ドメイン登録方法
【課題】下位ドメインに属するエンティティを上位ドメインに参加させる場合に、下位ドメインに属するエンティティを直接上位ドメインに参加させることは煩雑な処理を伴う。
【解決手段】ドメイン管理エンティティ1が管理するドメインD1に、ドメイン管理エンティティ2が管理するドメインD2を登録するドメイン登録方法において、ドメイン管理エンティティ1が、ドメインD1を識別するためのドメイン識別情報Did1をドメイン管理エンティティ2に送信し、ドメイン管理エンティティ2が、ドメインD2を識別するためのドメイン識別情報Did2をドメイン管理エンティティ1に送信し、ドメイン管理エンティティ2が、ドメイン識別情報Did1を、ドメインD2に登録されたドメインメンバ・エンティティ2−1に送信するようにした。
【解決手段】ドメイン管理エンティティ1が管理するドメインD1に、ドメイン管理エンティティ2が管理するドメインD2を登録するドメイン登録方法において、ドメイン管理エンティティ1が、ドメインD1を識別するためのドメイン識別情報Did1をドメイン管理エンティティ2に送信し、ドメイン管理エンティティ2が、ドメインD2を識別するためのドメイン識別情報Did2をドメイン管理エンティティ1に送信し、ドメイン管理エンティティ2が、ドメイン識別情報Did1を、ドメインD2に登録されたドメインメンバ・エンティティ2−1に送信するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツやサービスの不正な利用を防止するために用いられる、ドメイン管理におけるドメイン登録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多種多様なコンテンツやサービス(以下、コンテンツ等)が有償や無償により提供され、これの提供を受けた利用装置で利用者に利用させることが行われている。これにおいては、コンテンツ等の不正利用を防止する仕組みも重要となる。そこで、コンテンツ等の提供側が、コンテンツ等を利用させる利用装置に利用許諾を出し、この利用許諾を受けた利用装置のみが、コンテンツ等を利用することができるという管理方法が実用化されている。これにおいて、提供側から提供されるコンテンツ等を複数の利用装置が利用できるように、複数の利用装置を同一のドメインに含めておき、このドメインに対してコンテンツ等の利用許諾を与えるといった方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
この特許文献1には、同一のユーザが所有する複数の端末装置に対してグループを設定し、グループ毎にID及びグループ鍵を生成し、端末装置はライセンスを外部に出力する際にグループ鍵で暗号化することによりグループ内でライセンスを共有するという方法が記載されている。また特許文献2には、グループ形成管理システムにおいて、グループに属することのできるメンバ機器の最大数を制限する方法が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−169726号公報
【特許文献2】特開2004−120736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の方法によれば、グループに参加するそれぞれの端末装置には、グループ鍵を取得する必要が生じることとなり煩雑である。ここで、第2のグループに属する複数の端末装置を第1のグループに新たに参加させる場合に、第2のグループに属する端末装置それぞれが第1のグループに参加するのではなく、第2のグループが第1のグループに参加可能なようにすることが考えられるが、第1のグループから見た場合に、第2のグループにどのような端末装置が属しているかを正確に把握することができないという問題がある。これについて、例えば、特許文献2に記載されているように、グループに参加可能なメンバ機器(端末装置)の総数が指定されている場合には、第1のグループに参加した第2のグループに属している端末装置の数を把握するようなことはできない。
【0006】
また、特許文献1記載の方法においては、第2のグループが第1のグループに参加する前から第2のグループに属している端末装置は、オフラインになっているなどの理由で第2のグループが第1のグループに参加したことを通知されていない場合に、第1のグループのグループ鍵を有していないため、第1のグループに対して提供されているコンテンツ等を即座に利用することができない。
【0007】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、下位のドメインに属する1つ又は複数のエンティティを上位のドメインに参加させる場合に、下位のドメインを上位のドメインに参加させることにより、下位のドメインに属するエンティティを上位のドメインに登録することを簡便且つ適切に行うドメイン登録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下[1]〜[8]の手段を提供するものである。
[1] 第1のドメインを管理する第1のドメイン管理エンティティが、前記第1のドメインを識別するための第1のドメイン識別情報を、第2のドメインを管理する第2のドメイン管理エンティティに送信する第1ステップと、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信された第1のドメイン識別情報を受信して、前記第2のドメインを識別するための第2のドメイン識別情報を前記第1のドメイン管理エンティティに送信し、前記第1のドメインを前記第2のドメインの上位ドメインとして登録する第2ステップと、
前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信された第2のドメイン識別情報を受信して、前記第2のドメインを前記第1のドメインの下位ドメインとして登録する第3ステップと、
を有したことを特徴とするドメイン登録方法。
[2] 上記[1]記載のドメイン登録方法において、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記第2ステップにおいて受信した前記第1のドメイン識別情報と、前記第2のドメイン識別情報とをドメインメンバ・エンティティに送信する第4ステップと、
前記ドメインメンバ・エンティティが、前記送信された第1及び第2のドメイン識別情報をそれぞれ受信して、前記ドメインメンバ・エンティティを識別するためのエンティティ識別情報を前記第2のドメイン管理エンティティに送信する第5ステップと、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を前記第2のドメインに登録すると共に前記第1のドメイン管理エンティティに送信する第6ステップと、
前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を前記第1のドメインに登録する第7ステップと、
を更に有したことを特徴とするドメイン登録方法。
[3] 上記[1]記載のドメイン登録方法において、
前記第2ステップは、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信された第1のドメイン識別情報を受信して、前記第1のドメインが前記第2のドメインの上位ドメインとなるように登録ドメインリストに前記第1のドメイン識別情報を登録し、前記第2のドメイン識別情報を前記第1のドメイン管理エンティティに送信するようにし、
前記第3ステップは、前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信された第2のドメイン識別情報を受信して、前記第2のドメインが前記第1のドメインの下位ドメインとなるように、ドメインメンバリストに前記第2のドメイン識別情報を登録するようにした、
ことを特徴とするドメイン登録方法。
[4] 上記[2]記載のドメイン登録方法において、
前記第2ステップは、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信された第1のドメイン識別情報を受信して、前記第1のドメインが前記第2のドメインの上位ドメインとなるように登録ドメインリストに前記第1のドメイン識別情報を登録し、前記第2のドメイン識別情報を前記第1のドメイン管理エンティティに送信するようにし、
前記第3ステップは、前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信された第2のドメイン識別情報を受信して、前記第2のドメインが前記第1のドメインの下位ドメインとなるように、第1のドメインメンバリストに前記第2のドメイン識別情報を登録するようにし、
前記第6ステップは、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を第2のドメインメンバリストに登録すると共に前記第1のドメイン管理エンティティに送信するようにし、
前記第7ステップは、前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を前記第1のドメインメンバリストに、前記第2のドメイン識別情報と関連付けて登録するようにした、
ことを特徴とするドメイン登録方法。
[5] 上記[4]記載のドメイン登録方法において、
前記第6ステップは、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を前記第2のドメインメンバリストに登録すると共に、前記第2のドメインメンバリストに登録されたエンティティ識別情報の個数を前記第1のドメイン管理エンティティ送信するようにし、
前記第7ステップは、前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報の個数を受信して、このエンティティ識別情報の個数と、前記第1のドメイン管理エンティティが予め有している前記第1のドメインに登録可能なドメインメンバ・エンティティの最大登録数とを比較し、前記エンティティ識別情報の個数が前記最大登録数以下である場合のみ、前記第2のドメイン管理エンティティに対して登録許可を与えるようにした、
ことを特徴とするドメイン登録方法。
[6] 第1のドメインを管理する第1のドメイン管理エンティティが、前記第1のドメインの下位階層であってドメインメンバ・エンティティを登録メンバとした第2のドメインを管理すると共に前記ドメインメンバ・エンティティとの間の第1のレスポンス時間を記録した第2のドメイン管理エンティティに、レスポンス許容時間を送信する第1ステップと、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信されたレスポンス許容時間を受信して、前記第1のドメイン管理エンティティとの間の第2のレスポンス時間を測定し、前記記録された第1のレスポンス時間と前記測定された第2のレスポンス時間との合計と、前記受信したレスポンス許容時間とを比較する第2ステップと、
前記第1及び第2のレスポンス時間の合計が前記レスポンス許容時間よりも大きいとの比較結果の場合には、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記第2のドメインを前記第1のドメインに登録することを禁止するよう制御する第3ステップと、
を有したことを特徴とするドメイン登録方法。
[7] 第1のドメインを管理する第1のドメイン管理エンティティから供給されたレスポンス許容時間と、前記第1のドメイン管理エンティティとの間の第1のレスポンス時間とをそれぞれ有した、前記第1のドメインの下位階層である第2のドメインを管理する第2のドメイン管理エンティティが、前記第2のドメインのメンバであるドメインメンバ・エンティティとの間の第2のレスポンス時間を測定する第1ステップと、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記有した第1のレスポンス時間と前記測定された第2のレスポンス時間との合計と、前記有したレスポンス許容時間とを比較する第2ステップと、
前記第1及び第2のレスポンス時間の合計が前記レスポンス許容時間よりも大きいとの比較結果の場合には、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記ドメインメンバ・エンティティを前記第2のドメインに登録することを禁止するよう制御する第3ステップと、
を有したことを特徴とするドメイン登録方法。
[8] 第1のドメイン管理エンティティにより第1のドメイン識別情報を用いて管理される第1のドメインに、第2のドメイン管理エンティティにより第2のドメイン識別情報を用いて管理されると共に、エンティティ識別情報により識別されるドメインメンバ・エンティティが登録された第2のドメインが下位階層として登録される一方、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記第2のドメインが前記第1のドメインに登録されたことを前記ドメインメンバ・エンティティに通知していない場合であって、所定のドメイン識別情報が付与されたコンテンツ又はサービスを前記ドメインメンバ・エンティティに利用させる場合に、
前記ドメインメンバ・エンティティが、前記エンティティ識別情報を含むドメイン識別情報要求情報を前記第1のドメイン管理エンティティに送信する第1ステップと、
前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信されたドメイン識別情報要求情報を受信し、これに含まれた前記エンティティ識別情報が前記第1のドメインに登録されている場合には、前記第1のドメイン識別情報を前記ドメインメンバ・エンティティに送信する第2ステップと、
前記ドメインメンバ・エンティティが、前記送信された第1のドメイン識別情報を受信して、前記コンテンツ又はサービスに付与された前記所定のドメイン識別情報と比較する第3ステップと、
前記第1のドメイン識別情報と前記所定のドメイン識別情報とが同一であるとの比較結果の場合にのみ、ドメインメンバ・エンティティに前記コンテンツ又はサービスの利用を許可するよう制御する第4ステップと、
を有したことを特徴とするドメイン登録方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、下位のドメインである第2のドメインに登録されたドメインメンバ・エンティティ全てを上位のドメインである第1のドメインに登録させる場合に、ドメインメンバ・エンティティそれぞれを新たにドメイン登録させるのではなく、第2のドメインを第1のドメインに登録させることにより、一括して第2のドメインのドメインメンバ・エンティティを第1のドメインに登録させることができる。これにより、ドメインメンバ・エンティティの登録を簡便且つ適切に行うことができる。
【0010】
これに加えてさらに、本発明によれば、ドメインにドメインメンバ・エンティティを登録する際に、ドメインメンバ・エンティティの総数やネットワークレスポンス許容時間のドメインポリシが規定されている場合にも、階層的なドメイン構造の中でドメインポリシが正しく運用され、各ドメインに対して正当にライセンスされたコンテンツやサービスの許諾条件が守られ得るドメイン管理システムを実現することができる。
【0011】
これに加えてさらに、本発明によれば、以前から第2のドメインに登録されているドメインメンバ・エンティティは第1のドメイン管理エンティティに要求することで第1のドメイン識別情報を得ることができるため、第2のドメイン管理エンティティにはドメインの状態が更新されたことを問い合わせる必要がなく、これはドメインメンバ・エンティティが複数のドメインに属している場合に特に有効である。すなわち、ドメインメンバ・エンティティは、自身が属しているどのドメインが第1のドメインに新たに参加したのか全てのドメイン管理エンティティに問い合わせる必要がなく、第1のドメインに許諾されたコンテンツやサービスにアクセスした際に、そのコンテンツ等が許諾されている第1のドメイン管理エンティティに問い合わせるだけでそのコンテンツ等を利用することができる。したがって、エンティティ識別情報を、階層化されたドメイン管理エンティティ間で共有することで、ドメインの構成が変わったことを即時にドメインメンバ・エンティティに通知せずに、後からドメイン識別情報をドメインメンバ・エンティティに配布することができ、ドメインの階層化が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態においては、ドメイン管理エンティティが管理するドメインにドメインメンバ・エンティティを登録させる場合や、上位の位置付けである一方のドメイン管理エンティティが管理するドメインに下位の位置付けである他方のドメインを登録させる場合において、ドメイン管理エンティティ又は一方のドメイン管理エンティティが、自ドメインのドメイン識別情報を自ドメインに登録すべきドメインメンバ・エンティティや他方のドメイン管理エンティティに対して送信する手順と、ドメインメンバ・エンティティや他方のドメイン管理エンティティから送信されたエンティティ識別情報を受信する手順とによるハンドシェーク処理を実行することにより、ドメインメンバ・エンティティや他方のドメイン管理エンティティを自ドメインに登録する例について説明する。本実施形態ではこの一連の処理をドメイン登録処理という。
