説明

ナノ粒子スラリーの分散・凝集制御方法

【課題】ビーズミル(媒体分散機)と超音波照射を併用、または、組み合わせて、固体粒子をナノメートルサイズに分散、粉砕できるようにした実生産レベルで何ら障害が生じない分散・凝集制御方法を提供する。
【解決手段】ベッセル2内には、スラリーとビーズを攪拌するためのローター4がある。ローターの内側に形成したステーターのスペース内には超音波発生装置の超音波ホーン13が設けられている。ビーズの大きさは0.3から1.0 mmの範囲、充填量は嵩容量50から90%で、上記超音波は振動数15から30 kHz、振幅5から50μmであり、このビーズミルと超音波を照射する手法を併用または組み合わせる。第一ステップは、前記のビーズミルのローター周速を1から12m/sとし、第二ステップはローター周速を0.5 m/s以下とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中に混合されたナノメーターサイズの固体粒子を一次粒子近くまで分散できるようにする実生産レベルで対応可能なナノ粒子スラリーの分散・凝集制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
サブミクロンサイズの粒子では、ミリオーダーのボールを用いたボールミルあるいはビーズミルで、適応する分散剤を添加すれば、高度に液中分散させることができた。しかし、ナノサイズの粒子では適する分散剤を添加しても、前記の機械的・物理的分散手法では高度に分散させることができなかった。最近、ナノ粒子の液中凝集・分散制御する方法として、次の二種類が効果的であると、提案された(たとえば非特許文献1、2)。
a 適切な分散剤と溶媒の混合溶液に、ナノ粒子を添加し、数十μmのビーズを用いたビーズミルで、ビーズを攪拌するローターの周速を10m/sとし、ベッセルへのビーズ充填量65%(嵩容量)などの条件で、分散処理を行う。
b 適切な分散剤と溶媒の混合溶液に、ナノ粒子を添加し、振動数20kHz、振幅35μmの超音波を長時間、照射して分散処理を行う。
【0003】
上述の処理方法のうち、前記a に示した手法は、せん断力で凝集塊が破壊され、同時に適切な分散剤がナノ粒子に吸着して、分散状態が安定化される。ビーズ径を数十μmとすることで、均一にせん断力が凝集塊に付与できる。しかし、せん断力以外にビーズがナノ粒子に衝突し、長時間の処理により、ナノ粒子表面状態を破壊し、分散剤が脱離して、分散安定化が破壊され、結果的に凝集が進展する。従って、ビーズ径をできるだけ小さくし、周速を早めて短時間で目的とする分散状態を得ることが、この手法の必要条件となる。この手法には、次のような課題が残されている。
1、遠心分離と微小サイズのフィルターを兼ね備えることで、ナノ粒子と数十μmのビ ーズを分離しているが、その分離に信頼性が欠ける。
2、2から3体積%をこえる高粒子濃度のスラリーは、前記フィルターに目詰まりをき たすため、また、遠心力での分離が困難となるため、処理できない。
3、例えば針状などの異形状粒子を処理すると、形状変形をきたす。
【0004】
一方、前記bに示した手法は、超音波照射でキャビテーションの崩壊による衝撃波を発生させ、それによりナノ粒子が相互に衝突することにより、凝集状態が破壊され、同時に添加された適切な分散剤がナノ粒子に吸着して、分散・凝集状態が制御される。この手法で実用レベルの量を、高度に分散させるには、相当な長時間を要し、産業への実用化には適さない、という問題があった。また、超音波照射器を極めて多数取り付ければ、処理時間を短縮できると思われるが、機械的・物理的な手法で分散させる装置の価格を極めて高額化するため、実用的とは言えない。
【非特許文献1】エム.インキョ(M. Inkyo)、ティー.タハラ(T. Tahara)、ティー.イワキ(T. Iwaki)、エフ.イスカンダー(F.Iskandar)、シー. ジェー. ホーガン(C.-J. Hogan)、ケー.オクヤマ(K. Okuyama)、「イクスペリメンタル インヴェスティゲーション オブ ナノパーティクル ディスパージョン バイ ビーズ ミリング ウイズ セントリフーガル ビーズ セパレーション」(Experimental Investigation of NanoparticleDispersion by Beads Milling with Centrifugal Bead Separation)、ジャーナル オブ コロイド アンド インターフェース サイエンス(J. Colloid and Interface Sci.)、(アメリカ)、2006年304号P535−540
