説明

ニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7アクティベーターの使用

本発明は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するためのニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7アクティベーターの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7(α7−nAChR)アクティベーター、すなわちα7−nAChRアゴニストまたはポジティブアロステリックモジュレーターの医薬用途に関する。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病(PD)は、罹患者の運動技能および話す能力がしばしば障害される中枢神経系の慢性かつ進行性の変性障害である。パーキンソン病の特徴は多様であり、次のものの一つ以上を含む:振戦、強直、動作緩慢、無動、歩行運動および姿勢障害、体位不安定、言語および嚥下障害および認知機能障害(例えば記憶喪失、認知症および反応時間遅延)。PDは黒質におけるドーパミン産生細胞喪失の直接の結果であると考えられる。米国のみで60,000例を超えるPDの新規症例が毎年診断されている。
【0003】
最も一般的に使用されるPDに対する処置は、例えば、デカルボキシラーゼ阻害剤(例えばカルビドパ)と組み合わせたL−ドーパ(レボドパ)の投与によるドーパミンアゴニスト治療である。しかしながら、多くの患者では、長期間のドーパミンアゴニスト治療は、顕著な副作用として不随意運動(ジスキネジア)を起こす(総説:Fabbrini et al, Movement Disorders, 2007, 22(10), 1379-1389; Konitsiotis, Expert Opin Investig Drugs, 2005, 14(4), 377-392; Brown et al, IDrugs, 2002, 5(5), 454-468参照)。従って、抗PD処置に不利に影響せずに実施できる、ジスキネジアを阻止または処置するための有効なレジメンが必要である。
【0004】
α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターと報告される化合物が、例えばWO2001/85727、WO2004/022556、WO2005/118535、WO2005/123732、WO2006/005608、WO2007/045478、WO2007/068476、WO2007/068475およびHaydar et al(Current Topics in Medicinal Chemistry, 2010, 10, 144-152)に記載されている。
【発明の概要】
【0005】
本発明により、α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターが、PDにおけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアの処置、予防または進行遅延に使用され得ることが判明した。特に、本発明により、α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターが、レボドパの投与を含む治療において、該ジスキネジアの処置、予防または進行遅延に使用され得ることが判明した。
【0006】
従って、本発明の第一の面は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアの処置(治療的または予防的のいずれであれ)、阻止または進行遅延のためのα7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターの使用に関する。
【0007】
該第一の面の一つの態様は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアの処置(治療的または予防的のいずれであれ)、阻止または進行遅延のためのα7−nAChRアゴニストの使用に関する。
【0008】
該第一の面の他の態様は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアの処置(治療的または予防的のいずれであれ)、阻止または進行遅延のためのα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターの使用に関する。
【0009】
本発明のさらなる面は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための方法に関し、該方法は該対象に治療有効量のα7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターを投与することを含む。
【0010】
該さらなる面の一つの態様は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための方法に関し、該方法は該対象に治療有効量のα7−nAChRアゴニストを投与することを含む。
【0011】
該さらなる面の別の態様は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延する方法に関し、該方法は該対象に治療有効量のα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターを投与することを含む。
【0012】
本発明のさらなる面は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延する方法に関し、該方法は(i)該対象においてパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを診断し、そして(ii)該対象に治療有効量のα7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターを投与することを含む。
【0013】
該さらなる面の一つの態様は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延する方法に関し、該方法は(i)該対象においてパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを診断し、そして(ii)該対象に治療有効量のα7−nAChRアゴニストを投与することを含む。
【0014】
該さらなる面の別の態様は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延する方法に関し、該方法は(i)該対象においてパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを診断し、そして(ii)該対象に治療有効量の7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターを投与することを含む。
【0015】
本発明のさらなる面は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための、α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターを含む医薬組成物に関する。
【0016】
該さらなる面の一つの態様は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための、α7−nAChRアゴニストを含む医薬組成物に関する。
【0017】
該さらなる面の別の態様はパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための、α7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターを含む医薬組成物に関する。
【0018】
本発明のさらなる面は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延する医薬の製造のためのα7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターの使用に関する。
【0019】
該さらなる面の一つの態様は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延する医薬の製造のためのα7−nAChRアゴニストの使用に関する。
【0020】
該さらなる面の別の態様は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延する医薬の製造のためのα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターの使用に関する。
【0021】
ニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7アゴニスト:
ここで使用する“α7−nAChRアゴニスト”は、インビボおよびインビトロでα7−nAChRサブユニットを含む受容体と結合し、該受容体をその生理学的機能を発揮するように活性化させる化合物である。活性化はWO2001/85727に開示の方法により、すなわちアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)を安定に発現するラット下垂体細胞株で行う、ホモマーα7 nAChRでの機能的親和性アッセイにより測定できる。読み出しとして、エピバチジンと比較した受容体の刺激によるカルシウム流入を使用する。本発明の“α7−nAChRアゴニスト”は、典型的にエピバチジンにより惹起される最大流入の少なくとも50%のカルシウム流入を誘発し、1μM以下のEC50値を有する;好ましいアゴニストは、エピバチジンにより惹起される最大流入の少なくとも75%のカルシウム流入を誘発し、400nM以下のEC50値を有する;より好ましいアゴニストは、エピバチジンにより惹起される最大流入の少なくとも85%のカルシウム流入を誘発し、50nM以下のEC50値を有する。
【0022】
特に、好ましいα7−nAChRアゴニストは胃腸管から十分に吸収され、十分に代謝的に安定であり、かつ都合よい薬物動態学的特性を有しなければならない。
【0023】
さらに好ましいα7−nAChRアゴニストは、インビボで強力にα7−nAChRに結合するが、他の受容体、特に他のnAChR、例えばα4β2 nAChR、ムスカリンアセチルコリン受容体、例えばM1および/または5−HT受容体にほとんど親和性を示さない。
【0024】
さらに好ましいα7−nAChRアゴニストは血液脳関門を有効に通過する。
好ましいα7−nAChRアゴニストは非毒性であり、ほとんど副作用ないことが証明されていなければならない。
【0025】
さらに、好ましいα7−nAChRアゴニストは安定であり、非吸湿性であり、かつ容易に製剤される物理形態で存在可能である。
【0026】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストは、α7−nAChRサブユニットを含む受容体に選択的であり、なぜなら、かかるアゴニストは処置対象に対して非選択的アゴニストよりも副作用が少ないと予期されるためである。α7−nAChRサブユニットを含む受容体に選択的なアゴニストは、かかる受容体に対して、任意の他のニコチン性アセチルコリン受容体と比較して、はるかに高い、例えばEC50値で少なくとも10倍、好ましくは少なくとも20倍、より好ましくは少なくとも50倍親和性に差がある機能的親和性を有する。本発明のα7−nAChRアゴニストの他のニコチン性アセチルコリン受容体に対する親和性を評価するために、WO2001/85727に開示の方法を使用でき、すなわちヒト神経細胞α4β2 nAChRに対する親和性を評価するために、ヒトα4β2サブタイプを安定に発現するヒト胚腎臓細胞株を使用した類似の機能的アッセイを行い、本発明の化合物の“神経節サブタイプ”および“筋肉型”のニコチン受容体に対する活性を評価するために、類似の機能的アッセイを、ヒト“神経節サブタイプ”を安定に発現するヒト胚腎臓細胞株またはヒト“筋肉型”のニコチン受容体を内因性に発現する細胞株で行う。
【0027】
最近15年間、選択的α7 nAChRアゴニストの開発に焦点を絞った多くの努力がなされ、該選択的活性を示す多種多様な化学型の発見に至っている。これらの努力はHorenstein et alの総説(Mol Pharmacol, 2008, 74, 1496-1511)に要約され、それは最低でも9種のα7 nAChRアゴニストのファミリーを記載しており、そのほとんどで選択的アゴニストが判明している。該総説の図1に開示された全ての化合物を引用により本明細書に包含させる。実際、α7 nAChRアゴニストの作用機序を有する数種の新薬候補が前臨床または臨床試験にまでも進んでいる(総説:Broad et al, Drugs of the Future, 2007, 32(2), 161-170; Romanelli et al, Expert Opin Ther Patents, 2007, 17(11), 1365-1377)。かかる化合物の例は − 同様に多様な化合物タイプに属するが − MEM3454、MEM63908、SSR180711、GTS21、EVP6124、ABT107、ABT126、TC−5619、AZD−6319およびSAR−130479である。さらなるα7 nAChRアゴニストおよび医薬としてのその使用が、例えば、WO2001/85727、WO2004/022556、WO2005/118535、WO2005/123732、WO2006/005608、WO2007/045478、WO2007/068476およびWO2007/068475によって既知である。
【0028】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストは、遊離塩基形態または酸付加塩形態の式(I)
【化1】

〔式中、
は−CH−であり;Lは−CH−または−CH−CH−であり;Lは−CH−または−CH(CH)−であるか;または
は−CH−CH−であり;Lは−CH−であり;およびLは−CH−CH−であり;

【化2】

から選択される基であり、ここで、アスタリスクを付した結合はアザビシクロアルキル部分に結合し;
は水素またはC1−4アルキルであり;
は−O−または−NH−であり;

