説明

ナローバンド除氷および脱氷システムならびに方法

表面からの除氷または脱氷のためのナローバンド照射の使用法が提供される。この手法は、ウインドシールドの除氷、航空機翼の除氷、製氷機の氷トレイから氷を取り出すための除氷などのさまざまな類型の除氷に適用できる。多くの異なった特定の応用があるが、教示されたこのコンセプトと手法は、それらの全てを通して同様のままである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年9月18日出願の米国仮出願61/243669に基づき且つ優先権を主張するものであって、当該仮出願の全体の論及が本明細書中に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、表面からの氷を剥がすまたは除氷するためのナローバンド照射の特定の使用法に関する。この手法は、ウインドシールドの除氷、航空機翼の除氷、製氷機の氷トレイから氷を剥がすための除氷などのさまざまな類型の除氷に適用できる。多くの異なった特定の応用があるが、教示したこのコンセプトと手法は、それらの全てを通して同様のままである。
【0003】
歴史的に、さまざまな手法が氷の問題や氷の制御に対処するために用いられてきた。結氷は、状況により目的のあるもの又は問題があるものになりうる。しかし、制御された状態で氷を取り扱うという要望は、特許データベースと同様に日常生活において文書としてよく記録されている。種々の氷処理技術の歴史的な手法の全てを詳しく述べることは、ここでの教示の範囲を超えるが、それらのいくつかの記述は、本発明の利点に対する正しい評価に貢献しうる。
【0004】
従来の氷処理法の大部分は、伝統的方法から発展し、効率的に最適化されていない一般的基本機能を有する。
【0005】
例えば、自動車のウインドシールドの除氷は、比較的に遅く非効率的である。それは、エンジンクランク室の熱から始まる多くの非効率な変換の結果である温風の対流によるものである。その熱は、有用温度までの昇温が遅い再循環冷却剤から伝導的に取り出される。そして、暖かい又は熱い冷却剤がフィンを備えるヒーターコアを通って循環される。フィンを通過した空気がウインドシールド内表面にファンで強制的に吹きつけられる。周囲の外気温によっては、この方法を用いた除氷に3〜10分かかることも少なくない。氷を溶かすには、ウインドシールドを氷結点より高い温度にまで加熱しなければならない。ウインドシールドの内表面に吹きつけられる対流空気は、その熱をウインドシールドのガラスや他の材料へ非効率に伝達する。いったんウインドシールドが内表面から暖まり始めると、熱エネルギーを厚いウインドシールド材料を通して外表面に伝導しなければならない。近年のウインドシールドは一般的に多くの層で形成されているので、それらの層で前記のプロセス自体が行われる必要がある。車の内側と外側でウインドシールドが暖まるにつれて、ウインドシールドの周りの大気へ大量の熱エネルギーを捨てている。最後に、ウインドシールドの外側表面の温度が水の凝固点である華氏32度(0℃)より高い温度に上昇すると、ウインドシールドの外側に着いた氷が溶け始める。厚い氷は若干断熱材として働くが、周囲の外気温がウインドシールドの暖かさによって溶かされた氷を絶えず再凍結させようとする。要約すると、安全な視界のためウインドシールドをきれいにするために氷を溶かすプロセスは、非常に遅く、間接的で且つ非効率なプロセスである。また、それは、ウインドシールドのある領域が他の領域より速く暖まるので、不均一なプロセスになる傾向がある。特に、温度がしばしば氷点を下回る悪条件においては、デフロスターの送風による対流加熱が本来的に不均一であるので、様々な領域が再凍結してしまう傾向がある。
【0006】
また、従来の自動車用の対流式送風デフロスターは、うるさく騒がしい場合がある。また、暖機運転中は、冷たい風が乗客に当たるので体感温度を下げ居心地を悪くする場合がある。
【0007】
車のリアウインドは、ウインドシールドに埋め込まれている電熱線で、しばしば霜取りや除氷がなされる。この加熱手法は、埋め込まれている電熱線から熱が伝導し、ウインドシールドガラスを加熱するので、いくらか直接的である。これは、最終的に、ガラスの外表面で氷の溶ける温度を超えるのに十分な熱を生じさせる。暖められたウインドシールドは、窓の外側の着氷を伝導的に加熱する。十分なジュールエネルギーを氷が吸収して遷移温度に達したとき、氷は液体の水に変化し始める。氷を溶かし除去するためにガラスを暖めるのはより直接的な方法ではあるが、それでもなお、最終的に氷を溶かす温度にまでガラスを暖めることが必要である。
【0008】
いくつかの自動車メーカーは、埋込み電熱線をフロントウインドシールドに組み込むことを試みている。電線はドライバーの視界を邪魔し煩わしいので、これは消費者にあまり受け入れられていないようである。
【0009】
用いられてきた他の除氷手法は、機械的に氷を砕き、割りまたは剥がす手法に関する。例えば、航空機翼の除氷工程に用いられる。ノーバート ウエイゼンド ジュニアらは、米国特許5112011において、エアブラダーシステムが航空機翼の前縁として一体化されてなる航空機翼用除氷技術を記述している。ブラダーから成るチューブの中に流体を圧力で押し込むとブラダーの外形が変わる。形状変化によって多くの場所で薄い氷のシートが割れ、そして割れた氷が高速で動く空気によって翼表面から一掃される。他の類似のシステムが存在する。しかし、この技術には、保守を要する多くの可動部と潜在的な故障モードがある。また、このシステムは、航空機が空中に運ばなければならない重量のかなりの追加になる。また、おそらくより重要であるが、厳しい氷結条件におけるそのような除氷システムの実行可能性について近年疑問が持たれている。
