説明

ドップラレーダーに関する自動送信出力調整

本発明は、レーダー信号エミッタ102と、レーダー信号受信器103と、信号パターンマッチ部106と、送信出力調整器108とを有するドップラレーダー心臓センサに関する。信号パターンマッチ部106は、レーダー信号受信器102に接続され、受信されるレーダー信号105を解析し、受信されるレーダー信号と信号パターンとを比較し、受信されるレーダー信号と信号パターンの少なくとも1つとの間の十分に高い類似度を検出すると、対応する指示信号を出すよう構成される。送信出力調整器109は、レーダー信号エミッタ102及び信号パターンマッチ部106に接続される。この送信出力調整器は、信号パターンマッチ部が指示信号を出すまで、レーダー信号エミッタ102に供給される送信出力を徐々に修正するよう構成される。本発明は、対応する方法及びコンピュータプログラムにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドップラレーダー技術を用いて心臓運動を検出する分野に関する。より詳細には、本発明は、ドップラレーダー心臓センサとドップラレーダー心臓センサの送信出力を調整する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
心臓の活動及び健康状態を検出及び評価することは、医師及び一般的な健康専門家にとって共通する重要な作業である。これは、人間の心臓及び動物の心臓の両方にあてはまる。心臓活動の検出及び評価に関して、現在複数のオプションがある。ECG測定は、患者の電気心臓筋肉の励起性能を評価するための標準的なツールとして、パーソナルヘルスケアにおいて長い歴史を持つ。より最近の製品は、小さなハンドヘルドデバイスにおいて心拍変動を解析することにより、患者の心臓ストレスレベルにおける洞察を与える。今日でも、ECG(電気起動)の検出と心筋による機械的動作への変換とが同時に行われることは実現されていない。この同時性は、パーソナルヘルスケア(PHC)シナリオにおいてだけではく、臨床における広範囲な適用を可能にする。ECG情報と共に解析される機械的な心臓運動における問題は、心臓ストレス及び更に重篤な心血管状態に関連付けられる。ECGのQ波と大動脈弁開口との時間差として規定される、プレイジェクション期間が、心理学において精神的ストレスに対するインジケータであることがわかった(例えばH. Boudoulasらによる記事「Effect of increased Adrenergetic Activity on the Relationship Between Electrical and Mechanical Systole」、Circulation 64、No. 1、198参照。この開示は、完全に本書に含まれる。)。この期間は、特にパルス波方法論に基づく血圧測定に関して重要である。内部の機械的な器官運動の測定に関して、従来の技術は、超音波、インピーダンス・カルジオグラフィー、心音図検査、又はコンピュータ断層撮影(CT)及び磁気共鳴断層撮影(MRT)撮像モダリティである。これらの技術のほとんどは、非常に限定された数の場合におけるPHCアプリケーションでのみ適用可能である。MR及びCTといったものの中には、PHCアプリケーションにおいて全く適用できないものもある。超音波測定は通常、訓練された従事者が、超音波が体を透過することを可能にするウィンドウの1つを介してプローブを配置することを必要とする。インピーダンス・カルジオグラフィーは、患者胸郭上に複数の電極を配置することを必要とする。この配置は、素人には困難である。インテリジェント繊維を備える新しい方法が提案されているが、スポット測定に関してはまだ、実質的にかなりの努力が必要である。
【0003】
心音図検査は、医療コミュニティにおいて確立された技術であり、重態に関連付けられる雑音だけでなく、弁の開閉に関する情報を心臓音を介して提供する。実際には、マイクの配置がかなり困難であることが分かった。レーダー技術は、軍及びレスキュー用途における被験者の心拍及び呼吸レートの遠隔監視のため、広範囲に研究された。更に、体内の導電性境界層での反射の検出を介して、電磁(EM)波が、内部の器官運動の位置合わせを可能にする。我々は、パルス通過時間測定に適した心拍、呼吸、血管膨張、及びより洗練された心臓運動位相が検出されることができることを既に示した(例えば本発明者J. Muehlsteff達による公開記事「The use of a two channel Doppler Radar Sensor for the detection of heart motion phases」、2006 、IEEE EMBC 2006、議事録、参照)。本書は、本発明者らにより公表された上述の記事に記載されるように、以前Infineonから入手可能であった例えばタイプKMY24のドップラレーダーセンサの使用に関する。J. Muehlsteffらによる記事「The use of a two channel Doppler Radar Sensor for the detection of heart motion phases」2006、IEEE EMBC 2006、議事録、の全体は、本書において参照により含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドップラレーダーセンサが異なる被験者の心臓測定に使用されるとき、発生する問題の1つは、体の寸法及び脂肪組織の層の厚みにおける差である。体組織は、電磁波に対して高い吸収係数を持つ。従って、特に重量超過の及び肥満した被験者に対して、受信されるドップラレーダー信号はかなり減衰される。送信出力における増加は、この減衰を補償することになり、信頼性が高い診断可能な信号を得るために必要とされる。しかしながら、あまりに多く出力を増加させることは、センサの感度をあまりにも上げることになり、関心領域の外側の運動からのアーチファクトをもたらすことになる。更にバッテリ供給される用途では、不必要な高出力消費は、回避されるべきである。
