説明

ナノサイズの金属酸化物粒子を調製するための方法

本発明は、金属酸化物前駆体とアルコールベースの溶液とを混合して反応混合物を形成し、次いでこの反応混合物を反応させてナノサイズの金属酸化物粒子を製造する、新規ゾル−ゲル法に関する。本発明の方法は、以前に記載されたゾル−ゲル法よりも、ナノサイズの金属酸化物を調製するのに適している。本発明は、使用すべき金属酸化物前駆体の反応混合物中でのより高い濃度を可能とすることによって、以前に記載されたゾル−ゲル法よりも効率的にナノサイズの金属酸化物粒子を提供することができる。合成の間のpH条件の注意深い制御によって、およびpHを約7以上の値に維持することを確実にすることによって、上記が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2004年5月19日出願の以下の米国特許出願第10/848,882号の優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本発明は、一般に金属酸化物粒子に関し、特に、ナノメートルサイズの金属酸化物粒子の調製方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景情報
ナノ結晶性の半導体および酸化物は、バルク物質と分子種との間のギャップを橋渡しする基本的な重要性から、近年研究の興味を大いに引き付けてきた。A. P. Alivisatos, "Perspectives on the Physical Chemistry of Semiconductor Nanocrystals," J. Phys. Chem., 100, 13226-13239, (1996); A. S. Edelstein and R. C. Cammarata, Nanomaterials: Synthesis, Properties and Applications, Eds. Institute of Physics Publishing: Bristol, 1996を参照のこと。量子閉じ込め効果の結果として、ナノサイズの金属酸化物粒子は、対応するバルク材料よりも大きい電子バンドギャップを有し得る。さらに、これらの量子閉じ込めされたナノサイズの金属粒子のバンドギャップは、粒子サイズを変化させることおよび/または混合することによって、ナノサイズの形態(regime)内で調整され得る。L. Li et al., "Band Gap Variation of Size- and Shape-Controlled Colloidal CdSe Quantum Rods," Nano Letters, 1, 349-351 (2001)を参照のこと。このようなナノサイズの金属酸化物粒子の調整可能な光電子特性は、おそらく、マイクロメートルのオーダーのサイズを有する従来の金属酸化物粒子をはるかに上回る性能特徴をそのような粒子に提供するであろう。
【0004】
ナノ結晶性の半導体および酸化物の分野における最近の研究努力は、かなりの程度、このようなナノサイズの粒子が使用を見出すと予測される多くの用途によって突き動かされている。このような用途には、新規の光学的、電気的および機械的デバイス、太陽光電池、発光ダイオード、バリスタ、光触媒、ガスセンサー、光電子デバイス、光学スイッチ、UV吸収体、ナノレーザー、イオン挿入電池(ion-insertion battery)、エレクトロクロミック素子などが挙げられる。A. S. Edelstein and R. C. Cammarata, Nanomaterials: Synthesis, Properties and Applications, Eds. Institute of Physics Publishing: Bristol, 1996; B. O'Regan and M. Gratzel, "A Low-Cost, High-Efficiency Solar Cell Based on Dye-Sensitized Colloidal TiO2 Films, " Nature, 353, 737-740 (1991); M. A. Fox and M. T. Dulay, "Heterogeneous Photocatalysis," Chem. Rev. , 93, 341-357 (1993); V. L. Colvin, M. C. Schlamp and A. P. Alivisatos, "Light-Emitting Diodes Made from Cadmium Selenide Nanocrystals and a Semiconducting Polymer," Nature 370, 354-357 (1994); J. Lee, J.-H. Hwang, J. J. Mashek, T. O. Mason, A. E. Miller and R. W. Siegel, "Impedance Spectroscopy of Grain Boundaries in Nanophase ZnO, " J. Mater. Res. , 10, 2295-2300 (1995); M. H. Huang, S. Mao, H. Feick, H. Yan, Y. Wu, H. Kind, E. Weber, R. Russo and P. Yang, "Room-Temperature Ultraviolet Nanowire Nanolasers, " Science, 292, 1897-1899 (2001)を参照のこと。実際、このようなナノサイズの粒子は、活性なUV吸収成分として日焼け止めおよび化粧品において既に商業的用途を見出している(Katsuyamaらへの米国特許第6,171,580号)。
【0005】
ナノサイズの金属酸化物粒子に利用可能な潜在的な用途の幅は、それらの合成および製造へのさらなる研究を刺激した。ナノサイズの金属酸化物粒子は、化学蒸着(CVD)および有機金属化学蒸着(MO−CVD)、分子線エピタキシー法、ならびにプラズマ合成法のような化学気相成長法を含む、種々の方法によって現在製造することができる。Siegelらへの米国特許第5,128,081号およびPetersonらへの米国特許第6,580,051号を参照のこと。しかし、これらの方法は、高価で複雑な設備を必要とする。他方、ゾル−ゲル法は、上記方法と比較して、比較的安価な装置を用いて比較的低い温度でナノサイズの金属酸化物粒子を製造することができる。結果として、これらのゲル−ゾル法は、近年好評を博している。
【0006】
酸化亜鉛(ZnO)は、特に興味が持たれる金属酸化物材料であり、この酸化亜鉛からナノサイズの金属酸化物粒子が製造され得る。実験的に許容可能なサイズ範囲で量子閉じ込め効果を示す数少ない広いバンドギャップの半導体酸化物の1つであるZnOは、約7nm未満の直径を有するナノ結晶(量子ドット)として公知のクラスターで得られた場合、対応するバルク固体では観察されない独自の物理的、化学的および光学的特性を有する単純で安定な種である。これらの量子サイズ効果は、ドットの大きい表面積対質量と組み合わせて、オプティクスからデータ保存のための高強度の材料までの範囲にわたる用途においてこのような量子閉じ込めを利用することを求める場合に、ZnOナノ粒子を高度に望ましいものにする。さらに、他の広いバンドギャップの半導体と比較して、ZnOは、発光体として60meVの非常に高い励起子結合エネルギーを有する;比較として、GaNは25meVである。電子用途について、その魅力は、高い破壊強さおよび高い飽和速度を有する点にある。ZnOはまた、放射線損傷に対して、他の一般的な半導体材料(例えば、Si、GaAs、CdSおよびGaNでさえ)よりもはるかに抵抗性がある。D. C. Look, "Recent Advances in ZnO Materials and Devices," Materials Science and Engineering, B80, 383-387 (2001)を参照のこと。
