説明

ニトロセルロースベースの分散剤

本発明は多糖類−g−ポリエーテル分散剤において、化学式1の化合物、または化学式1および化学式2の化合物の混合物として表され、ここでTは幹ポリマーであり、且つ分子量500〜1000,000g/molを有する変性セルロースまたはキトサンの残基であり、AおよびBはそれぞれ独立して−O−または−NH−であり、Rは直鎖または分岐鎖の−(C1〜C50−アルキレン)−、アリーレン、シクロ−C5〜C8−アルキレン、イソホロンジイル、またはフェニレンまたはシクロヘキサンジイルによって中断されている直鎖または分岐鎖の−(C2〜C10−アルキレン)−であり、Pは分子量100〜10,000g/molを有するポリエーテルおよび/またはポリエステル鎖の残基であり、nは1〜5000の数である分散剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は変性セルロースベースの分散剤において、"グラフトオントゥ(graft onto)"法を特徴とし、インク用途において使用される分散剤に関する。
【0002】
ニトロセルロース(NC)インク系用の分散剤は、最終的なインクの性能におけるそれらの有益な効果、特により高い顔料充填を意味するミルベースの粘度の低下のために、ますます重要になってきている。
【0003】
日本国特許出願JP58083001号は、活性水素化合物と特定のジイソシアネート化合物とを反応させ、その後、得られる反応生成物をニトロセルロース溶液と混合することによって得られる変性ニトロセルロースに関する。得られるニトロセルロース化合物の化学構造は、ポリウレタンとNC樹脂との、いわば混合化合物である。前記のポリウレタンはジオールおよびジイソシアネートに基づいて形成され、その後、その生成物をNC樹脂と混合して混合化合物が得られる。この混合化合物は被覆ポリエステル膜における接着剤、および磁気記録テープの結合剤として使用される。
【0004】
M.BarikaniらはCarbohydrate Polymers 68 (2007)773−780内に、デンプンをウレタンプレポリマーと反応させることによるデンプン変性ポリウレタンの製造について記載している。前記のプレポリマーはポリカプロラクトンの両端にジイソシアネートを導入することによって製造される。そのグラフトはプレポリマーをデンプンに添加することによって行われる。
【0005】
デンプンg−ポリエーテル材料は分散効果がほとんどない。
【0006】
改善した流動性能、色味の強さ(chromatic strength)、および最終的なインク被膜における透明度を有する分散剤を提供する必要がある。
【0007】
"グラフトオントゥ"法を特徴とする変性セルロースベースの分散剤が、顔料ミルベースのより低い粘度、より高い光沢、より高い密度、および最終的なインク被膜のより良好な透過性を実現することが今回判明した。
【0008】
従って、本発明は化学式1の化合物、または化学式1および化学式2の化合物の混合物として表される分散剤に関する:
【化1】

[式中、
Tは幹ポリマーであり、且つ分子量500〜1000,000g/molを有する変性セルロースまたはキトサンの残基である;
AおよびBはそれぞれ独立して、−O−または−NH−である;
Rは直鎖または分岐鎖の−(C1〜C50−アルキレン)−、アリーレン、シクロ−C5〜C8−アルキレン、イソホロンジイル(isophoronediyl)、またはフェニレンまたはシクロヘキサンジイルによって中断されている直鎖または分岐鎖の−(C2〜C10−アルキレン)−である;
Pは分子量100〜10,000g/molを有するポリエーテルおよび/またはポリエステル鎖の残基である、
nは1〜5000の数である]。
【0009】
nは好ましくは1〜2000、より好ましくは10〜1000の数である。
【0010】
定義:
用語"変性セルロース"は、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、硝酸セルロース(ニトロセルロース)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ベンジルセルロース、およびその種のものに関する。
【0011】
用語"キトサン"は、脱アセチル化キチン、またはベータ−1,4位に結合した(ポリ)N−グルコサミンに関する。
【0012】
最も好ましいのは、ニトロセルロースの使用である。
【0013】
基Rは、イソシアネート基のリンカーである。好ましいアルキレンリンカーは、C1〜C20−アルキレンリンカーであり、より好ましくはC1〜C10−アルキレン、最も好ましくはC1〜C6−アルキレンである。
【0014】
アルキレンリンカーを有するジイソシアネートの例は:
2−メチルペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートである。特に好ましいのは、ヘキサメチレンジイソシアネートである。
【0015】
他の実施態様において、リンカーはアリーレン、例えばトルエン、4,4メチレンジフェニレン、ナフタレン、テトラメチル−m−キシリレンから選択される。前記のアリーレン基はメチルによって置換されていてもよい。
【0016】
アリーレンリンカーを有するジイソシアネートの例は、
【化2】

