説明

ナビゲーション装置とその組立構造

【課題】特殊な治具を用いずに、部品を仮保持することができるナビゲーション装置の技術を提供する。
【解決手段】主面を備える筐体100と、前記筐体100の前記主面上に積み重ねられ、前記主面を基準にねじ止めされる一つ又は複数の内部部材と、を備え、前記主面には、前記内部部材の少なくとも一つを吊り下げるための爪部123,124,143,144と、位置決め孔125T,145Tと、を備え、前記内部部材の少なくとも一つは、前記主面の爪部123,124,143,144に引っ掛けられて取り付け位置を特定される切り欠き132,133,152,153と、前記位置決め孔125T,145Tにはまり込む突起137,155と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置は、電子部品や機械部品を、骨格を形成する筐体にねじ等により固定して組みつけて構成される。特許文献1には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−079481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のようなナビゲーション装置では、製造の際に、部品ごとに特殊な治具を用いて組み付ける必要がある場合が多かった。すなわち、各部品を組み付ける際に、部品ごとにねじ止めを行うために、ねじ止め作業のために部品を仮保持する特殊な治具が必要になることが多く、作業工程が複雑であった。
【0005】
本発明の目的は、特殊な治具を用いずに、部品を仮保持することができるナビゲーション装置の技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係るナビゲーション装置は、主面を備える筐体と、前記筐体の前記主面上に積み重ねられ、前記主面を基準にねじ止めされる一つ又は複数の内部部材と、を備え、前記主面には、前記内部部材の少なくとも一つを吊り下げるための爪部と、位置決め孔と、を備え、前記内部部材の少なくとも一つは、前記主面の爪部に引っ掛けられて取り付け位置を特定される切り欠きと、前記位置決め孔にはまり込む突起と、を備える、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るナビゲーション装置の組立構造では、前記ナビゲーション装置は、主面を備える筐体と、一つ又は複数の内部部材と、を備え、前記主面には、爪部と、位置決め孔と、が備えられ、前記内部部材の少なくとも一つには、切り欠きと、突起と、が備えられ、前記内部部材は、前記筐体の前記主面上に積み重ねられ、前記主面に備えられた前記爪部に、前記切り欠きが引っ掛けられ、さらに、前記主面に備えられた位置決め孔に、前記突起がはまり込んで取り付け位置を特定され、前記主面を基準にねじ止めされる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、特殊な治具を用いずに、部品を仮保持することができるナビゲーション装置の技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、ナビゲーション装置の組立工程を示す図である。
【図2】図2は、ナビゲーション装置の組立工程を示す図である。
【図3】図3は、ナビゲーション装置の天面に部品を組み付ける状態を示す図である。
【図4】図4は、筐体の断面図である。
【図5】図5は、筐体の天面に部品を組み付けた状態の断面図である。
【図6】図6は、筐体の天面に部品を組み付ける組立工程を示す図である。
【図7】図7は、筐体の天面に部品を組み付ける組立工程を示す図である。
【図8】図8は、筐体の天面に部品を組み付ける組立工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用したナビゲーション装置について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1、図2に、ナビゲーション装置1の組立工程の概要の図を示す。なお、ナビゲーション装置1は、地図情報を表示して、ナビゲーション装置1の現在地を示す地点と、設定された目的地までの経路を誘導する情報と、を示すことが可能ないわゆるナビゲーション装置である。なお、以降の記載において、ナビゲーション装置1の通常の使用状態を基準として、底面方向をZ方向、裏面方向をY方向、左面方向をX方向とする3軸方向で図上の方向を表す。
【0012】
ナビゲーション装置1は、コの字型をした筐体の骨格となる金属筐体100と、金属筐体100の天面(図1(a)、(b)および図2(a)においては、図の下方向の面)に取り付けられる第一の内部ユニット200と、金属筐体100の両側面(図1(b)における図の右下方向の面および左上方向の面)に取り付けられる第二の内部ユニット300と、金属筐体100の底面(図2(a)においては、図の上方向の面)を構成する底面ユニット400と、を備えている。