【0007】
他のナノサイズの金属酸化物粒子の調製と同様、化学蒸着、分子線エピタキシー、有機金属気相エピタキシーおよびコロイド調製のような、ナノサイズのZnOを調製するために開発された多数の方法が存在する。コロイド状(ゾル−ゲル)調製は、実施が容易であるので、これらのアプローチの中でも広く使用されている。ゾル−ゲル法を使用するZnOナノ粒子の合成を記載している独創的な論文は、Bahnemann et al., "Preparation and Characterization of Quantum Size Zinc Oxide: A Detailed Spectroscopic Study," J. Phys. Chem. , 91, 3789-3798 (1987)である。この論文は、酢酸亜鉛−アルコール溶液への金属水酸化物種の添加によってZnOナノ粒子が形成される方法を記載している。このような開示に続いて、粒子サイズが2〜7nmの範囲の高度に濃縮されたZnO粒子が、Meulenkamp, "Synthesis and Growth of ZnO Nanoparticles," J. Phys. Chem. B, 102, 5566- 5572 (1998)に記載のように、酢酸亜鉛−アルコール溶液への金属水酸化物の添加を含むゾル−ゲル法を使用して得られた。この研究はさらに、光吸収およびルミネッセンス分光法によって粒子サイズをモニターする方法を記載しており、それによってZnO粒子サイズが反応時間および温度に依存することが見出された。しかし、この方法は、高濃度(例えば約0.1M)の金属酸化物前駆体で実施した場合には、大きい粒子の形成をさらに導く。
【0008】
Wongらは、ZnOナノ粒子の成長に関与する反応速度論[E. M. Wong, J. E. Bonevich and P. C. Searson, "Growth Kinetics of Nanocrystalline Particles from Colloidal Suspensions," J. Phys. Chem. B, 102, 7770-7775 (1998)]、ならびにこのようなZnOナノ粒子の成長に対する有機キャッピングリガンド(capping ligand)の効果[E. M. Wong, P. G. Hoertz, C. J. Liang, B. M. Shi, G. J. Meyer and P. C. Searson, "Influence of Organic Capping Ligands on the Growth Kinetics of ZnO Nanoparticles," Langmuir, 17, 8362-8367 (2001)]を研究している。しかし、この方法は時間がかかり、得られたゾル中のZnOの相対濃度に関して非常に低い収率を与える。高度に濃縮されたZnOコロイドは、L. SpanhelおよびM. A. Andersonによって1991年に開発されたゾル−ゲル合成[L. Spanhel and M. A. Anderson, "Semiconductor Clusters in the Sol-Gel Process: Quantized Aggregation, Gelation, and Crystal Growth in Concentrated ZnO Colloids," J. Am. Chem. Soc., 113, 2826-2833 (1991)]を使用して調製されてきた。その手順によれば、Zn2+前駆体は、Zn(OAc)・2HO−エタノール溶液を還流し、その後LiOH・HO粉末をこの溶液中に添加することによって調製された。E. A. Meulenlcampは、LiOH・HO−エタノール溶液を使用し、反応温度を0℃に低下させることによってこの方法を改変した。E. A. Meulenkamp, J. Phys. Chem. B, 102, 5566-5572 (1998)を参照のこと。
【0009】
現在の理解に基づくと、ZnOナノ結晶の成長は、反応時間、温度および反応物質の化学量論に明らかに依存する。しかし、詳細な反応機構は未だ不明である。他の塩基(例えば、KOH、NaOH、Mg(OH))および他のアルコール(例えば、メタノールおよびプロパノール)の使用は、所望の結果を達成することができないと言われてきた。L. Spanhel and M. A. Anderson, J. Am. Chem. Soc., 113, 2826-2833 (1991)を参照のこと。さらに、低温処理は、ある種のインサイチュの有機材料ベースのナノコンポジットの調製には不利である。結果として、上記問題点および不確実性に対処する必要性が示されている。
【0010】
上記技術水準の結果として、大きい(非ナノサイズの)粒子の同時形成を伴わずに高濃度でナノサイズの金属酸化物粒子を製造することができる新規ゾル−ゲル法を見出すことが非常に所望されるであろう。さらに、ナノサイズのZnOを製造することができる任意のこのような方法が特に所望されるであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
発明の要旨
本発明は、金属酸化物前駆体とアルコールベースの溶液とを混合して反応混合物を形成し、次いでこの反応混合物を反応させてナノサイズの金属酸化物粒子を製造する、新規ゾル−ゲル法に関する。本発明の方法は、以前に記載されたゾル−ゲル法よりも、ナノサイズの金属酸化物を調製するのに適している。本発明は、使用すべき金属酸化物前駆体の反応混合物中でのより高い濃度を可能とすることによって、以前に記載されたゾル−ゲル法よりも効率的にナノサイズの金属酸化物粒子を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のある実施態様において、上記アルコールベースの溶液は一般に、アルコールベースの溶液および生じる反応混合物を7以上のpHで維持するように機能可能な塩基性種を含有する。ある実施態様において、この塩基性種はヒドロキシルイオンの供給源である。ある実施態様において、反応混合物のpHを、7の最小値および約10.5の最大値の範囲に限定することがさらに望ましい。
【0013】
本発明のある実施態様において、上記塩基性種に加えて、アルコールベースの溶液は一般に、C−Cアルコールを含有する。典型的には、塩基性種はこのアルコール溶媒中に溶解される。さらに、アルコールベースの溶液へのさらなる成分が存在してもよい。このような成分としては、水および1つ以上の有機種が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
本発明のある実施態様によれば、適切な金属酸化物前駆体としては、金属酢酸塩、金属アルコキシド、金属硝酸塩、ハロゲン化金属、それらの水和物およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本発明に従って、多数の金属含有種が金属酸化物前駆体として使用され得るが、例示的な金属酸化物前駆体、即ち本発明に従うナノサイズの金属酸化物粒子を製造するためのものは、酢酸亜鉛二水和物、Zn(C・2HOである。
【0015】
本発明は、1〜100nmのサイズ形態の平均直径を有するナノサイズの金属酸化物粒子の製造を提供する。ある実施態様において、これらのナノサイズの金属酸化物粒子は量子閉じ込めされている。本発明のある実施態様によれば、製造されたナノ粒子のこのような平均粒径は、反応パラメータ、特に温度および反応持続期間だけでなく、反応混合物内の金属酸化物前駆体:塩基性種の比を調整することによって調節することができる。ある実施態様において、これらのナノサイズの金属酸化物粒子は、しばしばそれらの凝集を防止する温度で、ゾルとして保存される。
【0016】
上記は、以下の本発明の詳細な説明がよりよく理解され得るように、本発明の特徴をかなり広く概説している。本発明の特許請求の範囲の主題を形成する本発明のさらなる特徴および利点は、本明細書中以下に記載される。
