説明

ナースコールシステム

【課題】 患者がナースコールをおこなってから看護師が来るまでの状況を把握することができ、更に呼び出しに対して看護師が音声により応答しなくても患者が安心できるナースコールシステムを提供する。
【解決手段】 ナースコール親機2を、ナースステーションに設置された第1親機2aと、看護師が携行する複数の第2親機2bとで構成し、ナースコール子機1と対をなすように呼出中等の情報を表示するための表示部51を備えた患者用端末5を各ベッドに設置した。制御機4は、ナースコール子機1から呼出信号を受けたらナースコール親機2に送信して呼出動作させる一方、呼出確認信号を呼出元のナースコール子機1と対を成す患者用端末5に返信し、呼出確認信号を受けた患者用端末5は表示部51に呼び出しが行われていることを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナースコールシステムに関し、詳しくは看護師を呼び出した患者が、呼び出しの状況を把握できるナースコールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ナースステーションに設置された据え置き型のナースコール親機に加えて、個々の看護師に携帯型の親機を携行させて、患者がナースコール子機を呼出操作(ナースコール)したら、ナースコール親機に加えて携帯型の親機にも呼び出しを通知するナースコールシステムが普及している(例えば、特許文献1参照)。
このようなシステムでは、ナースステーションに看護師が居なくても、患者からの呼び出しに確実に対応できるため、看護師は安心してナースステーションから離れることができ便利であるし、患者はナースコールをしたにも関わらず看護師から応答がないような事態を防ぐことができ安心できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−107240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のナースコールシステムは、患者からの呼び出しに対して応答し易くなったとはいえ、ナースコール子機により看護師を呼び出しても、患者は呼び出しが実際に行われているかを把握することができなかったため、応答があるまで、また看護師が来るまで患者にとっては不安であった。
一方で、携帯型の親機により呼び出しを受けた看護師においても、忙しくて手が離せない状況にある時に、携帯型の親機を応答操作して患者と通話するのは難しい場合があった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、ナースコールをおこなってから看護師が来るまでの状況をナースコールした患者が把握することができ、更に呼び出しに対して看護師が音声により応答しなくても患者が安心できるナースコールシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、ベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出すためのナースコール子機と、患者からの呼び出しに応答するためのナースコール親機と、病室毎にナースコール子機が接続されてナースコール子機からの呼び出しを廊下にいる看護師に通知するための廊下灯と、ナースコール親機と廊下灯との間の通信を制御する制御機とを有するナースコールシステムであって、呼出中等の情報を表示するための表示部を備えた患者用端末がナースコール子機と対を成すように設置され、制御機が、ナースコール子機から呼出信号を受信したらナースコール親機に呼出信号を送信して呼出動作させると共に、呼出確認信号を呼出元のナースコール子機と対を成す患者用端末に返信する制御機CPUを備え、患者用端末が、呼出確認信号を受信したら表示部に呼び出しが行われていることを表示させる表示制御部を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、患者がナースコール子機を用いて行った呼び出しが実際にナースコール親機に通知されているか患者用端末において表示されるので、患者は呼び出しが行われていることを認識でき安心できる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、ナースコール親機は、ナースステーションに設置された第1親機と、看護師が携行する複数の第2親機とで構成され、制御機が、個々のナースコール子機と看護師名とを関連付けた担当看護師情報記憶部と、第2親機のID情報と看護師名とを関連付けた呼出先情報記憶部を備えると共に、第2親機が呼出元の患者に対してメッセージで応答するためのメッセージ選択手段を備える一方、患者用端末が、表示部に表示する複数のメッセージを記憶するメッセージ記憶部を備え、制御機CPUは、呼出信号を受信したら担当看護師情報記憶部及び呼出先情報記憶部の情報を基に、関連する少なくとも1台の第2親機に呼び出しを通知し、通知先の第2親機のメッセージ選択手段が操作されてメッセージ選択信号による返信を受けたら、呼出元のナースコール子機と対を成す患者用端末にメッセージ選択信号を送信し、メッセージ選択信号を受信した患者用端末の表示制御部は、メッセージ記憶部からメッセージ選択信号により選択されたメッセージを読み取り、表示部に表示することを特徴とする。