【0005】
本願は、可能な最低の電磁放射線レベル及び送信出力で最大限の信号品質を得るために用いられることができる2つの実施形態を表す。それは、心臓信号が認識されるまで送信出力を増加させるか、又は送信出力を最適な値に調整するため外部の既知の運動を利用する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
所望の信号品質を得るのに適した態様で、しかしそれよりは高くなく、即ち必要以上に高くない態様で、送信出力を適合させるドップラレーダー心臓センサを実現することが望ましい。この戦略は、電力を節約する。これは、バッテリ駆動セットアップにおいて興味深い。同時に、十分な信号品質を維持しつつ、電磁放射線に対する患者の露出が最小化される。ドップラレーダー心臓センサが患者の物理的特性を考慮に入れることを可能にすることも望ましい。これらの関心事の1つ又は複数に更に好適に対処するため、本発明の第1の側面では、レーダー信号エミッタと、レーダー信号受信器と、信号パターンマッチ部と、送信出力調整器とを有するドップラレーダー心臓センサが与えられる。信号パターンマッチ部は、レーダー信号受信器に接続され、受信されるレーダー信号を解析するよう構成される。信号パターンマッチ部は、受信されるレーダー信号と信号パターンとを比較し、受信されるレーダー信号と信号パターンのうちの少なくとも1つとの間の十分に高い類似度を検出すると、対応する指示信号を出すよう構成される。送信出力調整器は、レーダー信号エミッタ及び信号パターンマッチ部に接続される。信号パターンマッチ部が指示信号を出すまで、送信出力調整器は、レーダー信号エミッタに供給される送信出力を徐々に修正するよう構成される。
【0007】
レーダー信号受信器は、アンテナ及び増幅器を有することができる。更に、レーダー信号受信器は、放出されるレーダー信号と受信されるレーダー信号との間の周波数シフトの量を決定するドップラー解析部を有することができる。レーダー信号エミッタは、アンテナ及び調整可能な増幅器を有することができる。
【0008】
心拍信号と他のソースから生じる信号とを確実に区別することができるドップラレーダー心臓センサを提供することが更に望ましい。ある実施形態において、この関心事は、典型的な心拍信号の特性と受信されるレーダー信号の特性とを比較する信号パターンマッチ部により処理される。心拍及び検出された運動の形状は、斯かる特性の例である。
【0009】
更に心臓活動に対応することが分かっている信号と受信されるレーダー信号とを直接比較する能力を持つドップラレーダー心臓センサを提供することが望ましい。心臓活動に対応することが分かっているこれらの信号は、予め記録されることができる。この記録は、可能であれば、複数のタイプの患者(身長、年齢、性別、健康状態、、...)及び複数のレベルの患者活動(休息している、歩いている、運動している、...)をカバーする。
【0010】
更に、較正を提供することにより最適な送信出力設定の決定を支援することが望ましい。ある実施形態において、この関心事は、レーダー信号受信器のカバーエリアにおいて、既知の較正運動についてのドップラレーダーセンサ検出信号を有する信号パターンにより処理される。ドップラレーダーセンサは、そのカバーエリアにおける運動に反応する。既知の較正運動の特性の少なくともいくつかは、事前に分かる。従って、受信されるレーダー信号に対する貢献、及び/又は放出されたレーダー信号と受信されるレーダー信号との間の比較から生じる信号を特定することは、かなり簡単な作業である。
【0011】
較正運動の特性に対する直接的なアクセス及び/又は制御のため、較正運動を実行することができるドップラレーダー心臓センサを提供することも望ましい。ある実施形態では、この関心事は、既知の較正運動を生成するため、移動物体を有するドップラレーダー心臓センサにより処理される。ドップラレーダー心臓センサの主要素と移動物体との間の物理接続は必要でない点に留意されたい。
【0012】
更に、受信信号の後続の解析にとって十分となる標準的な信号品質を得るため、その送信出力を調整することができるドップラレーダー心臓センサを提供することが望ましい。信号品質を表す又は示す基準を用いて、観測される信号品質を標準的な信号品質にマッチさせることが更に望ましい。ある実施形態では、これら及び他の関心事は、前の較正セッションの較正信号品質測定に関するメモリを更に有するドップラレーダー心臓センサにより処理される。この場合、信号パターンマッチ部は、現在の信号品質を決定し、現在の品質測定が較正信号測定に等しいか又はこれより良好であるとき、送信出力調整器は送信出力を修正するのを止める。
【0013】
受信されるレーダー信号において検出可能な心臓信号の有無を決定するとき、他の情報ソースからの情報を使用することができるドップラレーダー心臓センサを提供することも望ましい。ある実施形態では、この関心事は、信号パターンマッチ部に接続される心電図信号インタフェースを更に有するドップラレーダー心臓センサにより処理される。この場合、信号パターンマッチ部は、心電図インタフェースを介して提供される信号と受信されるレーダー信号とを比較する。