【化3】

から選択される基であり、ここで、アスタリスクを付した結合はXに結合し;
は、1〜4個の窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子を含み得る5〜10員単環式または縮合多環式芳香環系であり、ここで、該環系は最大2個の酸素原子および最大2個の硫黄原子を含んでよく、該環系はRで1個所以上置換されていてよく、ヘテロ環式環系の窒素上の置換基はハロゲンとはなり得ず;
各Rは独立してC1−6アルキル、C1−6ハロゲンアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロゲンアルコキシ、ハロゲン、シアノまたは3〜6員単環式環系であり、該環系は芳香族でも、飽和でも部分的飽和でもよく、1〜4個の窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子を含んでよく、各環系は最大2個の酸素原子および最大2個の硫黄原子を含んでよく、そして、各環系はC1−6アルキル、C1−6ハロゲンアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロゲンアルコキシ、ハロゲンまたはシアノで1個所以上置換されていてよく、ヘテロ環式環系の窒素上の置換基はハロゲンとはなり得ず;
または隣接環原子の2個のRはC3−4アルキレン基を形成し、ここで、1〜2個の炭素原子はXで置換されていてよく、そして、該C3−4アルキレン基はRで1個所以上置換されていてよく;
各Xは独立して−O−または−N(R)−であり;
各Rは独立して水素またはC1−6アルキルであり;
各Rは独立してハロゲンまたはC1−6アルキルである。〕
の化合物である。
【0029】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストは、遊離塩基形態または酸付加塩形態の、式(II)
【化4】

〔式中、
は5〜10員単環式または縮合多環式芳香環系であり、それは1〜4個の窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子を含んでよく、該環系は最大2個の酸素原子および最大2個の硫黄原子を含んでよく、該環系はRで1個所以上置換されていてよく、ヘテロ環式環系の窒素上の置換基はハロゲンとはなり得ず;
各Rは独立してC1−6アルキル、C1−6ハロゲンアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロゲンアルコキシ、ハロゲン、シアノ、アミノまたは3〜6員単環式環系であり、該環系は芳香族性でも、飽和でも部分的飽和でもよく、1〜4個の窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子を含んでよく、各環系は最大2個の酸素原子および最大2個の硫黄原子を含んでよく、そして、各環系はC1−6アルキル、C1−6ハロゲンアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロゲンアルコキシ、ハロゲンまたはシアノで1個所以上置換されていてよく、ヘテロ環式環系の窒素上の置換基はハロゲンとはなり得ず;
または隣接環原子上の2個のRはC3−4アルキレン基を形成し、ここで、1〜2個の炭素原子はXで置換されていてよく、C3−4アルキレン基はRで1個所以上置換されていてよく;
各Xは独立して−O−または−N(R)−であり;
各Rは独立して水素またはC1−6アルキルであり;
各Rは独立してハロゲンまたはC1−6アルキルである。〕
の化合物である。
【0030】
特にことわらない限り、本明細書で使用する表現は次の意味を有する:
“アルキル”は直鎖または分枝鎖アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−またはイソ−プロピル、n−、イソ−、sec−またはtert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルを表す;C1−6アルキルは、好ましくは直鎖または分枝鎖C1−4アルキルを表し、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピルおよびtert−ブチルが特に好ましい。
【0031】
“アルコキシ”、“ハロゲンアルキル”などの各アルキル部分は、特に直線性および好ましいサイズについて上に記載した“アルキル”の定義に記載したのと同じ意味を有しなければならない。
【0032】
例えばAについて定義した“1個所以上”置換されている置換基は、好ましくは1〜3個の置換基で置換されている。
【0033】
ハロゲンは一般にフッ素、塩素、臭素またはヨウ素である;好ましくはフッ素、塩素または臭素である。ハロゲンアルキル基は、好ましくは1〜4個の炭素原子長を有し、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、ペンタフルオロエチル、1,1−ジフルオロ−2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルまたは2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル;好ましくは−CF、−CHF、−CHF、−CHF−CH、−CFCHまたは−CHCFである。
【0034】
本発明の状況で、“隣接環原子上の3個のRはC3−4アルキレン基を形成し、ここで、1〜2個の炭素原子はXで置換されていてよく”または“隣接環原子上の2個のRはC3−4アルキレン基を形成し、ここで、1〜2個の炭素原子はXで置換されていてよく”なる定義は、−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−、−O−CH−O−、−O−CH−CH−O−および−CH−CH−NH−を含む。置換された基の例は−CH−CH−N(CH)−である。
【0035】
本発明の状況で、“5〜10員単環式または縮合多環式芳香環系”としてのAまたはAの定義は、C−またはC10−芳香族性炭化水素基または5〜10員ヘテロ環式芳香環系を含む。“多環式”は好ましくは二環式を意味する。
【0036】
本発明の状況で、“3〜6員単環式環系”としてのRの定義は、C−芳香族性炭化水素基、5〜6員ヘテロ環式芳香環系および3〜6員単環式脂肪族またはヘテロ環式環系を含む。
−またはC10−芳香族性炭化水素基は典型的にフェニルまたはナフチル、特にフェニルである。
【0037】
好ましくは、置換基の定義にもよるが、“5〜10員ヘテロ環式芳香環系”は5〜10個の環原子から成り、そのうち1〜3個の環原子がヘテロ原子である。かかるヘテロ環式芳香環系は単環系または二環式または三環式環系;好ましくは単環系またはベンズ縮環環系として存在し得る。二環式または三環式環系は2個以上の環の縮環によりまたは架橋原子、例えば酸素、硫黄、窒素により形成され得る。ヘテロ環式環系の例は:イミダゾ[2,1−b]チアゾール、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾール、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾール、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、フラザン(オキサジアゾール)、ジオキソラン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、オキサゾール、オキサゾリン、オキサゾリジン、イソオキサゾール、イソキサゾリン、イソキサゾリジン、チアゾール、チアゾリン、チアゾリジン、イソチアゾール、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、チアジアゾール、チアジアゾリン、チアジアゾリジン、ピリジン、ピペリジン、ピリダジン、ピラジン、ピペラジン、トリアジン、ピラン、テトラヒドロピラン、チオピラン、テトラヒドロチオピラン、オキサジン、チアジン、ジオキシン、モルホリン、プリン、プテリジンおよび対応するベンズ縮環ヘテロ環、例えばインドール、イソインドール、クマリン、イソキノリン、キノリンなどである。好ましいヘテロ環は:イミダゾ[2,1−b]チアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ピロール、フラン、テトラヒドロフラン、ピリジン、ピリミジン、イミダゾールまたはピラゾールである。
【0038】
本発明の状況で、3〜6員単環式脂肪族環系は典型的にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。
【0039】
式(I)の化合物および式(II)の化合物の存在し得る不斉炭素原子(複数もある)により、本化合物は光学活性形態または光学異性体混合物の形態、例えばラセミ混合物またはジアステレオマー混合物の形態で存在し得る。全ての光学異性体およびラセミ混合物を含むその混合物は、本発明の一部である。
【0040】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストは式(I)
【化5】

〔式中、
は−CH−であり;Lは−CH−CH−であり;Lは−CH−または−CH(CH)−であり;

【化6】

から選択される基であり、ここで、アスタリスクを付した結合はアザビシクロアルキル部分に結合し;
は水素またはC1−4アルキルであり;
は−O−または−NH−であり;

【化7】

から選択される基であり、ここで、アスタリスクを付した結合はXに結合し;
は、1〜4個の窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子を含み得る5〜10員単環式または縮合多環式芳香環系であり、ここで、該環系は最大2個の酸素原子および最大2個の硫黄原子を含んでよく、該環系はRで1個所以上置換されていてよく、ヘテロ環式環系の窒素上の置換基はハロゲンとはなり得ず;
各Rは独立してC1−6アルキル、C1−6ハロゲンアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロゲンアルコキシまたはハロゲンである。〕
の化合物である。
【0041】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストは式(I)
【化8】

〔式中、
は−CH−であり;Lは−CH−CH−であり;Lは−CH−であり;

【化9】

であり、ここで、アスタリスクを付した結合はアザビシクロアルキル部分に結合し;
は水素またはC1−4アルキルであり;
は、1〜4個の窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子を含み得る5〜10員単環式または縮合多環式芳香環系であり、ここで、該環系は最大2個の酸素原子および最大2個の硫黄原子を含んでよく、該環系はRで1個所以上置換されていてよく、ヘテロ環式環系の窒素上の置換基はハロゲンとはなり得ず;
各Rは独立してC1−6アルキル、C1−6ハロゲンアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロゲンアルコキシまたはハロゲンである。〕
の化合物である。
【0042】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストは式(I)
【化10】

は−CH−であり;Lは−CH−CH−であり;Lは−CH−または−CH(CH)−であり;

【化11】

であり、ここで、アスタリスクを付した結合はアザビシクロアルキル部分に結合し;
は−O−または−NH−であり;

【化12】

から選択される基であり、ここで、アスタリスクを付した結合はXに結合し;
は、1〜4個の窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子を含み得る5〜10員単環式または縮合多環式芳香環系であり、ここで、該環系は最大2個の酸素原子および最大2個の硫黄原子を含んでよく、該環系はRで1個所以上置換されていてよく、ヘテロ環式環系の窒素上の置換基はハロゲンとはなり得ず;
各Rは独立してC1−6アルキル、C1−6ハロゲンアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロゲンアルコキシまたはハロゲンである。〕
の化合物である。
【0043】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストは式(I)
【化13】

〔式中、
は−CH−CH−であり;Lは−CH−であり;Lは−CH−CH−であり;

【化14】

であり、ここで、アスタリスクを付した結合はアザビシクロアルキル部分に結合し;
は−O−または−NH−であり;

【化15】

から選択される基であり、ここで、アスタリスクを付した結合はXに結合し;
は、1〜4個の窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子を含み得る5〜10員単環式または縮合多環式芳香環系であり、ここで、該環系は最大2個の酸素原子および最大2個の硫黄原子を含んでよく、該環系はRで1個所以上置換されていてよく、ヘテロ環式環系の窒素上の置換基はハロゲンとはなり得ず;
各Rは独立してC1−6アルキル、C1−6ハロゲンアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロゲンアルコキシまたはハロゲンである。〕
の化合物である。
【0044】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストは式(II)
【化16】