【非特許文献2】ケー.サトウ(K.Sato)、ジェー.ジー.リー(J.-G. Li)、ティー.イシガキ(T. Ishigaki)、エイチ.カミヤ( H. Kamiya)、「エフェクト オブ ウルトラソニケーション オン ディスパージョン アンド アグリゲイト サイズ オブ ティーアイオーツー ナノパーティクル イン コンセントレイテド アクエアウス サスペンジョン」(Effect of Ultrasonication on Dispersion andAggregate Size of TiO2 Nanoparticles in Concentrated AqueousSuspension)、セラミックス トランザクション(Ceramic Transaction)、(アメリカ)、2007年198号P361-367
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の解決課題は、通常ビーズを分離するフィルターとして広く用いられているスクリーンにより確実に分離可能な大きさのビーズを使用してナノ粒子スラリーを高度に分散できるようにし、高粒子濃度のスラリーでもフィルターに目詰まりを発生されることがなく、異形状粒子でも形状変化を生じさせず、超音波照射だけの場合に比べて短時間で高度に分散することができる実用化レベルのナノ粒子スラリーの分散・凝集制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、 従来から信頼性のある手法として知られている、スクリーン(隙間)による手法でビーズの分離が可能な、0.3から1.0 mmの範囲のビーズをベッセルに嵩容量で50から90%充填し、該ベッセル内に供給されたスラリーとビーズをローターで攪拌して分散するビーズミルと振動数15から30kHz、振幅5から50μmの超音波を照射する手法を併用または組み合わせて処理するナノ粒子スラリーの分散・凝集制御方法であって、これらのビーズミル及び超音波照射により二段階で分散・凝集を制御する方法が提供される。具体的には、第一ステップとして、ローター周速を1から4 m/sとして、5から20パス(ビーズミル通過回数)の条件の前記ビーズミルを単独、また、ローター周速を4から8 m/sとして、2から10パス(ビーズミル通過回数)、また、ローター周速を8から12 m/sとして、1から5パス(ビーズミル通過回数)、の条件の前記ビーズミルを単独、または前記の超音波照射を併用する。第二ステップとして、前記の超音波照射を単独、またはローター周速を0.5m/s以下とした前記のビーズミルを併用するナノ粒子スラリーの分散・凝集制御方法が提供される。第一ステップの前に、機械的な撹拌はねの回転などにより、前処理として、撹拌、分散処理をしてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ナノ粒子の液中分散・凝集制御を産業への実用化可能レベルで問題なく処理することができる。さらに、従来の手法では達成できていない、30体積%までの高粒子濃度の実用化レベルのスラリー量を、比較的短時間に、高純度を維持したまま分散・凝集制御を可能とすることができる。また、mmオーダーの大きさのビーズを使用するため、遠心分離方式等の特殊な分離手法を用いずに、通常のスクリーンを用いてビーズとスラリーを分離することができ、ビーズミルのビーズがスラリーに混入せず信頼性のある分離が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明では、前記したように0.3から1.0 mm、好ましくは0.3から0.5mmの範囲のビーズをベッセルに嵩容量で50から90%、好ましくは70から80%充填したビーズミルと振動数15から30kHz、好ましくは20から30kHz、振幅5から50μm、好ましくは20から50μmの超音波を照射する手法を併用または組み合わせて処理している。このようにビーズミルのビーズ径を限定した理由は、遠心分離などを利用した特殊な分離方式で分離するのではなく、従来から信頼性のある手法として知られたスクリーンにより分離可能なビーズ径である0.3mm以上を用いるようにし、また、均質にナノ粒子にせん断力を付与できるようビーズ径はより小さいことが望ましいので、1.0mm以下と規定した。1.0mmより大きいと、均質にせん断力を付与できないため、凝集塊をより小さく破壊することができない。好ましくは0.5mm以下が望ましい。