【0017】
本発明およびその利点をより完全に理解するために、添付の図面と共に、ここで以下の説明をします。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
詳細な説明
本発明は、金属酸化物前駆体とアルコールベースの溶液とを混合して反応混合物を形成し、次いでこの反応混合物を反応させてナノサイズの金属酸化物粒子を製造する、新規ゾル−ゲル法に関する。本発明の方法は、以前に記載されたゾル−ゲル法よりも、ナノサイズの金属酸化物を調製するのに適している。本発明は、使用すべき金属酸化物前駆体の反応混合物中でのより高い濃度を可能とすることによって、以前に記載されたゾル−ゲル法よりも効率的にナノサイズの金属酸化物粒子を提供することができる。
【0019】
本明細書中で使用される用語の殆どは当業者に理解可能であろうが、それでもなお、以下の定義が本発明の理解の助けとなるように示される。しかし、明白に定義されていない場合、用語は、当業者に現在容認されている意味を採用しているものとして解釈すべきであることを理解すべきである。
【0020】
本発明に従う「金属酸化物」は、金属成分および酸素成分を含有する物質であり、酸素成分に対する金属成分の化学量論比は、金属の型およびその酸化状態に依存する。
【0021】
本発明に従う「コロイド」または「コロイド状懸濁物」は、一般に溶媒媒体中の小さい粒子の懸濁物であり、この懸濁物中では、この粒子は、その小さいサイズの結果として沈降していない。このようなコロイド状懸濁物は「ゾル」ともいう。「ゾル−ゲル法」は、液体で殆どコロイド状の「ゾル」から殆ど固体の「ゲル」相への系の転移を含む方法である。ゲル−ゾル法は、セラミック材料の形成において広く使用される。
【0022】
本発明に従う「ナノサイズの」または「ナノスケール」は一般に、100ナノメートル(nm)未満の少なくとも1つの寸法を含むものを意味する。本明細書中で定義される「ナノ粒子」は、100nm未満の少なくとも2つの寸法を有する粒子である。従って、このようなナノ粒子には「ナノロッド」が含まれる。典型的には、より球状の粒子は等方性を示すが、より棒状の粒子は異方性を示す傾向がある。
【0023】
半導体材料に関連して本明細書中で使用する「バンドギャップ」は、1つの電子がその材料の価電子帯から伝導帯(ここでは、電子がより自由に動く)へ移動するのに必要なエネルギーの最小量をいう。
【0024】
本明細書中で使用する「量子閉じ込め」とは、それらのボーア励起子半径の寸法未満にそれらの寸法を減少させ、それによってバンドギャップを増大させた、半導体材料すなわち広いバンドギャップの材料をいう。「量子閉じ込めされた」寸法を有する半導体粒子はしばしば、「量子ドット」または「Q−粒子」という。
【0025】
一般に、本発明は、アルコールベースの溶液を調製する第一の工程、このアルコールベースの溶液に金属酸化物前駆体を添加して反応混合物を形成する第二の工程、およびこの反応混合物を反応させてナノサイズの金属酸化物粒子を形成する第三の工程を含む方法である。
【0026】
本発明のある実施態様において、上記アルコールベースの溶液は一般に、アルコールベースの溶液および得られる反応混合物を7以上のpHに維持するように機能可能な塩基性種を含有する。ある実施態様において、反応混合物のpHを、7の最小値および約10.5の最大値の範囲に限定することがさらに望ましい。
【0027】
ある実施態様において、この塩基性種はヒドロキシルイオンの供給源であるが、このような塩基性種は一般に、少なくとも約7のアルコールベースの溶液および反応混合物のpHを提供する任意の種であり得る。このような塩基性種には、LiOH、NaOH、KOH、NHOH、それらの水和物およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。このような塩基性種は典型的に、一般に約0.002Mと約2.0Mとの間、具体的には約0.01Mと約0.4Mとの間のモル濃度で、アルコールベースの溶液中に溶解される。
【0028】
本発明のある実施態様において、上記塩基性種に加えて、このアルコールベースの溶液は一般に、C−Cアルコールを含有する。このようなアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールおよびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、塩基性種はこのアルコール溶媒中に溶解される。さらに、アルコールベースの溶液へのさらなる成分が存在してもよい。このような成分としては、水および有機種が挙げられるが、これらに限定されない。本発明に従う適切な有機種としては、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルムおよびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。アルコールとは別に、塩基性種および/またはさらなる(任意の)成分が、得られるアルコールベースの溶液の約50重量%程度、典型的には約30重量%未満を構成してもよい。
【0029】
本発明のある実施態様に従う適切な金属酸化物前駆体は、反応して本発明に従うナノサイズの金属酸化物前駆体を形成する、任意の金属酸化物前駆体であり得る。このような金属酸化物前駆体としては、金属酢酸塩、金属アルコキシド、金属硝酸塩、ハロゲン化金属、それらの水和物およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様において、このような金属酸化物前駆体は一般に、IIA族金属、IIIA族金属、IVA族金属、VA族金属、遷移金属、ランタニド金属、アクチニド金属およびそれらの組み合わせからなる群から選択される金属成分を含有する。これらの実施態様のあるものにおいて、ナノサイズの金属酸化物粒子は、Al、Ti、Fe、Cu、Zn、Ba、Zrおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される金属を含有する。本発明に従って、多数の金属含有種が金属酸化物前駆体として使用され得るが、本発明に従うナノサイズの金属酸化物粒子を製造するための例示的な金属酸化物前駆体は、酢酸亜鉛二水和物、Zn(C・2HOであり、ここで、酢酸亜鉛二水和物は、亜鉛(金属)成分を含有する金属酢酸塩種を示す。ある実施態様において、金属酸化物前駆体は室温で固体であるが、他の実施態様では、金属酸化物前駆体は室温で液体または気体である。ある実施態様において、金属酸化物前駆体は粉末の形態である。
【0030】
上記のように、金属酸化物前駆体は、アルコールベースの溶液に添加されて反応混合物を形成する。ある実施態様において、金属酸化物は粉末としてアルコールベースの溶液に添加される。他の実施態様において、金属酸化物前駆体は、最初にアルコールまたは他の溶媒中に溶解され、次いで本発明のアルコールベースの溶媒に添加される。このような添加は、ある添加速度の範囲で、かつこのような添加に適切なある温度範囲内でおこなってもよく、攪拌またはある種の他の型の適切なかき混ぜプロセスを含み得る−その結果、全てが、本発明に従うナノサイズの金属酸化物粒子を提供する。ある実施態様において、1つ以上の特定の雰囲気条件(例えば、窒素ブランケットまたはある種の他の型の不活性雰囲気環境)が使用され得る。一般に、反応混合物内の金属酸化物前駆体種:塩基性種のモル比は、約1:1.2と約1:3との間である。
【0031】
反応混合物を反応させてナノサイズの金属酸化物粒子を形成させる際に、このような粒子の形成に適切な反応条件を維持する必要がある。このような反応条件は典型的に、反応温度、反応持続期間、かき混ぜ手段、および必要に応じて不活性反応雰囲気を含む。本発明に従う反応温度は、一般に少なくとも約0℃〜最大で約100℃、具体的には少なくとも約20℃〜最大で約80℃、より具体的には少なくとも約30℃〜最大で約80℃の範囲である。本発明に従う反応持続期間は、一般に約数秒間〜約数日間、より具体的には約数分間〜約数日間の範囲である。かき混ぜ方法としては、攪拌、振盪、超音波処理、振動およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