〔式中、
は、1〜4個の窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子を含み得る5〜10員単環式または縮合多環式芳香環系であり、ここで、該環系は最大2個の酸素原子および最大2個の硫黄原子を含んでよく、環系はで1個所以上置換されていてよくR、ヘテロ環式環系の窒素上の置換基はハロゲンとはなり得ず;
各Rは独立してC1−6アルキル、C1−6ハロゲンアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロゲンアルコキシ、アミノまたはハロゲンである。〕
の化合物である。
【0045】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストはグループP1から選択される化合物である;グループP1は次のものから成る:
A−1:(S)−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−カルバミン酸(S)−1−(2−フルオロ−フェニル)−エチルエステル;
A−2:(R)−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−カルバミン酸(R)−1−(2−クロロ−フェニル)−エチルエステル;
A−3:(S)−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−カルバミン酸(S)−1−フェニル−エチルエステル;
B−1:(R)−3−(5−フェニル−ピリミジン−2−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−2:(R)−3−(5−p−トリル−ピリミジン−2−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−3:(R)−3−(5−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリミジン−2−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−4:(R)−3−(5−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリミジン−2−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−5:(R)−3−(6−p−トリル−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−6:(R)−3−(6−フェニル−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−7:(R)−3−(6−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−8:(R)−3−[6−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−9:(R)−3−[6−(4,5−ジメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−10:(R)−3−[6−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−11:(R)−3−[6−(4−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−12:(R)−3−[6−(2,5−ジフルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−13:(2S,3R)−3−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−14:(2R,3S)−3−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−15:(2S,3R)−3−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−2−イルオキシ]−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−16:(2R,3S)−3−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−2−イルオキシ]−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−17:3−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−3−イルオキシ]−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−18:(2S,3R)−2−メチル−3−[6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−19:3−[6−(2,3−ジメチル−1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−20:trans−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−(6−フェニル−ピリジン−3−イル)−アミン;
B−21:trans−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−アミン;
【0046】
C−1:(4S,5R)−4−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
C−2:5−{2−[(4S,5R)−(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−4−イル)オキシ]−ピリミジン−5−イル}−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
C−3:(4S,5R)−4−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
C−4:(4S,5R)−4−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
C−5:(4S,5R)−4−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
C−6:5−{6−[(4S,5R)−(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−4−イル)オキシ]−ピリダジン−3−イル}−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
C−7:(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−4−イル)−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−2−イル]−アミン;
C−8:(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−4−イル)−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミン;
C−9:(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−4−イル)−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン;
C−10:(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−4−イル)−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン;
C−11:(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−4−イル)−[5−(1H−インドール−4−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミン;
C−12:(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−4−イル)−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イル]−アミン;
D−1:5−ベンゾフラン−5−イルエチニル−1−メチル−3−ピペリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン;
D−2:1−メチル−5−フェニルエチニル−3−ピペリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン;
D−3:1−メチル−5−(1−メチル−1H−インドール−5−イルエチニル)−3−ピペリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン;
D−4:5−(3−アミノ−フェニルエチニル)−1−メチル−3−ピペリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン;
【0047】
E−1:式
【化17】

を有する4−(5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルオキシ)−1アザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン;
E−1a:(4S)−4−(5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルオキシ)−1アザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン;
E−1b:4−(6−(1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ)−1アザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン;
E−1c:4−(6−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1アザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン;
E−1d:4−(5−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−2−イルオキシ)−1アザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン;
E−2:式
【化18】

を有する2−(6−フェニルピリダジン−3−イル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール;
E−3:式
【化19】

を有する5−[6−(5−メチル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル−ピリダジン−3−イル1H−インドール;
E−3a:5−[6−(cis−5−メチル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル−ピリダジン−3−イル1H−インドール;
E−4:式
【化20】

を有する5−[5−{6−メチル−3,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル}−ピリジン−2−イル]−1H−インドール;
E−4a:5−[5−{(1R,5R)−6−メチル−3,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル}−ピリジン−2−イル]−1H−インドール
E−5:式
【化21】

を有する2−メチル−5−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール;
【0048】
E−6:5−{6−[1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルオキシ]ピリダジン−3−イル}−1H−インドール;
E−6a:5−{6−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルオキシ]ピリダジン−3−イル}−1H−インドール;
E−7:5−{6−[1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルオキシ]ピリダジン−3−イル}−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
E−7a:5−{6−[(3R)1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルオキシ]ピリダジン−3−イル}−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
E−8:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
E−8a:N−((3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
E−8b:N−((3S)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
E−9:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−(トリフルオロメトキシ)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
E−9a:N−((3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−(トリフルオロメトキシ)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
E−9b:N−((3S)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−(トリフルオロメトキシ)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
E−10:N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド;
E−10a:(2S,3R)−N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド;
E−11:N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3,5−ジフルオロベンズアミド;
E−11a:(2S,3R)−N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−3,5−ジフルオロベンズアミド;
E−11b:N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−メチルチオフェン−2−カルボキサミド;
E−11c:(2S,3R)−N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−メチルチオフェン−2−カルボキサミド;
E−11d:N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−(2−ピリジニル)チオフェン−2−カルボキサミド;
E−11e:(2S,3R)−N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−5−(2−ピリジニル)チオフェン−2−カルボキサミド;
【0049】
E−12:4−(5−メチルオキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−1,4−diアザビシクロ[3.2.2]ノナン;
E−13:[N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−4−クロロベンズアミド;
E−14:フロ[2,3−c]ピリジン−5−カルボン酸(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−アミド;
E−15:2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルボン酸(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−アミド;
E−16:5−モルホリン−4−イル−ペンタン酸(4−ピリジン−3−イル−フェニル)−アミド;
E−17:N−{4−[4−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−ピリジン−2−イル−ベンズアミド;
E−18:1−[6−(4−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル]−3−(4−ピペリジン−1−イルブチル)−ウレア;
E−19:7,8,9,10−テトラヒドロ−6,10−メタノ−6H−ピラジノ−(2,3−h)(3)−ベンズアゼピン;
E−20:(2’R)−スピロ−[1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3,2‘(3’H)−フロ[2,3−b]ピリジン];
E−21:1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−ブロモ−フェニルエステル;
E−22:3−[1−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−メト−(E)−イリデン]−3,4,5,6−テトラヒドロ−[2,3’]ビピリジニル;
E−23:7−(2−メトキシ−フェニル)−ベンゾフラン−2−カルボン酸(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−アミド;
E−24:式
【化22】