【0010】
氷を制御する別の一般的な方法は、化学的にそれを処理するものである。そのようなシステムは、直接的に氷を溶かそうとするか、または結氷を防ぐために凍結温度を下げるか、のいずれかである。化学系システムは、多くの用途でうまく機能しない。例えば、実際には、飛行中の翼の除氷は、そのようなシステムでは達成されない。また、ある場合には、化学的融解システムは、地下水汚染問題および/または石油依存度の増加を引き起こす。
【0011】
ウィリアム ナナリーは米国特許5823474にレーザーを用いる航空機除氷システムを記載している。このシステムは航空機の外表面を走査できるように構成されている非常に強力なレーザー・システムであり、氷結する可能性のある表面にレーザーエネルギーを鏡によって向けることができるようになっている。航空機が飛行の態勢になる前に、航空機の翼および他の表面から氷の100%を完全に溶かさなければならないが、このシステムはそれらへの長波エネルギーの外部投射を用いるので、非常に非効率である。更に、氷がすぐに再氷結し始めないように、航空機の表面へ十分な熱を与えなければならない。
【0012】
また、ナナリー氏は、米国特許6206325において、類似するシステムの内蔵バージョンを記載している。このシステムは、航空機自身に取り付けられるが、それは除氷する全表面にわたって常に走査しなければならず、また、満足できる結果を得るために氷の100%を溶かさなければならない。それには、非常に強力で太いレーザーとビームの誘導装置を航空機に搭載しなければならないので、重量の点で不利であり、積載量の問題と安全性の問題が生じる。更に、より重要なことに、酷い雨や吹雪は、レーザーが目標に到達する前にレーザービームを阻害および散乱して、レーザーが重篤な表面を走査するのを妨げる。このため、最も必要とされるときに、この除氷システムは役に立たないだろう。
【0013】
上記システムの全てに共通することは、それらのいずれも、氷を支えている表面との界面で、熱エネルギーを氷へ直接的に注入しないことである。これが非能率の主な原因であり、除氷または脱氷システムの機能性を直接的に減じている。
【発明の概要】
【0014】
本発明の重要な目的は、基材表面からの除氷または脱氷するための、直接的且つ効率的な方法を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、結氷に関わる元素または化合物または氷自体の吸収ピークを利用して氷を溶かすことができるナローバンド照射システム及び方法を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、基材表面との界面にある氷に直接的に照射して、それを水に変え、残余の厚い氷を容易に剥がすことができる、効率的な除氷または脱氷システムおよび方法を提供することである。
【0017】
本実施形態の一つの態様では、システムが、(a)使用される波長の照射をほぼ透光可能でかつ表面に氷が着いた基質材料と、(b)照射によって衝撃を受ける最初の氷が基材の表面に最も近い界面部分となるように、基質材料に隣接し且つ照射をもたらすように選択的に動かして、基材のいずれかの部分を少なくとも通り抜けるように照射を放出する働きをし、それによって基材の表面に最も近い位置にある氷を少なくとも融解させる照射発生装置とを有する。
【0018】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド照射発生装置が半導体装置である。
【0019】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド照射装置がLED、TET、およびレーザーダイオードのうちの少なくとも1つである。
【0020】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド半導体照射装置が平面実装基板上のアレイに取り付けられている。
【0021】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド照射が、氷の吸光度スペクトルにおける吸収ピーク波長に集中している。
【0022】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド照射エネルギーの大部分が400nmの範囲内に含まれる。
【0023】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド照射エネルギーの大部分が50nmの範囲内に含まれる。
【0024】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド照射装置がレーザーダイオードであり、照射帯域半値全幅が20nm未満である。
【0025】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド照射装置がレーザーダイオードであり、照射帯域半値全幅が8nm未満である。