本発明のある実施態様において、1つ以上のドーパント種が反応混合物に添加され、それによって、ドープされたナノサイズの金属酸化物粒子が結果として形成される。ある実施態様において、このようなドーパント種は、得られるナノサイズの金属酸化物粒子の電気および/または光学特性を調節するために使用される。適切なドーパント種としては、Cu、Ni、Irおよびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。異なる方法によって製造されたドープされたナノサイズのZnO粒子が以前に記載されている。Agne et al., "Doping of the nanocrystalline semiconductor zinc oxide with the donor iridium," Appl. Phys. Lett., 83(6), 1204-1206 (2003)を参照のこと。
【0033】
本発明は、一般に1〜100nmのサイズ形態の平均直径を有するナノサイズの金属酸化物粒子を提供する。しかし、ある実施態様において、ナノサイズの金属酸化物粒子は、1〜50nmまたはさらには1〜10nmのサイズ形態の平均直径を有する。ある実施態様において、これらのナノサイズの金属酸化物粒子は量子閉じ込めされている。本発明のある実施態様によれば、このような平均粒径は、反応パラメータ、特に温度および反応持続期間だけでなく、反応混合物内の金属酸化物前駆体:塩基性種の比を調整することによって調節することができる。ある実施態様において、これらのナノサイズの金属酸化物粒子は、しばしばそれらの凝集を防止する温度で、コロイド状懸濁物またはゾルとして保存される。ある実施態様または他の実施態様において、揮発性溶媒が除去されて、ナノサイズの金属酸化物粒子はゲルとして保存される。
【0034】
以下の実施例は、本発明の特定の実施態様を示すために提供される。以下の実施例中に開示された方法は、本発明の例示的な実施態様を示すに過ぎないことが、当業者に理解されるべきである。しかし、本開示を踏まえて、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、記載された特定の実施態様に多数の変更がなされ、同じまたは類似の結果をなおも得ることができることを、当業者は理解すべきである。全ての実施例について、製造されたナノサイズの金属酸化物粒子の平均直径は一般に、Meulenkamp, "Synthesis and Growth of ZnO Nanoparticles," J. Phys. Chem. B, 102, 5566-5572 (1998)に記載の技術に従って、UV−vis吸収分光法によって評価したことに留意されたい。このような評価は、標準金属酸化物サンプル(これについては、透過型電子顕微鏡を使用して平均粒径を確認した)を用いた較正を含んだ。
【実施例】
【0035】
実施例1
この実施例は、ZnOコロイドを調製する本発明に従う経路(文献中に以前に記載された経路よりも単純でより一般的である)を示す役割を果たす。
【0036】
この実施例および続く実施例において記載される化学物質および溶媒は、試薬グレードのものであり、さらに精製することなく使用した。脱イオン水をpH測定のために使用した。pH測定は、約pH14までの操作範囲を有する複合ガラス電極を使用するBeckman φ340 pHメーター(Corning製)で行なった。UV−vis吸収スペクトルは、HP 8451ダイオード−アレイ分光光度計またはShimadzu UV−1601分光光度計のいずれかを使用して記録した。コロイドからのスペクトルは、1cmの石英セルを用いて得た。メタノールを参照溶媒として使用した。蛍光スペクトルは、SLM Aminoco MC200分光蛍光光度計を使用して記録した。
【0037】
ZnO粒子サイズは、200kVで作動するJEOL JEM−2010 TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて決定した。サンプルを、炭素フィルムで被覆した銅メッシュにコロイド状溶液の液滴を配置することによって調製した。過剰な液体を30秒後に除去し、サンプルグリッドを空気中で蒸発させることによって乾燥させた。
【0038】
典型的な合成のために、メタノール中0.04MのKOH(アルコールベースの溶液)50mlを調製し、攪拌しながら60℃で加熱した。次に、このアルコールベースの溶液に、0.22g(1mmol)のZn(AOc)・2HO(酢酸亜鉛二水和物)粉末を、還流および攪拌下で添加した。こうして、反応混合物中の酢酸亜鉛無水物:KOHの反応化学量論は、1:2(0.02M対0.04M)であった。この反応混合物を、30分間の反応時間の後に、3つの部分に分割した。1つを−10℃でエージングし、1つを攪拌しながら25℃でエージングし、残りの1つを60℃でエージングおよび攪拌した。
【0039】
アルコールベースの(KOH/メタノール)溶液にZn(AOc)2・2H2O粉末を添加した直後に白色沈殿物が形成したことが観察された。次いで、この沈殿物が約5分以内に溶解したことが観察され、透明なZnOコロイド状溶液が形成した。60℃で約30分間攪拌した後に得られたZnOコロイドの吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルを図1中に示す。図中、吸収スペクトルは線101として示し、蛍光スペクトルは線103として示す。吸収の立ち上がり(ベースラインに向かうUV吸収の急勾配部分の直線外挿によって決定される)は、λos=328nmで観察される。2つの発光ピークが観察され、ZnO量子ドットに対する実験から通常報告されるものと一致する。例えば、L. Spanhel and M. A. Anderson, J. Am. Chem. Soc., 113, 2826-2833 (1991); E. A. Meulenkamp, J. Phys. Chem. B, 102, 5566-5572 (1998); A. Van Dijken, E. A. Meulenkamp, D. Vanmaekelbergh and A. Meijerink, J. Lumin., 87, 454 (2000)を参照のこと。これらの発光ピークの一方は約500nm(2.35eV)の広い緑色ルミネッセンスバンドであり、他方は約380nm(3.25eV)のかなり弱い紫外発光バンドである。図2は、上記ZnOコロイド状溶液からの透過型電子顕微鏡写真を示す。製造したナノサイズの金属酸化物粒子の直径は、約3nmであると決定された。
【0040】
得られたZnOコロイドを、約30分間の反応後、3つの部分に分割した。1つの部分は60℃で攪拌し続け、18時間の反応後には濁った。1つの部分は25℃で攪拌し続け、2週間後でも透明のままであった。最後に、1つは−10℃で保存し、数ヵ月後でさえもなお透明であった。これにより、粒子成長速度がエージング温度に高度に依存することが確認される。ZnOナノ粒子は、高温で非常に迅速に成長し、凝集する傾向がある。詳細な成長速度論は、続く実施例中で議論する。異なる水酸化物(例えば、NaOHおよびLiOH)および異なるアルコール(例えば、エタノールおよびイソプロパノール)をKOH/メタノールの代わりに使用し、上記合成方法の多様性を確認したことに留意されたい。
【0041】
実施例2
