説明

ドライブコントローラ及び光ディスク装置

【課題】光ディスク装置の消費電力を低減するとともにユーザの操作性を向上する。
【解決手段】ホスト装置1は、検出スイッチ16からの信号に基づいて光ディスクの挿入及び排出を検出する。光ディスクが挿入された場合に光ディスク装置10に電力を供給し、排出が検出された場合に一定時間は電力供給を維持し、その後に電力供給を停止する。一定時間内にユーザが光ディスクを再挿入しても、電力供給が維持されているために初期化処理が不要であり、迅速に光ディスクを駆動できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドライブコントローラ及び光ディスク装置に関し、特に光ディスク装置の電源供給制御に関する。
【背景技術】
【0002】
薄型かつ低消費電力の光ディスク装置が開発され、ノートパソコン等に搭載されている。光ディスク装置への光ディスクの挿入及び排出を検出し、挿入を検出すると光ディスク装置へ電源を供給し、排出を検出すると光ディスク装置への電源供給を停止することで電力消費を低減することができる。
【0003】
下記の特許文献には、スロットインタイプの情報記憶装置で電源の供給制御を行う技術が記載されている。媒体のロード及びイジェクトに応じてスイッチ状態が変化し、CPUがスイッチの状態を検出することで媒体のロード及びイジェクトを検出し、媒体の排出を検出すると電源供給を停止することが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−222679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、情報記憶装置内のCPUがスイッチの状態を監視するため常に稼働状態にある。そこで、さらなる消費電力の削減を図るべく、待機状態では媒体の挿入を検出するスイッチのみにホスト装置から電源を供給し、このスイッチが挿入を検出した場合にホスト装置から情報記憶装置に電源を供給することが考えられる。但し、挿入を検出した後に電源を供給する構成では、内部のCPUや周辺IC等を初期化して動作可能状態まで移行させるまでに時間を要することとなり、ユーザの操作性が低下するおそれがある。
【0006】
例えば、光ディスク装置を例示する。ユーザは、ある光ディスクを光ディスク装置に挿入するが、その後、他の光ディスクを代わりに挿入するために既に挿入した光ディスクを排出する場合が少なくない。このような場合、光ディスクの排出を検出して電源を遮断してしまい、再度光ディスクの挿入を検出して電源を供給する構成では、再挿入した光ディスクの実際の駆動が開始されるまでに時間を要することとなり、操作性が低下する。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、消費電力を低減しつつ、操作性に優れた光ディスク装置及びドライブコントローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、情報記録媒体駆動装置の動作を制御するドライブコントローラであって、前記駆動装置に対する情報記録媒体の挿入及び排出を検出する検出手段と、前記検出手段で前記情報記録媒体の排出が検出された場合に、前記情報記録媒体が挿入されている間に前記駆動装置に供給されている電力を一定時間維持するとともに、前記一定時間経過後に前記電力の供給を遮断する電力制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、光ディスク装置であって、光ディスクの挿入及び排出を検出する検出手段と、前記検出手段で前記光ディスクの排出が検出された場合に、一定時間は光ディスクの駆動可能な電源オン状態を維持するとともに、前記一定時間経過後に電源オフ状態に遷移する手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明では、光ディスク等の情報記録媒体が挿入されている間のみ光ディスクドライブ等の情報記録媒体駆動装置に対して駆動用電力を供給することで消費電力の低減(パワーセーブ)を図ることを基本としつつ、ユーザの利便性や操作性向上を図るために、情報記録媒体が情報記録媒体駆動装置から排出された場合に直ちに電力供給を停止するのではなく、排出されてから一定時間は電力供給を維持する。一定時間電力供給を維持している間にユーザが情報記録媒体を再挿入した場合、情報記録媒体駆動装置は直ちに再挿入された情報記録媒体の駆動を開始することができ、ユーザの利便性及び操作性の向上が図られる。