【0009】
また、照射する超音波を振動数15から30 kHz、振幅5から50μm限定した理由は、キャビテーションを大量に発生させ、その崩壊に起因する衝撃波によるナノ粒子どうしの衝突エネルギーを増す条件を選択したからである。好ましくは、振動数20から30 kHz、振幅20から50μmの範囲が望ましい。
【0010】
さらに、分散処理を二段階に分け、 第一ステップとして、前記のビーズミルのローター周速を1から4 m/sとして、5から20パス(ビーズミル通過回数)の条件の前記ビーズミルを単独、または、ローター周速を4から8 m/sとして、2から10パス(ビーズミル通過回数)、または、ローターの周速を8から12m/sとして1から5パス(ビーズミル通過回数)の条件の前記ビーズミルを単独、または前記の超音波照射を併用する。第二ステップとして、前記の超音波照射を単独、またはローター周速を0.5 m/s以下とした前記ビーズミルを併用する。このように第一ステップと第二ステップに分け、第二ステップのローター周速を第一ステップより遅くした。ビーズミルのローター周速とナノ粒子スラリーの処理回数を限定した理由は、ビーズミルは凝集粒子にせん断力を付加して凝集塊を破壊する。一方で、せん断力の他に、ビーズがナノ粒子に高速で衝突し該粒子に衝撃力が付加される。このために、長時間かけて処理すれば、凝集塊を破壊させるまでのせん断力を付与できるはずであるが、実際には、再凝集が起きる現象がみられる。ビーズ径が大きくなると、また、ローター周速が増すと、さらには、ナノ粒子スラリーのビーズミル通過回数が増すと、ビーズによりナノ粒子に付与される衝撃力により、ナノ粒子表面状態が破壊され、添加した分散剤が脱離して、立体障害斥力や静電斥力が作用しなくなってしまうからである。
【0011】
本発明は種々のビーズミル(湿式媒体分散機、メディアミル、ビーズ分散機等)に適用することができ、図1にはその一実施例が示されている。図において、ビーズミル1はベッセル2と、該ベッセル2内で駆動軸3により回転されるローター4を有し、該ベッセル2内にはビーズ供給口5から供給された所定量の粉砕媒体(ビーズ)が収納され、固体粒子と液体の混合物である処理材料(ミルベース、スラリー)がミルベース供給口6からベッセル2内に供給される。
【0012】
前記ローター4は筒状に形成され、表面は実質的に平滑面に形成してあるが、粉砕媒体に運動を与えるよう適宜形状の突起、例えば特公平4−70050号公報に示されているようなベッセル内で処理材料を前進させたり、後退させたりしてほぼ栓流状(プラグフロー状)に流動させることができるような案内メンバーを設けてもよい。なお、ローターには、内面から外面に粉砕媒体が循環運動するようローター開口7が適所に設けられている。
【0013】
前記ローター4の内面にはステーター8が形成され、該ステーター8の適宜位置には粉砕媒体を分離して処理材料のみを流出させるようスクリーン9等の媒体分離装置を有するステーター開口10が形成され、該ステーター開口10はミルベース吐出口11に通じている。
【0014】
図1に示す前記ビーズミルは、ステーター8の内方に形成されたスペース12内にホーン型超音波発振器13を有している。この構成により、先ず、スクリーン通過前のベッセル内でローター回転部における高速回転に供せられるビーズによるせん断力によって粒子の粉砕があり、その直後に、スラリーがスクリーンを通過し吐出口へ出る前の溜まりスペース12中にホーン型超音波発振器13が装着されているので、ナノ粒子同士の衝突がここで発生し、結果両作用をほぼ同時に受けることで、凝集したナノ粒子は一次粒子近くまで粉砕ならびに分散可能となる。
【0015】
なお、前記図1に示す装置の他、スラリーが流動する上記ベッセル内の一部にポケットを形成して該ポケットに超音波発振器を設けたり、ポケットを形成しないでベッセルの内面に露出するよう超音波発振器を設けたりその他適宜の位置に超音波発振器を設けることができる(図示略)。さらには、ビーズミル本体外にスラリー回収槽を設置し、スラリー回収槽に超音波発振器を設置した、ビーズミルと超音波発振器を組み合わせたシステムにも適用できる。ただし、図1に示すような、ビーズミル本体に超音波発振器を組み込んだシステムがより好ましい。
【0016】
