説明

ナノファイバー含有検査エレメント

本発明の対象は検査エレメント、殊に、核酸、タンパク質、ウイルス、微生物および細胞を含む生物学的な、医学的な、または生物学的もしくは医学的に重要な物質の存在もしくは濃度を確認するための診断用検査エレメントであって、この検査エレメントがナノファイバーを含有することによって特徴づけられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は検査エレメント、殊に、核酸、タンパク質、ウイルス、微生物および細胞を含む生物学的な、医学的な、または生物学的もしくは医学的に重要な物質の存在もしくは濃度を確認するための診断用検査エレメント(Testelement)であって、この検査エレメントがナノファイバーを含有することによって特徴づけられる。
【背景技術】
【0002】
診断用検査エレメント、殊に検査ストリップは従来技術によれば、繊維を基礎とする多種多様な材料を含有する。特筆すべきは紙または不織布である。望ましくない試料成分からの分離を実施するために、特に不織布が使用される。例として、NW−グルコース検査(NW-Glucosetesten)におけるかまたはレフロトロン(登録商標)システムからの検査ストリップにおける血液分離用不織布が参照される。従来技術の紙または不織布に使用される繊維は、約5〜200μmの直径によって特徴づけられる。
【0003】
ナノファイバーは原則的に公知であり、ほぼ1930年から公知技術水準である。ナノファイバーは、10〜55kVの範囲内の高電圧をポリマー溶液もしくはポリマー溶融物の液滴に印加することによって細い繊維を生成させるいわゆる電界紡糸によって得られる(Formhals, A.,米国特許第1975504号(1934)、米国特許第2160962号(1939)、米国特許第2187306号(1940))。
【0004】
ナノファイバーは直径がきわめて小さいことが特徴である。材料に応じて、直径10〜2000nmを有する繊維が得られる。一部枝分かれした繊維が得られかあるいは多少なりとも大きく、多少なりとも多数のポリマー玉(Polymerperlen)(ビーズ)を繊維上に含む繊維が得られる。重要な影響量は当業者に公知であるか、あるいは関連する文献(例えばLiおよびXia,“Adv. Mater.”,第16号(2004年),p.1151〜1170)に示されている。
【0005】
医用製品へのナノファイバーの使用は、米国特許第2003−0171053号に記載されている。この医用製品は、生体適合性を改善するためにナノファイバー層で包み込まれている医用装置である。さらなる刊行物は、生体適合性と測定安定性の改善のためにポリラクチド−ナノファイバーで覆われている脳ゾンデ(Gehirnsonde)に関する(例えば米国特許第2002−0106496号またはDiPaoloほか,“Proceedings of the Second Joint EMBS/BMES Conference Houston TX, USA, 23-23, Oktober 2002”)。
【0006】
米国特許第2003−0217928号では、検体の検出に、導電性のアレイの中でも使用することができるナノ構造体の電気合成の方法が開示されている。
【0007】
国際公開第02/40242号には、医療上かつ細胞生物学的に使用するための製品、例えばステントをコラーゲンを基礎とするナノファイバーの電界紡糸によって製造する方法が記載されている。
【0008】
国際公開第03/026532号には、医用機器、例えばバルーン、カテーテル、フィルタおよびステントへのナノファイバーの使用が記載されている。診断用検査エレメントへのナノファイバーの使用はまったく示唆されていない。
【0009】
国際公開第03/087443号では、ナノファイバーを対象物、例えばステントといった医用機器または医薬品のコントロールされた放出のための装置に施与する方法が開示されている。
【0010】
Fengほか(“Angew. Chem. Int.”,第42版(2003年),p.800〜802)およびFengほか(“Angew. Chem. Int.”,第41版(2002年),p.1221〜1223)は、短いナノファイバーからなる超疎水性の表面の製造を記載している。
【0011】
診断に応用するための検査エレメントへの通常の直径の繊維の使用は、特に不利である。これは特に血液細胞の分離が該当する。この場合には比較的粗く不均一な多孔性が生じる。これらの大きな孔によって血液細胞は保持されないか、布層(Gewebelage)もしくは不織布の内部に保持されるかのどちらかである。その際、その大きな孔が原因となって、高い毛管現象によってかあるいは、殊にガラス繊維における、とがった角および縁での赤血球の膜の損傷によって溶解に至る。これら材料が比較的厚くなりかつ相応に大きな容量の液体が繊維の隙間に保持されることも、従来技術による不織布または織物における欠点である。開発においては、試料容量がますます小さくなる傾向にあり重大な妨げとなっている。
