスが大きくなり、衝撃が大きくなると数多く設置されることが多い。
【特許文献1】特開2001−262618号公報(第3−4頁、図2−4)
【特許文献2】特開2007−137183号公報(第3頁、図3−5)
【特許文献3】特開2007−170114号公報(第5−8頁、図2−7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
振動を抑制する制振装置は、溶接やボルトによる固定などの強固な取付方法が必須であり、接着剤などによる固定は難しい。特に、2重構造のドアにおいては、板自体が薄く、溶接や固定方法に限りがあり、制振装置を取り付ける数も制限される。さらに、発生する振動が大きな大型機などでは、複数の制振装置が必要となるが、その際にレイアウト上の制約を受ける問題がある。さらに、ドアの受け部材であるフレーム側にも複数の制振用構造物を装着する必要が生じる。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ドアパネルの振動を抑えるための制振装置を削減できるドア装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載された発明は、フレームに対し開閉自在に取付けられたドアパネルと、フレームよりドアパネルの開閉部側に突設された係合体と、ドアパネルに設けられ係合体と係合してドアパネルの開閉方向および上下方向の動きを規制する係合解除可能なラッチ機構部とを具備したドア装置である。
【0011】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載のドア装置における係合体およびラッチ機構部が、ドアパネルの開閉方向の動きを規制する部分に、上下方向の動きを規制する部分を一体に設けたものである。
【0012】
請求項3に記載された発明は、請求項1記載のドア装置における係合体およびラッチ機構部が、ドアパネルの開閉方向の動きを規制する部分と、上下方向の動きを規制する部分とを、共通の取付板上に並設したものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載された発明によれば、係合体と係合してドアパネルの開閉方向および上下方向の動きを規制する係合解除可能なラッチ機構部をドアパネルに設けたので、ドアパネルに装着されて上下方向の振動を抑える制振装置の数を少なくすることができる。
【0014】
請求項2に記載された発明によれば、ドアパネルの開閉方向の動きを規制する部分と、上下方向の動きを規制する部分とを、コンパクトに一体化でき、製造も容易にできる。
【0015】
請求項3に記載された発明によれば、ドアパネルの開閉方向の動きを規制する部分と、上下方向の動きを規制する部分とを、共通の取付板上にコンパクトにまとめることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を、図1乃至図11に示された一実施の形態、図12乃至図14に示された他の実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図11は、作業機械としての油圧ショベル10を示し、下部走行体11に上部旋回体12が旋回可能に設けられ、この上部旋回体12上にキャブ13、作業装置14、エンジンなどの動力装置15が搭載されている。動力装置15は、上部カバー16およびサイドドア17などにより覆われている。
【0018】
図6乃至図8は、サイドドア17のドアパネル20を示し、このドアパネル20は、外側板21と、この外側板21より薄い板金を凹凸状にプレス成形して外側板21の内側面に凹部を固定するとともに凸部と外側板21との間に空間を形成する内側板23と、これらの外側板21と内側板23との間の空間に充填された発泡材24とを具備している。
【0019】
図6に示されるように、外側板21には、正6角形に形成された複数の通気穴25を通気穴25各辺の結合部を介してハニカム状に集合させたハニカム状通気穴集合部26が、穴加工により複数組設けられている。
【0020】
図8に示されるように、内側板23は、凹状に成形されて外側板21に接合された凹部としての接合部27,28と、これらの接合部27,28に対し膨出成形された凸部29とを具備している。
【0021】