粉砕媒体の材質としては、用途によって最適な材質が選択され、例えばエンジニアリングプラスチック、ガラス、セラミックス、スチールなどいずれでも構わない。磨耗や欠損が発生しやすい用途には、ジルコニア材質が好ましい。また、ナノ粒子を処理する際の、溶剤は水の他、各種アルコール、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、酢酸メチル、トルエン、へキサンなどの有機溶剤であっても構わない。
【実施例】
【0017】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例における形態に限定されるものではない。
本実施例および比較例で用いた装置はいずれも前記図1に示す装置を用いた。
【0018】
(実施例1から3)
酸化チタンナノ粒子で構成される一次粒子径35nmの日本アエロジル(株) P25粉末を15体積%、および高分子分散剤として分子量8000のポリアクリル酸アンモニウム塩をP25粉末の表面積あたり0.5mg/m2添加した水スラリーを500rpmの回転羽根を用いて20分間混合した。このスラリー4000mlを用いて、前記ビーズミルと前記超音波照射を併用して分散効果を調べた。第一ステップとして、0.5mmのジルコニアビーズをベッセルに嵩容量で80%充填したビーズミルと振幅40μm、振動数20kHzの超音波照射を併用して、90分間(ビーズミル通過回数:13.5パスに相当)分散処理した。スラリーの送り速度は10ml/sで、ビーズミルはローター周速1m/sと4m/sの2条件で行った。第二ステップとして、ビーズミルの周速1m/sについては、ビーズミル処理を停止させ、超音波照射のみで合計40時間まで分散処理(実施例1)する条件と、ビーズミルのローター周速を0.5m/sに落として、超音波照射を合計40時間まで併用して分散処理(実施例2)する条件の二種類を行った。さらに、ビーズミルのローター周速4m/sについてはビーズミルを停止させ、超音波照射のみで合計40時間まで分散処理(実施例3)した。X線沈降方式による粒度分析計を用いて、粒子濃度を1体積%に薄めて水中の凝集サイズを測定し、分散状態を評価した。その結果をまとめて表1に示した。
【0019】
(実施例4)
実施例1から3と同様にスラリーを、回転羽を用いて作成した。このスラリー4000mlを用いて、ビーズミルと超音波照射を併用して分散効果を調べた。第一ステップとして、0.5mmのジルコニアビーズをベッセルに嵩容量で80%充填したビーズミルと振幅40μm、振動数20kHzの超音波照射を併用して、35分間(ビーズミル通過回数:5.2パスに相当)分散処理した。スラリーの送り速度は10ml/sで、ビーズミルはローター周速8m/sで行った。第二ステップとして、ビーズミル処理を停止させ、超音波照射のみで合計40時間まで分散処理した。実施例1から3と同様な方法で、分散状態を評価し、その結果を表1に示した。
【0020】
(比較例1)
実施例1から3と同様にスラリーを、回転羽を用いて作成した。そのスラリーに振幅40μm、振動数20kHzの超音波を照射し、40時間まで実施した。分散状態の評価は実施例1から3と同様に行った。その結果をまとめて表1に示した。
【0021】
(比較例2から4)
実施例1から3と同様にスラリーを、回転羽を用いて作成した。第一ステップとして、0.5mmのジルコニアビーズをベッセルに嵩容量で80%充填したビーズミルと振幅40μm、振動数20kHzの超音波照射を併用して、90分間(13.5パスに相当)あるいは300分間(45パスに相当)、分散処理した。ローター周速4m/s(比較例2)については、300分間(45パスに相当)、ローター周速6m/s(比較例3)については、90分間(13.5パスに相当)、ローター周速10m/s(比較例4)については、55分間(8.2パスに相当)とした。第二ステップとして、ビーズミル処理を停止させ、超音波照射のみで合計40時間まで分散処理した。分散状態の評価は実施例1から3と同様に行った。その結果をまとめて表1に示した。
【0022】
(考察)