【0014】
上記のドップラレーダー心臓センサの他に、このセットアップの消費電力が必要以上に高くなく、電磁放射線に対する患者の露出が最小化され、一方で十分な信号品質が維持されるという態様で、送信出力を適合させるドップラレーダー心臓センサの送信出力を調整する方法を実現することが望ましい。この方法が患者の物理的特性を考慮に入れることも望ましい。これらの関心事の1つ又は複数に更に好適に対処するため、本発明の第2の側面においては、ドップラレーダー心臓センサの送信出力を調整する方法が与えられ、この方法は、
a)ドップラレーダーを送信するステップと、
b)受信されるレーダー信号を受信するステップと、
c)上記受信されるレーダー信号を解析するステップと、
d)上記受信されるレーダー信号と信号パターンとを比較するステップと、
e)上記比較ステップが、上記受信されるレーダー信号と上記信号パターンのうちの少なくとも1つとの間の十分高い類似度を示す場合、調整のため上記方法を停止するステップ、又は上記送信出力を徐々に修正することにより上記送信出力を調整し、ステップa〜e)を繰り返すステップとを有する。
【0015】
時間スケジュール(例えば10秒に1回)に基づき、オペレータ相互作用に基づき、又は動作の間の受信されるレーダー信号の進行中/間欠的な解析に基づき、上記停止後、この方法が再び呼び出されることができる点に留意されたい。
【0016】
更に、害を与える可能性のある送信出力の設定を回避する送信出力調整に関する方法を提供することが望ましい。ある実施形態では、この関心事は、送信出力を調整するステップが、低レベルから十分に高い類似度が検出されるレベルまで送信出力を徐々に増やすステップを有することで処理される。
【0017】
信号品質における変化に反応し、必要な信号品質と消費電力との間の合理的な妥協が実現されることができるよう、送信出力を調整する、送信出力調整のための方法を提供することも望ましい。これは、電磁放射線に対する患者の露出が必要とされるより高くはないという追加的な利点を持つ。ある実施形態では、これらの関心事は、送信出力を調整するステップが、受信されるレーダー信号と信号パターンのうちの少なくとも1つとの間の類似度が許容可能な最小値を持つレベルへと前の高レベルから送信出力を徐々に減少させるステップを有することで処理される。
【0018】
更に、心拍信号と他のソースから生じる信号とを確実に区別することができる送信出力調整に関する方法を提供することが望ましい。ある実施形態では、この関心事は、受信されるレーダー信号と信号パターンとを比較するステップが、受信されるレーダー信号の特性と典型的な心臓信号の特性とを比較するステップを有することで処理される。
【0019】
較正を提供することにより最適な送信出力設定の決定を容易にする送信出力調整に関する方法を提供することも望ましい。ある実施形態では、この関心事は、この方法が、ドップラレーダー心臓センサのカバーエリアにおいて既知の較正運動を実行する移動物体を配置するステップを更に有することで処理される。
【0020】
更に、受信信号の後続の解析にとって十分となる標準的な信号品質を得ることができる送信出力調整に関する方法を提供することが望ましい。更に信号品質を表す又は示す基準を用いて、観測された信号品質を標準的な信号品質にマッチさせることが望ましい。ある実施形態において、これら及び他の関心事は、この方法が、動作a)の前に、較正信号測定を決定するため、較正物体と予め選択された送信出力とを用いて、上記ドップラレーダー心臓センサを較正するステップを更に有することで処理される。この較正信号測定は、動作e)における信号パターンの1つを表す。
【0021】
受信されるレーダー信号において検出可能な心臓信号の有無を決定するとき、他の情報ソースからの情報を使用することができる送信出力調整に関する方法を提供することも望ましい。ある実施形態では、この関心事は、この方法が、更に、上記心臓の電気的活動に対応する心電図信号を受信するステップと、上記受信されるレーダー信号が、上記心臓の上記電気的活動によりもたらされる心拍に対応するかどうかを決定するため、上記心電図信号と上記受信されるレーダー信号とを比較するステップとを有することで処理される。
【0022】
更に、ドップラレーダー心臓センサに関して最適な送信出力設定を見つけ出すことを支援するコンピュータプログラムを実現することが望ましい。この関心事及び可能な他の関心事により好適に対処するため、本発明の第3の側面では、プロセッサが上記方法を実行することを可能にするコンピュータプログラムが与えられる。
【0023】
異なる技術的特徴は、任意に組み合わせられることができ、斯かる組合せは、共に開示される。特に、しかし、排他的にではなく、ドップラレーダー心臓センサは、レーダー信号エミッタと、レーダー信号受信器と、信号パターンマッチ部と、送信出力調整器と、既知の較正運動を生成する移動物体と、較正信号品質測定に関するメモリと、心電図インタフェースとの任意の組合せを有することができる。ドップラレーダー心臓センサの送信出力を調整する方法に関して、上述された動作の任意の組合せが可能であり、共に開示される。特に、しかし排他的にではなく、
ドップラレーダー信号を送信するステップと、
受信されるレーダー信号を受信するステップと、
受信されるレーダー信号を解析するステップと、