【0026】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド照射装置がSE−DFBレーザーダイオードを含んで成り、照射帯域半値全幅が2nm未満である。
【0027】
本実施形態のもう一つの態様では、平面実装基板が、その上に取り付けられた照射装置から除熱するように設計されている。
【0028】
本実施形態のもう一つの態様では、平面実装基板が、除熱を補助する流体を用いる冷却装置の要素である。
【0029】
本実施形態のもう一つの態様では、流体が、冷却機能を照射装置に与えるための冷却液、圧縮ガス冷却剤、気化冷却剤、およびガスや空気冷却剤の少なくとも1つである。
【0030】
本実施形態のもう一つの態様では、冷却装置が、冷却機能を照射装置に与えるために、高い高度環境からの冷気を利用するように設計されている。
【0031】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド照射発生装置がデジタル半導体装置である。
【0032】
本実施形態のもう一つの態様では、基質材料がライトパイプとして作用する。
【0033】
本実施形態のもう一つの態様では、その方法が、(a)除氷対象の氷が表面に着いた基材を供給し、(b)氷が着いた基材を照射が通り抜けるようにナローバンド照射発生装置を照射前にセットし、次いで、(c)ナローバンド照射エネルギーを、基材のいずれかの部分を少なくとも通り抜けて、氷の界面層に照射することを含む。
【0034】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド放射エネルギーが赤外波長域にある。
【0035】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド放射エネルギーが、氷材料の吸光度スペクトルにおける局所的吸収ピーク波長に適用される。
【0036】
本実施形態のもう一つの態様では、用いられるナローバンド放射エネルギーが、400nmの帯域幅以内に主に含まれる。
【0037】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド放射エネルギーが、20nmの全帯域幅以内で主に発生される。
【0038】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド放射エネルギーが、半導体装置のアレイによって発生される。
【0039】
本実施形態のもう一つの態様では、半導体装置が、発光ダイオード、発光トランジスタ、またはレーザーダイオードを少なくとも含んで成る。
【0040】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド放射エネルギーが、面発光レーザーダイオード装置によって発生される。
【0041】
本実施形態のもう一つの態様では、用いるナローバンド放射エネルギーが、おおよそ、1456nm、1950nmまたは2400nmのうちの1つである。
【0042】
本実施形態のもう一つの態様では、照射が、パルスを含む。
【0043】
本実施形態のもう一つの態様では、照射が、液化、熱衝撃または亀裂を氷に生じさせる。
【0044】
本実施形態のもう一つの態様では、その方法が、(a)少なくとも部分的な除氷の対象となる氷が着いた外表面を有する基材品であって、照射波長において高い透光性を有し且つ全反射可能な材料で構成される基材品を用意し、(b)照射波長でのナローバンド照射が効率的にの基材品に注入されるようにナローバンド照射源を基質材料の少なくとも一端に近接して合わせ、(c)基材の屈折率をより緊密に適合させて内部反射によって基材品から光子だけを漏れ出させ氷に光子が漏れ入るように、ナローバンド照射源を活性化させて、氷の界面を照射することを含む。
【0045】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド照射が、赤外波長域中にある。
【0046】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド照射が、氷材料の吸光度スペクトルにおける局所的吸収ピーク波長に適用される。
【0047】
本実施形態のもう一つの態様では、用いられるナローバンド照射が、400nmの帯域幅以内に主に含まれる。
【0048】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド照射が、20nmの全帯域幅以内で主に発生される。
【0049】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド照射が、半導体装置のアレイによって発生される。
【0050】
本実施形態のもう一つの態様では、半導体装置が、発光ダイオード、発光トランジスタ、またはレーザーダイオードを少なくとも含んで成る。
【0051】
本実施形態のもう一つの態様では、ナローバンド照射が、面発光レーザーダイオード装置によって発生される。
【0052】
本実施形態のもう一つの態様では、用いるナローバンド照射エネルギーが、おおよそ、1456nm、1950nmまたは2400nmのうちの1つである。
【0053】
本実施形態のもう一つの態様では、活性化が、脈動化を含む。
【0054】