【0013】
まず、本実施形態において使用される用語を定義する。ドメインとは、同一のドメイン識別情報が与えられた構成要素(エンティティ)により構成されるグループを指すものである。ドメイン識別情報の異なる複数のドメインは、それらの関係において階層的な関係として管理されることとなる。エンティティには、ドメイン管理エンティティとドメインメンバ・エンティティとがある。ドメイン管理エンティティは、固有のドメイン識別情報によって識別されるドメインを管理するエンティティであり、そのドメインを構成するエンティティ、並びに、自ドメインに対して上位及び下位のドメインそれぞれのエンティティに係る各エンティティ識別情報を階層化して登録する機能を有している。ドメインメンバ・エンティティは、固有のエンティティ識別情報によって識別されるエンティティである。
【0014】
以下の各実施形態においては、ドメイン管理エンティティ及びドメインメンバ・エンティティを、物理的なエンティティであるドメイン管理装置及びドメインメンバ装置を例として説明する。
【0015】
<第1の実施形態>
図1に、本発明の第1の実施形態が適用されたドメイン管理システムの論理的な構成図の例を示す。同図に示すように、ドメイン管理システム100は、ドメイン登録の最終形として、ドメイン管理エンティティ1,2、及びドメインメンバ・エンティティ1−1,2−1により構成されるものである。そして、ドメインメンバ・エンティティ1−1は、ドメイン管理エンティティ1が管理するドメインD1に登録されるエンティティである。ドメインメンバ・エンティティ2−1は、ドメイン管理エンティティ2が管理するドメインD2に登録されるエンティティである。さらに、ドメイン管理エンティティ2及びドメインメンバ・エンティティ2−1は、ドメイン管理エンティティ1が管理するドメインD1に登録されるエンティティである。すなわち、ドメインD1はドメインD2の上位の階層に位置付けられる。
【0016】
ドメイン管理エンティティ1は、ドメインD1を識別するためのドメイン識別情報Did1を予め有している。同様に、ドメイン管理エンティティ2は、ドメインD2を識別するためのドメイン識別情報Did2を予め有している。また、ドメインメンバ・エンティティ1−1,2−1は、自エンティティを識別するためのエンティティ識別情報id1−1,id2−1をそれぞれ予め有している。
【0017】
ここで、図2に、図1のドメイン管理システム100に対応した物理的な構成図の例を示す。同図において、ドメイン管理システム100は、ドメイン管理エンティティ1,2がネットワーク30を介してそれぞれ接続されると共に、ドメインメンバ・エンティティ1−1,2−1がドメイン管理エンティティ1,2に双方向通信可能なようにそれぞれ接続されて構成される。ネットワーク30は、例えば、インターネットのようなWAN、LAN、又はホームネットワークが適用できる。また、ドメインメンバ・エンティティ1−1,2−1のドメイン管理エンティティ1,2への各接続は、ネットワーク接続であってもよいし1対1の双方向通信接続であってもよい。
【0018】
なお、ドメイン管理システム100の物理的な接続形態については、ドメイン管理エンティティ1とドメイン管理エンティティ2との間、ドメイン管理エンティティ1とドメインメンバ・エンティティ1−1との間、及び、ドメイン管理エンティティ2とドメインメンバ・エンティティ2−1との間のそれぞれにおいて、双方向通信が可能な接続となるものであればよい。したがって、例えば、ドメイン管理エンティティ1,2、及びドメインメンバ・エンティティ1−1,2−1が全てネットワーク30を介して接続される構成であってもよい。
【0019】
次に、本実施形態におけるドメイン登録処理について図1を参照して説明する。まず、ドメインD1をドメインD2の上位ドメインとして階層化させるにあたり、ドメイン管理ユーザによって、ドメイン管理エンティティ1又はドメイン管理エンティティ2に処理の開始が要求される。この処理の開始要求は、ユーザインタフェースを介した入力やネットワークを介したコマンド送受信等によることができる。
【0020】
(1)ドメインD2をドメインD1の下位ドメインにする処理と、ドメインメンバ・エンティティ1−1をドメインD1のエンティティ(ドメインメンバ)にする処理の開始をドメイン管理エンティティ1に要求した場合、ドメイン管理エンティティ1は、まずドメイン識別情報Did1をドメインメンバ・エンティティ1−1とドメイン管理エンティティ2とに対して送信する。次に、ドメイン識別情報Did1を受信したドメインメンバ・エンティティ1−1は、エンティティ識別情報id1−1をドメイン管理エンティティ1に対して送信する一方、ドメイン識別情報Did1を受信したドメイン管理エンティティ2は、ドメイン識別情報Did2をドメイン管理エンティティ1に対して送信する。これらのハンドシェーク通信の後、ドメイン管理エンティティ1は、ドメインメンバ・エンティティ1−1をドメインD1のドメインメンバとして、またドメインD2をドメインD1の下位ドメインとしてドメインD1に登録する。またドメイン管理エンティティ2は、ドメインD1をドメインD2の上位ドメインとしてドメインD2に登録する。
【0021】
(2)ドメインD1をドメインD2の上位ドメインにする処理の開始をドメイン管理エンティティ2に要求した場合、ドメイン管理エンティティ2は、ドメイン識別情報Did2をドメイン管理エンティティ1に送信する。次に、ドメイン識別情報Did2を受信したドメイン管理エンティティ1は、ドメイン識別情報Did1をドメイン管理エンティティ2に送信する。これらのハンドシェーク通信の後、ドメイン管理エンティティ1は、ドメインD2をドメインD1の下位ドメインとしてドメインD1に登録する。そして、ドメイン管理エンティティ2は、ドメインD1をドメインD2の上位ドメインとしてドメインD2に登録する。
【0022】
次に、階層化したドメインに対してドメインメンバ・エンティティを登録する場合について説明する。まず、ドメイン管理ユーザによって、ドメイン管理エンティティ2に、ドメインメンバ・エンティティ2−1がドメインD2のドメインメンバとなるための処理の開始が要求される。ドメイン管理エンティティ2は、ドメイン識別情報Did2と、ドメイン管理エンティティ1から送信されたドメイン識別情報Did1との両方を、自らの管理するドメインD2に登録すべきドメインメンバ・エンティティ2−1に対して送信する。次に、ドメイン識別情報Did1,Did2を受信したドメインメンバ・エンティティ2−1は、エンティティ識別情報id2−1をドメイン管理エンティティ2に対して送信する。次に、エンティティ識別情報id2−1を受信したドメイン管理エンティティ2は、ドメインメンバ・エンティティ2−1をドメインD2に登録し、エンティティ識別情報id2−1を自らの上位ドメインであるドメインD1のドメイン管理エンティティ1に対して送信する。次に、エンティティ識別情報id2−1を受信したドメイン管理エンティティ1は、ドメインメンバ・エンティティ2−1をドメインD1に登録する。
【0023】
なお、ドメインD1及びドメインD2を階層化する時点で、ドメインメンバ・エンティティ2−1がすでにドメインD2に登録された状態である場合は、ドメインD2をドメインD1に登録する際に次のように処理される。すなわち、ドメイン管理エンティティ1は、ドメイン識別情報Did1をドメイン管理エンティティ2に対して送信し、これを受信したドメイン管理エンティティ2はドメイン識別情報Did2をドメイン管理エンティティ1に対して送信する。そして、ドメイン管理エンティティ2は、自ら管理するドメインD2に属しているドメインメンバ・エンティティ2−1のエンティティ識別情報id2−1をドメイン管理エンティティ1に対して送信するとともに、ドメイン管理エンティティ1から受信したドメイン識別情報Did1をドメインメンバ・エンティティ2−1に送信する。次に、ドメイン管理エンティティ1は、これらのハンドシェーク通信の後、ドメインD2及びドメインメンバ・エンティティ2−1をドメインD1に登録する。
【0024】
<第2の実施形態>
図3に、本発明の第2の実施形態が適用されたドメイン管理システムの論理的な構成図の例を示す。同図に示すように、ドメイン管理システム300は、ドメイン登録の最終形として、ドメイン管理エンティティ1〜5,ドメインメンバ・エンティティ1−1,1−2,3−1,3−2,4−1,及び5−1により構成されるものである。ドメインメンバ・エンティティ1−1,1−2は、ドメイン管理エンティティ1が管理するドメインD1に登録されるエンティティであり、ドメインメンバ・エンティティ3−1,3−2は、ドメイン管理エンティティ3が管理するドメインD3に登録されるエンティティであり、ドメインメンバ・エンティティ4−1は、ドメイン管理エンティティ4が管理するドメインD4に登録されるエンティティであり、さらに、ドメインメンバ・エンティティ5−1は、ドメイン管理エンティティ5が管理するドメインD5に登録されるエンティティである。なお、ドメイン管理エンティティ2は、ドメインD2を管理するドメイン管理エンティティであるが、ドメインD2に登録されるドメイン管理エンティティ以外のドメインメンバ・エンティティはない。
【0025】
ドメイン管理エンティティ1は、ドメインD1を識別するためのドメイン識別情報Did1を予め有している。ドメイン管理エンティティ2〜5についても同様に、ドメイン識別情報Did2〜Did5をそれぞれ予め有している。また、ドメインメンバ・エンティティ1−1,1−2,3−1,3−2,4−1,及び5−1は、自エンティティを識別するためのエンティティ識別情報id1−1,id1−2,id3−1,id3−2,id4−1,及びid5−1をそれぞれ予め有している。
【0026】
また、図3に示すように、ドメイン管理エンティティ1〜5は、ドメイン情報記録部1a〜5aをそれぞれ備えている。これらのうち、ドメイン情報記録部1aを例としてそのデータ構成について説明すると、ドメイン情報記録部1aには、ドメイン登録処理によってドメインD1に登録される1つ又は複数のドメインメンバ・エンティティのエンティティ識別情報がドメインメンバリストML1として記録される。
【0027】
また、ドメインメンバリストML1には、ドメインD1よりも下位の階層に位置するドメインを管理するドメイン管理エンティティのドメイン識別情報も記録される。
【0028】
また別の例として、ドメイン情報記録部3aには、ドメインD3よりも上位の階層に位置するドメインD1,D2のドメイン識別情報Did1,Did2も登録ドメインリストDL3に記録される。なお、ドメイン情報記録部3aに、自ドメインのドメイン識別情報Did3をも予め記録するようにしてもよい。他のドメイン管理エンティティについても同様である。
【0029】
ここで、図4に、図3のドメイン管理システム300に対応した物理的な構成図の例を示す。同図において、ドメイン管理システム300は、ドメイン管理エンティティ1〜5がネットワーク30を介してそれぞれ接続されると共に、ドメイン管理エンティティ1には、ネットワーク31を介してドメインメンバ・エンティティ1−1,1−2がそれぞれ接続され、ドメイン管理エンティティ3には、ネットワーク32を介してドメインメンバ・エンティティ3−1,3−2がそれぞれ接続され、ドメイン管理エンティティ4には、ドメインメンバ・エンティティ4−1が双方向通信可能に接続され、ドメイン管理エンティティ5には、ドメインメンバ・エンティティ5−1が双方向通信可能に接続されて構成される。ネットワーク30は、例えば、インターネットのようなWANやLANであり、ネットワーク31,32はLANやホームネットワークである。そして、ドメインメンバ・エンティティ4−1,5−1の各接続は、ネットワーク接続や1対1の双方向通信接続等が適用できる。
【0030】
次に、本実施形態におけるドメイン登録処理について図3を参照して説明する。まず、ドメインD1にドメインメンバ・エンティティ1−1,1−2をドメインD1のドメインメンバとして、またドメインD3,D4をドメインD1の下位ドメインとして登録する。上述した第1の実施形態のように階層化するドメインの下位または上位のドメインに対して処理を要求することができるが、ここでは上位のドメインに処理を要求する場合について説明する。具体的に、ドメイン管理エンティティ1は、ドメイン識別情報Did1をドメインメンバ・エンティティ1−1,1−2,及びドメイン管理エンティティ3,4に対して送信する。一方、ドメインD2にドメインD3を登録させるために、ドメイン管理エンティティ2は、ドメイン識別情報Did2をドメイン管理エンティティ3に対して送信する。
【0031】
ドメイン識別情報Did1を受信したドメインメンバ・エンティティ1−1は、エンティティ識別情報id1−1をドメイン管理エンティティ1に対して送信し、ドメイン識別情報Did1を受信したドメインメンバ・エンティティ1−2は、エンティティ識別情報id1−2をドメイン管理エンティティ1に対して送信し、ドメイン識別情報Did1,Did2を受信したドメイン管理エンティティ3は、ドメイン識別情報Did3をドメイン管理エンティティ1,2に対してそれぞれ送信し、ドメイン識別情報Did1を受信したドメイン管理エンティティ4は、ドメイン識別情報Did4をドメイン管理エンティティ1に対して送信する。
【0032】
次に、ドメイン管理エンティティ1は、これらのハンドシェーク通信の後、受信したエンティティ識別情報id1−1,id1−2、及びドメイン識別情報Did3,Did4をドメイン情報記録部1aのドメインメンバリストML1に記録することにより、ドメインメンバ・エンティティ1−1,1−2,及びドメインD3,D4をドメインD1に登録する。
【0033】
一方、ドメイン管理エンティティ2は、上記ハンドシェーク通信の後、受信したドメイン識別情報Did3をドメイン情報記録部2aのドメインメンバリストML2(不図示)に記録することにより、ドメインD3をドメインD2に登録する。
【0034】
次に、ドメイン管理エンティティ3は、ドメイン管理エンティティ1,2からそれぞれ送信されたドメイン識別情報Did1,Did2を、ドメイン情報記録部3aの登録ドメインリストDL3に記録する。
【0035】
また、ドメインD3にドメインメンバ・エンティティ3−1,3−2、及びドメインD5を登録するために、ドメイン管理エンティティ3は、自エンティティのドメイン識別情報であるドメイン識別情報Did3と、自エンティティが登録されている上位ドメインであるドメインD1,D2のドメイン識別情報Did1,Did2とを、ドメインメンバ・エンティティ3−1,3−2,及びドメイン管理エンティティ5に対して送信する。
【0036】
次に、ドメイン識別情報Did1〜Did3を受信したドメインメンバ・エンティティ3−1は、エンティティ識別情報id3−1をドメイン管理エンティティ3に対して送信し、ドメイン識別情報Did1〜Did3を受信したドメインメンバ・エンティティ3−2は、エンティティ識別情報id3−2をドメイン管理エンティティ3に対して送信し、ドメイン識別情報Did1〜Did3を受信したドメイン管理エンティティ5は、ドメイン識別情報Did5をドメイン管理エンティティ3に対して送信する。
【0037】
次に、ドメイン管理エンティティ3は、これらのハンドシェーク通信の後、受信したエンティティ識別情報id3−1,id3−2、及びドメイン識別情報Did5をドメイン情報記録部3aのドメインメンバリストML3に記録することにより、ドメインメンバ・エンティティ3−1,3−2,及びドメインD5をドメインD3に登録する。
【0038】
そして、ドメイン管理エンティティ3は、ドメインメンバリストML3の全ての登録情報、又は更新された登録情報を、登録ドメインリストDL3に記録されたドメイン識別情報Did1,Did2に該当するドメイン管理エンティティ1,2に送信する。
【0039】
次に、ドメインメンバリストML3を受信したドメイン管理エンティティ2は、ドメインメンバリストML2に記録されたドメイン識別情報Did3に関連付けて、ドメインメンバリストML3をドメイン情報記録部2aに記録する。
【0040】
また、ドメインメンバリストML3を受信したドメイン管理エンティティ1は、ドメインメンバリストML1に記録されたドメイン識別情報Did3に関連付けて、ドメインメンバリストML3をドメイン情報記録部1aに記録する。
【0041】
一方、ドメイン管理エンティティ4は、ドメイン管理エンティティ1から送信されたドメイン識別情報Did1を、ドメイン情報記録部4aの登録ドメインリストDL4(不図示)に記録する。
【0042】
また、ドメインD4にドメインメンバ・エンティティ4−1を登録させるために、ドメイン管理エンティティ4は、自エンティティのドメイン識別情報であるドメイン識別情報Did4とドメイン識別情報Did1とを、ドメインメンバ・エンティティ4−1に対して送信する。
【0043】