一定時間経過した後は、情報記録媒体駆動装置への電力供給を停止し、不要な電力消費を抑制する。本発明では、電力供給の停止タイミングを情報記録媒体の排出タイミングと同期させつつ、電力供給の停止タイミングを情報記録媒体の排出タイミングよりも一定時間だけ遅延させるものと云うことができる。一定時間は固定値でもよいが可変値としてもよい。一定時間は、ユーザが情報記録媒体を再挿入する事態に備えた時間としての意義を有するから、ユーザの排出、再挿入の動作特性に応じて適応的に調整することが好適である。ユーザの排出、再挿入特性は、記録あるいは再生しようとする情報記録媒体のコンテンツに応じて決定されるものと云うこともできるから、コンテンツに応じて適応的に調整することも好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、情報記録媒体の排出から一定時間は電力供給が維持されるため、この間に情報記録媒体が再挿入されても情報記録媒体駆動装置(ドライブ)の初期化処理が不要となり、低消費電力を図りつつユーザの利便性や操作性が向上する。また、電力供給と電力供給停止の回数(オンオフ回数)が低減されるので、ドライブコントローラとドライブの誤動作の可能性が低減する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1及び図2に、本実施形態における光ディスク装置(光ディスクドライブ)の構成を示す。図1は光ディスクの排出状態、図2は光ディスクの挿入状態である。光ディスク装置10はスロットイン型であり、一つの側面に形成されたスロットからCDやDVD等の光ディスク100を挿入し、かつ排出する。光ディスク装置10の内部には光ディスク100を回転駆動するスピンドルや光ディスク100の表面にレーザ光を照射しその反射光を受光する光ピックアップが設けられる。また、光ディスク装置10には光ディスク100が挿入されたときに光ディスク100の端部が当接するアーム12が設けられる。
【0014】
アーム12は略円弧状の外観を呈し、その一端に光ディスク100が当接するヘッド部が設けられ、他端は支持部材14に固着される。支持部材14は図中矢印ab方向に軸中心15の回りに回動自在に軸支されるとともに弾性部材により図中b方向に付勢される。支持部材14は、平面形状が扇形であってカム形状をなし、その円弧部に凹凸部が形成されている。支持部材14の円弧部の近接位置であって対向する位置に検出スイッチ16が設けられている。
【0015】
まず、光ディスク100の挿入時の動作について説明する。
【0016】
光ディスク100が挿入されると、光ディスク100の端部がアーム12のヘッドに当接し、さらに光ディスク100を挿入し続けると、光ディスク100に押されるようにアーム12及び支持部材14が軸中心15の回りに弾性力に抗して図中矢印a方向に回動する。この時点では、検出スイッチ16は支持部材14の円弧部の凸部に接しており、閉状態にある。さらに光ディスク100を挿入し続けると、図2に示すようにアーム12及び支持部材14がさらに矢印a方向に回動し、やがて検出スイッチ16は支持部材14の円弧部の凹部に対向するようになり、検出スイッチ16は開放(オープン)状態となる。光ディスク装置10内のプロセッサや光ディスク装置10に電源を供給するノートパソコン等のホスト装置は、この検出スイッチ16の開放状態により、光ディスク100が光ディスク装置10に挿入されたことを検出する。
【0017】
次に、光ディスク100の排出時の操作について説明する。
【0018】
イジェクトボタン等が操作されると、図示しない搬送機構が光ディスク100を光ディスク装置10のスロット方向に搬送する。光ディスク100の移動にともない、光ディスク100の端部に当接するアーム12及び支持部材14は弾性力により図中b方向に回動する。さらに光ディスク100を搬送し続けると、図2に示す状態から図1に示す状態に移行し、検出スイッチ16は支持部材14の円弧部の凸部に対向するようになり、検出スイッチ16は開放状態から閉状態となる。光ディスク装置10内のプロセッサやホスト装置は、この検出スイッチ16の閉状態により、光ディスク100が光ディスク装置10から排出されたことを検出する。
【0019】