本実施形態のもう一つの態様では、活性化が、液化、熱衝撃または亀裂を氷に生じさせる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】水および氷の吸光曲線を示すグラフである。
【0056】
【図2】本実施形態の種々の形でナローバンド照射装置を実装したアレイの一例を示す図である。
【0057】
【図3】本実施形態を実装した製氷システムを示す断面図である。
【0058】
【図4】本実施形態を実装した航空機翼を示す断面図である。
【0059】
【図5】本実施形態を実装した代表的な表面(例えば、自動車のウインドシールド)を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
本発明は、デジタル熱注入技術(DHI)を組み込んでいる、除氷および脱氷システム並びに方法を提供する。この原理は、米国特許7425296、米国出願11/351030(米国特許7425796の継続出願として2006年2月9日に出願)、米国出願11/448630号(2006年6月7日出願)、米国出願12/135739(2008年6月9日出願)、米国仮出願61/224822(2009年7月10日出願)(現在、2010年7月12日出願の米国出願12/834742に対応する)、米国仮出願61/224765(2009年7月10日出願)(現在、2010年3月5日出願の米国出願12/718919に対応する)、米国仮出願61/231944(2009年8月6日出願)(現在、2010年8月6日出願の米国出願12/852311に対応する)、および米国仮出願61/157799(2009年3月5日出願)(現在、2010年3月5日出願の米国出願12/718899に対応する)を含む一連の特許および/または特許出願に詳述されており、これらの全体の論及が本明細書に組み込まれる。少なくとも1つの形態において、意図したシステム及び方法は、デジタル、ナローバンド、半導体を基礎とした、支持構造に直接に接する氷の一部に照射エネルギーを直接に注入する氷処理の技術である。
【0061】
ここで記載した実施形態によれば、このシステムは、1つの形態では、1個以上の半導体、慎重に選ばれた波長を出力するナローバンド照射装置を有して成る照射源を有する。出力波長は、氷および/または水(または他の凍結物質)の吸収ピークと、表面に氷が着いた基材の高透光性波長の両方に対応または適合するように選ばれる。ナローバンド出力放射が容易に氷の表面で吸収されるように、アレイを基本的な位置に置いて(例えば、装置を基材に適した位置と構成で隣接させる。)、アレイを選択的に活性化させて、透光性支持基材を通して照射することができる。したがって、界面の氷(例えば、基材表面に最も近い位置の氷の一部)は、1つの形態において、照射の衝撃を最初に受ける氷の部分であり、かつその氷が融解して滑りやすい液体の水になる。融解によって、ホスト基材と氷の間に水の薄層ができ、ホスト基質材料から氷を容易に分離することができる。界面の水液体は、記載した多くの様式および他のもののうちの1つのように、滑剤として作用し、そして表面から氷を容易に取り去ることができる。そして、重力、風、ワイパー、遠心力、および他の多くの手段を、ホスト基材表面にすでに凍り付いた氷に作用させることができる。また、基材表面に、界面などで氷が溶けて水になるときに滑剤機能を高める材料またはコーテングを加えたり塗ったりすることができる。航空機翼の場合、地上での通常の除氷作業などにおいて、そのようなコーテングを加えることができる。
【0062】
図1は、水(102)と氷(104)の分光光度吸光特性を図解したグラフ100である。例えば、約1450nm(例えば1456nm)、約1950nm、および約2400nmにおける水(102)の吸収ピークに着目する。氷(104)の吸収ピークの少なくともいくつかは、例えば、約1506nm、約2095nm、および約2663nmである。この情報によれば、氷および/または水のピーク及び他のピークにおいて、高い透光性を有するさまざまな基材を選ぶことができる。例えば、ガラス、大部分の樹脂、および多くの選択可能な材料は、氷および/または水のいくつかの吸収ピークにおいて高い透光性である。可視波長域で半透明なだけの材料や全体として不透明と思われる材料であっても、しばしば、上で示した氷および/または水の吸収ピークのひとつまたは全てにおいて高い透光性である。したがって、ナローバンド照射装置と氷制御が望まれる場所との間に置いて用いることができる透光性材料が多数あるので、当業者は柔軟な材料設計ができる。
【0063】
少なくとも1つの形態において、氷および/または水の所望の吸光特性と、氷や水を支持する材料の透光特性と、に適合する所望の照射波長を発生させて本発明を実施するために、多種のナローバンド照射装置を用いることができる。少なくともいくつかの形態では、望ましい波長域は、赤外波長域である。例えば、ナローバンド照射装置では、上で示したように、約1456nm、約1950nm、または約2400nm(例えば、±40nm)の波長を用いることができる。本実施形態による手法で用いることができるこれらの装置の少なくともいくつかは、上述のDHI技術に関する先行特許および先行特許出願に記載されている。
【0064】