次に、ドメイン識別情報Did1,Did4を受信したドメインメンバ・エンティティ4−1は、エンティティ識別情報id4−1をドメイン管理エンティティ4に対して送信する。
【0044】
次に、ドメイン管理エンティティ4は、これらのハンドシェーク通信の後、受信したエンティティ識別情報id4−1をドメイン情報記録部4aのドメインメンバリストML4(不図示)に記録することにより、ドメインメンバ・エンティティ4−1をドメインD4に登録する。そして、ドメイン管理エンティティ4は、ドメインメンバリストML4の全て又は更新された登録情報部分を、登録ドメインリストDL4に記録されたドメイン識別情報Did1に該当するドメイン管理エンティティ1に送信する。
【0045】
次に、ドメインメンバリストML4を受信したドメイン管理エンティティ1は、ドメインメンバリストML1に記録されたドメイン識別情報Did4に関連付けて、ドメインメンバリストML4をドメイン情報記録部1aに記録する。
【0046】
次に、ドメインD5にドメインメンバ・エンティティ5−1を登録するためにドメイン管理エンティティ5は、ドメイン管理エンティティ3から送信されたドメイン識別情報Did1〜Did3を、ドメイン情報記録部5aの登録ドメインリストDL5に記録し、自エンティティのドメイン識別情報であるドメイン識別情報Did5と、ドメイン識別情報Did1〜Did3とを、ドメインメンバ・エンティティ5−1に対して送信する。
【0047】
次に、ドメイン識別情報Did1〜Did3,及びDid5を受信したドメインメンバ・エンティティ5−1は、エンティティ識別情報id5−1をドメイン管理エンティティ5に対して送信する。
【0048】
次に、ドメイン管理エンティティ5は、これらのハンドシェーク通信の後、受信したエンティティ識別情報id5−1をドメイン情報記録部5aのドメインメンバリストML5に記録することにより、ドメインメンバ・エンティティ5−1をドメインD5に登録する。そして、ドメイン管理エンティティ5は、ドメインメンバリストML5を、登録ドメインリストDL5に記録されたドメイン識別情報Did1〜Did3に該当するドメイン管理エンティティ1〜3に送信する。
【0049】
次に、ドメインメンバリストML5を受信したドメイン管理エンティティ3は、ドメインメンバリストML3に記録されたドメイン識別情報Did5に関連付けて、ドメインメンバリストML5をドメイン情報記録部3aに記録する。
【0050】
次に、ドメインメンバリストML5を受信したドメイン管理エンティティ2は、ドメインメンバリストML2(不図示)に記録されたドメイン識別情報Did5に関連付けて、ドメインメンバリストML5をドメイン情報記録部2aに記録する。
【0051】
次に、ドメインメンバリストML5を受信したドメイン管理エンティティ1は、ドメインメンバリストML1に記録されたドメイン識別情報Did5に関連付けて、ドメインメンバリストML5をドメイン情報記録部1aに記録する。
【0052】
なお、本実施形態におけるドメイン登録処理では、ドメイン識別情報を上位のドメイン管理エンティティから下位のドメイン管理エンティティやドメインメンバ・エンティティに対して送信し、次にドメイン識別情報若しくはエンティティ識別情報、又はドメインメンバリストを上位のドメイン管理エンティティに送信するようにしたが、これらの処理の順序を入れ替え、先に下位のエンティティから上位のエンティティに対して送信を開始するようにしてもよい。その場合は、例えばドメインD3にドメインD5を登録した後に、ドメインD1にドメインD3を登録する。そして、登録ドメインリストDL3が更新されたときに、登録ドメインリストDL3の全て又は更新された登録情報部分を、ドメイン管理エンティティ3からドメイン管理エンティティ5に送信し、登録ドメインリストDL5を更新する、という順序で処理を行う。
【0053】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態が適用されたドメイン管理システムについて、第2の実施形態が適用されたドメイン管理システム300の論理的な構成図である図3を用いると共に、図5の第3の実施形態によるドメイン登録処理を説明するためのフローチャートを併せ参照して説明する。
【0054】
図3において、例えば、ドメイン管理エンティティ1〜3がそれぞれ管理するドメインD1〜D3にドメインメンバ・エンティティとして登録されているドメイン管理エンティティ5に、新たにドメインメンバ・エンティティ5−1の登録を行う場合について説明する。
【0055】
まず、ドメインメンバ・エンティティ5−1をドメイン管理エンティティ5が管理するドメインD5に登録すると、上位の階層にあるドメインD1〜D3のドメインメンバ・エンティティとして登録するために、ドメイン管理エンティティ5が登録されている全ての上位ドメインであるドメインD1〜D3に対してドメインメンバ・エンティティとして登録可能か否かの問い合わせを順次行う(S501 Yes→S502)。そして、問い合わせを受けたドメイン管理エンティティ1〜3は、ドメインメンバリストML1〜3に登録済みであるエンティティ識別情報の個数がドメインD1〜D3それぞれに固有に設定された最大ドメインメンバ数以下の場合にのみ、ドメイン管理エンティティ5のドメインD5にドメインメンバ・エンティティ5−1を登録させることを許可する(S502 Yes→S503)。それ以外(S502 No)は、登録を禁止する(S504)。
【0056】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態が適用されたドメイン管理システムについて、第2の実施形態が適用されたドメイン管理システム300の論理的な構成図である図3を用いると共に、図6の第4の実施形態によるドメイン登録処理を説明するためのフローチャートを併せ参照して説明する。
【0057】
本実施形態のドメイン管理システムは、ドメインメンバ・エンティティがドメインから脱退した後、ドメイン毎に設定されたドメインメンバ最小更新間隔よりも短い時間内に、上記脱退したドメインメンバ・エンティティが再度同一のドメインに参加しようとした場合にこれを禁止するものである。これは第3の実施形態において説明したようなドメインの登録できる最大ドメインメンバ数が設定されている場合に、この制限を不正に回避するために、ドメインを利用する度にドメインへの登録と脱退を繰り返すことを防止するためのものである。
【0058】
図3において、例えば、ドメイン管理エンティティ3が管理するドメインD3に登録されているドメインメンバ・エンティティ3−1が、ドメインD3から一旦脱退した後、再度ドメインD3に参加しようとした場合、上位のドメインであるドメインD1,D2のドメインメンバ・エンティティとして登録される際に、ドメイン毎に設定されているドメインメンバ最小更新間隔の条件を満たすために、ドメインD1,D2のドメインメンバ最小更新間隔がドメインD3のドメインメンバ最小更新間隔よりも大きい場合(S501 Yes→S502)に、ドメインD1,D2のドメインメンバ最小更新間隔の値をドメインD3のドメインメンバ最小更新間隔の値とする(S502 Yes→S503)ことで、最も厳しい条件であるドメインのドメインメンバ最小更新間隔に合わせたドメイン管理を行う。
【0059】
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態が適用されたドメイン管理システムについて、第2の実施形態が適用されたドメイン管理システム300の論理的な構成図である図3を用いると共に、図7の第5の実施形態によるドメイン登録処理を説明するためのフローチャートを併せ参照して説明する。
【0060】
本実施形態のドメイン管理システムにおいては、各ドメイン管理エンティティが、自ドメイン管理エンティティが管理するドメインにおけるドメインメンバ・エンティティから自ドメイン管理エンティティまでのネットワークレスポンス許容時間を設定している。そして、各ドメイン管理エンティティは、管理するドメインにおけるネットワークレスポンス許容時間を越えるネットワークにより接続されたドメインメンバ・エンティティの自ドメイン管理エンティティへの登録を禁止する処理を実行するものである。これは、ネットワークレスポンス時間に制限を加えることにより、遠隔地にあるドメインメンバ・エンティティをインターネットなどのネットワークを介してドメイン管理エンティティに接続した場合に、このドメインメンバ・エンティティをドメインメンバにしないという地理的に限定されたドメイン設定を行う場合に適している。
【0061】
本実施形態における図3において、例えば、ドメインメンバ・エンティティ5−1が登録されたドメインD5におけるドメイン管理エンティティ5のネットワークレスポンス許容時間が、ドメインD3を管理するドメイン管理エンティティ3のネットワークレスポンス許容時間よりも大きい場合、ドメイン管理エンティティ3は、ドメイン管理エンティティ5のドメインD3への参加を禁止する。
【0062】
なお、これに際して、ドメイン毎に設定されているネットワークレスポンス許容時間の条件を満たすために、下位ドメインが上位ドメインに登録される際(S701 Yes)に、上位ドメインのネットワークレスポンス許容時間が下位ドメインのネットワークレスポンス許容時間よりも小さい場合(S702 Yes)に、下位ドメインのネットワークレスポンス許容時間値を上位ドメインのネットワークレスポンス許容時間値にする(S703)ことで、最も厳しい条件となるネットワークレスポンス許容時間に合わせたドメイン管理を行うことができる。
【0063】
<第6の実施形態>
図8に、本発明の第6の実施形態が適用されたドメイン管理エンティティの論理的な構成のブロック図を示す。同図において、ドメイン管理エンティティ9は、自らの管理するドメインD9にn個(nは自然数)のドメインメンバ・エンティティ9−1をドメインメンバとして登録する際に、ドメインメンバリストML9にそのエンティティ識別情報id9−1を記録するとともに、レスポンス時間測定部9bによってドメイン管理エンティティ9とドメインメンバ・エンティティ9−1とのネットワークレスポンス時間rt9を測定する。そして、測定して得られたネットワークレスポンス時間rt9はエンティティ識別情報id9−1と関連付けられてレスポンス時間記録部9cに記録される。
【0064】
次に、ドメイン管理エンティティ9をドメイン管理エンティティ8の管理するドメインD8に登録する際に、ドメイン管理エンティティ8から送信されたネットワークレスポンス許容時間rptを受信し、レスポンス時間比較部9dに入力する。またレスポンス時間測定部9eによってドメイン管理エンティティ8とドメイン管理エンティティ9とのネットワークレスポンス時間rt8を測定し、測定されたネットワークレスポンス時間rt8とレスポンス時間記録部9cに記録されたネットワークレスポンス時間rt9の各レコードrdとをレスポンス時間比較部9dに入力し、ネットワークレスポンス時間rt8と各レコードrdとを加算して得られた時間のいずれかがネットワークレスポンス許容時間rptよりも大きい場合に、ドメイン管理エンティティ8の管理するドメインD8にドメイン管理エンティティ9を登録することをドメイン登録制御部9fにおいて禁止する。また、上記加算して得られた時間のいずれもがネットワークレスポンス許容時間rpt以下であった場合は、ドメイン管理エンティティ8の管理するドメイン識別情報Did8を登録ドメインリストDL9に記録する。
【0065】
図9に、本実施形態におけるネットワークレスポンス時間の比較処理とドメイン登録処理とを説明するためのフローチャートを示して説明する。ドメイン管理エンティティ8の管理するドメインD8にドメイン管理エンティティ9を登録する処理を開始すると、レスポンス時間記録部9cに記録されているネットワークレスポンス時間rt9があればこれを読み出す(S901)。
【0066】
レコードがあった場合(S901 Yes)、読み出されたネットワークレスポンス時間rt9(ResRecord2)と、ドメイン管理エンティティ8のネットワークレスポンス許容時間rpt(maxResTime1)と、ドメイン管理エンティティ8とドメイン管理エンティティ9のネットワークレスポンス時間rt8(ResTime1)とを用いて、ResRecord2とResTime1との和がmaxResTime1以下であればS903に進み次のレコードを参照する(S902 true→S903)。
【0067】
一方、S902において、ResRecord2とResTime1との和がmaxResTime1よりも大きい場合(S902 false)は、ドメイン管理エンティティ8の管理するドメインD8へのドメイン管理エンティティ9の登録を禁止し(S904)処理を終了する。
【0068】
また、S901においてレスポンス時間記録部9cに記録されているネットワークレスポンス時間rt9がない場合(S901 No)は、ドメイン管理エンティティ8の管理するドメインD8にドメイン管理エンティティ9を登録し(S905)処理を終了する。
【0069】
<第7の実施形態>
図10に、本発明の第7の実施形態が適用されたドメイン管理エンティティの論理的な構成のブロック図を示す。同図において、ドメイン管理エンティティ11を、m個(mは自然数)のドメイン管理エンティティ10が管理するドメインD10に登録する際に、ドメイン管理エンティティ10から受信したドメイン識別情報Did10を登録ドメインリストDL11に記録し、ドメイン管理エンティティ10から受信したネットワークレスポンス許容時間rptをレスポンス許容時間記録部11gにドメイン識別情報Did10に関連付けて記録すると共に、ドメイン管理エンティティ10とドメイン管理エンティティ11との間のネットワークレスポンス時間rt10をレスポンス時間測定部11eにおいて測定し、ドメイン識別情報Did10に関連付けてレスポンス時間記録部11cに記録する。
【0070】
次に、ドメインメンバ・エンティティ11−1をドメイン管理エンティティ11が管理するドメインD11に登録する際に、ドメインメンバ・エンティティ11−1とドメイン管理エンティティ11との間のネットワークレスポンス時間rt11をレスポンス時間測定部11bにおいて測定し、この測定されたネットワークレスポンス時間rt11と、レスポンス時間記録部11cに記録されたネットワークレスポンス時間rt10と、レスポンス許容時間記録部11gに記録されたネットワークレスポンス許容時間rptをレスポンス時間比較部11dに入力し、ネットワークレスポンス時間rt11とネットワークレスポンス時間rt10との和がネットワークレスポンス許容時間rpt以下の場合には、ドメインメンバ・エンティティ11−1から受信したエンティティ識別情報id11−1をドメインメンバリストML11に記録する。また、ネットワークレスポンス時間rt11とネットワークレスポンス時間rt10との和がネットワークレスポンス許容時間rptよりも大きい場合には、ドメイン登録制御部11fにおいてエンティティ識別情報id11−1の記録を禁止する。
【0071】
図11に、本実施形態におけるネットワークレスポンス時間の比較処理とドメイン登録処理とを説明するためのフローチャートを示して説明する。ドメイン管理エンティティ11の管理するドメインD11にドメインメンバ・エンティティ11−1を登録する処理を開始すると、レスポンス時間記録部11cに記録されているネットワークレスポンス時間rt10とレスポンス許容時間記録部11gに記録されているネットワークレスポンス許容時間rptとがあればこれらを読み出す(S1101)。
【0072】
レコードがあった場合(S1101 Yes)、読み出されたネットワークレスポンス時間rt10(ResRecord1)と、ネットワークレスポンス許容時間rpt(maxResRecord1)と、ドメイン管理エンティティ11とドメインメンバ・エンティティ11−1とのネットワークレスポンス時間rt11(ResTime2)とを用いて、ResRecord1とResTime2との和がmaxResRecord1以下であればS1103に進み次のレコードを参照する(S1102 true→S1103)。そして、レスポンス時間記録部11cとレスポンス許容時間記録部11gに記録された次のレコードを検索しS1101に戻る。
【0073】
一方、S1102において、ResRecord1とResTime2との和がmaxResRecord1より大きい場合(S1102 false)は、ドメイン管理エンティティ11の管理するドメインD11にドメインメンバ・エンティティ11−1の登録を禁止し(S1104)処理を終了する。
【0074】
また、S1101においてレスポンス時間記録部11cとレスポンス許容時間記録部11gに記録されているネットワークレスポンス時間rt10がない場合(S1101 No)は、ドメイン管理エンティティ11の管理するドメインD11にドメインメンバ・エンティティ11−1を登録し(S1105)処理を終了する。
【0075】
<第8の実施形態>