図3に、図1あるいは図2に示す光ディスク装置10を駆動するシステム構成を示す。光ディスク装置10はノートパソコン等のホスト装置(ドライブコントローラ)1に組み込まれ、ホスト装置1からの制御信号により制御される。ホスト装置1は、ACアダプタにより外部商用電源から電力供給を受け、あるいは内蔵バッテリで動作する。ホスト装置1は、光ディスク装置10に駆動用電力を供給する。省電力の観点からは、ホスト装置1は光ディスク装置10に光ディスクが挿入され光ディスクを駆動する必要がある場合に光ディスク装置10に電力を供給することが望ましい。具体的には、図1あるいは図2で説明したとおり、光ディスク装置10には光ディスクの挿入及び排出を検出する検出スイッチ16が設けられているから、検出スイッチ16からの検出信号に応じ、光ディスクが挿入されたことを検出された場合にホスト装置1は光ディスク装置10に電力を供給し、光ディスクが排出されたことを検出した場合にホスト装置1は光ディスク装置10への電力供給を停止する。図3に即して説明すると、ホスト装置1はディスク検出及び電源供給回路1aを有し、回路1aは信号線20を介して光ディスク装置10に駆動用電力を供給するとともに、信号線30を介して検出スイッチ16からの検出信号を受信する。検出スイッチ16は、光ディスクが挿入されると閉状態から開放状態となり、信号線30は検出スイッチ16の開放により信号レベルはHiとなる。回路1aは信号線30のHi状態を検出することで光ディスクが挿入されたことを検出する。また、検出スイッチ16は、光ディスクが排出されると開放状態から閉状態となり、信号線30のレベルはHiからLowとなる。回路1aは信号線30のLow状態を検出することで光ディスクが排出されたことを検出する。なお、光ディスク装置10もディスク検出回路10aを有し、回路1aと同様に検出スイッチ16からの検出信号を受信して光ディスクの挿入及び排出を検出する。但し、本実施形態では光ディスクの挿入及び排出に連動したホスト装置1から光ディスク装置10への電力供給制御に特徴があるため、ディスク検出回路10aの動作についてはその説明を省略する。
【0020】
ホスト装置1は、検出スイッチ16の開閉状態を監視することで光ディスクの挿入を検出し、初めて光ディスク装置10に電力を供給するが、第1に、電源を供給後、光ディスク装置10自身は内部のCPUや周辺IC、スロットイン機構内のアーム位置等を確認し初期化して光ディスクの引き込み動作を行えるように準備する必要がある。したがって、ユーザが光ディスクを挿入し、検出スイッチ16を動作させた直後は上記の初期化処理のために光ディスクの引き込み動作にスムーズに移行することはできず、操作はワンテンポ遅れる感じとなる。
【0021】
第2に、ホスト装置1は、検出スイッチ16の開閉状態を監視することで光ディスクの排出を検出し、光ディスク装置10への電力供給を停止するが、ユーザによってはある光ディスクを排出後に同一光ディスクを再挿入する、あるいは別の光ディスクを再挿入する場合があり、このような場合にも再度検出スイッチ16が挿入を検出した場合にホスト装置1は光ディスク装置10に電力を供給し、光ディスク装置10は上記の初期化処理を実行する必要があるため操作が遅れることになる。ユーザにとっては、光ディスクを再挿入する場合においても操作が遅れるため、使い勝手が悪い。
【0022】
そこで、本実施形態では、特に第2の問題を解消すべく、ホスト装置1は検出スイッチ16により光ディスクの排出が検出された場合でも、直ちに光ディスク装置10への電力供給を停止するのではなく、排出後一定時間は電力供給を維持する。そして、一定時間経過後に電力供給を停止する。電力供給を維持する一定時間は任意であるが、例えば15秒程度に設定する。排出後一定時間は光ディスク装置10への電力供給が維持されるため、この期間内に光ディスクが再挿入された場合でも、光ディスク装置10内のCPUや周辺ICは初期化処理を実行する必要がなく、直ちに再挿入された光ディスクの引き込み動作及び記録あるいは再生動作に移行することができ、ユーザの操作性が向上する。
【0023】