図2を参照すると、これらの装置は、支持基材または平面実装基板上のアレイ20に備え付けられ、さまざまに配置することができる。図に示すように、ナローバンド照射装置21は、オフセットアレイパターンで配置される。当然、他の適した配置を用いることもできる。これに関して、半導体照射装置(例えば、デジタル半導体装置など)のアレイは、波長、アレイ形状、装置形状、および照射パターンの少なくとも1つが用途にきっちり適合するように構成できる。加えて、満足できる解氷効果を得つつ、吸光/透光とのバランスを取り、ナローバンド照射装置の多波長が特定効果を得られるように、装置を選択し、配置できる。少なくともいくつかの実施形態では、本実施形態に係る照射装置を制御するための制御機器を取り付けることができる。制御機器は、アレイを活性化および不活性化することが単にできるだけのものであってもよいし、より精密な制御(例えば、パルス、オーバーパルス、フィードバック、装置やアレイの選択的活性化、波長出力を含む装置やアレイの出力変更などの制御)が望まれるものであってもよい。制御機器は、ここで記載した実施形態に係るシステム中の様々の適した位置に置かれ、または該システムと繋がって、様々なソフトウェアルーチンおよび/またはハードウエア構成を用いて、様々な形状にして実装できる。例えば、制御機器は、ここに記載したシステム専用とすることも、より大きなシステム制御方式(例えば、自動車中、インテリジェント器具中、または航空機上の)の一部分とすることもできる。更に、解氷時の氷の温度を測定する閉ループシステムを用いることもできる。解氷時に温度が上がり、それに応じて、閉ループ制御系で照射波長を変えることができる。平面実装基板は、その上に取り付けられた照射装置から除熱するためのシステムと共に用いることが出来る。1つの例は、熱除去のために流体を用いる冷却装置である。図に示されているように、運転中の基材と照射装置の適切な冷却を考慮した、冷却液流入部61と冷却液流出部62が設けられる。冷却剤は、冷却液、圧縮ガス冷却剤、気化冷却剤、またはガスまたは空気冷却剤などの様々な形態を取ることができる。また、高い高度環境からの冷気は、冷却剤のあるなしにかかわらず冷却機能を提供できる。しかし、冷気は、気化冷却剤などの冷却剤の効果を高めることができる。
【0065】
照射装置は、選択した透光性材料の吸収ピークの間隙に合わせたまたは該ピークを回避した帯域幅の中で十分に狭い出力をすることが好ましい。帯域幅は、用途、材料、装置、および設計目的などの多くの因子に基づいて変わる。少なくとも1つの形態では、ナローバンド照射は、例えば氷の吸光度スペクトル中の吸収ピーク波長(例えば、局所的吸収ピーク波長)におおよそ集中される。好ましい帯域幅の例は、ある用途では約5nmである。別の形態では、ナローバンド照射エネルギーの大部分は、400nmの範囲内に含まれる。別の形態では、ナローバンド照射エネルギーの大部分は、50nmの範囲内に含まれる。別の形態では、ナローバンド装置には、例えばレーザーダイオードが含まれ、照射帯域半値全幅は、例えば20nm未満である。別の形態では、ナローバンド装置には、例えばレーザーダイオードが含まれ、照射帯域半値全幅は、例えば8nm未満である。更に別の形態では、ナローバンド照射装置は、例えばSE−DFBレーザーダイオードを含んでなり、照射帯域半値全幅は、例えば2nm未満である。
【0066】
確実に、LED、レーザーダイオード、固体レーザー、発光トランジスタ(LET)、ガスレーザー、SE−DFB(面発光分布帰還型)装置を含む面発光レーザーダイオード、および他のナローバンド照射源(それのいくつかはここで参照される)は、本発明に用いられる照射装置とすることが可能である。上に示した半導体および固体系製品は、一般に実装し易く小型であるが、用途に十分に合うならどのような種類のナローバンド装置も用いることができる。このコンセプトは、様々な化合物や元素の解氷にも同様に応用できる。
【0067】
照射エネルギーが透光性材料を通り抜け、氷および/または水の表面で直接的に吸収されるという事実は、本発明における効率性の基盤である。したがって、表面に氷が着いた基材の加熱によってエネルギーが余分に浪費されない。むしろ、熱や放射は界面にある氷の溶解に真直ぐ向かい、氷を水に変える。
【0068】
一般に、そして1つの形態では、本実施形態に係る方法は、除氷対象の氷が表面に着いた基材を供給(または選択若しくは決定)し、表面に氷が着いた基材を照射が通り抜けるようにナローバンド照射発生装置を照射前にセットし、次いでナローバンド照射エネルギーを基材のいずれかの部分を少なくとも通り抜けて氷の界面層に照射する、ことを含む。
【0069】
ここで、図3を参照すると、製氷システム110は、透光性材料で作られた氷トレイ16の形状をなしている基質材料およびナローバンド照射アレイ20を含む。また、本実施形態に係るアレイ20を制御するための制御機器(図示せず)を実装できる。氷トレイ16は、水平面17まで凍結水50で満たされていることが認められる。また、氷50とトレイ16の間の界面51が示されている。照射パターン30を発生させることによって界面51で氷が溶けて水になることが解る。照射パターン30はアレイ20によって発生させる。上記のような1つの形態では、図に示されるように、アレイ20は、ナローバンド照射装置21および冷却流体流入部61を含む。
【0070】
運転中、本実施形態に係る方法の例では、アレイ20は、照射パターン30で氷トレイ16に向かって選択的ナローバンド波長の照射を放出する。照射は、トレイ16の透光性材料を通り抜けて自由に伝達され、界面51において氷50に吸収されて氷が溶ける。したがって、氷50を多くのいずれの周知法よりも比較的容易にトレイ16から引き離すことができる。