この構成によれば、呼び出された第2親機を携行する看護師が通話により応答することが難しい状況にある場合は、メッセージ選択手段を操作することで呼び出しを確認したことが患者に通知されるので、看護師にとっての使い勝手が向上する。一方、患者にとっては、呼び出しが届いたことがメッセージで確認でき、安心できる。また、通知されるメッセージ内容は第2親機が記憶する必要がないので、第2親機の設定は簡易で済む。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の構成において、メッセージ選択信号は送信元の第2親機ID情報を具備し、メッセージ選択信号を受信した制御機CPUは、メッセージ選択信号から第2親機ID情報を読み取って、関連する看護師名を呼出先情報記憶部から入手し、メッセージを送信する患者用端末に対して、読み取った看護師名を送信して表示部に表示させることを特徴とする。
この構成によれば、メッセージと共に送信元の看護師の氏名が患者用端末に表示されるので、自分の担当看護師か否かの確認もでき、患者は安心できる。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載の構成において、制御機が所定時間をカウントするタイマと、メッセージ選択信号とタイマのカウント時間との関係を記憶するカウント情報記憶部と、受信したメッセージ選択信号に関連するカウント時間をカウント情報記憶部から読み取って、その時間をタイマにカウントさせるタイマ制御部とを有し、制御機CPUは、タイマがカウントアップしたら、応答した第2親機に対して呼出信号を再送信して再呼び出しを行うと共に、再呼出中であることを患者用端末に通知して表示部に表示させることを特徴とする。
この構成によれば、タイマはメッセージ内容に関連する時間をカウントし、カウントアップしたら再呼び出しを行う。そのため、メッセージを例えば「10分後に伺います」として、タイマに10分をカウントさせることができ、10分経過しても看護師が来ない場合には、自動的に応答した看護師に対して再呼び出しを行う制御を実施できる。よって、応答した看護師が対応し忘れるような事態を防止できるし、再呼び出しが行われていることを患者用端末に通知されるので患者は安心できる。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の構成において、制御機CPUは、タイマのカウント時間情報を患者用端末に送信し、患者用端末の表示制御部は、表示部にカウント時間を表示制御することを特徴とする。
この構成によれば、応答した看護師が来るまでの時間や、看護師が提示した待ち時間の経過時間等が患者用端末に表示されるので患者は安心して待つことができる。
【0011】
請求項6の発明は、請求項4又は5に記載の構成において、患者用端末は、呼び出しを受けて行った処置の完了を通知するために看護師が操作する完了通知ボタンを有し、完了通知ボタンが操作されたら制御機に対して完了信号を送出し、制御機CPUは、完了信号を受けてタイマをリセットして呼出制御を終了することを特徴とする。
この構成によれば、完了通知ボタンを操作することでタイマがリセットされて呼出制御を終了するので、その後再呼び出しが行われることがない。逆に、完了通知ボタンが操作されるまで呼び出しを継続させることができ、患者からの呼び出しを放置するような事態を防止できる。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1に記載の構成において、ナースコール親機は、ナースステーションに設置された第1親機と、看護師が携行する複数の第2親機とで構成され、制御機が、ナースコール子機と看護師名とを関連付けた担当看護師情報記憶部と、第2親機ID情報と看護師名とを関連付けした呼出先情報記憶部とを備えて、制御機CPUは、呼出信号を受信したら担当看護師情報記憶部と呼出先情報記憶部の情報を基に、関連する少なくとも1台の第2親機に呼び出しを通知し、通知先の第2親機から通話応答する応答信号を受信したら、応答信号から第2親機IDを読み取って関連する看護師名を呼出先情報記憶部から入手して、呼出元のナースコール子機と対を成す患者用端末に対して看護師名情報を送信して表示部に表示させると共に、ナースコール子機と応答した第2親機との間の通話路を形成することを特徴とする。
