説明

ナノダイヤモンド膜

【課題】ダイヤモンドは不溶不融で加工が難しく、ダイヤモンドの薄膜としてはプラズマCVDにより製造されたものが用いられている。しかし、プラズマCVDにより製造するには大掛かりな装置が必要という問題点があった。本発明は、大掛かりな装置を用いることなく、簡易に製造することができるダイヤモンドの膜を提供する。
【解決手段】ナノダイヤモンドを含んでなることを特徴とする膜。ダイヤモンドライク物質と水と樹脂とを含有することを特徴とするパテ。パテを乾燥する工程を含む、前記記載の膜の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はダイヤモンドを含んでなる膜に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイヤモンドはいくつかの際立った物性、例えば、高い硬度や高い熱伝導度等を有しているため、様々な分野で利用され、さらに多くの分野で利用することが期待されている。古くから天然由来の単結晶が宝飾に用いられた以外に、人工的に得られた微粒が研磨や切削などに大量に使用されている。また、プラズマCVDと呼ばれる方法によって、ダイヤモンドにかなり近い組成のダイヤモンドライク物質の薄膜が得られることが知られており、樹脂のボトルをこの薄膜で被覆してガスの透過を押さえるなど、各種の利用が図られている。(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−128034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ダイヤモンドは不溶不融で加工が難しく、ダイヤモンドの膜としては前記のプラズマCVDにより製造されたものが用いられている。しかし、プラズマCVDによりダイヤモンドの膜を製造するには大掛かりな装置が必要という問題点があった。したがってこのような大掛かりな装置を用いることなく、簡易に製造することができるダイヤモンド膜が求められていた。
【0005】
本発明の目的は、大掛かりな装置を用いることなく、簡易に製造することができるダイヤモンドの膜を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者はダイヤモンドの膜について鋭意検討を重ねた結果、ある種のダイヤモンドの微粒子からなるダイヤモンドの膜が簡易に製造することができることに想到し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち本発明は、下記[1]〜[25]を提供する。
[1] ナノダイヤモンドを含んでなることを特徴とする膜。
[2] ナノダイヤモンドからなることを特徴とする、[1]記載の膜。
[3] ナノダイヤモンドおよび水溶性樹脂を含むことを特徴とする、[1]記載の膜。
[4] 膜厚が5000nm以下である、[1]〜[3]いずれかに記載の膜。
[5] [1]〜[4]いずれかに記載の膜と基材とが積層されてなることを特徴とする積層材料。
[6] 前記基材の表面が親水性である、[5]記載の積層材料。
[7] 前記基材の表面が疎水性である、[5]記載の積層材料。
[8] 前記基材が高分子からなる基材である、[5]〜[7]いずれかに記載の積層材料。
[9] 前記基材がフッ素材料からなるかまたはフッ素材料で被覆されてなる基材である、[5]〜[9]のいずれかに記載の積層材料。
[10] 前記基材が多孔質である、[6]記載の積層材料。
[11] 前記基材が金属からなる基材である、[5]〜[7]のいずれかに記載の積層材料。
[12] 前記基材が酸化物からなる基材である、[5]〜[7]のいずれかに記載の積層材料。
[13] 前記基材が窒化物からなる基材である、[5]〜[7]のいずれかに記載の積層材料。
[14] 前記基材がガラス材料からなる基材である、[5]〜[7]のいずれかに記載の積層材料。
[15] [1]〜[4]のいずれかに記載の膜、粘着性材料と、基材とが積層されてなることを特徴とする積層材料。
[16] 前記基材が粘着性材料からなるか又は粘着性材料で被覆されてなる基材であって、この基材と[1]〜[4]のいずれかに記載の膜を接触させる工程を含む、[5]〜[15]のいずれかに記載の積層材料の製造方法。
[17] ダイヤモンドライク物質と水と樹脂とを含有することを特徴とするパテ。
[18] ダイヤモンドライク物質を水を含む溶媒を除いた重量の20重量%を超えて含有する、[17]記載のパテ。
[19] ダイヤモンドライク物質がナノダイヤモンドである、[17]または[18]記載のパテ。
[20] 水の含有量が30重量%以上である、[17]〜[19]のいずれかに記載のダイヤモンドライクパテ。