である。
【0017】
特に好ましいのは、トルエンジイソシアネートである。
【0018】
置換されたアリーレンリンカーを有するジイソシアネートの例は、3,3’−ジメチル−ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート:
【化3】

である。
【0019】
他の実施態様において、リンカーはシクロC5〜C8−アルキレン、好ましくはシクロヘキシレン、例えば4,4 メチレンジシクロヘキシレン、シクロヘキサンジイル、メチルシクロヘキサンジイル、トリメチルシクロヘキサンジイルメチレンから選択される。
【0020】
シクロアルキレンリンカーを有するジイソシアネートの例は、
【化4】

である。
【0021】
他の実施態様において、アルキレンリンカーはフェニレンまたはシクロヘキサンジイルによって中断されている。フェニレンまたはシクロヘキサンジイルによって中断されているリンカーを有するジイソシアネートの例は、
【化5】

である。
【0022】
イソホロンジイソシアネートは、
【化6】

である。
【0023】
前記のイソシアネートは市販である。
【0024】
Rは好ましくは、トルエンジイル、4,4 メチレンジフェニレン、テトラメチル−m−キシリレン、ヘキサメチレン、イソホロニル、4,4 メチレンジシクロヘキシレンである。
【0025】
用語ポリエーテルは、少なくとも1つのヒドロキシル基(モノ−ヒドロキシルポリエーテル)、アミン基(モノ−アミンポリエーテル)、イミン基(モノ イミンポリエーテル)を含有する直鎖または分岐鎖のポリエーテルを含む。
【0026】
モノアミンポリエーテルは、アミノ終端ポリアルキレングリコール、特にアミノ終端ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、またはプロピレングリコールとエチレングリコールとのコポリマーである。市販のアミンは商標JEFFAMINEの下でHuntsmanによって販売されている。
【0027】
好ましいのはモノヒドロキシポリエーテル、例えばポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテルおよびそれらの混合物である。限定されない例は、ポリエチレングリコールメチルエーテル(MPEG)およびポリプロピレングリコールモノブチルエーテルである。
【0028】
用語ポリエステルは、少なくとも1つのヒドロキシル基(モノ−ヒドロキシルポリエステル)を含有する直鎖および分岐鎖のポリエステルを含む。前記のモノヒドロキシポリエステルは、脂肪族ヒドロキシカルボン酸、または関連するエステル、例えば乳酸、グリコール酸など、あるいは関連するラクトン、例えばε−カプロラクトン、δ−グルタロラクトン(glutarolactone)、δ−バレロラクトン、γーブチロラクトンなど、およびそれらの混合物から誘導される。好ましいのは、ラクトンのポリエステル、例えばε−カプロラクトンまたはδ−バレロラクトンである。
【0029】
製造:
化学式1の化合物、または化学式1および化学式2の化合物の混合物の製造は、"グラフトオントゥ"製造方法に基づく。該方法は触媒の存在下でグラフト剤によって幹ポリマー(T)上に側鎖をグラフトすることを特徴とし、それは温度t1で側鎖がグラフト剤によって初めに変性され、その後、温度t2で幹ポリマー上にグラフトされることを意味する。
【0030】
前記の幹ポリマーは、上記で定義された通り、分子量500〜1000,000g/molを有する変性セルロースまたはキトサンの残基であり、好ましくはニトロセルロースである。
【0031】
前記の側鎖はポリエーテルおよび/またはポリエステル側鎖であり、且つ、分子量100〜10,000g/molを有するモノ−ヒドロキシルポリエーテル、モノーヒドロキシルポリエステル、モノ−アミン、またはイミンポリエステル等から選択される。
【0032】
前記のグラフト剤は、上述のポリイソシアネートであり、且つ、好ましくはトルエンジイソシアネート、4,4メチレンジフェニレンジイソシアネート、テトラメチル−m−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4 メチレンジシクロヘキシレンジイソシアネート、およびその種のものから選択される。
【0033】
前記の触媒は、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、ジブチルスズジラウレート等から選択される。
【0034】
従って、請求項1に記載の化学式1の化合物、または化学式1および2の化合物の混合物の製造方法は、工程:
a) ポリイソシアネートNCO−R−NCO(ここで、Rは請求項1で定義された通り)をポリエーテルおよび/またはポリエステルと、0℃〜100℃にわたる温度t1で触媒の存在下にて反応させる工程、
b) 得られる変性ポリエーテルおよび/または変性ポリエステルを変性セルロースまたはキトサン主鎖の上に、40℃〜150℃にわたる温度t2でグラフトする工程
を含む。
【0035】
2ポット法(two−pot method)では、工程a)の後、工程a)の生成物を変性セルロースまたはキトサン主鎖を含有する他のポットに添加する。
【0036】
1ポット法(one−pot method)では、工程a)の後、変性セルロースまたはキトサン主鎖を工程a)のポット内に添加する。
【0037】
従って、上述の化学式1の化合物、または化学式1および2の化合物の混合物の製造方法において、工程a)で得られた変性ポリエーテルおよび/または変性ポリエステルを単離し、そして変性セルロースまたはキトサン主鎖に添加する方法(2ポット法)、あるいは変性セルロースまたはキトサン主鎖を、工程a)で得られた変性ポリエーテルおよび/または変性ポリエステルに添加する方法(1ポット法)を開示する。
【0038】
グラフト剤と側鎖とのモル比は、1:1〜1:2にわたる。
【0039】
幹ポリマーと変性された側鎖との質量比は、5:1〜1:10にわたる。
【0040】
触媒の供与量は0.05%〜1%にわたる。
【0041】
変性セルロースまたはキトサン主鎖の分子量は、500〜1000,000g/mol、好ましくは1000〜500,000g/molである。
【0042】
ポリエーテルおよび/またはポリエステル側鎖の分子量は、100〜10,000g/mol、好ましくは300〜5,000g/molである。
【0043】
使用:
本発明の分散剤は、一般的な塗布、インク用途、またはフレキソ用途、並びに食品接触用途に適用される有機顔料分散剤、特にニトロセルロース−アルコール(NC−A)、ニトロセルロース−エステル(NC−E)、およびニトロセルロース−アルコール/エステル(NC−A/E)系のために使用される。
【0044】
出発材料の入手先
【表1】