を有するN−メチル−1−{5−[3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−フロ[2,3−b]ピリジン]−5’−イル]−2−チエニル}メタンアミン;
E−24a:N−メチル−1−{5−[(2R)−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−フロ[2,3−b]ピリジン]−5’−イル]−2−チエニル}メタンアミン;
E−24b:N−メチル−1−{5−[(2S)−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−フロ[2,3−b]ピリジン]−5’−イル]−2−チエニル}メタンアミン;
【0050】
E−25a:6−[(アニリノカルボニル)アミノ]−N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25b:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−({[(4−クロロフェニル)アミノ]カルボニル}アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25c:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−({[(2−メトキシフェニル)アミノ]カルボニル}−アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25d:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−({[(4−メトキシフェニル)アミノ]カルボニル}−アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25e:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−({[(2−フェニルエチル)アミノ]カルボニル}アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25f:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−({[(3−シアノフェニル)アミノ]カルボニル}アミノ)−1−ベンズチオフェン(iophene)−2−カルボキサミド;
E−25g:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−({[(3−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25h:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−({[(2−エトキシ(elhoxy)フェニル)アミノ]カルボニル)アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25i:N−[(3R)−1−アザ(Az)ビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−({[(4−(ジメチルアミノ)フェニル)アミノ]−カルボニル)アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25j:N−(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−({[(2−ニトロフェニル)アミノ]カルボニル}アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25k:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−({[(2,6−ジフルオロフェニル)アミノ]カルボニル}−アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25l:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−({[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]カルボニル}−アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25m:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−[({[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−カルボニル)アミノ]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25n:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−({[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]−カルボニル}アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25o:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−[({[4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−アミノ}カルボニル)アミノ]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25p:N−{(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−[({[3−メトキシフェニル]アミノ}カルボニル)−アミノ]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25q:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−[({[3−トリフルオロメトキシフェニル]アミノ}−カルボニル)−アミノ]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25r:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−{[(tert−ブチルアミノ)カルボニル]アミノ}−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25s:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−yI]−6−{[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]アミノ}−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25t:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−[({[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ}カルボニル−アミノ]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25u:7−[(アニリノカルボニル)アミノ]−N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
E−25v:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−({[(4−メトキシフェニル)アミノ]カルボニル}−アミノ)−1−ベンゾフラン−2−カルボキサミド;
【0051】
E−26a:N−[4−(2−チエニル)フェニル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
E−26b:N−[4’−(ヒドロキシメチル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
E−26c:N−(4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−4−イル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
E−26d:N−(4’−メチルスルファニル−1,1’−ビフェニル−4−イル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
E−26e:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−N−(4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−4−y1)アセトアミド;
E−26f:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−N−(4’−メトキシ−1,1’−ビフェニル−4−イル)アセトアミド;
E−26g:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−N−(4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)アセトアミド;
E−26h:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−N−(3’−ニトロ−1,1’−ビフェニル−4−イル)アセトアミド;
E−26i:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−N−[4’−(ヒドロキシメチル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]アセトアミド;
E−26j:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−N−[4’−(ブロモメチル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]アセトアミド;
E−26k:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−N−[2’−(ヒドロキシメチル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]アセトアミド;
E−26l:N−[3’(アセチルアミノ)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)アセトアミド;
E−26m:(3R)−N−[2’−(ヒドロキシメチル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
E−26n:(3R)−N−[4’−(ヒドロキシメチル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
E−26o:(3S)−N−[4’(ヒドロキシメチル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
E−26p:(3R)−N−[4’−(4−モルホリニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
E−26q:(3R)−N−[4’−(ヒドロキシメチル)−3’−(メトキシ)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]−オクタン−3−カルボキサミド;
E−26r:4’−{[(3S)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルカルボニル]アミノ}−1,1’−ビフェニル−4−カルボン酸メチル;
E−26s:4’−{[(3S)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルカルボニル]アミノ}−1,1’−ビフェニル−4−カルボン酸;
E−26t:(3R)−N−[4’−(ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]−オクタン−3−カルボキサミド;
E−26u:(3R)−N−[4’−(アミノカルボニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
E−26v:(3R)−N−[4’−(ヒドロキシメチル)−3−フルオロ−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
E−26w:(4’−{[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルカルボニル]アミノ}−1,1’−ビフェニル−4−イル)メチルメチルカルバメート;
E−26x:(4’−{[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルカルボニル]アミノ}−1,1’−ビフェニル−4−イル)メチルイソプロピルカルバメート;
E−26y:(4’−{[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルカルボニル]アミノ}−1,1’−ビフェニル−4−イル)メチルエチルカルバメート;
E−26z:WO2003/078431の実施例番号26、27、28、29、30、31、32、33、34および35から選択される化合物の遊離塩基;
【0052】
E−27a:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−N−(7−ブロモ−1−ベンゾチエン−2−イル)アセトアミド;
E−27b:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−N−(6−ブロモ−1−ベンゾチエン−2−イル)アセトアミド;
E−27c:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−N−(7−キノリニル)アセトアミド;
E−27d:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−N−(2−ナフチル)アセトアミド;
E−27e:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−N−(8−ニトロ−2−ナフチル)アセトアミド;
E−28a:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−6−キノリンカルボキサミド;
E−28b:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−phenazineカルボキサミド;
E−28c:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−7−キノリンカルボキサミド;
E−28d:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−6−キノリンカルボキサミド;
E−28e:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−エチル−7−キノリンカルボキサミド;
E−28f:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−エチル−6−キノリンカルボキサミド;
E−28g:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−メチル−7−キノリンカルボキサミド;
E−28h:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−メチル−6−キノリン(quinolie)カルボキサミド;
E−28i:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−メチル−6−キノリンカルボキサミド;
E−28j:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−プロピル−6−キノリンカルボキサミド;
E−28k:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−エチル−4−メチル−6−キノリンカルボキサミド;
E−28l:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−プロピル−7−キノリンカルボキサミド;
E−28m:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−エチル−4−メチル−7−キノリンカルボキサミド;
E−28n:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−6−キノリン−カルボキサミド;
E−28o:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−7−キノリン−カルボキサミド;
E−28p:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−フェニル−6−キノリンカルボキサミド;および
E−28q:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−2−フェニル−7−キノリンカルボキサミド;
ここで、該化合物の各々は遊離塩基形態または酸付加塩形態である。
【0053】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストは化合物A−1、A−2およびA−3からなる群から選択される化合物である;ここで、該化合物の各々は遊離塩基形態または酸付加塩形態である。
【0054】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストは化合物B−1、B−2、B−3、B−4、B−5、B−6、B−7、B−8、B−9、B−10、B−11、B−12、B−13、B−14、B−15、B−16、B−17、B−18、B−19、B−20およびB−21からなる群から選択される化合物である;ここで、該化合物の各々は遊離塩基形態または酸付加塩形態である。
【0055】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストは化合物C−1、C−2、C−3、C−4、C−5、C−6、C−7、C−8、C−9、C−10、C−11およびC−12からなる群から選択される化合物である;ここで、該化合物の各々は遊離塩基形態または酸付加塩形態である。
【0056】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストは化合物D−1、D−2、D−3およびD−4からなる群から選択される化合物である;ここで、該化合物の各々は遊離塩基形態または酸付加塩形態である。
【0057】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストはグループP2から選択される化合物である;グループP2は化合物A−1、A−2、A−3、B−1、B−2、B−3、B−4、B−5、B−6、B−7、B−8、B−9、B−10、B−11、B−12、B−13、B−14、B−15、B−16、B−17、B−18、B−19、B−20、B−21、C−1、C−2、C−3、C−4、C−5、C−6、C−7、C−8、C−9、C−10、C−11、C−12、E−1、E−1a、E−1b、E−1c、E−1d、E−2、E−3、E−3a、E−4、E−4a、E−8、E−8a、E−8b、E−9、E−9a、E−9b、E−10、E−10a、E−11、E−11a、E−11b、E−11c、E−11d、E−11e、E−12、E−19、E−22、E−24、E−24a、E−24b、E−25a、E−25b、E−25c、E−25d、E−25e、E−25f、E−25g、E−25h、E−25i、E−25j、E−25k、E−25l、E−25m、E−25n、E−25o、E−25p、E−25q、E−25r、E−25s、E−25t、E−25u、E−25v、E−28a、E−28b、E−28c、E−28d、E−28e、E−28f、E−28g、E−28h、E−28i、E−28j、E−28k、E−28l、E−28m、E−28n、E−28o、E−28pおよびE−28qからなる群である;ここで、該化合物の各々は遊離塩基形態または酸付加塩形態である。
【0058】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストはグループP3から選択される化合物である;グループP3は化合物A−1、A−2、A−3、B−1、B−2、B−3、B−4、B−5、B−6、B−7、B−8、B−9、B−10、B−11、B−12、B−13、B−14、B−15、B−16、B−17、B−18、B−19、B−20、B−21、C−1、C−2、C−3、C−4、C−5、C−6、C−7、C−8、C−9、C−10、C−11、C−12、E−1、E−1a、E−1b、E−1c、E−1d、E−2、E−3、E−3a、E−4、E−4a、E−8、E−8a、E−8b、E−9、E−9a、E−9b、E−10、E−10a、E−11、E−11a、E−12、E−19、E−22、E−24、E−24aおよびE−24bから成る群である;ここで、該化合物の各々は遊離塩基形態または酸付加塩形態である。
【0059】
式(I)の化合物(例えば化合物A−1〜A−3、B−1〜B−21およびC−1〜C−12)または式(II)の化合物(例えば化合物D−1〜D−4)およびそれらの製造方法はWO2001/85727、WO2004/022556、WO2005/118535、WO2005/123732、WO2006/005608、WO2007/045478、WO2007/068476およびWO2007/068475から既知であるかまたは該文献を参照して製造できる。
【0060】
化合物E−1およびE−1aはWO2008/058096に従い製造できる。
化合物E−2、E−3、E−3a、E−4、E−4aおよびE−5(A−582941)はWO2005/028477に従い製造できる。
化合物E−6、E−6a、E−7およびE7aはWO2006/065233および/またはWO2007/018738に従い製造できる。
化合物E−8、E−8a、E−8b、E−9、E−9aおよびE−9bはWO2004/029050および/またはWO2010/043515に従い製造できる。
化合物E−10およびE−10aはWO2004/076449および/またはWO2009/018505に従い製造できる;
化合物E−11、E−11a〜E−11eはWO2004/076449および/またはWO2010/085724および/またはWO2010/056622に従い製造できる;
化合物E−12(CP-810123)および化合物E−19(バレニクリン)はO'Donnell et al, J Med Chem, 2010, 53, 1222-1237に記載されている。
【0061】
化合物E−13(PNU-282987)、E−14(PHA543613)、E−21(SSR-180771)およびE−23(ABBF)はHorenstein et al, Mol Pharmacol, 2008, 74, 1496-1511に記載されている。
化合物E−15(PHA568487)、E−16(WAY-317538)、E−17(WAY-264620)、E−20(AZD-0328)およびE−22(GTS-21)はHaydar et al, Current Topics in Medicinal Chemistry, 2010, 10, 144-152に記載されている。
化合物E−18(WYE-103914)はGhiron et al, J Med Chem, 2010, 53, 4379-4389に記載されている。
化合物E−24、E−24aおよびE−24bはWO2007/133155および/またはWO2009/066107に記載されている。
化合物E−25a〜E−25vはWO2004/013136に記載されている。
化合物E−26a〜E−26zはWO2003/078431に記載されている。
化合物E−27a〜E−27eはWO2003/078430に記載されている。
化合物E−28a〜E−28qはWO2003/043991に記載されている。
【0062】
本発明のさらなる面は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアの処置(治療的または予防的のいずれであれ)、予防または進行遅延のためのα7−nAChRアゴニストの使用に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストは式(I)の化合物である。
【0063】
本発明のさらなる面は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアの処置(治療的または予防的のいずれであれ)、予防または進行遅延のためのα7−nAChRアゴニストの使用に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP1から選択される化合物である。
【0064】
本発明のさらなる面は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアの処置(治療的または予防的のいずれであれ)、予防または進行遅延のためのα7−nAChRアゴニストの使用に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP2から選択される化合物である。
【0065】
本発明のさらなる面は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアの処置(治療的または予防的のいずれであれ)、予防または進行遅延のためのα7−nAChRアゴニストの使用に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP3から選択される化合物である。
【0066】
本発明のさらなる面は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延する方法であって、該対象に治療有効量のα7−nAChRアゴニストを投与することを含む、方法に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストは式(I)の化合物である。
【0067】
本発明のさらなる面は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延する方法であって、該対象に治療有効量のα7−nAChRアゴニストを投与することを含む、方法に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP1から選択される化合物である。
【0068】
本発明のさらなる面は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延する方法であって、該対象に治療有効量のα7−nAChRアゴニストを投与することを含む、方法に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP2から選択される化合物である。
【0069】
本発明のさらなる面は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延する方法であって、該対象に治療有効量のα7−nAChRアゴニストを投与することを含む、方法に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP3から選択される化合物である。
【0070】
本発明のさらなる面は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための方法であって、(i)該対象においてパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを診断し、そして(ii)該対象に治療有効量のα7−nAChRを投与することを含む、方法に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストは式(I)の化合物である。
【0071】
本発明のさらなる面は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための方法であって、(i)該対象においてパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを診断し、そして(ii)該対象に治療有効量のα7−nAChRを投与することを含む、方法に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP1から選択される化合物である。
【0072】
本発明のさらなる面は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための方法であって、(i)該対象においてパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを診断し、そして(ii)該対象に治療有効量のα7−nAChRを投与することを含む、方法に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP2から選択される化合物である。
【0073】
本発明のさらなる面は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための方法であって、(i)該対象においてパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを診断し、そして(ii)該対象に治療有効量のα7−nAChRを投与することを含む、方法に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP3から選択される化合物である。
【0074】
本発明のさらなる面は、α7−nAChRアゴニストを含む、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための医薬組成物に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストは式(I)の化合物である。
【0075】
本発明のさらなる面は、α7−nAChRアゴニストを含む、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための医薬組成物に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP1から選択される化合物である。
【0076】
本発明のさらなる面は、α7−nAChRアゴニストを含む、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための医薬組成物に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP2から選択される化合物である。
【0077】
本発明のさらなる面は、α7−nAChRアゴニストを含む、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための医薬組成物に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP3から選択される化合物である。
【0078】
本発明のさらなる面は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための医薬の製造のためのα7−nAChRアゴニストの使用に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストは式(I)の化合物である。
【0079】
本発明のさらなる面は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための医薬の製造のためのα7−nAChRアゴニストの使用に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP1から選択される化合物である。
【0080】
本発明のさらなる面は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための医薬の製造のためのα7−nAChRアゴニストの使用に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP2から選択される化合物である。
【0081】