この構成によれば、第2親機から応答した場合、患者用端末には呼出表示に加えて通話応答した看護師の名前が表示されるので、自分の担当看護師か否かを確認しながら通話することができ、患者は安心できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、患者がナースコール子機を用いて行った呼び出しが実際にナースコール親機に通知されているか患者用端末において表示されるので、患者は呼び出しが行われていることを認識でき安心できる。
また、看護師が携行する第2親機にメッセージ選択手段を設けたシステムにおいては、看護師が第2親機から通話により呼び出しに応答することが難しい状況にある場合、メッセージ選択手段を操作することで呼び出しを確認したことが患者に通知される。よって、看護師にとっての使い勝手が向上するし、患者にとっては呼び出しが届いたことがメッセージで確認でき、安心できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るナースコールシステムの一例を示す構成図である。
【図2】制御機のブロック図である。
【図3】患者用端末のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係るナースコールシステムの一例を示す構成図であり、1はベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出す、即ちナースコールするためのナースコール子機、2は患者からの呼び出しに応答するためのナースコール親機、3は病室毎にナースコール子機1が接続されてナースコール子機1からの呼び出しを廊下にいる看護師に通知するための廊下灯、4はナースコール親機2と廊下灯3との間の通信を制御する制御機、5はナースコール子機1と対を成すようにベッド毎に設置される患者用端末である。
【0016】
ナースコール子機1は、病床の患者が看護師を呼び出すための呼出握りボタン1aと、壁面に設置されて呼出握りボタン1aを接続して通話機能を有するプレート子機1bとで構成されている。ナースコール親機2は、ナースステーションに設置される据え置き型の第1親機2aと看護師が携行する携帯型の複数の第2親機2bとで構成されている。
尚、第2親機2bは病院内の適宜場所に設置された基地局7の何れかと通信を行い、基地局7を制御する交換機8を介して制御機4と通信を実施する。
【0017】
ナースコール子機1は、病室毎に伝送線L1を介して廊下灯3に接続され、対を成す患者用端末5も同様に伝送線L2を介して廊下灯3に接続されている。また、廊下灯3は廊下灯幹線L3を介して制御機4に接続され、第1親機2aは伝送線L4を介して制御機4に接続され、交換機8は伝送線L5を介して制御機4に接続されている。
【0018】
ナースコール親機2のうち第1親機2aは、患者情報や呼出元情報をはじめ看護師情報等様々な情報を表示する第1表示部21、患者からの呼び出しに対して応答するためのハンドセット22、タッチパネルから成る操作部23等を備えている。
【0019】
また、第2親機2bは通話先等を表示するための第2表示部24、呼び出しや応答等各種操作を行うテンキー等を備えた操作部25を有し、患者からの呼び出しを受けて操作部25を所定の操作、例えば「♯10」を入力して送信することで、特定のメッセージを返信できるよう設定されている。
【0020】
図2は制御機4のブロック図を示している。この図2に示すように、制御機4は、ナースコール子機1と看護師名を関連付けた担当看護師情報記憶部41、第2親機2bのIDと看護師名を関連付けた呼出先情報記憶部42、ナースコール子機1と患者氏名を関連付けた患者情報記憶部43、ナースコール子機1と対を成す患者用端末5を記憶する患者用端末情報記憶部44、設定された時間をカウントするタイマ45、タイマ45のカウントする複数の時間と後述するメッセージ選択信号との関係を記憶するカウント情報記憶部46、制御機4全体を制御する制御機CPU47、廊下灯3、第1親機2a、第2親機2b(交換機8)と通信するための制御機IF48等を備えている。
【0021】
図3は、患者用端末5のブロック図を示している。図3に示すように、患者用端末5は、各種情報を表示するためのLCDから成る表示部51、LCDコントローラ52、タッチパネルから成る操作部53と、表示部51に表示するメッセージを記憶するメッセージ記憶部54、患者用端末5全体を制御する患者用端末CPU55、廊下灯3と通信するための患者用端末IF56等を備えている。
【0022】