この実施例は、異なる濃度のKOH、ならびに異なる反応化学量論の酢酸亜鉛無水物およびKOHによって、実施例1に記載した反応が如何に影響されるかを示す役割を果たす。この目的のために、得られた溶液および反応混合物のpH値を測定し、かつ、この溶液および反応混合物の吸収スペクトルをモニターして、反応パラメータの特定のセットについてZnOコロイドが形成したか否かを確認した。実験データを表1中に示す。表中、「開始」は、酢酸亜鉛二水和物を添加する前のKOH/メタノール溶液をいい、「5分」は、酢酸亜鉛二水和物を添加した後60℃で5分の反応混合物をいい、「2時間」は、酢酸亜鉛二水和物を添加した後60℃で2時間の反応混合物をいう。表において理解できるように、Zn(AOc)・2HOは、メタノールが溶媒である場合、KOHの濃度が0.02Mでも0.04Mでも、50%の化学量論量のKOHの存在下、安定なZnOコロイドを生じる。得られた両方の生成ZnOコロイドのpH値は、約8〜9の範囲である。コロイド形成は、実施例1に記載した現象(反応の開始時に白色沈殿物が形成し、次いで溶解し、その後透明なZnOコロイドが形成した)の後に生じた。しかし、酢酸亜鉛無水物およびKOHの化学量論比が0.01M対0.04Mである場合、白色沈殿物もZnOコロイドも形成しなかった。2時間の反応後にこのような様式で得られた溶液のpHは11.6であった。
【0042】
【表1】

【0043】
このように、反応性種の化学量論およびpHは、ZnOコロイド合成に対する強い影響を有することが示される。最も安定なZnOコロイドは、イソプロパノールを溶媒として用いて、1:1.25の酢酸亜鉛:NaOHの化学量論比から生じることが報告されている。D. W. Bahnemann, C. Kormann and M. R. Hoffmann, J. Phys. Chem., 91, 3789-3798 (1987)を参照のこと。この報告において、コロイド状粒子の最も高い凝集は、それらの水性ZnOゾルについてpH9.2で現れた。Anderson [L. Spanhel and M. A. Anderson, J. Am. Chem. Soc., 113, 2826-2833 (1991)]およびMeulenkamp [E. A. Meulenkamp, J. Phys. Chem. B, 102, 5566-5572 (1998)]によって報告されたゾル−ゲル合成において、Zn(AOc)2・2H2O:LiOH・H2Oの化学量論比は、共に1:1.4である。
【0044】
理論に束縛されることを意図しないが、酸化物は、反応性種の加水分解(1)および縮合(2)によって形成されると考えられる(C. J. Brinker and G. W. Scherer, Sol-gel Science, Academic Press. San Diego, 1990):
【0045】
【化1】

【0046】
このようなゾル−ゲル反応について、より高い成長速度に一致して、より高いpHはより速い縮合を誘導し、その逆もまた同様である[E. A. Meulenkamp, J. Phys. Chem. B, 102, 5566-5572 (1998)]。しかし、本実施例に開示した観察(白色沈殿物が反応の開始時に形成し、次いで溶解する)に基づくと、このような指示は、Zn(OH)2の形成および解離を示している。反応の間の反応混合物中のZnOH種は、ZnOH+、Zn(OH)2、Zn(OH)3−およびZn(OH)42−であることが示唆される。反応混合物が高いpHを有し(即ち、pHが約11よりも高い)、かつOH−の化学量論量が酢酸亜鉛の化学量論量よりもかなり高い場合、可溶性のZn(OH)3−およびZn(OH)42−種が優勢であり、それらのZnOへの解離は有利ではない。従って、このような状況では、ZnOコロイドは形成されない。しかし、酸化亜鉛二水和物に対する水酸化物の化学量論比が1と2との間である場合、溶液のpHは約7〜9である。このような状況では、種ZnOH+、Zn(OH)2が優勢であり、これらは容易に解離してZnOを生じる。
【0047】
異なる水酸化物(例えば、NaOH、LiOH)および異なるアルコール(例えば、エタノールおよびイソプロパノール)もまた、上記合成方法における塩基およびアルコールの選択の代わりに使用することができる。このような置換を実施する際に、同様の現象が観察され、透明なZnOコロイド状溶液が同様に得られたが、アルコール中へのLiOHの溶解は比較的遅い傾向があった。上記結果は、非常に単純な経路による種々の系における安定で透明なZnOコロイドの合成を明らかに示している。
【0048】
ZnOナノ粒子は、合成後に成長し続ける。この成長プロセスは、吸収スペクトルおよび発光スペクトルによってモニターすることができる。粒子成長について実施例3で記載する系は、メタノール中の酢酸亜鉛二水和物とKOHとである。
【0049】
実施例3
この実施例は、如何に光学分光学を使用して、本発明のナノサイズの金属酸化物生成物のサイズを決定し得るか、ならびにこのような生成物の合成、成長およびエージングをモニターする手段として作用するその能力の両方を示す役割を果たす。
【0050】
UV/vis吸収スペクトル
ZnOは、7nm以下の粒子について量子サイズ効果を示す。U. Koch, A. Fojtik, H. Weller and A. Henglein, "Photochemistry of Semiconductor Colloids. Preparation of Extremely Small ZnO Particles, Fluorescence Phenomenoa and Size Quantization Effects," Chem. Phys. Lett. 122, 507-510 (1985)を参照のこと。従って、光学吸収スペクトルは、この量子閉じ込めされたサイズ領域内でのZnOナノ粒子の成長を調査するための簡便な方法を提供する。本実施例において、UV−vis吸収スペクトルは、60℃で調製される安定で透明なZnOコロイドの調製の間の種々の時間で記録した。これらのスペクトルを図3に示す。図3中、線301は5分間に対応し、線302は15分間に対応し、線303は30分間に対応し、線304は3時間に対応し、線305は6時間に対応し、線306は18時間に対応する。図3において理解できるように、吸収の立ち上がり(λos=314nm)は、酢酸亜鉛二水和物を塩基溶液と5分間混合した後に観察される。このλosは、60℃で18時間継続的に加熱および攪拌する間に、355nmに向かって漸次レッドシフトするようになる。
【0051】
吸収波長から粒子サイズを計算するいくつかの方法がある。Meulenkamp [E. A. Meulenkamp, J. Phys. Chem. B, 102, 5566-5572 (1998)]によって提供された等式を使用して、λ1/2(吸収が肩での吸収の半分である波長)の測定値を、TEM顕微鏡写真およびXRD線広がりからのサイズ決定結果に基づいて粒子サイズへと変換する:
1240/λ1/2=a+b/D−c/D
式中、a=3.301、b=294.0かつc=−1.09であり;λ1/2はnm、直径DはAである。上記等式を使用して、吸収からZnO粒子サイズを計算した。これは図4中に示される。製造したZnOナノ粒子の直径は、60℃での18時間の加熱後に、2.0nmから3.4nmに増大することに留意のこと。出願人の研究において、計算した粒子サイズは、TEM顕微鏡写真から決定した粒子サイズよりも僅かに小さく、これは粒子の僅かな凝固を示唆することに留意すべきである。凝固率は、水性コロイド状ZnOについてpH9.2でピークに達することが以前に報告された[D. W. Bahnemann, C. Kormann and M. R. Hoffmann, J. Phys. Chem., 91, 3789-3798 (1987)]。巨大結晶性ZnOについての文献値は、ほぼ9.0で平均pHzpc(電荷ゼロ点のpH、凝固率は、表面の電気的中性に起因してpHzpcで最大値である)を与える[G. A. Parks, "The Isoelectric Points of Solid Oxides, Solid Hydroxides, and Aqueous Hydroxo Complex Systems," Chem. Rev., 65, 177-198 (1965) ]。従って、ほぼ8〜9のpHのコロイド状溶液中で得られるZnOナノ粒子は、比較的高い凝固率を有すると予測される。