本発明のさらなる面は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための医薬の製造のためのα7−nAChRアゴニストの使用に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP3から選択される化合物である。
【0082】
ニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7ポジティブアロステリックモジュレーター:
ここで使用する“α7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーター”は、インビボおよびインビトロでα7−nAChRサブユニットを含む受容体に結合し、その生理学的リガンド(すなわちアセチルコリン)が結合したときに該受容体の活性化を増強する化合物である。増強はWO2001/85727に開示の方法により、すなわちアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)を安定に発現するラット下垂体細胞株で行う、ホモマーα7 nAChRでの機能的親和性アッセイにより測定できる。読み出しとして、アセチルコリン結合単独と比較した受容体の刺激によるカルシウム流入を使用する。本発明の“α7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーター”は、典型的にアセチルコリンにより惹起される最大誘発の少なくとも200%のカルシウム流入を誘発し、少なくとも5000nMのEC50値を有する;好ましいアゴニストは、典型的にアセチルコリンにより惹起される最大誘発の少なくとも少なくとも300%のカルシウム流入を誘発し、少なくとも1000nMのEC50値を有する;より好ましいアゴニストは、エピバチジンにより惹起される最大流入の少なくとも400%のカルシウム流入を誘発し、少なくとも500nMのEC50値を有する。
【0083】
特に、好ましいα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターは胃腸管から十分に吸収され、十分に代謝的に安定であり、かつ都合よい薬物動態学的特性を有しなければならない。
【0084】
さらに好ましいα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターはインビボで強力にα7−nAChRに結合するが、他の受容体、特に他のnAChR、例えばα4β2 nAChR、ムスカリンアセチルコリン受容体、例えばM1および/または5−HT受容体にほとんど親和性を示さない。
【0085】
さらに好ましいα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターは血液脳関門を有効に通過する。
【0086】
好ましいα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターは非毒性であり、ほとんど副作用ないことが証明されていなければならない。
【0087】
さらに、好ましいα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターは安定であり、非吸湿性であり、かつ容易に製剤される物理形態で存在可能である。
【0088】
一つの態様において、α7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターは、α7−nAChRサブユニットを含む受容体に選択的であり、なぜなら、かかるポジティブアロステリックモジュレーターは処置対象に対して非選択的ポジティブアロステリックモジュレーターよりも副作用が少ないと予期されるためである。α7−nAChRサブユニットを含む受容体に選択的なポジティブアロステリックモジュレーターは、かかる受容体に対して、任意の他のニコチン性アセチルコリン受容体と比較して、はるかに高い、例えばEC50値で少なくとも10倍、好ましくは少なくとも20倍、より好ましくは少なくとも50倍親和性に差がある機能的親和性を有する。本発明のα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターの他のニコチン性アセチルコリン受容体に対する親和性を評価するために、WO2001/85727に開示の方法を使用でき、すなわちヒト神経細胞α4β2 nAChRに対する親和性を評価するために、ヒトα4β2サブタイプを安定に発現するヒト胚腎臓細胞株を使用した類似の機能的アッセイを行い、本発明の化合物の“神経節サブタイプ”および“筋肉型”のニコチン受容体に対する活性を評価するために、類似の機能的アッセイを、ヒト“神経節サブタイプ”を安定に発現するヒト胚腎臓細胞株またはヒト“筋肉型”のニコチン受容体を内因性に発現する細胞株で行う。
【0089】
最近12年間、選択的α7 nAChRポジティブアロステリックモジュレーターの開発に焦点を絞った多くの努力がなされ、該選択的活性を示す多種多様な化学型の発見に至っている。これらの努力はHaydar et al(Current Topics in Medicinal Chemistry, 2010, 10, 144-152)のレビューに要約され、それは、α7 nAChRポジティブアロステリックモジュレーターとして働く7種の化学ファミリーに属する11種の化合物;すなわちXY−4083;PNU−120596、PHA−758454およびNS−1738;PHA−709829;SB−206553;LY−2087101、LY−1078733およびLY−2087133;化合物26;およびA−867744(化合物名称はHaydar et alから)を記載する。Haydar et alに記載される該全11種の化合物を引用より本明細書に包含させる。実際、α7 nAChRポジティブアロステリックモジュレーター作用機序を有する少なくとも1種の薬物(すなわちXY−4083)が、米国食品医薬品局により臨床試験の実施を承認されている。
【0090】
一つの態様において、α7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターはグループP4から選択される化合物である;グループPは次の化合物からなる群である:
F−1:(Z)−N−(4−クロロ−フェニル)−3−(4−クロロ−フェニルアミノ)−2−(3−メチル−イソキサゾール−5−イル)−アクリルアミド(XY−4083);
F−2:1−(5−クロロ−2,4−ジメトキシ−フェニル)−3−(5−メチル−イソキサゾール−3−イル)−ウレア(PNU−120596);
F−3:1−(5−フルオロ−2,4−ジメトキシ−フェニル)−3−(5−トリフルオロメチル−イソキサゾール−3−イル)−ウレア(PHA−758454);
F−4:1−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)−3−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレア(NS−1738);
F−5:4−(4−クロロ−フェニル)−2−(4−メトキシ−フェニル)−5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(PHA−709829);
F−6:5−メチル−3,5−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−f]インドール−1−カルボン酸ピリジン−3−イルアミド(SB−206553);
F−7:[2−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−4−メチル−チアゾール−5−イル]−チオフェン−3−イル−メタノン(LY−2087101);
F−8:[2−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−4−メチル−チアゾール−5−イル]−p−トリル−メタノン(LY−1078733);
F−9:ベンゾ[1,3]ジオキソl−5−イル−[2−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−4−メチル−チアゾール−5−イル]−メタノン(LY−2087133);
F−10:4−ナフタレン−1−イル−3a,4,5,9b−テトラヒドロ−3H−シクロペンタ[c]キノリン−8−スルホン酸アミド;および
F−11:4−[5−(4−クロロ−フェニル)−2−メチル−3−プロピオニル−ピロール−1−イル]−ベンゼンスルホンアミド(A−867744);
ここで、該化合物は遊離塩基形態または酸付加塩形態である。
【0091】
本発明のさらなる面は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアの処置(治療的または予防的のいずれであれ)、予防または進行遅延のためのα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターの使用に関する;ここで、該α7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターはグループP4から選択される化合物である。
【0092】
本発明のさらなる面は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延する方法であって、該対象に治療有効量の7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターを投与することを含む、方法に関する;ここで、該α7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターはグループP4から選択される化合物である。
【0093】
本発明のさらなる面は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延する方法であって、(i)該対象においてパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを診断し、そして(ii)該対象に治療有効量のα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターを投与することを含む、方法に関する;ここで、該α7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターはグループP4から選択される化合物である。
【0094】
本発明のさらなる面は、α7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターを含む、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための医薬組成物に関する;ここで、該α7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターはグループP4から選択される化合物である。
【0095】
本発明のさらなる面は、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための医薬の製造のための、α7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターの使用に関する;ここで、該α7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターはグループP4から選択される化合物である。
【0096】
α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターの酸付加塩は好ましくは薬学的に許容される塩である。かかる塩は当分野で既知である(例えばS.M. Berge, et al, “Pharmaceutical Salts”, J. Pharm. Sd., 1977, 66:1-19; and “Handbook of Pharmaceutical Salts, Properties, Selection, and Use”, Stahl, RH., Wermuth, C.G., Eds.; Wiley-VCH and VHCA: Zurich, 2002参照)。“薬学的に許容される塩”は、毒性ではなく、生物学的に不耐容性ではなくまたは他の点で生物学的に望ましくないものではない、遊離塩基のα7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターの塩を意味することを意図する。好ましい薬学的に許容される塩は、薬理学的に有効であり、過度の毒性、刺激またはアレルギー応答なしに患者の組織と接触させるのに適するものである。
【0097】
ドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジア:
“ドーパミンアゴニスト治療”はパーキンソン病の処置に一般に使用されている。ここで使用する用語“ドーパミンアゴニスト治療”は、特にことわらない限り、ドーパミン受容体を直接刺激する治療(例えばブロモクリプチンの投与)およびドーパミンレベルを上昇させる治療(例えばレボドパの投与またはドーパミン代謝を阻害する薬物の投与)を含むが、これらに限定されないドーパミン受容体刺激を上昇させる任意の治療を意味する。
【0098】
ドーパミンアゴニスト治療は、次の薬物の1種以上の投与を含む治療を含むが、これに限定されない:
レボドパ(またはドーパミンの前駆体であるL−ドーパ);
レボドパデカルボキシラーゼ阻害剤、例えばカルビドパまたはベンセラジドと組み合わせたレボドパ;
カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばトルカポンまたはエンタカポンと組み合わせたレボドパ;
モノアミンオキシダーゼB阻害剤、例えばセレギリンまたはラサギリン;
ドーパミン受容体アゴニスト、例えばブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、カベルゴリン、アポモルヒネまたはリスリド。
【0099】
ここで使用する用語“ドーパミンアゴニスト”は、特にことわらない限り、ドーパミン受容体刺激を高める任意の薬剤を意味する。好ましいドーパミンアゴニストはレボドパ;レボドパデカルボキシラーゼ阻害剤と組み合わせたレボドパ;カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤と組み合わせたレボドパ;モノアミンオキシダーゼB阻害剤およびドーパミン受容体アゴニストである。
【0100】
本発明の一つの態様において、治療はレボドパの投与を含む。ジスキネジアと関連する有病率のために、パーキンソン病の有効なドーパミンアゴニスト治療のためのレボドパの1日投与量は患者毎に決定すべきであり、典型的に250〜1500mgの範囲である。該総1日量を、投与あたり50〜100mgの、1日あたり2〜6回投与、例えば3〜6回投与に分ける。通常、有効な治療のために必要なレボドパの1日投与量は治療が進むに連れて増える。
【0101】
本発明の一つの態様において、治療はレボドパデカルボキシラーゼ阻害剤、例えばカルビドパまたはベンセラジドと組み合わせたレボドパの投与を含む。
【0102】
ここで使用する用語“ドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジア”は、特にことわらない限り、ドーパミンアゴニスト治療に付随するまたは該治療経過後に起こるまたはドーパミンアゴニスト治療が原因である、それに関連するまたはそれにより悪化する何らかのジスキネジアを意味し、ここで、ジスキネジアおよびドーパミンアゴニスト治療は上に定義したとおりである。かかるジスキネジアは、排他的ではないが、しばしば、パーキンソン病の該ドーパミンアゴニスト治療の副作用として起こる。
【0103】
かかるジスキネジアの特徴は運動障害、例えばゆっくりした非協調的不随意運動、振戦、硬直および歩行問題の出現を含む。
【0104】
例えば、レボドパで処置された患者は、しばしば、パーキンソン病の症状は軽減するものの、立位または座位の維持さえ困難になることを経験する。レボドパの長期使用後、大多数の患者はかかるジスキネジアを発症する。ジスキネジアはレボドパでの処置サイクル中のどんな時にも起こり得る。
【0105】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターはジスキネジアの処置のためであり、ここで、治療はレボドパの投与を含み、該ジスキネジアは患者におけるレボドパ血漿濃度のピーク時に起こる。
【0106】
一つの態様において、α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターはジスキネジアの処置のためであり、ここで、治療はレボドパの投与を含み、該ジスキネジアは患者におけるレボドパ血漿濃度が上昇または低下するときに起こる(二相性ジスキネジア)。
【0107】
驚くべきことに、α7−nAChRアゴニストおよび/またはポジティブアロステリックモジュレーターがドーパミンアゴニスト、例えばレボドパの作用を持続できることが判明した。その結果、かかるドーパミンアゴニストを使用した治療と比較して、該ドーパミンアゴニストの投与間隔が長くなり、同程度のパーキンソン病制御を達成するのに必要な1日投与量の減少に至り得る。
【0108】
本発明のさらなる面は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病の処置または進行遅延の方法であって、該対象に治療有効量の(i)ドーパミンアゴニストおよび(ii)α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターを投与することを含み、
ここで、ドーパミンアゴニストの1日投与量は、α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターの共投与を受けていない対象において同程度のパーキンソン病管理を達成するのに必要な該ドーパミンアゴニストの1日投与量と比較して減少している。
【0109】
好ましい態様において、該ドーパミンアゴニストはレボドパを含む。
さらに好ましい態様において、該1日投与量減少は、少なくとも10%の投与量減少である。
さらに好ましい態様において、該1日投与量減少は少なくとも20%の投与量減少である。
さらに好ましい態様において、該1日投与量減少は、ドーパミンアゴニストの長い投与間隔により達成される。
【0110】
処置は、ジスキネジアと関連する特徴の減少、例えば、限定はしないが、不随意運動の規模の減少、不随意運動の数の減少、通常の作業を行う能力の改善、歩行能の改善、ジスキネジアのエピソードの間の時間の延長を含み得る。
【0111】
パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアの処置の一つの面は、該処置が、ドーパミンアゴニスト治療により行われるパーキンソン病自体の処置に最小限の有害作用しか有してはならないことである。例えば:ジスキネジアの処置に使用できる神経遮断剤は、ドーパミンアゴニスト治療の効果、例えばパーキンソン病患者の認知、鬱病および睡眠行動に関連するパラメータに有害な作用を有する。極めて関連するのは、パーキンソン病自体の処置に正の作用を有する、例えば認知と関連するパラメータを改善する抗運動障害剤である。
【0112】
予防処置の場合、α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターはジスキネジアの発症の遅延または予防に使用し得る。
【0113】
ここで使用する用語“対象”は、好ましくはヒト、特にパーキンソン病と診断された患者を意味する。
【0114】
ここで使用する用語“治療有効量”は、典型的に、対象に投与したとき、治療効果を得るのに十分な、例えばドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアの処置、予防または進行遅延を提供するのに十分な薬物の量を意味する(例えば症状の改善を提供する量、例えば不随意運動の規模の減少をもたらす)。
【0115】
上記適応症(状態および障害)のために、適当な投与量は、例えば、用いる化合物、宿主、投与方式および処置する状態の性質および重症度により変わる。しかしながら、一般に、動物での満足のいく結果が、約0.01〜約100mg/kg体重、好ましくは約0.1〜約10mg/kg体重、例えば1mg/kgの1日投与量で得られることが示される。大型哺乳動物、例えばヒトにおいて、指示される1日投与量は約0.1〜約1000mg、好ましくは約1〜約400mg、最も好ましくは約3〜約100mgのα7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターであり、簡便には、例えば、1日4回までの分割量で投与する。
【0116】
医薬組成物:
本発明に従い使用するために、α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターを一つの活性剤としてまたは他の活性剤と組み合わせて、任意の通常の方法で、例えば経口で、例えば錠剤またはカプセル剤の形で、非経腸的に、例えば注射溶液または懸濁液の形でまたは経皮で、例えばパッチの形で投与してよい。
【0117】
一つの態様において、投与方式は、例えば錠剤またはカプセル剤の形の経口投与である。
一つの態様において、投与方式は、例えばパッチの形の経皮投与である。
【0118】
さらに、本発明は、α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターを少なくとも1種の医薬担体または希釈剤と共に含む、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための医薬組成物を提供する。かかる組成物は慣用法で製造し得る。単位投与量形態は、例えば、約2.5〜約25mgの1種以上のα7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターを含む。
【0119】
本発明の医薬組成物は、有効な用量の薬理学的有効成分を単独でまたは相当量の薬学的に許容される担体を含む、温血動物(ヒトおよび動物)に経腸、例えば経鼻、直腸または経口;非経腸、例えば筋肉内または静脈内;または経皮(例えばパッチによる)投与するための組成物である。有効成分の用量は温血動物種、体重、年齢および個々の状態、個々の薬物動態学的データ、処置する疾患および投与方式による。
【0120】
医薬組成物は約1%〜約95%、好ましくは約20%〜約90%の有効成分を含む。本発明の医薬組成物は、例えば、単位投与形態、例えばアンプル剤、バイアル剤、坐薬、糖衣錠剤、錠剤またはカプセル剤の形であり得る。
【0121】
本発明の医薬組成物はそれ自体既知の方法で、例えば慣用の溶解、凍結乾燥、混合、造粒または糖衣付加工程により製造する。かかる方法はWO2005/079802、WO2003/047581、WO2004/000316、WO2005/044265、WO2005/044266、WO2005/044267、WO2006/114262およびWO2007/071358に例示されている。
【0122】
経皮投与用組成物はRemington's Pharmaceutical Sciences 16th Edition Mack;Sucker, Fuchs and Spieser, Pharmazeutische Technologie, 1st Edition, Springerに記載されている。
【0123】
組合せ剤:
本発明はまた
(A)α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーター;および
(B)レボドパ、レボドパデカルボキシラーゼ阻害剤、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤またはドーパミン受容体アゴニストの少なくとも1種
を含む組合せ剤も提供する。
【0124】
本発明のさらなる面は(A)α7−nAChRアゴニスト;および(B)レボドパ、レボドパデカルボキシラーゼ阻害剤、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤またはドーパミン受容体アゴニストの少なくとも1種を含む組合せ剤に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストは式(I)の化合物である。
【0125】
本発明のさらなる面は(A)α7−nAChRアゴニスト;および(B)レボドパ、レボドパデカルボキシラーゼ阻害剤、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤またはドーパミン受容体アゴニストの少なくとも1種を含む組合せ剤に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP1から選択される化合物である。
【0126】
本発明のさらなる面は(A)α7−nAChRアゴニスト;および(B)レボドパ、レボドパデカルボキシラーゼ阻害剤、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤またはドーパミン受容体アゴニストの少なくとも1種を含む組合せ剤に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP2から選択される化合物である。
【0127】
本発明のさらなる面は(A)α7−nAChRアゴニスト;および(B)レボドパ、レボドパデカルボキシラーゼ阻害剤、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤またはドーパミン受容体アゴニストの少なくとも1種を含む組合せ剤に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP3から選択される化合物である。
【0128】
好ましくは、該組合せ剤は医薬組成物または合剤(combined pharmaceutical preparation)である。
【0129】
この医薬組成物において、組合せ相手、すなわち
(A)α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターおよび
(B)
i)レボドパまたは
ii)ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤または
iii)カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤または
iv)モノアミンオキシダーゼB阻害剤または
v)ドーパミンアゴニスト
の少なくとも1種
を一緒に、交互にまたは別々に1個の組み合わせた単位投与量形態でまたは2個の別々の単位投与量形態で投与できる。単位投与量形態はまた固定された組合せであってもよい。
【0130】
ここで使用する用語“組合せ剤”は、一緒に、交互にまたは別々に、1個の組み合わせた単位投与量形態でまたは2個の別々の単位投与量形態で投与できる2種以上の物質を意味すると解釈すべきである。
【0131】
投与量形態の投与は、同時に(co-cominantly)、一緒に、一部一緒に(part-simultaneously)、別々にまたは逐次的にであり得る。組合せの投与量形態は必ずしも同じ投与量形態でなくてもよく、次の2種以上を含んでよい:
経腸:経口(カプセル剤、錠剤、溶液剤)、直腸(坐薬)
非経腸:静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射、腹腔内注射、乳房内注射
呼吸器:吸入、鼻腔内、気管内
局所:粘膜適用、皮膚適用。
【0132】
加えて、複数医薬の放出プロファイルは同じでなくてもよく、例えば組合せの1種以上の成分が持続放出形態であってよい。
【0133】
本発明の一つの態様において、特定の組合せ剤を使用する。該組合せ剤は:
(A)α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーター;および
(B)レボドパ、カルビドパ、ベンセラジドトルカポン、エンタカポン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、カベルゴリン、アポモルヒネおよびリスリドからなる群から選択される少なくとも1種の活性剤
を含む。
【0134】
本発明のさらなる面は、(A)α7−nAChRアゴニスト;および(B)レボドパ、カルビドパ、ベンセラジドトルカポン、エンタカポン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、カベルゴリン、アポモルヒネおよびリスリドからなる群から選択される少なくとも1種の活性剤を含む組合せ剤に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストは式(I)の化合物である。
【0135】
本発明のさらなる面は、(A)α7−nAChRアゴニスト;および(B)レボドパ、カルビドパ、ベンセラジドトルカポン、エンタカポン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、カベルゴリン、アポモルヒネおよびリスリドからなる群から選択される少なくとも1種の活性剤を含む組合せ剤に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP1から選択される化合物である。
【0136】
本発明のさらなる面は、(A)α7−nAChRアゴニスト;および(B)レボドパ、カルビドパ、ベンセラジドトルカポン、エンタカポン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、カベルゴリン、アポモルヒネおよびリスリドからなる群から選択される少なくとも1種の活性剤を含む組合せ剤に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP2から選択される化合物である。
【0137】
本発明のさらなる面は、(A)α7−nAChRアゴニスト;および(B)レボドパ、カルビドパ、ベンセラジドトルカポン、エンタカポン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、カベルゴリン、アポモルヒネおよびリスリドからなる群から選択される少なくとも1種の活性剤を含む組合せ剤に関する;ここで、該α7−nAChRアゴニストはグループP3から選択される化合物である。
【0138】
本発明の一つの態様において、特定の組合せ剤を使用する。該組合せ剤は:
(A)α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーター;および
(B)レボドパと、カルビドパ、ベンセラジドトルカポン、エンタカポン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、カベルゴリン、アポモルヒネまたはリスリドからなる群から選択される少なくとも1種の活性剤
を含む。
【0139】
該態様の例は、α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターとレボドパの組合せ剤であり、それはさらにレボドパデカルボキシラーゼ阻害剤、例えばカルビドパまたはベンセラジドを含み得る。
【0140】
該態様の例は、グループP3から選択されるα7−nAChRアゴニストの組合せ剤であり、それはさらにレボドパデカルボキシラーゼ阻害剤、例えばカルビドパを含む。
【0141】
該態様の例は、グループP3から選択されるα7−nAChRアゴニストの組合せ剤であり、それはさらにレボドパデカルボキシラーゼ阻害剤、例えばベンセラジドを含む。
【0142】
本発明の一つの態様において、特定の組合せ剤を使用する。該組合せ剤は:
(A)α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーター;および
(B)レボドパ;カルビドパおよびエンタカポン
を含む。
【0143】
該態様の例は、α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターとStalevo(登録商標)を含む組合せ剤である。
【0144】
該態様の例は、グループP3から選択されるα7−nAChRアゴニストとStalevo(登録商標)を含む。
【0145】
本発明はまた治療において同時に、別々にまたは逐次に使用するための組合せ製剤としてα7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターおよびレボドパを含む製品、例えばキットを提供する。本製品はさらにレボドパデカルボキシラーゼ阻害剤、例えばカルビドパまたはベンセラジドを含み得る。
【0146】
α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターの上記障害における有用性は、下に示すものを含む標準試験範囲内で確認できる。
【実施例】
【0147】
1. インビトロ試験
1.1. α4β2−nAChRに対する選択したα7−nAChRアゴニストの選択性
下に示す活性/選択性データに基づき、該化合物がα7−nAChRで選択的アゴニストであると結論付けられる。
【表1】