このように構成されたナースコールシステムについて、以下、動作を説明する。患者が看護師を呼び出すためにナースコール子機1を操作して呼び出すと、ナースコール子機IDが付与された呼出信号が廊下灯3を介して制御機4に送信される。
呼出信号を受信した制御機4は、制御機CPU47が呼出信号からナースコール子機IDを読み取り、担当看護師情報記憶部41から担当看護師を読み取ると共に、呼出先情報記憶部42から担当看護師が携行する第2親機2bのIDを読み取る。また、患者情報記憶部43を参照して患者を特定する。
【0023】
こうして特定した第2親機2bに対して呼出信号を送信し、第1親機2aにも呼出信号を送信する。第2親機2bに対して送信された呼出信号は、交換機8、基地局7を介して特定された第2親機2bに送信され、呼び出された第2親機2bは呼出音が鳴動する。また、第1親機2aも呼出信号を受けて呼出音を鳴動し、第1親機2a及び特定の第2親機2bに呼び出しが通知される。尚、このとき、患者情報記憶部43で特定した患者情報も送信され、夫々の表示部21,24で表示される。
【0024】
また、この呼び出しの通知と同時に、制御機CPU45は、呼出元のナースコール子機1と対を成す患者用端末5を患者用端末情報記憶部44から読み取り、その患者用端末5に対して呼出確認信号を送信する。送信された呼出確認信号は、廊下灯3を介して患者用端末5に送信される。
【0025】
呼出確認信号を受信した患者用端末5は、患者用端末CPU55がメッセージ記憶部54から呼出確認信号に関連付けられたメッセージを読み取り、LCDコントローラ52を制御して表示部51に「ただ今呼び出しています」等の呼出中である旨を表示させる。
尚、ここでは制御機4に患者用端末情報記憶部44を設けて、制御機4に呼出確認信号を送信する先を判断させているが、制御機4は呼出確認信号をナースコール子機1に対して返信するだけで、廊下灯3に判断回路を設けても良い。
【0026】
この呼び出しを受けて、看護師はナースコール親機2を構成する第1親機2a及び第2親機2bの何れかで応答することができる。また、第2親機2bで応答する場合は、通話応答かメッセージのみ送信して応答するメッセージ応答の何れかを選択することができる。第1親機2aで応答する場合は、従来のナースコール親機からの応答と同様であり、第1親機2aのハンドセット22が取り上げられて応答操作が成されると、応答信号が制御機4に送信され、制御機CPU47の制御により呼出元のナースコール子機1と第1親機2aの間の通話路が形成される。こうして応答操作した看護師と患者との間で通話が可能となる。
【0027】
次に、看護師が第2親機2bで通話応答する場合を説明する。第2親機2bの所定の応答操作で通話応答すると、第2親機ID情報を具備する通話応答信号が基地局7、交換機8を介して制御機4に送信される。通話応答信号を受信した制御機4は、制御機CPU47が第2親機IDを読み取って、呼出先情報記憶部42と照合することにより通話応答した看護師氏名を特定し、呼び出し元のナースコール子機1と対を成す患者用端末5を患者用端末情報記憶部44から特定して、特定した患者用端末5へ看護師名の情報である看護師情報を送信する。
尚、この場合も制御機4からは看護師情報をナースコール子機1へ返信する制御を行うだけで、廊下灯3に患者用端末5へ送信する判断をさせても良い。
【0028】
こうして看護師情報を受けた患者用端末5は、患者用端末CPU55が看護師情報を読み取り、表示部51に看護師名を表示させる。同時に、制御機CPU47は第2親機2bとナースコール子機1の間の通話路を形成し、応答操作した看護師と患者との間で通話が可能となる。この結果、患者は通話相手の看護師が誰かを患者用端末で確認しながら通話することができる。
【0029】
次に、メッセージ送信のみの応答を説明する。ナースコール子機1からの呼び出しが看護師が携行する第2親機2bで通知された際に、予め設定された操作で、例えば上述したように「♯10」を入力するとメッセージ応答信号が返信され、通話に入ることなく患者用端末5にメッセージ情報が送信される。
具体的に、メッセージ応答信号は第2親機2bのID情報と特定のメッセージを選択するための選択情報を具備し、基地局7、交換機8を介して制御機4に送信される。
このメッセージ応答信号を受信した制御機4は、制御機CPU47が、第2親機2bのID情報を読み取って、呼出先情報記憶部42と照合することにより特定した看護師氏名情報と共に、選択情報を呼出元のナースコール子機1と対を成す患者用端末5に対して送信する。尚、この患者用端末5は、上述したように患者用端末情報記憶部44を参照して選択されるが、この機能は廊下灯3に設けても良い。
【0030】