【0052】
透明なZnOコロイドを60℃で30分間合成し、次いで2つの部分に分割し、一方は25℃でエージングし、他方は−10℃で保存した。UV−vis吸収スペクトルを、25℃でのエージングおよび−10℃での保存の間に、両方の部分について種々の時間で記録した。これを図5および6中に示す。図5は25℃でのエージングを示し、図中、線501は反応直後のUV−vis吸収であり、線502はエージング3時間に対応し、線503はエージング12時間に対応し、線504はエージング24時間に対応し、線505はエージング56時間に対応し、線506はエージング80時間に対応し、線507はエージング5日間に対応し、線508はエージング7日間に対応する。λosは、25℃での7日間のこのエージング期間にわたり、328nmから348nmに向かって徐々にレッドシフトすることが分かる。このことから、ZnOのナノ粒子の直径は、2.3nmから3.3nmに増大すると推測される。しかし、−10℃で7日間の保存は、ZnOナノ粒子コロイドの吸収スペクトルにおいて有意な変化を全く生じなかった。これは図6中に示され、図中、線601は開始UV−vis吸収に対応し、線602は2日間のエージングに対応し、線603は7日間のエージングに対応する。このように、粒子成長は、温度および時間の両方に依存することが示される。結果として、活性化プロセスおよび拡散に制御されないプロセスが生じる。
【0053】
実施例4
ルミネッセンス発光スペクトル
上記実施例のUV−vis分光法に加えて、この実施例は、如何に発光分光法を使用して、本発明の方法に従って製造されたナノサイズの金属酸化物粒子をモニターして特徴付け得るかを示す。
【0054】
ZnOのルミネッセンスについての殆どの文献報告は、単結晶性粉末または単結晶に関する。このような報告において、2つの発光バンドが通常見出される。第1の比較的弱く狭いUV発光バンドが、吸収の立ち上がりの直下、380nm(3.25eV)付近で観察される。このバンドは、励起子の放射消滅(radiative annihilation)に起因する。この励起子発光の寿命は非常に短い(数十〜数百ピコ秒のオーダー)。V. V. Travnikov, A. Freiberg and S. F. Savikhin, "Surface Excitons in ZnO Crystals," J. Lumin. 47, 107-112 (1990)を参照のこと。第2のものは、かなり強くより広い発光バンドであり、可視スペクトルの緑色部分に位置し、500nmと530nmとの間(2.35〜2.50eV)に最大値がある。励起子発光とは対照的に、可視発光の寿命はかなり長く、即ちμ秒の範囲である。M. Anpo and Y. Kubokawa, "Photoluminescence of Zinc Oxide Powder as a Probe of Electron-Hole Suface Processes," J. Phys. Chem. 88, 5556-5560 (1984)を参照のこと。ZnO量子ドットに対する実験は、良好な品質のZnO単結晶またはZnO粉末と比較して、量子ドットにおいてUVバンドギャップルミネッセンスが強力に消光されることを示している。L. Spanhel and M. A. Anderson, J. Am. Chem. Soc., 113, 2826-2833 (1991); E. A. Meulenkamp, J. Phys. Chem. B, 102, 5566- 5572 (1998); A. Van Dijken, E. A. Meulenkamp, D. Vanmaekelbergh and A. Meijerink, "The Luminescence of Nanocrystalline ZnO Particles: The Mechanism of the Ultraviolet and Visible Emission," J. Lumin., 87, 454-456 (2000)を参照のこと。UVバンドは、粒子サイズの増大と共に僅かに増大することが観察されている[Van Dijken et al., J. Lumin., 87, 454-456 (2000)]が、広い緑の領域が優勢である。Andersonらは、ZnOゾルの緑色ルミネッセンス発光バンドが、エージング後に500nmから560nmにシフトすることを観察した。L. Spanhel and M. A. Anderson, J. Am. Chem. Soc., 113, 2826-2833 (1991)を参照のこと。しかし、今までのところ、発光バンドのこのようなレッドシフトに基づいて実施された粒子成長速度論研究は存在しない。
【0055】
本実施例の発光スペクトルを、60℃での安定で透明なZnOコロイドの調製の間の種々の時間で記録した。λex=340nmを有するスペクトルが生じた。緑色のルミネッセンスバンドは、酢酸亜鉛二水和物の塩基溶液との5分間の混合後に、483nmでピークに達し、次いで60℃で18時間の継続的な加熱および攪拌の間に、518nmに向かって漸次レッドシフトすることが観察された。これは図7中に示され、図中、線701は5分間に対応し、線702は15分間に対応し、線703は30分間に対応し、線704は3時間に対応し、線705は6時間に対応し、線706は18時間に対応する。対数時間の関数としてのUVスペクトルのλosおよび緑色ルミネッセンススペクトルのλmax(最大バンドに対応する波長)のプロットを、60℃で加熱した酢酸亜鉛二水和物/KOH/MeOH系について図8中に示し、図中、プロット801は吸収データに対応し、プロット802はルミネッセンス(発光)データに対応する。UVのλosおよび緑色ルミネッセンスのλmaxは両方とも、対数時間に対する類似した線形依存性を示す。このように、緑色ルミネッセンスバンドを利用して、ZnOナノ粒子の成長の時間依存性を調査することもできる。
【0056】
次いで、60℃で30分間にわたり合成した透明ZnOコロイドを、25℃でのさらなるエージングのための開始サンプルとして使用した。発光スペクトルを、エージングプロセスの間に種々の時間で記録した。図9中に示されるように、最大緑色発光バンドは、498nmから515nmへと容易にレッドシフトすることが観察された。図中、線901は開始発光スペクトルに対応し、線902は12時間のエージングに対応し、線903は56時間のエージングに対応し、線904は7日間のエージングに対応する。対数時間の関数としてのUVスペクトルのλosおよび緑色ルミネッセンススペクトルのλmaxのプロットを図10に示し、図中、プロット1001は吸収データに対応し、プロット1002はルミネッセンスデータに対応する。UVのλosおよび緑色ルミネッセンスのλmaxは、それらの時間依存性に関して同様の傾向を示すことが認識された。しかし、合成したZnOコロイドを、同じ温度で加熱する代わりにより低い温度でエージングした場合、これらの吸収および発光バンドのシフトと対数時間との間の関係は、エージング開始時には線形ではなかった。このことは、同時の停止プロセスおよび再活性化プロセスが生じてもよいことを示し、ここで、粒子成長は、ZnOコロイドが冷却されたときに停止し、結果として、再活性化されるのに相対的により長い時間を必要とする。
【0057】
実施例5
この実施例は、比較例6と共に、ZnOナノ粒子形成に対するpHの重要性、ならびに本発明の少なくとも1つの実施態様に従って反応物質を混合しなければならない本質的な順序を示す。
【0058】