超音波照射のみの処理(比較例1)では、徐々に水中の粒子径は小さくなっているが、50nmまで到達するのに40時間も必要であり、産業上、実用化は困難であった。それに対し、第一ステップとして、ローター周速1あるいは4m/Sで90分間(13.5パスに相当)前記ビーズミルを前記超音波照射と併用(実施例1から3)し、第二ステップとして前記超音波照射のみ、あるいはローター周速0.5m/s条件の前記ビーズミル処理を前記超音波照射と併用することで、約20時間で50nmに達し、50nmへの到達時間が半減した。第二ステップでは、前記ビーズミルを停止してもよいし(実施例1と3)、ローター周速0.5m/sの低周速で撹拌(実施例2)しても構わない。ローター周速8 m/sで35分間(5.2パスに相当)、前記ビーズミル処理と前記超音波照射を併用した後、前記超音波照射を単独で40時間まで照射すると、約30時間で50nmまで高度に分散できるが(実施例4)、ローター周速6m/sで90分間(13.5パスに相当)前記ビーズミル処理と前記超音波照射を併用した後、前記超音波照射を単独で40時間まで照射しても40時間後で79nmのサイズしか得られず、高度な分散状態を得ることができなかった(比較例3)。ミリオーダーのビーズを用いたビーズミルでは、凝集粒子にせん断力を付加して凝集塊を破壊するが、ナノ粒子に高速で衝突し表面を損傷させる。ナノ粒子表面への損傷が発生しない条件で、ビーズミルを運転し、超音波照射と併用または組み合わせることで、その相乗効果により、短時間に一次粒子近くまで、ナノ粒子スラリーを分散可能である。このように、第一ステップとして、前記ローター周速を1から4m/sとして、5から20パス(ビーズミル通過回数)の条件の前記ビーズミルを単独、または前記の超音波照射を併用する。または、ローター周速を4から8m/sとして、3から10パス(ビーズミル通過回数)の条件の前記ビーズミルを単独、または前記の超音波照射を併用する。または、ローター周速を8から12m/sとして、1から5パス(ビーズミル通過回数)の条件の前記ビーズミルを単独、または前記の超音波照射を併用する。第二ステップとして、前記の超音波照射を単独、またはローター周速を0.5m/s以下とした前記のビーズミルを併用することで、生産レベルで実用上何ら支障なく、実用化レベルの分散・凝集制御を可能とすることができる。
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に用いたビーズミルの一実施例を示す断面図。
【符号の説明】
【0024】
1 ビーズミル
2 ベッセル
3 駆動軸
4 ローター
5 ビーズ供給口
6 ミルベース供給口
7 ローター開口
8 ステーター
9 スクリーン
10 ステーター開口
12 スペース
13 超音波発振器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.3から1.0mmの範囲のビーズをベッセルに嵩容量で50から90%充填しベッセル内に供給したスラリーと該ビーズをローターで攪拌して分散するビーズミルと振動数15から30kHz、振幅5から50μmの超音波を前記スラリーに照射する手法を併用または組み合わせて処理するナノ粒子スラリーの分散・凝集制御方法。
【請求項2】
前記請求項1に記載のビーズミル及び超音波照射を用い、第一ステップとして、ローター周速を1から12m/sの上記ビーズミルを単独、または、前記超音波照射を併用して処理し、第二ステップとして、前記超音波照射を単独、または、ローター周速を0.5m/s以下とした前記ビーズミルを併用するナノ粒子スラリーの分散・凝集制御方法。
【請求項3】
前記請求項1に記載のビーズミル及び超音波照射を用い、第一ステップとして、ローター周速を1から4m/sとして、5から20パス(ビーズミル通過回数)の条件の前記ビーズミル、または、ローター周速を4から8m/sとして、2から10パス(ビーズミル通過回数)、または、ローター周速を8から12m/sとして、1から5パス(ビーズミル通過回数)の条件の前記ビーズミル、を単独、または前記の超音波照射を併用して処理し、第二ステップとして、前記超音波照射を単独、またはローター周速を0.5m/s以下とした前記ビーズミルを併用するナノ粒子スラリーの分散・凝集制御方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2009−142779(P2009−142779A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324654(P2007−324654)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【出願人】(000139883)株式会社井上製作所 (24)
【Fターム(参考)】