図4に、本実施形態の動作タイミングチャートを示す。図3における信号線20及び信号線30のタイミングチャートである。光ディスクが光ディスク装置10内に存在しない状態では検出スイッチ16は閉状態であり信号レベルはLowである。光ディスクが挿入されると検出スイッチ16は開放状態となり信号レベルはHiとなる。信号線30の信号レベルがHiとなると、ホスト装置1は信号線20を介して光ディスク装置10に電力を供給するため、信号線20はLowレベルからHiレベルとなる。光ディスク装置10は、ホスト装置1からの電力供給を受けて電源オン状態となり、CPU及び周辺ICが起動して所定の初期化処理を実行し、その後、挿入された光ディスクの引き込み動作及び記録再生動作を行う。一方、ユーザが光ディスク装置10のイジェクトボタン等を押下操作して光ディスクが排出されると検出スイッチ16は閉状態となり信号線30のレベルはLowレベルとなる。ホスト装置1は、信号線30のレベルがHiからLowに変化しても、直ちに電力供給を停止するのではなく、一定時間Tだけ経過した後に電力供給を停止する。したがって、信号線20は信号線30がHiからLowに変化した時点から一定時間Tだけ遅延した後にHiからLowに変化する。光ディスク装置10は、ホスト装置1からの電力供給が停止されると電源オフ状態となり、CPU及び周辺ICは動作を停止する。
【0024】
なお、一定時間Tは固定ではなく可変としてもよい。例えば、ユーザに応じて再挿入までの時間が変化し得るものと考えられるから、ホスト装置1が光ディスクの排出から再挿入までの時間を計測してメモリに記憶し、一定の再挿入回数における排出から再挿入までの平均時間を学習してもよい。学習して得られた平均時間に1より大きい所定の係数(例えば1.2)を乗して一定時間Tを算出する。
【0025】
あるいは、光ディスクのコンテンツに応じて再挿入までの時間が変化し得るものと考えられるから、ホスト装置1が光ディスクのコンテンツを識別し、これに応じて一定時間Tを適応的に設定する。例えば、光ディスクが音楽CDや映像DVDの場合、挿入し再生してから所定時間経過する前に排出された場合にはユーザは別の光ディスクを再挿入する可能性が高いことから一定時間Tを長く設定(デフォルト時間より長くする)し、所定時間経過してから排出された場合にはユーザは別の光ディスクを再挿入する可能性が少ないことから一定時間Tを標準設定する(デフォルト時間をそのまま適用)。光ディスクがプログラムデータ等を記憶するデータCDの場合、複数の光ディスクを順次交換挿入してプログラムをインストールする場合があることから、挿入し再生してから所定時間経過した後に排出された場合には一定時間Tを長く設定する等も好適である。プログラムのインストール状況に応じて一定時間Tを設定することも可能であろう。インストールが完了されていない時点において光ディスクが排出された場合、別の光ディスクが続いて再挿入される可能性が高いため一定時間Tを長く設定し、インストールが完了した時点において光ディスクが排出された場合、光ディスクの再挿入される可能性が少ないので一定時間Tを標準設定する等である。このように、ディスクが再挿入される可能性が高い場合に時間Tを長めに設定することでユーザの利便性を確実に向上できる。
【0026】
図5に、本実施形態の処理フローチャートを示す。まず、光ディスクが挿入されていない初期状態では電力消費を低減するためにホスト装置1は光ディスク装置10への電力供給を停止する(S101)。この状態では、ホスト装置1は検出スイッチ16の開閉状態を監視している。すなわち、信号線30の信号レベルを常時監視している。そして、光ディスクが光ディスク装置10に挿入されたか否かを判定する(S102)。検出スイッチ16が閉状態のままで信号レベルがLowのままであれば光ディスクは挿入されていない。検出スイッチ16が開放状態となり信号線30の信号レベルがHiとなると光ディスクが挿入されたことになり、ホスト装置1は光ディスク装置10への電力供給を開始する(S103)。光ディスク装置10の駆動電圧は例えば5Vである。
【0027】
光ディスク装置10は、ホスト装置1からの電力供給を受け、CPUや周辺ICが起動し、動作プログラムをブートし、アームを用いて挿入された光ディスクをスピンドル位置まで引き込み、光ディスクをスピンドルにクランプし、回転駆動して記録あるいは再生を開始する。
【0028】
ホスト装置1は、継続して常時検出スイッチ16の開閉状態を監視し、光ディスクが光ディスク装置10から排出されたか否かを判定する(S104)。検出スイッチ16が開放状態から閉状態になり信号線の信号レベルがLowになると光ディスクが排出されたことになり、ホスト装置1は内蔵タイマを動作させて時間をカウントする(S105)。この時点では電力供給は維持する。そして、ホスト装置1は、タイマが一定時間Tとなるまでに光ディスクが再挿入されたか否かを判定し(S106)、光ディスクが再挿入された場合には電力供給をそのまま維持し続ける(S103)。また、再挿入された場合にはタイマをリセットする。一方、光ディスクが再挿入されることなく一定時間Tが経過した場合には(S107)、ホスト装置1は光ディスク装置10への電力供給を停止する(S108)。