内側板23の接合部27は、外側板21のハニカム状通気穴集合部26と対応して横方向に3列形成され、これらの接合部27には、外側板21のハニカム状通気穴集合部26より大きな通気用開口部30がそれぞれ穴加工により設けられている。
【0022】
すなわち、外側板21のハニカム状通気穴集合部26と、内側板23の凹部としての接合部27に開口された通気用開口部30は、1対1で対応して複数組設けられているが、内側板23の通気用開口部30は、外側板21のハニカム状通気穴集合部26よりやや大きく形成されている。
【0023】
外側板21の周縁部は、内側板23の周縁部を包みこむように折返して押しつぶすようにヘミング加工したへミング加工部33を備えている。
【0024】
内側板23の少なくとも周縁部は、接着剤により外側板21に接着され、この接着剤により外側板21と内側板23とを接合するとともにシールする。接着剤は、粘性と熱硬化性を有するペーストタイプ構造用接着剤が望ましい。
【0025】
内側板23の一側部内には外側板21に接着された内部補強板(図に表れず)が設けられ、内側板23に開口されたヒンジ取付窓34,35を通して、内部補強板にヒンジ36,37が溶接などで取付けられている。
【0026】
図5に示されるように、これらのヒンジ36,37により、油圧ショベルの機体側のフレーム41の一側部材41aに対しサイドドア17のドアパネル20の一側部が開閉自在に取付けられている。このドアパネル20のヒンジ36,37とは反対側には、ラッチ装置42のラッチ機構部43が設けられている。一方、ドアパネル20の開閉にともないドアパネル20が当接される方向に対向して機体側のフレーム41の他側部材41bより取付板44aを介して、ドアパネル20の開閉部側にラッチ装置42の係合体としてのストライカ44が突設され、このストライカ44に対しドアパネル20側に設けられたラッチ機構部43が係脱可能となっている。このラッチ機構部43は、ストライカ44と係合してドアパネル20の開閉方向および上下方向の動きを規制するとともに、後述するように係合解除可能である。
【0027】
図1および図2に示されるように、ストライカ44は、機体側のフレーム41に固定される上下1対の取付基板部45と、これらの取付基板部45からラッチ機構部43側にV字状に膨出形成されラッチ機構部43と上下方向に係合される一方の振止係合部としての上下の振止斜面部46と、これらの振止斜面部46間の先端平面部47から突出されてラッチ機構部43に挿入されラッチ機構部43により係止される丸形断面部材によりコ字形に成形された係止部としてのフック金具48とを備えている。
【0028】
このストライカ44の各取付基板部45には、図4に示されるように上下方向に細長く形成された長穴49がそれぞれ設けられ、これらの長穴49に図1に示されるように挿入されたボルト50により、ストライカ44が機体側のフレーム41に取付けられる。その際に、長穴49の範囲内でストライカ44の上下方向位置を調整できる。
【0029】
図1乃至図3に示されるように、ラッチ機構部43は、ドアパネル20に取付けられる取付板51に機構本体部52を構成する一対の本体プレート52a,52bが、それぞれボルト53およびナット54により取付けられ、この機構本体部52の本体プレート52a,52bには、ストライカ44のフック金具48と嵌合するラッチ溝部55がそれぞれU字形に切込み形成され、これらの各ラッチ溝部55の開口側に他方の振止係合部としての複数の振止規制部56がそれぞれV字形に一体形成されている。これらの振止規制部56は、ラッチ溝部55の開口側に位置する本体プレート52a,52bの一部を外側へ折曲して形成する。
【0030】
ストライカ44の複数の振止斜面部46およびラッチ機構部43の複数の振止規制部56は、それぞれ上下に配置され、上下の振止規制部56は、ストライカ44の上下の振止斜面部46と密着して、ドア荷重により発生する機構本体部52の上下方向の振動を抑える。
【0031】
取付板51には、図3に示されるように操作板収納部57が設けられ、この操作板収納部57の内部には、図1に示されるように係合解除用の操作板58が軸59により回動可能に取付けられている。
【0032】
図3に示されるように、ラッチ機構部43は、機構本体部52の1対の本体プレート52a,52bの一側部間に回動自在に軸支されたラッチプレート61と、1対の本体プレート52a,52bの他側部間に回動自在に軸支されたロック体62とを備えている。
【0033】