【0013】
また、図2(b)に示すように、ナビゲーション装置1は、金属筐体100の天面、両側面の外側から、上記第一の内部ユニット200、第二の内部ユニット300、底面ユニット400がねじ止めされる。なお、本実施形態においては、金属筐体100の側面の片方の面(図2(b)の図右下側の面)には開口がある。
【0014】
なお、本実施形態においては、第一の内部ユニット200は、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)等の光磁気ディスクや、各種メモリーカード等の記憶媒体の入出力インターフェースを備えるユニットである。また、第二の内部ユニット300は、オーディオヴィジュアル機能を実現する処理系を備える電子基板であるオーディオ基板と、ナビゲーション機能を実現する処理系を備える電子基板であるナビ基板と、を含む各種基板が組み付けられた演算処理部ユニットである。また、底面ユニット400は、金属筐体100の底面を構成する板金を含み、金属筐体100の前面(図1(a)における左下方向の面)に取り付けられる図示しないディスプレイ部材をチルト動作させるためのアーム部材や、当該アーム部材をスライド移動させるための動力となるモーターやギヤ等を備えるユニットである。
【0015】
図1(a)に示すように、まず、第一の内部ユニット200は、金属筐体100の天面(図1(a)の下方向の面)に接点を持つように取り付けられて仮保持される。すなわち、第一の内部ユニット200は、ナビゲーション装置100の通常状態においては、金属筐体100の天面から吊り下げられるように仮保持されるといえる。そして、図1(b)に示すように、第一の内部ユニット200の上(図1(b)の上方向)から、第二の内部ユニットが、積み重ねられるように位置決めされ、金属筐体100の両側面(図1(b)の図の右下方向の面と、左上方向の面)に接点を持つように取り付けられて仮保持される。そして、さらに、第二の内部ユニット300の上(図2(a)の上方向)から、底面ユニット400が、積み重ねられるように位置決めされ、金属筐体100の両側面(図2(a)の図の右下方向の面と、左上方向の面)に接点を持つように取り付けられて仮保持される。
【0016】
図2(b)に示すように、金属筐体100に第一の内部ユニット200と、第二の内部ユニット300と、底面ユニット400と、が取り付けられて仮保持された状態において、各ユニットは金属筐体100の外部からねじ止めされ、固定される。なお、金属筐体100の天面(図2(b)における図の上方向の面)にねじ込まれる天面側ねじ群110Tは、金属筐体100の天面に設けられた孔を貫通して、天面の内側に仮保持された第一の内部ユニット200の所定のねじ孔にはまりこむ。これにより、第一の内部ユニット200は、金属筐体100へ固定され組み付けがなされる。また、金属筐体100の右側面(図2(b)における図の右下方向の面)にねじ込まれる右側面側ねじ群110Rは、金属筐体100の右側面に設けられた孔を貫通して、右側面の内側に仮保持された第二の内部ユニット300および底面ユニット400の所定のねじ孔にはまりこむ。同様に、左側面(図2(b)における図の左上方向の面)にねじ込まれる左側面側ねじ群110Lは、筐体100の左側面に設けられた孔を貫通して、左側面の内側に仮保持された第二の内部ユニット300および底面ユニット400の所定のねじ孔にはまりこむ。これにより、第二の内部ユニット300および底面ユニット400は、金属筐体100へ固定され組みつけがなされる。
【0017】
図3は、図1(a)に示す天面に部品を組み付ける工程における、金属筐体100と、第一の内部ユニット200と、の詳細な斜視図である。金属筐体100の天面の左側端の拡大図120に示すように、天面には、筐体内部に取り付けられる第一の内部ユニット200を取り付けるための天面左表側ねじ孔121および天面左裏側ねじ孔122が設けられている。また、それぞれのねじ孔の付近には、第一の内部ユニット200の位置を決め、仮保持するための表側引掛爪123および裏側引掛爪124が設けられている。そして、表側引掛爪123と、裏側引掛爪124との中間位置付近に、第一の内部ユニット200に設けられた左端側位置決め突起137がはまり込むための天面左位置決め孔125Tが設けられている。
【0018】