【0071】
ここで、図4を参照すると、航空機翼10の形状をなしている基質材料の断面が図解されている。翼10は、揚力面14、前縁材11で構成された前縁12、および対流冷却面41を含む。本実施形態に関係ない他の部分は、標準的または従来の航空機翼のそれらなので、参照しやすい様に記載していない。
【0072】
本実施形態が実施されることによって翼10の前縁12上に形成される氷50に対処できることが解る。ここで記載した実施形態によると、アレイ20は、照射パターン30における照射31を発生させるために(例えば示されていない制御機器で)活性化される。照射31は、アレイ20から外側に一般的な方向32だけでなく発散角33にも進む。それで、照射31は、一般に、前縁材11からなる前縁12に向かって進む。前縁材11は、少なくとも1つの形態では、照射31用に選択された波長に高い透光性である。照射31は、示されるように、透光性前縁12を通って氷50に向かって進み、界面51で氷が解けて、界面51で水52になる。ここでは、氷50は、翼10の前縁12から単に滑り落ちる。また、アレイ20に適切に冷却する働きをする冷却ブロック40が示されている。
【0073】
いくつかの用途において、この技術の、若干更に複雑で洗練された実施が想定される。用途による様々な理由により、ホスト基材をライトパイプとして扱うのが望ましいこともある。これは、基材の少なくともひとつの側面が、他のひとつまたは両方の側面の大きさに比べて無視できるほどに小さい場合に、特に望ましい。例えば、長さと幅の寸法に比べて相対的に厚みの小さい自動車のウインドシールドである。この場合、図3と4に関連して用いられたやり方を実施することができ、これによって、大きいアレイをウインドシールド全体に亘ってセットして、これまで記載したように、ウインドシールドの表面にある氷を溶かすことができる。しかしながら、基材がライトパイプであるかのようにこの技術を実施することによって、寸法が小さい面の1つで基材とナローバンド照射装置とを直接に結合することが可能である。
【0074】
また、図5を参照し、ウインドシールドの形状を成した基質材料の例を用いて説明する。ナローバンド照射装置アレイ20は、小さい側面(例えば、ウインドシールド80の側面81(例えば、厚さ面))と連結できる。電源を接続部91、92および93で接続し、アレイ20用の出力70を発生させることができる。また、上述の様に、アレイを制御するための制御機器(図示せず)を備えていてもよい。ウインドシールドを構成するガラス80とウインドシールドの両面に接する空気との屈折率差が大きいので、ウインドシールド中に生じる反射は、光線71に示されるように、その中に含んだエネルギーを保つ。氷や水のような別の物質50がウインドシールド80の表面にあるときは、ガラスと水や氷との屈折率が相互に非常に接近して屈折率差が小さくなる。光線72に示されるように、エネルギーを氷の中に入れることができる。この技術では、ウインドシールド80が氷と接触することによってエネルギーがウインドシールド80を抜け出るような、選択フィルタとして機能する。照射が氷に入っていくと、その波長において高い吸光性を有する氷にすぐに吸収される。そして、氷と表面との界面で氷が溶けて水になる。
【0075】
これは、数少なく配置された小点源から基材にエネルギーを導入するので、ウインドシールド等の全表面に亘って広げた大きなアレイを介するよりも非常に効率的な方法であると考えられる。したがって、氷を加熱する機構は類似しているが、それは基材を工学的ライトパイプに変更するという巧妙な一工夫が加えられている。
【0076】
この内部反射技術は、航空機翼の前縁に本発明を展開するための効率的技術になり得ると見込まれる。また、この技術は、角氷製造システムにおける脱氷に用いうることが、想像される。全内部反射のための角氷トレイの配置設計によって、角氷を完全に囲む界面の氷の迅速な融解を同時に行うことができる。すばやくオン/オフを行うことによって熱エネルギーが過度に加わって氷の凍っている部分を暖めないようにすることができる。
【0077】
ナローバンド装置または光ファイバのいずれからも基質材料に直接に照射を繋ぐことができる。また、他の様式のエネルギー操作技術やエネルギー誘導技術を用いて基質材料にエネルギーを繋ぐことができる。これも、当然に、それほど精巧にしなくても最初に記載した技術で可能であろう。
【0078】
通常、そして1つの形態では、本実施形態に係るライトパイプ法を実施する方法は、少なくとも部分的な除氷の対象となる氷が着いた外表面を有する基材品であって、照射波長において高い透光性を有し且つ全反射可能な材料で構成される基材品を用意(または選択または決定)し、照射波長でのナローバンド照射が効率的に基材品に注入されるようにナローバンド照射源を基質材料の少なくとも一端に(例えば、発生源または装置の構成、位置または配置によって)近接して合わせ、基材の屈折率を緊密に適合させて内部反射によって基材品から光子だけを漏れ出させ氷に光子が漏れ入るように、ナローバンド照射源を活性化させて、氷の界面を照射することを含む。
【0079】