【0012】
疎水性の通常の繊維からなる形成物は、液体をせき止めるものとして役立てることができる。その例は、タイベック(登録商標)の商品名で公知である。しかしながら、この形成物の欠点は、この織物に接触する水溶液がその表面からしたたり落ちるのではなく、この水溶液が孔に入り込むことができないにもかかわらずその表面に留まる。
【発明の開示】
【0013】
本発明の課題は、従来技術の欠点を少なくとも部分的に除去する検査エレメントの提供であった。この課題は、検体の検出のためのナノファイバーを含有する検査エレメントによって解決される。
【0014】
本発明は、検査エレメント、例えば検査ストリップ、アレイまたはセンサの製造へのナノファイバーの使用に関する。本発明の枠内でのナノファイバーとして、これは電界紡糸されるか、または連続した繊維のことをいう。この繊維は好ましくは直径10〜2000nm、特に好ましくは10〜1000nm、最も好ましくは10〜500nmを有する。電界紡糸されるか、または連続したナノファイバーが任意の長さで製造することが好ましい。検査エレメントへの使用のために該繊維は好ましくは少なくとも、≧1mm、特に好ましくは≧2mmの長さを有する。このことはFengほか(2002年)、上記文献およびFengほか(2003年)、上記文献に記載された短いナノファイバーとは異なっている。
【0015】
本発明の枠内でのナノファイバーは親水性のナノファイバー、疎水性のナノファイバーおよびこれらの混合物であることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
ナノファイバーはポリマーから電界紡糸法によって製造される。適当な方法は、先に挙げた従来技術の文献に開示されている。適当なポリマーの例は、有機ポリマー、例えばポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、例えばトパス(登録商標)、ポリペンテンもしくはその共重合体、フッ化もしくは部分的にフッ化されたポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレン等、ポリエステル、例えばポリテレフタラート、ポリアミド、例えばポリ−ε−カプロラクタム、ポリウレタン、多環芳香族化合物(Polyaromaten)、例えばポリ[p−キシレン]およびその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアルキレンオキシド、例えばポリエチレンオキシドないしはこれらの組合せ物もしくは共重合体である。さらに無機ナノファイバー、例えば酸化物、例えばケイ酸塩、例えばガラス、例えばケイ酸塩−、ケイ酸アルカリ−、石英−もしくは水ガラス、を基礎とするナノファイバーまたは金属アルコキシ縮合物を基礎とするナノファイバーあるいはこれらの組合せ物を使用することもできる。有機と無機のナノファイバーの組合せ物を使用することもできる。
【0017】
分析用検査エレメントの成分としてのナノファイバーは不織布、織物、膜、層またはこれらの組合せ物の形で存在することが好ましい。このような材料の製造は、前述のとおり、溶液または溶融物からのポリマーの電界紡糸法によって行なわれる。
【0018】
このようなナノファイバー材料の製造は、繊維を無秩序に積層させるようにして行なうことができる。しかし、等方性もしくは異方性の効果を得るために、繊維を多少なりとも規則正しく積層することも可能である。材料の性質は、広い範囲での材料の選択によっても、繊維の直径の選択によっても、繊度および紡糸パラメータの選択によっても影響を及ぼされる可能性がある。
【0019】
検査エレメント、例えば検査ストリップへのこのようなナノファイバー材料の適用は、繊維を単純にその表面上へと紡糸することによって行なうことができる。この繊維は、接着剤層、例えばアクリレート接着剤、圧感接着剤または接着テープへの施与によってカレンダー被覆(aufkalandriert)または塗布されてもよい。繊維の製造の際の適当な溶剤によって支持体の表面における部分的溶解効果、これにより続いて結果的に、溶剤の蒸発後に、ナノファイバーと該表面とのあいだの固い結合が生じることが可能であるのとまったく同様に、支持体材料を溶剤によって部分的に溶解させかつ繊維をこの膨潤した材料上に積層させることも可能である。それは生じるのが、ビーズを有するナノファイバーが形成されるように条件が選択される場合にはより容易になる。しかしまたこの繊維をもう1つのノズルからの他の繊維と混合することも、支持体材料への特に良好な接合を生じさせるビーズを含む第1の層の施与後に、異なる形状および厚さおよび/または材料の繊維を含むもう1つの層を施与することも可能である。
【0020】
上記ナノファイバーを含有する検査エレメントは、例えば検査ストリップ、アレイまたはセンサ、例えば電気化学センサ、であることができる。この場合、ナノファイバーは検査エレメントの多孔質の材料に施与されていてもよいし、無孔材料に施与されていてもよい。