表側引掛爪123、裏側引掛爪124は、筐体内部方向へ突出する爪であり、それぞれの先端は、直角よりも鈍角となるように折り曲げられている。なお、表側引掛爪123、裏側引掛爪124の基部は、筐体内部方向へ直角に折れ曲げられている。当該先端部に、後述する第一の内部ユニット200の左側フランジ部131に設けられた左側フランジ表面側切り欠き部132または左側フランジ裏面側切り欠き部133が引掛けられることにより、第一の内部ユニット300は天面に対して位置決めされて、仮保持される。なお、当該先端部は鈍角であるが、当該先端部の折り曲げ位置の高さが、左側フランジ部131の厚さ相当となるように折り曲げられている。そのため、表側引掛爪123、裏側引掛爪124に左側フランジ表面側切り欠き部132および左側フランジ裏面側切り欠き部133が引掛けられると、表側引掛爪123、裏側引掛爪124の基部と先端との間に、左側フランジ部131が密着してはまり込む。そのため、第一の内部ユニット200は、上下方向についても位置決めされる。また、表側引掛爪123、裏側引掛爪124の基部と先端との間に、左側フランジ部131が密着してはまり込むことで、第一の内部ユニット200に設けられた左端側位置決め突起137が、天面左位置決め孔125Tにはまり込む。すると、左端側位置決め突起137は、左側フランジ部131の可塑性により天面左位置決め孔125Tに付勢され、押し付けられる。これにより、左端側位置決め突起137が、天面左位置決め孔125Tにはまり込んだまま固定されるため、より確実な位置決めがなされる。
【0019】
また、金属筐体100の天面の右側端の拡大図140に示すように、天面には、筐体内部に取り付けられる第一の内部ユニット200を取り付けるための天面右表側ねじ孔141および天面右裏側ねじ孔142が設けられている。また、それぞれのねじ孔の付近には、第一の内部ユニット200の位置を決め、仮保持するための表側引掛爪143および裏側引掛爪144が設けられている。そして、表側引掛爪143と、裏側引掛爪144との中間位置付近に、第一の内部ユニット200に設けられた右端側位置決め突起155がはまり込むための天面右位置決め孔145Tが設けられている。
【0020】
表側引掛爪143、裏側引掛爪144は、筐体内部方向へ突出する爪であり、それぞれの先端は、直角よりも鈍角となるように折り曲げられている。なお、表側引掛爪143、裏側引掛爪144の基部は、筐体内部方向へ直角に折れ曲げられている。当該先端部に、後述する第一の内部ユニット200の右側フランジ部151に設けられた右側フランジ表面側切り欠き部152または右側フランジ裏面側切り欠き部153が引掛けられることにより、第一の内部ユニット200は天面に対して位置決めされて、仮保持される。なお、当該先端部は鈍角であるが、当該先端部の折り曲げ位置の高さが、右側フランジ部151の厚さ相当となるように折り曲げられている。そのため、表側引掛爪143、裏側引掛爪144に右側フランジ表面側切り欠き部152および左側フランジ裏面側切り欠き部153が引掛けられると、表側引掛爪143、裏側引掛爪144の基部と先端との間に、右側フランジ部151が密着してはまり込む。そのため、第一の内部ユニット200は、上下方向についても位置決めされる。また、表側引掛爪143、裏側引掛爪144の基部と先端との間に、右側フランジ部151が密着してはまり込むことで、第一の内部ユニット200に設けられた右端側位置決め突起155が、天面右位置決め孔145Tにはまり込む。すると、右端側位置決め突起155は、右側フランジ部151の可塑性により天面右位置決め孔145Tに押し付けられる。これにより、右端側位置決め突起155が、天面右位置決め孔145Tにはまり込んだまま固定されるため、より確実な位置決めがなされる。
【0021】
第一の内部ユニット200の左側端の拡大図130に示すように、第一の内部ユニット200の左端には、第一の内部ユニット200の左側面から略垂直に突出する板状の左側フランジ部131が設けられている。左側フランジ部131には、金属筐体100に第一の内部ユニット200を取り付けるための左側フランジ表面側ねじ孔138および左側フランジ裏面側ねじ孔139が設けられている。また、それぞれのねじ孔の付近には、左側フランジ表面側切り欠き部132および左側フランジ裏面側切り欠き部133が設けられている。また、左側フランジ部131の左側フランジ表面側切り欠き部132と、左側フランジ裏面側切り欠き部133と、の間には、左側フランジ表面側切り欠き部132の付近に、左側フランジ部131の一部が板バネ形状に形成されている箇所があり、当該箇所の板バネ先端部には、左端側位置決め突起137が設けられている。左端側位置決め突起137は、先端がドーム状、すなわち半球状に膨らんだ円柱形状の突起である。
【0022】
左側フランジ表面側切り欠き部132および左側フランジ裏面側切り欠き部133は、第一の内部ユニット200の取り付け位置を決め、仮保持するために金属筐体100の天面の左端に設けられた表側引掛爪123および裏側引掛爪124に引っ掛かる切り欠きである。なお、左側フランジ表面側ねじ孔138と左側フランジ表面側切り欠き部132との間の距離、および左側フランジ裏面側ねじ孔139と左側フランジ裏面側切り欠き部133との間の距離は、短いほどよりよい。仮保持の基準となる位置と、固定の基準となる位置との間が短い方が、組みつけの精度が高くなるためである。
