説明

ドラム式洗濯機

【課題】洗浄性能を高めて、衣類の黒ずみを防止するドラム式洗濯機を提供すること。
【解決手段】水槽52と、回転ドラム53と、モータ54と、水槽52内に給水する給水弁85と、入力設定手段83と表示手段84とで構成される操作表示手段74と、水槽52の内底下部に設けられた排水口71と、排水口71と連通する排水弁59と、衣類の量を検知する布量検知手段91と、給水弁85やモータ54等を制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程、および黒ずみ防止コースを逐次制御する制御手段88とを備え、制御手段88は、入力設定手段83にて黒ずみ防止コースが選択された時、布量検知手段91にて布量検知後、表示手段84にて布量に対応する水位と、水位に対応する標準洗剤量の略2倍の洗剤量を表示することにより、高洗剤濃度で洗浄性能を高めて衣類の黒ずみを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄性能を高めて衣類の黒ずみ防止を行なうドラム式洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の洗濯機では、洗浄性能を向上させるために、洗濯液を高濃度状態にして洗いを行なう制御方式が提案されてきた。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7は、特許文献1に記載された従来の洗濯機の動作フローチャート、図8は、同洗濯機の水量設定キーの正面図、図9は、同洗濯機の洗剤量を表示する表示態様を示す図である。
【0004】
図7において、電源が投入されてスタートし、高濃度運転コースが選択されると(ステップS1のYES)、図8に示す表示ランプで使用水量を表示するとともに、図9の(a)または(b)に示すような表示ランプを用いて投入する洗剤量の目安を表示させる(ステップS2。)使用者は、この表示に従って内槽などに洗剤を投入する。ここで、特許文献1では、洗剤量を標準運転コースに必要な量よりも多量に表示し、かつ、給水量を標準運転コースよりも少なくするようにしている。そして、給水量は、定格よりも少ない負荷に合わせ、固定している。例えば、水量を30リットルとし、この時の洗剤量は60gと表示する。これは、標準選択コースで洗濯物の量を3kgに設定した場合の設定値、水量39リットル、洗剤量27gと比較して、洗剤濃度は約3倍となる。
【0005】
洗剤量表示に基づき洗剤を投入し洗濯をスタートさせると、設定された給水量まで給水し(ステップS3)、洗い行程に入る(ステップS11)。所定の洗い時間が経過すると(ステップS12のYES)、次のすすぎ工程に入っていく。漬け置き高濃度コースが選択されると(ステップS4のYES)、高濃度洗濯コースと同様に、水量を表示すると共に、洗剤量を表示させ(ステップS5)、給水して(ステップS6)、漬け置き期間に入る。そして、ステップS7、S8、S9と進行し、漬け置きが終了すると(ステップS10のYES)、前述と同様に洗い行程(ステップS11)に入る。
【0006】
上記の制御方式により、標準運転コースよりも洗剤を多く、水量を少なくして洗濯することにより、洗浄力を上げることが出来るという提案である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−342887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記特許文献1に示す従来の構成では、規定量の衣類を、規定の水量よりも少ない水量で洗うために、洗濯槽(内槽)の中で衣類を無理やり撹拌するということになる。特許文献1では、実施の形態として縦型の全自動洗濯機で説明されているが、縦型洗濯機に限らずドラム式洗濯機であっても、内槽を内包する水槽(外槽)は、筺体内に揺動自在に支持されており、内槽の中で衣類を無理やり撹拌すれば、外槽全体が大きく揺れて、振動が大きくなり騒音が発生し、最悪の場合は外槽が筺体に激突するという課題を有していた。