受信されるレーダー信号と信号パターンとを比較するステップと、
比較ステップが、受信されるレーダー信号と信号パターンのうちの少なくとも1つとの間の十分高い類似度を示す場合、調整のためこの方法を停止するステップ、又は送信出力を徐々に修正することにより送信出力を調整し、以前のステップを繰り返すステップと、
低レベルからあるレベルまで送信出力を徐々に増やすステップと、
受信されるレーダー信号と信号パターンのうちの少なくとも1つとの間の類似度が許容可能な最小値を持つレベルへと前の高レベルから送信出力を徐々に減少させるステップと、
受信されるレーダー信号の特性と許容可能な最小値を持つ上記信号パターンのうちの少なくとも1つとを比較するステップと、
ドップラレーダー心臓センサのカバーエリアにおいて既知の較正運動を実行する移動物体を配置するステップと、
較正信号測定を決定するために較正物体と予め選択された送信出力とを用いてドップラレーダー心臓センサを較正するステップと、
心臓の電気的活動に対応する心電図信号を受信し、受信される信号が心臓の電気的活動によりもたらされる心拍に対応するかどうかを決定するため、心電図信号と受信されるレーダー信号とを比較するステップとのうち2つ又はこれ以上が組み合わされることができる。
【0024】
様々な実施形態が、以下の問題の1つ又は複数を解決することができる。
ドップラレーダーセンサを用いるとき、消費電力と電磁放射線に対する患者の露出とを最小にしつつ信号品質を最大化すること。
外部のノイズ源の影響を最小化すること。
患者の胸郭特性(寸法、脂肪)に対して放射線出力を適合させること。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態の概略的なブロックダイアグラムを示す図である。
【図2】心拍が見えない状態の、時間に対する受信レーダー信号のダイアグラムを示す図である。
【図3】心拍が見える状態の、時間に対する受信レーダー信号のダイアグラムを示す図である。
【図4】本発明のある実施形態による方法のフローチャートを示す図である。
【図5】本発明の別の実施形態による方法のフローチャートを示す図である。
【図6】スリムな人に関する信号品質と送信出力との間の関係を説明するダイアグラムを示す図である。
【図7】肥満の人に関する信号品質と送信出力との間の関係を説明するダイアグラムを示す図である。
【図8】本発明の実施形態の概略的なブロックダイアグラムを示す図である。
【図9】較正のための、ドップラレーダー心臓センサ、患者及び移動物体の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明のこれらの及び他の態様が、以下に説明される実施形態より明らとなり、これらの実施形態を参照して説明されることになる。
【0027】
図1は、本発明の実施形態の概略的なブロック図を示す。ドップラレーダー心臓センサ100は、ドップラレーダー信号エミッタ102及びドップラレーダー信号受信器103を有する。動作の間、ドップラレーダー信号エミッタ102は、人間又は動物の胸部の方向にレーダー信号104を放出する。人間の胸部が、患者の皮膚124、体組織123及び心臓122を備える概略的な表示において説明される。心臓122は、皮膚124の下の特定の深さにあり、この深さは、図1において文字dにより示される。心臓深さdは、患者毎に明らかに異なるとすることができる。スリムな人にとって、深さdはかなり小さい。一方、大きい人又は肥満の人にとって、dは比較的高い値を取ることができる。
【0028】
電磁波の伝搬特性は、異なる体組織において明らかに変化する。2.4GHzの周波数において、以下の特性が関連する。
【表1】

【0029】
ドップラレーダーセンサが異なる被験者の胸郭測定に使用されるとき、発生する問題の1つは、体寸法及び体組織層の厚みにおける差である。複数の体組織は、電磁波に対して高い吸収係数を持つ。従って、特に重量超過の及び肥満した被験者に対して、受信されるレーダー信号105は、かなり減衰される。送信出力における増加は、この減衰を補償し、信頼性が高い診断可能な信号を得るために必要とされることになる。
【0030】
しかしながら、体組織の薄い層を持つ被験者(スリムな又は重量不足の被験者)に対して、増加された送信は、小さいがドップラレーダー心臓センサの撮像野に含まれる、望ましくない器官運動又は体周辺での他の運動の検出に関するレーダーセンサの感度も増加させる。これは、スリムな被験者の場合、肥満した被験者の場合よりもかなり小さな出力でドップラレーダー心臓センサを作動させることが可能であることを意味する。本当に必要とされる量に基づき送信出力を自動的に調整することは、電力を節約するのに役立つ。これは、特に、セットアップがバッテリから電力供給されるような場合に興味深い。更に、患者の安全性は、医療システムにおいて重要な問題である。電磁放射線の安全に関する懸念が存在する。ドップラレーダーセンサが心臓又は胸郭測定に関して使用される場合、電磁放射線は、体組織により送信及び吸収される。この吸収の効果は、慎重に調査中である。
【0031】
ドップラレーダー心臓センサは、放出されるレーダー信号104と受信されるレーダー信号105との間の周波数シフトの量を決定するドップラレーダー・アナライザ101を有することもできる。撮像野における周波数シフトの決定された量から、ドップラレーダー・アナライザ101は、撮像野における移動物体、及び動きの程度/強度を決定することができる。ドップラレーダー・アナライザは、レーダー信号受信器103の一部とみなされることができるが、分離しているものと考えられることもできる。