【0045】
実施例
2ポット法
中間生成物
中間生成物1
ニトロセルロース(NC)樹脂(Walsroder NC−E330 IPA 33%)100gから、真空によって70℃で湿潤剤を除去し、その後、25質量%のNC溶液を上記の生成物をEtOAc 200g中でDBTL 0.4gを添加して溶解することによって調製した。これが中間生成物1である。
【0046】
中間生成物2
DBTL 0.5gを添加したNC樹脂(Walsroder NC−E330 ESO 20%) 100gをEtOAc 220g中に溶解して25質量%のNC溶液、中間生成物2を得た。
【0047】
中間生成物3〜9
中間生成物3〜9をすべて、中間生成物1と同様に調製したが、ただしNC樹脂の種類を下記の表1に詳述する通りに変化させた。
【0048】
表1
【表2】

【0049】
中間生成物10〜22
中間生成物10〜22をすべて、中間生成物2と同様に調製したが、ただしNC樹脂の種類を下記の表2に詳述する通りに変化させた。
【0050】
表2
【表3】

【0051】
中間生成物23
DBTL 0.3gを添加したCAB樹脂(CAB−531−1) 50gをMEK 150g中で溶解して25質量%の溶液を得た。これが中間生成物23である。
【0052】
中間生成物24〜26
中間生成物24〜26をすべて、中間生成物23と同様に調製したが、ただし多糖類樹脂を下記の表3に詳述する通りに変化させた。
【0053】
表3
【表4】