[21] さらに水以外の溶媒を含む、[17]〜[20]のいずれかに記載のパテ。
[22] ダイヤモンドライク物質の分散液と樹脂溶液を混合することを特徴とする、[17]〜[21]のいずれかに記載のパテの製造方法。
[23] [17]〜[21]のいずれかに記載のパテを乾燥する工程を含む、[3]記載の膜の製造方法。
[24] [17]〜[21]のいずれかに記載のパテを乾燥する工程を含む、[5]〜[15]のいずれかに記載の積層材料の製造方法。
[25] [24]記載の積層材料の製造方法であって、基材の表面が親水性である積層材料の製造方法
【発明の効果】
【0008】
本発明の膜は、プラズマCVDなどの大掛かりな装置を使用することなく簡易に製造することができる。又、本発明の膜は、適切な膜厚にすることで透明にすることも出来る。さらに基板を適切に選択することによって、基板との付着性を調整したり、逆に基板から転写することも出来る。本発明の膜は、ダイヤモンドを含んでなるので、熱伝導性、屈折率等に優れ、放熱板、光学部品等の様々な用途に用いることが出来るため、本発明は工業的に極めて重要である。又、本発明のパテは加工性に優れ、本発明の膜の製造に用いることが出来るだけでなくさらにパテ自身もダイヤモンドを含んでなり、含有量を大きくすることが出来るので、したがって熱伝導性、等のダイヤモンド由来の性質を発揮できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず、本発明の膜について詳細に説明する。
本発明の膜はナノダイヤモンドを含んでなることを特徴とする。
ダイヤモンド由来の物性を発揮させるという点では、本発明の膜に含まれるナノダイヤモンドの含有量一般に多い方が好ましい。具体的には、通常は10重量%以上100重量%以下であり、好ましくは30重量%以上100重量%以下であり、より好ましくは50重量%以上100重量%以下であり、さらに好ましくは60重量%以上100重量%以下であり、さらにより好ましくは70重量%以上100重量%以下であり、特に好ましくは90重量%以上100重量%以下である。
【0010】
本発明で使用するナノダイヤモンドについて説明する。
ナノダイヤモンドとして公知のものから適宜選択して使用できるが、ナノダイヤモンドは極めて微粒のダイヤモンド粒子であり、本発明に用いるナノダイヤモンドは、その一次粒径は通常は100nm以下1nm以上の範囲であり、50nm以下2nm以上の範囲が好ましく、30nm以下2nm以上の範囲がより好ましく、10nm以下3nm以上の範囲が特に好ましい。
【0011】
かかるナノダイヤモンドは通常は爆発法によって製造でき、液体中に分散する性質を有することが必要である。ナノ炭素研究所から販売されているNanoAmando(商品名)等の市販のものを用いることができる。
【0012】
着色を避けたい場合に本発明の膜の厚みは小さいことが好ましく、具体的にはその膜厚は5000nm以下が好ましい。
【0013】
本発明の膜は、その目的を損なわない範囲で別の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、溶媒(水、アルコール、等)、可塑剤、バインダー等を挙げることが出来る。溶媒を大量に含む状態では可塑性に富むため、成型時に溶媒を多量に含んだ状態で用いた後で、目的に応じて溶媒を乾燥させて使用することが出来る。溶媒としては水、アルコールが好ましく、水が特に好ましい。このような別の成分を含む膜として、具体的にはたとえば本発明のパテを膜に成型し、乾燥して得られるものも挙げることが出来る。
【0014】
本発明の膜の製造方法を説明する。本発明の膜の好適な製造方法の一つは、ナノダイヤモンドの粉末を溶媒に分散させ、基材に塗布するという方法である。この場合溶媒としては、アルコール、エーテル、ケトン、有機ハロゲン化合物、芳香族化合物および水を挙げることができるが、ナノダイヤモンド粒子がより均一に分散するので水、アルコールが好ましく、水が最も好ましい。
【0015】
ナノダイヤモンド粒子を溶媒に分散させる方法としては、攪拌のみで分散させることができる場合もあるが、超音波処理、回転式ホモジナイザー処理を行って分散させることもでき、また、溶剤に、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の分散剤を加えてもよい。
【0016】