【0032】
ドップラレーダー・アナライザ101は、解析結果に対応する信号をドップラレーダー・アナライザ101から受信する信号パターンマッチ部106に接続される。図1における挿入図は、1次元時間可変信号sとして例示的な解析結果を説明する。信号パターンマッチ部106は、典型的な心臓運動に対応する予め記録されたテンプレート信号を含む信号パターンストレージ107に接続される。信号マッチは例えば、解析結果sと信号パターンストレージ107に格納される複数の信号との間の相互相関を実行することにより、実行されることができる。
【0033】
出力側において、信号パターンマッチ部106は、送信出力調整器108に接続される。信号パターンマッチ部106と送信出力調整器との間で交換される信号は、例えば得られた送信出力が十分であるかどうか、あまりに低すぎないかどうか、又はあまりに強すぎないかどうかを示すことができる。この情報に基づき、信号出力調整器108は、例えば送信出力増幅器109の動作パラメータを変化させることにより、送信出力を維持、増加又は減少させる。別のオプションは、デジタル/アナログ変換器の動作パラメータを変化させる、又は適切なスイッチングによりレジスタを挿入若しくはバイパスすることである。
【0034】
出力増幅器109は、ドップラレーダー心臓センサ100のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ110に対してその入力の一つで接続される。マイクロプロセッサ110は、ドップラレーダー心臓センサ100の動作を制御する。出力増幅器109の別の入力は、例えばスイッチモードの電源又はバッテリといった電源111に接続される。
【0035】
出力増幅器109の出力は、レーダー信号エミッタ102に接続される。レーダー信号エミッタ102は、ドップラレーダー心臓センサ100に関して選択された動作モードに基づき、バースト状に又は連続的な態様で電源を用いて供給される。
【0036】
図2は、目に見える心拍のない、時間に対する受信レーダー信号の図を示す。これは、送信出力があまりに弱いことを示すものとして解釈されることができる。しかしながら、目に見える心拍がない状態は、ドップラレーダー心臓センサを間違った場所に配置することにより又は要素の故障によりもたらされる可能性もある。ドップラレーダー心臓センサが正しくかつ動作可能に使用されると仮定すると、図2に示される信号は、信号パターン・アナライザ108(図1参照)により「送信出力があまりに低い」と解釈される。図2では、送信出力がまだあまりに低く、心臓信号がセンサによりピックアップされることはない。なぜなら、電磁放射線は、センサと心臓壁との間の体組織に完全に吸収されるからである。
【0037】
図3は、図2に類似する。しかし、図3では、目に見える心臓信号が存在する。目に見える心臓信号は、およそ心臓の収縮運動に対応する。心臓信号の1つの特性は、その周波数である。人間の心臓は通常、1分間に50〜200回拍動する。こうして、サイクル時間は、0.3〜1.2秒の間である。この情報は、受信されるレーダー信号に含まれる心臓信号を区別するために用いられることができる。図3は、センサと心臓壁との間の体組織を透過するよう、送信出力が十分に増加される場合を示す。プリセットされていた信号品質レベルに達するまで、送信出力が増加される。これは、別の患者に関する許容可能な信号品質を持つ基準測定を用いてプリセットされることができる。
【0038】
図4は、第1の実施形態による方法のフローチャートを示す。この方法は、動作401で始まる。動作402において、送信出力は、ゼロにセットされる。即ち、「PWR=0」である。送信出力は、動作403において特定の量デルタ分増加される。即ち、「PWR=PWR+DELTA」となる。動作404において、受信されるレーダー信号の解析が実行されることができる。この解析に基づき、心拍が検出されることができるかどうかが決定される。検出されない場合、この方法は、送信出力を更に増加させるために、動作403に戻る。動作404において心臓ビートが検出されることができる場合、心臓運動の実際の測定が、動作405において開始される。この方法は、動作406で終わる。
【0039】
動作403と404との間のループが、被験者の体寸法に基づき、ドップラレーダー信号の送信出力を能動的に調整する。2つの最適化動作が可能である。1つの最適化は、他のデバイス又は追加的なハードウェアを患者に付ける必要なしに、多くの異なる被験者及び体形状から信号を得ることである。この場合、この信号品質は、ユーザによりセットされる信号品質のレベルに維持される。第2の最適化は、最適な信号対ノイズ比に関するものである。この場合、1つ又は複数の追加的な既知の移動物体が、既知の「ノイズ」として患者に付けられ、ノイズが最小限であり、心臓からの受信信号が最大であることが確実にされる。
【0040】
図4に表されるシナリオにおいて、送信出力は、0から、心臓ビート信号が確実に検出されることができるある値へと徐々に増やされる。この戦略は、心拍信号が多くの異なる被験者及び体形状から得られることを確実にする。心臓信号は、その特性を利用することにより検出される。心臓信号は通常、1分間に50〜180回又は0.8〜3Hzの周波数範囲を持つ。使用されることができる心臓の拍動は更に、典型的な形状又はサイクルを持つ。Muehlsteffらによる上述の記事において説明されるように、心臓サイクルにおける典型的な特性点は、心拍信号を特定するために用いられることができる。これらの特性を使用することにより、周囲の運動の信号と心臓の壁から生じる信号とを区別することが可能である。ドップラレーダーセンサがECG測定と結合して使用される場合、心拍は、ECG測定から抽出されることができ、及びドップラー信号出力における既知の心拍信号を見つけるために使用されることができる。