【0148】
アッセイ:α7−nAChR活性を評価するために、ヒトα7−nAChRを組み換えにより発現するGH3細胞を使用した機能的アッセイを用いた。ウェルあたり50000細胞を、実験開始72時間前に黒色96ウェルプレート(Costar)に播種し、37℃で加湿雰囲気下(5%CO/95%空気)インキュベートした。実験の日に、プレートを軽打することにより培地を除き、2.5mM プロベネシド(Sigma)存在下、2mM Fluo−4(Molecular Probes)を含む100μl増殖培地に置き換えた。細胞を37℃で加湿雰囲気下(5%CO/95%空気)、1時間インキュベートした。過剰のFluo−4を除去するためにプレートを軽打し、Hepes緩衝化塩溶液(mM量:NaCl 130、KCl 5.4、CaCl 2、MgSO 0.8、NaHPO 0.9、グルコース 25、Hepes 20、pH7.4;HBS)で2回洗浄し、適当なときアンタゴニストを含む100μlのHBSを再充填した。アンタゴニスト存在下のインキュベーションを3−5分間続けた。プレートを、FLIPR装置(蛍光イメージングプレート読取装置、Molecular Devices, Sunnyvale, CA, USA)の細胞プレート台に置いた。ベースライン記録後(レーザー:励起1Wで488nm、0.4秒間の開放のCCDカメラ)、アゴニスト(50μl)を蛍光を同時に記録しながらFLIPR 96チップピペッターを使用して細胞プレートに添加した。カルシウム動的データを、α7−nAChRでの完全アゴニストであるエピバチジンにより誘発される最大適合応答に対して標準化した。4パラメータヒルの方程式を濃度−応答に適合させた。Emax値(エピバチジン応答と比較した最大応答の%)およびEC50(μMでの最大効果の半分を生じる濃度)をこの適合から導いた。
D Feuerbach et al, Neuropharmacology (2005), 48, 215-227に記載のアッセイ。
【0149】
本発明の化合物のヒト神経細胞nAChR α4β2に対する活性を評価するために、類似の機能的アッセイを、ヒトα4β2サブタイプを安定に発現するヒト上皮性細胞株を使用して行った(Michelmore et al., Naunyn-Schmiedeberg's Arch. Pharmacol. (2002) 366, 235)。
【0150】
2. インビボ前臨床試験
2.1. マウスでの経口バイオアベイラビリティおよび脳浸透
下に示す薬物動態学的データに基づき、マウスでの該化合物の脳濃度は、30μmol/kgの急速経口投与後、α7−nAChRで少なくとも4時間化合物のEC50を超える(または少なくとも等しい)と結論付けられる。
【0151】
【表2】