【0023】
第一の内部ユニット200の右側端の拡大図150に示すように、第一の内部ユニット200の右端には、第一の内部ユニット200の右側面から略垂直に突出する板状の右側フランジ部151が設けられている。右側フランジ部151には、金属筐体100に第一の内部ユニット200を取り付けるための右側フランジ表面側ねじ孔158および右側フランジ裏面側ねじ孔159が設けられている。また、それぞれのねじ孔の付近には、右側フランジ表面側切り欠き部152および右側フランジ裏面側切り欠き部153が設けられている。また、右側フランジ部151の右側フランジ表面側切り欠き部152と、右側フランジ裏面側切り欠き部153と、の間には、右側フランジ表面側切り欠き部152の付近に、右側フランジ部151の一部が板バネ形状に形成されている箇所があり、当該箇所の板バネ先端部には、右端側位置決め突起155が設けられている。右端側位置決め突起155は、先端がドーム状、すなわち半球状に膨らんだ円柱形状の突起である。
【0024】
右側フランジ表面側切り欠き部152および右側フランジ裏面側切り欠き部153は、第一の内部ユニット200の取り付け位置を決め、仮保持するために金属筐体100の天面の右端に設けられた表側引掛爪143および裏側引掛爪144に引っ掛かる切り欠きである。なお、右側フランジ表面側切り欠き部152には、金属筐体100へのY軸方向の取り付け位置の精度を高めるための突起部材152Sが設けられており、当該突起が表側引掛爪143へ接触するように仮保持することで、位置の精度を高いものとしている。また、右側フランジ表面側ねじ孔158と右側フランジ表面側切り欠き部152との間の距離、および右側フランジ裏面側ねじ孔159と右側フランジ裏面側切り欠き部153との間の距離は、短いほどよりよい。仮保持の基準となる位置と、固定の基準となる位置との間が短い方が、組みつけの精度が高くなるためである。
【0025】
図4は、金属筐体100の天面の上面(図4(a))およびそのA−A断面(図4(b))を示す図である。すなわち、図4(b)に示す断面図A−Aには、金属筐体100の天面に設けられ、内側に向って突出する表側引掛爪143および裏側引掛爪144を、右側面側からX方向に見た状態が表示されている。
【0026】
図5は、第一の内部ユニット200が金属筐体100に仮保持されている状態における、金属筐体100の天面の上面(図5(a))およびそのA−A断面(図5(b))を示す図である。すなわち、図5(b)に示す断面図A−Aには、金属筐体100の天面に設けられ、内側に向って突出する表側引掛爪143および裏側引掛爪144が、それぞれ、第一の内部ユニット200の右側フランジ表面側切り欠き部152および右側フランジ裏面側切り欠き部153に引っ掛かり、仮保持している状態が表示されている。
【0027】
なお、図5(b)において、裏側引掛爪144の付近を拡大した図が示されている。裏側引掛爪144は、基部144Aと、基部144から垂直に折り曲げられた腕部144Bと、腕部144Bから鈍角に折り曲げられた先端部144Cと、を含む。先端部144Cが、腕部144Bから鈍角に折り曲げられていることにより、第一の内部ユニット200の右側フランジ裏面側切り欠き部153が、取り付けられるべき位置に導かれるため、はまりこみ易くなっている。すなわち、先端部144Cは、ガイドの役割を担っているといえる。なお、表側引掛爪143についても、裏側引掛爪144と同様の形状を備え、天面左側の表側引掛爪123、裏側引掛爪124についても、同様の形状を備えているため、説明は省略する。
【0028】
図6〜図8は、第一の内部ユニット200が金属筐体100に取り付けられる手順をより細かく示す図である。図6に示すように、第一の内部ユニット200は、金属筐体100の天面に向って落とし込まれ、金属筐体100の天面右側にある表側引掛爪143および裏側引掛爪144と、天面左側にある表側引掛爪123および裏側引掛爪124が、第一の内部ユニット200の右側フランジ表面側切り欠き部152および右側フランジ裏面側切り欠き部153と、第一の内部ユニット200の左側フランジ表面側切り欠き部132および左側フランジ裏面側切り欠き部133にそれぞれ引っ掛かる方向に(図6において右上Y方向に)スライド移動されて取り付けられる。その際、天面右位置決め孔145Tには、第一の内部ユニット200の右側フランジ部151に設けられた右端側位置決め突起155がはまりこみ、天面左位置決め孔125Tには、第一の内部ユニット200の左側フランジ部131に設けられた左端側位置決め突起137がはまりこむことで、前後位置がより強固に特定され、より安定して仮保持される。
【0029】
図7は、このようにして第一の内部ユニット200が金属筐体100に仮保持されている状態を示す。この状態では、第一の内部ユニット200と金属筐体100は、やや弱いものの、ねじ止めをするために金属筐体100および第一の内部ユニット200との位置を保持するために特別な治具が不要となる程度に固定される。