【0041】
この方法は、その間に発生したかもしれない変化(例えばドップラレーダー心臓センサの測定位置における変化によるもの)に対して送信出力設定を調整するため、測定の間、再び呼び出されることができる。その場合、動作402はスキップされることができ、この方法は現在の送信出力設定で始まる。
【0042】
図5は、第2の実施形態による方法のフローチャートを示す。この方法は、動作501で始まる。送信出力は、動作503においてゼロにセットされ、「PWR=0」であり、その後、特定の量分増加され、「PWR=PWR+DELTA」となる。次に、信号品質基準SCが測定される。信号品質基準SCMEASの測定値は、信号品質基準SCTHRSの閾値と比較される。分岐点505において、受信信号が十分に強いことを示す結果をこの比較がもたらすと決定される場合、心臓運動の実際の測定が、動作506において実行される。そうでない場合、この方法は動作503へ分岐し、送信出力は更に増加される。この方法は、動作507で終わる。
【0043】
脂肪及び筋肉組織の層を透過するには送信出力があまりに低い限り、心臓信号は検出可能でないことになり、送信出力が増加されなければならない。心臓信号が確実に検出されることができるとすぐに、送信出力の正しいレベルが達せられ、追加的なノイズ信号を回避するためそれ以上送信出力は増加されることはない。心臓信号の信頼性の高いかつ必要とされる品質が達せられるときの基準は、アプリケーション要件に基づき、ユーザ又は他の誰かによりセットされることができる。測定はスリムな人に対して実行されることができ、その測定から、信号品質がセットされることができる。
【0044】
図6は、図5において述べられた信号品質基準と送信出力Pとの間の関係を説明する図を示す。図6において、この関係は、スリムな人に関して表される。即ち、患者の胸部を通り進行する間、放出されるレーダー信号と受信されるレーダー信号とがわずかにだけ減衰される。
【0045】
大雑把にいうと、図6及び図7おいて4つの主領域IからIVが、区別されることができる。領域Iにおいて、送信出力は、非常に低いため、放出される、又は少なくとも反射される信号は、体組織内で吸収される。こうして、何の信号も検出可能ではなく、信号品質基準SCは非常に低い。領域IIでは、放出された信号が心臓に達し、この信号は心臓により実際に反射される。しかしながら、受信信号は、信頼性が高い検出のためにはまだあまりに弱い。にもかかわらず、信号品質基準SCの急峻な増加が、領域IIにおいて観測されることができる。領域IIIは、放出された信号が十分に強く反射された信号を引き起こすほど十分強い最適な領域に対応する。しかしながら領域IVでは、ドップラレーダー心臓センサが、周囲の運動をあまりに多くピックアップし始めることができる。これは、信号品質及び信号対ノイズ比の低下をもたらす場合がある。従って、図6及び図7に表される曲線は、この領域において再度実際に減少することができる。
【0046】
図6を参照すると、送信出力は、最小であるが、十分な送信出力を表す予め選択された値Pe,0にセットされる。スリムな人に対しては、受信される心臓信号が、良好な信号品質を持つであろうと仮定される。なぜなら、斯かる人間の胸部を通る経路において、信号の減衰が弱いからである。こうして、スリムな人に対して実行される較正セッションの間に、信号品質基準SCTHRに関する閾値が得られることができる。
【0047】
ここで図7に進むと、信号肥満の人に対する品質基準SCと送信出力Pとの間の関係が図示される。同じ信号品質を達成するために、より高い送信出力が必要とされることが分かる。即ち、この曲線は、右にシフトされ、及び広げられる。更に、この曲線は、より平坦になるかもしれない。なぜなら、皮膚と心臓との間の体組織においてより多くの吸収が行われるからである。SCTHRでの閾値信号品質に対応する信号品質が達成されることになる場合(スリムな人に関する較正セッションの間に決定される。図6参照。)、送信出力は値Pe,1であるよう選択されなければならない。
【0048】
図8は、別の実施形態によるドップラレーダー心臓センサのブロック図を示す。図1に関して図示及び説明された要素に類似する又は同一の要素は、同じ参照符号を持つ。この実施形態において、信号パターンストレージ107は、心電図信号に対する入力により置換される。心電図装置ECGは、2つ又はこれ以上の電極を介して患者の胸部に接続される。心電図装置ECGは、図8における挿入図で示される心電図信号を提供する。心電図信号は、ドップラレーダー心臓センサに提供され、信号パターンマッチ部106に内部的に転送される。信号パターンマッチ部106にとって、患者の心電図信号についての情報は、有益な情報である。なぜなら、この情報は、受信されるレーダー信号に含まれる心臓信号の検出を容易にするからである。特に、心電図信号は、心臓運動に対する信号のタイミング(通常、心電図信号よりわずかに遅れる)に関する良好な推定を提供することができる。追加的な実施形態において、ドップラレーダー心臓センサは、心電図装置に対する信号パターンストレージ107及び入力を両方有することができる。
【0049】