【0021】
有利な実施の形態の場合には該検査エレメントには、例えば紙、不織布および/または膜の形の、少なくとも1つの多孔質の支持体材料を含む検査ストリップが含まれる。その際、ナノファイバーはこのような多孔質の支持体材料の少なくとも表面に施与されることができる。
【0022】
通常の紙、不織布または膜へのナノファイバーの積層によってこれら支持体材料の表面は、本質的により微細な孔径が被覆された表面にて達成されるようにして改質されることができる。そのことによりまったく別の、本質的に改善されたフィルタ特性が達成可能である。このように改質された材料は自体公知の方法で積層またはラミネーション等によって検査ストリップに載せることができる。他方で検査ストリップの材料またはその個々の成分が完全にナノファイバーからなることもできる。
【0023】
例えばナノファイバーは、試料からの粒状成分の分離するためのフィルタエレメントに使用されることができる。有利な実施の形態の場合には該フィルタエレメントは血液細胞、特に赤血球を分離するためのエレメントである。
【0024】
その場合、血液分離用不織布へのナノファイバーの使用によって溶血傾向を抑制することが可能である、というのも、微細な繊維が赤血球の膜を保護しかつ毛管現象が原因の赤血球膜の引き裂けに至らないからである。ナノファイバーあまり微細ではない繊維端が赤血球の膜を損傷する可能性がありかつそのことにより溶血を引き起こすことは事実上排除されてもいる。ナノファイバーからなる不織布の使用により、高いフィルタ効果を持つ、例えば0.02〜50μm、特に0.05〜5μm、殊に0.08〜2μm、の厚さを有する著しく薄い不織布を提供することが可能であり、これはその場合、著しくわずかな血液容量を処理することも可能でありかつ著しくわずかな保持力だけでも有する。この適用の場合には、親水性ポリマー、例えばポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアミン、ポリエチルイミン、ポリエチレングリコールまたはこれらの、例えばポリウレタンとポリエチレングリコールの、共重合体が、これらからナノファイバーを電界紡糸によって生成するために有利に使用される。同様に無機材料、例えば酸化物、特にガラス、例えば石英−、ケイ酸塩−、ケイ酸アルカリ−もしくは水ガラスまたは金属アルコキシ縮合物あるいはこれらの組合せ物は有利である。
【0025】
もう1つの有利な実施の形態の場合には、支持体材料の、殊に液体による湿潤性に関する性質を改質するために、ナノファイバーが支持体材料の表面に施与されることができる。こうして疎水性の表面、例えば無孔表面、例えばアレイの検査フィールドはその湿潤性を高めるために親水性のナノファイバーで被覆されることができる。本発明の枠内における親水性の表面はその場合好ましくは水との固有の接触角<90°を有する。
【0026】
固有の接触角と呼ばれるのは理想的に平滑な表面における接触角のことであり、この接触角は、化学基によって決定される表面エネルギーについての尺度として表面形状のいかなる影響もなく用いられる。
【0027】
例えば表面へのナノファイバーの積層によって湿潤特性を劇的に変えることができる。水滴が純粋なPMMA表面上で約70〜80度の接触角をなす一方で、ポリアミド(PA)からなるナノファイバーの薄い層で部分的に覆われているPMMA表面上では水滴は広がる。10〜500mg/m2、特に50〜300mg/m2、例えば約200mg/m2の量の、例えばポリ−ε−アミノカプロラクタムからなる、厚さ20〜2000nm、例えば600nmを有するナノファイバーが有利であることが判明している。
【0028】
他方で表面、例えば無孔表面、例えば、殊に試料塗布領域(Probenauftragzone)の範囲内の、検査ストリップ容器(Teststreifengehaeuse)、アレイの検査フィールド間の領域等の被覆は、表面の湿潤性を減少させるためかつ疎水性もしくは超疎水性の性質を有する表面を得るために、疎水性のナノファイバーを用いて行なわれる。本発明の枠内における疎水性の表面はその場合好ましくは水との固有の接触角≧90°を有する。本発明の枠内における超疎水性の表面はその場合好ましくは水との接触角≧140°、特に≧150°を有する。
【0029】