【0054】
中間生成物27
MPEG500 (分子量500g/mol) 50.0gと、TDI 17.2gと、DBTL 0.2gと、EtOAc 68gとの混合物を窒素中、室温(RT)で1時間攪拌し、そして40℃でさらに3時間攪拌した。中間生成物27は50質量%の溶液として得られた。
【0055】
中間生成物28〜45
中間生成物28〜45をすべて、中間生成物27と同様に調製したが、ただし一官能価ポリエーテル、ジイソシアネートモノマーの種類と量、EtOAcの量、および反応条件を下記の表4に詳述する通りに変化させた。計量可能なEtOAcを前記の反応配合物に添加して、固体含有率50質量%の溶液を得る。DBTLの供与量を0.15質量%として設定する。
【0056】
表4
【表5】

【0057】
中間生成物46
1−オクタデカノール 13.5gと、ε−カプロラクトン 36.5gと、DBCL 0.3gとの混合物を窒素中、170℃で6時間攪拌し、その後、EtOAc 60gを添加し、そしてその生成物を室温に冷却した。TDI 8.6gを上記の生成物に添加し、そして窒素中、室温で1時間攪拌し、そして40℃でさらに3時間攪拌した。中間生成物46は50質量%の溶液として得られた。
【0058】
中間生成物47
1−オクタデカノール 13.5gと、ε−カプロラクトン 36.5gと、DBCL 0.3gとの混合物を窒素中、170℃で6時間攪拌し、その後、EtOAc 62gを添加し、そしてその生成物を室温に冷却した。IPDI 11.1gを上記の生成物に添加し、そして窒素中、室温で1時間攪拌し、そして60℃でさらに3時間攪拌した。中間生成物47は50質量%の溶液として得られた。
【0059】
中間生成物48
1−オクタデカノール 13.5gと、ε−カプロラクトン 86.5gと、DBCL 0.6gとの混合物を窒素中、170℃で6時間攪拌し、その後、EtOAc 110gを添加し、そしてその生成物を室温に冷却した。IPDI 11.1gを上記の生成物に添加し、そして窒素中、室温で1時間攪拌し、そして60℃でさらに3時間攪拌した。中間生成物48は50質量%の溶液として得られた。
【0060】
分散剤
分散剤1
幹ポリマー(中間生成物1) 40.0gを初めに窒素中、60℃で攪拌し、その後、側鎖(中間生成物27) 13.4gを上記の生成物内にゆっくりと滴下した。前記の混合物を60℃で8時間煮沸し、そして80℃でさらに2時間煮沸した。その後、計量可能なETOAcを真空下で除去して黄色がかった粘性溶液(固体含有率50質量%)を得た。これが分散剤1である。
【0061】
分散剤2〜68
分散剤2〜68をすべて、分散剤1と同様に調製したが、ただし、側鎖、幹ポリマーの種類および量、および反応条件を、下記の表5に詳述する通りに変化させた。
【0062】
表5
【表6−1】

【0063】
【表6−2】

【0064】
【表6−3】

【0065】
1ポット法
分散剤69
MPEG500 (分子量500g/mol) 50.0gと、TDI 17.2gと、DBTL 0.2gと、EtOAc 68gとの混合物を窒素中、室温(RT)で1時間攪拌し、そして40℃でさらに3時間攪拌した。その後、幹ポリマー(中間生成物1) 400.0gを上記の生成物に添加して、そして窒素下60℃で8時間攪拌し、そして80℃でさらに2時間攪拌した。計量可能なETOAcを真空下で除去して黄色がかった粘性溶液(固体含有率50質量%)を得た。これが分散剤69である。
【0066】
分散剤70〜78
分散剤70〜78をすべて、分散剤69と同様に調製したが、ただし、側鎖、幹ポリマーの種類および量、および反応条件を、下記の表6に詳述する通りに変化させた。
【0067】
表6
【表7】

【0068】
性能判別検査
得られた分散剤の分散効果を試験するために、ミルベースを配合1に従って調製した。該ミルベースを、スカンデックスシェーカー(Scandex Shaker)内で、ガラス製ビーズで補助して2.0時間分散させ、その後、濾過してそして室温で終夜貯蔵した。試験のための最終的なインクはNC−A系(配合2)に基づく。最終的なインクを、スカンデックスシェーカーを用いて10分間混合することによって調製し、そして12μmの膜厚で白黒の紙の上に適用した。
【0069】
配合1 ミルベースの調製
【表8】