ここで記載したナローバンド照射は、連続照射またはパルス照射のいずれでもよい。連続照射は、単位時間当たり、より多くのジュールエネルギーを入力できる。一方、パルス照射が望ましい理由もある。周期的に、電気エネルギーをコンデンサーに蓄え、次いで一気に解放できるので、通常、パルスは、より小さい電源で足りる。また、LEDやレーザーダイオードなどの多くのナローバンド装置をオーバーパルスすることによって、同じ装置でより非常に強いパルスを短く一気に発生させることができる。パルス化されたエネルギーであれば短い負荷サイクルとなるので耐えられるが、それと同じエネルギーレベルで連続的に用いると、通常、超過運転となって、装置が焼け切れることがある。したがってより高振幅のパルスエネルギーを短く一気に与えることにより、より深い透過深度などのようないくばくかの利点を得ることが可能である。
【0080】
かなりのオーバーパルスを用いることによって高い熱衝撃を発生させることができ、それによって表面を溶かしながら氷をより効果的に割ることができる。この発明が適用されるどんな用途においても実験によってこれを知識としなければならない。
【0081】
本発明の別の態様は、適用される用途に最良の結果を与える透光と吸光とのバランスを持つ基材層を選択することによって得られる。
【0082】
本発明の更に別の態様は、エネルギーが氷に達する前の各層で吸光/透光とが起きるような透光多層で工学的に設計されたシステムである。
【0083】
本発明の更に別の態様は、透光領域にある設計材料を積層させて、誘起する特定波長を照射すると特別な機能性が活性化することによって得られる。
【0084】
本発明の別の態様は、ナノ材料のような複合材料からなる透光層を用いて、特定波長を照射すると特別な機能性が活性化することによって得られる。
【0085】
別の態様では、氷が着いた多層基材中の少なくとも1つを、氷を剥がすために氷が割れるエネルギー波長を注入または選択して、伸ばすかまたは曲げるかの刺激を与える。
【0086】
また、いくつかの態様では、システムは、融解工程を助けるため、いくらかの熱が、氷が着いた基材に吸収されることを許容するように調整してもよい。すなわち、使用目的によっては、基材は、照射波長で透光性100%である必要はない。
【0087】
本発明の別の態様は、人間および動物の安全のために、目に安全な波長を照射するナローバンド半導体装置を組み込むことによって得られる。
【0088】
本発明の利点は、特定用途で必要に応じて狙われる特定の氷を、極めて選択的に且つ狙い易いという技術の提供である。本発明の別の利点は、ライトパイプ技術の全内部反射を利用し、より最適化された方法でシステムを配置し、それによって、屈折率を厳密に適合させ、照射エネルギーが透光性材料の基材から主に氷に逃げるようにすることができる。
【0089】
本発明の別の利点は、考えられる、氷の融解、脱氷システムおよび方法が、高速の機能性を有することである。
【0090】
本発明の別の利点は、特定の種類の氷の融解に最適化された波長を出力できるナローバンド半導体照射装置が使えることである。
【0091】
本発明の別の利点は、肉厚の透光性基材を使うことができ且つ厚い基材を加熱する必要がなく、むしろ、基材を通り抜けて氷に直接照射できることである。
【0092】
本発明の更に別の利点は、氷に伝導されも対流的に結合されもしない、氷を制御する照射エネルギーを直接的に注入する能力である。
【0093】
ここまでに本発明を教示し記載したように、基材ホスト表面から容易に除去できるように、主として界面の氷を溶かしているという点で、この融氷技術は伝統的技術と異なる方法で機能していることが明らかなはずである。これは、実質的に、より効率的でより高速な除氷または脱氷システムおよび方法になるはずである。本発明は、伝導又は対流的に結合されたシステムではなく、氷への直接的なエネルギー注入について教示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)使用される波長の照射をほぼ透光可能でかつ表面に氷が着いた基質材料と、
(b)照射によって衝撃を受ける最初の氷が基材の表面に最も近い界面部分となるように、基質材料に隣接し且つ照射をもたらすように選択的に動かして、基材のいずれかの部分を少なくとも通り抜けるように照射を放出する働きをし、それによって基材の表面に最も近い位置にある氷を少なくとも融解させる照射発生装置と
を有する、基質材料上に着いた氷に除氷作用を引き起こすためのシステム。
【請求項2】
ナローバンド照射発生装置が半導体装置である、請求項1のシステム。
【請求項3】
ナローバンド照射装置がLED、TET、およびレーザーダイオードのうちの少なくとも1つである、請求項2のシステム。
【請求項4】
ナローバンド半導体照射装置が平面実装基板上のアレイに取り付けられている、請求項2のシステム。
【請求項5】
ナローバンド照射が、氷の吸光度スペクトルにおける吸収ピーク波長に集中している、請求項1のシステム。
【請求項6】
ナローバンド照射エネルギーの大部分が400nmの範囲内に含まれる、請求項5のシステム。
【請求項7】
ナローバンド照射エネルギーの大部分が50nmの範囲内に含まれる、請求項6のシステム。
【請求項8】
ナローバンド照射装置がレーザーダイオードであり、照射帯域半値全幅が20nm未満である、請求項3のシステム。
【請求項9】
ナローバンド照射装置がレーザーダイオードであり、照射帯域半値全幅が8nm未満である、請求項3のシステム。
【請求項10】
ナローバンド照射装置がSE−DFBレーザーダイオードを含んで成り、照射帯域半値全幅が2nm未満である、請求項3のシステム。