基材としては安定で平滑なものであって、用いる溶媒に不溶であれば特に制限はなく、基材の材料としては金属、セラミックス(酸化物、窒化物、等)、樹脂、ガラス等を挙げることができる。基材の表面の材質によって得られる薄膜と基材との密着性を調整することが出来る。たとえば通常ナノダイヤモンドの前記水分散液を用いる場合には、ガラス、アルミニウム等の金属、の親水性の表面上に形成される薄膜は比較的脱離しやすく、高分子材料、又は高分子材料、等で被覆されてなる疎水性の表面上に形成されたものは比較的脱離しにくい。このような高分子材料としては水に不溶であれば特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリスチレン、パラフィン、フッ素樹脂等を挙げることが出来る。フッ素樹脂として具体的には、パーフルオロアルキル基を有する高分子、ポリテトラフルオロエチレンおよびその誘導体を挙げることが出来る。
【0017】
また、高分子材料以外にも各種の有機化合物で表面を修飾する方法によっても、薄膜を脱離しにくくすることが出来る。一方本発明のナノダイヤモンド膜は他の基材上に転写することも出来る。転写の方法としては、粘着性材料または粘着性材料で被覆された基材を圧着して引き剥がす方法が挙げられる。具体的にはたとえば各種の市販の接着テープを使用出来る。粘着性材料としては常温で粘着性があるものだけでなく、温度を上げて粘着性を発揮する材料も用いることが出来る。具体的には熱可塑性樹脂(ポリエチレン等)を挙げることが出来る。
【0018】
塗布の方法としては、公知の方法から適宜選択して用いることができる。具体的にはキャスティング法、スピンコート法、バーコート方、ブレードコート法、ロールコート法、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット法、等を挙げることができる。
【0019】
塗布後には用途に応じて乾燥してもよい。乾燥方法としては、自然乾燥、熱風加熱乾燥、赤外線加熱乾燥、高周波加熱乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の工業的に通常使用できる方法を用いることができる。
【0020】
次に本発明のパテについて詳細に説明する。
【0021】
本発明のパテはダイヤモンドライク物質と水と樹脂とを含有することを特徴とする。ダイヤモンドライク物質として公知のものから適宜選択して使用できるが、加工性の点でナノダイヤモンド、ダイヤモンドイドが好ましく、ナノダイヤモンドが特に好ましい。本発明のパテを容易に製造できる点でダイヤモンドライク物質の中でもナノダイヤモンドは水中に良好に分散する性質を有するものが好ましい。具体的にはナノ炭素研究所から販売されているNanoAmando(商品名)等の公知のものを用いることができる。ダイヤモンドライク物質を分散する液体としては、水に加えて、水と相溶する範囲で、各種の有機溶媒(アルコール類、エーテル類、ケトン類、有機塩素類、芳香族類、等)も水に混合して用いることが出来るが、分散性の点で水のみ、水とアルコール類の混合液が好ましい。
【0022】
本発明パテは、少なくとも1種以上の樹脂成分を含む。このような樹脂成分としては、公知である種類の樹脂から適宜選択して用いることができるが、このような樹脂として、ポリオレフィン類(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、等)、アクリル類(ポリメチルメタクリレート、等)、ナイロン類、ポリエーテル類、ポリエーテルスルホン類、ポリカーボネート類、ポリビニルアルコール類、セルロース類、澱粉類、等が挙げられるが、パテを容易に製造できる点で水溶性の樹脂が好ましい。このようなものとしては、ポリビニルアルコール類、澱粉類、等が挙げられる。
【0023】
本発明のパテは、ダイヤモンドライク物質、樹脂、水以外にその目的を損なわない範囲で別の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、可塑剤、着色剤、分散剤等を挙げることが出来る。
【0024】
本発明のダイヤモンドライクパテに含まれるダイヤモンドライク物質の含有量としては、水を含む溶媒を除いた重量の、一般に20重量%を超え90重量%以下であり、好ましくは25重量%以上90重量%以下であり、より好ましくは30重量%以上90重量%以下であり、特に好ましくは60重量%以上80重量%以下である。水等の溶媒を多量に含んだ状態で成型する場合には、溶媒の含有量としては30重量%以上75重量%以下であり、好ましくは50重量%以上70重量%以下である。
【0025】