【0029】
このように、本実施形態では、光ディスクが光ディスク装置10から排出された場合でも、直ちに電力供給を停止するのではなく、一定時間Tの経過後に電力供給を停止するので、消費電力を低減しつつ、ユーザの操作性を向上することができる。また、一定時間Tをユーザに応じて、あるいは光ディスクのコンテンツに応じて適応的に調整設定することで、消費電力低減とユーザ操作性向上の両立を最適化することができる。
【0030】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の態様が可能である。
【0031】
例えば、上記の実施形態では第2の問題は解消されるものの第1の問題、つまり最初に光ディスクを挿入する場合の操作性劣化は解消されない。そこで、ホスト装置1は、光ディスク装置10に電力供給を開始してから所定時間は、光ディスク装置10が光ディスクを受け入れる状態になっていないことを示す信号(NOT READY信号)をディスプレイに表示することが好適である。もちろん、ホスト装置1は光ディスク装置10のCPUからステータス信号を受信し、このステータス信号に応じてディスプレイに表示してもよい。ユーザはディスプレイに表示される信号あるいはメッセージを視認することで、光ディスクを無理矢理押し込むことで光ディスクあるいは光ディスク装置10を損傷してしまう事態等を回避できる。
【0032】
また、検出スイッチ16が光ディスクの挿入を検出した場合に電力供給を開始するのではなく、OS(オペレーティングシステム)からのコマンドにより光ディスクを挿入すべきタイミングであることを検出した場合に、検出スイッチ16の状態によらず事前に電力供給を開始してもよい。
【0033】
図6に、この場合の処理フローチャートを示す。まず、ホスト装置1は光ディスク装置10への電力供給を停止しており(S201)、この状態でOSからのコマンドにより光ディスク挿入すべきとのメッセージコマンドが存在するか否かを判定する(S202)。プログラムをインストールする場合、インストーラが光ディスクの挿入を促すメッセージをディスプレイに表示する場合があり、ユーザはこのメッセージに従ってプログラムが記録された光ディスクを光ディスク装置10に挿入する。そこで、ホスト装置1は、光ディスク挿入のメッセージが表示された場合には、引き続いて光ディスクが光ディスク装置10に挿入されるものとみなし、検出スイッチ16が未だ閉状態で信号レベルがLowのままであっても光ディスク装置10に対して電力供給を開始する(S203)。そして、電力供給開始とともに内蔵タイマーをスタートさせ(S204)、電力供給を開始してから一定時間T1だけ経過する前に光ディスクが挿入されたか否かを判定する(S205、S206)。光ディスクが挿入された場合には、ユーザがOSのメッセージコマンドに応じて光ディスクを実際に挿入したことを意味するから、次に光ディスクが排出されたか否かを判定する。ユーザが光ディスクを挿入する場合、既に光ディスク装置10には電力が供給され、初期処理が完了しているから、スムーズに引き込み動作及び記録再生動作に移行できる。一方、メッセージコマンドに応じて電力供給を開始したものの、一定時間T1以内にユーザが光ディスクを挿入しなかった場合には、不要な電力消費を抑制すべく、ホスト装置1はS203で開始した電力供給を直ちに停止する(S211)。
【0034】
光ディスクが挿入され、次いで光ディスクの排出が検出された場合、ホスト装置1は内蔵タイマをスタートさせ(S208)、一定時間T2経過後に電力供給を停止する(S210、S211)。また、この一定時間T2内で光ディスクが再挿入されたか否かを判定し(S209)、再挿入された場合にはタイマをリセットとして電力を供給し続ける。
【0035】
また、本実施形態ではスロットイン型の光ディスク装置10について説明したが、他の型式の光ディスク装置にも適用することができる。
【0036】