【0152】
【表3】

【0153】
【表4】

【0154】
アッセイ:化合物を経口で(30μmol/kg)投与した。雄マウス(30〜35g、OF1/IC種)を経口投与後示す時間に屠殺した。体幹血をEDTA含有チューブに採取し、脳を摘出し、直ぐにドライアイスで凍結させた。100μlの血漿に10μlの内部標準(試験化合物に類似する溶解度およびイオン化特性を有する化合物1.0pmol)を添加し、500μlのジクロロメタンで3回抽出した。合わせた抽出物を窒素流下で乾燥させ、100μlのアセトニトリル/水(70%アセトニトリル)に再溶解した。脳を秤量し、水中で均質化した(1:5 w/v)。各ホモジネートの100μl量を2個+10μlの内部標準(血漿サンプルとして使用したのと同じ標準)を500μlのジクロロメタンで3回抽出し、さらに血漿サンプルと同様に処理した。サンプルを、オートサンプラー(Gilson 233XL)と共にBeckmann高速液体クロマトグラフィー機器システムで分離した。10分間の直線勾配(10〜70%)の0.5%(v/v)ギ酸含有アセトニトリルを使用して、化合物をNucleosil CC-125/2 C18逆相(Machery&Nagel)カラムから溶出した。
検出限界(LOD)、〜3のシグナル対ノイズ比の抽出された標準サンプルの最低濃度として定義。
【0155】
2.2. マウスでの機能的読み出し(社会的認知試験)
下に示す機能的インビボデータに基づき、適切な濃度での該化合物の経口投与は、α7−nAChRと関連する特定の効果(すなわちマウスにおける社会的認知試験での認知増強)をもたらすと結論付けられる。
【表5】