メタノール中0.2MのKOH(アルコールベースの溶液)100mlを調製し、攪拌しながら60℃で加熱した。この溶液は13.1のpHを有していた。次いで、この溶液を攪拌しながら60℃まで加熱し、2.20g(10mmol)のZn(OAc)2・2H2O粉末をこの溶液に添加した。こうして得られた反応混合物は、0.1Mの酢酸亜鉛濃度を有していた。1時間継続的に攪拌した後、この溶液を23℃に冷却した。反応中、溶液のpHを7.0以上に維持し、最終pHは9.4であった。生成物は、3.4nmの平均直径を有するナノサイズのZnOを含有する透明ゾルであった。
【0059】
比較例6
実施例5に概説した手順とは対照的に、メタノール中0.1MのZn(OAc)2・2H2O(アルコールベースの溶液)100mlを調製し、攪拌しながら60℃で加熱した。この溶液は6.3のpHおよび0.1Mの酢酸亜鉛濃度を有していた。この溶液を攪拌しながら60℃まで加熱し、1.13g(20mmol)のKOHペレットをこの溶液に添加した。攪拌を1時間継続した後、この系を23℃に冷却した。反応中、pHは6.3から11.7に増大したことが観察された。得られた溶液は濁っており、これは、かなり大きい直径、即ち、可視光の波長のオーダーまたはそれ以上のZnO粒子の存在を明らかに示す。
【0060】
対照的に、実施例5および本発明に従う他の手順に記載されるように、7.0以上のpHを維持しながら金属酸化物前駆体をアルコール性溶液と混合することによって、非常に簡単に、かつ、既存の技術において見出されるものよりもさらに高い濃度下で、ナノサイズの金属酸化物粒子を得ることができることが見出された。
【0061】
このように、本発明は、ZnOおよび他の金属酸化物ナノ粒子のゾル−ゲル合成の新規経路を提供する。特に、2〜4nmのオーダーのサイズを有するZnOナノ粒子が、簡単かつ効率的な方法によって調製され、この方法は、いくつかの異なる水酸化物反応物質およびアルコール溶媒を用いた場合にも成功することが示された。ナノサイズのZnOの調製について、酢酸亜鉛二水和物およびKOHの反応化学量論、ならびに溶液および反応混合物のpH値は、反応の収率および効率に影響を与えることが示された。系中の過剰なOH−は、ZnOコロイドの形成にとって好ましくない。ZnOの粒子サイズは、エージングによって容易に制御することができる。粒子成長は、時間および温度の両方に依存性であることが見出される。UV−vis吸収と共に、緑色ルミネッセンスバンドを使用して、粒子エージング速度論を調査することもできる。緑色ルミネッセンスに基づくZnOナノ粒子成長の時間依存性は、UV−vis吸収に基づくものと同様の傾向を示す。しかし、合成したZnOコロイドをより低い温度でエージングした場合、停止プロセスおよび再活性化プロセスが生じ得る。粒子成長は、ZnOコロイドが(−10℃に)冷却されたときに停止し、結果として、再活性化されるのに相対的により長い時間を必要とし得る。
【0062】
本明細書中で参照した全ての特許および刊行物は、本明細書により参考として援用される。上記実施態様の上記の構造、機能および操作のうちあるものは、本発明を実施するのに必要ではなく、単に例示的な実施態様(単数または複数)の完全性のために記載に含まれることが理解されるであろう。さらに、上記で参照した特許および刊行物中に示される特定の構造、機能および操作は、本発明と合わせて実施することができるが、その実施に必須ではないことが理解されるであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の精神および範囲から実質的に逸脱することなく、具体的に記載されたものとは別の方法で実施され得ることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は、本発明の一実施態様に従う、60℃で30分間合成したZnOコロイドの吸収スペクトルおよび発光スペクトルの両方を示す。
【図2】図2は、本発明の一実施態様に従う、60℃で30分間合成したZnOコロイドの透過型電子顕微鏡写真を示す。
【図3】図3は、本発明の一実施態様に従う、60℃でエージングしたZnOコロイドのUV−vis吸収スペクトルを示す。
【図4】図4は、本発明の実施態様に従う、異なる反応時間に対応する吸収測定値から計算した粒径をグラフで示す。
【図5】図5は、25℃でエージングしたZnOコロイドのUV−vis吸収スペクトルを示し、このZnOコロイドは、60℃で30分間の反応によって最初に得たものであった。
【図6】図6は、−10℃でエージングしたZnOコロイドのUV−vis吸収スペクトルを示し、このZnOコロイドは、60℃で30分間の反応によって最初に得たものであった。
【図7】図7は、60℃で形成されたZnOコロイドの、λex=340nmで生じ、スケールに対して正規化したルミネッセンススペクトルを示す。
【図8】図8は、本発明の一実施態様に従う、60℃で成長させたZnOナノ粒子のUv−vis吸収および緑色ルミネッセンスからの、λab onsetおよびλem maxの時間依存性を示す。
【図9】図9は、25℃でエージングしたZnOコロイドの、λex=340nmで生じ、スケールに対して正規化したルミネッセンススペクトルを示し、このZnOコロイドは、60℃で30分間の反応によって最初に得たものであった。
【図10】図10は、本発明の一実施態様に従う、25℃でエージングしたZnOナノ粒子のUv−vis吸収および緑色ルミネッセンスからの、λab onsetおよびλem maxの時間依存性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)以下を含有するアルコールベースの溶液を調製する工程;
i.アルコール溶媒;および
ii.該溶液を約7より高いpHに維持するように機能可能な塩基性種;
b)該アルコールベースの溶液に金属酸化物前駆体を添加して反応混合物を形成する工程であって、該反応混合物が約7より高い反応混合物pHに維持される、該工程;および
c)該反応混合物を反応させて、ナノサイズの金属酸化物ゾルを形成する工程であって、該反応混合物が約7より高い反応混合物pHに維持される、該工程、
を含む、方法。
【請求項2】
アルコールが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
塩基性種が、LiOH、NaOH、KOH、NHOH、それらの水和物およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
塩基性種がアルコール中に溶解される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
塩基性種が、約0.002Mと約2.0Mとの間のモル濃度で存在する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
塩基性種が、約0.01Mと約0.4Mとの間のモル濃度で存在する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
アルコールベースの溶液が、水、有機溶媒およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのさらなる種をさらに含有する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
さらなる種が有機溶媒を含み、該有機溶媒がアセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルムおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
反応混合物のpHが、約7と約10.5との間に維持される、請求項1記載の方法。
【請求項10】
金属酸化物前駆体が、金属酢酸塩、金属アルコキシド、ハロゲン化金属、金属硝酸塩、それらの水和物およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
金属酸化物前駆体が、IIA族金属、IIIA族金属、IVA族金属、VA族金属、遷移金属、ランタニド金属、アクチニド金属およびそれらの組み合わせからなる群から選択される金属成分を含有する、請求項1記載の方法。