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、振動性能を損なうことなく、洗浄性能を高めて衣類の黒ずみを防止し、高品質の仕上がりができるドラム式洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決するために本発明のドラム式洗濯機は、洗濯機本体内に揺動自在に支持された水槽と、前記水槽内に内包され有底円筒形に形成された回転ドラムと、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記水槽内に給水する給水弁と、前記洗濯機本体前面上部に設けられ入力設定手段と表示手段とで構成される操作表示手段と、前記水槽の内底下部に設けられた排水口と、前記排水口と連通する排水弁と、衣類の量を検知する布量検知手段と、前記給水弁やモータ等を制御し、洗い、すすぎ、脱水の一連の行程、および衣類の黒ずみを防止する黒ずみ防止コースを逐次制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記入力設定手段にて黒ずみ防止コースが選択された時、前記布量検知手段にて布量検知後、前記表示手段にて布量に対応する水位と、水位に対応する標準洗剤量の略2倍の洗剤量を表示することにより、高洗剤濃度で洗浄性能を高めて衣類の黒ずみを防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のドラム式洗濯機は、黒ずみ防止コース(高品位仕上げコース)で運転することにより、高品質の仕上がりを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の縦断面図
【図2】同ドラム式洗濯機のブロック回路図
【図3】同ドラム式洗濯機の操作表示部の一例図
【図4】同ドラム式洗濯機の高品位仕上げコースの洗い〜脱水制御のフローチャート
【図5】本発明の第2の実施の形態におけるドラム式洗濯機の操作表示部の一例図
【図6】同ドラム式洗濯機の高品位仕上げコースの洗い〜脱水制御のフローチャート
【図7】特許文献1に記載された従来の洗濯機の動作フローチャート
【図8】同洗濯機の水量設定キーの正面図
【図9】同洗濯機の洗剤量を表示する表示態様を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の発明は、洗濯機本体内に揺動自在に支持された水槽と、前記水槽内に内包され有底円筒形に形成された回転ドラムと、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記水槽内に給水する給水弁と、前記洗濯機本体前面上部に設けられ入力設定手段と表示手段とで構成される操作表示手段と、前記水槽の内底下部に設けられた排水口と、前記排水口と連通する排水弁と、衣類の量を検知する布量検知手段と、前記給水弁やモータ等を制御し、洗い、すすぎ、脱水の一連の行程、および衣類の黒ずみを防止する黒ずみ防止コースを逐次制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記入力設定手段にて黒ずみ防止コースが選択された時、前記布量検知手段にて布量検知後、前記表示手段にて布量に対応する水位と、水位に対応する標準洗剤量の略2倍の洗剤量を表示することにより、高洗剤濃度で洗浄性能を高めて衣類の黒ずみを防止することができる。
【0014】
第2の発明は、特に、第1の発明において、制御手段は、黒ずみ防止コースにおいて、水位と洗剤量を表示した後、給水弁を動作させて給水し、モータを回転駆動させて予洗い行程を行なった後に、排水弁を動作させて排水し、再度給水弁を動作させて給水し、モータを回転駆動させて本洗い行程を行なうことにより、洗浄性能を高めて衣類の黒ずみを防止し、高品質に仕上げることができる。
【0015】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、液体洗剤自動投入装置を具備するとともに、制御手段は、入力設定手段にて黒ずみ防止コースが選択された時、布量検知手段にて布量検知後、表示手段にて布量に対応する水位を表示するとともに、水位に対応する標準液体洗剤量の略2倍の洗剤量を前記液体洗剤自動投入装置を動作させて水槽内に投入することにより、使用者が洗剤を入れるという手間を省き、洗剤の入れ間違いを防止して、洗浄性能を高めて衣類の黒ずみを防止し、高品質に仕上げることができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の縦断面図、図2は、同ドラム式洗濯機のブロック回路図を示すものである。
【0018】
図1に示すように、洗濯機本体51の内部に揺動自在に水槽52が配設され、水槽52内には、回転ドラム53が回転自在に配設され、回転ドラム53は、水槽52の背面に外側より取り付けられたモータ54により回転駆動される。
【0019】
また、本発明のドラム式洗濯機は、モード設定や制御プログラムに従い、図1に示すモータ54、給水系55、排水系56、乾燥系57などを自動制御して、少なくとも洗い行程、すすぎ行程、脱水行程、乾燥行程を行う機能を有したいわゆるドラム式洗濯機を構成している。しかし、乾燥系57は省略することができる。