本実施形態におけるドメイン登録方法として、ドメイン管理エンティティは、ドメイン識別情報をドメインメンバ・エンティティや他のドメイン管理エンティティに対して送信すると共に、それらドメインメンバ・エンティティやドメイン管理エンティティの識別情報を受信し、また、新たにドメインに登録されるドメイン管理エンティティは、受信したドメイン識別情報を自らのドメインに属しているドメインメンバ・エンティティに送信するとともに、それらドメインメンバ・エンティティの識別情報を受信し、上位のドメイン管理エンティティに送信する。以上の処理により、同一ドメイン識別情報を受信したドメインメンバ・エンティティとドメイン管理エンティティを同一ドメインとするものである。
【0076】
図12に、本発明の第8の実施形態が適用されたドメイン管理システムの論理的な構成図のブロック図を示す。同図において、ドメインメンバ・エンティティ23がドメイン管理エンティティ22の管理するドメインD22に登録される場合について説明する。この場合、ドメインメンバ・エンティティ23からドメイン管理エンティティ22にエンティティ識別情報id23が送信され、ドメイン管理エンティティ22からドメイン識別情報Did22がドメインメンバ・エンティティ23に送信される。
【0077】
次に、ドメイン管理エンティティ21が管理するドメインD21にドメインD22を登録する。この場合、ドメイン管理エンティティ22からエンティティ識別情報id23がドメイン管理エンティティ21に送信され、ドメイン管理エンティティ21に受信されたエンティティ識別情報id23はエンティティ識別情報リストLに記録され、ドメイン管理エンティティ21からドメインD21のドメイン識別情報Did21がドメイン管理エンティティ22に送信される。この際に、ドメインメンバ・エンティティ23がドメイン管理エンティティ22に接続されていなかった場合に、ドメイン管理エンティティ22はドメイン管理エンティティ21から受信したドメイン識別情報Did21をドメインメンバ・エンティティ23に送信することができない。
【0078】
この状態から、ドメインメンバ・エンティティ23がドメインD21に関連付けられたコンテンツ等にアクセスした場合に、ドメインメンバ・エンティティ23はドメインD21のメンバであるにもかかわらず、ドメイン識別情報Did21を有していないため上記コンテンツに対するアクセスを許可されないが、上記コンテンツ等に記録されたドメイン管理エンティティ21の識別情報を読み取ることにより、ドメインメンバ・エンティティ23は得られたドメイン管理エンティティ21の識別情報から問い合わせ先であるドメイン管理エンティティ21の所在を知ることができる。そこで、ドメインメンバ・エンティティ23は、ドメイン管理エンティティ21に対して自らのエンティティ識別情報id23を含めたドメイン識別情報要求情報を送信してドメインメンバ・エンティティ23のドメインD21に対するメンバ登録の確認を行う。
【0079】
エンティティ識別情報id23が含まれたドメイン識別情報要求情報を受信したドメイン管理エンティティ21は、エンティティ識別情報リストL中に、受信したエンティティ識別情報id23が含まれているかどうか確認し、含まれている場合は、ドメイン識別情報Did21をドメインメンバ・エンティティ23に送信する。ドメインメンバ・エンティティ23はこれを受信し、上記コンテンツ等へのアクセスを許諾される。
【0080】
上述したように、ドメインD21に対して許諾されたコンテンツ等を未だドメインD21に登録されていないドメインメンバ・エンティティ23が利用する際には、すでにドメインメンバ・エンティティ23が登録済みであるドメインのいずれかのドメインがドメインD21に属しており、それをドメインメンバ・エンティティ23が通知されていないだけであれば、ドメインメンバ・エンティティ23は上記のコンテンツ等を利用可能であるとして、ドメインメンバ・エンティティ23がすでに登録済みであるドメインのどのドメインがドメインD21に属しているのかを確認する。本実施形態は、ドメインメンバ・エンティティ23が登録済みであるドメインはドメインD22だけの例であるが、複数のドメインに登録されている場合には、そのすべてのドメイン管理エンティティに対して問い合わせをする必要がある。一方、第1のドメイン管理エンティティに対して問い合わせをすることにより、ドメインメンバ・エンティティがいずれかのドメインを介して第1のドメインに属していることが確認することができれば1回の問い合わせのみで済む。また、第1のドメインに対して許諾されたコンテンツ等を利用しようとしている状況は、上記のコンテンツ等に記録されたドメイン管理エンティティの識別情報等から、第1のドメインを管理する第1のドメイン管理エンティティの方がそれ以外のドメインを管理するドメイン管理エンティティよりも所在を知ることが容易であると予想されるため、円滑なドメイン登録方法として機能できる。
【0081】
なお、以上説明した各実施形態以外にも、各ドメイン管理エンティティが同一の処理装置内に存在するものであってもよいし、また、これらがソフトウェア通信で接続されるソフトウェア・モジュールであってもよい。
【0082】
また、前述した第5〜第7の実施形態におけるネットワークレスポンス時間は、ネットワークを介したレスポンス時間の一例であり、それ以外にも、アクセス時間等が適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、複数のサービス利用エンティティやコンテンツ再生エンティティに、サービスやコンテンツを共有させるドメイン管理において利用可能であり、特に、ユーザ環境の変化に合わせてドメインの内容を変更する場合に、効率のよいドメイン登録・管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第1の実施形態が適用されたドメイン管理システム100の論理的な構成図の例である。
【図2】本発明の第1の実施形態が適用されたドメイン管理システム100の物理的な構成図の例である。
【図3】本発明の第2〜第4の各実施形態が適用されたドメイン管理システム300の論理的な構成図の例である。
【図4】本発明の第2の実施形態が適用されたドメイン管理システム300の物理的な構成図の例である。
【図5】本発明の第3の実施形態によるドメイン登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第4の実施形態によるドメイン登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の第5の実施形態によるドメイン登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第6の実施形態が適用されたドメイン管理エンティティ9の構成のブロック図である。
【図9】本発明の第6の実施形態によるネットワークレスポンス時間の比較処理と、ドメイン登録処理とを説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の第7の実施形態が適用されたドメイン管理エンティティ11の構成のブロック図である。
【図11】本発明の第7の実施形態によるネットワークレスポンス時間の比較処理と、ドメイン登録処理とを説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の第8の実施形態が適用されたドメイン管理システムの論理的な構成図の例である。
【符号の説明】
【0085】
1〜5,8〜11,21,22 ドメイン管理エンティティ
1a〜5a ドメイン情報記録部
1−1,1−2,2−1,3−1,3−2,4−1,5−1,9−1,11−1,23 ドメインメンバ・エンティティ
9b,11b レスポンス時間測定部
9c,11c レスポンス時間記録部
9d,11d レスポンス時間比較部
9e,11e レスポンス時間測定部
9f,11f ドメイン登録制御部
11g レスポンス許容時間記録部
30〜32 ネットワーク
100,300 ドメイン管理システム
D1〜D5,D8〜D11 ドメイン
Did1〜Did5,Did8〜Did11 ドメイン識別情報
id1〜id5,id8〜id11,id1−1,id1−2,id2−1,id3−1,id3−2,id4−1,id5−1,id9−1,id11−1 エンティティ識別情報
DL1〜DL5,DL8〜DL11 登録ドメインリスト
L エンティティ識別情報リスト
ML1〜ML5,ML8〜ML11 ドメインメンバリスト
rd レコード
rpt ネットワークレスポンス許容時間
rt8〜rt11 ネットワークレスポンス時間
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツやサービスの不正な利用を防止するために用いられる、ドメイン管理におけるドメイン登録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多種多様なコンテンツやサービス(以下、コンテンツ等)が有償や無償により提供され、これの提供を受けた利用装置で利用者に利用させることが行われている。これにおいては、コンテンツ等の不正利用を防止する仕組みも重要となる。そこで、コンテンツ等の提供側が、コンテンツ等を利用させる利用装置に利用許諾を出し、この利用許諾を受けた利用装置のみが、コンテンツ等を利用することができるという管理方法が実用化されている。これにおいて、提供側から提供されるコンテンツ等を複数の利用装置が利用できるように、複数の利用装置を同一のドメインに含めておき、このドメインに対してコンテンツ等の利用許諾を与えるといった方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
この特許文献1には、同一のユーザが所有する複数の端末装置に対してグループを設定し、グループ毎にID及びグループ鍵を生成し、端末装置はライセンスを外部に出力する際にグループ鍵で暗号化することによりグループ内でライセンスを共有するという方法が記載されている。また特許文献2には、グループ形成管理システムにおいて、グループに属することのできるメンバ機器の最大数を制限する方法が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−169726号公報
【特許文献2】特開2004−120736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の方法によれば、グループに参加するそれぞれの端末装置には、グループ鍵を取得する必要が生じることとなり煩雑である。ここで、第2のグループに属する複数の端末装置を第1のグループに新たに参加させる場合に、第2のグループに属する端末装置それぞれが第1のグループに参加するのではなく、第2のグループが第1のグループに参加可能なようにすることが考えられるが、第1のグループから見た場合に、第2のグループにどのような端末装置が属しているかを正確に把握することができないという問題がある。これについて、例えば、特許文献2に記載されているように、グループに参加可能なメンバ機器(端末装置)の総数が指定されている場合には、第1のグループに参加した第2のグループに属している端末装置の数を把握するようなことはできない。
【0006】
また、特許文献1記載の方法においては、第2のグループが第1のグループに参加する前から第2のグループに属している端末装置は、オフラインになっているなどの理由で第2のグループが第1のグループに参加したことを通知されていない場合に、第1のグループのグループ鍵を有していないため、第1のグループに対して提供されているコンテンツ等を即座に利用することができない。
【0007】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、下位のドメインに属する1つ又は複数のエンティティを上位のドメインに参加させる場合に、下位のドメインを上位のドメインに参加させることにより、下位のドメインに属するエンティティを上位のドメインに登録することを簡便且つ適切に行うドメイン登録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下[1]〜[8]の手段を提供するものである。
[1] 第1のドメインを管理する第1のドメイン管理エンティティが、前記第1のドメインを識別するための第1のドメイン識別情報を、第2のドメインを管理する第2のドメイン管理エンティティに送信する第1ステップと、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信された第1のドメイン識別情報を受信して、前記第2のドメインを識別するための第2のドメイン識別情報を前記第1のドメイン管理エンティティに送信し、前記第1のドメインを前記第2のドメインの上位ドメインとして登録する第2ステップと、
前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信された第2のドメイン識別情報を受信して、前記第2のドメインを前記第1のドメインの下位ドメインとして登録する第3ステップと、
を有したことを特徴とするドメイン登録方法。
[2] 上記[1]記載のドメイン登録方法において、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記第2ステップにおいて受信した前記第1のドメイン識別情報と、前記第2のドメイン識別情報とをドメインメンバ・エンティティに送信する第4ステップと、
前記ドメインメンバ・エンティティが、前記送信された第1及び第2のドメイン識別情報をそれぞれ受信して、前記ドメインメンバ・エンティティを識別するためのエンティティ識別情報を前記第2のドメイン管理エンティティに送信する第5ステップと、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を前記第2のドメインに登録すると共に前記第1のドメイン管理エンティティに送信する第6ステップと、
前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を前記第1のドメインに登録する第7ステップと、
を更に有したことを特徴とするドメイン登録方法。
[3] 上記[1]記載のドメイン登録方法において、
前記第2ステップは、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信された第1のドメイン識別情報を受信して、前記第1のドメインが前記第2のドメインの上位ドメインとなるように登録ドメインリストに前記第1のドメイン識別情報を登録し、前記第2のドメイン識別情報を前記第1のドメイン管理エンティティに送信するようにし、
前記第3ステップは、前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信された第2のドメイン識別情報を受信して、前記第2のドメインが前記第1のドメインの下位ドメインとなるように、ドメインメンバリストに前記第2のドメイン識別情報を登録するようにした、
ことを特徴とするドメイン登録方法。
[4] 上記[2]記載のドメイン登録方法において、
前記第2ステップは、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信された第1のドメイン識別情報を受信して、前記第1のドメインが前記第2のドメインの上位ドメインとなるように登録ドメインリストに前記第1のドメイン識別情報を登録し、前記第2のドメイン識別情報を前記第1のドメイン管理エンティティに送信するようにし、
前記第3ステップは、前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信された第2のドメイン識別情報を受信して、前記第2のドメインが前記第1のドメインの下位ドメインとなるように、第1のドメインメンバリストに前記第2のドメイン識別情報を登録するようにし、
前記第6ステップは、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を第2のドメインメンバリストに登録すると共に前記第1のドメイン管理エンティティに送信するようにし、
前記第7ステップは、前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を前記第1のドメインメンバリストに、前記第2のドメイン識別情報と関連付けて登録するようにした、
ことを特徴とするドメイン登録方法。
[5] 上記[4]記載のドメイン登録方法において、
前記第6ステップは、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を前記第2のドメインメンバリストに登録すると共に、前記第2のドメインメンバリストに登録されたエンティティ識別情報の個数を前記第1のドメイン管理エンティティ送信するようにし、
前記第7ステップは、前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報の個数を受信して、このエンティティ識別情報の個数と、前記第1のドメイン管理エンティティが予め有している前記第1のドメインに登録可能なドメインメンバ・エンティティの最大登録数とを比較し、前記エンティティ識別情報の個数が前記最大登録数以下である場合のみ、前記第2のドメイン管理エンティティに対して登録許可を与えるようにした、
ことを特徴とするドメイン登録方法。