ラッチプレート61は、ストライカ44のフック金具48が図2に示されるようにラッチ溝部55に挿入されるときにこのフック金具48を受入れる受入溝63を有し、この受入溝63がラッチ溝部55の開口側に開放される角度にスプリング64で附勢されストッパ65で係止されているが、フック金具48の挿入動作に応じて回動することでその受入溝63を閉じることができる。
【0034】
ロック体62は、ラッチプレート61の周面にスプリング66で附勢されて、受入溝63を閉じた角度のラッチプレート61を係止する。このロック体62の係止は、操作板58の回動と連動する係合解除体67により解除する。係合解除体67は、隣接して設置された施錠装置68により、その係合解除動作を規制される。このラッチ機構部43の取付板51は、リベット69によりドアパネル20に取付ける。
【0035】
このように、ストライカ44とラッチ機構部43には、ドアパネル20の開閉方向の動きを規制する部分48,61に、上下方向の動きを規制する部分46,56が、それぞれ一体に設けられている。
【0036】
図5に示されるように、ラッチ装置42の上側には制振装置70が設けられている。すなわち、ドアパネル20のヒンジ36,37とは反対側には凹状の接合部28が設けられ、一方、この接合部28に対向して、機体側のフレーム41の他側部材41bに係合凸部としてのプランジャ71が取付板72により設けられ、ドア閉じ状態でプランジャ71が接合部28に挿入され係合することで、ドアパネル20の上下振動を抑制する制振装置70が構成されている。
【0037】
次に、この実施の形態の作用効果を説明する。
【0038】
図5に示されるように一側の機体側のフレーム41にヒンジ36,37により開閉自在に取付けられたサイドドア17のドアパネル20が、他側の機体側のフレーム41に向かって閉じられるときは、図9に示されるように、機体側のフレーム41にボルト50およびナット50aにより取付けられたストライカ44に向かってドアパネル20のラッチ機構部43が移動し、その機構本体部52に設けられたラッチ溝部55に、図10に示されるようにストライカ44のフック金具48が挿入される。
【0039】
その際、ラッチプレート61の受入溝63がストライカ44のフック金具48により押圧されて、図10に示されるように、ラッチプレート61が回転し、ストライカ44のフック金具48を拘束係止する。
【0040】
このとき、ラッチ機構部43の機構本体部52に一体に設けられた上下の振止規制部56と、ストライカ44に一体に設けられた上下の振止斜面部46とが係合するので、サイドドア17のドアパネル20は、ドア荷重による上下方向の振動を起こさないように規制される。
【0041】
したがって、図7に示されるように薄く形成されて軽量化を図れる内側板23と、厚く形成されて外側からの衝撃に対する強度を確保できる外側板21との間に充填された発泡材24により、ドアパネル20から発生する音を減衰させて、低騒音化を図ることができるとともに、ラッチ機構部43とストライカ44との間での上下方向の振動を、上下の振止斜面部46と上下の振止規制部56との係合により規制することでも、ドアパネル20から振動音が発生することを抑制して、低騒音化を図ることができる。
【0042】
機体側のフレーム41のストライカ44およびドアパネル20のラッチ機構部43は、相互に係合してドアパネル20の開閉方向の動きを規制するが、ドアパネル20の開閉方向と交差する上下方向の動きを規制する複数の振止斜面部46およびこれらの振止斜面部46と係合する複数の振止規制部56も一体に備えたので、ドアパネル20の開閉方向の動きを規制するラッチ装置42にドアパネル20の開閉方向と交差する方向の振動を抑えるための振止部品を一体化でき、部品点数の減少と部品レイアウト作成の容易性とを図ることができる。
【0043】
特に、機体側のフレーム41に取付けられたストライカ44は、取付基板部45からラッチ機構部43側に膨出形成された複数の振止斜面部46と、これらの振止斜面部46間から突出されてラッチ機構部43に挿入されるフック金具48とを備え、ドアパネル20側のラッチ機構部43は、ストライカ44のフック金具48と嵌合するラッチ溝部55が切込み形成された機構本体部52と、この機構本体部52のラッチ溝部55の開口側に一体形成されストライカ44の複数の振止斜面部46と密着して機構本体部52の振動を抑える複数の振止規制部56とを備えたので、ラッチ装置42にドアパネル20の振動を抑えるための振止部品をコンパクトに一体化できる。