【0030】
図8は、ねじ止めを行う工程の組立状態を示す斜視図である。なお、図8では、説明を簡略化するために、第二の内部ユニット300および底面ユニット400を省略して記載しているが、実際には、これらのユニットも仮保持された状態でねじ止めがなされてもよい。金属筐体100の天面の天面左表面側ねじ孔121と、天面左裏面側ねじ孔122と、天面右表面側ねじ孔141と、天面右裏面側ねじ孔142と、には、天面側ねじ群110Tがそれぞれ貫通し、第一の内部ユニット200の左側フランジ表面側ねじ孔138と、左側フランジ裏面側ねじ孔139と、右側フランジ表面側ねじ孔158と、右側フランジ裏面側ねじ孔159と、にそれぞれねじ込まれる。
【0031】
本実施形態においては、第一の内部ユニット200は、金属筐体100の天面と接触をもつように仮保持されるため、金属筐体100の側面の一部が開口している等、金属筐体100の側面に取り付けることが難しい場合であっても、安定して仮保持される。これは、金属筐体100の天面に複数の内部ユニットが取り付けられるために、側面と接点をもつことができないユニットが存在する場合等においても、特別な治具を用いずに正確に位置決めおよび仮保持を実現することができるため、非常に有用である。
【0032】
以上が、本願発明にかかる第一の実施形態である。上記実施形態によれば、ナビゲーション装置1は、特殊な治具を用いずに、部品を仮保持することができる。そのため、ナビゲーション装置の組立精度を高めつつ、組立にかかる作業量を減らすことができる。また、組立にミスがあった場合にも、ミスを修正して再度組み立てることが容易にできる。ねじ止めを最後に行うものであるから、それまでの仮保持の状態においては、ねじを取り外ししなくとも各内部ユニットの再組み付けが可能となるからである。
【0033】
また、上記実施形態によれば、右側フランジ表面側切り欠き部152および右側フランジ裏面側切り欠き部153と、天面の表側引掛爪143および裏面側引掛爪144がそれぞれ咬み合うことで、金属筐体100と第一の内部ユニット200との左右方向および上下方向の位置決めがなされる。そして、左側フランジ表面側切り欠き部132および左側フランジ裏面側切り欠き部133と、天面の表側引掛爪123および裏面側引掛爪124がそれぞれ咬み合うことで、金属筐体100と第一の内部ユニット200との水平回転方向および上下方向の位置決めがなされる。
【0034】
本発明は、上記の実施形態に制限されない。上記実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態においては、筐体100はコの字型をしており、天面、左右側面を備えるものであるが、これに限られず、例えば左右の側面と底面を備えるものであってもよいし、天面のみまたは底面のみを備えるものであってもよい。このようにすることで、様々な形状の骨格を備えるナビゲーション装置についても、仮保持を行ってねじ止め工程を下流工程に集約することができるようになる。
【0035】
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。なお、上記の実施形態では、本発明をナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明はナビゲーション装置に限らず、組立構造を備える装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1・・・ナビゲーション装置、100・・・筐体、110R・・・右側ねじ群、110L・・・左側ねじ群、110T・・・天面側ねじ群、120・・・天面左端部、121・・・天面左表面側ねじ孔、122・・・天面左裏面側ねじ孔、123・・・表側引掛爪、124・・・裏側引掛爪、125T・・・天面左位置決め孔、130・・・第一の内部ユニット左端部、131・・・左側フランジ部、132・・・左側フランジ表面側切り欠き部、133・・・左側フランジ裏面側切り欠き部、134・・・第一の内部ユニット左端側ねじ孔、137・・・左端側位置決め突起、138・・・左側フランジ表面側ねじ孔、139・・・左側フランジ裏面側ねじ孔、140・・・天面右端部、141・・・天面右表面側ねじ孔、142・・・天面右裏面側ねじ孔、143・・・表側引掛爪、144・・・裏面側引掛爪、144A・・・基部、144B・・・腕部、144C・・・先端部、145T・・・天面右位置決め孔、150・・・第一の内部ユニット右端部、151・・・右側フランジ部、152・・・右側フランジ表面側切り欠き部、152S・・・突起、153・・・右側フランジ裏面側切り欠き部、154・・・第一の内部ユニット右端側ねじ孔、155・・・右端側位置決め突起、158・・・右側フランジ表面側ねじ孔、159・・・右側フランジ裏面側ねじ孔、200・・・第一の内部ユニット、300・・・第二の内部ユニット、400・・・底面ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面を備える筐体と、