図9は、ドップラレーダー心臓センサ100、患者の胸部及び移動物体901の構成を示す。移動物体901は、較正運動を作成するため、周波数fで移動する。移動物体901は、移動物体901により実行される運動に関する正確な情報をドップラレーダー心臓センサに提供するため、同期接続SYNCによりドップラレーダー心臓センサ100に接続されることができる。しかし、これはオプションである。ドップラレーダー心臓センサ100と移動物体901との間の制御接続も、オプションである。図9から分かるように、ドップラレーダー心臓センサ100から放出されるレーダー信号は、患者の体を通過し、心臓122を横断する。送信出力が十分に強い場合、放出されたレーダー信号は、移動物体901が配置される患者の背部に到達する。移動物体901からの反射信号は、ドップラレーダー心臓センサの方向に反射される。図9の右側部分は、ドップラレーダー・アナライザ101により提供される解析された信号のスペクトルを示す。特徴的なピークが、周波数fで予想されることができる。較正運動の周波数が心臓信号の典型的な周波数をうまく上回るよう選択されるとき、受信信号における較正運動の貢献を減衰させるローパスフィルタLP、又は帯域通過フィルタが適用されることができる。代替的には、較正運動は、較正が成功した後スイッチオフされることができる。周波数fは、実際にはかなり高く、心臓周波数fの倍数でない。その結果、その反射された信号が、心臓信号とは区別されることができる。本実施形態において、送信出力は、移動物体の既知の周波数fがちょうど帯域フィルタ又はローパスフィルタを用いて受信信号から抽出されることができるというレベルまで増加される。感度は、ちょうどその物体に届き、それ以上遠くへは届かないようなものである。これは、心臓壁の反射からの非常に有益な信号品質を確実にする。一方、不必要な高い放射線レベルが回避され、同じく、患者の周りの他の物体からピックアップされる不必要な反射も回避される。
【0050】
図9のシナリオにおいて、送信出力は、所定の品質基準に基づき調整されるものではない。しかしながら、信号対ノイズ比は、センサの撮像野にあるかもしれない他の移動物体が、重要なノイズを引き起こさないような態様で最適化される。すると心臓の反射信号は、最大信号強度を持つ。このシナリオに対して、追加的な既知のノイズ源(移動物体)が、センサの撮像野に加えられる。そして、これらの既知の物体からの反射が、信号を明らかに乱すことがないよう、送信出力が調整される。このシナリオにおいて、送信出力は、心臓信号を得るよう十分高いが、高くすぎるものではない。これにより、センサの感度が許容できないレベルまで増加されることが回避される。
【0051】
本発明が図面及び前述の説明において詳細に図示され及び説明されたが、斯かる図示及び説明は、説明的又は例示的であると考えられ、本発明を限定するものではない。本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。例えば、レーダー信号が2.4GHzとは別の周波数で放出されるような実施形態において、本発明を作動させることが可能である。ドップラレーダーセンサは、大雑把にいってコンピュータ断層撮影又は磁気共鳴撮像から得られる画像に相当する、撮像野の2次元又は3次元画像を処理及び生成することができるかもしれない。レーダーエミッタ及びレーダー受信器は、単一の筐体にある必要はなく、別々とすることができる。更に、解析回路及び電源回路(出力増幅器109を含む)も、デスクトップ、スタンド等に配置されることができる別々の筐体に配置されることができる。図9において移動物体を説明するベンチレータは、例えば振り子又は発振する物体といった任意のタイプの移動物体とすることができる。
【0052】
本発明は、心臓のポンプ性能を評価するために機械的な心臓活動が測定されるすべての用途において使用されることができる。これは、ECGを用いて測定される電気励起と比較される追加的な情報である。用途としては、撮像システムにおけるゲート制御目的のためのセンサの使用を含む。そこでは、心臓のポンプサイクルにおける静止した位相が、検出されなければならない。本発明は、異なる寸法を持つ多くの異なる患者に対してレーダーセンサを使用することを可能にする。
【0053】
図面、開示及び添付の特許請求の範囲の研究から、開示された実施形態に対する他の変形が、請求項に記載された発明を実施する当業者により理解され及び実行されることができる。請求項において、単語「有する」は他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数性を除外するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項に記載される複数のアイテムの機能を満たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属項に述べられているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを意味するものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に又はその一部として供給される光学的記憶媒体又は固体媒体といった適切な媒体に格納/配布されることができるが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介してといった他の形式で配布されることもできる。請求項における任意の参照符号は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダー信号エミッタと、