[6] 第1のドメインを管理する第1のドメイン管理エンティティが、前記第1のドメインの下位階層であってドメインメンバ・エンティティを登録メンバとした第2のドメインを管理すると共に前記ドメインメンバ・エンティティとの間の第1のレスポンス時間を記録した第2のドメイン管理エンティティに、レスポンス許容時間を送信する第1ステップと、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信されたレスポンス許容時間を受信して、前記第1のドメイン管理エンティティとの間の第2のレスポンス時間を測定し、前記記録された第1のレスポンス時間と前記測定された第2のレスポンス時間との合計と、前記受信したレスポンス許容時間とを比較する第2ステップと、
前記第1及び第2のレスポンス時間の合計が前記レスポンス許容時間よりも大きいとの比較結果の場合には、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記第2のドメインを前記第1のドメインに登録することを禁止するよう制御する第3ステップと、
を有したことを特徴とするドメイン登録方法。
[7] 第1のドメインを管理する第1のドメイン管理エンティティから供給されたレスポンス許容時間と、前記第1のドメイン管理エンティティとの間の第1のレスポンス時間とをそれぞれ有した、前記第1のドメインの下位階層である第2のドメインを管理する第2のドメイン管理エンティティが、前記第2のドメインのメンバであるドメインメンバ・エンティティとの間の第2のレスポンス時間を測定する第1ステップと、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記有した第1のレスポンス時間と前記測定された第2のレスポンス時間との合計と、前記有したレスポンス許容時間とを比較する第2ステップと、
前記第1及び第2のレスポンス時間の合計が前記レスポンス許容時間よりも大きいとの比較結果の場合には、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記ドメインメンバ・エンティティを前記第2のドメインに登録することを禁止するよう制御する第3ステップと、
を有したことを特徴とするドメイン登録方法。
[8] 第1のドメイン管理エンティティにより第1のドメイン識別情報を用いて管理される第1のドメインに、第2のドメイン管理エンティティにより第2のドメイン識別情報を用いて管理されると共に、エンティティ識別情報により識別されるドメインメンバ・エンティティが登録された第2のドメインが下位階層として登録される一方、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記第2のドメインが前記第1のドメインに登録されたことを前記ドメインメンバ・エンティティに通知していない場合であって、所定のドメイン識別情報が付与されたコンテンツ又はサービスを前記ドメインメンバ・エンティティに利用させる場合に、
前記ドメインメンバ・エンティティが、前記エンティティ識別情報を含むドメイン識別情報要求情報を前記第1のドメイン管理エンティティに送信する第1ステップと、
前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信されたドメイン識別情報要求情報を受信し、これに含まれた前記エンティティ識別情報が前記第1のドメインに登録されている場合には、前記第1のドメイン識別情報を前記ドメインメンバ・エンティティに送信する第2ステップと、
前記ドメインメンバ・エンティティが、前記送信された第1のドメイン識別情報を受信して、前記コンテンツ又はサービスに付与された前記所定のドメイン識別情報と比較する第3ステップと、
前記第1のドメイン識別情報と前記所定のドメイン識別情報とが同一であるとの比較結果の場合にのみ、ドメインメンバ・エンティティに前記コンテンツ又はサービスの利用を許可するよう制御する第4ステップと、
を有したことを特徴とするドメイン登録方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、下位のドメインである第2のドメインに登録されたドメインメンバ・エンティティ全てを上位のドメインである第1のドメインに登録させる場合に、ドメインメンバ・エンティティそれぞれを新たにドメイン登録させるのではなく、第2のドメインを第1のドメインに登録させることにより、一括して第2のドメインのドメインメンバ・エンティティを第1のドメインに登録させることができる。これにより、ドメインメンバ・エンティティの登録を簡便且つ適切に行うことができる。
【0010】
これに加えてさらに、本発明によれば、ドメインにドメインメンバ・エンティティを登録する際に、ドメインメンバ・エンティティの総数やネットワークレスポンス許容時間のドメインポリシが規定されている場合にも、階層的なドメイン構造の中でドメインポリシが正しく運用され、各ドメインに対して正当にライセンスされたコンテンツやサービスの許諾条件が守られ得るドメイン管理システムを実現することができる。
【0011】
これに加えてさらに、本発明によれば、以前から第2のドメインに登録されているドメインメンバ・エンティティは第1のドメイン管理エンティティに要求することで第1のドメイン識別情報を得ることができるため、第2のドメイン管理エンティティにはドメインの状態が更新されたことを問い合わせる必要がなく、これはドメインメンバ・エンティティが複数のドメインに属している場合に特に有効である。すなわち、ドメインメンバ・エンティティは、自身が属しているどのドメインが第1のドメインに新たに参加したのか全てのドメイン管理エンティティに問い合わせる必要がなく、第1のドメインに許諾されたコンテンツやサービスにアクセスした際に、そのコンテンツ等が許諾されている第1のドメイン管理エンティティに問い合わせるだけでそのコンテンツ等を利用することができる。したがって、エンティティ識別情報を、階層化されたドメイン管理エンティティ間で共有することで、ドメインの構成が変わったことを即時にドメインメンバ・エンティティに通知せずに、後からドメイン識別情報をドメインメンバ・エンティティに配布することができ、ドメインの階層化が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態においては、ドメイン管理エンティティが管理するドメインにドメインメンバ・エンティティを登録させる場合や、上位の位置付けである一方のドメイン管理エンティティが管理するドメインに下位の位置付けである他方のドメインを登録させる場合において、ドメイン管理エンティティ又は一方のドメイン管理エンティティが、自ドメインのドメイン識別情報を自ドメインに登録すべきドメインメンバ・エンティティや他方のドメイン管理エンティティに対して送信する手順と、ドメインメンバ・エンティティや他方のドメイン管理エンティティから送信されたエンティティ識別情報を受信する手順とによるハンドシェーク処理を実行することにより、ドメインメンバ・エンティティや他方のドメイン管理エンティティを自ドメインに登録する例について説明する。本実施形態ではこの一連の処理をドメイン登録処理という。
【0013】
まず、本実施形態において使用される用語を定義する。ドメインとは、同一のドメイン識別情報が与えられた構成要素(エンティティ)により構成されるグループを指すものである。ドメイン識別情報の異なる複数のドメインは、それらの関係において階層的な関係として管理されることとなる。エンティティには、ドメイン管理エンティティとドメインメンバ・エンティティとがある。ドメイン管理エンティティは、固有のドメイン識別情報によって識別されるドメインを管理するエンティティであり、そのドメインを構成するエンティティ、並びに、自ドメインに対して上位及び下位のドメインそれぞれのエンティティに係る各エンティティ識別情報を階層化して登録する機能を有している。ドメインメンバ・エンティティは、固有のエンティティ識別情報によって識別されるエンティティである。
【0014】
以下の各実施形態においては、ドメイン管理エンティティ及びドメインメンバ・エンティティを、物理的なエンティティであるドメイン管理装置及びドメインメンバ装置を例として説明する。
【0015】
<第1の実施形態>
図1に、本発明の第1の実施形態が適用されたドメイン管理システムの論理的な構成図の例を示す。同図に示すように、ドメイン管理システム100は、ドメイン登録の最終形として、ドメイン管理エンティティ1,2、及びドメインメンバ・エンティティ1−1,2−1により構成されるものである。そして、ドメインメンバ・エンティティ1−1は、ドメイン管理エンティティ1が管理するドメインD1に登録されるエンティティである。ドメインメンバ・エンティティ2−1は、ドメイン管理エンティティ2が管理するドメインD2に登録されるエンティティである。さらに、ドメイン管理エンティティ2及びドメインメンバ・エンティティ2−1は、ドメイン管理エンティティ1が管理するドメインD1に登録されるエンティティである。すなわち、ドメインD1はドメインD2の上位の階層に位置付けられる。
【0016】
ドメイン管理エンティティ1は、ドメインD1を識別するためのドメイン識別情報Did1を予め有している。同様に、ドメイン管理エンティティ2は、ドメインD2を識別するためのドメイン識別情報Did2を予め有している。また、ドメインメンバ・エンティティ1−1,2−1は、自エンティティを識別するためのエンティティ識別情報id1−1,id2−1をそれぞれ予め有している。
【0017】
ここで、図2に、図1のドメイン管理システム100に対応した物理的な構成図の例を示す。同図において、ドメイン管理システム100は、ドメイン管理エンティティ1,2がネットワーク30を介してそれぞれ接続されると共に、ドメインメンバ・エンティティ1−1,2−1がドメイン管理エンティティ1,2に双方向通信可能なようにそれぞれ接続されて構成される。ネットワーク30は、例えば、インターネットのようなWAN、LAN、又はホームネットワークが適用できる。また、ドメインメンバ・エンティティ1−1,2−1のドメイン管理エンティティ1,2への各接続は、ネットワーク接続であってもよいし1対1の双方向通信接続であってもよい。
【0018】
なお、ドメイン管理システム100の物理的な接続形態については、ドメイン管理エンティティ1とドメイン管理エンティティ2との間、ドメイン管理エンティティ1とドメインメンバ・エンティティ1−1との間、及び、ドメイン管理エンティティ2とドメインメンバ・エンティティ2−1との間のそれぞれにおいて、双方向通信が可能な接続となるものであればよい。したがって、例えば、ドメイン管理エンティティ1,2、及びドメインメンバ・エンティティ1−1,2−1が全てネットワーク30を介して接続される構成であってもよい。
【0019】
次に、本実施形態におけるドメイン登録処理について図1を参照して説明する。まず、ドメインD1をドメインD2の上位ドメインとして階層化させるにあたり、ドメイン管理ユーザによって、ドメイン管理エンティティ1又はドメイン管理エンティティ2に処理の開始が要求される。この処理の開始要求は、ユーザインタフェースを介した入力やネットワークを介したコマンド送受信等によることができる。
【0020】
(1)ドメインD2をドメインD1の下位ドメインにする処理と、ドメインメンバ・エンティティ1−1をドメインD1のエンティティ(ドメインメンバ)にする処理の開始をドメイン管理エンティティ1に要求した場合、ドメイン管理エンティティ1は、まずドメイン識別情報Did1をドメインメンバ・エンティティ1−1とドメイン管理エンティティ2とに対して送信する。次に、ドメイン識別情報Did1を受信したドメインメンバ・エンティティ1−1は、エンティティ識別情報id1−1をドメイン管理エンティティ1に対して送信する一方、ドメイン識別情報Did1を受信したドメイン管理エンティティ2は、ドメイン識別情報Did2をドメイン管理エンティティ1に対して送信する。これらのハンドシェーク通信の後、ドメイン管理エンティティ1は、ドメインメンバ・エンティティ1−1をドメインD1のドメインメンバとして、またドメインD2をドメインD1の下位ドメインとしてドメインD1に登録する。またドメイン管理エンティティ2は、ドメインD1をドメインD2の上位ドメインとしてドメインD2に登録する。
【0021】
(2)ドメインD1をドメインD2の上位ドメインにする処理の開始をドメイン管理エンティティ2に要求した場合、ドメイン管理エンティティ2は、ドメイン識別情報Did2をドメイン管理エンティティ1に送信する。次に、ドメイン識別情報Did2を受信したドメイン管理エンティティ1は、ドメイン識別情報Did1をドメイン管理エンティティ2に送信する。これらのハンドシェーク通信の後、ドメイン管理エンティティ1は、ドメインD2をドメインD1の下位ドメインとしてドメインD1に登録する。そして、ドメイン管理エンティティ2は、ドメインD1をドメインD2の上位ドメインとしてドメインD2に登録する。
【0022】
次に、階層化したドメインに対してドメインメンバ・エンティティを登録する場合について説明する。まず、ドメイン管理ユーザによって、ドメイン管理エンティティ2に、ドメインメンバ・エンティティ2−1がドメインD2のドメインメンバとなるための処理の開始が要求される。ドメイン管理エンティティ2は、ドメイン識別情報Did2と、ドメイン管理エンティティ1から送信されたドメイン識別情報Did1との両方を、自らの管理するドメインD2に登録すべきドメインメンバ・エンティティ2−1に対して送信する。次に、ドメイン識別情報Did1,Did2を受信したドメインメンバ・エンティティ2−1は、エンティティ識別情報id2−1をドメイン管理エンティティ2に対して送信する。次に、エンティティ識別情報id2−1を受信したドメイン管理エンティティ2は、ドメインメンバ・エンティティ2−1をドメインD2に登録し、エンティティ識別情報id2−1を自らの上位ドメインであるドメインD1のドメイン管理エンティティ1に対して送信する。次に、エンティティ識別情報id2−1を受信したドメイン管理エンティティ1は、ドメインメンバ・エンティティ2−1をドメインD1に登録する。
【0023】
なお、ドメインD1及びドメインD2を階層化する時点で、ドメインメンバ・エンティティ2−1がすでにドメインD2に登録された状態である場合は、ドメインD2をドメインD1に登録する際に次のように処理される。すなわち、ドメイン管理エンティティ1は、ドメイン識別情報Did1をドメイン管理エンティティ2に対して送信し、これを受信したドメイン管理エンティティ2はドメイン識別情報Did2をドメイン管理エンティティ1に対して送信する。そして、ドメイン管理エンティティ2は、自ら管理するドメインD2に属しているドメインメンバ・エンティティ2−1のエンティティ識別情報id2−1をドメイン管理エンティティ1に対して送信するとともに、ドメイン管理エンティティ1から受信したドメイン識別情報Did1をドメインメンバ・エンティティ2−1に送信する。次に、ドメイン管理エンティティ1は、これらのハンドシェーク通信の後、ドメインD2及びドメインメンバ・エンティティ2−1をドメインD1に登録する。
【0024】
<第2の実施形態>
図3に、本発明の第2の実施形態が適用されたドメイン管理システムの論理的な構成図の例を示す。同図に示すように、ドメイン管理システム300は、ドメイン登録の最終形として、ドメイン管理エンティティ1〜5,ドメインメンバ・エンティティ1−1,1−2,3−1,3−2,4−1,及び5−1により構成されるものである。ドメインメンバ・エンティティ1−1,1−2は、ドメイン管理エンティティ1が管理するドメインD1に登録されるエンティティであり、ドメインメンバ・エンティティ3−1,3−2は、ドメイン管理エンティティ3が管理するドメインD3に登録されるエンティティであり、ドメインメンバ・エンティティ4−1は、ドメイン管理エンティティ4が管理するドメインD4に登録されるエンティティであり、さらに、ドメインメンバ・エンティティ5−1は、ドメイン管理エンティティ5が管理するドメインD5に登録されるエンティティである。なお、ドメイン管理エンティティ2は、ドメインD2を管理するドメイン管理エンティティであるが、ドメインD2に登録されるドメイン管理エンティティ以外のドメインメンバ・エンティティはない。
【0025】
ドメイン管理エンティティ1は、ドメインD1を識別するためのドメイン識別情報Did1を予め有している。ドメイン管理エンティティ2〜5についても同様に、ドメイン識別情報Did2〜Did5をそれぞれ予め有している。また、ドメインメンバ・エンティティ1−1,1−2,3−1,3−2,4−1,及び5−1は、自エンティティを識別するためのエンティティ識別情報id1−1,id1−2,id3−1,id3−2,id4−1,及びid5−1をそれぞれ予め有している。
【0026】
また、図3に示すように、ドメイン管理エンティティ1〜5は、ドメイン情報記録部1a〜5aをそれぞれ備えている。これらのうち、ドメイン情報記録部1aを例としてそのデータ構成について説明すると、ドメイン情報記録部1aには、ドメイン登録処理によってドメインD1に登録される1つ又は複数のドメインメンバ・エンティティのエンティティ識別情報がドメインメンバリストML1として記録される。