【0044】
上下に配置された複数の振止斜面部46および複数の振止規制部56によりドア荷重を受けることで、ドア荷重によるドアパネル20の上下方向の振動を確実に抑えることができる。
【0045】
機構本体部52にU字形に切込み形成されたラッチ溝部55の開口側に振止規制部56をV字形に形成することにより、振止規制部56の案内作用でストライカ44のフック金具48を機構本体部52のラッチ溝部55へ確実に挿入できるとともに、V字形の振止規制部56によりストライカ44の振止斜面部46を抑えることで、ドアパネル20の振動を確実に防止できる。
【0046】
このように、ドアパネル20に直接装着する制振装置70に加えて、開閉用のラッチ装置42の中にも上下の振止斜面部46および振止規制部56からなる制振装置を有する構造により、ドアパネル20自体に装着する制振装置70の数を少なくできる。
【0047】
また、ドアパネル20の開閉方向の動きを規制する部分48,61と、上下方向の動きを規制する部分46,56とを、コンパクトに一体化でき、製造も容易にできる。
【0048】
次に、図12乃至図14に示された他の実施の形態を説明する。なお、図1乃至図4に示された実施の形態と同様の部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0049】
図14に示されるように、係合体としてのストライカ44aは、機体側のフレーム41に固定される取付板45の上下の平板部45aに、この平板部45aからラッチ機構部側にV字状に膨出形成された一方の振止係合部46Aが溶接付けされている。この振止係合部46Aには、上下の振止斜面部46aと、これらの振止斜面部46a間の先端平面部46bとが形成されている。
【0050】
この振止係合部46Aは、取付板45のヒンジ側に位置するが、取付板45の反対側であって、上下の平板部45a間にプレス成形された中央の凸板部45bには、丸形断面部材によりコ字形に成形された係止部としてのフック金具48が溶接付けされ、振止係合部46Aに隣接させて並設されている。
【0051】
このストライカ44aの取付板45の上下の平板部45aには、図14に示されるように横方向に細長く形成された長穴49がそれぞれ設けられ、これらの長穴49に挿入されたボルトにより、ストライカ44aが機体側のフレーム41に取付けられる。その際に、長穴49の範囲内でストライカ44aの位置を調整できる。
【0052】
図12および図13に示されるように、ラッチ機構部43aは、ドアパネル20に取付けられる取付板51に機構本体部52を構成する一対の本体プレート52a,52bが、それぞれボルト53およびナット54により取付けられ、この機構本体部52の本体プレート52a,52bには、ストライカ44のフック金具48と嵌合するラッチ溝部55がそれぞれU字形に切込み形成されている。
【0053】
フック金具48は、この機構本体部52のラッチ溝部55に挿入され、そのフック金具挿入動作に応じて閉じ作動したラッチプレート61により係止され、ドアパネル20の開閉方向の動きが規制される。
【0054】
一方、同様に取付板51に、上記機構本体部52と隣接させて別体の振止規制体56aが並設されている。すなわち、取付板51にボルトおよびナットにより1対の振止規制体56aが取付けられ、これらの振止規制体56aに、V形溝56bがそれぞれ上下方向に開口して設けられ、これらの各V形溝56bの開口側に他方の振止係合部としての複数の振止規制部56cがそれぞれV字形に一体形成されている。これらの振止規制部56cは、振止規制体56aの一部を外側へ折曲して形成する。
【0055】
ストライカ44aの複数の振止斜面部46aおよびラッチ機構部43aの複数の振止規制部56cは、それぞれ上下に配置され、上下の振止規制部56cは、ストライカ44の上下の振止斜面部46aと密着して機構本体部52の上下方向の振動を抑える。
【0056】
このように、ストライカ44aとラッチ機構部43aには、ドアパネル20の開閉方向の動きを規制する部分48,61と、上下方向の動きを規制する部分46a,56cとが、共通の取付板45,51上にそれぞれ並設されている。
【0057】
そして、サイドドア17のドアパネル20がフレーム41に向かって閉じられるときは、相対的にヒンジ側に位置する振止規制部56cが先ず振止斜面部46aに嵌合して、位置合わせがなされてから、ラッチ溝部55がフック金具48と嵌合して、ラッチプレート61により係止される。