呼出確認信号と同様の経路で患者用端末5に送信された看護師情報は、患者用端末CPU55の制御で表示部51に表示される。また、患者用端末CPU55は、選択情報として例えば「♯10」の情報を受け取ると、メッセージ記憶部54から、関連付けられているメッセージ、例えば「10分後に伺います」を読みとり、表示部51に合わせて表示する。こうして、表示部51には看護師名とメッセージが表示される。
一方で制御機CPU47は、選択情報である「♯10」を読み取り、カウント情報記憶部46から関連するタイマ45のカウント時間を選択する。ここでは10分であることを読み取って、10分でタイムアップするようカウントをスタートさせる。このタイマ45のカウント情報は患者用端末5に送信され、表示部51でも表示される。
【0031】
尚、選択されたメッセージが、例えば「5分後に伺います」である場合は、対応するカウント時間がカウント情報記憶部46に記憶されており、制御機CPU47はカウント情報記憶部46からカウント時間が5分であることを読み取り、5分でタイムアップするカウントを開始する。また、待ち時間の設定がなく「少しお待ちください」や「代理を行かせます」等のメッセージを表示させる選択情報の場合は、別途設定された時間でタイマをスタートさせて、タイムアップしたら同様に再呼出する。
【0032】
その後、看護師が患者のところまで出かけて必要な処置を行ったら、患者用端末5の操作部53の中の完了通知ボタン(図示せず)を操作して処置が完了したことを通知する。これにより、完了信号が廊下灯3を介して制御機4へ送信され、制御機CPU47がタイマ45の動作をリセットする。
【0033】
また、タイマ45が所定時間のカウントを終了しても看護師が完了通知ボタンを操作しなければ、制御機CPU47は応答した看護師が携行する第2親機2bに対して再呼出をおこなう。これにより、第2親機2bでは再呼び出しがおこなわれ、看護師に対応を促す。また、再呼出中であることも、最初の呼出中の表示と同様に患者用端末5の表示部51に表示される。
【0034】
このように、患者がナースコール子機1を用いて行った呼び出しが実際にナースコール親機2に通知されているか患者用端末5において表示されるので、患者は呼び出しが行われていることを認識でき安心できるし、通話応答した看護師の名前も表示されるので、自分の担当看護師か否かを確認しながら通話することができ、更に患者は安心できる。
また、呼び出された第2親機2bを携行する看護師が通話により応答することが難しい状況にある場合は、操作部25を所定の操作することで呼び出しを確認したことが患者に通知されるので、看護師にとっての使い勝手が向上する。一方、患者にとっては、呼び出しが届いたことがメッセージで確認でき、安心できる。また、通知されるメッセージ内容は患者用端末5が記憶し第2親機2bが記憶する必要がないので、第2親機2bの設定は簡易で済む。
更に、タイマ45はメッセージ内容に関連する時間をカウントし、カウントアップしたら再呼び出しを行うため、上述したようにメッセージが「10分後に伺います」の場合、タイマ45に10分をカウントさせることで、10分経過しても看護師が来ない場合には、自動的に応答した看護師に対して再呼び出しを行う制御を実施できる。よって、応答した看護師が対応し忘れるような事態を防止できるし、再呼び出しが行われていることを患者用端末5に通知されるので患者は安心できる。
また、メッセージと共に送信元の看護師の氏名が患者用端末5に表示されるので、自分の担当看護師か否かの確認もできるし、応答した看護師が来るまでの時間や、看護師が提示した待ち時間の経過時間等が患者用端末5に表示されるので患者は安心して待つことができる。
また、患者用端末5の操作部53の完了通知ボタンを操作することでタイマ45がリセットされて呼出制御を終了するので、その後再呼び出しが行われることがなく、逆に完了通知ボタンが操作されるまで呼び出しを継続させることができ、患者からの呼び出しを放置するような事態を防止できる。
【符号の説明】
【0035】
1・・ナースコール子機、2・・ナースコール親機、2a・・第1親機、2b・・第2親機、3・・廊下灯、4・・制御機、5・・患者用端末、25・・操作部(メッセージ選択手段)、41・・担当看護師情報記憶部、42・・呼出先情報記憶部、43・・患者情報記憶部、44・・患者用端末情報記憶部、45・・カウント情報記憶部、46・・制御機CPU、51・・表示部(完了通知ボタン)、53・・操作部、54・・メッセージ記憶部、55・・患者用端末CPU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出すためのナースコール子機と、患者からの呼び出しに応答するためのナースコール親機と、病室毎にナースコール子機が接続されてナースコール子機からの呼び出しを廊下にいる看護師に通知するための廊下灯と、前記ナースコール親機と前記廊下灯との間の通信を制御する制御機とを有するナースコールシステムであって、