【0070】
配合2 最終的なインク系
【表9】

【0071】
分散剤1〜68の性能を配合1および2に従って試験した。一般に、いくつかの分散剤を代表的な分散剤として採用し、例えば5、12、14、17、23、24、29、31〜33、42、70、73などである。ミルベースの流動挙動をThermo−Haake RheoStress600装置によって測定した(表7)。ミルベースがよく流動し、且つそれらの粘度がブランク配合物(分散剤供与量0%)と同等またはより低いことが観察された。
【0072】
表7 ミルベースの流動性データ
【表10】

【0073】
比較例AをCN1128274に従って合成した。
【0074】
前記の結果は、比較例Aがブランク配合物および他の分散剤、例えば分散剤5、14、32等よりも劣った分散効果(粘度、光沢、および不透明度)しか実現しないことを示す。
【0075】
NC−A系において試験された分散剤の性能は、概して非常に良好であり、充分な結果、例えばブランク配合物と比較して高い光沢(表8)、低い不透明度(表9)、および高い密度などを有した。
【0076】
表8 NC−A系における最終的なインクの光沢(60゜)
【表11】

【0077】
表9 NC−A系における最終的なインクの不透明度
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式1の化合物、または化学式1および化学式2の化合物の混合物
【化1】

[式中、
Tは幹ポリマーであり、且つ分子量500〜1000,000g/molを有する変性セルロースまたはキトサンの残基である;
AおよびBはそれぞれ独立して、−O−または−NH−である;
Rは直鎖または分岐鎖の−(C1〜C50−アルキレン)−、アリーレン、シクロ−C5〜C8−アルキレン、イソホロンジイル、またはフェニレンまたはシクロヘキサンジイルによって中断されている直鎖または分岐鎖の−(C2〜C10−アルキレン)−である;
Pは分子量100〜10,000g/molを有するポリエーテルおよび/またはポリエステル鎖の残基である、
nは1〜5000の数である]
として表される分散剤。
【請求項2】
請求項1に記載の分散剤において、Tが硝酸セルロース(ニトロセルロース)である分散剤。
【請求項3】
請求項1に記載の分散剤において、Rがトルエンジイル、4,4 メチレンジフェニレン、テトラメチル−m−キシリレン、ヘキサメチレン(hexamethylenene)、イソホロニル、4,4 メチレンジシクロヘキシレンから選択される分散剤。
【請求項4】
請求項1に記載の分散剤において、Pがモノ−ヒドロキシルポリエーテルである分散剤。
【請求項5】
請求項1に記載の化学式1の化合物、または化学式1および2の化合物の混合物の製造方法において、工程:
a) ポリイソシアネートNCO−R−NCO(ここで、Rは請求項1で定義された通り)をポリエーテルおよび/またはポリエステルと、0℃〜100℃にわたる温度t1で触媒の存在下にて反応させる工程、
b) 得られる変性ポリエーテルおよび/または変性ポリエステルを変性セルロースまたはキトサン主鎖の上に、40℃〜150℃にわたる温度t2でグラフトする工程
を含む前記方法。
【請求項6】
請求項5に記載の化学式1の化合物、または化学式1および2の化合物の混合物の製造方法において、工程a)で得られる変性ポリエーテルおよび/または変性ポリエステルを単離し、そして変性セルロースまたはキトサン主鎖に添加する方法、あるいは変性セルロースまたはキトサン主鎖を、工程a)で得られた変性ポリエーテルおよび/または変性ポリエステルに添加する前記方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法において、ポリイソシアネートとポリエーテルおよび/またはポリエステルのモル比が1:1〜1:2にわたり、且つ多糖類主鎖ポリマーと変性ポリエーテルおよび/または変性ポリエステルの質量比が5:1〜1:10にわたる方法。
【請求項8】
請求項1に記載の化学式1の化合物、または化学式1および2の化合物の混合物を顔料の分散剤として用いる使用。
【請求項9】
請求項8に記載の使用において、インク用途に用いる使用。

【公表番号】特表2010−532713(P2010−532713A)
【公表日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515458(P2010−515458)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際出願番号】PCT/EP2008/058159
【国際公開番号】WO2009/007247
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】