【請求項11】
平面実装基板が、その上に取り付けられた照射装置から除熱するように設計されている、請求項4のシステム。
【請求項12】
平面実装基板が、除熱を補助する流体を用いる冷却装置の要素である、請求項11のシステム。
【請求項13】
流体が、冷却機能を照射装置に与えるための冷却液、圧縮ガス冷却剤、気化冷却剤、およびガスや空気冷却剤の少なくとも1つである、請求項12のシステム。
【請求項14】
冷却装置が、冷却機能を照射装置に与えるために、高い高度環境からの冷気を利用するように設計されている、請求項12のシステム。
【請求項15】
ナローバンド照射発生装置がデジタル半導体装置である、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
基質材料がライトパイプとして作用する、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
(a)除氷対象の氷が表面に着いた基材を供給し、
(b)氷が着いた基材を照射が通り抜けるようにナローバンド照射発生装置を照射前にセットし、次いで、
(c)ナローバンド放射エネルギーを、基材のいずれかの部分を少なくとも通り抜けて、氷の界面層に照射することを含む、除氷作用を引き起こす方法。
【請求項18】
ナローバンド放射エネルギーが赤外波長域にある、請求項17の方法。
【請求項19】
ナローバンド放射エネルギーが、氷材料の吸光度スペクトルにおける局所的吸収ピーク波長に適用される、請求項18の方法。
【請求項20】
使用されるナローバンド放射エネルギーは、400nmの帯域幅以内に主に含まれる、請求項18の方法。
【請求項21】
ナローバンド放射エネルギーは、20nmの全帯域幅以内で主に発生される、請求項18の方法。
【請求項22】
ナローバンド放射エネルギーは、半導体装置のアレイによって発生される、請求項21の方法。
【請求項23】
半導体装置は、発光ダイオード、発光トランジスタ、またはレーザーダイオードを少なくとも含んで成る、請求項22の方法。
【請求項24】
ナローバンド放射エネルギーは、面発光レーザーダイオード装置によって発生される、請求項20の方法。
【請求項25】
使用されるナローバンド放射エネルギーは、おおよそ、1456nm、1950nmまたは2400nmのうちの1つである、請求項17の方法。
【請求項26】
照射が、パルスを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
照射が、液化、熱衝撃または亀裂を氷に生じさせる、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
(a)少なくとも部分的な除氷の対象となる氷が着いた外表面を有する基材品であって、照射波長において高い透光性を有し且つ全反射可能な材料で構成される基材品を用意し、
(b)照射波長でのナローバンド照射が効率的に基材品に注入されるようにナローバンド照射源を基質材料の少なくとも一端に近接して合わせ、
(c)基材の屈折率をより緊密に適合させて内部反射によって基材品から光子だけを漏れ出させ氷に光子が漏れ入るように、ナローバンド照射源を活性化させて、氷の界面を照射することを含む

基質材料の表面を除氷する方法。
【請求項29】
ナローバンド照射が、赤外波長域中にある、請求項28の方法。
【請求項30】
ナローバンド照射が、氷材料の吸光度スペクトルにおける局所的吸収ピーク波長に適用される、請求項28の方法。
【請求項31】
ナローバンド照射は、400nmの帯域幅以内に主に含まれる、請求項28の方法。
【請求項32】
ナローバンド照射は、20nmの全帯域幅以内で主に発生される、請求項28の方法。
【請求項33】
ナローバンド照射は、半導体装置のアレイによって発生される、請求項28の方法。
【請求項34】
半導体装置は、発光ダイオード、発光トランジスタ、またはレーザーダイオードを少なくとも含んで成る、請求項33の方法。
【請求項35】
ナローバンド照射が、面発光レーザーダイオード装置によって発生される、請求項28の方法。
【請求項36】
用いる照射が、おおよそ、1456nm、1950nmまたは2400nmのうちの1つである請求項28の方法。
【請求項37】
活性化が、脈動化を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項38】
活性化が、液化、熱衝撃または亀裂を氷に生じさせる、請求項28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−505426(P2013−505426A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529964(P2012−529964)
【出願日】平成22年9月20日(2010.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/049524
【国際公開番号】WO2011/035259
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(501401283)プレスコ テクノロジー インコーポレーテッド (13)
【氏名又は名称原語表記】PRESSCO TECHNOLOGY INC.
【Fターム(参考)】