次に本発明のダイヤモンドライクパテの製造方法について説明する。本発明のダイヤモンドライクパテは、一般に成分を混合することにより得られるが、好適に製造する方法としては、ダイヤモンドライク物質の分散液と樹脂の溶液を混合する方法により得られる。ダイヤモンドライク物質の溶液としては、ナノダイヤモンドの分散液が好ましい。該分散液の溶媒としては、水または水とアルコールの混合溶媒を主成分とするのが好ましいが、副成分として水またはアルコールに少量でも混合できるものは適宜添加することが出来る。
【0026】
次に本発明のパテを用いた本発明の膜の製造方法について説明する。本発明のパテは、一般に柔軟で変形加工することが出来る。したがってパテを公知の方法で膜に成型し、その後乾燥させることにより本発明の膜を得ることが出来る。このような公知の方法としては、たとえば圧延、流延、延伸、キャスト、押し出し、切削、切断、等を挙げることが出来る。一般的にパテは粘土状である場合が多く、たとえば圧延によって膜を比較的好適に得ることが出来る。水溶性樹脂を含むパテは一般に親水性材料と密着する傾向が強いため、表面が親水性の基材上に表面が疎水性の材料で圧延すると、圧延されたパテが基材上に密着し、それを乾燥して好適に基材上に膜を得ることも出来る。また前記の表面が親水性の基材が、多孔性であればパテは一部基材に浸透してより強い密着を得ることが出来る。このような多孔性かつ表面が親水性の基材としては例えば各種紙類やミリポアなどのフィルター類に使用されるフィルムを挙げることが出来る。
【実施例】
【0027】
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
実施例1
ナノダイヤモンドを5%含む水分散液[ナノ炭素研究所製、NanoAmando(商品名)]をスライドガラス上に滴下して乾燥した。僅かに褐色を呈する透明な膜を形成した。この膜はガラスから容易に脱離しやすかった。接着テープ(ニチバン株式会社製、セロテープ(登録商標))をガラス上の膜に貼り付け、次いで引き剥がすとテープ上に僅かに褐色の金属光沢を有するナノダイヤモンド膜が形成出来た。
【0029】
実施例2
ネイチャー、第352巻、第414〜417頁(1991)に記載の方法で、スライドガラス上にポリテトラフルオロエチレンの超薄膜を作成した。この基板上にナノダイヤモンドを5%含む水分散液(ナノ炭素研究所製、NanoAmando(商品名))を、滴下して乾燥した。僅かに褐色の金属光沢を有するナノダイヤモンド膜が得られた。この膜はガラス上よりも脱離しにくかった。
【0030】
実施例3
ナノダイヤモンドを5%含む水分散液(ナノ炭素研究所製、NanoAmando(商品名))をアルミニウム箔上に滴下して乾燥した。僅かに褐色を呈する透明な膜を形成した。この膜は簡単に剥離できた。接着テープ(ニチバン株式会社製、セロテープ(登録商標))をガラス上の膜に貼り付け、次いで引き剥がすとテープ上に僅かに褐色の金属光沢を有するナノダイヤモンド膜が形成出来た。この膜は箔から容易に脱離しやすかった。
【0031】
実施例4
ナノダイヤモンドを5%含む水分散液(ナノ炭素研究所製、NanoAmando(商品名))をパラフィンのフィルム(パラフィルム(商品名))上に滴下して乾燥した。僅かに褐色を呈する透明な膜を形成した。この膜はガラス上よりも脱離しにくかった。
【0032】
実施例5
ナノダイヤモンドを5%含む水分散液(ナノ炭素研究所製、NanoAmando(商品名))をポリスチレン板上に滴下して乾燥した。僅かに褐色を呈する透明な膜を形成した。この膜はガラス上よりも脱離しにくかった。
【0033】
実施例6
多糖類(プルラン(商品名)、林原生物化学研究所製)1.57重量部を水に溶解し2.5%溶液63.1重量部を作成した。このプルラン溶液を攪拌しながら、ナノダイヤモンドを5%含む水分散液(ナノ炭素研究所製、NanoAmando(商品名))31.3重量部をゆっくり滴下したところ灰色の沈殿が得られた。濾過を行い水100重量部で洗浄したのち粘土状の沈殿7.26重量部を回収した。この時濾液は透明であった。この粘土状沈殿は柔らかく力を加えると自由に変形させることが出来た。また風乾すると次第に硬くなった。また、この粘土状沈殿1重量部をガラス容器に入れ、150℃のホットプレート上で乾燥させると、重量が0.29重量部に減少した。したがって、粘土状沈殿には水が約71%含有されていた。
【0034】
ここで濾液には着色がないためほとんどのナノダイヤモンドは沈殿したと見なせる。したがって、粘土状沈殿(パテ)には22重量%のナノダイヤモンドが含有されており、また乾燥後の固形物はおよそ75重量%のナノダイヤモンドを含有し、およそ25重量%のプルランを含有する。またこれらの粘土状物質はナノダイヤモンドを多量に含み熱伝導性が高い。
【0035】
実施例7