超疎水性の性質を有する疎水性の遮断(Hydrophobsperre)としてのナノファイバー被覆は、試料液体、例えば血液が検査ストリップ上に付着したままであることが絶対的に防止されなければならない保健衛生上の検査ストリップの開発において特に重要である。このことを達成するために、疎水性の基礎材料、例えばフッ化もしくは部分的にフッ化されたポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、改質された、例えば可溶性のPTFE、例えばテフロン(登録商標)AF、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(FEP)、部分的にフッ化されたポリウレタン、フッ化多環芳香族化合物等またはポリオレフィン、例えばPP、ポリペンテン等またはポリオレフィン共重合体からナノファイバー形成物が電界紡糸によって製造される。既に、このような繊維材料の、もしくはビーズを有する繊維の著しく薄い、例えば2μmの層によって超疎水性の表面、この表面上では水滴が接触角≧140°を有するものが提供され得ることが明らかになっている。載せられた水滴はこのような表面上を既に20°未満の傾きで転がり落ちる。このような層の表面に接触させた血の滴は、この層を濡らすかないしはこの層に付着する傾向を示さない。
【0030】
本発明の特に有利な対象は、(a)親水性のナノファイバーで覆われた少なくとも1つの領域と(b)疎水性のナノファイバーで覆われた少なくとも1つの領域とを含む検査エレメントである。親水性のナノファイバーで覆われた領域は好ましくは、試料液体、例えば血液を載せるために備えられた検査フィールドであり、これよりこの検査フィールドの濡れが改善される。疎水性のナノファイバーで覆われた領域は好ましくは、試料液体による望ましくない濡れを防止するために、検査フィールドおよび/または試料供給箇所(Probenaufgabestellen)の周囲に配置されている。
【0031】
本発明のなおもう1つの有利な実施の形態の場合には親水性と疎水性のナノファイバーの混合物が表面、例えば無孔表面にその表面全体にわたる液体の均一な分布のために施与されることができる。繊維混合物の例は、テフロン(登録商標)AFとポリ(ウレタン−g−エチレンオキシド)である。
【0032】
親水性と疎水性のナノファイバーの混合物の薄層の施与によって表面は、塗布された液滴、特に水滴が均一に分布するように改質されることができる。驚くべきことに、このような滴が干上がることによりその中に溶解した物質が、ナノファイバーが存在しない場合より本質的に均一な層を形成することが見いだされた。それにより、液体の形で塗布される検査化学薬品(Testchemie)を例えば電気化学センサの電極に、これまでより本質的に均一に分布させることが可能となる。このことは、例えば分子診断による検査のための、アレイの製造の場合にも重要である。特に自己蛍光のアスペクトはこの場合には大いに重要である。上記効果に必要である極少量の材料、例えば10〜500mg/m2によって著しく低い自己蛍光のみが生じ、このことはまたアレイの評価の際の信号/雑音比に有利に影響を及ぼす。
【0033】
さらに本発明は、前述のような検査エレメントを使用する、試料中の検体の定性的および/または定量的な測定の方法に関する。この方法は、免疫化学的な方法または核酸ハイブリダイゼーションに基づいた方法あるいはまた酵素的方法であることができる。有利な適用は、例えば血液もしくは他の体液からグルコースを検出するための、電気化学的および/または光化学的な検出方法である。
【0034】
本発明のなおもう1つの対象は、前述のとおり、検体の検出に用いられる検査エレメントにおけるフィルタとしてのナノファイバー、特に電界紡糸された、および/または連続ナノファイバーの使用である。該フィルタはナノファイバーを、上述のとおり、それ自体として、および/または多孔質の支持体材料に施与されて含有していてもよい。フィルタがナノファイバーをそれ自体として、すなわち支持されていない形で含有する場合には、その材料は場合によっては非対称の膜として存在する。膜の材料は、前述のとおり、親水性のナノファイバー、疎水性のナノファイバーまたはこれらの混合物を含有することができる。
【0035】
本発明の利点は殊に、従来技術による材料に比して本質的により薄く、より微細な、より均一な孔の大きさを有し、かつよりわずかな材料を必要とする検査ストリップへの使用のための不織布またはフィルタ材料を得ることができることにある。表面の湿潤可能性がナノファイバーによって劇的に改善され得ることも利点である。さらに、疎水性ポリマーから超疎水性の表面、この表面上で水滴または血の滴が保持されず、わずかな角度で既に転げ落ちることができるのが利点である。血液の分離の際に事実上溶血を生じないことがさらなる利点であるナノファイバーによって表面への検出試薬の塗布をこれまでより本質的に均一に行なうことができ、かつ自己蛍光を減少させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノファイバーを含有することを特徴とする検体を検出するための検査エレメント。
【請求項2】
ナノファイバーが連続していることを特徴とする請求項1記載の検査エレメント。
【請求項3】
ナノファイバーが電界紡糸されていることを特徴とする請求項1記載の検査エレメント。
【請求項4】
ナノファイバーが直径10〜2000nm、特に10〜1000nm、殊に10〜500nmを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の検査エレメント。