【0020】
給水系55は、給水弁85(図2で後述)の開閉によって、正面から見て中心より左側に設けられた給水経路75を介して、実線矢印aで示すように水槽52内部に適時に給水でき、また給水を利用して洗剤収容部58の洗剤を水道水と共に水槽52内に適時に投入できるようになっている。
【0021】
排水系56は、排水弁59の開閉によって洗い行程終了時、すすぎ行程終了時など必要なときに一点鎖線矢印bで示すように、水槽52の内底下部に形成された排水口71に接続された排水管60を介し、フィルターケース67に内設され、糸屑類を捕集し外部から取り外し可能の排水フィルタ61を通過した後、接続ホース72、排水弁59を経由して、機外に排水できるようになっている。なお、水槽52の側壁内方下部には、排水口71へ排水されやすいように、凹状の排水溝76が形成されている。
【0022】
排水弁59の上流側には、エアートラップ68を構成し、空気管69にて圧力センサーなどで構成された水位検知手段78(図2にて後述)に連接し、水槽52内部に給水された洗濯水の水圧により複数段の水位を検知する事が出来る。
【0023】
回転ドラム53は、略水平方向または水平方向から下向きに傾斜となるように配した回転軸63により水槽52の外底部に固着したモータ54に直結され、回転駆動する事により、前方の開閉扉64部より回転ドラム53に投入された衣類の撹拌たたき洗いを行う。なお、開閉扉64は、水槽52の開口縁65に装着したシール材66を介して密閉し、また開くことができるようにしている。
【0024】
乾燥系57は、水槽52および回転ドラム53内の空気を、送風用ファンモータ77を有する送風機62によって図1の破線矢印cで示すように循環させる。乾燥系57内には、糸屑類を捕集し除塵するフィルタ(図示せず)や、除塵後の導入空気を除湿する除湿部、除湿後の空気を加熱して渇いた高温空気とする加熱部等で構成されるヒートポンプ装置86(図2にて後述)等を有する。
【0025】
また、上記に併せ、洗い準備行程時、洗い行程時、すすぎ行程時など必要に応じ、循環系水路78にて水槽52内の水を循環させて洗剤の早期溶け込みや偏りの防止、洗いやすすぎの機能向上を図る機能を有している。
【0026】
この循環系水路78は、例えば洗い行程中に、回転速度可変のモータからなる循環ポンプ79を駆動させることで、水槽52内の水を、底部の排水管60を介し、排水フィルタ61を通過させ、循環ポンプ79への流入側経路80、循環ポンプ79、および循環ポンプ79からの吐出側経路81を介して、水槽52前部に形成した複数の噴射穴82より、矢印dで示す循環水として回転ドラム53内に噴射する。
【0027】
運転コース等のモードや各種機能の選択は、洗濯機本体51の前面上部の操作パネル73に設けられた、入力設定手段83(図2、図3で後述)と、表示手段84(図2、図3で後述)とで構成される操作表示手段74から入力して行い、制御装置70がその入力情報を基に操作パネル73上の表示手段84で表示して使用者に知らせるとともに、操作パネル73での入力設定手段83により運転開始が設定されると、水槽52内の水位を検知する水位検知手段78等からのデータを入力して、モータ54、排水弁59、給水弁85などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥行程などの運転を行う。
【0028】
図2のブロック回路図において、制御装置70の制御手段88は、マイクロコンピュータなどで構成し、商用電源89から、電源スイッチ90のONにより電力が供給されて動作を始め、布量検知手段91、水位検知手段78、温度検知手段92、93の出力を入力し、入力設定手段83にて使用者の入力により設定された内容に基づいて、表示手段84に設定内容を表示するとともに、双方向サイリスタ、リレーなどで構成した負荷駆動手段87を介して、モータ54、送風用ファンモータ77、ヒートポンプ装置86、排水弁59、給水弁85、循環ポンプ79などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の各行程を制御する。また、入力設定手段83と表示手段84とで、操作表示手段74を構成している。
【0029】
上記構成において、本願の言及する黒ずみ防止コース(高品位仕上げコース)を選択した際の洗い、すすぎ、脱水行程の動作を説明する。
【0030】
図3は、本発明の第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の操作表示部の一例図、図4は、同ドラム式洗濯機の高品位仕上げコースの洗い〜脱水制御のフローチャートである。図3,4をもとに説明する。