実施例6で作製したパテの小片をガラス上に置き、ポリテトラフルオロエチレン製シート(ハイパーシート(ゴアテックス社製、商品名)、厚み約1mm)を押し付けてパテを圧延し、厚みが0.1〜0.05mm程度の膜状に変形がさせること出来た。この際圧延時に密着した板を引き剥がすと膜はガラス側に付着した。これを風乾して、黒色の膜をガラス上に得ることが出来た。
【0036】
実施例8
実施例6で作製したパテの小片を紙上に置き、前記ポリテトラフルオロエチレン製シートを押し付けてパテを圧延し、厚みが0.1〜0.05mm程度の膜状に変形がさせること出来た。この際圧延時に密着したシートを引き剥がすと膜は紙側に付着した。この膜を風乾して、黒色の膜を紙上に得ることが出来た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノダイヤモンドを含んでなることを特徴とする膜。
【請求項2】
ナノダイヤモンドからなることを特徴とする、請求項1記載の膜。
【請求項3】
ナノダイヤモンドおよび水溶性樹脂を含むことを特徴とする、請求項1記載の膜。
【請求項4】
膜厚が5000nm以下である、請求項1、2、または3いずれか一項に記載の膜。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか一項に記載の膜と基材とが積層されてなることを特徴とする積層材料。
【請求項6】
前記基材の表面が親水性である、請求項5記載の積層材料。
【請求項7】
前記基材の表面が疎水性である、請求項5記載の積層材料。
【請求項8】
前記基材が高分子からなる基材である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の積層材料。
【請求項9】
前記基材がフッ素材料からなるか又はフッ素材料で被覆されてなる基材である、請求項5〜9のいずれか一項に記載の積層材料。
【請求項10】
前記基材が多孔質である請求項6記載の積層材料。
【請求項11】
前記基材が金属からなる基材である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の積層材料。
【請求項12】
前記基材が酸化物からなる基材である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の積層材料。
【請求項13】
前記基材が窒化物からなる基材である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の積層材料。
【請求項14】
前記基材がガラス材料からなる基材である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の積層材料。
【請求項15】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の膜と、粘着性材料と、基材とが積層されてなることを特徴とする積層材料。
【請求項16】
前記基材が粘着性材料からなるか又は粘着性材料で被覆されてなる基材であって、この基材と請求項1〜4のいずれか一項に記載の膜とを接触させる工程を含む、請求項5〜15のいずれか一項に記載の積層材料の製造方法。
【請求項17】
ダイヤモンドライク物質と水と樹脂とを含有することを特徴とするパテ。
【請求項18】
ダイヤモンドライク物質を水を含む溶媒を除いた重量の20重量%を超えて含有する、請求項17記載のパテ。
【請求項19】
ダイヤモンドライク物質がナノダイヤモンドである、請求項17または18記載のパテ。
【請求項20】
水の含有量が30重量%以上である、請求項17〜19のいずれか一項に記載のダイヤモンドライクパテ。
【請求項21】
さらに水以外の溶媒を含む、請求項17〜20のいずれか一項に記載のパテ。
【請求項22】
ダイヤモンドライク物質の分散液と樹脂溶液を混合することを特徴とする、請求項17〜21のいずれか一項に記載のパテの製造方法。
【請求項23】
請求項17〜21のいずれか一項に記載のパテを乾燥する工程を含む、請求項3記載の膜の製造方法。
【請求項24】
請求項17〜21のいずれか一項に記載のパテを乾燥する工程を含む、請求項5〜15いずれか一項に記載の積層材料の製造方法。
【請求項25】
請求項24記載の積層材料の製造方法であって、基材の表面が親水性である積層材料の製造方法。

【公開番号】特開2009−263208(P2009−263208A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47607(P2009−47607)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】