【0027】
また、ドメインメンバリストML1には、ドメインD1よりも下位の階層に位置するドメインを管理するドメイン管理エンティティのドメイン識別情報も記録される。
【0028】
また別の例として、ドメイン情報記録部3aには、ドメインD3よりも上位の階層に位置するドメインD1,D2のドメイン識別情報Did1,Did2も登録ドメインリストDL3に記録される。なお、ドメイン情報記録部3aに、自ドメインのドメイン識別情報Did3をも予め記録するようにしてもよい。他のドメイン管理エンティティについても同様である。
【0029】
ここで、図4に、図3のドメイン管理システム300に対応した物理的な構成図の例を示す。同図において、ドメイン管理システム300は、ドメイン管理エンティティ1〜5がネットワーク30を介してそれぞれ接続されると共に、ドメイン管理エンティティ1には、ネットワーク31を介してドメインメンバ・エンティティ1−1,1−2がそれぞれ接続され、ドメイン管理エンティティ3には、ネットワーク32を介してドメインメンバ・エンティティ3−1,3−2がそれぞれ接続され、ドメイン管理エンティティ4には、ドメインメンバ・エンティティ4−1が双方向通信可能に接続され、ドメイン管理エンティティ5には、ドメインメンバ・エンティティ5−1が双方向通信可能に接続されて構成される。ネットワーク30は、例えば、インターネットのようなWANやLANであり、ネットワーク31,32はLANやホームネットワークである。そして、ドメインメンバ・エンティティ4−1,5−1の各接続は、ネットワーク接続や1対1の双方向通信接続等が適用できる。
【0030】
次に、本実施形態におけるドメイン登録処理について図3を参照して説明する。まず、ドメインD1にドメインメンバ・エンティティ1−1,1−2をドメインD1のドメインメンバとして、またドメインD3,D4をドメインD1の下位ドメインとして登録する。上述した第1の実施形態のように階層化するドメインの下位または上位のドメインに対して処理を要求することができるが、ここでは上位のドメインに処理を要求する場合について説明する。具体的に、ドメイン管理エンティティ1は、ドメイン識別情報Did1をドメインメンバ・エンティティ1−1,1−2,及びドメイン管理エンティティ3,4に対して送信する。一方、ドメインD2にドメインD3を登録させるために、ドメイン管理エンティティ2は、ドメイン識別情報Did2をドメイン管理エンティティ3に対して送信する。
【0031】
ドメイン識別情報Did1を受信したドメインメンバ・エンティティ1−1は、エンティティ識別情報id1−1をドメイン管理エンティティ1に対して送信し、ドメイン識別情報Did1を受信したドメインメンバ・エンティティ1−2は、エンティティ識別情報id1−2をドメイン管理エンティティ1に対して送信し、ドメイン識別情報Did1,Did2を受信したドメイン管理エンティティ3は、ドメイン識別情報Did3をドメイン管理エンティティ1,2に対してそれぞれ送信し、ドメイン識別情報Did1を受信したドメイン管理エンティティ4は、ドメイン識別情報Did4をドメイン管理エンティティ1に対して送信する。
【0032】
次に、ドメイン管理エンティティ1は、これらのハンドシェーク通信の後、受信したエンティティ識別情報id1−1,id1−2、及びドメイン識別情報Did3,Did4をドメイン情報記録部1aのドメインメンバリストML1に記録することにより、ドメインメンバ・エンティティ1−1,1−2,及びドメインD3,D4をドメインD1に登録する。
【0033】
一方、ドメイン管理エンティティ2は、上記ハンドシェーク通信の後、受信したドメイン識別情報Did3をドメイン情報記録部2aのドメインメンバリストML2(不図示)に記録することにより、ドメインD3をドメインD2に登録する。
【0034】
次に、ドメイン管理エンティティ3は、ドメイン管理エンティティ1,2からそれぞれ送信されたドメイン識別情報Did1,Did2を、ドメイン情報記録部3aの登録ドメインリストDL3に記録する。
【0035】
また、ドメインD3にドメインメンバ・エンティティ3−1,3−2、及びドメインD5を登録するために、ドメイン管理エンティティ3は、自エンティティのドメイン識別情報であるドメイン識別情報Did3と、自エンティティが登録されている上位ドメインであるドメインD1,D2のドメイン識別情報Did1,Did2とを、ドメインメンバ・エンティティ3−1,3−2,及びドメイン管理エンティティ5に対して送信する。
【0036】
次に、ドメイン識別情報Did1〜Did3を受信したドメインメンバ・エンティティ3−1は、エンティティ識別情報id3−1をドメイン管理エンティティ3に対して送信し、ドメイン識別情報Did1〜Did3を受信したドメインメンバ・エンティティ3−2は、エンティティ識別情報id3−2をドメイン管理エンティティ3に対して送信し、ドメイン識別情報Did1〜Did3を受信したドメイン管理エンティティ5は、ドメイン識別情報Did5をドメイン管理エンティティ3に対して送信する。
【0037】
次に、ドメイン管理エンティティ3は、これらのハンドシェーク通信の後、受信したエンティティ識別情報id3−1,id3−2、及びドメイン識別情報Did5をドメイン情報記録部3aのドメインメンバリストML3に記録することにより、ドメインメンバ・エンティティ3−1,3−2,及びドメインD5をドメインD3に登録する。
【0038】
そして、ドメイン管理エンティティ3は、ドメインメンバリストML3の全ての登録情報、又は更新された登録情報を、登録ドメインリストDL3に記録されたドメイン識別情報Did1,Did2に該当するドメイン管理エンティティ1,2に送信する。
【0039】
次に、ドメインメンバリストML3を受信したドメイン管理エンティティ2は、ドメインメンバリストML2に記録されたドメイン識別情報Did3に関連付けて、ドメインメンバリストML3をドメイン情報記録部2aに記録する。
【0040】
また、ドメインメンバリストML3を受信したドメイン管理エンティティ1は、ドメインメンバリストML1に記録されたドメイン識別情報Did3に関連付けて、ドメインメンバリストML3をドメイン情報記録部1aに記録する。
【0041】
一方、ドメイン管理エンティティ4は、ドメイン管理エンティティ1から送信されたドメイン識別情報Did1を、ドメイン情報記録部4aの登録ドメインリストDL4(不図示)に記録する。
【0042】
また、ドメインD4にドメインメンバ・エンティティ4−1を登録させるために、ドメイン管理エンティティ4は、自エンティティのドメイン識別情報であるドメイン識別情報Did4とドメイン識別情報Did1とを、ドメインメンバ・エンティティ4−1に対して送信する。
【0043】
次に、ドメイン識別情報Did1,Did4を受信したドメインメンバ・エンティティ4−1は、エンティティ識別情報id4−1をドメイン管理エンティティ4に対して送信する。
【0044】
次に、ドメイン管理エンティティ4は、これらのハンドシェーク通信の後、受信したエンティティ識別情報id4−1をドメイン情報記録部4aのドメインメンバリストML4(不図示)に記録することにより、ドメインメンバ・エンティティ4−1をドメインD4に登録する。そして、ドメイン管理エンティティ4は、ドメインメンバリストML4の全て又は更新された登録情報部分を、登録ドメインリストDL4に記録されたドメイン識別情報Did1に該当するドメイン管理エンティティ1に送信する。
【0045】
次に、ドメインメンバリストML4を受信したドメイン管理エンティティ1は、ドメインメンバリストML1に記録されたドメイン識別情報Did4に関連付けて、ドメインメンバリストML4をドメイン情報記録部1aに記録する。
【0046】
次に、ドメインD5にドメインメンバ・エンティティ5−1を登録するためにドメイン管理エンティティ5は、ドメイン管理エンティティ3から送信されたドメイン識別情報Did1〜Did3を、ドメイン情報記録部5aの登録ドメインリストDL5に記録し、自エンティティのドメイン識別情報であるドメイン識別情報Did5と、ドメイン識別情報Did1〜Did3とを、ドメインメンバ・エンティティ5−1に対して送信する。
【0047】
次に、ドメイン識別情報Did1〜Did3,及びDid5を受信したドメインメンバ・エンティティ5−1は、エンティティ識別情報id5−1をドメイン管理エンティティ5に対して送信する。
【0048】
次に、ドメイン管理エンティティ5は、これらのハンドシェーク通信の後、受信したエンティティ識別情報id5−1をドメイン情報記録部5aのドメインメンバリストML5に記録することにより、ドメインメンバ・エンティティ5−1をドメインD5に登録する。そして、ドメイン管理エンティティ5は、ドメインメンバリストML5を、登録ドメインリストDL5に記録されたドメイン識別情報Did1〜Did3に該当するドメイン管理エンティティ1〜3に送信する。
【0049】
次に、ドメインメンバリストML5を受信したドメイン管理エンティティ3は、ドメインメンバリストML3に記録されたドメイン識別情報Did5に関連付けて、ドメインメンバリストML5をドメイン情報記録部3aに記録する。
【0050】
次に、ドメインメンバリストML5を受信したドメイン管理エンティティ2は、ドメインメンバリストML2(不図示)に記録されたドメイン識別情報Did5に関連付けて、ドメインメンバリストML5をドメイン情報記録部2aに記録する。
【0051】
次に、ドメインメンバリストML5を受信したドメイン管理エンティティ1は、ドメインメンバリストML1に記録されたドメイン識別情報Did5に関連付けて、ドメインメンバリストML5をドメイン情報記録部1aに記録する。
【0052】
なお、本実施形態におけるドメイン登録処理では、ドメイン識別情報を上位のドメイン管理エンティティから下位のドメイン管理エンティティやドメインメンバ・エンティティに対して送信し、次にドメイン識別情報若しくはエンティティ識別情報、又はドメインメンバリストを上位のドメイン管理エンティティに送信するようにしたが、これらの処理の順序を入れ替え、先に下位のエンティティから上位のエンティティに対して送信を開始するようにしてもよい。その場合は、例えばドメインD3にドメインD5を登録した後に、ドメインD1にドメインD3を登録する。そして、登録ドメインリストDL3が更新されたときに、登録ドメインリストDL3の全て又は更新された登録情報部分を、ドメイン管理エンティティ3からドメイン管理エンティティ5に送信し、登録ドメインリストDL5を更新する、という順序で処理を行う。
【0053】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態が適用されたドメイン管理システムについて、第2の実施形態が適用されたドメイン管理システム300の論理的な構成図である図3を用いると共に、図5の第3の実施形態によるドメイン登録処理を説明するためのフローチャートを併せ参照して説明する。
【0054】
図3において、例えば、ドメイン管理エンティティ1〜3がそれぞれ管理するドメインD1〜D3にドメインメンバ・エンティティとして登録されているドメイン管理エンティティ5に、新たにドメインメンバ・エンティティ5−1の登録を行う場合について説明する。
【0055】
まず、ドメインメンバ・エンティティ5−1をドメイン管理エンティティ5が管理するドメインD5に登録すると、上位の階層にあるドメインD1〜D3のドメインメンバ・エンティティとして登録するために、ドメイン管理エンティティ5が登録されている全ての上位ドメインであるドメインD1〜D3に対してドメインメンバ・エンティティとして登録可能か否かの問い合わせを順次行う(S501 Yes→S502)。そして、問い合わせを受けたドメイン管理エンティティ1〜3は、ドメインメンバリストML1〜3に登録済みであるエンティティ識別情報の個数がドメインD1〜D3それぞれに固有に設定された最大ドメインメンバ数以下の場合にのみ、ドメイン管理エンティティ5のドメインD5にドメインメンバ・エンティティ5−1を登録させることを許可する(S502 Yes→S503)。それ以外(S502 No)は、登録を禁止する(S504)。
【0056】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態が適用されたドメイン管理システムについて、第2の実施形態が適用されたドメイン管理システム300の論理的な構成図である図3を用いると共に、図6の第4の実施形態によるドメイン登録処理を説明するためのフローチャートを併せ参照して説明する。
【0057】
本実施形態のドメイン管理システムは、ドメインメンバ・エンティティがドメインから脱退した後、ドメイン毎に設定されたドメインメンバ最小更新間隔よりも短い時間内に、上記脱退したドメインメンバ・エンティティが再度同一のドメインに参加しようとした場合にこれを禁止するものである。これは第3の実施形態において説明したようなドメインの登録できる最大ドメインメンバ数が設定されている場合に、この制限を不正に回避するために、ドメインを利用する度にドメインへの登録と脱退を繰り返すことを防止するためのものである。
【0058】
図3において、例えば、ドメイン管理エンティティ3が管理するドメインD3に登録されているドメインメンバ・エンティティ3−1が、ドメインD3から一旦脱退した後、再度ドメインD3に参加しようとした場合、上位のドメインであるドメインD1,D2のドメインメンバ・エンティティとして登録される際に、ドメイン毎に設定されているドメインメンバ最小更新間隔の条件を満たすために、ドメインD1,D2のドメインメンバ最小更新間隔がドメインD3のドメインメンバ最小更新間隔よりも大きい場合(S501 Yes→S502)に、ドメインD1,D2のドメインメンバ最小更新間隔の値をドメインD3のドメインメンバ最小更新間隔の値とする(S502 Yes→S503)ことで、最も厳しい条件であるドメインのドメインメンバ最小更新間隔に合わせたドメイン管理を行う。
【0059】
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態が適用されたドメイン管理システムについて、第2の実施形態が適用されたドメイン管理システム300の論理的な構成図である図3を用いると共に、図7の第5の実施形態によるドメイン登録処理を説明するためのフローチャートを併せ参照して説明する。
【0060】
本実施形態のドメイン管理システムにおいては、各ドメイン管理エンティティが、自ドメイン管理エンティティが管理するドメインにおけるドメインメンバ・エンティティから自ドメイン管理エンティティまでのネットワークレスポンス許容時間を設定している。そして、各ドメイン管理エンティティは、管理するドメインにおけるネットワークレスポンス許容時間を越えるネットワークにより接続されたドメインメンバ・エンティティの自ドメイン管理エンティティへの登録を禁止する処理を実行するものである。これは、ネットワークレスポンス時間に制限を加えることにより、遠隔地にあるドメインメンバ・エンティティをインターネットなどのネットワークを介してドメイン管理エンティティに接続した場合に、このドメインメンバ・エンティティをドメインメンバにしないという地理的に限定されたドメイン設定を行う場合に適している。
【0061】
本実施形態における図3において、例えば、ドメインメンバ・エンティティ5−1が登録されたドメインD5におけるドメイン管理エンティティ5のネットワークレスポンス許容時間が、ドメインD3を管理するドメイン管理エンティティ3のネットワークレスポンス許容時間よりも大きい場合、ドメイン管理エンティティ3は、ドメイン管理エンティティ5のドメインD3への参加を禁止する。
【0062】
なお、これに際して、ドメイン毎に設定されているネットワークレスポンス許容時間の条件を満たすために、下位ドメインが上位ドメインに登録される際(S701 Yes)に、上位ドメインのネットワークレスポンス許容時間が下位ドメインのネットワークレスポンス許容時間よりも小さい場合(S702 Yes)に、下位ドメインのネットワークレスポンス許容時間値を上位ドメインのネットワークレスポンス許容時間値にする(S703)ことで、最も厳しい条件となるネットワークレスポンス許容時間に合わせたドメイン管理を行うことができる。
【0063】
<第6の実施形態>
図8に、本発明の第6の実施形態が適用されたドメイン管理エンティティの論理的な構成のブロック図を示す。同図において、ドメイン管理エンティティ9は、自らの管理するドメインD9にn個(nは自然数)のドメインメンバ・エンティティ9−1をドメインメンバとして登録する際に、ドメインメンバリストML9にそのエンティティ識別情報id9−1を記録するとともに、レスポンス時間測定部9bによってドメイン管理エンティティ9とドメインメンバ・エンティティ9−1とのネットワークレスポンス時間rt9を測定する。そして、測定して得られたネットワークレスポンス時間rt9はエンティティ識別情報id9−1と関連付けられてレスポンス時間記録部9cに記録される。