【0031】
まず、使用者が開閉扉64を開け、回転ドラム53に衣類を投入する。そして、図3の操作表示部図において、入力設定手段83にて、電源入りボタン83aを押して電源を入れ、コースボタン83cにて高品位仕上げコース84aを選択して、スタートボタン83bを押して、運転をスタートする。
【0032】
入力設定手段83には、他に、洗濯や乾燥を設定する洗・乾切換ボタン83d、洗いから乾燥までの行程を設定する行程ボタン83e、水位を設定する水位ボタン83fなどがある。水位は、使用者が布量に合わせて自由に設定できるが、使用者が設定しない場合は、布量検知の結果に基づき低〜高2の水位が自動設定される。なお、衣類の黒ずみを防止する高品位仕上げコースの場合は、低水位あるいは中水位が自動設定されるようになっている。
【0033】
図4のフローチャートにおいて、高品位仕上げコースが選択されスタートする(ステップS1のYES)と、布量検知手段91にて投入された布量を検知(ステップS2)し、
ステップS3で、制御手段88にて、布量に応じた水位、このコースの場合は低水位あるいは中水位が水位表示部84bに表示され、同時に、その水位の水量に対する通常の洗剤濃度の略2倍の洗剤量が、デジタル表示部84cに洗剤カップの量(杯)として表示される。例えば、布量が4.5kgの場合は、自動設定される規定の水位は中水位であり、通常洗剤濃度の洗剤量は洗剤カップ0.8杯であるが、高品位仕上げコースでは、2倍の1.6杯が表示される。
【0034】
ステップS4にて、使用者が表示された洗剤量を投入すると、給水が始まる(ステップS5)。所定量の給水が終わると、ステップS6にて給水撹拌が始まる。給水撹拌では、循環ポンプ79が駆動し、水槽52内の洗濯水が、循環水として水槽52上部の噴射穴82より回転ドラム53内に噴射されて洗剤の溶解が促進されると同時に、モータ54が駆動して、回転ドラム53が回転し、衣類が撹拌され、予洗い行程が始まる。
【0035】
予洗い行程が終わり、衣類の汚れがある程度落とされると、排水弁59が開いて排水が行なわれる(ステップS7)。排水では、水位検知手段78が検知できる最低ランクの水位まで排水した後、さらに10秒間経過して、排水弁59が閉じられる。この排水により、衣類から剥離されたある程度の汚れが、機外へ排出されることになる。その後、ステップS5と同水位まで給水が行なわれる(ステップS8)。
【0036】
つまり、予洗い行程後の、このステップS7の排水と、ステップS8の給水により、水槽52内の洗剤濃度は、通常濃度である略1倍になることになる。そして、ステップS9にて、本洗い行程の洗い撹拌が行なわれる。
【0037】
次行程の、すすぎ(1)行程では、排水弁59を開いて水槽52内の水を排水(ステップS10)した後、中間脱水が行なわれ(ステップS11)、衣類に遠心力を与えることにより、水分を衣類から分離することで行ったのち、給水にて、洗いの水位まで給水し、モータ54が駆動し、衣類から洗剤液を出すためのすすぎ撹拌が開始される(ステップS12)。
【0038】
すすぎ(2)行程、つまり最終すすぎ行程では、すすぎ(1)と同様に排水(ステップS13)と中間脱水(ステップS14)が行なわれ、それが終わった後に、すすぎ撹拌が開始される(ステップS15)。
【0039】
脱水行程では、すすぎ終了後、排水弁59を開いて水槽52内の水を排水した後、モータ54を駆動させて、回転ドラムを高速回転させ、衣類に遠心力を与えることにより、水分を衣類から分離することで行う(ステップS16)。
【0040】
以上のように本第1の実施の形態においては、衣類の黒ずみを防止する黒ずみ防止コース(高品位仕上げコース)にて、略2倍の洗剤量で予洗い行程を行ない、その後、排水して再度給水し、通常洗剤濃度の略1倍の濃度で本洗い行程を行なうことにより、振動性能を損なうことなく、洗浄性能を高めて、衣類の黒ずみを防止し、高品質の仕上がりを行なうことができる。
【0041】
(実施の形態2)
図5は、本発明の第2の実施の形態におけるドラム式洗濯機の操作表示部の一例図、図6は、同ドラム式洗濯機の洗い〜脱水制御のフローチャートである。
【0042】
第2の実施の形態におけるドラム式洗濯機は、洗濯機本体51の上部内方に液体洗剤自動投入装置(図示せず)が具備されており、空気ポンプ(図示せず)によって密閉した液体洗剤タンク(図示せず)内の空気圧を高め、その空気圧により液体洗剤を水槽52内に
投入するように構成されている。
【0043】
