説明

ナナカマド・トチ含有石鹸

【課題】 アレルギーや肌荒れなどのトラブルを起こさない、使用感の良い養毛、育毛効果のある石鹸を提供する。
【解決手段】 乾燥ナナカマド果実の粉末と乾燥トチの実の粉末を混ぜ合わせたものをエタノール溶液に浸し、攪拌した後フィルターで濾過してできたナナカマド・トチ抽出物を用意し、通常の石鹸製造工程の最終段階で該ナナカマド・トチ抽出物を加えて石鹸を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
体毛の育毛、活性化を図れる化粧品として使用する石鹸とその製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
頭髪の育毛、頭皮の保護に関しては現在まで幾多の発明、提案がなされてきた。しかしながら従来の一般的な養毛、育毛剤の使用によるとアレルギーや肌荒れなどのトラブルも多く、それを解消するために我々はナナカマドの果実抽出物を含有した育毛用組成物を提案してきた。
【特許文献】特許第3393214号
【0003】
ナナカマドの果実には皮膚の収斂効果、抗酸化効果、抗菌活性能があり、毛根に付着した老廃物(角栓)を溶解し、頭皮の余分な皮脂を除去し、頭皮頭髪に潤いを与え、キューティクルを保護する効果があることが知られている。
【0004】
またトチの実にはサポニンが含まれ、石鹸に加えることにより、肌理の細かいクリーミーな泡を作る効果があり、より石鹸の洗浄作用を高めることが見出された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アレルギーや肌荒れなどのトラブルを起こさない、使用感の良い養毛、育毛効果のある石鹸を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
乾燥ナナカマド果実の粉末と乾燥トチの実の粉末を混ぜ合わせたものを25%エタノール溶液に浸し攪拌した後フィルターで濾過してできた抽出物を用意する。
【0007】
通常の石鹸製造工程の最終段階で該ナナカマド・トチ抽出物を加えて石鹸を製造する。
【発明の効果】
【0008】
上記発明によれば、肌理細かい泡立ちの、頭皮保護、育毛効果のある石鹸を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
充分乾燥されたナナカマドの実を粉砕してナナカマド粉末を製造する。またそれと並行して外皮を取り除いたトチの実を充分乾燥させ、粉砕してトチ粉末を製造する。
【0010】
それら乾燥ナナカマド果実の粉末と乾燥トチの実の粉末を重量比2:1の割合で混ぜ合わせたものを、重量で4倍量の25%エタノール液に、毎日1回攪拌しながら5〜6日間浸した後、順次目の細かいメッシュ布で濾過し、最終的には300メッシュ布で濾過したものをナナカマド・トチ抽出物として用意する。
【0011】
通常の石鹸製造工程の最終段階で、石鹸母液に上記ナナカマド・トチ抽出物を混入させて出来上がった石鹸液を型にいれ、一定温度、高湿度条件下で約1か月養生させたものが本発明の石鹸となる。
【実施例】
【0012】
仕込み槽を用意し、それに石鹸用油脂やグリセリン、アルコール等原料を順次投入し、温度管理を行いながら攪拌して、絶えず均一な混合物を練り上げていく。それに水酸化ナトリウム液を投入して攪拌し石鹸母液をこしらえる。
【0013】
最終段階で前述の方法で製造準備したナナカマド・トチ抽出物を全重量に対して5%投入して攪拌し、均一になった石鹸液を冷却して貯留タンクに移送する。
【0014】
出来上がった石鹸液を石鹸の型に流し込み、一定温度、高湿度下で約1か月間養生し、固まった後、型から取り出して製品とする。
【産業上の利用可能性】
【0015】
以上説明したように、ナナカマドの持つ育毛、抗菌活性能がトチの肌理細かい泡立ち作用により、効果的に有効に作用する優れた石鹸を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥ナナカマド果実の粉末と乾燥トチの実の粉末をほぼ2対1の重量比で混ぜたものを約25%エタノール液に数日間浸潤・攪拌した後濾過してできた溶液をナナカマド・トチ抽出物とすることを特徴とするナナカマド・トチ抽出物製造法。
【請求項2】
通常の石鹸製造工程の後半の段階で石鹸原料に、請求項1記載のナナカマド・トチ抽出物を重量比で0.1〜20%混ぜて製造することを特徴とするナナカマド・トチ含有石鹸。

【公開番号】特開2010−143897(P2010−143897A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−336143(P2008−336143)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(399039041)
【Fターム(参考)】