【0064】
次に、ドメイン管理エンティティ9をドメイン管理エンティティ8の管理するドメインD8に登録する際に、ドメイン管理エンティティ8から送信されたネットワークレスポンス許容時間rptを受信し、レスポンス時間比較部9dに入力する。またレスポンス時間測定部9eによってドメイン管理エンティティ8とドメイン管理エンティティ9とのネットワークレスポンス時間rt8を測定し、測定されたネットワークレスポンス時間rt8とレスポンス時間記録部9cに記録されたネットワークレスポンス時間rt9の各レコードrdとをレスポンス時間比較部9dに入力し、ネットワークレスポンス時間rt8と各レコードrdとを加算して得られた時間のいずれかがネットワークレスポンス許容時間rptよりも大きい場合に、ドメイン管理エンティティ8の管理するドメインD8にドメイン管理エンティティ9を登録することをドメイン登録制御部9fにおいて禁止する。また、上記加算して得られた時間のいずれもがネットワークレスポンス許容時間rpt以下であった場合は、ドメイン管理エンティティ8の管理するドメイン識別情報Did8を登録ドメインリストDL9に記録する。
【0065】
図9に、本実施形態におけるネットワークレスポンス時間の比較処理とドメイン登録処理とを説明するためのフローチャートを示して説明する。ドメイン管理エンティティ8の管理するドメインD8にドメイン管理エンティティ9を登録する処理を開始すると、レスポンス時間記録部9cに記録されているネットワークレスポンス時間rt9があればこれを読み出す(S901)。
【0066】
レコードがあった場合(S901 Yes)、読み出されたネットワークレスポンス時間rt9(ResRecord2)と、ドメイン管理エンティティ8のネットワークレスポンス許容時間rpt(maxResTime1)と、ドメイン管理エンティティ8とドメイン管理エンティティ9のネットワークレスポンス時間rt8(ResTime1)とを用いて、ResRecord2とResTime1との和がmaxResTime1以下であればS903に進み次のレコードを参照する(S902 true→S903)。
【0067】
一方、S902において、ResRecord2とResTime1との和がmaxResTime1よりも大きい場合(S902 false)は、ドメイン管理エンティティ8の管理するドメインD8へのドメイン管理エンティティ9の登録を禁止し(S904)処理を終了する。
【0068】
また、S901においてレスポンス時間記録部9cに記録されているネットワークレスポンス時間rt9がない場合(S901 No)は、ドメイン管理エンティティ8の管理するドメインD8にドメイン管理エンティティ9を登録し(S905)処理を終了する。
【0069】
<第7の実施形態>
図10に、本発明の第7の実施形態が適用されたドメイン管理エンティティの論理的な構成のブロック図を示す。同図において、ドメイン管理エンティティ11を、m個(mは自然数)のドメイン管理エンティティ10が管理するドメインD10に登録する際に、ドメイン管理エンティティ10から受信したドメイン識別情報Did10を登録ドメインリストDL11に記録し、ドメイン管理エンティティ10から受信したネットワークレスポンス許容時間rptをレスポンス許容時間記録部11gにドメイン識別情報Did10に関連付けて記録すると共に、ドメイン管理エンティティ10とドメイン管理エンティティ11との間のネットワークレスポンス時間rt10をレスポンス時間測定部11eにおいて測定し、ドメイン識別情報Did10に関連付けてレスポンス時間記録部11cに記録する。
【0070】
次に、ドメインメンバ・エンティティ11−1をドメイン管理エンティティ11が管理するドメインD11に登録する際に、ドメインメンバ・エンティティ11−1とドメイン管理エンティティ11との間のネットワークレスポンス時間rt11をレスポンス時間測定部11bにおいて測定し、この測定されたネットワークレスポンス時間rt11と、レスポンス時間記録部11cに記録されたネットワークレスポンス時間rt10と、レスポンス許容時間記録部11gに記録されたネットワークレスポンス許容時間rptをレスポンス時間比較部11dに入力し、ネットワークレスポンス時間rt11とネットワークレスポンス時間rt10との和がネットワークレスポンス許容時間rpt以下の場合には、ドメインメンバ・エンティティ11−1から受信したエンティティ識別情報id11−1をドメインメンバリストML11に記録する。また、ネットワークレスポンス時間rt11とネットワークレスポンス時間rt10との和がネットワークレスポンス許容時間rptよりも大きい場合には、ドメイン登録制御部11fにおいてエンティティ識別情報id11−1の記録を禁止する。
【0071】
図11に、本実施形態におけるネットワークレスポンス時間の比較処理とドメイン登録処理とを説明するためのフローチャートを示して説明する。ドメイン管理エンティティ11の管理するドメインD11にドメインメンバ・エンティティ11−1を登録する処理を開始すると、レスポンス時間記録部11cに記録されているネットワークレスポンス時間rt10とレスポンス許容時間記録部11gに記録されているネットワークレスポンス許容時間rptとがあればこれらを読み出す(S1101)。
【0072】
レコードがあった場合(S1101 Yes)、読み出されたネットワークレスポンス時間rt10(ResRecord1)と、ネットワークレスポンス許容時間rpt(maxResRecord1)と、ドメイン管理エンティティ11とドメインメンバ・エンティティ11−1とのネットワークレスポンス時間rt11(ResTime2)とを用いて、ResRecord1とResTime2との和がmaxResRecord1以下であればS1103に進み次のレコードを参照する(S1102 true→S1103)。そして、レスポンス時間記録部11cとレスポンス許容時間記録部11gに記録された次のレコードを検索しS1101に戻る。
【0073】
一方、S1102において、ResRecord1とResTime2との和がmaxResRecord1より大きい場合(S1102 false)は、ドメイン管理エンティティ11の管理するドメインD11にドメインメンバ・エンティティ11−1の登録を禁止し(S1104)処理を終了する。
【0074】
また、S1101においてレスポンス時間記録部11cとレスポンス許容時間記録部11gに記録されているネットワークレスポンス時間rt10がない場合(S1101 No)は、ドメイン管理エンティティ11の管理するドメインD11にドメインメンバ・エンティティ11−1を登録し(S1105)処理を終了する。
【0075】
<第8の実施形態>
本実施形態におけるドメイン登録方法として、ドメイン管理エンティティは、ドメイン識別情報をドメインメンバ・エンティティや他のドメイン管理エンティティに対して送信すると共に、それらドメインメンバ・エンティティやドメイン管理エンティティの識別情報を受信し、また、新たにドメインに登録されるドメイン管理エンティティは、受信したドメイン識別情報を自らのドメインに属しているドメインメンバ・エンティティに送信するとともに、それらドメインメンバ・エンティティの識別情報を受信し、上位のドメイン管理エンティティに送信する。以上の処理により、同一ドメイン識別情報を受信したドメインメンバ・エンティティとドメイン管理エンティティを同一ドメインとするものである。
【0076】
図12に、本発明の第8の実施形態が適用されたドメイン管理システムの論理的な構成図のブロック図を示す。同図において、ドメインメンバ・エンティティ23がドメイン管理エンティティ22の管理するドメインD22に登録される場合について説明する。この場合、ドメインメンバ・エンティティ23からドメイン管理エンティティ22にエンティティ識別情報id23が送信され、ドメイン管理エンティティ22からドメイン識別情報Did22がドメインメンバ・エンティティ23に送信される。
【0077】
次に、ドメイン管理エンティティ21が管理するドメインD21にドメインD22を登録する。この場合、ドメイン管理エンティティ22からエンティティ識別情報id23がドメイン管理エンティティ21に送信され、ドメイン管理エンティティ21に受信されたエンティティ識別情報id23はエンティティ識別情報リストLに記録され、ドメイン管理エンティティ21からドメインD21のドメイン識別情報Did21がドメイン管理エンティティ22に送信される。この際に、ドメインメンバ・エンティティ23がドメイン管理エンティティ22に接続されていなかった場合に、ドメイン管理エンティティ22はドメイン管理エンティティ21から受信したドメイン識別情報Did21をドメインメンバ・エンティティ23に送信することができない。
【0078】
この状態から、ドメインメンバ・エンティティ23がドメインD21に関連付けられたコンテンツ等にアクセスした場合に、ドメインメンバ・エンティティ23はドメインD21のメンバであるにもかかわらず、ドメイン識別情報Did21を有していないため上記コンテンツに対するアクセスを許可されないが、上記コンテンツ等に記録されたドメイン管理エンティティ21の識別情報を読み取ることにより、ドメインメンバ・エンティティ23は得られたドメイン管理エンティティ21の識別情報から問い合わせ先であるドメイン管理エンティティ21の所在を知ることができる。そこで、ドメインメンバ・エンティティ23は、ドメイン管理エンティティ21に対して自らのエンティティ識別情報id23を含めたドメイン識別情報要求情報を送信してドメインメンバ・エンティティ23のドメインD21に対するメンバ登録の確認を行う。
【0079】
エンティティ識別情報id23が含まれたドメイン識別情報要求情報を受信したドメイン管理エンティティ21は、エンティティ識別情報リストL中に、受信したエンティティ識別情報id23が含まれているかどうか確認し、含まれている場合は、ドメイン識別情報Did21をドメインメンバ・エンティティ23に送信する。ドメインメンバ・エンティティ23はこれを受信し、上記コンテンツ等へのアクセスを許諾される。
【0080】
上述したように、ドメインD21に対して許諾されたコンテンツ等を未だドメインD21に登録されていないドメインメンバ・エンティティ23が利用する際には、すでにドメインメンバ・エンティティ23が登録済みであるドメインのいずれかのドメインがドメインD21に属しており、それをドメインメンバ・エンティティ23が通知されていないだけであれば、ドメインメンバ・エンティティ23は上記のコンテンツ等を利用可能であるとして、ドメインメンバ・エンティティ23がすでに登録済みであるドメインのどのドメインがドメインD21に属しているのかを確認する。本実施形態は、ドメインメンバ・エンティティ23が登録済みであるドメインはドメインD22だけの例であるが、複数のドメインに登録されている場合には、そのすべてのドメイン管理エンティティに対して問い合わせをする必要がある。一方、第1のドメイン管理エンティティに対して問い合わせをすることにより、ドメインメンバ・エンティティがいずれかのドメインを介して第1のドメインに属していることが確認することができれば1回の問い合わせのみで済む。また、第1のドメインに対して許諾されたコンテンツ等を利用しようとしている状況は、上記のコンテンツ等に記録されたドメイン管理エンティティの識別情報等から、第1のドメインを管理する第1のドメイン管理エンティティの方がそれ以外のドメインを管理するドメイン管理エンティティよりも所在を知ることが容易であると予想されるため、円滑なドメイン登録方法として機能できる。
【0081】
なお、以上説明した各実施形態以外にも、各ドメイン管理エンティティが同一の処理装置内に存在するものであってもよいし、また、これらがソフトウェア通信で接続されるソフトウェア・モジュールであってもよい。
【0082】
また、前述した第5〜第7の実施形態におけるネットワークレスポンス時間は、ネットワークを介したレスポンス時間の一例であり、それ以外にも、アクセス時間等が適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、複数のサービス利用エンティティやコンテンツ再生エンティティに、サービスやコンテンツを共有させるドメイン管理において利用可能であり、特に、ユーザ環境の変化に合わせてドメインの内容を変更する場合に、効率のよいドメイン登録・管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第1の実施形態が適用されたドメイン管理システム100の論理的な構成図の例である。
【図2】本発明の第1の実施形態が適用されたドメイン管理システム100の物理的な構成図の例である。
【図3】本発明の第2〜第4の各実施形態が適用されたドメイン管理システム300の論理的な構成図の例である。
【図4】本発明の第2の実施形態が適用されたドメイン管理システム300の物理的な構成図の例である。
【図5】本発明の第3の実施形態によるドメイン登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第4の実施形態によるドメイン登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の第5の実施形態によるドメイン登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第6の実施形態が適用されたドメイン管理エンティティ9の構成のブロック図である。
【図9】本発明の第6の実施形態によるネットワークレスポンス時間の比較処理と、ドメイン登録処理とを説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の第7の実施形態が適用されたドメイン管理エンティティ11の構成のブロック図である。
【図11】本発明の第7の実施形態によるネットワークレスポンス時間の比較処理と、ドメイン登録処理とを説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の第8の実施形態が適用されたドメイン管理システムの論理的な構成図の例である。
【符号の説明】
【0085】
1〜5,8〜11,21,22 ドメイン管理エンティティ
1a〜5a ドメイン情報記録部
1−1,1−2,2−1,3−1,3−2,4−1,5−1,9−1,11−1,23 ドメインメンバ・エンティティ
9b,11b レスポンス時間測定部
9c,11c レスポンス時間記録部
9d,11d レスポンス時間比較部
9e,11e レスポンス時間測定部
9f,11f ドメイン登録制御部
11g レスポンス許容時間記録部
30〜32 ネットワーク
100,300 ドメイン管理システム
D1〜D5,D8〜D11 ドメイン
Did1〜Did5,Did8〜Did11 ドメイン識別情報
id1〜id5,id8〜id11,id1−1,id1−2,id2−1,id3−1,id3−2,id4−1,id5−1,id9−1,id11−1 エンティティ識別情報
DL1〜DL5,DL8〜DL11 登録ドメインリスト
L エンティティ識別情報リスト
ML1〜ML5,ML8〜ML11 ドメインメンバリスト
rd レコード
rpt ネットワークレスポンス許容時間
rt8〜rt11 ネットワークレスポンス時間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のドメインを管理する第1のドメイン管理エンティティが、前記第1のドメインを識別するための第1のドメイン識別情報を、第2のドメインを管理する第2のドメイン管理エンティティに送信する第1ステップと、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信された第1のドメイン識別情報を受信して、前記第2のドメインを識別するための第2のドメイン識別情報を前記第1のドメイン管理エンティティに送信し、前記第1のドメインを前記第2のドメインの上位ドメインとして登録する第2ステップと、
前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信された第2のドメイン識別情報を受信して、前記第2のドメインを前記第1のドメインの下位ドメインとして登録する第3ステップと、
を有したことを特徴とするドメイン登録方法。
【請求項2】
請求項1記載のドメイン登録方法において、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記第2ステップにおいて受信した前記第1のドメイン識別情報と、前記第2のドメイン識別情報とをドメインメンバ・エンティティに送信する第4ステップと、
前記ドメインメンバ・エンティティが、前記送信された第1及び第2のドメイン識別情報をそれぞれ受信して、前記ドメインメンバ・エンティティを識別するためのエンティティ識別情報を前記第2のドメイン管理エンティティに送信する第5ステップと、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を前記第2のドメインに登録すると共に前記第1のドメイン管理エンティティに送信する第6ステップと、