レーダー信号受信器と、
前記レーダー信号受信器に接続される信号パターンマッチ部であって、受信されるレーダー信号を解析し、前記受信されるレーダー信号と信号パターンとを比較し、及び前記受信されるレーダー信号と前記信号パターンの少なくとも1つとの間の十分に高い類似度を検出すると、対応する指示信号を出すよう構成される、信号パターンマッチ部と、
前記レーダー信号エミッタ及び前記信号パターンマッチ部に接続される送信出力調整器であって、前記信号パターンマッチ部が前記指示信号を出すまで、前記レーダー信号エミッタに供給される送信出力を徐々に修正するよう構成される、送信出力調整器とを有する、ドップラレーダー心臓センサ。
【請求項2】
前記信号パターンマッチ部が、典型的な心拍信号の特性と前記受信されるレーダー信号の特性とを比較する、請求項1に記載のドップラレーダーセンサ。
【請求項3】
前記信号パターンが、心臓活動のドップラレーダーセンサ検出信号に対応する、請求項1に記載のドップラレーダー心臓センサ。
【請求項4】
前記信号パターンが、前記レーダー信号受信器のカバーエリアにおける既知の較正運動のドップラレーダーセンサ検出信号を有する、請求項1に記載のドップラレーダー心臓センサ。
【請求項5】
前記既知の較正運動を生み出す移動物体を更に有する、請求項4に記載のドップラレーダー心臓センサ。
【請求項6】
前の較正セッションの較正信号品質測定に関するメモリを更に有し、前記信号パターンマッチ部が、現在の信号品質を決定し、前記現在の信号品質測定が前記較正信号測定に等しいか又はこれより良好であるとき、前記送信出力調整器が、前記送信出力を修正するのを止める、請求項1に記載のドップラレーダー心臓センサ。
【請求項7】
前記信号パターンマッチ部に接続される心電図信号インタフェースを更に有し、前記信号パターンマッチ部が、前記心電図インタフェースを介して提供される信号と前記受信されるレーダー信号とを比較する、請求項1に記載のドップラレーダー心臓センサ。
【請求項8】
ドップラレーダー心臓センサの送信出力を調整する方法において、
a)ドップラレーダーを送信するステップと、
b)受信されるレーダー信号を受信するステップと、
c)前記受信されるレーダー信号を解析するステップと、
d)前記受信されるレーダー信号と信号パターンとを比較するステップと、
e)前記比較ステップが、前記受信されるレーダー信号と前記信号パターンのうちの少なくとも1つとの間の十分高い類似度を示す場合、調整のため前記方法を停止するステップ、又は前記送信出力を徐々に修正することにより前記送信出力を調整し、ステップa〜e)を繰り返すステップとを有する、方法。
【請求項9】
前記送信出力を調整するステップが、低レベルから、前記十分に高い類似度が検出されるレベルへと前記送信出力を徐々に増やすステップを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記送信出力を調整するステップが、前記受信されるレーダー信号と前記信号パターンのうちの少なくとも1つとの間の前記類似度が許容可能な最小値を持つレベルへと以前の高レベルから前記送信出力を徐々に減少させるステップを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記受信されるレーダー信号と前記信号パターンとを比較するステップが、典型的な心拍信号の特性を前記受信されるレーダー信号の特性とを比較するステップを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記ドップラレーダー心臓センサのカバーエリアにおいて既知の較正運動を実行する移動物体を配置するステップを更に有する、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
動作a)の前に、較正信号測定を決定するため、較正物体と予め選択された送信出力とを用いて、前記ドップラレーダー心臓センサを較正するステップを更に有し、
前記較正信号測定が、動作e)における前記信号パターンの1つを表す、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記心臓の電気的活動に対応する心電図信号を受信するステップと、前記受信されるレーダー信号が前記心臓の前記電気的活動によりもたらされる心拍に対応するかどうかを決定するため、前記受信されるレーダー信号と前記心電図信号とを比較するステップとを更に有する、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
プロセッサが請求項8に記載の方法を実行することを可能にする命令を有するコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−527588(P2011−527588A)
【公表日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517292(P2011−517292)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【国際出願番号】PCT/IB2009/052915
【国際公開番号】WO2010/004496
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】