【請求項5】
ナノファイバーが親水性のナノファイバー、疎水性のナノファイバーまたはこれらの混合物から選択されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の検査エレメント。
【請求項6】
親水性のナノファイバーが超疎水性の性質を有する表面を形成することを特徴とする請求項5記載の検査エレメント。
【請求項7】
ナノファイバーがポリオレフィン、多環芳香族化合物、フッ化もしくは部分的にフッ化されたポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアルキレンオキシドおよびこれらの組合せ物もしくは共重合体から選択されたポリマーからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の検査エレメント。
【請求項8】
ナノファイバーが不織布、織物、膜、層またはこれらの組合せ物の形で存在することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の検査エレメント。
【請求項9】
ナノファイバーがビーズを含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の検査エレメント。
【請求項10】
検査ストリップを含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の検査エレメント。
【請求項11】
検査用アレイを含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の検査エレメント。
【請求項12】
多孔質もしくは無孔の支持体材料に施与されたナノファイバーを含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の検査エレメント。
【請求項13】
紙、不織布および膜から選択された多孔質の支持体材料に施与されたナノファイバーを含むことを特徴とする請求項12記載の検査エレメント。
【請求項14】
ナノファイバーが多孔質の支持体材料の少なくとも1つの表面に施与されていることを特徴とする請求項13記載の検査エレメント。
【請求項15】
試料からの粒状成分を分離するための、少なくとも部分的にナノファイバーからなるフィルタエレメントを含むことを特徴とする請求項13または14記載の検査エレメント。
【請求項16】
フィルタエレメントが血液細胞、特に赤血球を分離するためのエレメントであることを特徴とする請求項15記載の検査エレメント。
【請求項17】
ナノファイバーが無孔の支持体材料の表面に施与されていることを特徴とする請求項12記載の検査エレメント。
【請求項18】
表面の湿潤性を高めるために親水性のナノファイバーで被覆された表面を含むことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の検査エレメント。
【請求項19】
表面の湿潤性を下げるために疎水性のナノファイバーで被覆された表面を含むことを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の検査エレメント。
【請求項20】
被覆された表面が超疎水性の性質を有することを特徴とする請求項19記載の検査エレメント。
【請求項21】
(a)親水性のナノファイバーで覆われた少なくとも1つの領域と
(b)疎水性のナノファイバーで覆われた少なくとも1つの領域とを含む
請求項1〜20のいずれか1項に記載の検査エレメント。
【請求項22】
表面全体にわたる液体の均一な分布のために親水性と疎水性のナノファイバーの混合物で被覆された表面を含むことを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の検査エレメント。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか1項に記載の検査エレメントを使用することを特徴とする試料中の検体の定性的および/または定量的な測定の方法。
【請求項24】
検体の検出のための検査エレメントにおけるフィルタとしてのナノファイバーの使用。
【請求項25】
フィルタがナノファイバーをそれ自体として、および/または多孔質の支持体材料に施与されて含有していることを特徴とする請求項24記載の使用。

【公表番号】特表2008−523356(P2008−523356A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543802(P2007−543802)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013066
【国際公開番号】WO2006/061189
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】