前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を前記第1のドメインに登録する第7ステップと、
を更に有したことを特徴とするドメイン登録方法。
【請求項3】
請求項1記載のドメイン登録方法において、
前記第2ステップは、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信された第1のドメイン識別情報を受信して、前記第1のドメインが前記第2のドメインの上位ドメインとなるように登録ドメインリストに前記第1のドメイン識別情報を登録し、前記第2のドメイン識別情報を前記第1のドメイン管理エンティティに送信するようにし、
前記第3ステップは、前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信された第2のドメイン識別情報を受信して、前記第2のドメインが前記第1のドメインの下位ドメインとなるように、ドメインメンバリストに前記第2のドメイン識別情報を登録するようにした、
ことを特徴とするドメイン登録方法。
【請求項4】
請求項2記載のドメイン登録方法において、
前記第2ステップは、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信された第1のドメイン識別情報を受信して、前記第1のドメインが前記第2のドメインの上位ドメインとなるように登録ドメインリストに前記第1のドメイン識別情報を登録し、前記第2のドメイン識別情報を前記第1のドメイン管理エンティティに送信するようにし、
前記第3ステップは、前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信された第2のドメイン識別情報を受信して、前記第2のドメインが前記第1のドメインの下位ドメインとなるように、第1のドメインメンバリストに前記第2のドメイン識別情報を登録するようにし、
前記第6ステップは、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を第2のドメインメンバリストに登録すると共に前記第1のドメイン管理エンティティに送信するようにし、
前記第7ステップは、前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を前記第1のドメインメンバリストに、前記第2のドメイン識別情報と関連付けて登録するようにした、
ことを特徴とするドメイン登録方法。
【請求項5】
請求項4記載のドメイン登録方法において、
前記第6ステップは、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を前記第2のドメインメンバリストに登録すると共に、前記第2のドメインメンバリストに登録されたエンティティ識別情報の個数を前記第1のドメイン管理エンティティ送信するようにし、
前記第7ステップは、前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報の個数を受信して、このエンティティ識別情報の個数と、前記第1のドメイン管理エンティティが予め有している前記第1のドメインに登録可能なドメインメンバ・エンティティの最大登録数とを比較し、前記エンティティ識別情報の個数が前記最大登録数以下である場合のみ、前記第2のドメイン管理エンティティに対して登録許可を与えるようにした、
ことを特徴とするドメイン登録方法。
【請求項6】
第1のドメインを管理する第1のドメイン管理エンティティが、前記第1のドメインの下位階層であってドメインメンバ・エンティティを登録メンバとした第2のドメインを管理すると共に前記ドメインメンバ・エンティティとの間の第1のレスポンス時間を記録した第2のドメイン管理エンティティに、レスポンス許容時間を送信する第1ステップと、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信されたレスポンス許容時間を受信して、前記第1のドメイン管理エンティティとの間の第2のレスポンス時間を測定し、前記記録された第1のレスポンス時間と前記測定された第2のレスポンス時間との合計と、前記受信したレスポンス許容時間とを比較する第2ステップと、
前記第1及び第2のレスポンス時間の合計が前記レスポンス許容時間よりも大きいとの比較結果の場合には、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記第2のドメインを前記第1のドメインに登録することを禁止するよう制御する第3ステップと、
を有したことを特徴とするドメイン登録方法。
【請求項7】
第1のドメインを管理する第1のドメイン管理エンティティから供給されたレスポンス許容時間と、前記第1のドメイン管理エンティティとの間の第1のレスポンス時間とをそれぞれ有した、前記第1のドメインの下位階層である第2のドメインを管理する第2のドメイン管理エンティティが、前記第2のドメインのメンバであるドメインメンバ・エンティティとの間の第2のレスポンス時間を測定する第1ステップと、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記有した第1のレスポンス時間と前記測定された第2のレスポンス時間との合計と、前記有したレスポンス許容時間とを比較する第2ステップと、
前記第1及び第2のレスポンス時間の合計が前記レスポンス許容時間よりも大きいとの比較結果の場合には、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記ドメインメンバ・エンティティを前記第2のドメインに登録することを禁止するよう制御する第3ステップと、
を有したことを特徴とするドメイン登録方法。
【請求項8】
第1のドメイン管理エンティティにより第1のドメイン識別情報を用いて管理される第1のドメインに、第2のドメイン管理エンティティにより第2のドメイン識別情報を用いて管理されると共に、エンティティ識別情報により識別されるドメインメンバ・エンティティが登録された第2のドメインが下位階層として登録される一方、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記第2のドメインが前記第1のドメインに登録されたことを前記ドメインメンバ・エンティティに通知していない場合であって、所定のドメイン識別情報が付与されたコンテンツ又はサービスを前記ドメインメンバ・エンティティに利用させる場合に、
前記ドメインメンバ・エンティティが、前記エンティティ識別情報を含むドメイン識別情報要求情報を前記第1のドメイン管理エンティティに送信する第1ステップと、
前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信されたドメイン識別情報要求情報を受信し、これに含まれた前記エンティティ識別情報が前記第1のドメインに登録されている場合には、前記第1のドメイン識別情報を前記ドメインメンバ・エンティティに送信する第2ステップと、
前記ドメインメンバ・エンティティが、前記送信された第1のドメイン識別情報を受信して、前記コンテンツ又はサービスに付与された前記所定のドメイン識別情報と比較する第3ステップと、
前記第1のドメイン識別情報と前記所定のドメイン識別情報とが同一であるとの比較結果の場合にのみ、ドメインメンバ・エンティティに前記コンテンツ又はサービスの利用を許可するよう制御する第4ステップと、
を有したことを特徴とするドメイン登録方法。
【請求項1】
第1のドメインを管理する第1のドメイン管理エンティティが、前記第1のドメインを識別するための第1のドメイン識別情報を、第2のドメインを管理する第2のドメイン管理エンティティに送信する第1ステップと、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信された第1のドメイン識別情報を受信して、前記第2のドメインを識別するための第2のドメイン識別情報を前記第1のドメイン管理エンティティに送信し、前記第1のドメインを前記第2のドメインの上位ドメインとして登録する第2ステップと、
前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信された第2のドメイン識別情報を受信して、前記第2のドメインを前記第1のドメインの下位ドメインとして登録する第3ステップと、
を有したことを特徴とするドメイン登録方法。
【請求項2】
請求項1記載のドメイン登録方法において、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記第2ステップにおいて受信した前記第1のドメイン識別情報と、前記第2のドメイン識別情報とをドメインメンバ・エンティティに送信する第4ステップと、
前記ドメインメンバ・エンティティが、前記送信された第1及び第2のドメイン識別情報をそれぞれ受信して、前記ドメインメンバ・エンティティを識別するためのエンティティ識別情報を前記第2のドメイン管理エンティティに送信する第5ステップと、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を前記第2のドメインに登録すると共に前記第1のドメイン管理エンティティに送信する第6ステップと、
前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を前記第1のドメインに登録する第7ステップと、
を更に有したことを特徴とするドメイン登録方法。
【請求項3】
請求項1記載のドメイン登録方法において、
前記第2ステップは、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信された第1のドメイン識別情報を受信して、前記第1のドメインが前記第2のドメインの上位ドメインとなるように登録ドメインリストに前記第1のドメイン識別情報を登録し、前記第2のドメイン識別情報を前記第1のドメイン管理エンティティに送信するようにし、
前記第3ステップは、前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信された第2のドメイン識別情報を受信して、前記第2のドメインが前記第1のドメインの下位ドメインとなるように、ドメインメンバリストに前記第2のドメイン識別情報を登録するようにした、
ことを特徴とするドメイン登録方法。
【請求項4】
請求項2記載のドメイン登録方法において、
前記第2ステップは、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信された第1のドメイン識別情報を受信して、前記第1のドメインが前記第2のドメインの上位ドメインとなるように登録ドメインリストに前記第1のドメイン識別情報を登録し、前記第2のドメイン識別情報を前記第1のドメイン管理エンティティに送信するようにし、
前記第3ステップは、前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信された第2のドメイン識別情報を受信して、前記第2のドメインが前記第1のドメインの下位ドメインとなるように、第1のドメインメンバリストに前記第2のドメイン識別情報を登録するようにし、
前記第6ステップは、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を第2のドメインメンバリストに登録すると共に前記第1のドメイン管理エンティティに送信するようにし、
前記第7ステップは、前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を前記第1のドメインメンバリストに、前記第2のドメイン識別情報と関連付けて登録するようにした、
ことを特徴とするドメイン登録方法。
【請求項5】
請求項4記載のドメイン登録方法において、
前記第6ステップは、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報を受信して、このエンティティ識別情報を前記第2のドメインメンバリストに登録すると共に、前記第2のドメインメンバリストに登録されたエンティティ識別情報の個数を前記第1のドメイン管理エンティティ送信するようにし、
前記第7ステップは、前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信されたエンティティ識別情報の個数を受信して、このエンティティ識別情報の個数と、前記第1のドメイン管理エンティティが予め有している前記第1のドメインに登録可能なドメインメンバ・エンティティの最大登録数とを比較し、前記エンティティ識別情報の個数が前記最大登録数以下である場合のみ、前記第2のドメイン管理エンティティに対して登録許可を与えるようにした、
ことを特徴とするドメイン登録方法。
【請求項6】
第1のドメインを管理する第1のドメイン管理エンティティが、前記第1のドメインの下位階層であってドメインメンバ・エンティティを登録メンバとした第2のドメインを管理すると共に前記ドメインメンバ・エンティティとの間の第1のレスポンス時間を記録した第2のドメイン管理エンティティに、レスポンス許容時間を送信する第1ステップと、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記送信されたレスポンス許容時間を受信して、前記第1のドメイン管理エンティティとの間の第2のレスポンス時間を測定し、前記記録された第1のレスポンス時間と前記測定された第2のレスポンス時間との合計と、前記受信したレスポンス許容時間とを比較する第2ステップと、
前記第1及び第2のレスポンス時間の合計が前記レスポンス許容時間よりも大きいとの比較結果の場合には、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記第2のドメインを前記第1のドメインに登録することを禁止するよう制御する第3ステップと、
を有したことを特徴とするドメイン登録方法。
【請求項7】
第1のドメインを管理する第1のドメイン管理エンティティから供給されたレスポンス許容時間と、前記第1のドメイン管理エンティティとの間の第1のレスポンス時間とをそれぞれ有した、前記第1のドメインの下位階層である第2のドメインを管理する第2のドメイン管理エンティティが、前記第2のドメインのメンバであるドメインメンバ・エンティティとの間の第2のレスポンス時間を測定する第1ステップと、
前記第2のドメイン管理エンティティが、前記有した第1のレスポンス時間と前記測定された第2のレスポンス時間との合計と、前記有したレスポンス許容時間とを比較する第2ステップと、
前記第1及び第2のレスポンス時間の合計が前記レスポンス許容時間よりも大きいとの比較結果の場合には、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記ドメインメンバ・エンティティを前記第2のドメインに登録することを禁止するよう制御する第3ステップと、
を有したことを特徴とするドメイン登録方法。
【請求項8】
第1のドメイン管理エンティティにより第1のドメイン識別情報を用いて管理される第1のドメインに、第2のドメイン管理エンティティにより第2のドメイン識別情報を用いて管理されると共に、エンティティ識別情報により識別されるドメインメンバ・エンティティが登録された第2のドメインが下位階層として登録される一方、前記第2のドメイン管理エンティティが、前記第2のドメインが前記第1のドメインに登録されたことを前記ドメインメンバ・エンティティに通知していない場合であって、所定のドメイン識別情報が付与されたコンテンツ又はサービスを前記ドメインメンバ・エンティティに利用させる場合に、
前記ドメインメンバ・エンティティが、前記エンティティ識別情報を含むドメイン識別情報要求情報を前記第1のドメイン管理エンティティに送信する第1ステップと、
前記第1のドメイン管理エンティティが、前記送信されたドメイン識別情報要求情報を受信し、これに含まれた前記エンティティ識別情報が前記第1のドメインに登録されている場合には、前記第1のドメイン識別情報を前記ドメインメンバ・エンティティに送信する第2ステップと、
前記ドメインメンバ・エンティティが、前記送信された第1のドメイン識別情報を受信して、前記コンテンツ又はサービスに付与された前記所定のドメイン識別情報と比較する第3ステップと、
前記第1のドメイン識別情報と前記所定のドメイン識別情報とが同一であるとの比較結果の場合にのみ、ドメインメンバ・エンティティに前記コンテンツ又はサービスの利用を許可するよう制御する第4ステップと、
を有したことを特徴とするドメイン登録方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−43230(P2009−43230A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104551(P2008−104551)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】
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