前記筐体の前記主面上に積み重ねられ、前記主面を基準にねじ止めされる一つ又は複数の内部部材と、を備え、
前記主面には、前記内部部材の少なくとも一つを吊り下げるための爪部と、位置決め孔と、を備え、
前記内部部材の少なくとも一つは、前記主面の爪部に引っ掛けられて取り付け位置を特定される切り欠きと、前記位置決め孔にはまり込む突起と、を備える、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記主面の爪部は、前記主面のうち、前記内部部材の外周に沿う位置に設けられている、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーション装置であって、
前記位置決め孔にはまり込む突起は、前記位置決め孔に向かって押し付けられるよう付勢される弾性部材に設けられている、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記切り欠きには、第二の突起が設けられ、前記第二の突起により前記爪部と接触する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記爪部は、基部と、基部から前記主面に垂直な角度で折り曲げられて形成される腕部と、前記腕部から鈍角に折り曲げられて形成される先端部と、を備え、
前記基部から、前記腕部と前記先端部との間の折り曲げ位置までは、前記内部部材の切り欠きの周囲の板厚と略同等の長さを備える、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記筐体と、前記切り欠きを備える前記内部部材の少なくとも一つとは、前記筐体の主面の外側からねじ止めされて固定される、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
ナビゲーション装置の組立構造であって、
前記ナビゲーション装置は、
主面を備える筐体と、
一つ又は複数の内部部材と、を備え、
前記主面には、爪部と、位置決め孔と、が備えられ、
前記内部部材の少なくとも一つには、切り欠きと、突起と、が備えられ、
前記内部部材は、前記筐体の前記主面上に積み重ねられ、前記主面に備えられた前記爪部に、前記切り欠きが引っ掛けられ、さらに、前記主面に備えられた位置決め孔に、前記突起がはまり込んで取り付け位置を特定されて、前記主面を基準にねじ止めされる、
ことを特徴とするナビゲーション装置の組立構造。
【請求項8】
請求項7に記載のナビゲーション装置の組立構造であって、
前記主面の爪部は、前記主面のうち、前記内部部材の外周に沿う位置に設けられている、
ことを特徴とするナビゲーション装置の組立構造。
【請求項9】
請求項7または8に記載のナビゲーション装置の組立構造であって、
前記位置決め孔にはまり込む突起は、前記位置決め孔に向かって押し付けられるよう付勢される弾性部材に設けられている、
ことを特徴とするナビゲーション装置の組立構造。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか一項に記載のナビゲーション装置の組立構造であって、
前記切り欠きには、第二の突起が設けられ、前記第二の突起により前記爪部と接触する、
ことを特徴とするナビゲーション装置の組立構造。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれか一項に記載のナビゲーション装置の組立構造であって、
前記爪部は、基部と、基部から前記主面に垂直な角度で折り曲げられて形成される腕部と、前記腕部から鈍角に折り曲げられて形成される先端部と、を備え、
前記基部から、前記腕部と前記先端部との間の折り曲げ位置までは、前記内部部材の切り欠きの周囲の板厚と略同等の長さを備える、
ことを特徴とするナビゲーション装置の組立構造。
【請求項12】
請求項7〜11のいずれか一項に記載のナビゲーション装置の組立構造であって、
前記筐体と、前記切り欠きを備える前記内部部材の少なくとも一つとは、前記筐体の主面の外側からねじ止めされて固定される、
ことを特徴とするナビゲーション装置の組立構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−51418(P2012−51418A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193778(P2010−193778)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】