図5に示すように、操作表示部には液体洗剤自動投入ボタン83gが設けられており、使用者が、洗濯開始前に設定できるようになっている。
【0044】
図6のフローチャートにおいて、ステップS1、S2およびステップS5からS16は、図4の第1の実施の形態と同じであり説明を省略する。
【0045】
図6において、高品位仕上げコースが選択され(ステップS1のYES)、液体洗剤自動投入が選択されて(ステップS101のYES)、ステップS2で布量が検知されると、ステップS102で、制御手段88にて、布量に応じた水位、このコースの場合は低水位あるいは中水位が水位表示部84bに表示され、同時に、その水位の水量に対する通常の洗剤濃度の略2倍の液体洗剤量が、デジタル表示部84cに洗剤カップの量(杯)として表示される。例えば、布量が4.5kgの場合は、自動設定される規定の水位は中水位であり、通常洗剤濃度の液体洗剤量は洗剤カップ0.8杯であるが、高品位仕上げコースでは、2倍の1.6杯が表示される。
【0046】
次に、ステップS103にて、液体洗剤自動投入装置の空気ポンプが所定時間だけ駆動し、表示された液体洗剤量が水槽52内に自動投入される。以降、図4と同じように、ステップS5からステップS16が進行して、洗濯が終了する。
【0047】
以上のように本第2の実施の形態においては、衣類の黒ずみを防止する黒ずみ防止コース(高品位仕上げコース)にて、液体洗剤自動投入を選択することにより、略2倍の液体洗剤量が自動投入され、その洗剤量で予洗いを行ない、その後、排水して再度給水し、通常洗剤濃度の略1倍の濃度で本洗いを行なうことにより、振動性能を損なうことなく、洗浄性能を高めて、衣類の黒ずみを防止し、高品質の仕上がりを行なうことができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上のように、本発明にかかるドラム式洗濯機は、振動性能を損なうことなく、洗浄性能を高めて、衣類の黒ずみを防止することが可能になるので、他の洗濯機の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0049】
51 洗濯機本体
52 水槽
53 回転ドラム
54 モータ
59 排水弁
71 排水口
74 操作表示手段
83 入力設定手段
84 表示手段
85 給水弁
88 制御手段
91 布量検知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機本体内に揺動自在に支持された水槽と、前記水槽内に内包され有底円筒形に形成された回転ドラムと、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記水槽内に給水する給水弁と、前記洗濯機本体前面上部に設けられ入力設定手段と表示手段とで構成される操作表示手段と、前記水槽の内底下部に設けられた排水口と、前記排水口と連通する排水弁と、衣類の量を検知する布量検知手段と、前記給水弁やモータ等を制御し、洗い、すすぎ、脱水の一連の行程、および衣類の黒ずみを防止する黒ずみ防止コースを逐次制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記入力設定手段にて黒ずみ防止コースが選択された時、前記布量検知手段にて布量検知後、前記表示手段にて布量に対応する水位と、水位に対応する標準洗剤量の略2倍の洗剤量を表示することを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項2】
制御手段は、黒ずみ防止コースにおいて、水位と洗剤量を表示した後、給水弁を動作させて給水し、モータを回転駆動させて予洗い行程を行なった後に、排水弁を動作させて排水し、再度給水弁を動作させて給水し、モータを回転駆動させて本洗い行程を行なう請求項1記載のドラム式洗濯機。
【請求項3】
液体洗剤自動投入装置を具備するとともに、制御手段は、入力設定手段にて黒ずみ防止コースが選択された時、布量検知手段にて布量検知後、表示手段にて布量に対応する水位を表示するとともに、水位に対応する標準液体洗剤量の略2倍の洗剤量を前記液体洗剤自動投入装置を動作させて水槽内に投入する請求項1または2に記載のドラム式洗濯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−75505(P2012−75505A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221126(P2010−221126)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】