呼出中等の情報を表示するための表示部を備えた患者用端末が前記ナースコール子機と対を成すように設置され、
前記制御機が、前記ナースコール子機から呼出信号を受信したら前記ナースコール親機に呼出信号を送信して呼出動作させると共に、呼出確認信号を呼出元の前記ナースコール子機と対を成す前記患者用端末に返信する制御機CPUを備え、
前記患者用端末が、前記呼出確認信号を受信したら前記表示部に呼び出しが行われていることを表示させる表示制御部を備えたことを特徴とするナースコールシステム。
【請求項2】
前記ナースコール親機は、ナースステーションに設置された第1親機と、看護師が携行する複数の第2親機とで構成され、
前記制御機が、個々の前記ナースコール子機と看護師名とを関連付けた担当看護師情報記憶部と、前記第2親機のID情報と看護師名とを関連付けた呼出先情報記憶部を備えると共に、前記第2親機が呼出元の患者に対してメッセージで応答するためのメッセージ選択手段を備える一方、前記患者用端末が、前記表示部に表示する複数のメッセージを記憶するメッセージ記憶部を備え、
前記制御機CPUは、前記呼出信号を受信したら前記担当看護師情報記憶部及び前記呼出先情報記憶部の情報を基に、関連する少なくとも1台の第2親機に呼び出しを通知し、通知先の前記第2親機の前記メッセージ選択手段が操作されてメッセージ選択信号による返信を受けたら、呼出元のナースコール子機と対を成す前記患者用端末に前記メッセージ選択信号を送信し、
前記メッセージ選択信号を受信した前記患者用端末の表示制御部は、前記メッセージ記憶部から前記メッセージ選択信号により選択されたメッセージを読み取り、前記表示部に表示することを特徴とする請求項1記載のナースコールシステム。
【請求項3】
前記メッセージ選択信号は送信元の第2親機ID情報を具備し、
前記メッセージ選択信号を受信した制御機CPUは、前記メッセージ選択信号から第2親機ID情報を読み取って、関連する看護師名を前記呼出先情報記憶部から入手し、前記メッセージを送信する前記患者用端末に対して、読み取った看護師名を送信して前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2記載のナースコールシステム。
【請求項4】
前記制御機が、所定時間をカウントするタイマと、
前記メッセージ選択信号とタイマのカウント時間との関係を記憶するカウント情報記憶部と、
受信したメッセージ選択信号に関連するカウント時間を前記カウント情報記憶部から読み取って、その時間を前記タイマにカウントさせるタイマ制御部とを有し、
前記制御機CPUは、前記タイマがカウントアップしたら、応答した前記第2親機に対して呼出信号を再送信して再呼び出しを行うと共に、再呼出中であることを前記患者用端末に通知して前記表示部に表示させることを特徴とする請求項3記載のナースコールシステム。
【請求項5】
前記制御機CPUは、前記タイマのカウント時間情報を前記患者用端末に送信し、
前記患者用端末の表示制御部は、前記表示部にカウント時間を表示制御する請求項4記載のナースコールシステム。
【請求項6】
前記患者用端末は、呼び出しを受けて行った処置の完了を通知するために看護師が操作する完了通知ボタンを有し、前記完了通知ボタンが操作されたら前記制御機に対して完了信号を送出し、
前記制御機CPUは、前記完了信号を受けて前記タイマをリセットして呼出制御を終了することを特徴とする請求項4又は5記載のナースコールシステム。
【請求項7】
前記ナースコール親機は、ナースステーションに設置された第1親機と、看護師が携行する複数の第2親機とで構成され、
前記制御機が、前記ナースコール子機と看護師名とを関連付けた担当看護師情報記憶部と、前記第2親機ID情報と看護師名とを関連付けした呼出先情報記憶部とを備えて、
前記制御機CPUは、前記呼出信号を受信したら前記担当看護師情報記憶部と前記呼出先情報記憶部の情報を基に、関連する少なくとも1台の第2親機に呼び出しを通知し、通知先の前記第2親機から通話応答する応答信号を受信したら、応答信号から第2親機IDを読み取って関連する看護師名を前記呼出先情報記憶部から入手して、前記呼出元の前記ナースコール子機と対を成す前記患者用端末に対して看護師名情報を送信して前記表示部に表示させると共に、前記ナースコール子機と応答した前記第2親機との間の通話路を形成することを特徴とする請求項1記載のナースコールシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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