【請求項12】
金属酸化物前駆体が、Al、Ti、Fe、Cu、Zn、Ba、Zrおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される金属成分を含有する、請求項1記載の方法。
【請求項13】
金属酸化物前駆体が亜鉛を含有する、請求項1記載の方法。
【請求項14】
金属酸化物前駆体が、酢酸亜鉛、酢酸亜鉛二水和物およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項15】
反応混合物中の金属酸化物前駆体:塩基性種のモル比が、約1:1.2と約1:3との間である、請求項1記載の方法。
【請求項16】
反応させる工程が、約20℃〜約100℃の範囲の反応温度を含む、請求項1記載の方法。
【請求項17】
反応させる工程が、約数秒間と約数日間との間の反応持続期間を含む、請求項1記載の方法。
【請求項18】
反応させる工程が、約数分間と約数日間との間の反応持続期間を含む、請求項1記載の方法。
【請求項19】
ナノサイズの金属酸化物粒子が、Al、Ti、Fe、Cu、Zn、Ba、Zrおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される金属を含有する、請求項1記載の方法。
【請求項20】
ナノサイズの金属酸化物粒子が亜鉛を含有する、請求項1記載の方法。
【請求項21】
ナノサイズの金属酸化物粒子が、約1nmと約100nmとの間の平均直径を有する、請求項1記載の方法。
【請求項22】
ナノサイズの金属酸化物粒子が、約1nmと約50nmとの間の平均直径を有する、請求項1記載の方法。
【請求項23】
ナノサイズの金属酸化物粒子が、約1nmと約10nmとの間の平均直径を有する、請求項1記載の方法。
【請求項24】
金属酸化物前駆体を添加する前に、アルコールベースの溶液にドーパント種を添加し、それによって、ドープされたナノサイズの金属酸化物粒子を提供する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項25】
ナノサイズの金属酸化物粒子をゾルとして保存する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項26】
ナノサイズの金属酸化物粒子のゾルが、ナノサイズの金属酸化物粒子の凝集を防止する温度で保存される、請求項24記載の方法。
【請求項27】
a)アルコールベースの溶液を調製する工程であって、該溶液がアルコール溶媒と該溶液のpHを上昇させるように機能可能な塩基性物質とを含有し、該塩基性物質が約0.01Mと約0.4Mとの間の濃度で存在し、該塩基性物質が該アルコール溶媒中に溶解される、該工程;
b)該アルコールベースの溶液に金属酸化物前駆体を添加して反応混合物を形成する工程であって、金属酸化物前駆体:塩基性物質のモル比が、約1:1.2と約1:3との間である、該工程;および
c)約20℃と約100℃との間の反応温度で該反応混合物を反応させて、ナノサイズの金属酸化物ゾルを形成する工程、
を含む、方法。
【請求項28】
塩基性物質が、アルコールベースの溶液および反応混合物を約7より高いpHに維持する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
塩基性物質がアルコール溶媒中に溶解され、該アルコール溶媒が、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項27記載の方法。
【請求項30】
金属酸化物前駆体が、金属酢酸塩、金属アルコキシド、ハロゲン化金属、金属硝酸塩、それらの水和物およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、かつ、該金属酸化物前駆体が、Al、Ti、Fe、Cu、Zn、Ba、Zrおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される金属成分を含有する、請求項27記載の方法。
【請求項31】
ナノサイズの金属酸化物粒子が、約1nmと約50nmとの間の平均直径を有する、請求項27記載の方法。
【請求項32】
金属酸化物前駆体の添加の前に、アルコールベースの溶液にドーパント種を添加し、それによって、ドープされたナノサイズの金属酸化物粒子を提供する工程をさらに含む、請求項27記載の方法。
【請求項33】
ナノサイズの金属酸化物粒子をゾルとして保存する工程をさらに含み、該ナノサイズの金属酸化物粒子のゾルが、ナノサイズの金属酸化物粒子の凝集を防止する温度で保存される、請求項27記載の方法。
【請求項34】
a)アルコール溶媒とヒドロキシルイオンの供給源とを含有するアルコールベースの溶液を調製する工程であって、該ヒドロキシルイオンの供給源が約0.01Mと約0.4Mとの間の濃度で存在し、該ヒドロキシルイオンの供給源が該アルコール溶媒中に溶解される、該工程;
b)該アルコールベースの溶液に金属酸化物前駆体を添加して反応混合物を形成する工程であって、金属酸化物前駆体:ヒドロキシルイオンの供給源のモル比が、約1:1.2と約1:3との間である、該工程;および
c)約20℃と約100℃との間の反応温度で該反応混合物を反応させて、ナノサイズの金属酸化物ゾルを形成する工程、
を含む、方法。
【請求項35】
ヒドロキシルイオンの供給源が、アルコールベースの溶液および反応混合物を約7より高いpHに維持する、請求項34記載の方法。
【請求項36】
ヒドロキシルイオンの供給源がアルコール溶媒中に溶解され、該アルコール溶媒が、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項34記載の方法。
【請求項37】
金属酸化物前駆体が、金属酢酸塩、金属アルコキシド、ハロゲン化金属、金属硝酸塩、それらの水和物およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、かつ、該金属酸化物前駆体が、Al、Ti、Fe、Cu、Zn、Ba、Zrおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される金属成分を含有する、請求項34記載の方法。
【請求項38】
ナノサイズの金属酸化物粒子が、約1nmと約50nmとの間の平均直径を有する、請求項34記載の方法。
【請求項39】
金属酸化物前駆体の添加の前に、アルコールベースの溶液にドーパント種を添加し、それによって、ドープされたナノサイズの金属酸化物粒子を提供する工程をさらに含む、請求項34記載の方法。
【請求項40】
ナノサイズの金属酸化物粒子をゾルとして保存する工程をさらに含み、該ナノサイズの金属酸化物粒子のゾルが、ナノサイズの金属酸化物粒子の凝集を防止する温度で保存される、請求項34記載の方法。
【請求項41】
ナノサイズの金属酸化物粒子が、約1nmと約10nmとの間の平均直径を有する、請求項27記載の方法。
【請求項42】
ナノサイズの金属酸化物粒子が、約1nmと約50nmとの間の平均直径を有する、請求項34記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−537970(P2007−537970A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527401(P2007−527401)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/017348
【国際公開番号】WO2005/113427
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(506250631)ザ テキサス エイ・アンド・エム ユニヴァーシティ システム (6)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】