【0156】
アッセイ:2匹の実験動物の間の社会的相互作用はその親密さにより変わる:互いに知れば知るほど、各遭遇時に互いに精査する時間は短くなる。ラットでの公開されたデータ(Mondadori et al., 1993)に一致して、我々は(i)成熟マウスは、2匹のマウスを短い間隔(例えば1時間)で再び一緒にしたときに、若年の同種よりも精査が短いこと、(ii)この短縮は記憶過程に起因し:2回目に親密な若年パートナーを見知らぬ(親密ではない)若年マウスに変えたとき、これは起こらないことおよび(iii)成熟マウスにおける前に精査した若年パートナーの記憶は時間とともに薄れ、すなわち、24時間後、精査は最初にあったときとほぼ同程度の長い時間かかることを観察した。記憶増強剤(すなわちオキシラセタム)は、前に会った(親密な)パートナーを24時間後でもなお覚えている程度に学習を促進し、一方媒体処置対照動物においては記憶は通常1時間以内に(Thor and Holloway, 1982)または2〜3時間後に薄れる。
【0157】
ベースライン試験:1匹の成熟マウスと1匹の若年マウスから成るペアを無作為に実験群および対照群に振り分けた。各ペアで、成熟マウスのみを、試験1時間に媒体または試験化合物で経口的に処理した。成熟マウスと若年マウスの積極的な接触の期間を、以下の行動的、接近関連アイテムを含み、3分間の手動で記録した:若年マウスに対する嗅ぐ動作、鼻をすり寄せる動作、毛づくろい、なめる動作、前足でかく動作および遊ぶ動作、肛門生殖器探索および向かうこと;これにより、向かうことは、成熟マウスの鼻先が若年マウスの身体から約1cm未満の距離にあると定義した。
【0158】
再試験:ベースライン試験24時間後、各処置群の成熟マウスを再び前に会った(親密な)パートナーに合わせ、ここで成熟動物の半分を前に会った(親密な)パートナーと一緒にし、残り半分を他の(親密ではない)若年マウスと一緒にした。再び接触的接近行動を3分間記録した。再試験前に経口注入はしなかった。
表中に、0分目の親密でないパートナーと比較した24時間目の親密なパートナーの精査時間の短縮を示す(0の値は短縮がなかったことを意味する)。
【0159】
2.3. パーキンソン病様霊長類での抗運動障害効果の評価
下に示すパーキンソン病様霊長類でのインビボデータに基づき、化合物A−1はレボドパの作用を遅延させず、レボドパの抗パーキンソン病活性を低下させず、レボドパ誘発ジスキネジアを顕著に減少させ、レボドパの抗パーキンソン病活性の持続期間を顕著に延長させると結論付けられる。
【0160】
2.3.1 方法
雌卵巣切除カニクイザル(Macaca fascicularis)を評価に使用する。動物に安定なパーキンソン病様症候群を発症するまで1−メチル−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(MPTP)を連続注入することによりパーキンソン病様にできる。療養後、動物を、明確で再現性のあるジスキネジアが発症するまで毎日レボドパで処置する。
【0161】
2.3.2 評価
サルを、ホームケージ中、一方向遮蔽窓を通して観察する。ベースライン時およびレボドパの標準s.c.投与後に繰り返し観察し、採点する。歩行運動活性を評価し、電子監視システムを続ける。抗パーキンソン病応答を歩行運動活性およびパーキンソン障害尺度の測定により評価する(Hadj Tahar A et al, Clin Neuropharmacol 2000; 23:195-202; and Samadi P et al, Neuropharmacology 2003; 45:954-963参照)。ジスキネジアをジスキネジア評価尺度(またHadj Tahar A et al; and Samadi P et alに記載)に従い、効果が終わるまで15分間毎に綿密にモニターし、採点する。レボドパの投与量を運動活性化および再現性のあるジスキネジアを誘発するが、過度の扇動が起こらないように選択する。
【0162】
2.3.3 プロトコール
サルを、媒体経口投与後少なくとも2時間観察する。翌日、選択したレボドパの投与量を1回試験する。動物をレボドパの効果の全期間を通して(パーキンソン病様および運動障害尺度の測定により)観察し、また歩行運動活性もモニターする。これにより媒体対照値ならびにα7−nAChRアゴニスト/ポジティブアロステリックモジュレーターおよびレボドパの組合せの比較のためのレボドパの抗パーキンソンおよびジスキネジア応答データを得る。次いでサルを、定量のレボドパと組み合わせたα7−nAChRアゴニスト/ポジティブアロステリックモジュレーターで処置する。α7−nAChRアゴニスト/ポジティブアロステリックモジュレーターの経口投与用懸濁液をレボドパの前に投与する。各投与後、動物を効果の全期間を通して(パーキンソン病様尺度および運動障害尺度の測定により)観察し、歩行運動活性または何らかの行動変化(例えば回転行動、興奮状態、嗜眠および眠気)を観察する。
【0163】
このプロトコールを使用して、20mg/kgの用量の化合物A−1を試験した。5匹のサル(レボドパ/ベンセラジド投与量:22.5/50mg;65/50mg;30/50mg;35/50mg;および25/50mg)に基づく結果を図1−4に示す。該実験において、化合物A−1は平均ジスキネジア尺度(全期間)を2.8から2.1に低下させた;さらに、化合物A−1はレボドパ応答期間を230分間から265分間に延長した。抗パーキンソン病尺度で測定したレボドパの抗パーキンソン病活性のレボドパ投与の所用時間または程度は化合物A−1の添加で顕著に変わらなかった。
【0164】
2. 臨床試験:改善治験
α7−nAChRアゴニスト/ポジティブアロステリックモジュレーターの臨床試験を、例えば、継ぎの試験設計の1種で行い得る。医師は患者の行動および能力の多くの面を調べることができる。医師は、かかる試験がガイドラインと見なされ、試験のある面を、例えば、状況および環境によって修飾および再定義し得ることを理解する。
【0165】
2.1 治験A:正常・患者集団
正常な制御下にある患者集団に1週間以上1日1回投与し、試験する。試験を改善が可能であるように、すなわち障害された機能の測定可能なパラメータ上昇があるように設計する。患者を投与期間の最初および最後に試験し、結果を比較し、分析する。
【0166】
2.2 治験B:障害集団
パーキンソン病に関連する障害および関連障害、例えばパーキンソンジスキネジア、例えば、パーキンソン病剤レボドパ誘発パーキンソンジスキネジアを有する患者集団に1週間以上1日1回投与し、試験する。試験を改善が可能であるように、すなわち障害された機能の測定可能なパラメータ上昇があるように設計する。患者を投与期間の最初および最後に試験し、結果を比較し、分析する。
【0167】
2.3 治験設計時の注意点
・ 治験設計時、当業者は底効果および天井効果の両方に対する保護が必要であることを認識するであろう。言い換えると、試験設計は、測定可能な上昇または低下を認識可能にしなければならない。
・ 人工的に機能、例えば認知を障害させる状態は、その機能の増強を試験する一つの方法である。かかる状態は、例えば、断眠および薬理学的攻撃である。
・ プラセボ対照が全治験に必要である。
・ データ解析において、反復評価から学習効果および練習効果の可能性を評価しなければならない。試験を設計するとき、データが汚染されて疑陽性となるかかる効果の可能性を考慮にいれるべきであり、例えば試験は同一(例えば同じ一連の単語を記憶させる)であってはならないが、同じ機構を試験するように設計する。他の対策は、治験終了時に一回のみのテストを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】パーキンソン病様霊長類におけるL−ドーパ投与後の行動応答までの経過時間。
【図2】パーキンソン病様霊長類におけるL−ドーパ投与後の平均パーキンソン病様尺度(全期間)。
【図3】パーキンソン病様霊長類におけるL−ドーパ投与後の平均ジスキネジア尺度(全期間)。
【図4】パーキンソン病様霊長類におけるL−ドーパ投与後のL−ドーパ応答期間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアの処置、予防または進行遅延に使用するためのニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7アゴニストまたはニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7ポジティブアロステリックモジュレーター。
【請求項2】
パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアの処置、予防または進行遅延に使用するためのニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7アゴニスト。
【請求項3】
治療がレボドパの投与を含む、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための方法であって、該対象に治療有効量のニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7アゴニストまたはニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7ポジティブアロステリックモジュレーターを投与することを含む、方法。
【請求項5】
処置を必要とする対象におけるパーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための方法であって、該対象に治療有効量のニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7アゴニストを投与することを含む、方法。
【請求項6】
治療がレボドパの投与を含む、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
処置を必要とする対象におけるパーキンソン病の処置または進行遅延のための方法であって、該対象に治療有効量の(i)ドーパミンアゴニストおよび(ii)α7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターを投与することを含み、ここで、ドーパミンアゴニストの1日投与量がα7−nAChRアゴニストまたはα7−nAChRポジティブアロステリックモジュレーターの共投与を受けていない対象において同程度のパーキンソン病管理を達成するのに必要な該ドーパミンアゴニストの1日投与量と比較して減少している、方法。
【請求項8】
ドーパミンアゴニストがレボドパを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7アゴニストまたはニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7ポジティブアロステリックモジュレーターを含む、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための医薬組成物。
【請求項10】
ニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7アゴニストを含む、パーキンソン病におけるドーパミンアゴニスト治療と関連するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための医薬組成物。
【請求項11】
治療がレボドパの投与を含む、請求項9または10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
(A)ニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7アゴニストまたはニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7ポジティブアロステリックモジュレーター;および
(B)レボドパ、レボドパデカルボキシラーゼ阻害剤、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤またはドーパミン受容体アゴニストの少なくとも1種
を含む、組合せ剤。
【請求項13】
(A)ニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7アゴニスト;および(B)レボドパ、レボドパデカルボキシラーゼ阻害剤、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤またはドーパミン受容体アゴニストの少なくとも1種
を含む、組合せ剤。
【請求項14】
(A)ニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7アゴニストまたはニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7ポジティブアロステリックモジュレーター;および
(B)レボドパ、レボドパデカルボキシラーゼ阻害剤、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤またはドーパミン受容体アゴニストの少なくとも1種
を含む、医薬組成物。
【請求項15】
(A)ニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7アゴニスト;および(B)レボドパ、レボドパデカルボキシラーゼ阻害剤、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤またはドーパミン受容体アゴニストの少なくとも1種を含む、医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−505282(P2013−505282A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530248(P2012−530248)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063946
【国際公開番号】WO2011/036167
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】