例えば、ドロワー型の光ディスク装置10では、トレイが出たことを検出スイッチで検出することで光ディスクの排出を検出できる。そして、検出スイッチで排出が検出された場合に直ちに電力供給を停止するのではなく、一定時間経過後に電力供給を停止すればよい。なお、ドロワー型の光ディスク装置では、ピックアップやモータがユーザから見えるので、安全保護のためと消費電力抑制のためにモータを止めたりピックアップ電源をオフにする必要性が高い。ホスト装置1側で光ディスク装置10の電力を停止することは、安全保護とパワーセーブとともに高めることになる。カバーオープン型の光ディスク装置も同様であり、カバーが開いたことを検出スイッチで検出することで光ディスクの排出を検出でき、排出が検出されてから一定時間経過後に電力供給を停止すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施形態の光ディスク装置の構成図(排出状態)である。
【図2】実施形態の光ディスク装置の構成図(挿入状態)である。
【図3】実施形態のシステム構成図である。
【図4】実施形態のタイミングチャートである。
【図5】実施形態の処理フローチャートである。
【図6】実施形態の他の処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0038】
1 ホスト装置(ドライブコントローラ)、10 光ディスク装置(ドライブ)、16 検出スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録媒体駆動装置の動作を制御するドライブコントローラであって、
前記駆動装置に対する情報記録媒体の挿入及び排出を検出する検出手段と、
前記検出手段で前記情報記録媒体の排出が検出された場合に、前記情報記録媒体が挿入されている間に前記駆動装置に供給されている電力を一定時間維持するとともに、前記一定時間経過後に前記電力の供給を遮断する電力制御手段と、
を有することを特徴とするドライブコントローラ。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記検出手段は、前記一定時間内に前記情報記録媒体が再挿入されたか否かを検出することを特徴とするドライブコントローラ。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、
前記電力制御手段は、前記一定時間を可変調整することを特徴とするドライブコントローラ。
【請求項4】
請求項3記載の装置において、
前記電力制御手段は、前記情報記録媒体の排出から再挿入までに要した時間の統計値に応じて前記一定時間を可変調整することを特徴とするドライブコントローラ。
【請求項5】
請求項3記載の装置において、
前記電力制御手段は、前記情報記録媒体に記録されているデータ内容に応じて前記一定時間を可変調整することを特徴とするドライブコントローラ。
【請求項6】
光ディスク装置であって、
光ディスクの挿入及び排出を検出する検出手段と、
前記検出手段で前記光ディスクの排出が検出された場合に、一定時間は光ディスクの駆動可能な電源オン状態を維持するとともに、前記一定時間経過後に電源オフ状態に遷移する手段と、
を有することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項7】
請求項6記載の装置において、
前記検出手段は、前記一定時間内に前記情報記録媒体が再挿入されたか否かを検出することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項8】
請求項6記載の装置において、
前記一定時間は、可変調整されることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項9】
請求項8記載の装置において、
前記一定時間は、前記光ディスクの排出から再挿入までに要した時間の統計値に応じて可変調整されることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項10】
請求項8記載の装置において、
前記一定時間は、前記光ディスクに記録されているデータ内容に応じて可変調整されることを特徴とする光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−234202(P2007−234202A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−58339(P2006−58339)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(000003676)ティアック株式会社 (339)
【Fターム(参考)】