【0058】
ラッチ機構部43aの上下の振止規制部56cと、ストライカ44aに設けられた上下の振止斜面部46aとの係合により、サイドドア17のドア荷重が支持されるとともに、ドアパネル20は、上下方向の振動を起こさないように規制される。
【0059】
したがって、図7に示されるように薄く形成されて軽量化を図れる内側板23と、厚く形成されて外側からの衝撃に対する強度を確保できる外側板21との間に充填された発泡材24により、ドアパネル20から発生する音を減衰させて、低騒音化を図ることができるとともに、ラッチ機構部43aとストライカ44aとの間での上下方向の振動を、上下の振止斜面部46aと上下の振止規制部56cとの係合により規制することでも、ドアパネル20から振動音が発生することを抑制して、低騒音化を図ることができる。
【0060】
このように、ドアパネル20に直接装着する制振装置70に加えて、開閉用のラッチ装置42の中にも上下の振止斜面部46aおよび振止規制部56cからなる制振装置を有する構造により、ドアパネル20自体に装着する制振装置70の数を少なくできる。
【0061】
また、ドアパネル20の開閉方向の動きを規制する部分48,61と、上下方向の動きを規制する部分46a,56cとを、共通の取付板45,51上に並設することで、コンパクトにまとめることができる。
【0062】
本発明は、油圧ショベルなどの作業機械のサイドドア、リアドアなどに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係るドア装置に設けられたラッチ装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同上ラッチ装置の結合状態を示す斜視図である。
【図3】同上ラッチ装置のラッチ機構部を示す斜視図である。
【図4】同上ラッチ装置の係合体としてのストライカを示す斜視図である。
【図5】同上ラッチ装置の装着状態を示す斜視図である。
【図6】同上ラッチ装置のラッチ機構部が装着されたドアパネルの外面図である。
【図7】図6のVII−VII線断面図である。
【図8】同上ラッチ装置のラッチ機構部が装着されたドアパネルの内面側の斜視図である。
【図9】同上ラッチ装置の結合前の状態を示す側面図である。
【図10】同上ラッチ装置の結合後の状態を示す側面図である。
【図11】本発明に係るドア装置を備えた作業機械の平面図である。
【図12】本発明に係るドア装置に設けられたラッチ装置のラッチ機構部の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図13】同上ラッチ装置のラッチ機構部の分解斜視図である。
【図14】同上ラッチ装置のストライカの他の実施の形態を示す斜視図である。
【図15】従来のドア装置を備えた作業機械の斜視図である。
【図16】従来のドア装置に設けられたラッチ装置のラッチ機構部を示す斜視図である。
【図17】従来のドア装置に設けられたラッチ装置のストライカを示す斜視図である。
【図18】従来のドア装置に設けられた上下振動規制手段を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
20 ドアパネル
41 フレーム
43,43a ラッチ機構部
44,44a 係合体としてのストライカ
45,51 取付板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームに対し開閉自在に取付けられたドアパネルと、
フレームよりドアパネルの開閉部側に突設された係合体と、
ドアパネルに設けられ係合体と係合してドアパネルの開閉方向および上下方向の動きを規制する係合解除可能なラッチ機構部と
を具備したことを特徴とするドア装置。
【請求項2】
係合体およびラッチ機構部は、
ドアパネルの開閉方向の動きを規制する部分に、上下方向の動きを規制する部分が、一体に設けられた
ことを特徴とする請求項1記載のドア装置。
【請求項3】
係合体およびラッチ機構部は、
ドアパネルの開閉方向の動きを規制する部分と、上下方向の動きを規制する部分とが、共通の取付板上に並設された
ことを特徴とする請求項1記載のドア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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